ロシア人実業家の自殺報道相次ぐ、3カ月で少なくとも5人

ロシア人実業家の自殺報道相次ぐ、3カ月で少なくとも5人
https://www.cnn.co.jp/world/35187011.html

※ 今日は、こんなところで…。

『(CNN) ロシア人の著名実業家の自殺が相次いで報じられている。1月下旬以降に少なくとも5人の自殺が報道され、そのうち3人は自らの命を絶つ前に家族を殺害した疑いがかけられている。

自殺したと報じられた5人のうち4人はロシア国営エネルギー大手ガスプロムか、その子会社とつながりのある人物だった。

CNNはガスプロムに問い合わせたものの返答はない。

国営RIAノーボスチ通信によると、レニングラード近郊のレニンスキー村では今年1月30日、ガスプロムの男性幹部が自身のコテージで死亡しているのが見つかった。

RIAによると、現場で遺書が見つかり、捜査員は自殺とみて捜査を進めている。ロシアの放送局RenTvはこの男性をガスプロム・インベスト社の輸送部門責任者レオニード・シュルマン氏と特定した。

ガスプロム・インベスト社の輸送部門責任者レオニード・シュルマン氏

その1カ月後にはガスプロムの別の幹部が同じ村で死亡しているのが見つかった。ロシアの独立系新聞ノーバヤ・ガゼータによると、この人物はアレクサンドル・チュラコフ氏で、2月25日に自身のガレージで遺体で見つかった。同紙は自殺と報じている。 

CNNはこの2件についてロシア捜査委員会にコメントを求めたものの、返答はない。』
『2月28日には、ウクライナ生まれのロシア人富豪、ミハイル・ワトフォード氏が英イングランドのサリーにある自宅で死亡しているのが発見された。サリー警察はCNNに対し、検視当局が調査を進めていることを明らかにし、7月29日に審問が行われる予定だと明らかにした。

ロシア紙コメルサントによると、別の実業家のバシリー・メルニコフ氏が3月下旬、ロシア中部ニジニ・ノブゴロドで家族とともに死亡しているのが発見された。

メルニコフ氏は医薬品会社メドストムを所有していた人物。ロシア捜査委員会によると、3月23日、43歳の男性が41歳の妻と4歳、10歳の子ども2人と一緒に刺されて死亡しているのが見つかった。

捜査委員会はメルニコフ氏の名前に言及していないが、死者の年齢や事件の場所はコメルサントの報道と一致する。

捜査委員会の地元支部は捜査状況について追加情報を発表しておらず、CNNの問い合わせに返答しなかった。事件のあった3月の時点では、「アパートへの不法な侵入があった形跡はない」「刃物が見つかり押収された」と述べ、同氏が家族を殺害した後に自殺した可能性を含め調べを進めていると明らかにしていた。

また今月には、家族を殺害した後に自殺したとみられるロシア人実業家2人の遺体が見つかった。

ロシア国営タス通信によると、ガスプロムバンク元幹部のウラジスラフ・アバエフ氏は今月18日、モスクワのアパートで妻と娘とともに死亡しているのが見つかった。

ガスプロムバンク元幹部のウラジスラフ・アバエフ氏

タス通信は捜査当局の情報筋の話として、当局はアバエフ氏が家族を殺害後に自殺したとみて捜査していると報じた。

最近ロシアを離れウクライナに移住したガスプロムバンクの元幹部はCNNに対し、アバエフ氏はプライベートバンキング業務を行い、VIPの顧客を抱えて多額の資金を扱っていたと言及。そんな人物が自殺をしたとは思えず、何かを知っていて危険因子となっていたのではないかと語った。』

『翌19日には、ガスプロムが一部所有する天然ガス企業ノバテクの元幹部、セルゲイ・プロトセーニャ氏がスペイン・バルセロナの北郊で死亡しているのが見つかった。事情に詳しい当局情報筋は先週CNNに対し、付近で妻と娘の遺体が見つかったと明らかにした。

この情報筋によると、暴力を受けた痕のある女性2人の遺体が豪華邸宅の中で発見され、庭でプロトセーニャ氏の遺体が見つかったという。当局は同氏が2人を殺害した後に自殺した家庭内暴力事件とみて捜査している。

プロトセーニャ氏の息子は英紙デーリー・メールの取材に、こうした見立てに疑問を呈し、父親が殺害されたとの見方を示した。

ただ、カタルーニャ警察は29日、CNNに対し、息子の発言があった後も家庭内暴力の仮説は変わらず、3人の殺害があったなどの仮説は排除されていると述べた。』

ロシア、国際刑事裁判所に協力せずウクライナで「戦争犯罪」

ロシア、国際刑事裁判所に協力せず
ウクライナで「戦争犯罪」
https://nordot.app/892933149428711424?c=39546741839462401

 ※ 「証拠」を示して、裁判を要求すればいいだけの話しでは?

 ※ ああ、「ウクライナ領」だから、と「言い訳」するのか…。

 ※ しかし、「独立宣言」したのを、「承認」したんじゃなかったか…。

『ロシア外務省のザハロワ情報局長は29日、ウクライナ侵攻に関しロシア軍の関与が疑われる残虐行為を戦争犯罪として国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)で裁こうとする動きについて「ICCの検察官は外見上の公正さや客観性すら保とうとしていない」と批判、協力しない意向を示した。ロシアはICCに加盟していない。

 発表したコメントでザハロワ氏は、ICCはウクライナ東部の親ロ派支配地域でウクライナ側が行ってきた市民殺害などには目を閉ざしてきたとし「政治的に偏っており、独立した司法機関ではない」と主張、協力の義務はないと述べた。』

ロシア支配層、危機感強める全面侵攻予期せずと米報道

ロシア支配層、危機感強める
全面侵攻予期せずと米報道
https://nordot.app/893025882552729600?c=39546741839462401

『【ワシントン共同】米紙ワシントン・ポストは29日、ロシアのウクライナ侵攻から2カ月以上が経過し、プーチン大統領を支えるエリート層にほころびが出始めたと報じた。

プーチン氏に近い新興財閥オリガルヒや治安当局者らは全面侵攻に不意を突かれ、欧米が科す経済制裁に危機感を募らせているという。ロシアの複数の銀行、政府関係者らの話としている。

 政府が発する一方的な情報しか得られない国内世論は侵攻を支持しているが、制裁による物資不足が悪化して戦死者の増加が表面化すれば、プーチン氏の国内での立場は不安定になるとの関係者の見通しも伝えた。』

ロシア、金本位制復帰検討 実現なら1世紀ぶり

ロシア、金本位制復帰検討 実現なら1世紀ぶり
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022043000095&g=int

 ※ 「金本位制」が抱える「根本的な問題点」は、「通貨発行量」の上限が、「保有する金の総量」に制限されてしまう…、という点だ。

 ※ 「貨幣(通貨)」の機能は、次の4つ。

 1、価値の測定・計量
 2、価値の運搬
 3、価値の保存

 そして、これは経済学の「教科書」では、あまり語られないが、

 4、価値の創造

 ※ 金本位制においては、確かに「通貨価値」は、金の価値で担保(裏打ち)されるんで、安定する。

 ※ しかし、「発行量」は、「保有している金の総量」に限定されてしまう。

 ※ 経済が「活性化」して、取引総量が莫大になると、それに見合うだけの通貨を供給することが、間に合わなくなってしまう…。

 ※ それが、各国において、「金本位制」が「廃れて行った」根本的な弱点だ…。

 ※ 今、ロシアがまた、「金本位制」の導入を検討しているということは、「保有する金」の総量程度の「経済取引」しかなされないだろうな…、という判断に傾いているということだ…。

『【ロンドン時事】ロシア大統領府は29日、通貨ルーブルと金やその他商品の交換比率を固定することを検討していると明らかにした。ペスコフ大統領報道官が記者団との電話会見で「この問題をプーチン大統領と話し合っている」と表明した。ロイター通信が報じた。

ロシア、ドルで債務支払い 土壇場でデフォルト回避か

 実現すれば約1世紀ぶりの金本位制復帰となる。しかし、ロシア中央銀行のナビウリナ総裁は記者会見で「いかなる形でも議論していない」と語っており、実現可能性は不透明だ。』

ゲアハルト・シュレーダー

ゲアハルト・シュレーダー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%82%A2%E3%83%8F%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC

『生い立ち

第二次世界大戦中の1944年国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)政権下のドイツ国のリッペ自由州(現在はノルトライン=ヴェストファーレン州の一部)のモッセンベルク(ドイツ語版)(現在のブロムベルク)に、労働者階級の一家に生まれる。出稼ぎ労働者でドイツ国防軍の下級伍長(英語版)だった父フリッツはゲアハルトが生まれて数週間後に息子に会う事無く独ソ戦の戦場になっていたルーマニアでドイツ軍とソ連軍との戦闘(en)において、32歳で戦死した。ゲアハルトには父親の記憶が無く母と姉と三人家族で敗戦後の苦しい生活の中育つ。

