ウクライナ最新戦況マップ8.1 ロシア軍、南部に援軍へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA020HM0S2A800C2000000/

『米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシア軍は実効支配するウクライナ南部の防衛のため、東部ドネツク州から援軍を派遣しているもようだ。スラビャンスク周辺での攻撃を一時中断した可能性がある。バフムート周辺では、1日も地上作戦を継続したが、失敗に終わった。』





『「企業におけるAI化」とそれを支える「人材育成」の時間軸を検証すると、現在のパラダイムシフトは過去のあらゆる…
『みずほ銀行の勘定系システム「MINORI」の変遷と、現在の「AI化」のトレンドを掛け合わせた洞察は、まさに今…
『ビッグテックによるFDE(フォワード・デプロイド・エンジニア)の常駐が「ビッグテックのSIer化」と評される…
『米マイクロソフトが2026年7月に立ち上げた「Microsoft Frontier Company」をはじめ…
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC210DC0R21C26A000…
ウクライナ最新戦況マップ8.1 ロシア軍、南部に援軍へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA020HM0S2A800C2000000/

『米シンクタンクの戦争研究所によると、ロシア軍は実効支配するウクライナ南部の防衛のため、東部ドネツク州から援軍を派遣しているもようだ。スラビャンスク周辺での攻撃を一時中断した可能性がある。バフムート周辺では、1日も地上作戦を継続したが、失敗に終わった。』
6月の独小売売上高、8.8%低下 物価高で落ち込み最大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01C3R0R00C22A8000000/
『【ベルリン=南毅郎】ドイツ連邦統計庁が1日発表した6月の小売売上高指数は実質ベースで前年同月比8.8%低下した。統計で遡れる1994年以降で最大の落ち込みになった。ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給不安でエネルギーや食料品など幅広い品目が値上がりし、個人消費が冷え込みつつある。
前月比では1.6%の低下だった。値上がりが続く食料品のほか、衣類や家具・家電製品などが振るわなかった。インターネット通販も不調だった。
ドイツでは今春にかけて新型コロナウイルス対応の行動規制が段階的に緩和された。個人消費が上向くと期待されていたものの、ウクライナ危機に伴うインフレの加速で急ブレーキがかかっている。欧州連合(EU)統計局がまとめた7月のドイツの消費者物価指数は前年同月比で8.5%上昇した。
ドイツ政府は6月からガソリンの高騰抑制などインフレ対策を導入しており、延長の是非が焦点になる。足元ではロシア国営ガスプロムが欧州向けのガス供給を大幅に削減したことで天然ガスの価格が高騰しており、光熱費などの負担は年末にかけて増える見通しだ。節約志向が強まり、個人消費が一段と冷え込む恐れがある。』
中国、改正独占禁止法が施行 ネット大手の統制狙う
取り締まりの矛先、外資系企業から「プラットフォーマー」へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2845Q0Y2A720C2000000/

『中国政府は8月1日、改正独占禁止法を施行した。改正の狙いはネット大手に対する統制の強化だ。2021年の独禁法違反の罰金(没収を含む)総額に占めるネット業界の比率は9割を超え、民営企業が中心のネット大手が標的となった。エネルギーや通信業界などでは国有企業の寡占が続いており、消費者の利益を損ねる恐れを指摘する声も出ている。
独禁法は08年8月1日に施行された。今回は初めての改正で、ライバルとの取引を事実上禁じるルールなどの乱用による競争制限の禁止を明記した。実はネット大手の摘発は昨年から相次いでおり、ネット大手に対する取り締まりの実態に独禁法が追いついた格好だ。
中国で独禁法は政府の思惑を実現する手段として利用されてきた。施行当初は外国企業の中国事業を抑制するための法運用が目立った。当局は09年に米コカ・コーラによる中国飲料大手の買収を承認せず、15年には米半導体大手クアルコムに優越的地位を利用した不正行為があったとして60億元(約1200億円)の罰金を科した。
