ブラジル大統領選挙、ルラ元大統領が当選 左派に回帰

ブラジル大統領選挙、ルラ元大統領が当選 左派に回帰
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN310D30R31C22A0000000/

 ※ 今日は、こんなところで…。

『【サンパウロ=清水孝輔】ブラジルで30日に投開票された大統領選挙の決選投票で、左派のルラ元大統領(77)が当選した。選挙管理当局が発表した。ルラ氏は2023年1月1日に大統領に就任し、通算3期目を務める。任期は4年。低所得層への社会保障を重視する方針が国民の支持を集めた。

開票率100%で、ルラ氏の得票率は50.9%、現職の右派ボルソナロ大統領(67)は49.1%と大接戦だった。ルラ氏の後任だったルセフ元大統領が弾劾裁判で退いた16年8月以来の左派政権となる。

ルラ氏は30日朝、サンパウロ州サンベルナルドで自ら投票した後に「きょうはブラジル国民が望む国家のあり方と人々の生活を決める重要な日だ」と話した。

労働組合の指導者だったルラ氏は03年から2期8年大統領を務めた。任期中に社会保障を強化した実績から低所得層に支持されている。選挙戦では富裕層への課税強化、熱帯雨林アマゾン保護の重視を訴えてきた。外交面では新興国との連携を強化する意向を示している。

一方で19年に大統領に就任した元軍人のボルソナロ氏は、国営企業の民営化や減税といった経済政策には一定の評価がある。ただ、新型コロナウイルスを「ただの風邪」と表現したほか、女性や同性愛者に対する差別的な発言が批判を呼び、キリスト教福音派を含む保守層や富裕層以外には十分に支持を広げられなかった。再選を目指して立候補した現職が敗北するのは初めてだ。

米ジョンズ・ホプキンス大によると、ブラジルの新型コロナ感染者数は累計で約3480万人、死者数は累計で約69万人にのぼる。ルラ氏に投票した医師のカルラ・ドネガさん(33)は「ボルソナロ政権下ではコロナワクチンの普及に時間がかかり、多くの命が失われた。ルラ氏には貧困層でも病院に行けるようにしてほしい」と話す。

約1億5600万人の有権者が直接投票で選ぶブラジル大統領選には11人が立候補していた。2日の1回目の投開票では過半数を確保した候補者がなかったため、決選投票に進んでいた。1回目の得票率はルラ氏が約48%、ボルソナロ氏が約43%だった。決選投票で両者の差が縮まった格好だ。

ボルソナロ氏は苦戦が見込まれるという事前の世論調査を受け、選挙の投票システムに疑念を示してきた。30日夜時点で、ボルソナロ氏は敗北について反応していない。大きな混乱はおきていないが、一部のボルソナロ支持者による道路封鎖が報じられている。

ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏(Luiz Inacio Lula Da Silva) ブラジル北東部ペルナンブコ州出身。7歳から街頭でピーナツ売りや靴磨きをして家計を助けた。職業訓練を経て旋盤工となり、労働組合の指導者として頭角を現した。1980年に労働者党(PT)の結成に参加して党首を務めた。4回目の挑戦だった2002年10月の大統領選で勝利して、03年1月から2期8年大統領を務めた。退任後には汚職事件で有罪判決を受けて18年4月から約1年7カ月服役した。77歳。

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ニューズレター

多様な観点からニュースを考える

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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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分析・考察

サンパウロ20時時点での100%近い開票率に注目しました。投票が国民の義務であり電子投票だから、ブラジルの投開票システムは異議申し立てが多く結果確定に時間を要する米国のシステムより圧倒的に優れています。それだけにボルソナロ氏が選挙不正を訴えて結果を受け入れない場合には、選挙の成立を候補者の良識に委ねるという民主主義そのものが内包する脆弱性が露呈し、世界の民主主義の危機を招く恐れがあります。その意味でも今後のボルソナロ氏の反応は重大な意味を持つと思います。

ルラ氏は左派ですが、2003年から8年間の政権の実績、右派多数の議会構成から新政権は中道左派の政策を選択する可能性が高いと思います。

2022年10月31日 10:37

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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説

1回目の投票で3位と4位の候補が決選投票でルラ氏支持に回ったこともあり、同氏の返り咲きが有力視されていた。

問題は、僅差で敗れたボルソナロ氏がどうするかである。投票システムに問題があるなどと主張し、敗北を受け入れない可能性がある。ボルソナロ支持の群衆が暴動を起こすなどのシナリオも取り沙汰されており、今後の事態の推移は予断を許さない。

ボルソナロ氏と関係が深い米国のトランプ前大統領は決選投票前のSNSへの投稿に、同氏は「偉大で尊敬すべき指導者」であり「彼は決して落胆させない」と書き、同氏への投票を促していた。民主主義の根本にあるはずの多数決原理が、二分して先鋭化する国論の前に揺さぶられている。
2022年10月31日 8:44』

米韓、大規模共同訓練を実施 軍用機240機投入

米韓、大規模共同訓練を実施 軍用機240機投入
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB3110S0R31C22A0000000/

『【ソウル=共同】米韓は31日、軍用機約240機を投入する合同訓練「ビジラント・ストーム」を韓国の周辺で始めた。11月4日まで。2017年まで行われた定例大規模演習の事実上の再開で、核攻撃能力の増強を進める北朝鮮への圧力を強める狙いとみられる。

米韓は、異例の頻度で弾道ミサイル発射などを繰り返す北朝鮮が今後もミサイルを発射したり、7回目の核実験を行ったりする可能性があるとみている。

韓国空軍によると、米軍は短距離離陸・垂直着陸が可能な最新鋭ステルス戦闘機F35Bを投入し、初めて韓国内の基地に展開。オーストラリア空軍の空中給油機1機も参加して韓国軍の戦闘機に給油し、米韓豪の軍事協力強化をアピール。

米太平洋空軍はB1B戦略爆撃機が米領グアムのアンダーセン空軍基地に10月18日に展開したと公表しており、今回の訓練に加わる可能性があるとの見方も出ている。

米韓は17年まで毎年初冬に大規模合同演習「ビジラント・エース」を行ってきた。18年6月の史上初の米朝首脳会談を受け、韓国の当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権は同演習を中止し、比較的小規模な「戦闘準備態勢総合訓練」にした。韓国空軍は今回、この訓練の名称を変え「大規模訓練」を行うと予告していた。』

イギリス前首相ハッキング被害 ロシア関与の恐れ、現地報道

イギリス前首相ハッキング被害 ロシア関与の恐れ、現地報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB3028T0Q2A031C2000000/

『【ロンドン=共同】英大衆紙メール・オン・サンデーは29日、トラス前首相が外相時代に使っていた私用携帯電話がハッキングの被害に遭っていたと報じた。ロシアのプーチン大統領に近い組織が関与した恐れがあり、ウクライナへの武器輸送などの機密情報が漏えいした可能性を指摘した。

9月にトラス氏が選出された与党保守党の党首選の期間中に発覚したが、当時首相だったジョンソン氏らが隠蔽したという。

トラス政権で財務相を務めた盟友のクワーテング氏とやりとりしたメッセージも含まれる。トラス氏とクワーテング氏がジョンソン氏を批判する内容が外国当局者の手に渡れば、脅迫の材料になり得るとした。

英メディアによると、野党からは徹底的な調査を求める声が上がっている。英政府の担当者は「個人のセキュリティー対策についてはコメントしない」と述べた。』

ロシア、ウクライナ南部に反撃 「英顧問の拠点」と主張

ロシア、ウクライナ南部に反撃 「英顧問の拠点」と主張
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB310700R31C22A0000000/

