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ラストベルト、遠い復活 異端児に迷う白人労働者

ラストベルト、遠い復活 異端児に迷う白人労働者
分断のアメリカ 選ぶのは我ら(4)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO62738800Y0A810C2I00000?disablepcview 

『トランプ米大統領の当選の原動力となったのは中西部の「ラストベルト(さびた工業地帯)」で働く白人労働者だ。製造業の衰退が続くなか、雇用創出を訴える異端児に賭けた。4年後の今も熱狂は続いているのか。

「同じ過ちを繰り返さない。大半の組合員は民主党のバイデン前副大統領に投票する」。中西部ミシガン州デトロイトの全米自動車労組(UAW)の前支部長ビル・ジョンソンさんは明かす。4年前、組合員100万人の票は両党に均等に割れた。今はトランプ大統領に投票した過去を指摘されると怒り出す組合員もいる。

全米の製造業の従業員は有権者の約7%にあたる1574万人。8割が白人だ。製造業の衰退が続く「ラストベルト(さびた工業地帯)」の労働者は雇用創出を訴える異端児に賭けた。ミシガン州でトランプ氏は得票差0.2ポイントで勝ち、共和党候補として28年ぶりの番狂わせを実現した。

8月上旬、東部ペンシルベニア州の鉄鋼大手ATIの工場で働く従業員がつぶやいた。「もうすぐ閉鎖だよ。周りも新型コロナウイルスで失業だらけだ」

「専門家を信じないトランプの対応は最悪だ」

コロナ禍が直撃

ラストベルトの経済は新型コロナで大打撃を受けた。製造業の雇用はトランプ政権発足から今年1月までにミシガン、オハイオ州で2%弱増えたものの、感染拡大後の4月はミシガンで30%減、オハイオで14%減と全米平均の10%減に比べ急落した。グランドバレー州立大のエリカ・キング教授は「新型コロナで白人労働者のトランプ離れが起きている」と分析する。

ミシガン州ケント郡の民主党本部には、共和党からくら替えした地元住民のメールが相次ぐ。ゲリー・スターク代表は「トランプはミシガンを諦めたようだ」と自信を深める。トランプ陣営は7月、同州で選挙広告の投入を停止した。

「前回はよく分かっていなかったんだ。専門家の言うことを信じないトランプのコロナ対応は最悪だ」。オハイオ州の元発電所勤務の白人男性は2016年にトランプ氏に票を投じたが、今回はバイデン氏を支持すると決めた。

共和党からのくら替えが増えている(ミシガン州ケント郡の民主党本部)
もっとも労働者全員が「反トランプ」に雪崩を打ったわけではない。

8月5日、ミシガン第2の都市グランドラピッズ。「民主党の社会主義は許せない」。地元労働者ら大勢のトランプ支持者が公園で気勢を上げた。

「今のトランプ支持は2016年より強固だ」と語るミシガン州ケント郡のジョエル・フリーマン共和党本部代表(8月5日のトランプ支持者集会)
16年の大統領選当日、トランプ氏はこの街で開票結果を待ち、労働者に「自動車の雇用を米国に取り戻す」と誓った。共和党のジョエル・フリーマン氏は「今のトランプ支持は16年より強固だ」と強調する。

もともと労働組合は民主党の支持基盤で、大統領選の投票先では共和党を20~30ポイント上回ることもあった。これをトランプ氏は16年、レーガン大統領以来の8ポイント差まで縮めた。

「16年の状況と似ているのが恐ろしい」

隠れ支持を警戒

米キニピアック大の6月の世論調査では、オハイオ州でトランプ氏支持が45%、バイデン氏46%と拮抗する。同州の民主党支部の元代表は「世論調査の結果は少なくとも5ポイントをトランプ氏に加算すべきだ。浮かれてはいけない」と隠れトランプ支持者に警戒する。実際、労働者に多い白人・非大卒に絞ると56%がトランプ氏支持で、バイデン氏の35%を引き離す。同州の民主党支持者、マーク・マクベイさんは「(事前に民主優勢と言われた)16年の状況と似ているのが恐ろしい」と話す。

ラストベルトは新型コロナで経済復活が遠のいている(オハイオ州のミンゴー・ジャンクションの鉄鋼工場)
東部ペンシルベニア州西部ミッドランド郡のステンレス工場は現政権下で再稼働したが、輸入原料への関税によるコスト増などを理由に再閉鎖を決めた。「米国第一」の経済政策は功罪相半ばする。住民の白人男性は「前回はトランプ氏に投票したが、今は迷っている」と語る。

米国進歩センターの調査によると、16年の大統領選でラストベルトの白人労働者の投票率は決して高くなかった。白人・非大卒の投票率はミシガン、オハイオともに黒人より低く、ペンシルベニアでは57%と黒人より8ポイントも低かった。コロナ禍の経済低迷で労働者の危機感が強まれば、投票率が上がる余地は大きい。激戦州の勝敗を一段と左右する可能性がある。

【前回記事】
見果てぬ「チェンジ」 理念か現実か、黒人葛藤

トランプ氏はコロナ前の好調だったころの米経済を「ブルーカラー・ブーム」と命名し、年内にはこの水準に戻ると訴える。一方、バイデン氏の公約はトランプ氏と同じ「バイ・アメリカン」。税金で米国製品を買い製造業を支える。両者が米産業の優遇を競い続ければ、米国の内向き志向がさらに加速しかねない。』

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見果てぬ「チェンジ」 理念か現実か、黒人葛藤

見果てぬ「チェンジ」 理念か現実か、黒人葛藤
分断のアメリカ 選ぶのは我ら(3)
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO62644820U0A810C2SHA000?disablepcview=&s=3