ネットの台頭に伴って「プラットフォーマー」と呼ばれる企業が出現すると、政府の矛先は変わる。政府は19年に独禁政策を担う国家市場監督管理総局に対してネット大手を厳しく取り締まるよう指導し、独禁法改正の検討を進めた。
具体的には、当局は20年11月にライバル企業と取引しないように「二者択一」を求めることは独禁法違反にあたるとして摘発に乗り出す。21年4月にネット通販最大手のアリババ集団に182億元に達する過去最大の罰金を科し、10月には食品宅配最大手の美団に34億元の罰金を科した。アリババは当局の指導に従うと表明し、美団も「二者択一」を断ち切ると発表した。
中国の独占禁止法の標的となる美団の出前サービス(AP)
21年の独禁法違反の没収を含む罰金額は235億元で、20年の約50倍に急増した。中国メディアによると、このうちネット大手が市場での支配的な地位を乱用した案件などの罰金が217億元にのぼり、罰金全体の92%に達したという。
一方、国有企業の寡占や独占には切り込まない。習氏は「国有企業は国民経済の重要な柱だ」と発言しているためだ。実際、国有石油大手3社が牛耳る地域のガソリン価格は高止まりし、北京―上海間の高速鉄道の料金は値上げが続く。
中国メディアによると、政府系シンクタンク、中国経済改革研究基金会国民経済研究所の王小魯副所長は7月の会合で「(当局は)長期にわたって国有企業の独占や寡占の問題に触れておらず、鉄道、石油や通信、航空、金融など多くの領域で様々な形で独占や寡占が存在する」と指摘した。(北京=多部田俊輔)』
中国、EVの免税措置延長 市場拡大・自国メーカーを支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM012BT0R00C22A8000000/
『【北京=多部田俊輔】中国政府は2022年末に期限を迎える電気自動車(EV)など新エネルギー車に対する自動車取得税の免税措置の延長を決めた。ガソリン車からEVへの転換を機に中国メーカーが世界の自動車市場をけん引する「自動車強国」を実現するため、世界最大のEV市場のさらなる拡大をめざす。
国務院(政府)が7月29日に開いた常務会議で、国内消費の刺激策の一環としてEVなどの取得税の免税措置の延長を決めた。延長期間については公表していないが、業界団体の幹部は「1年程度になるのではないか」との見通しを示す。
中国メディアによると、自動車取得税は車両価格の約10%。政府はEVの生産販売を後押しする一環で14年に同税の免税措置を始め、22年末に期限を迎える。EV、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)が対象で、充電できないハイブリッド車(HV)は含まない。
業界団体によると、22年1~6月期の新エネ車の販売台数は前年同期の約2.2倍に相当する260万台だった。政府の後押しを受けて販売が好調で、業界団体は7月に通年の見通しを年初予想の500万台から550万台まで増える可能性があると上方修正した。
中国政府が新エネ車を後押しする背景には、自国メーカーの成長を促す狙いもある。ガソリ
ン車では独フォルクスワーゲン(VW)やトヨタ自動車など外資のシェアが高いが、新エネ車は上海汽車集団や比亜迪(BYD)など中国ブランドのシェアが高い。』
中国恒大の複雑に絡み合う借入金 1400億円の担保執行へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM011PT0R00C22A8000000/
『【広州=比奈田悠佑】経営再建中の不動産大手、中国恒大集団は7月31日、グループ会社が借入金を返済できず、恒大傘下の他の事業会社が間接的に差し入れていた約73億元(約1400億円)の担保が執行されると発表した。この借入金を巡ってはグループ外の第三者も保証関係に介在しており、恒大が抱える債務の複雑さが浮き彫りになった格好だ。
恒大はグループ会社や第三者の名称を公表していない。
グループ会社の借り入れは、第三者が保証し、この第三者には恒大傘下の南昌市の事業会社が地方銀行、盛京銀行の株式を担保として差し入れていた。今回、このグループ会社が借入金を返済できなくなり、巡り巡ってこの事業会社が差し入れていた担保が執行されることが決まった。
