日中外相テレビ会談内容の日中における発表の差異は何を物語るのか?

日中外相テレビ会談内容の日中における発表の差異は何を物語るのか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220519-00296736

※ 今日は、こんなところで…。

『5月18日、日中外相会談が行われたが、とても同じ会談とは思えないほど、自国に都合のいいことだけを並べており、日中双方で発表内容が大きく異なる。その差異から何が読み取れるか考察してみよう。

◆日本の外務省による発表

 5月18日、午前10時から約70分、林芳正外相と王毅外相がテレビ会談を行った。日本の外務省は、その会談内容に関して林外相が概ね以下のように言ったと発表している。リンク先に日本語があるので、要点のみ略記する。

 1.日中は「建設的かつ安定的な関係」という重要な共通認識を実現していくべき。

 2.日本国内の対中世論は極めて厳しい。互いに言うべきことは言いつつ対話を重ね、協力すべき分野では適切な形で協力を進め、国際社会への責任を共に果たしていくべき。その上で、尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグル自治区等の状況に対する深刻な懸念を表明。台湾海峡の平和と安定の重要性。在中国日本大使館員の一時拘束事案及び中国における邦人拘束事案について。日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めた。

 3.新型コロナによる様々な影響がある中で、在留邦人の安全の確保や日本企業の正当な経済活動の保護等について中国側の適切な対応を要請。

 4.ウクライナ情勢について、ロシアによるウクライナ侵略は国連憲章を始め国際法の明確な違反であり、中国が国際の平和と安全の維持に責任ある役割を果たすよう求る。北朝鮮については、非核化に向け国際社会が一致して対応する必要がある。拉致問題の即時解決に向けた理解と支持を含める。

◆中国外交部による発表

 一方、中国の場合は二段階に分けて発表し、実に激しい。

 まず18日の14:56の情報として、外交部は「王毅が日米の対中干渉に関して立場を表明した」というタイトルで、以下のように書いている。

 ――2022年5月18日、国務委員兼外相の王毅は、日本の林芳正外相とのビデオ会議で、日米の中国に対する否定的な動きについて立場を示した。

   日本は日米印豪「クワッド」首脳会談を主催しようとしている。警戒すべきは、アメリカの指導者(バイデン)がまだ来日する前から、日米が連携して中国に対抗していこうという論調がすでに悪意に満ちて騒々しく広がっていることだ。

   日米は同盟関係にあるが、日中は平和友好条約を締結している。日米二国間協力は、陣営の対立を扇動したりしてはならないし、中国の主権、安全保障、開発の利益を損ねたりすることなど、さらにあってはならない。日本側が歴史の教訓を学び、地域の平和と安定を目指し、慎重に行動し、他人の火中の栗を拾いに行くようなことをせず、隣国を自国の洪水のはけ口にする(自分の利益を図るために災いを人に押しつける)ような道を歩まないことを願っている。(引用ここまで)

 中国の外交部は、その15分後の15:11に、日中外相テレビ会談の全体に関して、以下のように発表している。

 ――王毅は、今年は日中国交正常化50周年であり、二国間関係の発展の歴史において重要な一里塚だと述べた。 両首脳は昨年、新時代の要求に合致した日中関係の構築を促進する上で重要な合意に達した。

   王毅は、目下の急務は、以下の3つのことを成し遂げることだと指摘した。

   一、二国間関係の正しい方向をしっかりと把握すべきである。 中国と日本の4つの政治文書は、二国間関係の平和的、友好的な協力の方向性を定め、両国がパートナーであり、相互に脅威をもたらさないという一連の重要な原則的合意を築いた。 両国の関係が複雑かつ深刻であればあるほど、中国と日本の4つの政治文書の原則の精神を揺るがすことなく、初心を忘れてはならない。 我々は、正しい認識を確立し、積極的に相互作用を行い、国交正常化50周年を計画し、あらゆるレベルの様々な分野での交流と協力を強化し、前向きな世論と社会環境を醸成すべきである。

   二、二国間関係の前進の原動力を十分に満たすべきである。 経済・貿易協力は、二国間関係の「バラスト(船底に置く重り)」と「スクリュー」である。中国が相互循環の新しい開発パターンの構築を加速することは、日本と世界にとってより多くの機会を提供するだろう。双方は、デジタル経済、グリーン低炭素、気候変動管理などの分野で協調と協力を強化し、より高いレベルの相互利益とウィンウィンの状況を達成するために、協力の可能性を深く掘り起こすべきである。

   三、干渉要因を迅速に排除すべきである。 台湾など、中国の核心的利益や主要な懸念に関する最近の日本の否定的な動きは、一部の政治勢力が中国を誹謗し、相互の信頼を著しく損ない、二国間関係の根幹を揺るがしている。 歴史の教訓を忘れるな。日本側は、これまでの約束を守り、両国間の基本的な信義を守り、日中関係を弱体化させようとする勢力を許さず、中国との国交正常化の50年で達成された貴重な成果を維持すべきである。

   林芳正(氏)は、日本と中国は広範な共通の利益を共有しており、協力の大きな可能性と幅広い展望を持っていると述べた。今年は日中外交正常化50周年を迎えるが、両国首脳の重要な合意に基づき、建設的かつ安定的な二国間関係の構築に努めなければならない。日本側は、中国と志を共にして、国交正常化の初心を忘れず、率直な意思疎通を維持し、誤解や誤った判断を軽減し、デリケートな問題には適切に対応して、政治的相互信頼の強化を図りたいと思っている。(中国外交部からの引用はここまで)

 中国の外交部が二つに分けて情報発信したことから読み取れるのは、ともかく一刻も早く「クワッド」に関する王毅の発言を公表したかったことと、これこそが中国側が今現在、最も言いたいことなのだろうということだ。

 日本の外務省の発表とは、何という相違だろう。

 とても、これが同じ会談の内容だとは思えないくらい異なる。

 一致しているのは日本外務省の「1」の部分だけくらいだろうか。

 中国側の発表を見ない限り、いま日中が、どのような関係にあるのかということは見えてこない。

◆中国は数回にわたり北朝鮮に警告している

 もう一つ、注目すべきことがある。

 実は中国は北朝鮮に数回にわたり警告を出していたのだ。

5月11日付の東京新聞は、以下のような報道をしている。

 ――韓国の情報機関・国家情報院トップの朴智元氏が韓国紙のインタビューに明かしたところによると、中国は最近、数回にわたり北朝鮮にICBMの発射や核実験を中断するよう促した。北朝鮮メディアは4日と7日のミサイル発射に言及しておらず、中国に一定の配慮をした可能性もある。