『ロシア国防省は30日、ウクライナ産穀物輸出を巡る合意の履行の無期限停止を発表するきっかけとなった「テロ」に絡み、ウクライナ南部ミコライウ州にある黒海沿岸の軍事拠点に反撃したと明らかにした。

ロシアは、2014年に併合したクリミア半島の黒海艦隊が29日未明、ウクライナの無人ボートの攻撃にさらされたと発表。「英軍事顧問」がミコライウ州で作戦を支援したと主張していた。

英国防省などが「途方もないうそ」と関与を否定する中、ロシア国防省は自らの発表をもっともらしく見せるため、情報戦を続けているもようだ。

ロシア国防省はまた、攻撃に使用された無人ボートが「農作物輸出のためウクライナ側が手配した民間船から放たれた可能性がある」と主張した。穀物船が軍事目標になり得ると警告し、世界の食料安全保障に影響が出かねないと示唆することで、国際社会を揺さぶる狙いがあるとみられる。(時事)』

習近平氏、安全部門に側近引き上げ

習近平氏、安全部門に側近引き上げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB3027U0Q2A031C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が国家安全を巡る要職に相次ぎ習氏の側近を引き上げている。中国共産党は30日までに警察・司法を統括する党中央政法委員会トップの書記に陳文清氏を充てる人事を決めた。同委がホームページで公表した。

陳氏は習党総書記が就任した2012年から中央規律検査委員会副書記として習氏の「反腐敗闘争」を支えた。16年から国家安全相を務めた。かつては習氏にゆかりのある福建省で要職を務めた。今月の党大会後に党序列24位以内の政治局員に昇格した。

中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会は30日、国家安全相に陳一新氏を任命した。陳一新氏は習氏が浙江省トップ時代の部下。』

李強氏、経済手腕は未知数 中国首相候補

李強氏、経済手腕は未知数 中国首相候補
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM302L90Q2A031C2000000/

『【北京=川手伊織、羽田野主】中国共産党序列2位の李強(リー・チャン)氏が、2023年3月の首相就任に向けて急ピッチで準備を進める。近く副首相に就くとみられる。「ハイテク研究に熱心」との評価がある一方、中央政府での勤務経験がない。マクロ経済運営の手腕は未知数だ。

李強氏は上海市に近い浙江省生まれ。地元の農業大学の分校で学んだ。浙江省政府で農民の救済事業などを担当し、浙江省温州市のトップに就いた。

転機は2002年に浙江省トップとして赴任した習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)との出会いだ。党委員会の秘書長として支え、信頼を得るようになった。習氏が党トップに就いてから江蘇省や上海市のトップを任され、今年10月に最高指導部である政治局常務委員のメンバーに選ばれた。

「口数が少なく、だれに対しても腰が低い」。李氏を知る共産党員はこう語る。

上海市トップとして今春、新型コロナウイルス対応のロックダウン(都市封鎖)に踏み切った。短期間のはずだった封鎖が2カ月に及んだ不手際は国民の反発を呼んだ。インターネット上では封鎖中の視察先で住民の抗議を受ける動画も拡散された。

都市封鎖で猛烈な批判を浴びた李氏だが、別の党員は「米テスラを上海に誘致できたのは紛れもなく李氏の手柄だ」と弁護する。李氏が地元当局にテスラの税制優遇や安価な土地の貸与などを指示したのが決め手になった。ハイテク分野の研究に余念がないとの指摘もある。

スピード出世を遂げた李氏だが、中央政府である国務院での勤務経験はない。現首相の李克強(リー・クォーチャン)氏や前首相の温家宝氏は、5年の副首相経験を経て首相に就いた。

副首相経験者を首相候補への登竜門と位置づけてきたのは、それだけ首相の所掌範囲が多岐にわたり、重責であることを物語っている。李氏は首相登板まで準備期間が5カ月足らずしかなく、今から副首相に就いても経験をどこまで積みあげられるのか不安を残す。

中国経済は、新型コロナの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で停滞局面が長引いている。バブルを抑え込むための規制強化が住宅不況を招き、不動産経済からの脱却も見通せていない。

地方では急速な少子高齢化や人口流出で経済が疲弊している。農村系金融機関の破綻など金融不安のマグマもたまっている。輸入資源などの価格を押し上げる人民元安も歯止めがかかっていない。

首相就任後は習氏の意向をくみ取って、格差縮小をめざす「共同富裕(共に豊かになる)」政策の具体化などに着手するとみられる。山積する課題への対応も待ったなしだが、危機対応への不安はくすぶる。』

中国、コロナ収束で成長力回復 李稲葵・清華大教授

中国、コロナ収束で成長力回復 李稲葵・清華大教授
月曜経済観測
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM264630W2A021C2000000/

『中国共産党で習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)の3期目政権が発足した。新体制下の中国経済の行方について清華大学の李稲葵教授に聞いた。

清華大学の李稲葵教授

――中国政府は2022年の経済成長目標を5.5%前後としていました。

「通年の経済成長率は3.7~3.8%程度と当初予想より低いと想定している。これは許容可能な数字だ。政府は国民の健康を優先している」

「目標を5.5%前後とした時、今のような新型コロナウイルスの急速な拡大を予想していなかった。中国経済の潜在的な成長力はまだある。今年は例外でコロナが収束すれば、経済は再び上昇に向かうだろう」

――潜在的な成長力を見込む理由は何でしょうか。

「理由は3つある。中国ではまだ多くの人々の生活水準は低い。勤労意欲は高く、成長力を支える力となる。第2に中国の貯蓄率が非常に高い。総貯蓄率は40%を超えており、投資の源泉となる」

「第3に科学技術分野で中国は急速に力をつけている。中国の論文の被引用率は世界一だ。1000万人超の大学卒業生の4割近くは工学部の学生でもある。約400万人という工学系卒業生の数は米国、日本、欧州、インドなどを合わせたよりも多い」

――貯蓄率の高さは消費の弱さと裏腹でもあります。

「家計の消費不足は収入増加のスピードが比較的遅いために起きている現象だ。この問題を解決するためには適度な経済成長を保たなくてはならない。そのためには適度な積極投資が必要となる」

――若者の高い失業率が問題となっています。

「新型コロナのため、多くの経済活動を行うことができなかった。23年上半期に感染拡大や制限が緩和すれば、失業率の問題は比較的早く改善する」

――中国への技術輸出の制限で技術革新の減速が懸念されています。

「短期的には米国にとって効果的だが、長期的には有害だ。第1に多くの機器は回路線幅があまり微細でない半導体を使っている。こうした半導体は約5年以内に中国でも生産が可能となり、軍需を含む大半の需要を満たすことができる」

「第2に、回路線幅の微細化は基本的に上限に近づいている。今後の技術革新の焦点は光電融合技術や量子計算だ。この分野で中国と米国は同じスタートラインに立つ。米国は中国人に革新を強制している」

――IT(情報技術)企業の締め付けや共同富裕は中国市場への不安を招きました。

「中国政府はIT企業がメディアを含む社会的統治に影響を与えると懸念していた。過去2年以上の是正を経て影響は消滅した。IT分野は軍事的にも重要だ。今後は産業の発展を支援する政策に移行する。共同富裕は長期的なビジョンで短期的な目標ではない」

――金融や不動産など構造問題への抜本策はとられていません。

「地方債や不動産問題は必ず解決しなければならず、ウミを出す切開手術が必要だ。中国はこれまで党大会の直前で、政治的安定が優先され、経済活動に注力できなかった」

「経済が潜在力を発揮し続けなければ、台湾問題や米国への対抗、失業問題、社会・政治の安定など何も解決できない。今後5年間、中国の指導者は経済問題にエネルギーの大半を費やし、政策の焦点は経済に戻る」

(聞き手は中国総局長 桃井裕理)