恒大は7月下旬、グループ内の不適切な資金流用に関わったとして複数の幹部が辞任した。経営再建に向け債務の整理は急務だが、保証関係や担保設定が複雑で、その調査に時間がかかっているもようだ。
当初は、7月末に暫定案をまとめるとしていた外貨建て債務再編計画の公表は先送りしている。債権者との調整や資産売却が難航しているようだ。資産査定の作業を近く完了し、年内の計画公表を目指すという。』
[FT]新興国、空前の資本流出 景気後退観測と米利上げで
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB012DU0R00C22A8000000/
『新興国での海外資本の流出超過が5カ月連続となり、過去最長記録を塗り替えた。景気後退懸念と金利の上昇が発展途上国の経済を揺るがしていることを物語る。
エルサルバドルの市場でマスクを付けて買い物を運ぶ女性=ロイター
国際金融協会(IIF)がまとめた速報値によると、新興国の株式・債券市場からの海外資金の流出額は7月、105億ドル(約1兆4000億円)に達した。この5カ月間の総流出額は380億ドル超。統計が始まった2005年以降で最も長期間の流出超過となった。
資本の流出は、途上国全般で深まる金融危機を一段と悪化させるおそれがある。この3カ月で、スリランカがデフォルト(債務不履行)に陥り、バングラデシュとパキスタンは国際通貨基金(IMF)に支援を要請した。投資家は、他にも危うい新興国が増えていくと懸念を募らせている。
多くの低・中所得国は、米連邦準備理事会(FRB)の利上げに起因する通貨の下落と借入費用の増加にも苦しんでいる。米国では2四半期連続のマイナス成長が明らかになった。
ジェットコースターのような年
「新興国にとって、実に、実にクレージーなジェットコースターのような年だ」と話すのはカナダの決済会社コーペイのシニアストラテジスト、カールティック・サンカラン氏だ。
米金融大手JPモルガン・チェースのデータによると、投資家は年初以降、先進国の金融市場で起債される新興国の外貨建て債券を運用対象とするファンドからも300億ドルを引き揚げている。
JPモルガンのデータをもとにフィナンシャル・タイムズ(FT)紙が分析したところ、少なくとも20のフロンティア・新興国の外債が米国債よりも10%幅以上高い利回りで取引されている。これほど大きな格差は、重大な信用逼迫とデフォルトリスクを示すものと見なされることが多い。
21年末から22年初めにかけて、多くの投資家が新興国にコロナ禍からの力強い回復を見込んでいたが、その空気は一変している。4月の時点でもブラジルやコロンビアなど、1次産品を輸出する新興国の通貨、債券などはロシアによるウクライナ侵攻後の原油など国際商品価格の高騰を追い風に、良好な状態だった。
だが、世界的な景気後退とインフレ、米国の積極的な利上げ、中国経済の減速への懸念から、多くの投資家が新興国の資産から資金を引き揚げている。
IIFのエコノミスト、ジョナサン・フォーチュン・バルガス氏は資金引き揚げの動きについて、これまでになく途上国全体に広がる異例の展開になっていると指摘する。過去のケースでは、1つの地域から流出した資金が部分的に他地域へ流れ込んでいたという。
「悲観ムード一色」
「今回は悲観ムード一色に傾いている」とフォーチュン・バルガス氏は言う。
アナリストらは、従来と違って世界経済のなかに、新興国を有利にする条件がほとんど見通せないと警鐘を鳴らしている。
「FRBの姿勢が過去の局面と非常に異なっているように見える」と英調査会社アブソリュート・ストラテジー・リサーチの新興国担当エコノミスト、アダム・ウルフ氏は言う。「米国の景気後退と金融市場の不安定化というリスクを冒してでも、インフレの抑え込みを優先しようとしている」
世界最大の新興経済国、中国に景気回復の兆しがほとんど見えないことも懸念材料であるとウルフ氏は指摘する。輸出と資金調達の両面で、中国がその他の新興国の経済回復を主導することが難しくなるためだ。
7月31日に発表された統計は、中国経済の回復の足取りの強さに対する懸念を浮き彫りにした。企業幹部を対象に生産や新規受注などの項目について調査する製造業購買担当者景気指数(PMI)は、6月の50.2から49.0に低下した。
この数字は、新興国の大きな成長エンジンでもある中国の広範な製造業が縮小の領域に入ったことを示唆する。米金融大手ゴールドマン・サックスのエコノミストチームは「市場における需要の低迷とエネルギー集約型産業の生産調整」が原因としている。
スリランカの次はどこに?