『白人警官による黒人暴行死事件を受け、大統領選の争点に浮上した人種問題。野党・民主党のバイデン前副大統領は副大統領候補に初の黒人女性を選び、少数派(マイノリティー)の集票に注力する。黒人の声は選挙戦を変えるのか。』
『黒人比率が33%と全米平均(13%)より高い南部ジョージア州。民主党系団体「ザ・ニュー・ジョージア・プロジェクト」は7月下旬、有名ゲーマーを招きオンラインゲーム大会を開いた。参加条件は、大統領選の投票に必要な有権者登録の手続きを済ませること。この日だけで若者ら2500人が一気に登録した。』
『「『赤い州(共和党が強い州)』だったジョージア州は今は熱い激戦区だ」。団体を主宰する黒人女性エンセ・ユーフォットさんは4年前よりも黒人有権者の盛り上がりを感じる。毎週数千件、テキストメッセージや電話で投票を呼びかけ民主票の上積みを狙う。』
『ジョージアは2016年まで20年間、トランプ大統領を含む共和党候補が制してきた。地殻変動の起点は白人警官の黒人暴行死事件による「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」運動だ。公民権運動を率いたキング牧師の暗殺から半世紀後も変わらない米社会の暗部に、黒人の怒りが爆発した。

ジョージア州に住む白人のチャールズ・オハラさんは今回もトランプ氏に投票するつもりだが「残念だが負けるだろう。人種問題への対応で深刻な間違いを犯した」とあきらめ顔だ。』
『カギは投票率だ。16年の黒人の投票率は59.6%と前回から7ポイントも下がり、白人より5.7ポイント少なかった。民主党のクリントン元国務長官が激戦州を軒並み落とした敗因の一つだ。今年6月の世論調査では黒人の74%が「確実に投票に行く」と答えた。投票率が上がれば、赤い州が接戦州に変わる可能性がある。』
『黒人に投票呼びかけを求める動きはスポーツ界にも波及する。米プロバスケットボール・リーグNBAのスターで黒人のレブロン・ジェームズ選手は、ファンに投票所に足を運ぶよう訴える。SNS(交流サイト)のフォロワーはのべ1億3千万人と影響力は甚大だ。

団体も設立した。「選挙まであとわずか。友達や同僚、趣味の仲間などあらゆる集団に有権者登録を促しましょう」。オンライン会議に加え、9月からは食品市場など現場にも出る。団体幹部のアディス・デミシー氏は「若い黒人男性に、皆で一丸となって投票すれば社会を変えられると伝えたい」と語る。』
『ただ黒人は一枚岩ではない。激戦州の中西部ミシガンに住む黒人の元トラック運転手ケニス・マクフェランさんは「減税や規制緩和といった経済政策に賛同する」と今年もトランプ氏に一票を投じる。』


『民主支持者にはリベラルな人が多いが、黒人の実像は異なる。米ピュー・リサーチ・センターによると、民主支持の黒人で「自分はリベラル」と回答したのは29%。68%は穏健派か保守派だ。トランプ氏は民主党に「極左」とレッテルを貼り、黒人票を切り崩す。』
『「黒人を民主党から解放しよう」。黒人女性キャンディス・オーウェンズ氏が設立した保守派団体「Black Exit」略して「Blexit(ブレグジット)」は黒人に民主支持からの脱却を呼びかける。

5月のオンライン大会では、妊娠中絶反対など共和党の政策を黒人参加者に説いた。「手厚い生活保護など民主党の福祉政策は黒人の自立の妨げになる」とオーウェンズ氏は訴える。

【前回記事】
「バイデン優位」本物か 薄れゆく若者の熱狂
新型コロナウイルスの流行はテレワークが難しい黒人の感染率が白人より高く、米国社会を分断する人種間の溝を浮き彫りにした。白人と黒人の所得格差は学歴が高くなるほど拡大する。バイデン氏は教育水準の向上や税制改革を通じた格差是正を訴え、政策面でも取り込みを図る。

投票率の向上には歴史的に根深い問題もある。7月26日、星条旗に包まれ馬車で引かれた棺が南部アラバマ州セルマの大橋を渡った。故ジョン・ルイス下院議員は1965年、同じ橋でキング牧師らと黒人の投票権を求めてデモ行進し、白人警官の殴打で「血の日曜日」になった。この事件を機に黒人が全員平等に投票できることを決めた投票権法が制定された。

半世紀たった今もなお「共和党が黒人票の影響を抑えられるように妨害しているのではないか」との不満は根強い。「今年はコンピューター分析による選挙区割りで黒人票の影響力を抑える効果が大きく出る」。黒人票の妨害に詳しいアリ・バーマン氏は指摘する。

ヒスパニック(中南米系)票も選挙戦を左右する。ピュー・リサーチ・センターによると、有権者に占める割合は今年、13.3%と黒人(12.5%)を上回る見通しだ。南部テキサスや同フロリダ、西部アリゾナといったメキシコに国境を接する激戦州では、ヒスパニックの比率が2~3割に上る。

米公共ラジオ(NPR)の6月調査によると、ヒスパニックの59%が「バイデン氏に投票する」と回答した。16年にクリントン氏が66%のヒスパニック票を獲得したことを考えれば、バイデン氏が絶対的な強さを誇るわけではない。

白人警官による黒人射殺事件に抗議する女性(2016年、米ルイジアナ州)=ロイター
結党初期には奴隷制を支持していた民主党。その転換は1929年の大恐慌がきっかけだ。雇用対策や弱者救済を掲げ、黒人ら少数派を支持基盤に取り込んだ。黒人の民主支持者は8割を超え、オバマ氏は「チェンジ(変革)」を掲げ黒人初の大統領に就いた。

