どんなアニメ・ゲームをやっているかで人間を値踏みする勢は減ってないか、増えてるのでは

どんなアニメ・ゲームをやっているかで人間を値踏みする勢は減ってないか、増えてるのでは
(2021-12-30)
https://p-shirokuma.hatenadiary.com/entry/20211230/1640863399

 ※ 今日は、こんなところで…。

『今日は2年ぶりにコミックマーケットが開催されたそうで、うちのタイムラインは、それを寿ぐ画像やメンションでいっぱいになった。そういえば、私はもう10年近くコミケに行ってない。今行ったら自分は年寄りだろうなとも思ったりした。
 
ところでコミケも含め、いわゆるオタク界隈とみなされる領域から発展した諸コンテンツの一般化、カジュアル化がいわれて久しい。新世紀エヴァンゲリオンの頃も、涼宮ハルヒの憂鬱の頃も、まどか☆マギカの頃もそれは言われていた。2021年の歌番組にウマぴょい伝説が登場するのも、そうした変化の帰結と言えるかもしれない。
 
だからアニメやゲームを楽しんでいるといってオタクとは限らない、と言いやすくもなった。そしていわゆるキモオタとは、キモいコンテンツに夢中になっているからキモオタなのではなく、主な趣味がSFや漫画やアニメやゲームだからキモオタなのでもなく、当人自身の(挙動も含めた)外観の問題と広くみなされるようにもなった。
 
「あなたがキモオタとみなされるのは呼ばれるのは趣味のせいではなく、あなたがキモいからです」という、例のやつだ。
 
では本当に、界隈のコンテンツはキモオタのあらわれではなくなったのだろうか?
 
たとえば新海誠の人気映画を観に来ているお客さんを眺めていると、そうだ、と言いたくもなる。今、新海誠を観ているからといってキモオタのあらわれとみなす人はあまりいないだろう。シン・エヴァンゲリオンにしたってそうだ。
 
けれども全てのコンテンツが一律にそうなったわけではない、気がする。選んでいるコンテンツやコンテンツの消費態度のうちに、何らかのヒエラルキーを読み込む筋はいまだに存在していて、キモオタとまではいわなくても、あまり褒められない風にみられやすいコンテンツ、鼻で笑われやすいコンテンツの消費態度といったものは健在なんじゃないだろうか。
 
というより、そういう読み筋に基づいてアニメやゲームを見る向きが案外強まっていたりして、ソーシャルな差異化のメカニズムの一端としてあてにされていたりしないものだろうか。
 
 「でも、就職した女子はそういうアニメやゲームがバレないようにするものなんです。」

 話は2010年代の中頃に遡る。
 
そのとき私は、前途有望な20代の集まりに参加する機会をいただき、いまどきの世間だの、グルメだの、適応だのについて意見交換していた。そういった場では、90年代のオタクのオフ会とはずいぶん違った話題も出るし、考え方も出る。たとえば涼宮ハルヒの憂鬱が話題に出るとしても、それをどのように位置づけ、どのように語るのかのアングルはだいぶ違うと感じたりした。
 
宴がお開きになり、レストランから駅に向かう道すがら、私はある女性の執筆者としゃべっていた。間違いなく前途有望な執筆者で、アニメやゲームについてもよく知っていた彼女は、レストランでの話の続きとして、私にこんな風なことを言ったのだった。
 
「でも、就職した女子はそういうアニメやゲームがバレないようにするものなんです。」
 まあ確かに。たとえば病院で若いナースが休憩中に、ソーシャルゲームをいじっていたりアニメを視聴していたりするのを見かけることはあるけれども、彼女らがそういうコンテンツを楽しんでいることを大っぴらにするようなことはない。いや、そういう話ではないな? 彼女の語る「バレないようにするものなんです。」には、職場で公言しないという意味に留まらないニュアンスが宿っていた。強者女子というか、ハイクラス女子というか、そういった女子はアニメやゲームを楽しんでいると友達にも知られないようにするといった意味だった。アニメやゲームを楽しんでいるとバレたら女子としての、または社会人としての「格」が下がるということなのか。
 
まあ、ハイクラスな女子ともなると、そういうものかもしれないな───当時の私は、それ以上深く考えるのをやめた。
 
ところがそれ以降も、類似点を感じさせる話が、とりわけ前途有望な若者の集まりでしばしば聞こえてきたのだ。
 
彼ら彼女らも、確かにアニメやゲームを楽しんでいる。『君の名は。』や『天気の子』は観ているし、スマホにはなんらかのゲームがインストールされていたりする。けれども彼ら彼女らの言葉尻からは、なにやら、”アニメやゲームを楽しみすぎるそぶりは見せすぎるものではない”といったような、それか、”アニメやゲームを楽しむそぶりには礼法や節度がある”かのような、そんなニュアンスが感じられた。
 
そして幾つかのコンテンツに関しては、poorな人間が嗜むものであるといった、哀れみの響きさえ感じられたのである。
 
最近、自分よりもずっと若い人々がスクールカーストについて語っている場面に出会ったけれども、そこでも、いわゆるオタク的な趣味はローカーストということで意見の一致をみていた。対して昔から人気の運動部や一部の文化部がハイカーストとみなされていたのは言うまでもない。
 
 趣味で人間を値踏みするまなざしはたぶん健在

 ということは、アニメやゲームがこれほど一般化・カジュアル化したといっても、アニメやゲームがメインの趣味だと周囲に知られるのは、いまどきの思春期男女にとってもリスクやコストを伴う選択なのだろうか。あるいはハイカーストに属することができない人間の表徴とみなされるものなのだろうか。
 
フランスの社会学者のブルデューは、人々の趣味や所作と、文化的なヒエラルキーや位置づけについてさまざまに論じた。
 
再生産 〔教育・社会・文化〕 (ブルデュー・ライブラリー)

作者:ピエール・ブルデュー,ジャン・クロード・パスロン
藤原書店

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ブルデュー『ディスタンクシオン』講義

作者:石井 洋二郎
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f:id:p_shirokuma:20160915151651p:image
 
たとえば小説愛好家とひとことで言っても、どんな小説を読んでいるか、どう小説を読んでいるのかによって上掲図のような体裁の違いがあり、それは小説愛好家同士の間では意識されるものだろう。こうしたことは自動車の選択にも、衣服や音楽の選択にも、食事の選択にもしばしば当てはまる。それならアニメやゲームにだって、きっと当てはまるだろう。
 