一方、スリランカの対外債務のデフォルトを受けて、多くの投資家が次に債務再編に入るのはどの国か神経をとがらせている。
例えばガーナの外債は、デフォルトや債務再編のリスクが価格に織り込まれたため、米国債に対する利回り格差が年初以降、2倍超に拡大している。ガーナは債務返済コストが大きく膨らみ、外貨準備高が21年末の97億ドルから6月末時点の77億ドルへと減少している。1四半期で10億ドルの減少ペースだ。
このままいけば「外貨準備は4四半期のうちには、突然、市場が真剣に心配し始める水準になるだろう」と話すのは英資産運用大手Abrdn(旧スタンダード・ライフ・アバディーン)の投資ディレクター、ケビン・ダリー氏だ。ガーナ政府が22年の財政目標を達成できないことはほぼ確実で、外貨準備の減少は続く見込みだという。
ブラジル、メキシコ、インド、南アフリカなどの主要新興国も借入費用が増加しているが、相対的に小幅にとどまっている。その多くはインフレ抑制のために先行して対策を取り、外部的なショックから自国を守るための政策を固めてきた。
主要新興国の中で唯一懸念されるのはトルコだ。利上げを拒みながら通貨リラを支えようとする政権の政策が、財政に重くのしかかっている。トルコ政府は国内のリラ建て預金者に対し、リラ下落による目減り分を補填すると約束している。
このような措置がうまくいくのはトルコの経常収支が黒字である場合だけで、そんなケースはまれだとウルフ氏は指摘する。「国外での資金調達が必要な状況になれば、いずれそうした仕組みは破綻する」
だが、他の主要新興国も同様の圧力にさらされているとウルフ氏は見る。借入資金に頼ることは、政府がいずれかの時点で国内需要を抑え込まざるを得なくなることを意味し、景気後退の危険が生じるという。
フォーチュン・バルガス氏によると、資金流出はほぼ逃れようがない。「驚くのは投資家心理の豹変ぶりだ」と同氏は言う。「ほんの数週間前まで、1次産品の輸出国は投資家にもてはやされていた。その人気は消え去った」
By Jonathan Wheatley
(2022年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
【関連記事】
・[FT]債務危機のスリランカ、無用の会議場建設に批判
・[FT]新興国に迫る債務危機 カギ握る主要な貸し手・中国
・新興国債務、リーマン危機から4倍 資金逆流の試練
・世界景気「後退懸念強まる」 IMF専務理事インタビュー
・[FT]スリランカ債務危機、途上国に警鐘(社説) 』
対中制裁「対ロシアよりハードル高い」 帝京大・露口氏
大中国の時代・次なる危機 識者に聞く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC25BKK0V20C22A7000000/
『米欧日によるロシアへの経済制裁は中国にとっても衝撃となった。外貨準備高の凍結、銀行の国際銀行間通信協会(SWIFT)からの排除にロシアは困窮し、改めて基軸通貨である米ドルの優位性を見せつけたからだ。有事に備え、中国はドル依存の緩和を急ぐ。日本銀行の初代北京事務所長を務めた露口洋介・帝京大教授に展望を聞いた。
【関連記事】
・中国・新疆に核実験再開の兆候 台湾にらみ米と応酬
・台湾有事、中国制裁もろ刃の剣 世界の富350兆円蒸発も
――中国は対ロ制裁をどう受け止めたでしょうか。
「ロシアによるウクライナ侵攻を受け、人民元の国際化に拍車をかけようと試みるだろう。関係が近い国と脱ドルに動き、自分たちにとって安全な通貨としての元の利用を増やす。中国は自国が関わる貿易の取引通貨を元に置き換えていけば、米国から金融制裁を受けた際の効果を減らせる」