1958年、国民学校(ドイツ語版)の義務教育を終える。この後レムゴーの町の金物商で小売商人資格の取れる見習修業を受けると、1961年からゲッティンゲンで建設労働者および商店従業員として働いた。戦死者の一人息子として兵役義務から免除される。シュレーダーは、1962年から1964年にかけて、ジーゲンの夜間学校で中等教育修了資格(ドイツ語版)を取得し、1964年から1966年にビーレフェルトで大学入学資格(アビトゥーア)を取得した後、1966年にゲッティンゲン大学に入学する。法学を専攻した。大学生だった1968年、最初の結婚をする(しかし数年で離婚)。1971年、第一次司法試験に合格し大学を卒業。司法修習生となる。1972年に二度目の結婚をするが、再び数年で離婚する。1976年、国家司法試験に合格して弁護士免許を取得。弁護士としては、ドイツ赤軍テロリストの弁護を担当したこともある。 』

『政治家

1963年、ドイツ社会民主党(SPD)に入党。1978年にSPDの下部組織・社会主義青年団(ユーゾー)の連邦代表に就任し、1980年までその役職を務める。

1980年、ドイツ連邦議会議員に初当選。連邦議会議員時代の1984年に三度目の結婚(その後、三度離婚する)。

1986年、ニーダーザクセン州議会議員に転じ、1990年までSPDのニーダーザクセン州議会議員団長および野党代表を務める。1990年に州議会選挙でSPDが勝利し、ニーダーザクセン州の州首相となる。同年、フォルクスワーゲン社の監査役に就任し、1998年までその職にあった。1993年、SPDの党首選挙に出馬するが、ルドルフ・シャーピング(後にシュレーダー政権の国防相)に敗北。1994年、同盟90/緑の党と連立政権を組み、州首相に再任。1997年、各州政府の代表からなる連邦参議院の議長となる(任期一年)。

この年、ジャーナリストだったドリスと四度目の結婚、2016年に離婚。夫妻には夫人の子が一人、2004年と2006年に迎えた養子が二人いたが、シュレーダーに実子はいなかった。 』

『首相

1998年、「新しい中道」をキャッチフレーズに、SPDの連邦首相候補として連邦議会選挙に再出馬して当選。この選挙で社会民主党が議会第一党を獲得、同盟90/緑の党との連立で16年ぶりの政権交代を実現し、ドイツ連邦共和国第7代首相に就任。高級な背広に葉巻というおよそSPDという労働者政党らしからぬ装いで「ボス同志」[2] と揶揄される。

1999年、政策的に対立していた党内左派のオスカー・ラフォンテーヌ党首に代わって、SPD党首となる。この年前半のコソボ紛争でドイツ連邦軍は戦後初めて戦争に参加、激しい議論を呼んだ。また同年、環境税を導入した。

2000年2月、IT技術者確保のためにグリーンカード(ドイツ語版)制度を導入。首相お膝元のハノーファーで万国博覧会(ハノーファー万国博覧会)を開催するが、大失敗に終わる。

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を受け、「アメリカ合衆国との無制限の連帯」を表明。ドイツ連邦軍の「不朽の自由作戦」参加を決定。ドイツ軍はアフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)の活動に、北大西洋条約機構(NATO)の一員として現在も参加している。11月、年金改革法案可決。12月、将来の原子力発電所全廃を決定。

2002年6月の第28回主要国首脳会議(サミット)終了後、サッカーワールドカップ決勝戦を観戦するために、日本の政府専用機に搭乗して訪日[3]。

8月にエルベ川が大洪水を起こし、現地に乗り込んで対策を指示。

ドイツ再統一後も経済不振の続く旧東ドイツの開発重視は政策の一つでもあった。

同月の連邦議会選挙で「ドイツの道」を提唱し、アメリカによるイラクへの攻撃反対を訴えて辛勝。首相に再任。

12月、中華人民共和国の同済大学より、名誉博士号が授与される。この年、シュレーダー政権の改革政策を風刺した「税金の歌」(独: Der Steuersong)(ラス・ケチャップの「アセレヘ 〜魔法のケチャップ・ソング〜(英語版)」の替え歌で、エルマー・ブラント(英語版)が「ゲルド・ショー(英語版)」名義で歌唱)が7週間にわたりシングルのヒットチャート1位となる。良くも悪くも、前例のない「メディアの宰相」だった。

2003年3月、経済のグローバル化や成長戦略を視野に入れた改革プロジェクト『アゲンダ2010』を発表。その内容が新自由主義的であるとしてSPDの伝統的な支持基盤である労働組合から批判される。この年3月に起きたイラク戦争にはフランスと共に国連決議抜きでの開戦に反対し、派兵しなかった。

2004年、高い失業率や保険制度改革(削減)が不評で政権への不満からデモが頻発。SPDの支持率が低下したことを受け、3月にSPD党首を辞任(後任は幹事長のフランツ・ミュンテフェーリング)。

5月に欧州連合(EU)が東欧までの25ヶ国に拡大し、EUの地理的・経済的中心国としてのドイツの役割が大きくなる。地方議会選挙の連敗で連邦参議院で与野党逆転を許し、野党が擁立したホルスト・ケーラー大統領の当選を許す。7月、移民受け入れに関する新法を可決。

2005年失業者が戦後最多500万人を突破した。ロシアからバルト海を通ってドイツに天然ガスを送るという、物議があったノルド・ストリーム建設についてロシアとパイプライン計画に合意した。

パイプラインによりドイツのエネルギー供給は、ロシア国営企業への依存を強めることになる[4][5]。

地方議会選挙での連敗を受けて、7月に内閣信任案を与党に否決させ、連邦議会を解散[6]。これによって9月18日に総選挙の投票が実施される。SPDは圧倒的に不利という事前の予想を覆して善戦したが、野党キリスト教民主同盟(CDU)側に4議席及ばず議会第二党へ転落。

長い協議の末首相の座を退き、CDU党首アンゲラ・メルケルに譲ることになった。

東ドイツで育ったメルケル新首相は東欧諸国を重視しており、(ドイツ語や英語に加えて)ロシア語も話せるが[7]、シュレーダーの(フランスだけでなくロシアとの協力を重視する)「パリ-ベルリン-モスクワ枢軸」を外交政策の方針から削除した[5]。

11月29日には議員も辞職して政界から離れる。首相退任直前の10月、トルコのエルドアン首相と共に、キリスト教圏の首脳として初めてイスラム教の断食開けの祭に参加。イラク戦争への反対姿勢と共に、イスラム圏には好意的に受け取られた。トルコのEU加盟にも賛成していた。 』

『首相退任後

2006年3月、ロシア国営天然ガス会社ガスプロムの子会社「ノルド・ストリームAG」の役員に就任。バルト海底を経由してロシア・ドイツ間をつないだ天然ガスのパイプラインであるノルド・ストリームやノルド・ストリーム2の取締役を2017年時点でも長期にわたって利益を得ていることに批判の声がある[8]。そのほかにスイスにあるロスチャイルド投資銀行のヨーロッパ支部相談役、スイスのRingier出版相談役を務める。2006年に自伝を出版したが、在任中からロシアとの癒着が疑われ批判された。ロシアでビジネスキャリアを積み、ノルド・ストリーム社の株主委員会の会長を務めている[4]。

2007年5月、中華人民共和国外交部顧問に任命。伝統的中国医学を世界に宣伝する役割を負う。成長著しい中国市場を重視し、首相在任中は毎年訪問してリニアモーターカー(上海トランスラピッド)の売り込みなどをしていた。同年9月、チベットのダライ・ラマ14世を首相官邸に招いて会見したメルケル首相を「中国国民の感情を傷つけ、両国の友好を損ねた」と講演で批判している。2008年8月にはメルケル首相は参加しなかった北京オリンピックの開会式に出席した[9]。

2014年4月28日にウクライナのクリミア危機でロシアがクリミア半島併合した中、ロシアのかつての首都であったサンクトペテルブルクの宮殿で70歳の誕生日をウラジーミル・プーチン露大統領と抱擁して祝った。クリミア半島併合が原因でロシアの国営石油会社ロスネフチに科された経済制裁などロシアへの経済制裁自体に反対を表明してきたことでも物議を醸した[4][10][11]。

2015年9月、中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典に参加した[12]。

2017年8月11日に欧米による経済制裁の対象になっているロスネフチの取締役にドミートリー・メドヴェージェフ露首相の署名により指名されていたことが、ロシアで公開された文書により発覚した[4]。