   中国の王岐山国家副主席は10日午後、尹氏(新大統領)と会い「朝鮮半島の非核化と恒久的な平和を推進する」との立場を伝えた。それでも、専門家の間では中国の北朝鮮への影響力にも限界があるとの見方が強い。朴氏は、バイデン米大統領が訪韓する20日までに北朝鮮が核実験に踏み切るとの見方を示している。(東京新聞からの引用はここまで)

 この情報に関して、中国大陸のネットで検索したが、ヒットする情報はなかった。つまり、中国では、「中国が再三にわたり、北朝鮮にICBMの発射や核実験を中断するよう促した」ことに関しては、公表しないようにしているということになる。

 林外相は、この事実を把握した上で発言しているのか否か分からないが、少なくとも王毅外相はこの事実に関して、会談でも何も言わなかったものと推測される。

 5月18日のコラム<中露は軍事同盟国ではなく、ウクライナ戦争以降に関係後退していない>に書いたように、中朝は軍事同盟を結んでおり、北朝鮮の無謀な軍事行動は、中国にとっては「迷惑な行動」で、中国は中朝友好協力相互援助条約を破棄したいと何度か望みながら、結局のところ破棄した場合のディメリットもあり、破棄できずに今日まで至っている。

 それでも北朝鮮が自暴自棄にならないよう、習近平は北への経済的支援を絶やしてない。

 習近平が、ロシアの軍事行動だけでなく、北朝鮮の軍事行動に関しても、何とか抑えたいと相当に窮地に追い込まれていることを、「日本では報道されない中国情報」(および東京新聞の情報)の中に垣間見ることができる。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士

1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略 世界はどう変わるのか』(4月16日出版、PHP)、『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史  習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。』

誰にババを引かせるか? 政治的な処理に入ったロシア : 机上空間

誰にババを引かせるか? 政治的な処理に入ったロシア : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28727364.html

『 最初にちょっとだけ関係の無い話題を。昨晩のニューヨークダウなのですが、チャートがノゴギリ歯状態に入りました。これは、何を意味するかというと、ここのところの暴落から、株価が割安と見て買う勢力と、いやいや、こんなもんじゃないと売り浴びせる勢力がせめぎ合っている状態を示します。現在、3万1千ドル台なのですが、ここを崩されると、3万ドルを切る可能性も出てきますし、持ち直せば3万5千まで押し返す可能性もあります。インフレで、米ドルの金利引き上げが予定されているので、株価回復は、やや劣勢です。

つまり、相場が迷っているのですね。恐らく、来週一週間ぐらいで、決着が付いた方向へ動くと思われます。

さて、本題ですが、ロシア国内の論調に変化が出ています。今までは、大本営発表よろしく、勇猛果敢に進撃するロシア軍と、逃げ惑うウクライナ兵というファンタジー路線で、まったく現実を反映していない報道を繰り返していたのですが、本当につい最近になって、ロシア軍の劣勢と成果が上がっていない事実を報道し始めました。

ロシアの国内向けのプロバガンダ報道には、段階で変化が起きてきました。

・最初の頃は、とにかく臆病なウクライナ兵と、それを蹴散らすロシア軍というイメージ宣伝。
・戦争が長引くと、NATOや西側諸国の支援のせいにする。
・雑なプロバガンダでウクライナに対するヘイトを稼ごうとする。黒魔術とか、ドーピングによる薬漬けの兵士とか、しまいには動物と掛け合わせたキメラ兵まで登場する始末。どこのアニメですかというキテレツさ。クマの縫いぐるみに、鉤十字の服を着せて、「奴らはナチスを崇拝している」と言い出す始末。子供でも騙されませんがな。
・現在は、戦線の膠着と、上がらない戦果に対して批判的な姿勢を見せ始める。

一つには、嘘でごまかせなくなったという事もあるでしょうが、既にロシア国内では、今後戦争を継続するかどうかは置いておいて、これまでのニヶ月の責任を誰に押し付けるかで、政治的な取引の段階に入ったと思われます。特にロシアで人気のブロガーなどのインフルエンサーが、先日のドネツ川を渡ろうとした戦術大隊が全滅した件については、怒りを込めて一向に教訓から学ぼうとしないロシア軍に対して批判をしています。そして、あれだけ統制の厳しかったロシア政府が、この動きを禁止していません。

つまり、失敗した犯人を、それとなく世論誘導して、確定させようとしています。それは、ズバリ、ロシア軍そのものです。つまり、プーチン大統領やらFSBは、完璧な計画を立てたのだけど、それを無能な軍が実行できなかったんだよね。悪いのは、全部軍組織ですというプロパガンダが始まったという事です。

世論の下地が仕上がったところで、見せしめ的に軍のトップを粛清し、恐らくはFSBを中心に再編して、プーチン大統領直属の私兵軍団に再編成するのではないかと思われます。ヒトラーが戦争終盤に利用した、ヒトラー・ユーゲントのように、プーチン大統領の為には全ての犠牲を厭わない、ロシアの未来を築き上げる尖兵としての青年兵士団を編成するかも知れません。

政治的に負けられないプーチン大統領にとって、論理的に勝敗を論じる軍よりも、青年団のような狂信者のほうが欲しいのです。ロシア人というのは、強い指導者には盲目的に従順ですが、弱い指導者には容赦がありません。なので、過去の記事でも書きましたが、戦争を始めた時点で、ロシアの勝利は、国内政治的には動かせないのです。例え現実がどうであろうとも、ロシアが勝利したと強弁できないと、プーチン大統領の政治生命は終わります。それに必要なのは、狂信者・国粋主義者です。』

世界を覆うインフレ(悪性) : 机上空間

世界を覆うインフレ(悪性) : 机上空間
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/28720285.html

『昨日のアメリカ市場は、近年稀な大暴落でした。ニューヨークダウは最大で1200ドル以上暴落。NASDAQも5%以上の下落。ここ3日間ほど、上げ相場で上昇した分を全部吐き出して、元に戻しました。原因は、インフレを原因とする消費の落ち込みです。それを裏付けるのが、世界最大の小売業者であるウォルマートと、業界第5位のターゲットの決算数字の悪さです。

この原因になってるのが、悪性のインフレです。アメリカでは、先日発表された消費者物価指数でも、相変わらずの前年比8%以上のインフレ高止まり、これは欧州でも同じで、7%以上のインフレです。発端は、いわゆるCO2削減を叫ぶ環境保護の動きによる、グリーンエネルギーシフトによるエネルギー原料の高騰です。これによって、去年の冬からの天然ガスの値段がバカ上がりしました。

イギリスなどでは、ちょっと広めの家屋の月の暖房費が軽く5万円を超えています。暖房費だけです。というのは、欧州の暖房は、床暖房や蒸気によるヒートパイプによって部屋全体を温める暖房が多いので、空間が大きければ大きい程、エネルギーを消費します。