「中国は安全保障の観点からも、他国との2国間取引ではドルの使用比率を引き下げようとしてきた。ただこれは元が世界で広く使われる通貨になることを意味しない。ドルには通貨同士の交換を媒介する『通貨の通貨』の役割がある。資本取引が規制された元は多くの国にとって使いづらく、世界中でドルの代わりにはなり得ない」
――対中制裁は何が焦点になりますか。
「中国に対して金融制裁を科すには、金融センターである香港を対象にしないと効果がないだろう。中国の貿易決済はいまだにドルに依存するが、すでに資本取引は約9割が元建てで、その約半分が香港を介する。中国にとって香港は対外投資や海外からのマネー受け入れの拠点だ。中国と香港間の取引は多くが元建てなので、SWIFTを使う必要もない」
「制裁が効果を生むには、ドルやユーロ、日本円が香港に流れるのを止めなくてはならない。香港はHSBCやスタンダードチャータード銀行など英系銀行が根を張り、英ロンドンや米ニューヨークに次ぐ国際金融都市でもある。世界の金融に混乱が及ぶ恐れを考えると、制裁の実行は対ロ制裁よりもハードルが高い」
――将来、元がドルに取って代わることは考えられますか。
「現時点では中国の戦略はドルのような覇権通貨を目指すものではなく、自国防衛の目的が強いとみている。米国の影響力を減らしたいが、逆に米国への影響力を強めたいとまでは考えていない。英ポンドからドルに覇権が移った際は、米国が興隆しただけでなく英国が没落した。米国の急速な衰退がない限り、基軸通貨の交代は起きない」
「ただ元の国際化が進むと、アジアなど限られた地域では、取引の2~3割が元建てに代わるようなこともありうる。元がアジアの地域的な媒介通貨になる可能性は考慮すべきだ。20~30年後には日本が中国から金融制裁を受ける事態も想定される。日本も円建ての貿易取引を増やすなど、円の国際化を進めておくことが安全保障につながる」
(聞き手は山田遼太郎)
[FT]再選目指すブラジル大統領、3男がトランプ氏に接近
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0143V0R00C22A8000000/
『トランプ前米大統領の側近だった元首席戦略官・上級顧問のスティーブン・バノン氏が2022年のブラジル大統領選を「中南米史上で最も重要な選挙」だと持ち上げた際、隣にいたのはブラジルの極右ボルソナロ大統領に最も近い人物であるブラジル下院議員で息子のエドゥアルド・ボルソナロ氏だった。
エドゥアルド氏(中央)は21年1月6日のトランプ氏支持者による米議会襲撃の際、ワシントンに滞在していた=ロイター
21年に米サウスダコタ州で開かれた会議でバノン氏から「『熱帯のトランプ』の三男」と紹介されたエドゥアルド氏は、父親から全幅の信頼を受けた海外特使兼、父の政治信条を訴える人物として、トランプ一族など海外の保守派と緊密な関係を築いている。
ブラジルでは10月に大統領選が実施される。中年米最大の民主主義国であるブラジルにとって正念場と目されるこの選挙で、2期目をめざす現職のボルソナロ氏は苦戦を強いられている。エドゥアルド氏は父親とともに、ブラジルの電子投票制度に疑問を呈し、最高裁判所を攻撃している。
2期務めた左派ルラ元大統領がほぼすべての世論調査で大きくリードしているが、エドゥアルド氏は「接戦」だと信じて疑わない。
同氏は首都ブラジリアにある手狭な議員事務所で珍しくインタビューに応じ「世論調査は信じない」と言い切った。
最高裁に攻撃の矛先