オバマ政権で副大統領を務めたバイデン氏は11日、副大統領候補に黒人のカマラ・ハリス上院議員を選んだ。白人と黒人の分断を乗り越え、融和できるかが問われる選挙になる。』

安倍前首相「菅氏、ずいぶん前から後継資格者」

安倍前首相「菅氏、ずいぶん前から後継資格者」
安倍前首相インタビュー詳報(上)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64309070Y0A920C2SHA000/

『安倍晋三前首相は日本経済新聞のインタビューで菅義偉首相に関し、後継候補として「ずいぶん前から有資格者だと思っていた」と明かした。総裁選で敗れた自民党の岸田文雄前政調会長については「『時、利あらず』ということだったのだろう」と述べた。菅政権への期待なども聞いた。

【関連記事】
安倍外交、同盟強化が起点 安倍前首相インタビュー
――体調はその後、いかがでしょうか。

「新しく使い始めた薬が非常に良く効いて、順調に快復している」

――後継に菅首相が就きました。

「私の健康上の理由で急なことになった。後継者はリリーフかつ先発投手という立場になる。安倍政権の官房長官としてすでに政策の中枢にいて、すべてを把握する菅氏にやってもらうのは非常に安心できると思った」

――菅首相が後継候補だと考え始めたのは7、8月の頃でしょうか。

「ずいぶん前、ある程度前から有資格者だと思っていた。あとは菅氏にその意思があるかどうかだった」

「今から思うと(来年9月の総裁任期末まで)あと1年と少しとなって『ポスト安倍』ということが言われ始め、菅氏もそういう選択肢を考えたのかもしれない。(菅氏を支持するという)そういう声が高まれば(総裁選に出馬する)気持ちが出てくるのは当然だ。政治家なら常に思うことだ」

――菅首相を巡っては新元号「令和」を発表したころから知名度が高まりました。

「総裁選で国会議員が1票を入れる場合、議員の心理は世論で反応のある人へと動く。そこが昔と、小選挙区制になった現在で異なる」

――菅首相の出馬の決断は素早いものでした。

「割り切りが良かった。私が辞めると言った段階でアベノミクスを継承すると言った。そういうところが菅氏の強みだ。(安倍氏の出身派閥である)細田派も菅氏でいいじゃないかとなった」

――安倍氏の意中の人は岸田氏ではないかと言われてきました。

「岸田氏は政治家として本当に誠実な人だ。外相としても大きな業績を残した。政治家にありがちな『自分が自分が』というのも全くない。確かに発信力が弱いと指摘する人もいる」

「私が急に辞めるという短期的な政局となり、残念ながら『時、利あらず』ということだったのだろう。ただ総裁選後半のパフォーマンスは良かった」

――菅首相は政権発足当初から具体的な政策を次々に打ち出しています。

「秋田県から出てきて、横浜市という浮動票の多い都市部の小選挙区で勝ち続けてきた人だ。人々が何を考えているのか、気持ちをすくい取るのが非常にうまい」

「携帯電話料金が家計に占める割合が多くなっているとみるや料金の引き下げを求める。出生率を上げなければならないときに、不妊治療の費用が大きな負担になっていると聞くと負担軽減に取り組む。アンテナを高くして、そういう声に応える具体的な政策を打ち出している。テンポは非常に良い」

――菅首相の首脳外交の手腕は未知数だとの見方もあります。

「菅氏は各国首脳と順調に電話協議を進めている。トランプ米大統領との電話も非常に気の合った協議になったと菅氏本人から聞いた」

「官房長官時代に駐日米大使らと頻繁に朝食会などで意見交換し、様々な交渉もしていた。すでに外交の要諦はおさえている。米側からも信頼されている。2019年には訪米してペンス副大統領らにも会った」

「安倍政権において7年8カ月超、一貫して官房長官を務めたという経歴は、ずっと政権の中枢にいたということで相手側には安心感となる。外交でそれは財産だ」

――北朝鮮による日本人拉致問題などは菅政権に残された課題となりました。

「菅氏は官房長官時代に拉致問題担当相も兼任し、日本にとっての問題の重要性や難しさは十分理解している。拉致被害者のご家族の気持ちにも寄り添ってくれていると思う。全く安心して任せられる。菅氏なら間違いない」

――あえて助言するとすれば何でしょうか。

「菅氏は本来、非常に強い改革志向をもっている。改革は政権ができた当初の勢いがあるときが一番進めやすい。今の勢いを生かして、向こう傷を恐れずに思い切ってやってほしい」

――内閣支持率が高いうちに早期の衆院解散を求める声があります。

「解散は首相が下す最も難しい判断だ。たった1人で下す判断であり、これだけは誰にも相談できない。政権の命運がかかる勝負となる。研ぎ澄まされた『政治家・菅義偉』の判断、培ってきた勝負勘で決めてもらえれば良いと思う」』

帝国の図表化:トランプの財政のタイムライン

※ こういう記事も、出回るようになった…。

※ 今までは、「富豪」という属性も、「のし上がったトランプ」「アメリカンドリームの体現者」という好意的な捉えられ方だった…。そういう属性が、また、一部の「トランプ岩盤支持層」にウケた側面もあったんだろう…。