Li Daokui 清華大学中国経済思想実践研究院院長。米ハーバード大経済学博士。58歳。』

10月の中国景況感、再び50割れ コロナ規制で需要低迷

10月の中国景況感、再び50割れ コロナ規制で需要低迷
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM292HG0Z21C22A0000000/

『【北京=川手伊織】中国国家統計局が31日発表した2022年10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.2だった。9月より0.9ポイント下落し、好調・不調の境目である50を2カ月ぶりに下回った。新型コロナウイルスを抑え込む「ゼロコロナ」政策に伴う厳しい行動制限などが需要を抑圧した。

PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。

内訳をみると、柱の新規受注は9月より1.7ポイント低い48.1だった。上海市のロックダウン(都市封鎖)で経済が急激に悪化した4月以来の低さとなった。生産は49.6と9月より1.9ポイント下がり、2カ月ぶりに50を割り込んだ。

企業の規模別では大企業、中堅企業、中小零細企業のいずれも指数が低下した。とりわけ中小零細企業は昨年5月から50未満にとどまっており、先行き不安が根強く残っている。

同時に発表した10月の非製造業のビジネス活動指数は48.7だった。9月から1.9ポイント低下し、5月以来の50割れとなった。

ゼロコロナ政策のあおりで、外食や宿泊などサービス業が2カ月連続で節目の50を割り込んだ。一方、建設業は58.2と高めの水準で推移している。地方でインフラ投資が加速しているためだ。

【関連記事】

・習近平氏、経済リスクを「封殺」 不良債権の実態は6倍
・中国、政策金融でインフラ融資拡大 10月金利据え置き
・中国、「政策不況」脱却に時間 7~9月GDP3.9%増

ニューズレター https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?n_cid=DSREA_newslettertop 』

中国離れ、止まらぬ中・東欧 ロシア擁護に反発と怒り

中国離れ、止まらぬ中・東欧 ロシア擁護に反発と怒り
本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD269A00W2A021C2000000/

『中・東欧諸国で中国離れの動きが勢いづいている。中国がロシアのウクライナ侵略を非難せず、かばうような言動を続けていることが大きな原因だ。

2010年代前半、中・東欧は経済協力への期待から中国に接近した。しかし「中国熱」は冷め、今後は欧州連合(EU)の対中政策を厳しい方向に引っ張る存在になるかもしれない。

中国と中・東欧16カ国は12年、経済協力を話し合うため、「16プラス1」という枠組みを設けた。ポーランドやハンガリー、ルーマニアなど域内の大半の国々が名を連ねた。19年にギリシャも加わり、「17プラス1」になった。

中国はこの枠組みでほぼ毎年、首脳会合を開き、インフラや技術協力などを材料に中・東欧諸国を取り込もうとしてきた。これに対し、ドイツやフランスは、EUが中国によって分断されてしまうと危惧した。「17プラス1」に深入りしないよう各国に求めてきた。

ウクライナ侵略に「不信感」

しかし、ここにきて構図は様変わりしつつある。発端は21年5月、リトアニアがこの枠組みから脱退し、中国との決別に動いたことだ。22年8月にはラトビア、エストニアも離脱を宣言し、「17プラス1」だった枠組みは「14プラス1」に縮んでしまった。

これにチェコも追随する兆しがある。同年5月半ば、チェコ下院の外交委員会が政府に対し、脱退を求める決議を採択した。

なぜ、今年に入って中国離れが勢いづいているのか。いちばんの理由は、2月24日のロシアによるウクライナ侵略だ。

地理的にロシアに近い中・東欧は、ロシアの脅威に極めて敏感だ。米ソ冷戦中、ソ連の共産圏に組み込まれ、影響下に置かれたトラウマもある。

このためウクライナ侵略を中国が非難せず、プーチン政権といまだに良好な関係を保っていることに多くの中・東欧諸国が怒っているのだ。ポーランドの東方研究所(OSW)で、中国問題を研究するヤクブ・ヤコボウスキ氏はこう話す。

「侵略国であるロシアを中国が擁護していることに、多くの中・東欧諸国が反発と不信感を深めている。中・東欧はソ連時代の苦しい経験からもともと、共産党体制へのアレルギーが強い。中国離れは止まらないだろう」

焦りを募らせた習近平(シー・ジンピン)政権は4~5月、中・東欧の主要8カ国に政府特使を送り、「ウクライナ危機での中国の立場」を釈明して回った。

だが、中・東欧の当局者らにたずねると、中国への視線はなお冷たい。特に中国特使に冷淡だったのが、ポーランドだ。現地の外交筋によると、首都ワルシャワを訪れた中国特使に外相はおろか、外務省首脳も面会を拒んだ。

ポーランドは第2次世界大戦でソ連とドイツに侵攻されるなど、長年、ロシアの脅威を味わってきた。それだけに中国のロシア擁護への憤りはひときわ強い。

掛け声と裏腹に投資進まず

こうした対中不信は、経済交流にも影を落としつつある。現地報道によると、ルーマニア政府は中国企業による同国内でのインフラ事業などを、厳しく制限する方針を固めた。20年には、中国企業と大筋合意していた原発建設プロジェクトを凍結し、米企業と契約し直した。中国への警戒感が一因とみられている。

そもそも、中・東欧の中国熱は、ロシアの侵略前から息切れの兆しが出ていた。中国政府の掛け声とは裏腹に、同地域への投資が進んでいないからだ。

ドイツのメルカトル中国研究所によると、20年の中国の対欧州直接投資のうち、中・東欧向けは約3%にすぎない。しかも、投資はハンガリーやポーランドといった有力国に集中し、他の国々には恩恵が乏しい。

筆者が18年春に中・東欧を訪れた際には、すでに中国からの投資停滞に失望が広がっていた。例えば、チェコでは「中国からは全然、製造業などへの投資が来ない。総輸出に占める対中国は約1%にすぎない」(同国の経済学者)との不満が聞かれた。

米中対立の激化も、中国離れの要因だ。17年に発足したトランプ前米政権は中・東欧諸国に、ハイテク分野からの中国排除に協力するよう迫った。対米関係の悪化を避けたいポーランドやチェコ、ルーマニア、エストニアは米側の要請を受け入れ、19~20年、当時の次世代通信規格「5G」から中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)を排除する方向に動いた。

むろん、ハンガリーや、EU加盟国でないセルビアなど、依然として中国寄りと目される国も残る。ただ、これら例外を除けば、中・東欧は中国から離反する方向に踏み出したといえる。

途上国の離反招く可能性も

この潮流が続くとすれば、国際政治にも少なからぬ影響がおよぶだろう。第1に、中・東欧の対応は、欧州全体の対中政策にも変化をもたらす。ヤクブ・ヤコボウスキ氏は「中・東欧の対中姿勢が厳しくなることで、EU全体の中国政策はより強硬な方向に傾いていく」と予測する。

第2に、中・東欧の動きは中国に対し、ロシアを擁護することが中国の外交上、いかにマイナスであるかを教えている。

ウクライナ侵略によって引き起こされた食料危機は、アフリカや中東の諸国を直撃している。中国がロシア寄りの立場をとり続ければ、こうした途上国の怒りを買い、離反を招く可能性もある。

ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/opinion/deepinsight/?n_cid=DSREA_deepinsight 

秋田 浩之

長年、外交・安全保障を取材してきた。東京を拠点とし、北京とワシントンの駐在経験も。北京では鄧小平氏死去、ワシントンではイラク戦争などに遭遇した。著書に「暗流 米中日外交三国志」「乱流 米中日安全保障三国志」。

中国離れ、止まらぬ中・東欧 ロシア擁護に反発と怒り(10:00)
譲歩できない核の脅し ロシアに妥協なら危機拡散も(19日) 』

【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(31日の動き)