エドゥアルド氏には上院議員のフラビオ氏とリオ市議のカルロス氏という2人の兄がおり、父親からは「03」と呼ばれている。当初は政界を避けて連邦警察に勤めていたが、14年に30歳でサンパウロ市議になった。
エドゥアルド氏は「約1万ドルを費やして当選した。本当に運が良かった」と振り返った。4年後に下院議員に立候補し、最多の184万票を獲得して当選した。
エドゥアルド氏は親しみやすく礼儀正しいが、発言は寛容とは限らない。父親のライバル候補を厳しく批判するのと同様に、最高裁にも攻撃の矛先を向けている。
最高裁判事は「常に」ルラ氏に有利になるよう介入し、父親に「対抗」していると訴えた。
ブラジル最高裁の権限は他の多くの国よりも大きく、判事が告発して自ら調査に着手できる。国民の多くからは民主主義のとりでとみなされているが、ボルソナロ氏や息子たち、国内の右派にとっては、大統領の保守主義に抵抗する左派のエスタブリッシュメント(支配層)だ。
エドゥアルド氏は「最高裁は独裁体制を敷いてメディアを廃業に追い込み、ジャーナリストを投獄し、市民を国外追放し、政党の党首や政治家を逮捕している」と主張する。「これらはいずれもブラジルで実際に起きた。だがボルソナロ大統領ではなく、最高裁によるものだ」
実例として、軍警察出身のボルソナロ派議員、ダニエル・シルベイラ氏の事件を挙げた。最高裁は4月、最高裁のモラエス判事らを動画で脅迫したとして、シルベイラ氏に懲役9年近くに及ぶ実刑判決を言い渡した。シルベイラ氏は動画で「国民は最高裁に行き、モラエス氏の首根っこをつかんでそのインテリぶった頭をごみ箱に投げ捨てるべきだ」とけしかけた。
エドゥアルド氏はシルベイラ氏を非難するのではなく、最高裁の行為を「最低」だと糾弾した。「(モラエス氏は)自分を被害者だとして自ら告発し、判決を下した。こんな制度はブラジルにしかない」と指摘した。ボルソナロ氏はその後、シルベイラ氏に恩赦を与えた。
海外の支持者の橋渡し役
エドゥアルド氏は研修で米国に滞在した経験があるため英語を流ちょうに話す。さらに本人の政治信条もあり、ボルソナロ氏と海外の支持者の橋渡し役を担っている。ボルソナロ氏は19年、エドゥアルド氏を駐米大使に任命しようとしたが、議会の反対を受けて断念した。
エドゥアルド氏はトランプ氏を「大いに尊敬」していると話す。トランプ氏もそう思っているようだ。エドゥアルド氏の事務所にはトランプ氏の「エドゥアルド氏は偉大な人物だ。素晴らしい父親に関する朗報が間もなく舞い込むだろう。幸運を祈る。ドナルドより」とのメッセージが書き添えられたエドゥアルド氏のウィキペディアのページが額に入れて飾られている。
米在住の資本家でボルソナロ一族に近いジェラルド・ブラント氏は「エドゥアルド氏は米国の保守派の運動をブラジル流にして伝えるたぐいまれなる才能を持つ」とたたえる。「父親の実績を次世代につなげていくだろう」
エドゥアルド氏は21年1月6日のトランプ氏支持者による米議会襲撃の際、ワシントンに滞在していた。だが、この事件は米国の「国内問題」だとしてコメントを控えた。同氏はその後も、バノン氏が登壇した21年8月のサウスダコタの会議などでトランプ一族や側近と会っている。
中南米情勢に詳しいシャノン元米国務次官は、エドゥアルド氏は「米議会襲撃の失敗の原因を詳細に調べていた」との見解を示した。
さらに「エドゥアルド氏らはトランプ氏が暴徒が成功することに託していたのが失敗の原因だと結論付けた。権力の座を保つには公的組織、武装勢力の支援が必要だと考えている」と指摘した。
ボルソナロ氏は7月、各国の駐ブラジル大使との会合で電子投票制度を繰り返し攻撃した。これを受けてバイデン米政権はブラジルの投票制度への支持を表明した。