※ しかし、「4回も破綻に見舞われて、巨額の債務を負った。」とは言え、「納税を免れていた」という側面が、ネガティブに報じられるようになってきている…。

※ そういうことが、「トランプ支持」に、どう影響することになるのか…。

※ 今日は、こんなところにする…。

帝国の図表化:トランプの財政のタイムライン
ことでラスBuettner、ガブリエルJXダンス、キース・コリンズ、マイク・マッキンタイアとスザンヌ・クレイグ 2020年9月27日
https://www.nytimes.com/interactive/2020/09/27/us/donald-trump-taxes-timeline.html?action=click&module=Spotlight&pgtype=Homepage

【図解・国際】米大統領選の主な日程、今後の流れ

※ 早いもので、あと5週間しかなくなった…。

※ 3回のテレビ討論の行方が、「関ヶ原」だ…。

※ 両陣営ともに、巨額の資金を投入して、「メディア合戦」を戦っている…。

※ 世論調査では、バイデン氏リードと伝えられているが、クリントン氏のケースもあったしな…。

※ まだまだ、流動的だと思う…。

https://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_int_america-election-schedule

情報BOX:米大統領選の主なスケジュール
https://news.goo.ne.jp/article/reuters/world/reuters-20200817047.html

焦点:亀裂深まる米大統領と軍首脳、「トランプ流」失敗の理由

https://jp.reuters.com/article/usa-trump-military-idJPKCN26G0EW

『(ロイターの日本語版)
[ワシントン 23日 ロイター] – ドナルド・トランプ米大統領は就任当初、国家安全保障関連の最高幹部として数名の退役将軍を登用し、自称「史上最大」の国防予算強化を誇らしげに打ち出した。

9月23日、ドナルド・トランプ米大統領は就任当初、国家安全保障関連の最高幹部として数名の退役将軍を登用し、自称「史上最大」の国防予算強化を誇らしげに打ち出した。写真は2019年11月、アフガニスタンのバグラム空軍基地を訪問したトランプ米大統領(2020年 ロイター/Tom Brenner)
同盟国に自前の軍事支出の増額を求める政策を外交の要に据えるとともに、米軍に数千名の犠牲をもたらしてきた中東地域での「切りがない愚かな戦争」から手を引くことを公約した。

だが共和党出身のトランプ大統領は、その一方で軍トップの将軍らを嘲笑し、いくつかの重要課題に関する彼らの情報や提言に耳を傾けず、その知性や勇気、兵士たちに対する責任感に疑問を呈した。

トランプ大統領が政権浮揚のために軍を利用し、政治的に中立であろうとする国防総省の努力を意図的に損なっている、との批判もある。

ビジネスマンとして、テレビのリアリティーショー番組でも活躍したトランプ氏は、ときには味方である共和党内も含めてエスタブリッシュメントを批判しつつ、2016年に大統領選挙に勝利して初の公職に就いた。

最近では新型コロナウイルスに関する政府内の公衆衛生専門家の提言を無視するなど、公然とアドバイスを拒絶することも多いが、それでも支持基盤が大きく損なわれることはない。軍上層部に対する態度も含めた侮蔑的なアプローチが、2期目の4年間に向けた11月の選挙での勝利につながるかは不透明である。

今月、軍務経験の無いトランプ大統領は、2018年の訪仏中に第一次世界大戦中の戦没米兵を「負け犬」「カモ」呼ばわりしたとの「アトランティック」誌の報道への対応に追われた。

<現場の兵士には愛されている>

トランプ大統領就任後の演説やツイートの検証、そして側近や軍当局者へのインタビューからは、同氏が将軍たちを絶賛したかと思えば、彼らを無能と表現することもあるなかで、大統領と軍の矛盾した、そして着実に悪化しつつある関係が見えてくる。

トランプ氏が好んで口にするのは、現場に近い兵士たちにより多くの関心を払っている、ということだ。

トランプ氏は2019年に行われた保守派の集会で、「いま何が起きているのか、将軍たちよりも兵士たちから多くを学べる場合がある。本当だ。言いたくはないが、将軍たちにはいつもそう伝えている」と述べている。

今月、現役の軍人を軽んじているとの批判を受け、トランプ氏はまた同じ主張を繰り返し、悪意があることを否定した。

「米軍が私を好んでいるとは言わないが、兵士たちからは愛されている」とトランプ氏は記者団に語った。「国防総省のトップ連中は恐らく私が気にくわないのだろう。彼らは、爆弾や飛行機その他もろもろを作っているご立派な企業が皆ハッピーでいられるよう、戦争ばかりしたがっているからだ」

複数の現・元軍当局者によれば、トランプ氏は最初のうち将軍たちを大げさに称賛したものの、彼らの進言が自分の希望に沿わないことで苛立ちを深め、前政権から引き継いだ戦争にウンザリし、軍上層部が政治的中立を維持することを忠誠心の欠如と捉えて不快感を抱いているという。

軍当局者らは、トランプ大統領は米軍内からの政治的支持をあからさまに求めることで行動規範を無視していると訴えている。米軍の忠誠の対象は、いずれかの政党や政治運動ではなく、連邦憲法であると想定されている。

「政・軍のあいだの規範があればこそ、非常に長期にわたって政治からの圧力に耐えることができる」とある軍当局者は匿名を条件にロイターに語った。「だが、すでに亀裂が見られる。軍の政治利用がもう行われている」

トランプ政権のもとで任務に就いていた元国防当局者は匿名を条件に、この問題は、突き詰めればトランプ氏が軍の忠誠をどう考えているかという点に帰着する、と話す。「軍は自分の味方なのか違うのか、自分の側につくのか歯向かうのか、というのが彼の発想だ」