それに加えて、ロシアのウクライナ侵攻で、ロシア産の資源の禁輸が制裁処置で加わりました。さらに、侵攻相手のウクライナは、ヨーロッパのパン籠と言われる程の穀倉地帯です。つまり、エネルギーと食料の両方で、供給がストップしています。未だ、実感として日本では感じられていませんが、インドなどが自国の需要を確保する為に小麦の輸出を禁止するなど、既に防衛に入っている国があります。

さらに武漢肺炎で、世界の工場化している中国で、頭のオカシイ、都市封鎖をしているので、工業製品の輸出が停滞しています。その上、今年も相変わらず起きている水害の為、世界中の穀物を高値で買いまくっているので、あらゆる穀物が高騰しています。そろそろ、発展途上国では輸入できなくなるくらい価格があがっています。

つまり、物不足で物価が高騰しているので、これは悪性のインフレです。そして、インフレが原因で消費活動の抑制が始まっています。一般的に、流通が正常であれば、小売業者の業績低迷=モノが売れないというのは、値下げに繋がるので、インフレ抑制の兆候という解釈も成り立つのですが、原因が物不足の場合、原料費が高騰しているのが原因で、モノの値段があがって売れなくなっているので、モノが売れようが売れなかろうが、利益を確保する為に物価は上がります。

また、エネルギー関連のインフレは、副作用が凄いです。なにせ、物流費用、店舗の光熱費と、全てにおいて、コストが上昇しますので、売上が落ちるのにコスト高という最悪の状態になります。そして、そのコスト高は、一般家庭の生活も直撃します。ガソリンの高騰は、車が足になっている社会では、死活問題です。そして、脱原発で高コスト体質になっている世界の発電施設は、バカ高い天然ガスをガンガン燃やして電気を作り出す為、目につかないところで、ガンガンCO2を排出して、結局のところ、何も解決する事無く、さらにCO2排出量は増えるでしょうねぇ。環境活動家が地球環境を破壊するという笑えない状況になっています。実際、太陽光パネルを設置する為に、山の斜面を切り開いて禿山にしてますしね。あれを、元に戻すのに何十年かかることやら。

実際、今回のロシアのウクライナ侵攻で、何年分の資源の浪費と、環境破壊、インフラの破壊が起きたのかを考えると、既に何をしても世界単位で環境を改善する事は不可能とも言えます。ロシア軍がウクライナに人員を割いている為に、シベリアで起きた森林火災が鎮火できずに、膨大な面積の森林が灰になっています。ここで出たCO2と、破壊された森林は、甚大な被害を環境に及ぼします。

何よりも絶望的なのは、本格的な物不足の影響が始まるのは、これからだという事です。恐らくウクライナの農業は、年単位で低迷します。ロシアのエネルギー資源は、制裁が緩和されるまで続くので、ロシアが大ロシア主義の領土拡張を止めない限り続くでしょう。中国では習近平氏が政権を握っている限り、国民の愚民化、旧勢力へのカウンターとしてのIT産業などへの締付け、人類の愚行を見ているかのような武漢肺炎対策で、工業力の衰退が起きるはずです。』

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革

第二次安倍政権で挑んだ日本のインテリジェンス改革
小谷 賢 (日本大学危機管理学部教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/26653

 ※ これは、絶対読んどいた方がいい…。

 ※ 日本国には、表向きは、CIAやMI6みたいな「諜報機関」は、存在しないことになっている…。

 ※ しかし、「裏」においては、それに類するものが存在する…。そして、それは「分散するような形」で存在している…。

 ※ そういうような話しが、語られている…。

『 第二次安倍晋三政権では日本のインテリジェンス分野での改革が大きく進んだ。

 その原点は、2008年2月14日に内閣情報調査室が発表した報告書「官邸における情報機能の強化の方針」にある。これには日本のインテリジェンスについて改善すべき点が多々列挙されているが、その中で特に困難な課題が「対外人的情報収集機能強化」と「秘密保全に関する法制」であった。

 12年12月に成立した第二次安倍政権はこの2つの課題に取り組むことになる。

鍵になった政官のトライアングル

 安倍氏が首相に返り咲くと、町村信孝衆議院議員と北村滋内閣情報官(当時)という政官のトライアングルによって日本のインテリジェンス改革が進んだ。

 このトライアングルで要となったのが、警察官僚で、民主党政権時代に内閣情報官に抜擢された北村氏である。公安警察のキャリアを持つ同氏は、11年から約8年にもわたり情報官を務めた。その間に内閣情報調査室(内調)を中央情報機関として定着させ、さらには安倍政権の政治的原動力を活用してインテリジェンス改革を断行したのである。また、北村氏が首相の信任を得たことによって、インテリジェンス・コミュニティーにおける内調の存在感は、極めて大きなものになった。

 北村氏は安倍氏の要望に応える形で、それまで週に1回だった情報官による首相ブリーフィングを週に2回とし、そのうちの1回はインテリジェンス・コミュニティーを構成する、警察庁警備局、防衛省情報本部、外務省国際情報統括官組織、公安調査庁、内閣衛星情報センターなど、それぞれの担当者による首相への直接のブリーフィングという形式をとったのである。この各省庁による首相ブリーフィングのため、定期的に北村氏が中心となって各省庁の情報担当者と会合を持ち、その省庁がどのような情報を首相に報告するのかを調整していたという。

 各省庁からすれば、それまでは内調に情報を上げ、それを間接的に情報官から首相に報告してもらう、という形だったものが、直接首相に報告する機会が与えられることによって、ブリーフィングに対する責任感が増すと同時に、インテリジェンス・コミュニティーの一員であるという自覚も根付いた。

 第二次安倍政権発足から4カ月後、安倍氏は国会において次のように発言している。

 「秘密保護法制については、これは、私は極めて重要な課題だと思っております。海外との情報共有を進めていく、これは、海外とのインテリジェンス・コミュニティーの中において日本はさまざまな情報を手に入れているわけでございますし、また、日米の同盟関係の中においても高度な情報が入ってくるわけでございますが、日本側に、やはり秘密保全に関する法制を整備していないということについて不安を持っている国もあることは事実でございます」

 この発言から安倍氏が、諸外国との情報共有の必要性から秘密保護法制を推進しようとしていたことが理解できる。13年8月には自民党で町村氏を座長とする「党インテリジェンス・秘密保全等検討プロジェクトチーム」が立ち上がり、内調を事務局として法案の作成が行われた。

 ただ、自民党も一枚岩ではなく、法案に反対する声も多く聞かれたという。そうした議員に対して、法案の必要性を説明して回ったのが北村氏であった。そして同年12月6日に「特定秘密の保護に関する法律」が成立している。

