分担金・拠出金の名称 国際刑事裁判所(ICC)分担金 評価 B
拠出先の国際機関名 国際刑事裁判所(ICC)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000095525.pdf
国際機関の概要 •ICCは,集団殺害犯罪,人道に対する犯罪,戦争犯罪及び侵略犯罪といった国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を犯した個人を国際法に基づき訴追•処罰するために2002年に設立さ れた常設の国際刑事法廷。
•裁判所はハーグに所在し,同裁判所の設立条約である「国際刑事裁判所に関するICCローマ規程」の締約国数は123か国。
拠出により我が国が期待する成果目標及び活動指標
達成状況
1.(1)成果目標:最も重大な犯罪を犯した個人の国際刑事責任を然る
べく追及し,国際刑事法の発展を促すことをもって,我が国の重要外交課
題の一つである国際社会における「法の支配」の確立を促進する。
活動指標:国際犯罪の不処罰の終焉,ICCの普遍化の促進。
•ICCは,2002年の設立以来K]の常設刑事法廷として,8か国において評9つの事態を扱い,国際社会全体の関心事である最も重大な犯罪を
犯した個人の国際刑事責任を追及すべく,質の高い捜査と実効的な裁判を実施してきており,我が国の重要外交課題の一つである国際社会にお
ける「法の支配」の確立に貢献してきている。
•また,係属中の9つの事態に加え,アフガニスタン,イラク,パレスチナ等において,犯罪捜査を行う条件が整っているかについての予備的検討も
同時に進めており,捜査から被疑者の逮捕,裁判,刑の言渡しまでの刑事司法サイクルを一件でも多く実現するよう尽力している。
‘(2)成果目標:ICC及びICCローマ規程締約国会議における我が国のプ
レゼンス
活動指標:ICC ローマ規程締約国会議(ハーグ作業部会及びニュー
ヨーク作業部会含む)における強い発言権を維持することにより,ICCの適
切な運用を監督・支援するとともに,ICCの活動を通じた我が国の外交目
標を達成する。
•我が国の分担金額は,123か国の締約国中トップ(2014年度は17.22%)であり,ICCは我が国の財政的貢献な口こは十分な活動を行うことはでき
ない。
主要財政拠出国グループ(G6)の一員として,年間を通じてICCの予算措置を検討し,ICCの行財政に責任を負う書記局とも緊密な連絡を
維持することで,iccの行財政に対する発言権を維持している。
■ICCローマ規程締約国会議の下に設置されたハーグ作業部会及びニューヨーク作業部会において,手続証拠規則等の法律問題から行財政に
至るまで多様な作業部会においてフォーカルポイントや報告者を務めるほか,全ての作業部会に出席し,強い発言力を維持している。
•その他,・取り分けアジア地域においXICCローマ規程の締約国数を増やすために,各種セミナー等の開催に協力し,ICCローマ規程の普遍化に
向けて貢献してきている。
(3)成果目標:ICCにおける効率的な組織•財政マネジメントの確保。
活動指標:更なる効率的な組織運営を実現する観点から,設立10年
が過ぎたICC機構の全般的な見直し,特に,書記局の機構改革,検察局
の中期戦略の立案を推進する。また,効率的な財政マネジメントを確保す
る観点から,裁判所側と予算財務委員会(CBF),加盟国の密な連携にょ
る予算策定プロセスを確保していく。
•2002年の設立以来活動を拡大するICCの内部機構が効率的な運営を行えているかを総点検し,更なる効率性を図ることを目的とした書記局の
リビジョン計画が進行中。同計画の実施により,人材の適材適所への再配置が実施され,不必要な支出を抑える効果が見込まれている。同計画
は,2016年までに達成される予定。
•また,現在検察局は,2016年一2018年の3か年の戦略計画を立案しており,中期的な目標を策定することで効率的な捜査の実現を図るべく裁
判部•書記局といった関係内部機関と連携を図っている。
•財政マネジメントの観点では,効率的かつ無駄のない予算を策定する観点から,書記局が予算策定段階から密に各部局と連携し,不必要な予
算要求を棄却するメカニズムを構築するとともに,策定した予算案を迅速に予算財務委員会(独立した委員から構成される予算審議委員会。我が
国も一貫して委員を派遣。)の審議に付し,同委員会と連携しつつ再度不必要な予算を洗い出し,加盟国との協議を通じて必要不可欠な予算に絞
り込むプロセスを確立している。結果,健全な財政基盤の構築に向けて,透明性のある予算策定プロセスとなっている。
(4)成果目標:ICCにおける邦人職員の割合を高める。
活動指標:日本人裁判官の任命,日本人職員の登用を促進させる。そ
の観点から,裁判官や各内部機関の要職ポストを引き続き維持するととも
に,iccにおけるJP〇の採用に向けた具体的な取り組みを進める。学生,
若手研究者及び若手法曹並びに行財政分野の専門家に対し,就職先とし
てのiccの魅力をアピールする。
•我が国出身の尾崎久仁子裁判官は,2010年3月の着任以降第一審裁判部において,3事件(中央アフリカの事態の「ベンバ事件」,万二アの事態
の「ケニヤッタ事件」(裁判長)及びコンゴ(民)の事態の「ンタガンダ事件」)を担当している。
また,2015年3月以降,ICC裁判官の互選により第二副
所長に選出され,2015年3月以降ICCの司法活動全般の方向性を指導する重要な任務を遂行している。
•我が国出身の野口元郎最高検察庁検事がICC被害者信託基金(TFV)の理事長を務めている。
ICCの特色である被害者賠償制度が適切に運
用されるべく,裁判所,TFV事務局及び受益者(すなわち被害者)コミュニティとの間の信頼関係構築に尽力している。
•ICC書記局共通役務局長
及び人事課長と国際機関人事センター長との協議を通じて,更なる日本人職員の増加を図る。
■ICC幹部が我が国に来日し,学生向けのシンポジウムやセミナーにおいてICCの活動の周知活動に尽力している。また,尾崎判事がICCの第二
副所長に選出されたことにより,我が国においてICCの役割等につきよりアピールする機会が創出される。
2~PDCAサイクルの確保
ICCにおいては,以下の通りPDCAを確保。
①Plan:ICCの予算支出先は,書記局が作成した後,個人資格で締約国により選出される予算財務問題の専門家で構成される予算財務委員会(C
BF)による審議を経て,年1回の締約国会議によって承認される予算書の中で決定される。不明朗な支出項目があれば締約国が異議を申し立て
ることができる。
②D。:我が国の分担金支払。ICCによる予算案執行(ICCの書記及び検察官は承認された予算の範囲内であれば支出項目間で
支出額の調整が可能)〇
在蘭大及び国連代表部による司法活動及び裁判所行財政運営のモニタリング。
③Check:CBF及び締約国会議において
予算執行状況が確認されるほか,外部会計監査人が第三者の立場から会計監査を行っている。更に,icc内外の委員によって構成される独立監
督メカニズムが設置されている。
④Act:年1回の締約国会議における書記によるICCの活動報告•決算報告,不定期開催の所長,書記,検察官と
締約国代表団との非公式協議を通じた活動報告・意思疎通の機会の確保。
担当課•室名
国際法局国際法課