ドイツのメディアはシュレーダーの行為を一斉に批判した。

同月30日にシュレーダーはロシアの国営石油会社 ロスネフチの取締役に就任することを認めたが、所属するドイツ社会民主党(SPD)で2014年の欧州議会選挙の結果、欧州議会議長に就任後に2017年に党首になったマルティン・シュルツに9月24日投票のドイツ連邦議会[13] 選挙に打撃を与えた。

メルケル首相率いるドイツキリスト教民主同盟(CDU)政権打倒を目指しているショルツ党首は取締役候補に指名された時点でシュレーダーとは距離を置き、「自分ならそのようなことはしない」と批判した。

ロシアのインテルファクス通信によるとロスネフチの取締役会長なると報道された。

ジョンズ・ホプキンズ大学米国現代ドイツ研究所のジャック・ジェーンズ所長はヨーロッパへ悪影響を与えると懸念を示した[7][8]。

メルケル首相も大衆誌『ビルト』による生中継インタビューにて自身は政界引退後に民間企業の職に就くことは考えていないことやシュレダーのロスネフチ取締役就任は不適切だと批判した[11]。

こうした言動から、西側諸国の政財界要人がロシアに篭絡されることを揶揄する「シュレーダリゼーション」という造語が生まれた[14]。

2017年9月11日、大韓民国の首都ソウル特別市にある「ナヌムの家」を訪れたシュレーダーは、自伝の韓国語版の売り上げのうち1000万ウォン(96万円)を寄付し、「日本政府が慰安婦に対して謝罪する勇気を持てないでいる」と述べ[15]、元日本軍慰安婦をノーベル平和賞候補に推薦する事に支持を表明した。

シュレーダーは現職前職を含め外国の元首級の人物がナヌムの家を訪れた初のケースだった[16][17][18]。

2017年9月11日から2泊3日で自叙伝の韓国語版出版に合わせて韓国を訪れたが、この自叙伝の韓国語版の監修を行い、通訳として同行もした25歳年下の韓国人女性キム・ソヨンと、5度目の結婚をすると報じられた。

2016年に離婚したドリス元夫人がフェイスブックで離婚原因としてキム・ソヨンを挙げている[19]。

キムの前夫はキムと「シュレーダーと別れるなら離婚する」と約束して離婚したがキムは端からシュレーダーと別れるつもりも約束を守る意志もなかったのに離婚のために自分を欺いたこと、シュレーダーも家庭を持つ人妻という事実を知っていたのに不倫して自分に耐えがたい精神的苦痛を与える違法行為を行ったとして提訴した[20]。

その後2018年10月5日にベルリンで結婚式を挙げている[21]。 』

『ロシアによるウクライナ侵攻後の対応

2022年2月5日には、ロシアの国営天然ガス会社ガスプロムの取締役に指名されている[22]。この後、2月24日にはロシアによるウクライナ侵攻が発生した。

シュレーダーは侵攻発生後もロシアとの関わりを断つべきではないとSNSへの投稿を行っており、またロシア国営企業の役員も辞さなかった[23]。

同様の立場にあった西側の元首脳は相次いで役職を辞任したため、シュレーダーの親露姿勢が際立つ形となり[24]、各方面からシュレーダーに対する批判が起こった。

ドイツ社会民主党はシュレーダーに役員職の辞職を要求し、党ウェブサイトの「偉大な社会民主党員」の項目からシュレーダーを削除した[25]。

またスポーツ界ではボルシア・ドルトムント[26]とドイツサッカー連盟(DFB)がシュレーダーの名誉会員資格を剥奪した[27]。

3月11日、モスクワでプーチン大統領と会見しているが、ドイツ連邦政府は関与を否定している[28]。 』

シュレーダー元独首相に批判 プーチン氏友人、ロシアで巨額報酬

シュレーダー元独首相に批判 プーチン氏友人、ロシアで巨額報酬
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022042900201&g=int&p=20220429at04S&rel=pv

※ 後ろに写っている女の人は、キム・ソヨンだと思う…。

※ 『通訳として同行もした25歳年下の韓国人女性キム・ソヨンと、5度目の結婚』した…、という話しだ…。

『【ベルリン時事】ドイツのシュレーダー元首相(78)への批判が高まっている。ロシアのプーチン大統領の長年の友人で、ロシア軍によるウクライナ侵攻開始後も、ロシアの複数のエネルギー企業幹部にとどまり巨額報酬を得ているためだ。所属する社会民主党(SPD)からの離党や、シュレーダー氏個人に制裁を科すことを求める声も強まってきた。

プーチン氏「信長と同じ」 安倍氏発言、立民代表が皮肉

 1998~2005年に首相を務めたシュレーダー氏は、プーチン氏の求めに応じ、パイプライン事業「ノルドストリーム」を推進。ドイツが天然ガスの「ロシア依存」を強める契機となった。

シュレーダー氏は首相退任後も、同パイプライン運営会社の株主委員会会長や石油大手ロスネフチ取締役会会長など、数々のロシア企業の役員を務め、ロビー活動に協力してきた。ショルツ首相らによるポスト返上の求めにも応じていない。

 シュレーダー氏は23日の米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューで、ロシアとの関係を「過ちとは認めない」「過去30年はうまくいってきた」などと強弁。

戦争は過ちとしつつ、戦争を終えられる唯一の人物の信を失ってはならないと、プーチン氏との関係を続ける意向を示した。実際に両氏は3月にモスクワで面会したが、成果は何もなく終わったもようだ。

 ウクライナ侵攻後、独連邦議会(下院)内のシュレーダー氏の事務所職員は、長年の側近も含め全員辞任。

エスケンSPD党首は、シュレーダー氏のプーチン氏擁護は「全くばかげている」と離党を求めたほか、複数の与野党議員が制裁を科すことを主張。ビルト紙が28日公表した世論調査でも、59%が制裁に賛成した。 』

「核脅威に先制的に制圧を」 金正恩氏

「核脅威に先制的に制圧を」 金正恩氏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM300CH0Q2A430C2000000/

『【ソウル=細川幸太郎】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は朝鮮人民軍幹部らを前に「敵対勢力の核の脅威に、必要ならば先制的に制圧するため、武力発展を進めなければならない」と話し、先制攻撃について言及した。朝鮮中央通信が30日に報じた。

25日に実施した朝鮮人民革命軍創建90年の式典を取り仕切った軍幹部を党中央委員会本部庁舎に招いた激励の場で語ったという。今回の発言について詳細な日時は報じられていない。

金正恩氏は「力と力が激しく衝突する現在の世界で、圧倒的な軍事力が国家と人民の安寧、子孫の将来を担保する生命線」とも話し、軍事力の強化でしか安全は得られないとの考えを強調した。

金氏は25日の創建90年の式典の演説で「核武力を最大限、急速に強化するための措置を取り続ける」と話している。戦争下での核使用を示唆する発言もあった。これら一連の発言から、韓国聯合ニュースは「先制核攻撃の可能性を示唆した」と報じている。

米軍や韓国軍は人工衛星の情報などから北朝鮮が2017年以来となる7回目の核実験の準備を進めているとして警戒を強めている。』

フィリピン、大統領選後に迫られるメガFTAの踏み絵

フィリピン、大統領選後に迫られるメガFTAの踏み絵
編集委員 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD258WL0V20C22A4000000/

 ※ 『2010年に発足したアキノ前政権が汚職撲滅に取り組み、その土台の上でドゥテルテ現政権が「ビルド・ビルド・ビルド(造れ・造れ・造れ)」と呼ぶインフラ整備計画を強力に推進した。

総額8兆ペソ(約20兆円)もの事業は、コロナ禍もあって必ずしも順調ではなかったが、構想40年余にして首都マニラに同国初の地下鉄が着工するなど大きな進展をもたらした。』…。

 ※ ここら辺は、知らんかった…。

 ※ ドゥテルテ政権は、「インフラ整備」で功績を上げたんだ…。

 ※ 「麻薬の売人は、撃ち殺してもかまわん!」だけじゃ、無かったんだ…。

 ※ ただ、相変わらず、「製造業」基盤が薄いことは、弱点のようだが…。

 ※ 熱帯(高温多湿)に位置する途上国、共通の話しだがな…。

『6年に1度のフィリピン大統領選が5月9日に迫った。世論調査ではかつての独裁者の長男、フェルディナンド・マルコス元上院議員(64)が独走のまま投票日を迎える展開となりそうだ。次期政権への世界の視線は、南シナ海問題を巡る米中対立下での立ち振る舞いに集まりがちだが、新型コロナウイルス禍前にアジア有数の高成長を謳歌した経済の行方にも注目したい。