【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(31日の動き)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221031/k10013861171000.html

『ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる31日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ大統領 東部ドネツク州で「ロシア側を撃退した」

ウクライナのゼレンスキー大統領は、30日に公開した動画で、東部ドネツク州の戦況について「ウクライナ軍の部隊がロシア側の激しい攻撃を食い止め、撃退した」と述べ、戦果を強調しました。

一方で、北部チェルニヒウ州や南部ザポリージャ州など各地で、ロシア側による砲撃が続いているとしています。また、ロシアが、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことをめぐって、ウクライナの港を出入りできなくなっている船が、218隻に上ると明らかにしました。

その上でゼレンスキー大統領は「西アフリカから東アジアに至る広大な地域で食料価格が高騰していて、ロシアはその責任を負うべき唯一の国だ。特にエチオピアやイエメン、ソマリアの人々が悲惨な食料不足に見舞われる原因となっている」として、ロシア側を重ねて非難しました。

ロシア軍 ウクライナ南部ヘルソン方面に4万人規模の部隊集結か

ウクライナ軍は30日、ロシアによる軍事侵攻への反転攻勢を強めていて、東部ドネツク州の10の地区でロシア軍を撃退したと発表したほか、南部ヘルソン州では、中心都市ヘルソンに向けて部隊を進めているとみられます。

こうした中、ウクライナのメディアは29日、ロシア側がヘルソン方面に4万人規模の部隊を集結させているとする、ウクライナ軍の情報部門トップの見方を伝えました。その多くは空てい部隊などの精鋭で、ヘルソンの解放には11月末までかかる可能性が高いとしていて、予断を許さない情勢が続いています。

トルコ国防省 農産物の輸出停止「ロシア側から通知」

ロシアとウクライナの仲介役を務め、ウクライナからの農産物の輸出をめぐって貨物船の監視や積み荷の検査を合同で行ってきたトルコの国防省は30日、声明を発表しました。

声明では「29日のクリミアへの攻撃を受けて合意の履行を暫定的に停止したと、ロシア側から国連とトルコに通知があった。ウクライナから船が出ることはしばらくはない」として、ウクライナからの農産物の輸出が実質的に停止したことを明らかにしました。

国連事務総長 農産物の輸出停止表明に深い懸念

ロシアが、ウクライナ産の農産物の輸出をめぐる合意の履行を無期限で停止すると一方的に表明したことについて、国連のグテーレス事務総長は30日、報道官を通じて声明を出し、深い懸念を表明しました。

また、この問題に対応するため、訪問先のアフリカへの出発を1日遅らせたうえで「ロシアが合意を履行するよう、緊密な接触を続けている」として、事態の打開に向けて関係各国と協議を行っていることを明らかにしました。

ウクライナ 冬を前に破壊された集中暖房施設の復旧作業急ぐ

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナでは、本格的な冬を前に、砲撃や戦闘で破壊された集中暖房の施設などの復旧作業を急いでいます。

このうち、侵攻当初、ロシア軍との間で激しい戦闘があった首都キーウ近郊のイルピンでは、集中暖房のボイラー施設で修理が行われていました。施設の建物には、砲弾が直撃して屋根に穴が開いたほか、爆風でほとんどの窓ガラスも割れたということですが、ほぼ修復を終え、仕上げの塗装作業が行われていました。』

ブラジル大統領選挙 決選投票 ルーラ元大統領が当選

ブラジル大統領選挙 決選投票 ルーラ元大統領が当選
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221031/k10013875481000.html

『30日に投票が行われた南米ブラジルの大統領選挙の決選投票で、ブラジルの選挙管理委員会はかつて左派政権を率いたルーラ元大統領が当選したと発表しました。

任期満了に伴うブラジルの大統領選挙は30日、決選投票が行われました。

ブラジルの選挙管理委員会の集計によりますと、開票率99.1%時点での得票率は▽2003年から2期8年にわたって左派政権を率いたルーラ・ダシルバ元大統領が50.84%▽右派の現職ジャイル・ボルソナロ大統領が49.16%となっています。

ブラジルの選挙管理委員会はルーラ氏が当選したと発表しました。
今回の大統領選挙では、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済の立て直しや、汚職対策、それに国土のおよそ6割を占めるアマゾンの熱帯雨林の保護などを争点に、両候補が激しい選挙戦を繰り広げてきました。

ルーラ氏はコロナ禍で悪化した経済格差の解消や積極的な財政出動による景気の浮揚などを訴え、貧困層を中心に支持を集めました。

南米ではペルーやチリ、コロンビアなど左派政権の誕生が相次いでいます。こうした国に続いて、人口や経済規模が最も大きいブラジルでも左派政権が誕生することになり、アメリカなどとの関係にも変化が出ることが予想されています。

左派政権 率いたルーラ・ダシルバ元大統領とは

ルーラ・ダシルバ氏は77歳。ブラジル北東部・ペルナンブコ州の貧しい農村に生まれました。旋盤工として労働運動に参加し、ストライキを指導するなど労働組合のリーダーとして頭角を現します。

1980年に左派の有力政党労働者党を立ち上げ、下院議員などを経て2003年に大統領に就任しました。2期8年にわたる在任中は、国内に豊富な天然資源の価格上昇を背景に、平均で年4%の高い経済成長を実現。増えた税収を貧しい人たちへの生活支援に充て、当時、人口の半数以上を占めていたとされる低所得者の割合を3割台に引き下げました。貧困層を中心に人気が高く、大統領退任時の支持率は8割を超えたとされています。

一方で、在任中に建設会社から賄賂を受け取ったとされる汚職事件で有罪判決を受け、2018年4月から1年7か月にわたって収監され、前回・2018年の大統領選挙では裁判所から立候補の資格を停止されました。

しかしその後、最高裁判所がルーラ氏に対する有罪判決を無効とする判断を示したことで、今回の大統領選挙に立候補。直近の世論調査では一貫して現職のボルソナロ大統領を上回る支持を集めて、選挙戦を優位に進めてきました。』

中国「習近平」政権“瓦解”のサイン 権力基盤の脆さを露呈した「胡錦涛」途中退場の真相

中国「習近平」政権“瓦解”のサイン 権力基盤の脆さを露呈した「胡錦涛」途中退場の真相
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/10301103/?all=1

『10月22日の中国共産党大会閉幕式で起きた胡錦涛・前総書記の“強制退場劇”——。その真相をめぐって様々な憶測が飛び交うなか、改めて映像を注意深く見てみると、いくつかの「新事実」に気付く。それは異例の3期目へと突入した習近平政権の権力が薄氷の上に立つことを物語っていた。

 ***

【写真4枚】連れ去られる胡錦涛と「ライバル」胡春華の“憮然”表情を捉えた瞬間映像

 注目を集めているのがシンガポールのチャンネル・ニュース・アジアが撮影した3分弱の中継映像だ。そこには以下のような場面が映し出されている。

 習近平総書記の隣に座る胡錦涛氏が目の前の机に置かれた書類を見ようとすると、左隣の栗戦書・全人代常務委員長が手を伸ばして書類を自分のもとに引き寄せる。まるで胡氏の目に触れないようにしたかに見えるが、この間、栗氏はずっと胡氏に何かを囁いていた。しかし胡氏は状況が理解できないのか、怪訝な表情を浮かべたままだ。

「その後、習総書記の護衛官とおぼしき男性が胡氏のもとに歩み寄って退席を促します。しかし胡氏がなかなか動こうとしないので、党中央委員会総局の副局長も駆け寄り、腕を取られる形で胡氏はようやく立ち上がりました」(全国紙外信部デスク)