アニメやゲームが一般化・カジュアル化したこと、その見立て自体は間違っていない。
けれどもそれらがカジュアル化していくなかで、どんなアニメやゲームを選んでいるのかや、どうそれらを楽しんでいるのかが、文化資本のマッピングや人間評価のヒエラルキー軸に組み込まれてしまった向きも、あるように思う。90年代まではアニメやゲームのほとんどを嘲笑していた層、いわば、人間評価のヒエラルキーを差配しているハイカースト層までもがアニメやゲームをたしなむようになった結果として、アニメやゲームもまた、どれを楽しんでいるのか・どう楽しんでいるのかが峻厳に評価され、意識される標的になったってのはありそうな話だ。
 
これは穿った見方だろうか?
かもしれない。

けれどもこうした見立ては、2010年代後半に私が出会った前途有望な若者たちの、アニメやゲームに対する繊細な感覚とよく合致している。あるアニメやゲームならばハイカーストにも楽しまれやすく、あるアニメやゲームならばハイカーストに敬遠されやすい──そういった向きがあるとしたら、キモオタか否かはともかく、人間評価のヒエラルキーを左右する要素として、アニメの趣味やゲームの趣味が問われずにいられなくなるだろうし、くだんの女性執筆者が語ったように、自分のヒエラルキーを守るために一部のコンテンツを隠す、またはそういったコンテンツに近づかないといった処世術も要請されるだろう。
 それじゃあ、オタクであるとバレるのが恐くて「隠れオタ」をやっていた頃と同じか?
 ……いや、同じとは言えない。もはやアニメやゲームは、カウンターカルチャーというよりメインカルチャーだ。だからハイカーストな人々も嗜むようになり、その選び方や嗜み方が問われるようになったという点では、濃いオタクだけがそれらを楽しんでいた時代、うるさいサブカルだけがそれらのヒエラルキーを論じていた時代とは違っているだろう。
 で、私は。
 
私のように中年になるまでアニメやゲームを愛好し続け、その趣味があまり良くないと自覚している人間は、定めし趣味の悪いローカーストな中年とみなされやすいのだろう。ああ、痛いなあ。私はそのようにまなざされるリスクを冒しているわけか。オタクだからキモいと言われる時代じゃなくなっても、その選好、その所作がローカーストなのだとしたら仕方ありませんね。
 
だからといって、自分の趣味を改める気があるかといわれたら、ノーだ。ある先人は、「オタクとは、自分が好きなものと自分が好きではないものが選べる人間、そのうえで自分が好きなものを選ぶ人間」と言っていた。私は、自分が好きなものを選ぶ人間であることを大事だと思っている。そのために他人からの評価が下がることも承知のうえで、このままの中年でいたい。』

中国軍指示でソフト不正購入か、元留学生に逮捕状

中国軍指示でソフト不正購入か、元留学生に逮捕状 すでに出国、国際手配へ
(2021/12/28 08:43)
https://www.sankei.com/article/20211228-AODGVXZATZJZHCMNC44N43EB3I/

『中国人民解放軍の関係者の指示で、日本製セキュリティーソフトを不正購入しようとしたとして、警視庁公安部は詐欺未遂容疑で中国籍の30代の元留学生の男の逮捕状を取ったことが、28日、捜査関係者への取材で分かった。男はすでに帰国しており、警視庁は国際手配をする方針。警視庁は中国がサイバー攻撃をしかけるにあたり、日本製ソフトの脆弱(ぜいじゃく)性を把握しようとしたとみて調べている。

捜査関係者によると、男は平成28年、架空の日本企業名を使うなどして日本製セキュリティーソフトを不正に購入しようとした疑いが持たれている。販売元は法人登記の確認ができないことなどから販売しなかった。

28~29年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)など国内約200の航空・防衛関連組織や大学などが狙われた大規模なサイバー攻撃があり、警視庁は今年4月、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、中国籍の30代の男を書類送検した。

一連の被害は手口から、中国人民解放軍のサイバー攻撃専門部隊「61419部隊」の指揮下にある「Tick」と呼ばれるハッカー集団が関与したとみられる。今回の事件では、元留学生の男は61419部隊の関係者から指示を受けていたとみられる。』

コロナ規則違反者を「見せしめに」行進 中国

コロナ規則違反者を「見せしめに」行進 中国
https://www.afpbb.com/articles/-/3383163

『【12月30日 AFP】中国南部・広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)靖西(Jingxi)市で28日、新型コロナウイルス感染対策の規則に違反したとされる容疑者4人が街中を見せしめに行進させられた。国営メディアが29日、伝えた。政府の強圧的な感染対策に批判が集まっている。

 中国では2010年、人権団体による長年の反対運動により、犯罪者に対し公に辱めを与えることが禁止された。しかし、国が掲げる感染者ゼロを目指す「ゼロ・コロナ」実現のため、各地で再び導入されている。

 国営広西新聞(Guangxi News)によると、防護服とマスク姿の4人は自分の顔写真と名前が印刷されたパネルを首から下げ、大勢の人が行進を見ていた。

 行進を捉えた写真から、フェースシールド、マスク、防護服を着けた警察官が容疑者1人につき2人付き添っているのが分かる。さらに武装した警察官が周りを取り囲んでおり、中には銃を構えている警察官もいた。

 同紙によると、4人は新型コロナウイルスの流行を受け国境をほぼ全面的に封鎖しているにもかかわらず、不法移民を移送した疑いをかけられている。

 靖西はベトナム国境沿いにある。

 地元政府は8月、公の辱めを含む新型コロナ違反の罰則を発表していた。

 同紙は市中の行進は市民に対する「現実的な警告」になっており、「国境関連の犯罪を抑制」するとしている。

 だが、こうした強圧的な措置には、中国共産党系のメディアやソーシャルメディアから批判の声が出ている。

 中国共産党系の大衆紙新京報(Beijing News)は29日、国外からの新型コロナの流入を阻止するよう靖西に対し「重圧」が掛けられているとした上で、「こうした措置は法の支配の精神に著しく反しており、再発は許されない」と指摘した。

 靖西ではここ数か月で何回か、犯罪者が強制的に行進させられている。(c)AFP 』

民主政権崩壊「責任かぶせられた」 ガニ元大統領主張―アフガン

民主政権崩壊「責任かぶせられた」 ガニ元大統領主張―アフガン
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021123100262&g=int

『【ニューデリー時事】アフガニスタンのガニ元大統領は30日の英BBC放送の番組で、イスラム主義組織タリバンの攻勢を受け、今年8月に民主政権が崩壊したことに関し「責任をかぶせられた」と弁明した。事前に「死ぬまで戦う」と語っていたガニ氏は、首都カブール陥落を前に国外へ脱出した。対タリバン戦の見通しの甘さもあり、国内外から非難を浴びている。