選挙後の5月下旬の国会が試金石になる。メガFTA(自由貿易協定)とも言える日中韓や東南アジア諸国連合(ASEAN)など15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定を早期に批准できるか、である。

人口と域内総生産(GDP)がいずれも世界の3割を占める巨大経済圏は、今年1月1日に10カ国で発効した。その後、韓国やマレーシアが続き、残るはインドネシアとミャンマー、フィリピンの3カ国だけだ。フィリピンはドゥテルテ大統領が昨年9月に批准書に署名済みだが、上院で承認を得られないまま、国会が2月に休会となった。

批准には上院の3分の2以上の同意が必要だ。全国区で選出された24人の上院議員は、農業団体などの反対意見に敏感なうえ「(同意が)大統領にいかに貸しをつくるかという、影響力誇示の材料になる」(政策研究大学院大の高木佑輔准教授)。

2月の国会では多くの法案が滑り込み採決されるなか、RCEPには審議時間が割り当てられなかった。マルコス氏だけでなく、レニー・ロブレド副大統領(57)やイスコ・モレノ・マニラ市長(47)ら他の主要候補も、ドゥテルテ政権の経済政策はおおむね引き継ぐ考えを示している。新大統領が協定に参加しようと思えば、改めて批准書に署名したうえで、少数精鋭の上院議員たちを説き伏せる必要がある。

ドゥテルテ大統領は後れていたインフラ整備の旗を振りつつ、外資誘致のもうひとつのカギとなるRCEP参画も前向きに進めてきた=ロイター

政治的な駆け引きを脇に置いても、慎重意見には一定の理屈はある。国連貿易開発会議(UNCTAD)が昨年末に公表した試算では、RCEPの関税削減によって負の影響を受ける4カ国のひとつがフィリピンで、輸出が1億ドル(約128億円)目減りするという。

それでもロペス貿易産業相が「不参加なら多大な機会損失が生じる」と訴えるのは、目先の貿易収支の悪化よりも、対内直接投資の誘致競争で後れをとりたくない、という事情が透ける。

1986年の「ピープルパワー革命」で民主化するまで、フィリピンは21年間に及んだマルコス独裁政権下で経済が低迷し「アジアの病人」と皮肉られた。悪名高かった汚職体質により、鉄道や空港、道路などのインフラ整備が進まなかっただけでなく、不透明さを嫌った外資に敬遠されたからだ。

そんな停滞はこの10年余りで様変わりした。2010年に発足したアキノ前政権が汚職撲滅に取り組み、その土台の上でドゥテルテ現政権が「ビルド・ビルド・ビルド(造れ・造れ・造れ)」と呼ぶインフラ整備計画を強力に推進した。

総額8兆ペソ(約20兆円)もの事業は、コロナ禍もあって必ずしも順調ではなかったが、構想40年余にして首都マニラに同国初の地下鉄が着工するなど大きな進展をもたらした。
インフラ整備をてこに外資を呼び込む必要性は、産業構造をみれば一目瞭然だ。鉱工業などの第2次産業が3割強にとどまり、サービスなどの第3次産業が6割近くを占める姿は、まるで先進国。違いは、製造業を飛ばしてサービス経済が発展してきたことだ。

国民の平均年齢が24歳と若い同国で、高止まりする失業率を改善するには、雇用吸収力の大きい製造業の振興がやはり必要だ。そのために資本と技術を持つ外資が欠かせない。IT産業で脚光を浴びつつも、あえて「メーク・イン・インディア」(インドでつくろう)を看板政策に掲げ続けるインドのモディ政権と、事情は似通っている。

人口14億人の内需という外資誘致の武器を持つインドは土壇場でRCEP交渉から離脱したが、1億人のフィリピンにとって、外資向けのセールストークとしてのRCEP加盟は重要な意味を持つ。

アキノ、ドゥテルテ両政権下のフィリピンは、コロナ前まで総じて年率6~7%台の高成長を続けてきた。国際通貨基金(IMF)は最新の経済見通しで、今年の同国のGDP伸び率を6.5%とASEANで最も高くなると予測している。コロナ禍からのV字復興に向かうフィリピンは、中長期でも持続成長を可能にできるか。大統領選の結果にかかわらず、次期政権の最大の宿題といえよう。

[日経ヴェリタス2022年5月1日号]』

インド、対中懸念で豪とFTA アキル・ラメシュ氏米パシフィック・フォーラム常勤フェロー

インド、対中懸念で豪とFTA アキル・ラメシュ氏
米パシフィック・フォーラム常勤フェロー
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD2526Y0V20C22A4000000/

 ※ 米・中ロ対立激化で、世界は「合従連衡」の時代へと突入したか…、にも見える…。

 ※ しかし、安全保障(軍事を含む)の観点だけで視ると、「全体像」を見失う…。

 ※ 各国とも、自国の「安全保障」を図りながら、経済的な分野においては、強か(したたか)に「実利」を取って行く…。

 ※ 経済分野においては、「対立」しながら「協調」する…、ということが可能だ…。
 ※ そういう「複眼思考」が、必要だ…。

『4月2日にインドとオーストラリアが調印した暫定的な自由貿易協定(FTA)は重要な分岐点になる。豪州の対印輸出の85%以上、インドの対豪輸出の96%について関税を撤廃する協定は3つの重要な進展を含んでいる。

まずインドがビジネスに開放され、保護主義から脱却しつつある点だ。第二にインド太平洋地域に中国以外の市場ができることにより、豪州企業が経済的な威圧行為から身を守ることができる。第三に気候変動への取り組みで中国の資源に依存する必要がなくなる。

1947年の独立以来、インドは保護主義の姿勢を堅持し、先進国とのFTAを避けてきた。東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)のような貿易圏にも参加していない。

60~70年代にかけては保護主義が官僚的な認可制度に姿を変え、汚職が横行する土台になった。

91年の新産業政策に始まる経済自由化にもかかわらず、インドが世界に開放されるには30年かかった。

 Akhil Ramesh リスクコンサルティング会社勤務などを経て現職。南アジアなどインド太平洋地域の政治・経済を研究。

インドの方針転換の理由は2つある。1つは世界の製造業へと脱皮を目指すモディ首相の願望、2つ目はインド太平洋地域の地政学や経済状況の変化だ。

交渉が10年以上に及んだ豪州との貿易協定は中国への懸念に突き動かされてまとめられた。

豪州の視点からすれば、中国による経済的な威圧行為が代替市場を探す誘因になった。

中国は2020年に豪州の牛肉や大麦、ワイン、石炭の輸入を停止・制限したり、高関税をかけたりした。今回、豪州のインドへの石炭輸出に対する25%の関税がゼロになり、チタン、リチウム、コバルトなど重要な鉱物の関税もなくなる。印豪の新協定はインド太平洋地域の状況を一変させる可能性がある。

インドは21年10月、深刻なエネルギー危機に見舞われた。5つの州で産業や家庭の電力に必要な石炭が底をつきそうになったからだ。豪州から石炭を輸入すれば電力危機を防ぐことができる。

リチウムやコバルトなどの安定した調達が可能になれば、インドが温暖化ガス排出削減の目標を達成する一助にもなるだろう。よりクリーンな電力に切り替えるという長期的な政策によって、電気自動車(EV)や太陽電池パネル、風力タービンに使用される鉱物の需要が高まると予想される。

自動車の製造や再生可能エネルギーで知られるインド南部では、豪州の重要な鉱物がEVなどの生産に道を開くだろう。豪州産の液化天然ガス(LNG)の関税がゼロになったことで、石炭から再生エネへの移行期の燃料として天然ガスにも期待ができる。

中国の国営メディアが他国との貿易協定に対して好んで使う「ウィンウィン」という表現は印豪の暫定FTAの文脈にもあてはまる。

豪州がダイヤモンドや繊維など労働集約型の輸出品に対する関税を引き下げることで、インド国内で数百万人の雇用が創出される。インドは2国間協定によって、労働力の自由な移動や中国の輸出品が市場にあふれる恐れなど、RCEPに抱いていた懸念も解消できるだろう。

日豪印は3月の経済大臣の会合で、サプライチェーン(供給網)の強化に向けた取り組みを進めることで合意した。インドの豪州とのFTAは日米豪印4カ国の枠組み「Quad(クアッド)」の発展途上にあるパートナーシップを強化し、4カ国間の経済協力をさらに緊密にするだろう。

関連英文はNikkei Asiaサイト(https://s.nikkei.com/3xD8wMW)に

実利でクアッド強固に

ロシアと関係が深いインドはウクライナ危機の対応で米国との距離を広げる。ロシアを非難する国連総会の決議を棄権し、ロシア産原油の輸入を増やした。クアッドで対中包囲網を築く米国の試みは空中分解しかねない。