 退席する際、胡氏は習氏に何かを語りかけ、その隣に座る李克強首相の肩にソッと手を置いて、会場をあとにした――。

苛立つ表情を見せる習総書記
「CNA」キャプ1

引き立てられるように立たされる胡錦涛氏(シンガポールのメディア「CNA」の映像より)(他の写真を見る)

 中国共産党ナンバー2の要職にある李首相だが、今回の党大会で最高指導部から退くことが固まっている。

「かつて胡氏の“意中の後継候補”と見られていた李氏ですが、習氏との後継争いに敗れ、来春には完全引退する見通しです。胡氏の手元にあった書類は赤い表紙のもので、中国では重要書類によく用いられることから、新指導部の人事が記載された書類だったとの情報がある。そのため自分に近い李氏が引退することを事前に知らされていなかった胡氏が、新指導部メンバーを確認して“混乱”が起こるのを防ぐため、なかば無理やり退席させたという憶測が流れています」(同)

 一方で、映像をよく見ると意外な事実に気付くと話すのは、中国事情に詳しいシグマ・キャピタル代表取締役兼チーフエコノミストの田代秀敏氏である。

「私が注目したのは、胡氏の退席までの間、習総書記が終始、苛ついたような表情を見せていたことです。それはまるで、議事が予定通りに進行しないことに苛立っているように映ります。また胡氏の書類を取り上げたように見える栗氏の表情にも慌てたような狼狽の色が浮かんでいる。さらには退場したあとも胡氏の名札と茶碗はそのままにされ、閉幕式が終わるまで習氏の向かって右隣は空席のままという異様な光景が映し出されていた。これらが意味するところは、胡氏の退席はあらかじめ計画されたものでなく、突発的なアクシデントだった可能性が高いということです」』

『習近平と胡錦涛「本当の関係」

 中国メディアは今回の件を「体調不良が原因」としているが、胡氏に健康不安説が浮上していたのは事実という。

「昨年7月に北京の天安門広場で行われた共産党結党100周年記念式典に胡氏も出席しましたが、付き添いを必要とし、手が激しく震える場面なども目撃されています。パーキンソン病やアルツハイマーを疑う声は以前からありました」(前出・外信部デスク)

 ただし“たとえ病気だったとしても、前総書記にあんな仕打ちをするはずはない”といった声も根強い。

「胡錦涛氏までの総書記はすべて鄧小平が指名することで正統性が担保されてきましたが、習総書記は各勢力の“妥協点”として総書記に選ばれた経緯があります。そんな習氏にとって胡氏はあくまで前任の最高指導者に過ぎず、自分を引き上げてくれた恩人でも、無条件の忠誠を誓った相手でもありません。党大会という5年に一度の最も重要な会議で議事進行の妨げとなるなら“丁重にお引き取りを願う”のも厭わない――そんな関係性にあります」(田代氏)

 田代氏が続ける。

「一部で“胡氏を見せしめとして退席させた”との説が流布していますが、自分の権威を誇示するのが目的なら、最初から胡氏を党大会の雛壇に座らせないほうがインパクトがありました。今回の退席ハプニングで、3期目の門出を祝うはずだった大会に“傷”が付いた格好になり、習総書記ら新指導部にとっては“大失態”だったと考えるほうが自然です」
「CNA」キャプ3

不満気に腕組みする胡春華氏(シンガポールのメディア「CNA」の映像より)(他の写真を見る)
ライバルが公然と“反旗”のポーズ

 実は田代氏が胡氏の退席よりも驚いたのは、映像の最後に映る「次の首相候補」との呼び声が高かった胡春華・副首相の姿だったという。

「胡春華氏は16歳で北京大学に入学し、20歳で総代として卒業した“超”の付く秀才。胡錦涛氏や李克強氏と同じく、党のエリート養成機関・共産主義青年団のトップを務め、すこし前まで“次の総書記の大本命”と目された人物です。その彼が今回、ヒラの中央委員に降格されてしまった。どのメディアも指摘していませんが、胡氏が会場をあとにする間際に映る胡春華氏は口を真一文字に結び、憮然とした表情で腕組みしています。党の最も重要な行事である党大会の雛壇でこんな態度を示すのは前代未聞。無言の“抗議のポーズ”ではないかと受け止められています」(田代氏)

 ライバルが公然と“反旗を翻す”様子が世界に流れ、「波乱の船出」の印象を強める結果となった今回の党大会。つねに権力闘争を繰り返してきた中国共産党の歴史において「絶対安定」が実現したことはなく、退席騒動もまた、習近平の前途が多難に満ちたものであることを示唆している。

デイリー新潮編集部 』

〔「団代表」とは〕

 ※ この「団代表」というものが、どういうものなのか、よく分からない…。

 ※ それで、調べたが、やはり「よく分からない」…。

 ※ まあ、ちょっと「カスっている」ものに当たったので、紹介しておく…。

 ※ 胡錦濤氏は、そういう「議長団代表」の主席ということだったようだ…。

 ※ 『大会議長団の任務は大会の議事日程に基づいて大会を主宰し、大会の報告と討議を組織し、大会の選挙活動を主宰し、代表の討議を組織し、大会の決議を採択する。』…、と言うことだ…。

中央政治局はどのように選出するのか
http://www.peoplechina.com.cn/zhuanti/2017-10/11/content_748107.htm

『大会期間における主な仕事はどのような機構が引き受けるのか。休会期間はどのような機構が引き受けるのか

党の代表大会が会議を開催する時に、代表大会の活動を指導し、主宰することに責任を負う指導機構は党代表大会の議長団である。

そのメンバーは前期の党委員会あるいは各代表団が指名し、協議してから、立候補者の名簿を確定し、代表大会で挙手によって選出する。

大会の議長団には秘書長、副秘書長と常務委員の若干名を置く。

秘書長は代表大会準備会議が挙手によって選出し、常務委員会、副秘書長は秘書長の主宰する大会議長団の第一回会議で挙手によって選出する。

大会の執行議長はそれぞれ大会議長団のメンバーが順番に担当する。

大会議長団の任務は大会の議事日程に基づいて大会を主宰し、大会の報告と討議を組織し、大会の選挙活動を主宰し、代表の討議を組織し、大会の決議を採択する。

全国代表大会が選出する新しい中央委員会は、党の全国代表大会閉会時の党の最高指導機関であり、それは全国代表大会の決議を実行し、党の全ての活動を指導し、対外的には中国共産党を代表する。休会時においては、大会議長団はすでに指導機関でない。』

胡錦涛中途退席の真相:胡錦涛は主席団代表なので全て事前に知っていた

胡錦涛中途退席の真相:胡錦涛は主席団代表なので全て事前に知っていた
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221030-00321805

『第20回党大会最終日に胡錦涛が中途退席したことに関して様々噂が飛んでいるので北京の関係筋に確認した。胡錦涛は党大会を管理監督する主席団代表なので、党大会における討議内容に関しては全て事前に知っていたとのことだ。

 では何が起きたのか?