トランプ氏は米軍の兵士たちの擁護者を自称しているものの、「ミリタリー・タイムズ」誌が実施した調査によれば、軍関係者のあいだでの同氏への支持は低下している。

大統領就任当初、トランプ氏を「好ましい」とする回答は46%、「好ましくない」とする回答は37%だった。7月・8月に行われた最新の調査では、それぞれ38%、50%と逆転している。

<国民を団結させない初の大統領>

6月、軍首脳は、短期間ではあるが米国内の政治的分断に巻き込まれた。トランプ氏がホワイトハウスに近い教会を徒歩で訪れ、聖書を掲げて写真を撮らせたとき、国防総省上層部が同行したのである。だがその直前には、州兵部隊の支援を受けた警察が催涙ガスやゴム弾を使って、非暴力的な抗議活動参加者を一帯から排除していた。

州兵部隊のアダム・デマルコ少佐は、連邦議会の公聴会に出席し、この取締りに対する懸念を陳述するという異例の行動に出た。

デマルコ少佐は、「6月1日の夜にラファイエット広場で目撃した出来事は、私や仲間の州兵たちにとって、ひどく気掛かりなものだった」と述べた。

国内で広がる抗議行動への対応にトランプ氏が軍の動員を示唆したことに対し、数名の退役大将はこれを非難する声明を発表するに至った。

トランプ政権の最初の2年間に国防長官を務めたジェームス・マティス元海軍大将の反応には失望感が現われている。

「これまで私が生きてきた中で、米国民を団結させようとしない大統領は、ドナルド・トランプ氏が初めてだ。彼はその素振りさえ見せようとしない」とマティス氏は書いている。「その代わり、彼は私たちを分断しようとする。私たちがいま目にしているのは、これまで3年間の、そうした計画的な試みの結果だ」

陸軍大将のマーク・ミリー統合参謀本部議長は、後になって、その日トランプ氏に同行したことは失敗であり、「軍が国内政治に関与しているという印象」を与えてしまったと認めた。

<称賛したマティス氏を今は酷評>

その後トランプ氏はマティス氏を「世界で最も過大評価された将軍」と酷評するようになった。

将軍たちとの関係悪化の最初の徴候は、政権初期に現われていた。

2017年夏、トランプ氏はホワイトハウスの危機管理室で、マティス国防長官、H.R.マクマスター国家安全保障担当補佐官(陸軍中将)、レックス・ティラーソン国務長官らとアフガニスタンにおける米軍部隊の規模について協議していた(肩書きはいずれも当時)。

政権元幹部がロイターに語ったところでは、[元]将軍らは部隊の増強を求めており、「トランプ氏にその要望をはっきりと示せば、承認が得られるだろうと思っていた」という。

だがその要望に対して、トランプ氏はあらゆる種類の疑問を投げかけた。20分で終る予定の会議は2時間にもわたった。

「彼は、将軍たちであれ誰であれ、とにかく問い詰めた。『なぜ増強するのか』『いつになったら撤退できるのか』『どのような勝利が得られるのか』 ひどく居心地が悪かった」と元幹部は言う。

会議が終った後、トランプ氏は彼らに「現実的なオプション」を出すよう求めた。

トランプ氏は、前任のバラク・オバマ大統領によるアフガニスタンからの撤退命令をいったんは覆したものの、任期の終わりを迎える今、年内に駐留部隊の規模を4000人に削減し、和平交渉が成功すれば来年には完全に撤退することを予定している。

マクマスター氏はトランプ大統領のもとで国家安全保障担当補佐官を1年あまり務めた後に解任されたが、同大統領のアフガニスタン政策を厳しく批判しており、米国の支援下にあるカブール政権と対立するタリバーンと手を組んでいると非難している。

国防総省の首脳は、国外における米国の影響力という点でも、国内の安全保障という点でも、同盟国との関係が非常に重要であると考えている。彼らは、トランプ氏が中国やロシア、北朝鮮の首脳との良好な関係を誇る一方で、ドイツや韓国といった同盟国に敵対的なアプローチを取ることに警鐘を発している。

マーケット大学のリサ・ブルックス教授によれば、米軍首脳は、オバマ前大統領が国防分野の問題に過剰介入してきたと感じており、当初はトランプ氏のアプローチを歓迎する向きもあったという。

「だが現在では、(軍と政権の関係は)まったく別のレベルにあると思う。トランプ氏が今やっていることの一部は、組織としての軍の利害・品格に対する挑戦と考えられている、というのが今の状況だろう」と同教授は言う。

分かりやすい例の1つが、海軍特殊部隊シールズのエドワード・ギャラガー隊長が、イスラム国戦闘員捕虜の遺体のそばでポーズを取って写真を撮影させたことで告発された事件に、トランプ氏が介入したことである。

軍上層部により不当な待遇を受けている兵士たちの擁護者を自任するトランプ氏は、ギャラガー隊長の降格処分を撤回させ、後に海軍長官は解任された。

2019年11月にフロリダ州で行われた集会で、トランプ氏は「私は常に、我が国の偉大な戦士たちを支持する」と語った。

(Phil Stewart記者、Idrees Ali記者、Steve Holland記者、翻訳:エァクレーレン)』

激怒したアメリカが、台湾を本気で支援し始めた

習近平も慌てふためく…激怒したアメリカが、台湾を本気で支援し始めた
台湾の次は、尖閣諸島が危ない…
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/75889?imp=0

※ この米国の動きが、本気の台湾支援なのか、それとも単なる「対中カード」に使っているだけなのか…、の見極めが重要だ…。

※ いずれ、直ぐ直ちの「台湾武力併合」は、許さない…、ということは確かだと思う…。

※ それを超えて、「台湾の国家としての承認」にまで進むつもりなのかは、ちょっと分からない…。例えば、「国連加盟を尻押しする」とか…。WHO加盟は、一時尻押しの動きを見せたよな…。