盲点は米中の2極で描く直線的な世界観にある。仮にインドがロシア非難で西側と歩調を合わせれば、唯一の選択肢としてロシアは中国への傾斜を強めるだろう。かといってロシアへの支持を明確にしすぎれば、米国が中国を懐柔する融和策に転じる可能性もある。

インドが最も恐れるのは、米ロのいずれの後ろ盾もなく中国と対峙する構図だ。独自の安全保障観を持つインドのクアッド離脱を避けたければ、抽象的な価値観の共有ではなく、通商で現実的な恩恵を与える必要がある。

(編集委員 太田泰彦)』

1~3月のユーロ圏、年率0.8%成長 物価高・ロシア侵攻で

1~3月のユーロ圏、年率0.8%成長 物価高・ロシア侵攻で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR28DVZ0Y2A420C2000000/

『【ベルリン=南毅郎】欧州連合(EU)統計局が29日発表した2022年1~3月期のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)は速報値が前期比0.2%増にとどまった。伸び率は前の期から小幅に鈍化し、年率換算でも0.8%だった。新型コロナウイルス対応の行動規制が段階的に緩和されたが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う資源高や物流網の混乱で先行きは不透明感が強まっている。

28日に発表された米国が前期比年率換算で1.4%減とブレーキがかかるなか、欧州経済の回復の遅れも鮮明になっている。5月18日に公表予定の日本は民間エコノミスト10人の予測の集計で同2.1%減となっている。

国別では欧州最大の経済大国のドイツが前期比0.2%増となった。マイナス成長に転じた前の期からは持ち直したものの低空飛行が続いた。フランスは0%、イタリアは0.2%減。ユーロ圏以外の加盟国を含めたEU全体では0.4%増だった。

欧州経済はコロナ対応の行動規制がドイツなどで段階的に緩和されており、経済活動の再開に伴って飲食・宿泊といったサービス業で景況感が持ち直しつつある。米S&Pグローバルによるとユーロ圏における企業の景況感指数は2月に55.5と5カ月ぶりの高水準になった。

一方で、ウクライナ危機が逆風となっている。ドイツを筆頭にユーロ圏はロシアから天然資源を調達しており、経済制裁などによる供給不安から資源価格が高騰。天然ガスの指標価格である「オランダTTF」は3月に過去最高値を更新した。

インフレの長期化で企業収益や家計所得を圧迫する懸念も強まる。半導体不足や物流網の混乱もあり、自動車などでは生産に制約も生じている。

先行きも不透明感が高まっている。ロシアのウクライナ侵攻が長引く恐れが出ているためだ。交戦が激化するなか、隣国モルドバに戦闘が波及する恐れも浮上した。ロシアがポーランドとブルガリアへの天然ガス供給を停止したことで、ロシア産の依存度が高いドイツでも供給不安に至るリスクシナリオが現実味を帯びる。

ドイツ政府は4月に入り、22年の独実質経済成長率の見通しについて従来の3.6%から2.2%に下方修正した。ドイツ連邦銀行(中央銀行)はロシアからの資源調達が全面的に止まれば、実質GDPが2%縮小すると警告する。

ウクライナ情勢だけでなく、中国ではコロナで大規模な都市封鎖に踏み切るなど供給網の混乱も長引きかねない。米モルガン・スタンレーは22年10~12月にかけてユーロ圏の成長率が0.1%まで落ち込むと試算する。』

ロシア、外債「ドルで支払い」 国内資金利用で米容認か

ロシア、外債「ドルで支払い」 国内資金利用で米容認か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR300420Q2A430C2000000/

『【ロンドン=篠崎健太】ロシア財務省は29日、ドル建て国債の元利金計6億4920万ドル(約840億円)の支払いをドルで実施したと発表した。

複数の米メディアはロシア国内にあるドル準備で工面され、米政府が決済を容認したと報じた。5月4日の猶予期限を前に債務不履行(デフォルト)はひとまず避けられる可能性が出てきたが、対外債務の綱渡りは続く。

ドルでの支払いが発表されたのは今月4日に満期を迎えた国債の元利金と、同日が期日だった2042年償還債の利息だ。

米政府が米銀口座にある資金の利用を認めなかったため金融機関が処理を拒んで期限を過ぎ、30日間の猶予期間に入っている。ロシア財務省は6日、自国通貨ルーブルによる相当額の支払いに切り替えると表明していた。

ロシア財務省は、必要なドル資金は支払代理人である米シティバンクのロンドン支店に送られたと説明した。

債券の保有者に届いたかどうかは不明だが、猶予期限の5月4日までの実行が確認されればデフォルトは避けられることになる。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは関係者の話として、支払われるドル資金は米国の経済制裁を受けていないロシアの住宅金融機関から、中継銀行の米BNYメロンを経てシティバンクに送られたと伝えた。米当局は手続きを容認したという。

米政府は当初の期日に決済を不承認とした際には「戦争を継続できないよう財源を枯渇させることが最大の目的だ」(サキ大統領報道官)と説明していた。

容認に転じた背景には、米国ではなくロシア国内にあるドル準備が使われることがありそうだ。米ブルームバーグ通信は国内の外貨準備を減らす狙いがあるとの見方を伝えた。

これまでロシア側はルーブルで支払っても「義務は完全に果たされる」と主張していた。
ドルでの支払いに転じた理由として、強弁とは裏腹に、デフォルトと正式に認定されて将来の外国投資家からの資金調達を極めて難しくする事態を避けようと手を尽くした可能性が浮かぶ。

金融業界団体である国際スワップ・デリバティブズ協会(ISDA)傘下の決定委員会は20日、債券発行時の条件にないルーブルでの支払いは「潜在的な支払い不履行」にあたるとの判断を示していた。

同委は29日、ドルで支払われるかどうか「状況を見守り続ける」と表明した。猶予期間内に実行されなかった場合に備え、正式なデフォルト認定後のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済に必要なオークションの準備に乗り出した。

米財務省の外国資産管理局(OFAC)はロシア当局や政府系ファンドなどから債券の元利金を受け取れる期限を5月25日としている。今回デフォルトが回避されても、残されたドル建て国債の利払いがどうなるかは不透明だ。

【関連記事】
・ロシア、ルーブル払いで「債務履行」 デフォルト近づく
・ロシアのドル建て国債「潜在的不履行」 ISDA委員会
・ロシア、国債「ドルで元利払い実施」 デフォルト回避か 』

ロシアのガスプロム、外国上場廃止へ 英で申請

ロシアのガスプロム、外国上場廃止へ 英で申請
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR3007P0Q2A430C2000000/

『【ロンドン=篠崎健太】ロシア国営ガス大手のガスプロムは29日、外国での預託証券の上場を廃止すると投資家に通知した。

英金融監督当局にロンドン証券取引所での上場取りやめを同日申請した。ロシアで企業が外国取引所に預託証券を上場することを禁じる法律が成立したのを受けて対応する。

預託証券は株式を裏付けに発行され、保有者は元の株式と同じように議決権や配当受け取りなどの権利を得られる。ロシアでは4月、自国企業の預託証券について、ロシア国外での流通を原則認めないとする法律が成立していた。

ガスプロムは上場継続を希望してロシア政府に申請していたが、28日に却下されたという。預託証券の保有者はモスクワ取引所に上場する普通株に転換できる。同社はシンガポール取引所にも預託証券の上場廃止を申請した。

ロンドン証取は3月3日からガスプロムの預託証券を取引停止にしている。ロシアのウクライナ侵攻直前と比べて価格は9割強下落していた。

【関連記事】
・ロシア、預託証券の外国上場禁止へ 下院が法案可決
・ロンドン証取、ロシア株の取引停止 侵攻後に暴落 』

中国、ネット統制強化を転換 失速の経済テコ入れ

中国、ネット統制強化を転換 失速の経済テコ入れ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM294FG0Z20C22A4000000/

『【北京=多部田俊輔】習近平(シー・ジンピン)指導部はアリババ集団や騰訊控股(テンセント)など中国ネット大手に対する統制強化を転換する。

ロシアのウクライナ侵攻や新型コロナウイルスを徹底して抑え込む「ゼロコロナ規制」などで最近の経済が失速しているため、ネット大手の活性化によって経済のテコ入れを狙うとみられる。

中国共産党が29日に開いた中央政治局会議で、プラットフォーマーと呼ばれるネット大手が手がける経済について、健全な発展を促進するとの方針を確認した。プラットフォーマーを対象とした規制強化の専門作業を完了させ、健全な成長をサポートする具体的な支援措置を打ち出すという。