◆胡錦涛事件に対するさまざまな憶測

 10月22日、第20回党大会最終日の休憩時間に、胡錦涛前国家主席が中途退場するという事件が起きた。何と言っても全世界のカメラの前で起きた不可解な行動だけに、奇々怪々な解釈を含めたさまざまな憶測を呼んだ。

 最も多かったのは「胡錦涛が習近平の進める人事に不満だったので、あえて全世界のカメラがある場面で、抗議の意思を、ああいう形で表明したのだ」というものだ。その憶測には、胡錦涛が見ようとしたのは人事に関するリストで、党幹部の人事案が胡錦涛には知らされていなかったので、それを見ようとしたが拒否され、習近平に追い出されるようにして退場していったという解説がついている。

 中には中南海における「権力闘争の正体を見た」とか、「胡錦涛には人事リストが渡されてなかった」あるいは極端な場合には「胡錦涛にだけ偽のリストが渡されていた」という邪推も現れる始末。

 なかなか止みそうにないし、筆者自身も少なからぬメディアからの取材を受けたので、北京の関係筋に電話して真相を突き止める努力をした。

◆胡錦涛はすべての資料を知っている「党大会の主席団代表」の一人

 もう高齢になる党の元老幹部に電話して、「あのう・・・、実は胡錦涛に関して・・・」と言っただけで、彼は全ての情況を掌握し、筆者が何を聞きたいかも分かっていた。

 中国では胡錦涛に関する情報が遮断されていると言われているが、そんなことはない。アメリカだろうが、日本だろうが、どのような邪推をしているかもよく知っていて、「なんで中国の事となると、こんなにまで詮索して、奇想天外な憶測を恥ずかしげもなく発表するんだろう。もう、そのことを、こちらが逆に聞きたいよ」とぼやいた。

 何一つ説明する必要はなかった。

 そして、やや怒りに満ちた声で、彼は話し始めた。

 以下、Q&Aの形で問答を記す。Qはもちろん筆者で、Aは北京の元老幹部である。

 A:そもそもですね、胡錦涛は党大会の主席団代表の一人なんですよ。だから何度も予備会議に参加して人事の内容も選挙の手順も熟知していて、「人事案を知らされてなかったから、そのリストを見ようとした」って、なんですか、あれは!

 Q:たしかに、胡錦涛は今回の党大会の主席団代表の一人ですね。だから予め人事案も選挙方法も知ってるわけですよね?

 A:知ってるどころか、主席団代表は党大会の運営を管理監督する側だから、「熟知」しているわけですよ。

 Q:もちろん、中央委員会委員とかの投票も許されているんでしょ?

 A:当り前じゃないですか!主席団代表は何回も予備会議を開催し、胡錦涛は資料の内容も熟知しているだけでなく、誰に投票するかも、全く彼の自由意思で選んでいいわけだし、実際に中共中央委員の投票を胡錦涛はすでに実行して終わっていた。

 Q:投票結果に関して、党大会で習近平が「これでいいですね?ほかにご意見はありませんね?」と聞いたのが11時9分少し前で、異議を唱える人がいなかったので、「それではご異議がないものと認めて、第20回党大会の中央委員会委員および規律検査委員会委員の投票結果は以上といたします」と宣言したのが、11時9分だと、中国政府のウェブサイトにありますね。

 A:その通りです。非常にスムーズに投票が終わった。胡錦涛も順調に投票行動を終えました。

 Q:だというのに、なんでまた・・・?ウォールストリート・ジャーナルには、カメラが入って胡錦涛の行動をキャッチしたのが11時19分だという情報がありましたね。

 A:ええ、私もそれは見てます。

 Q:その間に何が起きたのでしょう?

 A:あのですね・・・。人は歳をとれば誰でも多少はボケていきますよね・・・。あなただって私だって、いつそうなるかは分からない。

 Q:ええ、私も長年にわたって母の認知症の介護をしていましたから、胡錦涛の表情を見ただけで、あ、認知症が進んでいるなと直感しました。

 A:そうなんです。お気の毒なことだと思いますが、彼は認知症だけでなく、かなり前からパーキンソン病になっていて・・・。

 Q:やっぱり、そうなんですね・・・。以前から歩行の仕方がおぼつかなかったですし、手先が震えていましたね。

 A:その通りです、指先が震えて、たとえば紙一枚を指で挟むという動作ができないんです。だから、栗戦書がファイルを胡錦涛のボディガードに渡そうとしたのですが、それが海外メディアには「ファイルを取り上げた」と映ったのでしょう。哀しいことです。

 Q:たしかに胡錦涛は、国家主席をやめてから、表立った場所に出る時に、ボディガードが付いてるし、手に何も持ちませんね。

 A:ええ、指で持ったら落とすんです。指先が震えていて、紙が薄ければ薄いほど指で挟んで持つ動作ができません。だから落とすといけないから栗戦書がボディガードに渡そうとした。

 Q:その前には、何が起きていたんでしょうか。

 A:まあ、そこははっきりしませんが、少なくとも私の昔の部下の中に胡錦涛の秘書たちとか親族と付き合いのある人もいて、今回、胡錦涛には党大会に出席しないように親族の人が必死で頼んだのですが、胡錦涛が聞かなかったようです。で、彼の意思を尊重しないといけないと思って出席を許したのですが、胡錦涛のボディガードが、何かが起きるといけないので、ひな壇の裾の方でスタンバイしていたようですね。何と言っても世界中のカメラが向いている場面で、元国家主席ともあろう人が、失態を演じるわけにはいかない。そんなことがあったら胡錦涛も死ぬに死にきれないほどの恥をかきますし、家族も社会で生きにくくなりますね。だからそんなことが起きないように、出席を止めたけど、聞かなかった。そのため万一に備えて近くにいて、どうも危ない行動をしそうになったので、家族とボディガードが連絡し合って咄嗟に動いたようですね。

 Q:そうでしたか。介護をしていると分かりますが、何もない時と、いきなり症状が悪くなる時と、たしかにありますよね。悪くなり始めると、どんどんその方向に傾いて行ったり・・・。

 A:そいういうことはみんな知ってるし、胡錦涛の様子が正常ではないのは、誰でも一目見れば分かることで、ただ、何と言っても神聖な党大会ですから、習近平としても一糸乱れず進行させたかったわけで、できるだけ党大会としての威厳を保っていたかったので、周りはできるだけ取り乱さないように苦労したようです。胡錦涛の体調は、誰も皆わかってたので、会場がざわつかないように、気が付かないふりをしたり、いろいろな気遣いが飛び交ったわけですよ。

 Q:たしかに、一糸乱れぬ行動を取るために、主席団がいて、予備会議を何度も開いているのに、一般の党員代表ではなく、主席団の代表が乱れると、党の沽券に関わるということにもなるでしょうね。

 A:そうですよ。だから栗戦書(りつ・せんしょ)が立ち上がろうとしたのを、王滬寧(おう・こねい)がとめましたでしょ?あれは誰かが立つと「乱れた」という風に目立つので、みんな、できるだけ「何もなかった」という振りをしなければならなかったわけですよ。

 Q:なるほど。その雰囲気が出ていましたね。

◆李克強国務院総理の任期は憲法で決められている

 Q:海外メディアの中には、胡錦涛が、李克強が国務院総理から降ろされることに不満を抱いたため、あのような状況が起きたという人もいますが・・・

 A:ああ、知ってます。それ、日本メディアです。中国の政治のイロハを知らないのでしょう。中華人民共和国憲法第八十七条には、「国務院総理や国務院副総理の任期は一期5年、最大二期までで、二期以上は許されない」と明記してあります。それを知らないのでしょう。もし胡錦涛がそのことに不満を抱いたというのなら、胡錦涛は憲法を知らないことになりますので、それは胡錦涛を侮辱した邪推に相当します。どうせ真実はわからないので、妄想を発揮して、何でも言っていいと思っているでしょうが、やがて社会が「事実」をもって、その人たちを裁くことになるでしょう。

 Q:私はメディアから取材を受けて知ったのですが、胡錦涛の資料だけ、別に印刷して違う資料を渡していたと主張する人がいるようです。

A:ああ、それも日本メディアです。もしそんなことをしたら、それって犯罪行為ですから、すぐに発見されますね。それに胡錦涛は主席団代表で、何度も予備会議を開いて、資料に間違いがないことや、この内容で党大会を開いていいか否かなど、多岐にわたった議論に参加してきたのに、その予備会議でも、胡錦涛だけが分からなかったとすれば、それは胡錦涛の認知能力を、あまりにバカにした憶測になりませんか?