※ いずれ、今回のコロナ騒ぎに乗じた、中国の機会主義的な動きに対して、相当に頭に来ていることは、確かだろうと思う…。

※ そういう米・中・台の動きは、否応なしに日本に波及する…。

※ その中で、どう舵取りして行くべきなのかを、考える必要がある…。

※ テキストは、相当に長いので、リンク先で読んでくれ…。

〔中東、アフリカ関連〕

中東の「放置火薬」、経済回復に影 ベイルート爆発の数百倍も 投資家警戒、復興阻む
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64309620Y0A920C2EAF000/

レバノン組閣断念、新首相候補が辞意 混乱長期化の懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64294420W0A920C2FF8000/

レバノンの組閣断念「裏切り」 政治指導者への制裁示唆―マクロン仏大統領
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020092800149&g=int

パレスチナ議長、中東和平の国際会議「21年早期に」 国連に要請
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64287020W0A920C2000000/

国境で銃撃戦 ソマリア軍とケニア軍
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020092700123&g=int

『【モガディシオAFP時事】ソマリアとケニア、エチオピア3カ国の国境が交わる一帯で26日、ソマリア軍とケニア軍による銃撃戦が発生した。国境を挟んだソマリア側の町で、ケニア軍によってソマリア人3人が「25日に拉致された」と抗議するデモがあり、ケニア軍が発砲。ソマリア軍が応戦した。
 現地のソマリア警察は電話取材に「銃撃は数分続いた」と語った。複数の証言によると、3人は殺害されたと憤るデモ隊が国境沿いのケニア軍施設に接近、ケニア軍が発砲を始めた。死者の情報はない。』

アルメニアとアゼルバイジャン、係争地巡り戦闘

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64301670X20C20A9FF8000/

『【モスクワ=小川知世】旧ソ連のアルメニアとアゼルバイジャンが帰属を巡って対立するナゴルノカラバフで27日、両国軍による戦闘が起きた。死傷者が出たとみられ、両国が互いに相手側が攻撃を始めたと非難している。地域での紛争再燃に懸念が強まっており、ロシアや欧州は双方に即時停戦を訴えた。

アルメニア国防省は同国軍がアゼルバイジャン軍を攻撃する映像を公開した(27日、ナゴルノカラバフ)=AP
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ナゴルノカラバフはアゼルバイジャン西部に位置し、アルメニア系住民が独立を主張する。両国は帰属を巡る紛争でソ連末期から対立し、1994年の停戦合意後も衝突を繰り返してきた。7月には両国軍がナゴルノカラバフに近い国境地帯で交戦し、死者が出た。

アルメニア当局は27日、攻撃を仕掛けたアゼルバイジャン軍の戦車やヘリコプターを攻撃したと発表し、戒厳令を宣言した。アゼルバイジャン当局はアルメニア軍による攻撃を阻止し、民間人を守るために反撃を始めたと発表し、互いに対決姿勢を打ち出している。

周辺国は天然資源が豊富なカスピ海周辺地域での緊張激化に危機感を強めている。アルメニアに軍を駐留するロシアのラブロフ外相は27日、アルメニアとアゼルバイジャンの両外相や、アゼルバイジャンと関係が深いトルコの外相と相次いで電話協議した。ラブロフ氏は即時停戦を訴え、仲介に努める考えを示した。フランスやドイツも平和的な解決を求めた。』

戦闘の死者23人に アルメニアとアゼルバイジャン
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020092800142&g=int

テナント1140店純減 モールに迫る空洞化の足音

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64178180U0A920C2H11A00/

※ ちょっと、疲れてきた…。今日は、こんなところで…。

『大型商業施設の「空洞化」懸念が出ている。日本経済新聞は商業施設データを分析するリゾーム(岡山市)の協力を得て、全国約2800カ所の商業施設の1~6月のテナントの出退店データをまとめた。アパレルや外食を中心に、期間中に1140店のテナントが純減。施設の飽和感に加えて、ネット通販に押されるなど競争環境は厳しさを増す。さらに新型コロナウイルスによる集客力の落ち込みが追い打ちをかけた。巨大施設の存在意義が問われている。

■目立つ空きテナント
名古屋港からほど近い立地のイオンモール名古屋みなと(名古屋市)。9月中旬に訪れると、空きテナントがかなり目立つ。電気の消えたガラス張りの空きスペースからは薄暗さも感じた。平日の午前ということもあってか、カフェでくつろぐ顧客もまばらだ。

「8月31日(月)閉店致しました」「8月30日を持ちまして、閉店することになりました」。1階のテナント跡地の壁には、婦人衣料店や雑貨店の退店のお知らせが貼られ、8月だけでも多くのテナントが退去したことがわかる。6月に訪れたときよりも、モール内はさみしい印象を受ける。

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近隣に大型商業施設が複数存在する、現在の競争環境は厳しい。名古屋市に住む40歳代の主婦は「昔はよく買い物に行ったが、テナントが減ってしまったため、近くの別のイオンモールに行ってしまう」と話す。

首都圏でも商業施設の空洞化は進む。「改装中の為ご迷惑をお掛けしております」。9月中旬、都心部の商業施設を訪れると、木の板で区切られた入居テナントのない空き区画も目立ち、エスカレーター脇にあるフロア案内図には上から白いシールが貼られている場所も。約3分の1が「改装中」のフロアもあった。