香港メディアなどによると、今回の政治局会議の方針によって、習指導部が2020年から始めたネット大手に対する統制強化が一定の成果を上げたという認識となり、今後はネット大手の活性化を通じて減速する国内経済を下支えする方向に政策を転換する見通しだという。

習指導部の新たな方針にあわせて、規制当局は近く会議を開く予定だ。4月30日からの大型連休後にはネット大手の経営幹部らが参加する会合も開催するという。会合では当局がネット大手に新しい方針を示し、国内消費拡大に向けた協力などを議論するとみられる。

一連の報道を受けて、アリババやテンセントの株価は29日、10%以上の上昇となった。

習指導部のネット大手に対する統制は20年11月、アリババ傘下の金融会社アント・グループの上場延期で始まった。金融当局はアントの「企業統治が不健全」といった問題点を指摘。習指導部は金融市場で存在感を高めるアントに厳しい視線を向けた。

その後、当局は21年4月、アリババにネット通販事業などで独占禁止法違反にあたる行為があったとして過去最高の罰金も科した。当局はネット統制の法整備も進め、アリババに加え、テンセントや美団にも波及。配車アプリの滴滴出行(ディディ)は中国当局の指導を受けて米国上場を廃止する手続きを始めた。

習指導部は秋に5年に1度の党大会控え、異例の3期目に向けて足場固めを急ぐ。鄧小平時代の先に豊かになれるものを富ませる「先富論」から、格差縮小に向けて分配を重視する「共同富裕(共に豊かになる)」に路線を転換。その取り組みは巨額の収益を上げるネット大手に利益を還元させる圧力にもなった。

多様な観点からニュースを考える

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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浅川直輝
日経BP 「日経コンピュータ」編集長
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ひとこと解説

アリババや京東、テンセント、バイトダンスといった大手IT企業はこれまで中国当局による規制強化の逆風にさらされてきました。中国経済の先行きが不透明な中、大手IT企業の成長ポテンシャルに改めて期待が集まっている格好です。

一方で、教育やゲームなど、国民の思想・情操に関わる分野への規制は今後も続くと思われます。

2021年には民間教育サービスへの規制でEduTech企業の収益が悪化し、オンラインゲームへの規制では1万以上のゲーム会社が倒産しました。これらの企業の中には海外市場に活路を見いだそうとする動きもあり、その高い技術力でどのようなサービスを打ち出すか、日本においても注目を集めそうです。

2022年4月30日 8:11

柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説

このタイトルだけみると、ネット統制が緩和されると思う読者も多いのではないか。

実際は、ネット統制を引き続き強化するが、プラットフォーマーのビジネスに対する締め付けをある程度を緩める兆候がみられているということだろう。

しかし、政治指導者の発言に起因する株価の動きだけで政府の方針が転換するかどうか、判断できない。株価の変動は投資家の期待に基づくものが大きい。個人的に何をいうかというよりも、その行動をチェックしないといけないと思う

2022年4月30日 7:43 (2022年4月30日 8:53更新)』

林芳正外相、中央アジア2国へ「対ロ連携」促す

林芳正外相、中央アジア2国へ「対ロ連携」促す
カザフ外相「ロシアへ外交努力の用意ある」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2916D0Z20C22A4000000/

『林芳正外相は29日、訪問先のカザフスタンでトレウベルディ副首相兼外相と1時間ほど会談した。ロシアによるウクライナ侵攻について、国際社会での連携を促した。トレウベルディ氏はロシアに外交的努力をする用意があると述べた。

カザフスタンは旧ソ連諸国の一つでロシアとのつながりが強い。ウクライナ侵攻後、ロシアを国連人権理事会から追放する決議案に反対した。

林氏はウクライナ侵攻に関して「国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態だ」と強調した。トレウベルディ氏は国連憲章の基本原則に基づいて行動し、平和的解決をめざすと主張した。

両氏は東アジア情勢も協議した。北朝鮮の核・ミサイル開発や日本人の拉致問題で緊密に協力すると確かめた。林氏はトカエフ大統領も表敬した。

林氏は会談後、次の訪問先のウズベキスタンでオンライン形式で記者会見した。

トカエフ、トレウベルディ両氏が「同日中にロシアのプーチン大統領と話す予定だ」と言及したと明らかにした。「国連憲章や国際法に則って仲介努力をはかっているとの説明があった」と語った。

林氏は29日、ウズベキスタンでウムルザーコフ副首相兼投資・対外貿易相と1時間程度会談した。同国も旧ソ連諸国としてロシアと関係を築き、国連人権理事会の追放決議案に反対した。

林氏は「侵略に国際社会が足並みを揃えて対処すべきだ」と訴えた。ウムルザーコフ氏は「全ての紛争は国際法に従って平和的に解決されるべきだ」と指摘した。

日本の外相がカザフスタン、ウズベキスタンを訪れるのは12年ぶりだった。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Japan-asks-Kazakhstan-to-align-against-Russian-war-on-Ukraine?n_cid=DSBNNAR 』

米エクソン、「サハリン1」で4400億円損失

米エクソン、「サハリン1」で4400億円損失
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN294NN0Z20C22A4000000/

『【ヒューストン=花房良祐】米石油大手エクソンモービルは29日、2022年1~3月期に極東ロシアの石油開発事業「サハリン1」で34億ドル(約4400億円)の損失を計上したと発表した。同時に公表した22年1~3月期決算は、純利益が前年同期の2倍となる54億8000万ドルだった。原油相場の上昇が高収益を支えた。

同社はサハリン1から撤退するとすでに表明しており、人員を削減していることも明らかになっている。権益の売却先は決まっていないようだ。

ダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は29日、サハリン1について「オペレーション(操業)を止めようとしている」と語った。ただ同事業の21年の持ち分生産量は日量6万5000バレルにすぎず、同社の世界全体の生産量の2%未満、営業利益ベースで約1%にすぎないとも強調。「米国政府と緊密に連携しており、経済制裁にもすべて従っている」と述べた。
一方、22年1~3月の原油指標価格「北海ブレント」は1バレルあたり約101ドルで、前年同期の約61ドルから大幅に上昇した。新型コロナウイルス禍から世界経済が立ち直ったことで原油需要が回復したほか、ロシアのウクライナ侵攻で高騰した。この結果、エクソンの営業キャッシュフローは同60%増の147億8800万ドルと稼ぐ力が急伸。サハリン1の関連損失を補い、大幅増益につながった。

同業のシェブロンの業績も好調だ。29日発表した22年1~3月期決算は、純利益が前年同期の4・5倍となる62億5900万ドルだった。マイケル・ワースCEOは「米国内での石油・天然ガスの生産量が前年同期比10%増えた」と言及した。けん引するのはテキサス州などに広がる「パーミアン鉱区」。同地域での生産量は22年、前年比15%増の日量70万~75万バレルになる見込みという。

【関連記事】サハリン1、米エクソンが撤退準備 人員縮小・減産開始 』

米、北朝鮮の核実験再開を警戒 「数カ月以内」と民間分析

米、北朝鮮の核実験再開を警戒 「数カ月以内」と民間分析
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300BR0Q2A430C2000000/

『【ワシントン=共同】米国務省のポーター副報道官は29日の記者会見で「北朝鮮が数カ月以内に核実験をするための準備をしている可能性があるとする報告書が出ていることを把握している」と述べた。米シンクタンクが28日に衛星写真に基づき北朝鮮の核実験場で活動が続いているとの分析を発表しており、米側は核実験再開の可能性があるとみて警戒している。

ポーター氏は北朝鮮が核実験再開に向けた準備をすれば「危険なだけでなく、地域を不安定化させ、明白な国際法違反になる」と批判。北朝鮮に自制を求め「真剣かつ持続可能な対話」に応じるよう改めて呼びかけた。

米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は28日、25日に撮影された商業衛星写真に基づき、北朝鮮北東部豊渓里の核実験場の南側坑道で掘削が続いていると明らかにした。
CSISは核実験場で作業員がバレーボールをしていたとの分析も公表。北朝鮮は2017年9月に最後の核実験を豊渓里で実施し、その数カ月前にもバレーボールをする様子が捕捉されていた。』

米報道官、言葉に詰まり沈黙 ウクライナ惨状めぐり

米報道官、言葉に詰まり沈黙 ウクライナ惨状めぐり
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300640Q2A430C2000000/

『【ワシントン=中村亮】米国防総省のカービー報道官が29日の記者会見で、ウクライナの惨状をめぐって言葉に詰まり沈黙する場面があった。多数の一般市民が犠牲になっており、感情を抑えられなくなったとみられ、その後にロシアによるウクライナ侵攻を「悪行」と糾弾した。