『特定秘密保護法の導入によって各行政機関の機密が特別秘密として管理され、アクセスできるのは大臣政務官以上の特別職の政治家と、適正評価をクリアした各省庁の行政官ということに整理されたため、秘密情報の運用面においては大きな改善が見られる。

 クリアランスを持つ行政官は「職務上知る必要性」の原則に基づいて特定秘密にアクセスし、さらに必要があれば「情報共有の必要性」に応じて、他省庁の行政官や上記の政治家と特定秘密を共有するという、欧米諸国では日常的に行われていることが初めて可能となった。また日本と米国、その他友好国との情報共有も進んだのである。

 17年9月、河野太郎外務大臣 (当時)は記者会見で北朝鮮情勢について「諸外国から提供された特定秘密に当たる情報も用いて情勢判断が行われたが、特定秘密保護法がなければわが国と共有されなかったものもあった」と評価している。

テロ情報の収集が平時から可能に

 シリアでジャーナリストの後藤健二氏と軍事コンサルタントの湯川遥菜氏がイスラム国(IS)に拘束され、15年1月に殺害の様子を記録した動画がネット上で公開された事件は日本人に衝撃を与えた。

 これを受けて同年12月8日、外務省総合外交政策局内に国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)が設置された。CTU-Jは平時から海外で情報収集や分析活動を行い、現地の治安情報や邦人が危険に巻き込まれないよう防止するための対外情報組織である。また有事には邦人救出の交渉等も担い、18年10月にはシリアで拘束されていた安田純平氏の解放に尽力している。

2015年に設置された国際テロ情報収集ユニット(CTU-J)は、イスラム国(IS)に拘束された邦人の解放に貢献した (AP/AFLO)

 NHKの取材によると、CTU-J設置の舞台裏は次のようなものだったそうだ。

 「『国際テロ情報収集ユニット』の立ち上げの際、組織の実権をどこが握るかをめぐって、外務省と警察庁の間で激しい攻防があった。結局、最終的には、安倍首相や菅義偉官房長官(当時)と関係の深い、北村内閣情報官が主導権を握り、組織のトップのユニット長は、警察庁出身者から出すことに決まった。このときの外務省の恨みはものすごかった。まさにこの瞬間に、この組織が、外務省に籍を置きながら、官邸直轄の組織となることが決まったと言ってもいい」

 CTU-Jはテロ情報に特化した組織であり、外交や経済、安全保障についての情報収集は認められていない。しかし平時に海外で情報を収集し、それを直接官邸に報告できるという点では、対外情報機関としての体裁を整えていると言える。

 北村氏は、「人員を拡充し、大量破壊兵器の不拡散や経済安全保障関連での情報収集も担わせることを検討してもいいでしょう」と語っており、将来的には本格的な対外情報機関への脱皮を期待しているようである。08年に公表された方針は、特定秘密保護法とCTU-Jの設置という形で結実したと言える。』

ウイグル人約3万人拘束、流出の新疆警察データベース明かす=米VOA

ウイグル人約3万人拘束、流出の新疆警察データベース明かす=米VOA
https://www.epochtimes.jp/2022/05/105987.html

『ノルウェー在住のウイグル人活動家アブドゥウェリ・アユプ(Abduweli Ayup)さんは17日、リークされた新疆ウイグル自治区警察当局の2つのデータベースを米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に提供した。データベースには、近年、新疆の各地で拘束された3万人近いウイグル人の個人情報が入っている。

個人情報の中にはウイグル人の氏名、性別、生年月日、身分証明書番号、自宅住所のほかに、逮捕された際の罪名、刑期、収監された刑務所の住所も含まれている。警察当局はこれらの住民を「社会秩序騒乱罪」や「宗教活動などを利用し法執行を妨害する罪」「騒動挑発罪」などで拘束したという。

(※ 無料は、ここまで)』

イラク石油省、中国企業の油田権益取得を差し止め=報道

イラク石油省、中国企業の油田権益取得を差し止め=報道
https://www.epochtimes.jp/2022/05/106205.html

『ロイター通信17日付によると、イラク石油省は昨年、中国企業の同国の油田権益取得に相次いで介入した。同国政府は、油田開発などの主導権が中国の手に入ることに懸念を示している。

報道はイラク石油省の高官や石油業界関係者の話を引用し、2021年初め以来、ロシア石油大手ルクオイル(Lukoil)と米国同業のエクソンモービル(Exxon Mobil)がイラクにおける主要な油田権益を中国国営石油会社に売却する計画は、石油省の介入によって差し止められた。

(無料は、ここまで)』

英政府、来春対中ODA終了 一帯一路を念頭に

英政府、来春対中ODA終了 一帯一路を念頭に
https://www.epochtimes.jp/2022/05/106389.html

※ まだ、出していたのか…。そっちのほうが、驚きだよ…。

※ まあ、二国間の「約束」上の期限が、あったんだろう…。

『英国のビジネス・エネルギー産業戦略相クワシ・クワーテング氏は18日、中国への政府開発援助(ODA)を来春に終了すると発表した。中国国家プロジェクトである「一帯一路」構想への対抗であるとみられる。

英紙デイリー・メール電子版によると、英政府は中国での「研究活動とイノベーション」のために拠出する1300万ポンド規模の援助を今年で終了することも決めた。

(※ 無料は、ここまで)』

中国、国際電話の着受信制限 進む鎖国?

中国、国際電話の着受信制限 進む鎖国?
https://www.epochtimes.jp/2022/05/106394.html

『中国の複数の省ではこのほど、香港や台湾を含む海外からの携帯電話着信や、ショートメールの受信サービスを制限する動きがみられた。

中国メディア「IT之家」11日付によると、中国国有通信最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)の浙江省の支社は「国際電話を使った振り込め詐欺の被害を防止するために、海外や香港、マカオ、台湾からの電話の着受信を終了する」との通達を利用者に向けて出した。国際電話の着受信が必要な市民は、20日までに身分証明書などを提示して事前に申請する必要がある。

「上游新聞」9日の報道では、浙江省のほかに河南省、江西省、遼寧省、貴州省の通信会社もすでに国際電話の着信を制限した。一部の地区は昨年8月以降、海外からのショートメール受信サービスを相次いで終了した。

SNS微博(ウェイボー)では、ネットユーザーらは「詐欺電話は1本もかかってきたことがないのに、海外にいる家族の電話はもう受けられない」「違憲行為だ。第2の北朝鮮になる」などと批判を強めている。

時事評論家の魯難氏は、米ラジオ・フリー・アジアに対して「国際電話を受けるのに身分証明書が必要ということで、当局は誰がまだ海外と連絡を取っているのかがすぐわかる。中国政府はこれらの国民をより監視しやすくなる」と指摘した。

カナダ在住の中国人作家、盛雪氏は大紀元グループの新唐人テレビのインタビューで、「中国政府の鎖国政策の一環ではないか。当局は国民と海外の交流を断とうとしている」と語った。

張哲 』

フランスが一転ウクライナへ武器支援約束 自滅するロシア?