テナントの減少によって来店客数が減り、またテナントが撤退して施設の競争力が落ちるという悪循環。施設間の競争激化に、コロナ禍が追い打ちをかけた。

■初めての純減
この逆境はデータからもみてとれる。リゾームのシステム「SC GATE(ゲート)」を利用して分析したデータによると、1~6月の出店数は7222店で前年同期比10.8%減、退店数は8362店で同4.9%増だった。遡れる16年からの増減数でみても純減は初めてだ。

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20年1~6月の純減の内訳は、「ファッション」と「ファッション雑貨」が計842店と圧倒的に多い。「飲食」が116店、「生活雑貨」が114店と続いた。リゾームの砂川誠治氏は「(出退店のサイクルが早い)ファッション関連は出店数の落ち込みが響いた一方、飲食は退店数が多かった」と分析する。

アパレルではオンワードホールディングスが今年度中に700店規模を閉鎖する計画。ワールドも約360店を閉める。帝国データバンクは新型コロナの影響による倒産が8月末までに約500社、上場企業の業績予想の下方修正は約1000社に上ると分析する。

業績不振に苦しむアパレルや外食の店舗閉鎖が本格化するのは秋以降とみられ、経営破綻などによる淘汰も加速する。

今回調査で対象となった商業施設の全テナント数は約15万店。純減数は全体からみれば1%にすぎない。とはいえ転換点となる可能性は高い。近年は施設数の飽和感が指摘される一方、消費者の購買行動はリアルからネットへと移行している。

流れを加速させたのが新型コロナの直撃だ。密を避けるための外出自粛は大きな痛手。モノの消費はもちろん、スポーツジムや生涯学習などの「コト消費」でも感染リスクが足かせとなる。日本ショッピングセンター協会(東京・文京)がまとめた1~6月の全国の売上高は、前年同期比30.3%減と過去最大の下落幅を記録した。

大規模小売店舗立地法(大店立地法)に基づく大型店新設の届出も、20年4~7月は計126件。同期間の件数は、同法が施行された00年度以降でみると01年度(119件)と並ぶ低水準だ。

ショッピングセンター(SC)そのものも減少に転じた。日本ショッピングセンター協会の調べによると、01年に2603カ所あったSCは18年に3220カ所まで増えたが、19年は3209カ所に減った。

売り上げ減に苦しむ施設が増える可能性がある一方で、新設余地は乏しい。施設側は家賃減免などによるテナントつなぎとめにも苦心しそうだ。水面下では秋以降に向けた賃料交渉での綱引きも始まっているという。

業界に詳しいリテールビジネス研究所(東京・港)の飯嶋薫社長は「歯抜けを防ぐためにテナントに譲歩する動きは広がるだろうが、資本力がなければ生き残れない環境になる」と指摘する。

米国では既に大半のテナントが撤退した「廃虚モール」が急増し、話題を集めていた。大きな要因が「アマゾン・エフェクト」などと呼ばれる、ネットの攻勢だ。ただ、新型コロナにより事態はさらに悪化している。日本の企業にとっても決して対岸の火事ではない。

■イオンは支援継続
コロナ禍はイオンモールにも影響を及ぼしている。2021年2月期の連結最終損益は40億円の赤字となる見通し。赤字転落は02年の上場以来初めて。客足は回復しつつあるがテナントのつなぎとめも一進一退が続く。

11日、国内最大の商業施設「イオンレイクタウン」(埼玉県越谷市)を訪ねると、専門店街が開く午前10時を前に買い物客が並んでいた。3棟合計の総賃貸面積が約18万平方メートルにもなる商業施設だが、シャッターがおりた休業店はほぼない。

イオンモール全体の8月時点のテナント空床率は1%強とみられ、「当初想定よりは軽微」(イオン関係者)。この背景には手厚いテナント支援策がある。テナント企業は「大切なパートナー」(岩村康次社長)。「身を切る」覚悟で支えなければ共倒れになる。

コロナ禍による休業に伴い、3~4月はテナント賃料を減免。イオンモールが9月末に社債「サステナビリティーボンド」を発行し300億円を調達するのも、賃料減免による減収を補う目的があるからだ。密を避けるための戦略も打ち出す。混雑のピーク時を避けて食事をした顧客には電子マネー「ワオン」ポイントをイオンモール側の負担で付与。一部のイオンモールでは飲食店のテークアウトのイベントを支援策の一環で始めた。

■「ららぽ」はネットと連携
郊外型の商業施設「ららぽーと」を手掛ける三井不動産は、広場やマルシェなど子連れも楽しめる場所を拡充する戦略を打ち出し、子育て世代に優しい施設作りに力を入れてきた。コロナ禍を機にさらに推し進めるのがネットとの連携だ。

「ららぽーと」などの店とスマホなどから注文できる通販サイト「&mall(アンドモール)」と連携。ネットの利便性を生かしつつ、体験できる場としてリアルの楽しさを訴求する。今後も新規出店には意欲的だ。

新たな担い手も出始めた。ディスカウント店「ドン・キホーテ」などを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が、JR仙台駅前の旧さくら野百貨店仙台店を複合施設に建て替える計画が進む。

旧さくら野は17年の閉店後、地権者間の調整が難航し建物が3年以上放置されてきた。PPIHは旧さくら野の土地と建物の大部分を取得。ホテルや商業施設など複合施設に再開発する方針だ。

長引くコロナ禍という逆風の中、競争は激しさを増す。密を避ける形でのにぎわいをどう創出するか。廃虚モールへの道を歩まないためにも、テナントと共存共栄するための工夫は欠かせない。

(河野祥平、古川慶一、名古屋支社 細田琢朗、仙台支局 田村匠)

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三菱自動車、希望退職500~600人募集へ 業績回復急ぐ