 胡錦涛は家族の者が「出席してくれるな」と、何度も頼んでも、頑固に「出席するんだ」と言い張って、言うことを聞かなかった。会場から出たくなかったのは確かでしょう。「俺は大丈夫だ」と言い張ったのですから。

 それに、もし李克強の事を気にかけて不満だとして行動したのなら、なぜ李克強は、あんなそっけない態度をとっていたのか、説明がつきませんね。

 ともかく、胡錦涛は党大会が順調に進むように管理監督する主席団の代表であったことを忘れないでください。

 だから、どんなことでも、予め知っていた。

 その事さえ分かれば、誰が好き勝手な妄想を働かせて、「どうせ分からない」と思って虚言をまき散らしているかが分かるでしょう。

 主席団の代表であったことを、その人たちに知らせてください。

 そうすれば、もう、どんなデタラメも言えなくなるはずです。

 以上が長い取材の結末である。

 ご参考になれば幸いだ。

遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。

「秘密国家」ベネチア いかにして国を守ったか

「秘密国家」ベネチア いかにして国を守ったか
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/28327

『中世・ルネサンス期には、活版印刷の発明によって、情報革命ともいうべき現象が生じた。この時代には世の中のあらゆる知識や事象が文字に記され、ヨーロッパ中に広まったのである。

 このような情報革命の時代にあって、ヨーロッパ各国は国として情報をコントロールしようと苦心していた。その代表はイタリアのベネチア共和国であり、その秘密主義や先進的なインテリジェンスの運用もあって、1000年以上もの命脈を保つことができた。

 ベネチアは軽武装の商業国家であったため、軍事的には東のオスマン帝国やヨーロッパ諸国からの脅威に常に晒されており、このような国家が生き残るためには、対外情報収集と秘密保全、暗号解読という能力に頼るところが大きかったのである。
徹底された

国内の秘密保全

 ベネチアでのクーデター未遂事件を契機に、1310年に結成された十人委員会は、同国の行政を担当する統治機構であり、その任務の一つに共和国内の反乱を取り締まることがあった。この委員会は治安維持の実行部隊として、配下に3人の調査官による情報機関を設けており、1人は赤い外套を着用することからイル・ロッソ(赤い男)、あとの2人は黒い外套からイ・ネグリ(黒い男)と呼ばれ、国内外での秘密活動に従事していた。

 十人委員会が最も重視したのは国内の秘密保全であり、「決して秘密を漏らさない」という合言葉の下、委員会の記録を書面で残すことすら禁じていたほどである。

 またこの頃、イタリア諸国では在外公館制度が導入され、それぞれの国が大使を派遣して外交活動と情報活動を行うようになった。当時の大使は公式のスパイとして情報収集を認められていたため、後に「大使は尊敬すべきスパイである」との言葉までつくられている。そのため、どの国においても外国の大使は警戒されており、ベネチアでは特にその傾向が強かった。

 1481年に十人委員会はベネチアの政治家や政府機関の人間が外国人と接触することを禁止し、外国人からの働きかけがあった場合は直ちに報告するように義務付けた。これに反すれば2年間の追放処分と罰金刑が科されたという。

 さらに十人委員会は共和国秘密保全組織を編成し、国内での監視体制を強化することになる。この組織は市民による密告を奨励するため、街のいたるところに「ボッケ・デ・レオーネ(ライオンの口)」と呼ばれる投書箱を設置した(下写真)。市民は犯罪行為やスパイ行為を見つけた場合、匿名で不正を告発することができ、これは当時の「秘密国家」ベネチアならではのものである。

現在も市街に残る「ボッケ・デ・レオーネ(ライオンの口)」は、ベネチアが「秘密国家」であった象徴といえる (ANDIA/GETTYIMAGES)

 他方、外国に派遣されるベネチアの大使は、優秀なスパイとして機能することになる。彼らは外交活動を行いながら、赴任国でスパイ網を築き上げていた。トリノでベネチア大使が雇うスパイが逮捕された際、同僚のスペイン大使は、「いつものことなので特に驚くに当たらない」といったコメントを残している。

 また16世紀のベネチアの外交官、セバスティアノ・ジュスティニアニとその後任のカルロ・カペッロは大使としてイングランドに派遣され、イングランド王ヘンリー8世の信頼を勝ち取ることに成功した。こうしてイングランド王室の内情が、ベネチアに逐一報告されることになる。』

『欧州に広まった組織的な暗号解読

 インテリジェンスの歴史において、ベネチアが残した最も大きな足跡は、1506年にジョヴァンニ・ソロを中心とする暗号解読組織を設置したことであろう。

 暗号解読については、もともとイスラム諸国の方が先を行っていたようであるが、1467年に博学者のレオン・アルベルティが『暗号解読論』という書籍を出版し、頻度解析(アルファベットで使う文字の頻度に偏りがあることを手掛かりに、暗号を解読する手法)がヨーロッパに紹介されることで、暗号解読の世界が開けたのである。

 当時のヨーロッパにおいては、文書や手紙が配送途中で誰に読まれているかわからない状況であったため、機微な内容は暗号化して送ることが普通であった。

 ある婦人が夫に送った手紙の中で、「朝、庭で摘み取ったばかりのスミレ3輪を同封しました」と書いておきながら、肝心のスミレを入れ忘れた。だが、手紙を受け取った夫が開封すると3輪のスミレが入っていたという逸話が残っている。これは途中で手紙を検閲した人物が、中のスミレを紛失したものと勘違いして、慌てて封入したということである。

 当時、ソロの評判はヨーロッパ中に響いており、ベネチア以外の国であっても、ソロに暗号文を送って解読してもらうほどであった。ソロは死去する1544年まで、ひたすらベネチアの総督府で諸外国の暗号を解読し続け、その情報は当時のイタリア戦争で活用され、ベネチアの窮地を救った。なお、いまだに当時のソロの執務室は確定されておらず、ベネチアの秘密保全のレベルの高さが窺える。

 その後、ベネチアが始めた組織的な暗号解読は、ヨーロッパ各国にも広まっていく。特にフランスではフィリベール・バブーや数学者としても高名なフランソワ・ビエトら有能な暗号解読官が活躍していた。

 ビエトはスペインの暗号を解読することに関してはヨーロッパ随一であり、本人にもこだわりがあったようである。スペイン王フェリペ2世は、ビエトの暗号解読の能力は悪魔と契約したためだとバチカンの大審院に訴えるほどであったが、全く相手にされなかった。だが、ビエトは秘密保全については脇が甘く、最も警戒すべきベネチアの大使に暗号解読の内実について自慢げに語り、彼がベネチアの暗号の一部すらも解読していることを仄めかした。

 大使は早速、十人委員会に対して報告を行っているが、その後、ビエトは二度と大使の前には現れなかったという。恐らくはフランス側の防諜が機能していたものと思われる。
他方、スペインのフェリペ2世は暗号解読や秘密保全に対して全く関心がなかったようで、その後、アルマダの海戦においてイングランドに足をすくわれる遠因となった。

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露軍の「年次」核戦争演習は、今年の規模は、昨年よりも、こぢんまりしたものになった。

露軍の「年次」核戦争演習は、今年の規模は、昨年よりも、こぢんまりしたものになった。
https://st2019.site/?p=20555

『エストニアERRニュース の2022-10-28記事「Defense forces: Russia’s annual nuclear drill smaller than expected」。