アフガニスタン情勢関連ニュース

 今の事態を招いた自身の責任についてガニ氏は「国際的パートナーシップ」を信頼したことを挙げ、政権の後ろ盾だった欧米諸国を批判した。米国とタリバンが結んだ和平合意も「われわれに和平プロセスではなく(米軍の)撤退プロセスをもたらした」と断じ、米国の事情に伴う撤退が政権崩壊につながったと悔しさをにじませた。 』

みずほが「キングギドラ」と呼ばれた理由

みずほが「キングギドラ」と呼ばれた理由、旧行意識でポストが“3の倍数”だらけ
https://diamond.jp/articles/-/286920?utm_source=daily_dol&utm_medium=email&utm_campaign=2022newyear

 ※ なるほど、「ポストの数」の問題もあるわけだ…。

 ※ 強力な、「統合を邪魔する行動」の「動因」となるな…。

『みずほが、不祥事を何度繰り返しても生まれ変われず、金融庁に「言うべきことを言わない、言われたことだけしかしない」と企業文化を酷評されるに至ったのはなぜか。その真相をえぐる本特集『みずほ「言われたことしかしない銀行」の真相』(全41回)の#17では、みずほの旧3行が繰り広げた壮絶なポスト争いを取り上げる。

持ち株会社のみずほホールディングスが誕生し、日本興業銀行、第一勧業銀行、富士銀行は翌年に分割・合併し、二つの銀行に再編される――。その当時まで時をさかのぼろう。
「旧行意識に固執し、統合の足を引っ張る人材は管理職としての資格を失うことになる」と、みずほ首脳は断言していた。ところが株式市場でみずほはその時、3本の首を持つ怪獣「キングギドラ」になぞらえられていた。

「週刊ダイヤモンド」2001年9月1日号特集「「興銀・一勧・富士 取引先100万社を巻き込む!『みずほ』統合の暴風」を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。』
『3行統合直後のみずほで持ち上がった

ミドルのポスト争い「50年問題」

 みずほグループのなかで、「50年問題」が、ミドルの話題に上っている。昭和50(1975)年入行、2001年の今年50歳の声を聞く行員が、前後の年次に比べて多いのだ。

 昭和50年入行といえば、第一選抜組はすでに部長になっており、遅れている人でも、まだ昇格を狙える位置にある。しかし、ただでさえ人が多いうえに、肝心のポストがまるで足りない。なぜなら、2002年4月の分割合併以降、持ち株会社であるみずほホールディングスは500人程度の小所帯になる。理屈でいえば、残るみずほコーポレート銀行、みずほ銀行のポストを3行で奪い合う構図だ。

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「旧行意識を排除」と叫びつつ、ポストが3の倍数で決まる不条理

(※ 有料会員限定記事。無料は、ここまで)』

米マイクロン、中国西安市の封鎖でDRAM出荷に影響の可能性

米マイクロン、中国西安市の封鎖でDRAM出荷に影響の可能性
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-micron-idJPKBN2J9005

 ※ なんでも、コロナだけでなく、ネズミが媒介する「流行性出血熱」という感染症も広まっているらしい…。

 ※ それで、厳しい「都市封鎖」に踏み切ったという話しだ…。

『[29日 ロイター] – 米半導体大手マイクロン・テクノロジーは29日、中国西安市で実施されている新型コロナウイルス対策の都市封鎖の影響で、データセンターなどで使われるDRAM型メモリーチップの出荷に遅れが出る恐れがあると明らかにした。

陝西省の西安市は23日、新型コロナの感染拡大を受けて市民の外出や市外への移動を禁止した。28日に確認された市中感染者は151人で、同日の国内全体(152人)のほぼ全部を占めた。

マイクロンはブログへの投稿で「DRAM製品を顧客に提供するため、われわれの提携先も含めて世界のサプライチェーン(供給網)を活用している」とし「これにより大半の顧客の需要に応えることが可能だと見込んでいる。ただ、短期的には若干の遅れが生じる可能性がある」と説明している。』

コロナと出血熱、中国・西安で拡大 市内を都市封鎖
2021年12月24日 05時00分 (12月24日 05時00分更新)
https://www.chunichi.co.jp/article/389558

『【北京=白山泉】中国陝西省西安市で新型コロナウイルスの感染が再拡大している。冬季五輪を控えた首都北京などにも感染者が広がったことから感染対策を強化。二十三日から部分的なロックダウン(都市封鎖)を行うなど厳戒態勢を敷いている。

 中国メディアによると、西安市で二十二日までに計百四十三人の陽性者を確認。二十三日午前零時から、市外に出るのを原則禁止し、空港も国内線の運航を停止した。居住地区では出入り口を封鎖し、出勤でも証明書がないと外に出られず、世帯ごとの買い物も二日に一回、一人だけの外出に制限された。学校や幼稚園も休校、休園とした。

 また、西安市内では流行性出血熱の感染も広がっている。主な感染源はネズミで致死率は高くないが、「イチゴを食べると出血熱にかかる」とするうわさが出回るなど混乱したため、地元当局が否定。中国メディアは「人から人には感染しないため、厳格な隔離を行う必要はない」とする専門家のコメントを掲載。不安の拡大を防ぐとともに、食品を衛生状態の良い場所で保管するよう呼びかけた。 』

谷本容疑者が死亡 大量殺人、動機解明困難に―25人犠牲の大阪ビル放火

谷本容疑者が死亡 大量殺人、動機解明困難に―25人犠牲の大阪ビル放火
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021123000687&g=soc

 ※ これだけの犠牲を出して、自らも死んでしまったか…。

 ※ 理不尽、かつ不条理な事件だったな…。

 ※ なんでも、自らも「一酸化炭素中毒」になって、「脳に」「重篤な損傷」を負ったらしい…。

『大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで25人が死亡した放火殺人事件で、事件に関与したと特定された職業不詳谷本盛雄容疑者(61)が30日夜、治療を受けていた同市内の病院で死亡した。大阪府警が明らかにした。防犯カメラ映像などから周到な計画と大量殺人への強い執着がうかがわれていたが、動機の解明は極めて困難になった。府警は今後、容疑者死亡のまま殺人などの疑いで書類送検する方針。

容疑者死亡「身勝手過ぎる」 犠牲者の知人ら憤る―大阪ビル放火

 谷本容疑者は顔面や両手足にやけどを負い、心肺停止状態で搬送された。蘇生したものの、重度の気道熱傷や一酸化炭素中毒で重篤な状態が続き、府警は一度も聴取できていなかった。

 これまでの捜査では、谷本容疑者とクリニックとの間にトラブルは確認されていない。谷本容疑者が住んでいたとされる同市西淀川区の住宅には日記もあったが、動機につながるような記載は見つかっていない。 』