フランスが一転ウクライナへ武器支援約束 自滅するロシア?:北の国から猫と二人で想う事 livedoor版
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5342517.html

『2022年5月19日:18日報道で、 フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行い、数日内にも追加の武器の供与を行うと約束したことがわかった。

これより先の12日、ウクライナのゼレンスキー大統領は、フランスのマクロン大統領がロシアとウクライナの仲介役を果たそうとしていることについて、「無駄に終わっている」などと否定的な見解を示していたと報道されていた。

マクロン氏は、フランスからの武器の移送について、「継続し、これからの数日、数週間で増強する。人道的支援も届けられる」と確認した。

マクロン氏は、ウクライナの欧州連合(EU)への加盟申請について、6月に行われる欧州理事会で「検討」されるとの見通しを示した。EUの判断は、理事会で出されるであろう意見と、ウクライナは欧州の家族の一員だと明言した全加盟国がフランスで開催された首脳会議で示した精神に基づいたものになるとした。

両首脳はウクライナ南東部マリウポリのアゾフスターリ製鉄所からの避難や、食糧安全保障の課題、ウクライナ産の穀物を輸出する方法などについても協議した。参照記事 参照記事 過去ブログ:2022年5月対応出遅れ認めた西側はプーチン体制を如何につぶすか

450px-MILAN_ER、、、

今年EU理事会議長国なった責任からか、マクロン氏はロシアの侵攻前から交渉役に出て、最近まで交渉を続けていたが、結局プーチンを見切ったのだろう。

一転、武器の供与もこれまで以上に行うと言う。

誘導式対戦車ミサイルの、ドイツと共同開発された歩兵用フランス製「ミランFireShot Webpage Screenshot #1485 – ‘ロシアの戦車(Milan):MILAN-2 対戦車ミサイル」はすでにウクライナ軍で使用されており、期待されているのが「最新式ミラン ER:射程が2000m:写真左」や「カエサル 155mm自走榴弾砲 CAESAR CAmion Equipé d’un Système d’ARtillerie:射程42~50Km以上」だろう。

これまで長距離榴弾砲は、ロシアの空爆を警戒してヘリでの輸送もできる軽量なけん引式が導入されているが、新たに自走式が持ち込まれる可能性もある。、、、、

戦争の長期化が言われる中、早めに全面的なウクライナ優勢に持ち込み、ロシアを軍事力で撃退するしか方法がなくなった。

すでにロシア内部からも、ロシアの劣勢を指摘する声が出始めている。交渉の道を閉ざし、すでに勝てないと分かっているプーチンは、どんな幕引きをするのか?

FireShot Webpage Screenshot #1486 – ‘Colonel on Russia

5月16日に生放送されたロシア国営テレビの政治討論番組で、軍事評論家でもあるホダリョノク退役大佐Retired colonel Mikhail Khodaryonok(68)が、戦況に関し「我々は近い将来、米欧の先端兵器を手にした100万人のウクライナ兵を相手にしなければならなくなる」と指摘し、「耳に響きの良い情報」に惑わされないよう呼びかけた。

そして「わが国の軍事・政治状況の最大の欠点は、地政学的に完全に孤立していることであり、実質的には、認めたくないが、全世界がわれわれの敵である。そして、このような状況、このような状況からこそ、我々は抜け出さなければならない。それが軍事的・政治的課題です」と大佐は語った。

元大佐は、ソ連防空軍司令部アカデミー卒業後、S-200対空ミサイル連隊副隊長を経て、ロシア陸軍参謀アカデミー卒業。現在、Gazeta.ruとVesti FMラジオ局の軍事オブザーバーを務めている。番組での元大佐の現実を説く発言は、司会者をヒステリーに追い詰めたと書かれている。

FireShot Webpage Screenshot #1487 –

‘Colonel on Russ司会者で「プーチンの鉄の人形」というニックネームを持つ女性、オルガ・スカベーエワOlga Skabeyeva(37歳)は、夫のエフゲニー・ポポフとともに、ロシアの旧国営第2チャンネル(現在はロシア1と改名)でトーク番組「60分」の司会を務めている。

彼女はプーチン政権の宣伝マンと見なされ、その職業的活動により、ウクライナへの入国が禁止されており、2022年2月には欧州連合の制裁リストに含まれている。

彼女に対する個人的な制裁は3月9日から行われている。参照記事 英文記事と元大佐の発言映像  参考:「現実を見るべきだ」ロシア退役軍人が生放送で国営メディアを批判 自軍の苦境指摘し「報道は事実でない」

img_9f816202c3ad8a111a778489e7e76f391978882022年5月20日:

G7先進7か国、日本、米国、ドイツ、英国、フランス、イタリア、カナダはウクライナの予算不足に対応するため、経済支援、及び貸付として184億ドル(約2兆3400億円)の経済支援を行う。ロイター通信がG7による声明を引用して報じた。

日本政府はすでに5月19日、ウクライナに対して世界銀行と協調し3億ドル(約390億円)の借款を行うことを表明しており、ウクライナへの借款は計6億ドル(約780億円)となる。参照記事 参照記事 』

ヨルダン前皇太子を軟禁

ヨルダン前皇太子を軟禁
国王「態度改めず妄想」
https://nordot.app/900187228118138880?c=39546741839462401

『【イスタンブール共同】ヨルダンのアブドラ国王は19日、国民向けに書簡を公表し、昨年内紛を企てたとされる前皇太子ハムザ王子の通信、居住場所、移動を制限すると発表した。事実上、王子を軟禁下に置く。国王は王子が依然として態度を改めず、「妄想」に取りつかれていると説明した。国王が王族を公に非難するのは極めてまれ。

 昨年4月、王子らが国家の不安定化を企てたとする異例の内紛が表面化し、王子を国王としようとした元高官が逮捕された。王子も捜査を受けたが、国王に忠誠を誓うことで幕引きが図られた。

 国王は、1年以上更生の機会を尽くしたが「王子は変わらなかった」と指摘した。』

中国、幹部家族の海外資産を禁止

中国、幹部家族の海外資産を禁止
保有者は昇進もさせずと米紙
https://nordot.app/900234565489033216?c=39546741839462401

『【北京共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は19日、中国共産党が3月に党幹部に対して家族が海外資産を保有することを禁じる通達を出し、保有者は昇進させない方針だと伝えた。香港発で、複数の関係者の話としている。

