https://holyland.blog.so-net.ne.jp/2019-06-13
※ 米軍の、対中国軍に関する軍事戦略の貴重な情報と思うので、紹介する。
※ 元の報告は、ここのようだ。 https://csbaonline.org/research/publications/implementing-a-strategy-of-maritime-pressure-in-the-western-pacific/publication
※ 日本側でも、それを読んでの記事が、出されている。
中国の台湾や尖閣攻撃に対処する米最新戦略
米国有名シンクタンクCSBAが新戦略「海洋プレッシャー戦略」発表
2019.6.11(火)
渡部 悦和 https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56655
※ 上記CSBAの報告は、英文で、しかも.pdfなんで、グーグル翻訳に掛けるにもちょっと大変(84ページもある)なんで、例によってキャプチャした画像を貼っておくくらいしか、できないな…。あとは、上記の記事を、参考にしてくれ。
※ まず、この地域(西太平洋地域)における米軍のプレゼンスの要は、「グアムの米軍基地」なんだが、一旦、中国と事を構えるとなると、中国本土までの距離が、圧倒的な妨げとなる…。救援に駆けつけようにも、距離が遠すぎて、時間がかかる…。その間に、中国軍は電撃戦を展開でき、そうなれば、生じてしまったその軍事的なプレゼンスを排除するには、相当以上の手間と犠牲が、避けられないわけだ…。
※ 中国側から見た、東アジアの眺めだ…。韓国、日本国、台湾、東南アジア、フィリピン、インドネシア、オーストラリアの一部…。アメリカと相互防衛条約を結んでいる国(いわゆる、「同盟国」)が、多くある…。むろん、長年投資も行ってきたから、アメリカの権益・投資・資産も、たっぷり存在している…。
※ しかし、中国軍のミサイルの射程範囲は、こういう状況だ…。アメリカ御自慢の空母打撃群も、ミサイルの格好の餌食になるだけだ…。空母は、的がデカイし、動きが鈍重だからな…。むろん、イージス艦が護衛につくが、積める迎撃ミサイルの数は、限定されている…。中国ミサイルは、精度はそれほどでもないとして、めったやたら射ってくる(いわゆる、「飽和攻撃」)だろう…。
※ そういう状況で、考え出したのが、「海洋プレッシャー戦略」だ。敵ミサイルの命中精度を下げるべく、洋上艦は、妨害電波を放出し、地上では、迎撃ミサイル部隊が、連携して降り注いで来る敵ミサイルを迎撃する…。迎撃ミサイル部隊は、「マルチ・スペクタクル・カモフラージュ」を施して、敵の探査から逃れる(どういうものなんだろう…)。そうやって、何とか第一波のミサイル攻撃の効果を低下させ、致命的な打撃に至るのを回避し、兵力を温存する…、という作戦だ。
※ まあ、こういうもので、迎撃しようと言うのだが、とても間に合う話しじゃないような、気がするな…。
※ そう思ったんだが、PAC3を調べて行くうちに、そう捨てたものでもないな…、という情報に、当たったんで、少し訂正しておく。
※ まず、PAC3は、単発でなく、何発も発射できるんだ。上記イラストでも、5発射ってる(防衛白書平成30年版より)。
※ それから、一番上の発射直後の画像だと、いかにもミサイル本体を当てようとしている感じがするんだが、そうでは無く、弾頭部分から、ペレット状の榴弾を発射して、当たる確率を高める仕組みになっている。だから、相当程度の確率で、敵ミサイルを、空中で爆発させることができるらしい…。「とても間に合う話しじゃないような、気がする。」とか、勉強不足だったな…。
※ 誘導部は、電子回路の固まりだ…。細かく噴射を制御して、当たる確率を高めるんだろう…。
※ 次は、「インサイド・アウト戦略」だ。第一列島線内部にある戦力を、「インサイド戦力」とし、外部にある戦力を、「アウトサイド戦力」とする。「インサイド戦力」は、連携して第一列島線を死守し、地上ベースの航空機や、艦船を繰り出して、「アウトサイド戦力」が救援に来ることや、敵に致命的な打撃を加えるまで、持ちこたえる…。潜水艦や、ステルス爆撃機を繰り出しての敵の心臓部に打撃を与える「高度な作戦(朝鮮戦争の時の、インチョン上陸作戦みたいなものが、想定されているのか…)」が実行されるまで、持ちこたえる…。
※ 第一列島線内部の地上ミサイル部隊の、カバーしている範囲の図だ…。
※ 第一列島線内部の地上ミサイル部隊から、中国本土に向けて反撃した時の射程の及ぶ範囲を示した図だ…。1000キロと言うところが、ポイントか…。「イージス・アショア」のレーダーの範囲と、合致するな…。
※ 米軍保有のミサイルの弾道と、到達距離を示した図のようだ…。
※ 確かに、「東京の郊外より…」さんが、唖然としたように、第一列島線内部に生活している日本国民の立場からすれば、「総員玉砕しても、死守しろ!外部から反撃するまで、持ちこたえろ!」と言われているようにしか、聞こえないな…。
※ こういう軍事的な情勢下において、Fー35を大量に取得したり、ヘリ空母を、軽空母に改修したりすることに、どれだけの意味があるんだ…。それらを、どういう風に、使うつもりなんだ…。第一、それらをどこに隠しておくつもりなんだ…。
※ 誰が考えても、「兵糧攻め」しかない、んじゃないか…(秀吉じゃ、ないが)。
※ 現在の「兵糧」は、エネルギー資源、食料、情報(それも、技術情報)だろう。
・エネルギー資源 ← シーレーン確保に動いているのを、邪魔する。「一帯一路」も、パイプライン確保と密接に絡むので、邪魔する。ウイグル自治区は、パイプラインの結節点なので、ウイグル族を支援する。CPECは、重要なパイプライン確保戦略の一つなので、破綻に追い込む…。
・食料 ← 豚肉食にハマっているようなので、大豆(大豆油のしぼりカスが、豚の飼料になる)の確保の邪魔をする。豚コレラが蔓延しているようなんで、ワクチンなんかの情報にアクセスすることを、邪魔をする。
・技術情報 ← 半導体を、自製することを遅らせる。製造装置を、売らない。設計ソフトを使わせない。5Gで覇権を握ることを、阻止する。留学生に、ビザを発給しない。ビザの延長は、認めない。学術団体(IEEEみたいな)からも、排斥する。
・ドルの確保 ← まだまだ、基軸通貨はドルである。軍備増強の原資である、対米貿易黒字を、許さない。高関税を、かける。中国で生産することを、止めるように、圧力をかける。
※ みんな、トランプ政権が、やっていることだな…。