EU、独自の安保・防衛追求 NATOと両立課題―22年

EU、独自の安保・防衛追求 NATOと両立課題―22年
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021123000452&g=int

『【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は2022年を「欧州の防衛の年」(ミシェル大統領)と位置付ける。中国が台頭しロシアの脅威も高まる中、米国に依存せず欧州の利益を守れるよう独自の安全保障・防衛体制を強化する方向だ。ただ、多くの加盟国が重なる北大西洋条約機構(NATO)との両立が課題となる。

 来年前半のEU議長国を担うフランスのマクロン大統領は9日の演説で「自ら運命を切り開き、世界的に力を持つ欧州に変わる必要がある」と強調。「主権のある欧州」確立を目標に掲げた。

 安保・防衛面では、共同演習や防衛産業育成のほか、海事や宇宙、サイバー空間でEUの戦略共有を進めると表明。来年3月の首脳会議でEUの新戦略決定を目指す。

 EUのボレル外交安全保障上級代表(外相)が先月提示した戦略の原案には、危機時に最大5000人を投入するEU独自の即応部隊創設案も盛り込まれた。

 背景には米国の欧州離れへの危機感がある。NATOの集団防衛義務を軽視し自国優先に徹したトランプ前米政権に続き、親欧州とされるバイデン現政権も、欧州よりインド太平洋地域を重視する姿勢は明らかだ。

 8月には欧州の懸念をよそに駐留米軍のアフガニスタン撤収を強行。市民らの国外退避をめぐって混乱が生じ、EU内では「自ら主導権を握らなければならない」(ボレル氏)と機運が高まった。ドイツの新政権も「主権のある欧州」を標ぼう。EUの統合司令部創設などを訴える。

 一方、ロシアの脅威が間近に迫る北欧や東欧諸国には米国の軍事力が頼りで、過度な独自路線への警戒も残る。EUはNATOとの連携強化の必要性でも一致はしており、近くNATOとの共同声明をまとめる予定だ。

 ブリンケン米国務長官は3日、ボレル氏との共同声明でEUの新戦略の意義は認めつつ「(NATOと)一貫性があり補完的な能力整備が必要だ」とくぎを刺した。』

ロシアとベラルーシが合同軍事演習、2022年春に

ロシアとベラルーシが合同軍事演習、2022年春に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR294VI0Z21C21A2000000/

『【モスクワ=桑本太】ロシアのプーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領は29日にサンクトペテルブルクで会談し、2022年春にベラルーシ領内で合同軍事演習を実施する方針を示した。ロシアは22年1月に米国や北大西洋条約機構(NATO)とウクライナ情勢を巡って協議する予定で、欧米をけん制するねらいとみられる。

インタファクス通信によると、プーチン氏は「年明けに(演習を)実施する。2月か3月かは分からない」と述べた。ベラルーシ領内の地域への言及はなかった。

会談では、両国の航空機製造での連携強化についても合意した。ルカシェンコ氏は「(ベラルーシには)民間機と軍用機の工場がある」と述べ、ロシアの航空機調達にベラルーシ企業が参画する意向を示した。

ロシアのラブロフ外相は24日付のボスニア・ヘルツェゴビナ紙のインタビューで、NATOの東方拡大が欧州での紛争につながるリスクがあると指摘した。ロシア国境に近いウクライナ領内にNATOの攻撃システムが配置されることは安全保障上許容できないとして、米欧の動向に神経をとがらせている。ベラルーシは軍事・経済面でロシアとの連携強化を進めている。

ロシアと米欧との協議は来年1月に予定されている。米国とロシアによるウクライナ情勢などを巡る協議が来年1月10日に開かれるほか、12日にNATOとロシアの協議が、翌13日に欧州安保協力機構(OSCE)の枠組みでの協議が開かれる見通しとなっている。』

中国半導体・紫光集団の再建案、債権者会議が承認

中国半導体・紫光集団の再建案、債権者会議が承認
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM293LF0Z21C21A2000000/

『【北京=多部田俊輔】経営再建中の中国半導体大手、紫光集団の債権者会議が29日に開かれ、事業継承先に投資ファンド2社を中心とする連合を選ぶ再建案を承認した。中国メディアによると、最先端の半導体メモリーを手掛けるグループ企業は政府系投資会社の傘下に入ることが決まった。

紫光集団の継承先には、国有企業系投資ファンドの北京建広資産管理と、投資ファンドの北京智路資産管理を中心とする連合が選定された。中国メディアによると、この連合には湖北省科技投資集団(湖北科投)など政府系投資会社4社も含まれる。

債権者会議の承認を受け、資産管理人は近く再建計画を裁判所に提出する。裁判所の認可に加え、中国政府の独占禁止法や国家安全保障上の審査を経て、最終的に事業継承が確定する。事業を継承する連合は2022年3月末までに600億元(1兆1000億円)を支払う。

今回の再建案は紫光集団と傘下企業など合計7社を一括して継承先を決める仕組み。大半の事業は連合が作る受け皿会社に引き継がれるが、中国共産党機関紙の人民日報系の証券時報によると、最先端の半導体メモリーを手掛ける長江存儲科技(長江メモリー・テクノロジーズ、YMTC)は湖北科投が引き継ぐ。

YMTCは米国に依存する半導体の自給率向上を狙って設立した国策3社の一角。データの保存に使うNAND型フラッシュメモリーを生産している。湖北科投はYMTCの大株主でもあることから、今回の紫光集団の再建を契機にYMTCを傘下に入れる。

紫光集団は習近平(シー・ジンピン)国家主席の母校、清華大学が51%を出資する。買収や出資でYMTCを抱えるなど中国の半導体大手に成長した。資産は3000億元近いとされるが、巨額の負債を背負って数回の社債の債務不履行(デフォルト)を起こした。

今回の再建案を巡っては、紫光集団に49%出資する北京健坤投資集団(健坤)は資産管理人の再建案では734億元の国有資産の流出につながると試算して異議を唱えた。しかし、29日の債権者会議で、健坤は最終的に賛成に回った。

再建案策定の過程では、中国ネット大手、アリババ集団を中心とする連合が継承先の有力候補となったこともあった。しかし、政府系投資会社が参画する連合が選ばれることになった。弁済率の高さなどが評価されたとされるが、国有企業を重視する習近平指導部の意向に沿ったとみられる。

【関連記事】中国センスタイム、香港上場 米制裁による延期経て 』

中国センスタイム、香港上場 米制裁による延期経て

中国センスタイム、香港上場 米制裁による延期経て
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM300PY0Q1A231C2000000/