    露軍の「年次」核戦争演習は、今年の規模は、昨年よりも、こぢんまりしたものになった。事前にかかなり大騒ぎしていたが。

 バレンツ海からSLBMを1発、カムチャツカに向けて発射。それだけ。
 核訓練などに投ずるカネがないのだろう。

 露軍が今、注力しているのは、年末までに30万人を新規徴兵すること。たぶんそれは実現されるだろう。』

若い台湾人男女には最低1年の軍事訓練を研修してもらう必要があります…。

若い台湾人男女には最低1年の軍事訓練を研修してもらう必要があります…。
https://st2019.site/?p=20555

 ※ オレの母方のおじ(伯父)は、海軍の兵隊に採られた…。

 ※ 半年間新兵として、訓練受けたらしい…。

 ※ 出征前、実家に帰ることが許されて、家族一同集まって会食したそうだ…。

 ※ その時の、母親の話しでは、「あんなに優しそうだったのに、人相が変わってしまっていた…。」と…。

 ※ そりゃそうだろう…。内陸の、海なんか「見たこともない」地域の出身だ…。川でしか、泳いだことも無い…。

 ※ そういう人間を、半年で、「海兵」に仕立て上げるわけだ…。

 ※ カッター訓練から、やるんだろう…。尻の皮なんか、軽く「剥ける」に違いない…。

 ※ それでどうなったかと言うと、見事に「戦死」した…。

 ※ それも、南方に兵員輸送中に、戦地で戦う前に、「沈められた」らしい…。

 ※ 「軍事機密」とかで、どこで「沈んだのか」も、知らされなかったという話しだ…。

 ※ もちろん、「遺骨」「身辺の遺品」なんか、何も無い…。

 ※ それでも、遺族(オレの母親の母。オレのばあちゃん)には、「軍人恩給」が支給されたらしい…。

 ※ ホンの、「子どもの小遣い」程度のものだったらしいが…。

 ※ それでも、ばあちゃんは、母親たちに「小遣い」くれたりする時、その戦死した息子(伯父)のことを、懐かしんで、昔語りしたりしていたらしい…。

『Lawrence Chung 記者による2022-10-30記事「Better training needed if Taiwan extends mandatory military service, experts say」。

   前の国防長官のマイク・エスパーは7月19日に訪台して、若い台湾人男女には最低1年の軍事訓練を研修してもらう必要がありますよ、と語っている。

 しかし蔡政権は、11月に地方選挙を控えているため、この不人気必至政策については、いまのところ、あまり語らないようにしている。

 台湾の国防相は、今月前半に予告。蔡政権は年末に、徴兵任期延長について声明する――と。

 げんざい、台湾のあちこちで、4万人の徴兵が、なんらかの訓練を受けているはず。※それは4ヵ月コースだから、3倍すると1年で12万人弱か。

 1987年以前、台湾の徴兵は、3年間の服務が義務付けられていた。
 ソ連がすっかり弱くなった1990年、それは2年間に短縮された。
 そして2008年には、1年間に短縮。

 2017年には、台湾軍を完全志願制へ移行させるステップとして、徴兵年限はたったの4ヵ月に短縮された。

 いまから3年前、台湾軍の現役兵は27万5000人であったが、今日、それは16万5000人に減っている。対岸の中共軍は、兵力200万人である。

 いま22歳の会計事務所勤務社員君。かつて4ヵ月の軍事教練で習ったことは、もうほとんど忘れているという。

 この青年いわく。建前だと、前半8週間で基礎的な戦闘訓練を受け、後半8週間で〔兵科・兵器別の〕特技訓練を受けることになってはいるのですがね。ところが、新兵を受け入れるプロ軍隊の側に、それを教えられる体制がほとんどないのが実態なんです。で、どうなるかというと、徴兵は4ヵ月の間、浴場清掃、営内の床磨き、駐屯地の落ち葉清掃だけを延々と繰り返して、それでおしまいです。

 ※そうだったのか。この記事を読んでようやく理解した。俺の体験では、日本の80年代の元少年院の社会的逸脱者どもであっても、みっちりと3ヵ月教練を受ければ、いっぱしの兵隊らしくなったものなのだ。「教育隊」というものがまともに機能していれば、3ヵ月でもじゅうぶんである。それが4ヵ月でもじゅうぶんでないというのは、むしろ軍隊の方に「病巣」があったのだ。台湾軍が抱えている不健全体質は、徴兵期間などではなかった。そもそも一般人の徴兵を受け入れて兵隊らしく教練しようという体制が、台湾軍の中に、文化として、無かったのである。その歴史的な由来は、国民党系とそれ以外系の、多年の相互不信であろう。おそらく国民党側では、多数の市民を軍人らしく育ててしまうと、国内で反国民党反乱が起きると恐れていた時代が長かった。それがいまだに軍隊の健全化を妨げているのだろう。

 この会計事務員氏いわく。4ヵ月のあいだ、小銃の実弾射撃の機会は10回未満であったと。また手榴弾投擲は、実弾が足りないので、バドミントンのシャトルや、濡れタオルを使って、投擲動作だけを演練したと。

 ※そんなの自衛隊でも同じだよ。俺は2年間陸自にいて、一度も実弾の手榴弾を放ったことはないよ。実弾を濫費すれば兵隊が強くなるのなら、タリバン、IS、アルシャバブ最強だ。

 台湾でも出生率は下がっている。2011年には19万7000人の新生児がいた。2021年には15万4000人だった。

 ※台湾に必要なのは、非国民党軍系の優秀な「教育隊」と、まともな「練兵場」「演習場」だ。徴兵をローテーションで豪州の砂漠までツアーさせ、そこにて米軍からコーチしてもらうのが、いちばんの解決法ではないか。』

Cordless Tesla (I Drive 1800 miles without charging)

Cordless Tesla (I Drive 1800 miles without charging)
https://www.youtube.com/watch?v=hHhf223jGIE

『I built the first ever Cordless Tesla and did a 1600 Mile Road Trip without ever charging the car.
It just made perfect sense to me to adapt a power plant generator to my modified Model S Tesla and do a road trip.』

【EV】米国YouTuber、「テスラ」にガソリンで動く発電機を搭載 航続距離を大幅に伸ばすことに成功 | 保守速報
view-source:https://hosyusokuhou.jp/archives/48935718.html

 ※ それをスマートに実現したのが、いわゆる一つの「ハイブリッド車」なんでは…。
 ※ トヨタのプリウスとか、日産のノートとか、「仕組み」がよく理解されてはいないんだな…。

外国人への生活保護制度適用根拠は「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という…。

外国人への生活保護制度適用根拠は「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という昭和29年5月8日付け、社発第382号の厚生省社会局長名の通達に過ぎない。
https://twitter.com/yukin_done/status/1527824127444209664

 ※ この「当分の間」(しかも、戦後の混乱期を想定…)が、「延々と」続いているわけだ…。

国連参加へ米台高官協議 中国にらみ支持拡大狙う

国連参加へ米台高官協議 中国にらみ支持拡大狙う
https://www.sankei.com/article/20221029-TPKKOFK2BNJOTKNO5YGU24Y3OM/

『米国と台湾は28日、ワシントンで高官協議を開き、台湾の国連や他の国際機関への参加を話し合った。米国務省が発表した。台湾に圧力を強める中国をにらみ、国際機関から締め出されてきた台湾に対する国際社会の支持拡大を狙う。

中国が1971年に国連加盟し、台湾は脱退を余儀なくされた。米国は民主主義の価値観を共有する台湾の参加実現に向けて働きかけを強める構えだ。

今年5月の世界保健機関(WHO)総会が台湾のオブザーバー参加を認めなかったことも議論。公衆衛生、気候変動、経済協力、信仰の自由など幅広いテーマでも意見交換した。米側は国際社会で台湾が果たしてきた役割を高く評価した。

国務省、台湾の外交部(外務省に相当)、台湾の駐米代表部に相当する台北駐米経済文化代表処の関係者が参加した。(共同)』