 ウクライナ侵攻を巡り西側諸国から幹部に制裁を科されたロシアのような事態に追い込まれることを避ける狙いがあるとしている。

 中国の習近平国家主席は今年の党大会で異例の3期目続投を目指しており、党幹部や家族の海外蓄財が焦点となれば習氏の権威にも傷が付きかねない。

 通達では留学などの正当な理由がない限り、国外での外国金融機関の口座開設も禁じた。』

パナソニックのメキシコ工場 労組問題で米が調査要求

パナソニックのメキシコ工場 労組問題で米が調査要求
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN19E0D0Z10C22A5000000/

『【メキシコシティ=清水孝輔】米通商代表部(USTR)は18日、メキシコ北東部タマウリパス州にあるパナソニックホールディングスの自動車部品の工場をめぐり、労働組合の団体交渉権が侵害されているとしてメキシコ政府に調査を求めたと発表した。メキシコ経済省は米国側の要請を検討したうえで調査するか決める方針だ。

USTRは2020年に発効した米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づいて調査を要求した。メキシコ政府は10日以内に調査するか決める必要があり、応じる場合は45日以内を期限とした調査に進む。メキシコ経済省は「協定の規定に沿って米政府に回答する」と声明を出した。

パナソニックのメキシコ工場をめぐっては、独立系労組のSNITISが4月下旬に労働者による投票で代表権を獲得した。USTRは4月18日、SNITISから団体交渉の権利の侵害を訴える請願書を受け取ったという。USTRは信頼できる根拠が十分にあると判断し、メキシコ政府に対する調査要求を決めた。

メキシコではUSMCAの発効以降、自動車業界で労働者の権利向上を求める動きが相次いでいる。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は5月10日、中部グアナフアト州にある工場で賃金を8.5%引き上げる方向で独立系の労組と合意した。USTRは21年、GMのシラオ工場に対しても労働者の権利を侵害しているとして調査を求めていた。

【関連記事】GMのメキシコ工場、8.5%賃上げ 独立系労組と合意 』

ミャンマー国軍、少数民族勢力と協議へ 半数は不参加

ミャンマー国軍、少数民族勢力と協議へ 半数は不参加
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM19AH50Z10C22A5000000/

※ 国土は、こういう様子で…。

※ 国内の民族分布は、こういう状況だ…。

※ 北部の山岳民族は、タコつぼ化(アフガニスタン型)してしまう…。

※ 統治するのは、大変だ…。

※ どうしても、「力による強権統治」になってしまう…。

※ ここは、資源国(石油、天然ガス)なんで、それから上がる「利を、食らわせる」という手があるにはあるんだが、諸事情により、それもできない話しなんだろう…。

『【バンコク=新田裕一】クーデターで全権を掌握したミャンマーのミンアウンフライン国軍総司令官は20日から少数民族武装勢力の代表者と和平交渉に向けた協議を始める。ゾーミントゥン国軍報道官が19日の記者会見で明らかにした。ただ、国軍への武装抵抗を宣言した民主派勢力は招かれていないほか、民主派と共闘する武装勢力など半数の武装勢力は協議に参加しない見通しだ。

ミンアウンフライン氏は4月22日、国営テレビを通じて演説し、武装勢力に和平協議への参加を求め、各勢力の代表者と「自ら面会する」と表明した。国軍報道官によると会談は6月にかけて各武装勢力の代表者と個別に行う方針だ。国軍総司令官が少数民族武装勢力と直接会うのは珍しく、和平を進める姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。

だが、国軍の呼びかけに応じたのは、国軍との一定の関係維持を望む10勢力にとどまった。ミャンマー東部に勢力圏を持つカレン民族同盟(KNU)や西部のチン民族戦線(CNF)など、民主派の議員らが設立した「挙国一致政府(NUG)」と共闘する武装勢力はいずれも協議への参加を拒否した。国軍がNUGを「テロ組織」に指定し、対話を拒んでいるためだ。

ミャンマーには独自の政治機構や軍事部門を持つ少数民族の武装勢力が約20あり、中央政府に各民族の自治権を要求してきた。2021年2月のクーデター以降、国軍に反発する若者らが各地で武装抵抗グループを立ち上げ、武装勢力の保護や支援を受けている。このため国内各地で国軍部隊と武装勢力の衝突が激化している。』

Quad、強まる結束の意義 対ロシアでインドどう動く

Quad、強まる結束の意義 対ロシアでインドどう動く
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA080OY0Y2A500C2000000/

『日本、米国、オーストラリア、インドの各首脳は24日に東京で「Quad(クアッド)」の会議を開く。クアッドは安全保障や世界経済について意見交換する4カ国の枠組みで、対面での首脳会議は2回目となる。ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに結束の意義が強まる。

クアッドは英語で「4つの」を意味する。4カ国はインド洋と太平洋を囲むように位置する。米国のバイデン大統領の来日に合わせた日本での開催となる。

自由や民主主義、法の支配といった共通の価値観を共有する。インド太平洋地域の安定を目指し、新型コロナウイルスや気候変動など幅広い課題を取り上げてきた。

クアッドの構想は安倍晋三元首相が第1次政権時の2006年に掲げた。4カ国で対話の枠組みを提唱し外交当局による事務レベルの会合にこぎ着けた。中国への距離感で一致点を見いだせず安倍政権も退陣したことから立ち消えになった。

12年に第2次安倍政権が発足し再び結束の機運が高まった。念頭にあるのは覇権主義的な行動を繰り返す中国の存在だった。

日本は中国海警局の船が頻繁に沖縄県の尖閣諸島周辺の領海に侵入することなどを警戒する。インドも国境地域で係争を抱える。

米国はバイデン大統領の就任以降、専制主義の国として中国を批判する。オーストラリアも新型コロナの発生源を解明するための国際調査を中国に求めたことなどをきっかけに関係が悪化した。中国は豪州からのワインや大麦に関税を上乗せした。

クアッドは17年11月にフィリピンで局長級会合を開いた。19年9月には初の外相会合を米ニューヨークで開催した。

新型コロナ禍の21年3月にオンラインで首脳会議を開いた。9月に米ワシントンで各首脳が対面で集まった。日本から菅義偉首相(当時)が参加した。

世界銀行によると、20年のクアッド4カ国合計の名目国内総生産(GDP)は30兆ドルほどで、中国の2倍くらいになる。ストックホルム国際平和研究所のデータで国防費の合計額を比較すると3倍超にのぼる。

インド太平洋地域を巡る多国間の枠組みには米国と英国、オーストラリアの3カ国が21年9月に立ち上げた「AUKUS(オーカス)」がある。安全保障での連携に軸足を置き、人工知能(AI)やサイバーセキュリティーなどの軍事技術で協力する。

クアッドの4カ国も合同の軍事演習を定期的に実施するなど安全保障面でも力を合わせる。ただ北大西洋条約機構(NATO)のような軍事同盟ではなく足元では経済分野での関係を重視する。