『【大連=渡辺伸】中国の画像認識最大手、商湯集団(センスタイム)は30日、香港取引所に上場した。調達額は57億7500万香港ドル(約850億円)。米財務省が10日に同社への証券投資を禁じる制裁を公表した影響で、17日の予定だった上場を延期していた。

同社は調達額の60%程度を人工知能(AI)などの研究開発にあてる方針だ。徐立・最高経営責任者(CEO)は「技術的なブレイクスルーを追求する」とコメントした。

同社は画像をAIで認識・分析する技術やシステムを開発する。自動運転向けシステムはホンダなど30以上の自動車会社と協業中で、数年以内に累計2000万台以上に供給する方針。ソフトバンクグループ傘下の「ビジョン・ファンド」も14%強を出資している。

中国市場では高い潜在力が期待されるが、海外では米国の制裁が重荷だ。売上高に占める国外比率は2020年12月期が22%で、今後の成長性が注目点となる。センスタイムの21年1~6月期業績は売上高が16億元(約290億円)と前年同期比92%増で、最終損益は37億元の赤字だった。

米財務省は10日、米国人による証券投資を禁じる中国企業のリストに同社を加えたと発表した。「顔認証技術が少数民族ウイグル族の監視に使われ、人権侵害の疑いがある」ためと説明した。センスタイムは「米国の決定には根拠がない。我々は関係する国家と地域の法律を厳格に順守している」と反論していた。』

不振の中国不動産、人民銀が事業売却支援 恒大など念頭

不振の中国不動産、人民銀が事業売却支援 恒大など念頭
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM301V50Q1A231C2000000/

『【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)などは、経営危機に直面した不動産開発会社の事業売却を支援する。国有企業など財務体質が安定した企業が、資金繰り難の会社の優良な資産や建設中の物件を買い取るように促す。政府の規制強化で大手の中国恒大集団などは資金不足に陥り、社債の利払いに苦慮している。資産の切り離しで現金化を加速させ、債務リスクを軽減させる。

30日に記者会見した人民銀金融市場局の鄒瀾局長が明らかにした。売却の対象は資金繰り難の企業が建設中の物件のほか、子会社の株式や資産だ。中国メディアによると、優良物件とセットにした形の不良資産の購入は支援対象にしない。

買い手は財務体質が安定している企業に限る。民間企業も買収に名乗りを挙げられるが、当局は信用力が高く低利の資金調達が容易な国有企業を有力な買い手とみているもようだ。

買い手が買収資金を調達しやすいよう、人民銀などは銀行に融資や債券の引き受けに積極的に応じるよう要求した。銀行が直接、買収取引に参画することはできない。

経営難に陥った不動産開発企業が資産の現金化を進めれば、債務の利払いや返済に充てられる。過剰に膨らんだバランスシートの圧縮につながる。人民銀は、財務体質が安定した企業が建設中の案件を引き継いで完成まで責任を持つことで、住宅を買った人への物件の引き渡しもスムーズに進められるとみる。

中国の習近平(シー・ジンピン)指導部はマンションバブルが金融リスクを膨らませていると警戒し、投機の抑制を重視している。ただ規制強化で不動産開発企業の資金繰りが逼迫したほか、住宅需要の縮小が景気の足を引っ張った。

中国共産党が2022年の経済運営方針を決めた12月の中央経済工作会議は「新たな成長モデルを模索し、不動産業の好循環と健全な発展を促す」と強調した。業界内の事業再編を促し、不動産市場の安定につなげたい考えだ。』

重慶市長代理に胡氏、陝西省副書記から転じる

重慶市長代理に胡氏、陝西省副書記から転じる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM302KE0Q1A231C2000000/

『【重慶=多部田俊輔】中国内陸部の直轄市、重慶市の市長代理に陝西省共産党委員会の副書記だった胡衡華氏(58)が就いた。1月に市長に就く見通し。市長は同市共産党委員会のトップである書記に次ぐナンバー2。党の指導に従って経済政策を中心にかじ取りする。

重慶市の人民代表大会(市議会に相当)常務委員会が30日に発表した。胡氏は湖南省出身。同省の経済政策を担う発展改革委員会の主任や省都、長沙市の党委書記を歴任し、経済分野で手腕を発揮してきた。2020年10月から陝西省の党委副書記を務め、今年12月25日に重慶市の党委副書記に転じていた。

重慶市長を務めていた唐良智氏(61)は安徽省の政治協商会議の党組織書記に転じた。唐氏は四川省成都市の党委書記などを経て、18年から市長を務めた。習氏の側近とされる重慶市トップの陳敏爾党委書記の下で重慶と成都の一体開発計画などを進めてきた。』

マスク氏、テスラ株売却手続き完了 1.8兆円相当

マスク氏、テスラ株売却手続き完了 1.8兆円相当
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN3004Z0Q1A231C2000000/

 ※ 事前に、「リコール」の情報を得ていたものか…。

『【シリコンバレー=白石武志】ロイター通信は29日、米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が11月上旬に表明した自ら保有するテスラ株の約10%分の売却手続きが完了したと報じた。ストックオプション(新株予約権)の行使に伴う納税義務などを果たすための措置で、売却額は計160億ドル(約1兆8000億円)超に達した。

【関連記事】
・マスク氏、テスラ株一部売却提案「Twitter投票で決定」
・マスク氏、テスラ株揺らす Twitterで2.2兆円分売却問う
・テスラCEO「21年の納税額1.2兆円」 米国で過去最大か

マスク氏はインサイダー取引を回避するためのルールに沿ったテスラ株の取引計画を9月に策定。11月上旬から段階的にストックオプションの行使とテスラ株の売却を繰り返してきた。12月28日に最後の部分の取引を終え、同日付の米証券当局への届け出で「取引計画が完了した」と明らかにした。

期間中に約2280万株相当のストックオプションを株式に転換する一方、源泉徴収義務などを果たすために約1570万株のテスラ株を売却した。QUICK・ファクトセットによると11月上旬時点で17.22%だったマスク氏の出資比率は足元では17.63%に高まった。

マスク氏は11月6日、自ら保有するテスラ株の10%分を売却するかどうかをツイッター上の投票によって決めると表明。1日で約350万票の投票を集め、売却への賛成が多数だったことから11月8日から段階的に株式を放出してきた。

当初は株式を売ってでも納税すべきかどうかの判断をツイッター上の「民意」に委ねると説明していたが、マスク氏は後に米メディアとのインタビューのなかで22年に失効することになっていたストックオプションを行使するために必要な株式売却だったと明らかにしている。

マスク氏は9月に策定した取引計画の完了をもって保有株の売却も打ち止めにする方針を示しているが、これまでに売却した株式数は11月上旬時点の保有株式数の9.2%にとどまる。厳密にはツイッター上で「公約」していた10%分には達していないが、今後の追加売却の可能性についてテスラ側の見解は得られていない。