米国務省の高官は「ブラジルの次の選挙結果は有権者の意志が反映されると100%確信している」と強調した。
ボルソナロ氏は電子化された投票機は不正が起きやすいと主張し、軍の監視下で並行して集計するよう求めている。
銃の所持を強力に支持
エドゥアルド氏は投票制度が変更されず、父親が選挙で敗北した場合にはどうするかとの質問に対し「(投票制度は)改善されると思う」と答えをはぐらかした。「それ以外はすべて予測にすぎない。(支持者が)抗議デモを起こすかどうかは分からない」
当局は暴動が起こるのではないかと懸念している。だがエドゥアルド氏は、ボルソナロ政権下で銃の所持が4倍に増えたことで、ブラジルはより安全になったと考えている。同氏の事務所には銃器のレプリカや「安全な銃のルールその1:携帯すること」との標語を飾り、ルラ氏が大統領に選出されれば、銃を取り締まるのではないかと懸念している。
エドゥアルド氏は「独裁者は国民を脅威とみなして銃を取り上げる。私たちは逆に、自らの身と財産を守る可能性を国民に与える」と持論を展開した。
「03」にとっては、こうした自由を守っていることが父親の主な実績であり、再選される根拠になっている。「父は国民に自由をもたらすために私生活をささげている。自由の闘士だ」と強調した。
By Roula Khalaf, Michael Stott and Michael Pooler
(2022年7月31日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』
米国、ウクライナに720億円追加支援 ロケット弾など
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR01CU90R00C22A8000000/
『【イスタンブール=木寺もも子、パリ=白石透冴】米国防総省は1日、ウクライナに対し最大5億5000万ドル(約720億円)分の新たな軍事支援を発表した。弾薬や高機動ロケット砲「ハイマース」用のロケット弾などが含まれる。バイデン政権発足以来の支援額は計88億ドルになるとしている。
ウクライナのレズニコフ国防相は1日、ツイッターで新たに米国からハイマース4基を受け取ったと明らかにした。計16基となる。70キロほどの長距離から精密な攻撃ができるハイマースは6月に投入されて以降、前線の後ろにあるロシア軍の弾薬庫を破壊するなど威力を発揮している。
一方、ロシアは同日、ハイマース2基を破壊したと発表した。ただ、ロシアがこれまでに主張したハイマースの破壊について米国やウクライナは否定しており、今回も真偽は不明だ。
フランスのマクロン大統領は1日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話協議した。仏大統領府によると、マクロン氏はロシアの侵攻に対抗するため、ウクライナ軍への軍事支援を続けると伝えた。フランスはこれまでに自走りゅう弾砲「カエサル」などを提供している。
ウクライナが陸路経由も含め穀物をさらに輸出できるよう、欧州が努力を続けることも伝えた。両氏はロシアが流す偽ニュース対策で協力を継続することで合意した。
マクロン氏はウクライナ危機でフランスが役割を果たそうと考えており、積極的にゼレンスキー氏と連絡を取り合っている。仏大統領府によると、2022年1月以来、電話協議は31回目となった。
【関連記事】ウクライナから穀物船出航 輸出再開第1号、レバノンへ 』
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 | ||||||