ロシアのプーチン大統領について「理性的な人物だと思うか」と問われ、カービー氏は「彼や彼の軍がウクライナでやっていることは見るに堪えない」と非難した。ウクライナの惨状に関する画像の話を続けようとした際に言葉に詰まった。涙をこらえているように見え、沈黙は10秒近く続いた。

カービー氏は「感情的になるつもりはなかった。申し訳ない」と話しつつ「(プーチン氏は)全く脅かされていないロシアの国益を守ると主張している」と指摘。「ウクライナで無実の人が後頭部を撃たれたり、手を後ろで縛られたり、妊娠した女性が殺害されたり、病院が爆撃されたりする出来事と(プーチン氏の)説明を整合させることは困難だ」と言明した。

カービー氏はオバマ政権のころに国防総省と国務省の報道官を務めたベテランで、感情を表に出すのは珍しい。2月下旬にウクライナ侵攻が始まってから定例記者会見を連日開き、米メディアにも頻繁に出演して戦況や米国のウクライナ支援について説明している。』

米高官、ロシア軍の東部侵攻「予定より遅れ」

米高官、ロシア軍の東部侵攻「予定より遅れ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300CF0Q2A430C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕】米国防総省高官は29日、ロシア軍が戦力を集中させるウクライナ東部ドンバス地方の戦闘について「ウクライナの強固な抵抗に直面し、予定より遅れている」と述べた。首都キーウ(キエフ)の制圧に失敗した教訓を踏まえ、慎重に作戦を進めているとの認識も示した。

米政府はロシアが東部地域で北、東、南の3方向から支配地域の拡大をめざし、南東部の要衝であるマリウポリの部隊を北と北西に向かわせているとみる。同高官は記者団に対し、東部地域に「南から接近しようとしている」と説明。一方「進軍はゆっくりで決定的なものではない」と強調した。

ロシア軍の行動は前線にいる部隊への物資の補給体制を維持する狙いがあると分析しており「大規模で長期的な攻勢に向けた環境整備を続けている」(同高官)もようだ。』

冷戦はなぜ始まったのか? 歴史は繰り返されるのか?

冷戦はなぜ始まったのか? 歴史は繰り返されるのか?
https://style.nikkei.com/article/DGXZQOLM042470U2A400C2000000?channel=ASH06006&n_cid=TPRN0016

『1945年の夏、第2次世界大戦における連合国側である米国、ソ連、英国の首脳がドイツのポツダムに集まり、この史上最も血なまぐさい戦争の終結に向けて話し合った。ドイツを分割して占領統治し、ソ連の支援を受けたポーランド政府を認め、さらにベトナムを分割するという、戦後の世界秩序を左右する重大な決断が下された。

1945年のポツダム会談に出席したスターリン、トルーマン、クレメント・アトリー英首相 (PHOTOGRAPHS VIA CORBIS, GETTY IMAGES)

ポツダム会談で最も重要な出来事の1つは、覚書として残されることも、記者会見で語られることもなかった。会議の後半、ハリー・トルーマン米大統領がソ連のスターリン首相をそばに呼び、ある衝撃的なニュースを伝えたのだ。米国は「異常な破壊力を持つ兵器」の実験に成功した、と。

1945年のポツダム会談で撮影された写真の裏面に、ハリー・トルーマン米大統領のメモが。「私はスターリンに、史上最強の爆弾を日本に投下する予定だと伝えた。彼は微笑みながら、教えてくれて感謝すると言った。だが、彼には私が何のことを言っているのか分からなかったのだ。そう、原爆のことだ!」(PHOTOGRAPHS VIA CORBIS, GETTY IMAGES)

数週間後、米国は原爆を使用して日本を降伏させた。核兵器の破滅的な力を実証した米国は、戦争で同盟関係にあった列強の中で突然優位に立った。そして、わずか1年半後には、米国とソ連という2つの超大国の危険な覇権争いが始まり、ソ連が崩壊する1991年まで40年以上も続くことになる。

両国は表向きは平和な関係にあったものの、莫大な費用をかけた急速な軍拡競争や、南米、アフリカ、アジアでの代理戦争、そして米国主導の資本主義陣営とソ連主導の共産主義圏の間で、世界的な支配をかけた競争が繰り広げられた。

半世紀近くも続いた冷戦はなぜ始まり、どのようにエスカレートしていったのか。今日の世界に何をのこしたのか。そして、新たな冷戦がすでに進行していると考える専門家たちがいる理由を見ていこう。

なぜ「冷戦」と呼ばれたのか?

「冷戦」という言葉は、欧州諸国間の関係が険悪になっていく様子を表現するためにフランスで「ゲール・フロワ(冷たい戦争)」という表現が使われていた1930年代から存在した。その後、1945年に米国が広島と長崎に原爆を投下した直後、英国の作家ジョージ・オーウェルが、原爆が国際関係において何を意味するかを探るエッセーの中で、冷戦という言葉を使った。

原爆は10万人を超える民間の日本人の命を奪った。あまりに恐ろしいその破壊力は、大国間の戦争を抑制する代わりに「征服不可能であると同時に、近隣諸国と永久に『冷戦』状態にある国家」を作り出すだろう、とオーウェルが予測するほどだった。

かつて同盟国だった米ソの間に不信の種が育つにつれて、オーウェルが予言した「平和でない平和」は現実となった。

冷戦はどのように始まった?

ソ連は第2次世界大戦でナチス・ドイツと激戦を繰り広げ、 軍人・民間人合わせて推定2400万人という最も多くの犠牲者を出した国だ。指導者スターリンは、こうしたソ連の貢献を反映していないとして、戦後の欧州分割に不満を抱いた。

米国では、外交官ジョージ・ケナンが、1946年にソ連外交を分析した「長文電報」で、ソ連への不信感を表した。

ケナンは、ソ連が非論理的で不安定であり、長期的に西側と協力することはないだろうと警告した。

これを受けて、米国はソ連のイデオロギーと影響力の拡大を防ぐために「封じ込め」政策を取り始める。』

『米国は、すぐにこの新しい政策を実行に移す機会を得た。1947年、英国が、共産主義者による反乱を抑えようとしていたギリシャとトルコに対する援助を打ち切ると発表した。トルーマン米大統領は、これを機に、米国議会に両国を支援する資金を要求し、「トルーマン・ドクトリン」と呼ばれる原則を確立した。米国は、ソ連軍や共産主義者の暴動によって脅かされる国や人々を支援すべきだというものだ。スターリンは、この動きを「影の戦争」の幕開けと見なした。

「冷戦」という言葉は、西側の資本主義と東側の共産主義の間のイデオロギー的な闘争を表す略語になった。米国のジャーナリスト、ウォルター・リップマンが、1947年に発表した一連の記事でこの言葉を流行らせた。
なぜNATOができたのか?

ソ連の影響力を西に拡大し、他の国々を共産主義の支配下に置こうとするスターリンの動きを懸念していたのは米国だけではない。

1948年、ソ連はチェコスロバキアで起きたクーデターを支援し、西ベルリンの封鎖を開始した。当時ベルリンは、東は共産主義、西は資本主義が支配する占領地域に分割されていた。

米国とその同盟国は統一戦線を示そうと、大西洋をまたぐ相互防衛同盟である「北大西洋条約機構(NATO)」を結成した。1949年4月4日、米国、カナダ、ベルギー、デンマーク、フランス、アイスランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、英国は、「加盟国のうち1カ国でも武力攻撃を受ければ、それをすべての加盟国に対する攻撃だとみなす」ことに合意し、条約に調印した。

これに対し、ソ連は独自の防衛同盟を結んで対抗した。1955年に締結されたワルシャワ条約は、ソ連に加え、ポーランド、東ドイツなど7つの衛星国を含み、1946年にチャーチルが演説の中で「鉄のカーテン」と呼んだ東西ヨーロッパの思想的・軍事的な壁を強化するものとなった。

1955年5月、ワルシャワ条約の締結に向けた会合に出席するためポーランドに到着したソ連代表団 (PHOTOGRAP VIA AFP, GETTY IMAGES)

世界は核戦争にどこまで近づいたのか?