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64286970W0A920C2000000/

『三菱自動車が11月中旬~下旬にかけて、本社など国内の社員を対象に500~600人規模の希望退職を募集することが分かった。同社は7月に発表した中期経営計画で、希望退職や新規採用の抑制を通じて間接労務費を2021年度末までに19年度比15%削減すると表明していた。固定費全体も同2割以上減らす計画で、低迷する業績の回復につなげる。

三菱自単体の従業員数は19年度末時点で約1万4000人。今回の希望退職の対象となるのは、本社や岡崎製作所(愛知県岡崎市)、水島製作所(岡山県倉敷市)などで働く45歳以上の管理職などの社員だ。

加藤隆雄最高経営責任者(CEO)は今年7月のインタビューで「利益を上げているかどうかを問わず、全ての国・地域が対象になる」としていた。三菱自は同5月、タイで既に早期退職の募集を実施した。

三菱自は過去の拡大戦略の不振と新型コロナウイルスの感染拡大による販売減少が響き、21年3月期の連結最終損益は3600億円の赤字(前期は257億円の赤字)を見込む。

新たな中期経営計画では間接労務費の削減と並んで、欧州での新車投入の凍結や、子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)の工場閉鎖なども盛り込んだ。今後は強みを持つ東南アジア市場に注力する。日産自動車、仏ルノーとの3社連合で新車の共同開発や受託生産などにも取り組み、収益回復につなげたい考えだ。

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アルツハイマー病治療薬 発病前に阻止する戦略に転換

アルツハイマー病治療薬 発病前に阻止する戦略に転換
日経サイエンス
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64169110U0A920C2000000/

 ※『アルツハイマー病では多くの場合、50代で脳内にアミロイドβの蓄積が始まる。このときは何の症状もない。60代の後半から別の異常たんぱく質「タウ」が蓄積し、神経細胞が死滅し始める。すると「知人の名前が出てこない」といった軽度な認知能力の低下が起きるが、社会生活に支障はない。タウの蓄積が進むにつれて神経細胞が減っていき、ついにアルツハイマー病を発症する。一度減ってしまった神経細胞が増えることはないので、発症前にアミロイドβの蓄積を防ぐ必要がある。』

 ※「知人の名前が出てこない。」とか、日常茶飯事だぞ…。軽度の認知能力の低下に、見舞われているわけだ…。

 ※ もはや、「神経細胞の死滅」が生じている可能性が、高いわけだな…。ヤレヤレだ…。

『9月は世界アルツハイマー月間だ。日本には約600万人の認知症患者がいるとみられ、その7割をアルツハイマー病が占めている。アルツハイマー病は1906年に最初に報告されたが、100年以上たった今でも根治薬は存在しない。アルツハイマー病の治療薬を研究している理化学研究所脳神経科学研究センターの西道隆臣チームリーダーに、治療薬の今後の展望について寄稿してもらった。

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アルツハイマー病治療薬の研究は、転換点を迎えている。これまで患者の脳に異常たんぱく質の「アミロイドβ」が蓄積するのを防ぐ、あるいは蓄積したたんぱく質を除去する薬の開発が積極的に進められてきたが、その多くが失敗した。近年、アルツハイマー病には感染症でいう「潜伏期間」のような無症状の期間が約20年もあることが明らかになり、発症してから治療するのではなく、無症状の間に病気の進行を食い止めて発症を防ぐほうが効果的だと考えられるようになった。

アルツハイマー病では多くの場合、50代で脳内にアミロイドβの蓄積が始まる。このときは何の症状もない。60代の後半から別の異常たんぱく質「タウ」が蓄積し、神経細胞が死滅し始める。すると「知人の名前が出てこない」といった軽度な認知能力の低下が起きるが、社会生活に支障はない。タウの蓄積が進むにつれて神経細胞が減っていき、ついにアルツハイマー病を発症する。一度減ってしまった神経細胞が増えることはないので、発症前にアミロイドβの蓄積を防ぐ必要がある。

なぜ異常たんぱく質が蓄積するのかというと、分解が進まないためだ。体内のたんぱく質は、合成と分解のバランスによって適切な量に保たれている。この分野の研究は日本の「お家芸」で、大隅良典東京工業大学栄誉教授をはじめ多くの日本人研究者が貢献してきた。

私たちはマウスやラットを使った実験で、脳内でアミロイドβを分解する酵素を突き止めた。この酵素は、加齢とともに作られる量が減ってくる。さらにこの分解酵素を活性化する因子を探し、ソマトスタチンという神経ホルモンを見いだした。ソマトスタチンが神経細胞の膜にある受容体に結合すると、細胞内で一連の反応が起き、分解酵素が活性化される。ソマトスタチンに代わって受容体に結合する薬を開発できれば、アミロイドβの分解を促進できるとみられる。

幸いなことに、ソマトスタチン受容体は、ヒトの体に800種類ほどある「Gたんぱく質共役受容体」(GPCR)の一種だとわかった。一般に酵素は複数の物質に結合するが、GPCRは特定の1つとしか結合しない。このためGPCRに結合する薬は体内のほかの作用に影響せず、安全な薬になる可能性が高い。またGPCRに作用する薬は、化学的に合成できる。アルツハイマー病に対しては抗体医薬の開発も進んでいるが、抗体は細胞に産生させて作る必要があるためコストが高い。アルツハイマー病患者は5年後には日本で500万人に達するとの推計もあり、安価に製造できる薬が求められている。

(理化学研究所脳神経科学研究センター 西道隆臣)

(詳細は9月25日発売の日経サイエンス11月号に掲載)

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