現役CEOによる大量の株式放出は、21年夏以降、ほぼ一本調子で上昇基調を維持していたテスラ株の値動きにも影響を与えた。12月29日のテスラ株の終値は1086ドル19セントと、マスク氏が株式売却を提案する直前の11月5日の終値に比べ10%超低い水準だ。

マスク氏はテスラの株価上昇によって21年に「世界一の金持ち」になったが、一部の米議員からは資産規模に応じた税金を負担していないとの批判を浴びている。同氏はストックオプションの行使などに伴って21年の自らの納税額が110億ドルを超え、単年の個人の納税額として米国で過去最大になると反論している。

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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説

米国の資産格差は非常に大きい。

富裕層は節税手段も多く十分納税をしていないとの不満が高まっている。

このためウォーレン民主党上院議員らが今年10月に株式保有の評価益に課税する富裕税を導入し教育・低所得者支援などのバイデン政権の歳出拡大案の財源に充てる提案をしたが一部民主党上院議員の反対で実現しなかった。

同法案に世界トップの純資産をもつテスラのマスク氏は反対したが、投資家のソロス氏は支持を表明した。

今年1月に世界食糧計画事務局長のビーズリー氏がマスク氏のごく一部の資産を寄付してくれれば世界の飢饉を解決できると訴えたが、富裕層のSDGsなど世界的課題に対する貢献が増えていくことを強く期待したい。

2021年12月30日 11:51 (2021年12月30日 14:04更新)』

米、香港メディア弾圧非難 「報道は扇動ではない」

米、香港メディア弾圧非難 「報道は扇動ではない」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN303TQ0Q1A231C2000000/

『【ワシントン=共同】ブリンケン米国務長官は29日の声明で、香港警察が民主派系メディア「立場新聞」の幹部ら関係者7人を扇動出版物発行共謀の疑いで逮捕したことを巡り、中国政府と香港当局によるメディア弾圧は「香港の信頼性と活力を損なっている」と非難、拘束したメディア関係者の即時釈放を要求した。

ブリンケン氏は「報道は扇動ではない」と強調。立場新聞は香港に残された数少ない「自由で独立した報道機関のとりで」だったと指摘し、「真実を恐れない政府は報道の自由を受け入れている」と批判した。

これに対し、中国外務省の趙立堅副報道局長は30日の記者会見で「いわゆる自由の名目で中国の内政に干渉するのをやめるべきだ」と述べ、香港への統制強化を正当化した。』

米失業保険申請、19万8000件 3週ぶり減少

米失業保険申請、19万8000件 3週ぶり減少
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN304440Q1A231C2000000/

『【ワシントン=長沼亜紀】米労働省が30日発表した失業保険統計(季節調整済み)によると、19~25日の週間の新規失業保険申請件数は19万8000件で、前週の改定値から8000件減った。3週ぶりの減少で、約52年ぶりの低水準となった12月上旬の水準(18万8000件)に近づいた。

ダウ・ジョーンズまとめの市場予測(20万5000件程度)を下回った。足元で新型コロナウイルス感染が再び急増しており、経済への影響が出始めているが、今のところ解雇増加にはつながっていないことを示した。

総受給者数は12~18日の週は171万6000人で前週の改定値から14万人減った。3週連続の減少で、コロナ感染が本格化した2020年3月以来の低水準となった。』

テスラ、米で47万台超リコール 20年世界販売に匹敵トランク開閉に不具合

テスラ、米で47万台超リコール 20年世界販売に匹敵
トランク開閉に不具合
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN3049T0Q1A231C2000000/

『【シリコンバレー=白石武志】米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)は30日、電気自動車(EV)大手の米テスラが小型車「モデル3」と高級セダン「モデルS」のトランク開閉に関連する不具合に対処するため計47万台超をリコール(回収・無償修理)すると発表した。同社が一度に実施するリコールとしては過去最大で、2020年の年間世界販売台数に匹敵する規模となる。

【関連記事】
・テスラ、画面不具合で13.5万台リコール
・米当局、テスラの運転支援システムを正式調査

理由は車種によって異なる。モデル3については後方トランクの開閉によってケーブルが損傷し、運転席のディスプレーに後方カメラの画像が表示されない可能性がある。モデルSでは前方トランクの掛けがねに不具合があり、走行中にフードが警告なしに開いて運転手の視界を妨げ、衝突の危険性を高めるおそれがある。

リコール対象台数の内訳は17~20年式のモデル3が35万6309台、14~21年式のモデルSが11万9009台。NHTSAは不具合に関連する衝突や負傷、死亡事故をテスラは認識していないと説明している。

テスラはリコール実施について日本経済新聞のコメント要請に応じておらず、回収・無償修理にかかる費用などは明らかになっていない。30日の米国市場でテスラ株は取引開始直後に前日終値に比べ一時3%安をつけた。

テスラは運転席のディスプレーの不具合についてもNHTSAの指摘を受け、21年2月に約13万5000台のリコールに合意している。同社の運転支援システム「オートパイロット」についても衝突事故が相次いだことを受けて、米当局は8月に安全性を正式に調査すると表明している。

米ロ首脳、ウクライナ巡り電話協議 軍事緊張の緩和焦点50分間で終了

米ロ首脳、ウクライナ巡り電話協議 軍事緊張の緩和焦点
50分間で終了
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN303XH0Q1A231C2000000/

『【ワシントン=坂口幸裕、モスクワ=桑本太】バイデン米大統領とロシアのプーチン大統領は30日、50分ほど電話協議した。軍事的緊張が高まるウクライナ情勢をめぐり事態の打開を探ったものの、両首脳は米欧が検討する対ロ制裁について互いに応酬を続けた。

米ホワイトハウスによると、バイデン氏はロシアが威嚇を続けるウクライナとの緊張緩和を求めた。対話を通じた外交を支持する一方、ロシアがウクライナに侵攻すれば同盟国などとともに断固とした対応をとると警告した。経済制裁を含む対抗策を準備していると改めて伝えた。

一方、ロシアのウシャコフ大統領補佐官は、米側が制裁措置をとった場合、プーチン氏が「ロシアの欧米との関係の完全な決裂につながる」と応じたと述べた。インタファクス通信が伝えた。米国に求めた自国の安全保障について「議論は建設的だった」(ウシャコフ氏)とも述べ、今後の協議で理解を求めていく考えも示した。

会談終了後、米政府高官は「両首脳は前進が可能な分野と合意できない分野があると認めた」と明言した。2022年1月9~10日にスイス・ジュネーブで米ロ2国間の「戦略的安定対話」を開くことも明らかにした。米CNNによると、米国からはシャーマン国務副長官らが出席する。