「鉄のカーテン」を挟んで対峙していた米ソ両国は、何百兆円もの資金を投入して核兵器を蓄積し、軍拡競争を繰り広げた。

当初は米国が有利だった。しかし、ソ連が核兵器を保有するようになると、両国は「相互確証破壊」によって膠着状態に陥った。どちらかが攻撃すれば、もう一方が報復し、双方に破滅的な結果をもたらすという考え方だ。

1962年のキューバ・ミサイル危機は、冷戦の中で最も緊迫した出来事だった。米国は、フロリダ州からわずか145キロ南に位置する共産主義国キューバに、ソ連のミサイル基地と武器があることを察知した。ケネディ大統領は、これらの撤去を要求し、「米国領土を攻撃すれば、直ちにソ連に核攻撃を加える」と宣言した。

1962年、キューバの海上封鎖を宣言するジョン・F・ケネディ米大統領がデパートのテレビに映っている (PHOTOGRAPH BY RALPH CRANE, LIFE MAGAZINE/THE LIFE PICTURE COLLECTION/GETTY)

2週間近くに及ぶ緊迫した交渉の間、核戦争の脅威は間近に迫っていた。最終的にソ連は、米国がキューバに侵攻しないと約束すればミサイルを撤去することに同意した。このとき水面下では、米国もトルコからの核兵器撤去に合意していたが、この合意が公表されたのは1987年だった。

しかし、その後も双方の核兵器は激増し続けた。1980年代後半には、米国が2万3000発、ソ連が3万9000発の核兵器を保有していたと推定されている。』

『さまざまな形の「冷戦」

40年以上にわたる冷戦の間、米ソは世界中で何度も代理戦争を行ってきた。朝鮮戦争、ベトナム戦争、その他の武力紛争で、2つの超大国は国家に資金提供を行い、また直接的な戦闘を行ってきた。さらに、南米、アフリカ、アジア、中東において、革命や反乱、政治的暗殺にも資金を提供した。

米ソはまた、20年にわたる宇宙開発競争の中で、技術的な優位性を証明するために競い合った。1957年、ソ連は初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ、1969年には米国が初めて月面に人類を送り込み、成功を収めた。1970年代半ばになるとようやく、両国は共同ミッションで協力し始めた。

1950年代以降、米ソは宇宙開発という新たな舞台で軍備を競い合った。写真はソ連初の人工衛星スプートニク (PHOTOGRAPH BY MARK THIESSEN, NAT GEO IMAGE COLLECTION )

冷戦はどのように終結したのか?

1980年代半ばになると、鉄のカーテンの向こう側の生活は一変していた。ソ連邦の国々では民主化運動が起こり、ソ連邦自体も経済的、政治的混乱に見舞われた。1987年には、特に危険な地上発射型ミサイルを廃棄する核条約を結ぶなど、米ソはより開かれた関係を築くようになった。

1991年、ソ連は民主化革命によって大半の構成国を失い、ワルシャワ条約は正式に解消された。ソ連最後の指導者ゴルバチョフは、西側諸国に国を開き、国有化に依存する制度を崩す経済改革を行った。そして、1991年12月、ソ連邦は解体された。

また新たな冷戦が始まるのか?

ソ連はなくなり、核兵器も1980年代から1990年代にかけて米ソ間で結ばれた核不拡散条約によって劇的に減少した。ここ数十年、米ロはアフガニスタンや対テロ戦争など、世界における様々な問題で協力してきた。

しかし、現代の地政学には今も冷戦の影響が刻まれている。

両国は依然として、対立する利害、多額の防衛予算、そして国際的な軍事基地を抱えている。

NATOもいまだに政治的な力を持ち、30カ国が加盟するまでに成長した。

現在、NATOはポーランドやバルト3国などの旧ソ連邦諸国や旧ワルシャワ条約機構加盟国を含み、ロシアの国境際まで広がっている。1990年代以降、ロシアはNATOの東方拡大を自国の安全保障に対する脅威と見なしてきた。

2008年、ウクライナはNATOに加盟したいと希望を表明したが、2年後に新大統領がその計画を撤回した。

2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻したことで、ロシアと欧米の緊張は最高潮に達している。今回の危機を新たな冷戦の始まりになぞらえる論者もいる。

21世紀の冷戦はすでに始まっているのだろうか? それはまだ分からない。歴史家たちは、ポツダム会談が第2次世界大戦後の長い対立の舞台を作ったと言うが、新冷戦の始まりは、歴史のバックミラーに映るまで分からないかもしれない。

(文 ERIN BLAKEMORE、訳 桜木敬子、日経ナショナル ジオグラフィック社)

[ナショナル ジオグラフィック 日本版サイト 2022年3月29日付]』

知床観光船事故、亡くなった乗客4人の身元判明…50~60代の男女

知床観光船事故、亡くなった乗客4人の身元判明…50~60代の男女
https://www.yomiuri.co.jp/national/20220429-OYT1T50124/

『北海道・知床半島沖の観光船事故で、第1管区海上保安本部は29日、亡くなった乗客4人の身元を新たに発表した。

知床沖の海中100mの船体に「KAZU I」の文字、海自掃海艇の水中カメラで確認…海保幹部

観光船が遭難したと見られる「カシュニの滝」近くの海域で捜索活動を行う海上保安庁の測量船「天洋」(29日午前、北海道斜里町で、読売ヘリから)=早坂洋祐撮影

 4人は、兵庫県小野市の竹川好信さん(66)と竹川生子さん(62)、岐阜県多治見市の瀬川由美さん(51)、福岡県筑後市の伊藤嘉通さん(51)。

 死亡が確認された14人のうち、身元が発表されたのは10人となった。』

 ※ ・兵庫県小野市
   ・岐阜県多治見市
   ・福岡県筑後市 …、ふーん…。

『「知床沖観光船事故」有田町の2人の身元判明 佐賀
https://rkb.jp/news-rkb/202204271513/

北海道の知床半島沖で乗客乗員合わせて26人が乗った観光船が遭難した事故で、発見された人のうち、佐賀県有田町に住む70代の男性2人の身元が確認されました。

第一管区海上保安本部によりますと、身元が判明したのは、佐賀県有田町に住む林善也さんと岩永健介さんです。2人はいずれも、今月24日の早朝に、北海道・知床岬の西約1キロの海上で発見されました。

一方、乗船名簿に名前があった有田町に住むもう1人の男性については、安否が分かっていません。』

 ※ ・佐賀県有田町…、ふーん…。

知床観光船遭難 松戸の34歳男性死亡確認 乗客名簿に南房総の男性か
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/930420

『北海道・知床半島沖で、観光船「KAZU I(カズワン)」=19トン=が子ども2人を含む乗客乗員26人と共に遭難した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は25日、これまでに死亡が確認された11人のうち、松戸市の橳島優さん(34)ら3人の身元を発表した。乗客名簿には県内在住の別の1人が含まれていたことも、県などへの取材で判明した。名簿に載っていたのは南房総市の60代男性とみられ、家族が現地入りしているという。一方、千葉、銚子の両海上保安部は事故を受け、県内で観光船を運航する事業者に、出港前の気象情報確認などを呼びかける安全指導を行った。

 1管は子ども1人を ・・・

【残り 726文字、写真 1 枚】』

 ※ ・千葉県松戸市
   ・千葉県南房総市…、ふーん…。

知床観光船事故、3歳女児含む死亡3人の身元公表
https://www.nishinippon.co.jp/item/o/913130/

『北海道・知床半島沖で子ども2人を含む乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU 1(カズワン)」=19トン=が遭難した事故で、第1管区海上保安本部(小樽)は子ども1人を発見、死亡を確認したと25日、明らかにした。地元斜里町によると、3歳女児とみられる。死者は計11人となった。なお15人が不明で、捜索を急いでいる。

 1管によると、子どもはカズワンが消息を絶った知床半島西側のオホーツク海側から流されたとみられ、24日夜に知床岬先端の灯台から東側約14キロの沖合で発見、搬送時に意識はなく、救命胴衣を着けていない状態だった。町は両親と観光船に同乗していたとしている。

■海保が3人の身元公表

 第1管区海上保安本部は25日、これまでに死亡が確認された11人のうち、3歳女児を含む3人の身元を公表した。身元が判明した方々は次の通り。
 ▽千葉県松戸市 橳島優さん(34)
 ▽東京都葛飾区 加藤七菜子ちゃん(3)
 ▽香川県丸亀市 河口洋介さん(40)』

 ※ ・東京都葛飾区
   ・香川県丸亀市 …、ふーん…。

【知床観光船事故】死亡11人のうち身元確認された10人が居住する都府県名明らかに
https://www.nikkansports.com/general/news/202204260001317.html

『北海道・知床沖での観光船遭難事故で、地元斜里町幹部が26日までに、死亡した11人のうち、親族らにより身元が確認された10人が居住する都府県名が福島、千葉、東京、岐阜、大阪、兵庫、香川、福岡、佐賀と明らかにした。残る1人は確定していないとしている。

第1管区海上保安本部(小樽)は25日、死亡した人のうち千葉、東京、香川の3人のみ氏名や居住地を公表している。(共同)』…、ふっふーん…。

 ※ 京アニ放火被害者の時に、似ているな…。