21年9月の首脳会議で宇宙分野での技術開発、水素エネルギーの活用、半導体のサプライチェーン(供給網)構築なども共同文書に盛り込んだ。22年4月には初めて4カ国共同で新型コロナのワクチンを供給した。カンボジアに32万5千回分を供与した。

林芳正外相は4月28日の記者会見で「日米豪印の取り組みは自由で開かれたインド太平洋の推進に中心的な役割を果たしている」と述べた。

5月24日に開く会議については「自由で開かれたインド太平洋の実現に向け力強いコミットメントを日本から世界に示す機会としたい」と強調した。

クアッドはロシアによるウクライナ侵攻を経て重要度が高まる。侵攻が始まった1週間後に4カ国でテレビ会議形式の会合を設け、1時間ほどロシアへの対応を議論した。

岸田文雄首相は5日、大型連休を使った東南アジアと欧州への外遊を締めくくる内外記者会見で「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と危機感を示した。

「ロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示し、国際社会に間違ったメッセージを発することにならないようにする」と語り、同盟国・友好国同士で歩調を合わせることの重要性を訴えた。

ウクライナ危機を巡るインドの立場はロシアへの批判を強める日米豪と異なる。国連総会が3月2日に開いた緊急会合でもロシアを非難する決議を棄権した。

背景にはロシアとの軍事上の結びつきがある。旧ソ連時代から協力関係にあり、武器の調達先として最大の国でもある。

ジャイシャンカル外相は3月25日、電撃的にインドのニューデリーを訪れた中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相と会談した。

会談後に記者会見したジャイシャンカル氏によると、両外相はロシアによるウクライナ侵攻を巡り、即時停戦と対話の継続を促す方針で一致したという。

岸田首相も王氏に先立ってインドを訪れモディ首相と会談した。力による一方的な現状変更を許さないことを確認したものの、共同記者会見でウクライナ情勢への直接的な言及はなかった。

今回のクアッド首脳会議でもウクライナ情勢は主要議題になりそうだ。インドが日米豪にならってロシアを非難する可能性は低いとみられる。

東京外国語大の篠田英朗教授(国際政治)は「インドに民主主義陣営に少しでも近づいてもらうためにクアッドというつながりは非常に重要になる。長期の目線で会合を重ね一体感を醸成すべきだ」と指摘する。

記者の目 つなぎとめが日本の役割

岸田文雄首相は大型連休にベトナムなど東南アジア各国の首脳と会談した。ロシアを巡る各国の態度はインドと似る。ロシアと結びつきの強いベトナムはロシアを非難する国連決議を棄権した。植民地政策に翻弄された歴史を持ち主要7カ国(G7)に肩入れするように映る行動には慎重だ。

ベトナムがウクライナへの人道支援で50万ドルの供与を表明するなど首相は会談で一定の成果を得た。首相周辺は「ウクライナ危機以降、米欧の日本を見る目がはっきりと変わってきた」と指摘する。アジア各国をつなぎとめる期待を強く感じるという。

首相は理想と現実のバランスを重視する「新時代リアリズム外交」を掲げる。アジア唯一のG7としてインドの理解を得る意味でも、クアッドで日本の役割の重みは増す。(上田志晃)』

ウクライナ最新戦況マップ5.19 ロシア、東部へ再配置

ウクライナ最新戦況マップ5.19 ロシア、東部へ再配置
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCA201BK0Q2A520C2000000/

『ロシア軍は19日、ウクライナ側の反撃で北東部ハリコフから撤退した部隊の一部を東部ドネツク州に再配置したとみられる。ロシア軍はセベロドネツクやドネツク周辺のドンバス地方での戦闘に力を入れている。米シンクタンクの戦争研究所は「セベロドネツクへの攻撃の準備として、(同市の南方に位置する)ポパスナの北と西への侵攻作戦を強化している」と分析する。

ハリコフ周辺では北に追いやられたロシア軍がウクライナ軍の反撃を阻止することに注力している。南部ではヘルソン州などの前線に沿って砲撃した。』

ロシア、独自ブランド生産相次ぐ 撤退外資の穴埋め探る

ロシア、独自ブランド生産相次ぐ 撤退外資の穴埋め探る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB187OO0Y2A510C2000000/

 ※ もはや、「知財」もへったくれも、無くなった…、ようだな…。

 ※ 「戦時経済」なのだから、そういうものなのか…。

 ※ むしろ、「敵勢力の利益には、配慮する必要は無い。」ということか…。

『ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアで同国事業を停止した外国ブランドに代わり国産の代替品を生産する企業が相次いでいる。ロシア事業を見直す企業が増える中、代替需要の受け皿となる思惑だ。撤退した企業のブランド力を勝手に利用しようとする動きもみられる。

ロシアの有名飲料メーカー、オチャコボは、ロシアでの事業を停止した米飲料大手コカ・コーラの製品によく似た炭酸飲料の新製品を発表した。発表したのはコカ・コーラを模した「クールコーラ」、オレンジ風味でファンタによく似た「ファンシー」、スプライトの配色を模した「ストリート」の3製品。コカ・コーラは3月にロシアでの事業を停止し、同社の商品は店頭からほとんど姿を消していた。

コカ・コーラ撤退に乗じようとする企業はほかにもある。ロシア極東に拠点を置く天然水などの飲料メーカーは4月に「グリンク・コーラ」を発売。5月にはロシア北部のコミ共和国で、ビールメーカーが自社ブランドのソーダ「コミ・コーラ」を発売した。

自動車業界でも同様の動きがある。モスクワのソビャーニン市長は市内にある仏ルノーの工場が国有化され、ソ連時代の大衆車「モスクヴィッチ」生産に再利用されると述べた。「まずは従来型の車を生産するが、将来は電気自動車(EV)を生産する可能性がある」という。ルノーは16日、自動車大手アフトワズの保有株をロシア政府系機関に売却すると発表。ロシア事業を再開する選択肢は残すが、当面はほぼ完全に撤退すると決めていた。

多くの外資企業が撤退や営業停止を決めたことで、ロシア企業はビジネスチャンスを見いだしているようだ。フェイスブックやインスタグラムなどSNS(交流サイト)へのアクセスがロシア当局から禁止されたことを受け、代替のSNSサービスの開発を模索する動きも盛んだ。

こうした代替の動きは日本企業にも及ぶ。トリドールホールディングス(HD)がロシアで展開する「丸亀製麺」の一部店舗は3月末までの営業停止で合意していたが、4月に屋号を変えて営業を続けていることが確認された。同社は「名前やサービスが類似しており、合意内容と齟齬(そご)があるため状況の是正を交渉している」と説明している。