両首脳は9~10日の米ロに続き、12日に北大西洋条約機構(NATO)とロシア、13日に欧州安保協力機構(OSCE)とそれぞれ協議する日程で合意した。

米国はロシアが隣国ウクライナとの国境付近に軍を集結し、14年に続き再び侵攻すると警戒を強めている。ロシアは17日にNATOの東方拡大停止や東欧からの事実上の軍撤収などを求める案を提示していた。

バイデン氏とプーチン氏は今月7日にオンライン形式で2時間ほど話し合ったばかりで、月内に2回目となる首脳協議は異例だ。米側の説明によると、今回の協議はロシア側からの要請に基づくもので、ウクライナ情勢をめぐり緊張緩和の糸口を見いだせるかが焦点だったが隔たりは埋まらなかった。

【関連記事】

・米ロ、ウクライナ巡り緊迫の理由は
・米国の抑止力弱まる ロシア、ウクライナ巡り強硬
・バイデン「画面外交」の真贋 強権リーダーに抑え効くか

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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察

もはやチキンゲームをやっている段階ではないのに、米政権はそれが分かっているのかとても心配です。

プーチン側の要求は、何年も前からはっきりしています。

外交上の落としどころを探るためには、こういう交渉に長けたプロの外交官同士で静かにやるしかないので、何とかそういう枠組みに持って行かないといけません。

ロシア側の軍事力行使に至れば、世界中に影響が及びますし、何よりもバイデン政権が大打撃を受けて、立ち直れないかもしれません。今最もリスクが高い問題で、予断を許しません。

2021年12月31日 11:26 (2021年12月31日 11:27更新)

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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察

ロシアがウクライナに圧力をかける→米欧は軍事的に関与することはできないので経済制裁をテコにロシアを動かそうとする→ロシアは経済制裁をすれば関係断絶すると脅し、行動の自由を得ようとする。

プーチンはバイデンの出来ること、出来ないことを見越しながら、一手先を見て手を打っているという印象。

ロシアにとってもリスクはあるが、それでも自らが求める、ウクライナのNATO加盟の恒久的な阻止を実現するためには、そうしたリスクを取ってでも圧力をかけることが有効と見ているのだろう。

気になるのは、ロシアがアメリカの足元を見て交渉しているということ。それだけアメリカの力が落ちてきたということなのだろうか。

2021年12月31日 15:29

小平龍四郎のアバター
小平龍四郎
論説委員・編集委員
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分析・考察

ロシアがウクライナに侵攻するようなことになれば、道義的には非難されるべきはロシアですが、政治的ダメージが大きいのは米国ではないでしょうか。

もともと薄いバイデン大統領の政治資本は枯渇し、普通の企業であれば立っていられない「債務超過」になってしまうかもしれません。

影響は経済、市場と幅広く及びます。

2021年12月31日 12:04 (2021年12月31日 12:10更新)』

コロナ下で世界株高 時価総額、伸び最大の2000兆円

コロナ下で世界株高 時価総額、伸び最大の2000兆円
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB290ZD0Z21C21A2000000/

『2021年は世界的な株高の一年となった。新型コロナウイルス下でも経済活動の再開が進み景気回復期待が高まった。世界の株式時価総額の年間増加額は約18兆ドル(約2000兆円)と過去最大。22年は米連邦準備理事会(FRB)の総資産の縮小など金融引き締めが視野に入り、変調を懸念する声も増えている。

東京株式市場では30日の大納会で、日経平均株価が前日比115円17銭(0.4%)安の2万8791円71銭で取引を終えた。年末終値としては1989年のバブル期のピーク以来32年ぶりの高値水準となった。

世界全般に「財政出動・金融緩和・経済再開という3つの要因が重なり力強い株高となった」(JPモルガン・アセット・マネジメントの前川将吾氏)。「MSCI全世界株指数(ACWI)」を構成する48カ国・地域のうち21カ国で株価指数が最高値を更新した。

米国株の上昇が目立ち29日にはダウ工業株30種平均が最高値を更新した。低金利が住宅などの資産価格を押し上げ消費の力強い回復につながっている。フランス、オランダなど欧州や、インドや台湾といったアジアでも最高値が相次いだ。コロナ後もデジタル化の波や医薬への高い関心が続くとみて半導体やIT(情報技術)、医薬株にマネーが集中している。

経済再開が資源高をもたらし、カナダやノルウェーなどの株価も上がった。下落はインフレに悩むブラジルや、中国政府による統制強化でIT株が下落した香港など8カ国・地域にとどまる。

株式市場の活況ぶりは実体経済に比べても際立つ。世界の国内総生産(GDP)が年央にようやくコロナ前の水準を取り戻したなかで、今年末の時価総額は前年末比18%増の119兆ドルと、コロナ前に比べ4割多い水準となった。業況が苦しい飲食やサービスは中小企業が多い一方、上場企業はITや製造業が多く、インフレでもコスト高を価格転嫁し収益力を落としていない。

もっとも、市場の「フロス(泡)」と呼ばれた過熱した資産からは資金流出がみられる。
米国の家計貯蓄率はコロナ前に戻り、給付金を元手にSNS(交流サイト)で結託した個人が特定の株を買い上げる動きは鳴りを潜めた。コロナ下の株高の象徴だった電気自動車の米テスラ株も11月以降、下落に転じた。債券市場では投資家が企業の債務不履行(デフォルト)を警戒するようになり、低格付けの「ハイイールド債」の価格が11月下旬に約1年ぶりの安値をつけた。

インフレで各国は金融引き締めに転じた。野村総合研究所の木内登英氏は「行き過ぎた金融緩和が株式の膨張を生み出してきたが、この前提が変わりつつある」とみる。

FRBは来年に利上げを見据える。市場では、FRBは利上げ開始からあまり期間を空けずに保有資産を減らす「量的引き締め」に入り、短期から長期まで金利全体の押し上げにつながるとの警戒感が高まり始めた。量的引き締め局面にあった2017~19年は株価が乱高下した経緯がある。

英シュローダーのヨハナ・カークランド氏は世界経済を「よろめく自転車」にたとえ、「財政出動など各国政府が与えた『補助輪』は22年に外される」と指摘する。

米モルガン・スタンレーは「雇用コストの上昇が長引くことを考慮すると、企業の利益率は低下する可能性がある」として22年は米国株の下落を見込む。緩和や財政の支えが弱まり、こうしたショックへの耐性は低下が避けられない。

(古賀雄大、北松円香)