ロシアから撤退したブランドの商標登録の申請も相次ぐ。3月中旬以降、ロシアの企業や個人による、撤退した有名外資の商標登録申請が数十件発見されている。申請されたのは米マスターカードや資生堂、独BMWなど。撤退したオリジナルの企業に代わり、そのブランドを使った自社での展開や商品の生産を計画しているとみられる。(佐堀万梨映)』

ロシア経済「モノ不足」深刻 新車5割高、販売8割減

ロシア経済「モノ不足」深刻 新車5割高、販売8割減
1~3月GDPは3.5%増に減速
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR18E960Y2A510C2000000/

『ウクライナ侵攻を続けるロシアで、米欧の経済制裁による「モノ不足」が深刻になっている。自動車や部品の輸入が止まったことで、4月の新車販売は前年同月から8割減少した。半導体や化学品の禁輸措置は兵器からオフィス用品まで生産現場を直撃している。

ロシア連邦統計局が18日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比3.5%増(速報値)と2021年10~12月期の5%増からブレーキがかかった。侵攻が始まったのは22年2月24日で、金融制裁や貿易制限、外資撤退の影響が全面的に出るのは4~6月期が本番だ。

21年、ロシアの自動車生産は156万台、新車販売は166万台あったが、制裁の影響や人道的配慮でロシア・アフトワズ、独メルセデス・ベンツグループ、トヨタ自動車など工場を置く自動車メーカーは生産停止に追い込まれた。

欧州ビジネス協議会(AEB)によると、4月のロシアの新車販売は前年同月に比べ79%減の3万2706台と大きく落ち込んだ。生産停止やインフレの影響で、経済調査会社CEICによると、4月の新車の平均価格は約100万ルーブル(約200万円)弱と1年前から5割値上がりした。

兵器やIT(情報技術)機器に使う半導体の輸出についても米欧や日本は停止した。精密誘導兵器の補給が困難との分析もある。製紙会社が製造工程で使用する化学品の調達も困難となり、コピー用紙なども不足する。

米エール大の調査では侵攻を機にロシア事業を見直した企業は1000社を超えた。ロシアの発電量(7日移動平均、前年同期比)の伸びは22年4月に3.1%(21年は6.0%)、5月は17日までで2.2%(同10.0%)と減速した。

生産・営業活動や市民生活への影響は今後さらに拡大する可能性がある。世界銀行は22年のロシアGDPが前年比で11.2%縮小すると予測する。

(ウィーン=細川倫太郎、真鍋和也)

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諸富徹
京都大学大学院経済学研究科 教授
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分析・考察

これも、戦争の一形態だ。

ロシアから撤退した企業は「参戦」しているのだ。

その売上を放棄するのは高い代償だが、暴力によるウクライナ支配を許せば、その後、どんな世界が現出するのか。企業は活動の自由を失い、資源供給で意のままに操られる。

ロシアの意図を挫くことは、自らの活動の自由を獲得することに直結する。各国の市民も返り血(インフレ)を浴びながら、この闘いを支持するだろう。

ロシアにどう対峙するかで、ドイツの最大州で与党の社民党が大敗し、同じ与党の緑の党が劇的に票を伸ばしたのは、大いなる教訓だ。

かつてNATO脱退を叫んだ緑の党はいまや、自由と民主主義を守るために、ロシアにもっとも強硬な政党に変貌したのだ。

2022年5月19日 20:29 』

ドイツ、ウクライナに10億ユーロ支援へ

ドイツ、ウクライナに10億ユーロ支援へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DSK0Z10C22A5000000/

『【ボン=南毅郎】ドイツ政府はロシアの侵攻が続くウクライナに10億ユーロ(約1340億円)規模の資金を支援する。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれている独西部ボン近郊で19日、リントナー独財務相が記者団に明らかにした。ウクライナで財政悪化への懸念が強まるなか、当面の資金繰りを支える。

ウクライナのゼレンスキー大統領は財政赤字を補塡するため、G7などに500億ドル(約6兆4000億円)規模の支援を要請していた。独DPA通信によると、米国は75億ドルを支援する意向という。岸田文雄首相も19日、新たに3億ドルの資金協力を実施すると表明した。』

「鏡を見てみよ」 北欧のNATO加盟機運、侵攻で高まる

「鏡を見てみよ」 北欧のNATO加盟機運、侵攻で高まる
有事の欧州政治(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR130280T10C22A5000000/

『「戦争が欧州に戻ってきた」。5月初旬、デンマーク首相のメッテ・フレデリクセンはコペンハーゲン郊外で壇上から聴衆に語りかけた。そしてこう続けた。「デンマークは単独で防衛力を確保するには小さすぎる」

欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟するデンマーク。だが実はEUの安全保障・防衛政策に加わらなくてよい適用除外権をもつ。

デンマークでは、EU創設を定めたマーストリヒト条約の批准に向けた手続きが、1992年の国民投票でいったん否決された。安保・防衛政策や単一通貨ユーロへの参加免除の例外規定を設けて再び国民投票を実施し、93年に批准にこぎ着けた。

ロシアによるウクライナ侵攻を受け、フレデリクセンは半身のEU加盟を前進させるべきだと判断。EUの安保政策への参加に道を開く国民投票を6月1日に実施すると表明した。「イエスと投票してほしい」。フレデリクセンは呼びかける。

北欧で安全保障政策を見直す大きなうねりが生まれつつある。バルト海という要衝を取り囲むように位置する北欧はロシアの脅威をじかに受ける。

「この事態を引き起こしたのはあなただ。鏡を見てみるがよい」。NATOへの加盟方針を表明する前日の11日、フィンランド大統領のサウリ・ニーニストは吹っ切れたようだった。
ロシアがウクライナに侵攻しなければ、NATO加盟は考えられなかった。そんな意味を込めたロシア大統領ウラジーミル・プーチンへのメッセージだ。

ロシアと1300キロメートルの国境を接するフィンランド。1939年から44年までの間、2回にわたって当時のソ連と戦った。領土の一部を喪失したものの独立は守り、その後は軍事的な中立をうたった。ロシアに配慮しつつ、議会民主制と自由主義経済を維持する知恵だった。

ナポレオン戦争以来約200年、不戦を貫いてきたスウェーデンも動く。与党の社会民主労働党はNATO非加盟が党是だったが、党首で首相でもあるマグダレナ・アンデションは15日、NATOへの加盟を支持してこう語った。

「バルト海地域でスウェーデンだけが非加盟では、我が国だけが脆弱になってしまう」

フィンランド首相のサンナ・マリンは言う。ロシアが侵攻した2月24日以降「すべてが変わったのだ」。(敬称略)

【ルポ迫真「有事の欧州政治」記事一覧】

・「不安と分断の時代」 欧州世論揺らすウクライナ危機
・「本社工場が止まる」 ガス禁輸に独政権のジレンマ 』