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[FT]中国台頭、米の責任ではない 再浮上は必然

[FT]中国台頭、米の責任ではない 再浮上は必然
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB240X70U1A221C2000000/

『読者はこんなニュースは何度も見聞きしているだろう。大切な人を失った人物が、その命を奪った病気か犯罪、公共の危険に対して大儀を掲げて戦いに乗り出す。するとキャンペーンが立ち上がり、寄付金が集まる――。

中国の台頭はその歴史からみれば驚くべきことではないという(1974年11月、北京でキッシンジャー米国務長官㊧と会談する鄧小平副首相)=AP

彼らを突き動かすのは、ほかの人が同じ悲しみを味わうことのないようにという純粋な願いだ。だがその根底には、自らが物事を決める力を取り戻したいという心理的要求もある。人のことなど知らん顔という世界でも、何かされた人にとっては自分から行動を起こすことは短時間であってもその人の傷を癒やすことにつながる。

国家にも自らが抱えた傷を癒やすプロセスが必要だ。米国は1990年代は世界で唯一の覇権国だった。中国が今後、米国を追い抜くかどうかはともかく、米国は90年代当時の地位は既に失った。そのトラウマを癒やそうと米国は、一体何をどうすればよかったのかとくよくよと考え続けている。

20年前の12月に中国の世界貿易機関(WTO)加盟を承認していなかったら違っていたのではないか。米国の歴代政権が中国政府を相手にかくも甘い考えでいなければ違っていたのではないか。多くの失敗を重ねてきたが、1949年(編集注、蔣介石が国民政府を率いて台湾に撤退した)にまで遡り、あの時、手を打っておくべきだったのではないかとまで考えている。実際、米共和党員の中には今でも中国を共産主義に「奪われた」と思っている者がいる。

中国台頭阻止に失敗したと考えるのは「逃げ」

こうした自責の念は表向きは勇気ある率直な反省にみえる。だが、失敗したのはどこだったかと模索するのは「逃げ」ともいえる。現状を自分たちが過ちを犯した結果だと捉えるのでなければ、米国よりはるかに巨大で長い歴史を持つ中国が1970年代に鄧小平の下で開放を進め始めた以上、世界で(再び)台頭するのは必然だったと認めることになるからだ。

欧米はある程度、犠牲を払えば中国台頭を遅らせられたかもしれないが、その台頭は必然だった。西側が阻止することなどもとより不可能だったのだ。

己の無力を認めることは、罪を認めるよりもつらい。米国以外の西側諸国も、中国台頭を阻止できないと認めるのは米国と同様にできていない。「欧米はいかに簡単に中国の台頭を許したか」という見出しが米フォックスニュースで躍っても驚かないが、英BBCのサイトに10日、似たタイトルの記事が載った。これらの見出しには、自分たちの無力さを認めたがらない欧米のメンタリティーが反映されており、2つの前提が含まれているように思える。

第一は、中国の2001年のWTO加盟は阻止できたはずだという考えだ。だがそれは当時、市場開放に向け改革を進めていた世界人口の5分の1を占める中国人を世界経済から排除することを意味する。そんなことをしていいと思っているのか。第二は加盟を阻止していれば、西側諸国は不利益を被ることもなく中国の発展を阻めたはずだという考えだ。あれだけ多くの西側企業が中国の安い労働力をてこに大きく成長した事実を忘れているのか、と思う。

米歴代政権が中国台頭を招いたとする問題点

こうした考え方は学術的には問題だが、学術上の問題にすぎないのなら気にする必要はない。だが問題視すべきは、米歴代政権の失敗が中国台頭を招いたとする思い込みが政治上、深刻な問題を招いていることだ。トランプ大統領の登場を実現させた世論の一つは、米エリートは米国民に対する責任を果たさなかったばかりか、中国台頭に加担さえしたというものだ。

クリントン氏、ブッシュ氏(第43代)、オバマ氏は大統領時代、産業大国の米国を他国に売り渡したと今も批判されている(だが彼らが推進した中国との貿易のおかげで、米家庭が安価な消費財を享受できた点は評価されていない)。中国の台頭はその長い栄枯盛衰の歴史からみれば驚くべきことではない。今の中国台頭を異常現象のように捉えること自体が時代錯誤だ。だが、こんな見方が米国のポピュリズムを支えている。

進歩的左派も彼らならではの自己中心的な世界観がある。イエメンの内戦が終わらないのは、彼らに欧米が武器を売っているせいだし、アフリカの貧困はワシントン・コンセンサスの責任だ。アフガニスタン崩壊はあろうことか我々が見捨てたからだ、と考えている。リベラル派や中道派さえ、ロシアが独裁制を維持できているのは、同政府が自らに近い有力者にロンドンの一等地を購入することを認めているからだと理解している。

世界をこうみる人には、世界中の悪いことは全て欧米に問題の根があるということになる。これは国際的視野があるかに思えるが、極めて上から目線の見方ではないか。米国が多くの問題を引き起こしているという謙虚さをみせるふりをしているだけで、実は米国は万能だという空想にも近いものの見方と言わざるを得ない。

欧米が過酷な「真実(自分たちがいかに罪深いか)」と延々と向き合っているのは、より厳しい真実(もはや世界の中心的存在ではない)から目をそらすためだ。米国は、世界総生産のかなりの部分を担い、遠く離れた海外の情勢にも介入していた1949年当時でさえ、各国が自国のことを自ら決めたいという心と意思を持っているとは想像もできなかった。今世紀に入って依然そんな考えを持ち続けているのは、自画自賛の妄想の中で生きているようなものだ。

中国の底力理解している人が本物のタカ派

米国がこれだけ衰退しているにもかかわらず、まだ覇権国と自負していることが米政府の中国への矛盾した対応につながっている。対中強硬派は、過去数十年にわたる米政権が中国の台頭を許したと非難する。ポンペオ氏は国務長官在任中、ニクソン大統領が72年に「赤い」中国を国として承認したことさえ甘かったとみていたようだ。

こうした薄っぺらな強硬姿勢の問題は、そもそも中国には自力で繁栄する力はないと言いたげな点だ。中国に力がないのなら、なぜかくも中国に強硬姿勢を取るのか。なぜ米国はそこまで警戒心を募らせて軍備増強に走るのか。

中国が100年前から超大国となることを目指していたというなら、自由貿易主義者らの思慮の足りなさで誤って誕生させた産物などであるはずがない。

中国がWTOへ加盟しようがしまいが、長期にわたり封じ込めてはおけないほど巨大で野心的な国だということを認識している人ほど、中国を深刻に捉えている。その中国の底力を理解している人こそが本物のタカ派なのだ。

By Janan Ganesh

(2021年12月14日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

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