西側最大の砲兵戦力を保有する韓国、NATO事務総長がウクライナ支援強化を要請
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/south-korea-wests-largest-artillery-force-nato-chief-calls-for-more-aid-to-ukraine/
『訪韓中のソウルでNATOのストルテンベルグ事務総長は「韓国にも弾薬提供で協力してほしい」と強く要請、交戦国に武器を提供しないという政策を掲げた国も「方針を転換している」と付け加えた。
参考:NATO’s chief urges South Korea to step up military support for Ukraine
韓国軍備蓄には米軍備蓄を超える155mm砲弾が眠っている可能性が高いが、、、
交戦国に武器を提供しないという方針を掲げてきたドイツ、ノルウェー、スウェーデンいった国々はウクライナ侵攻が現実のものになると政策を転換、中立のスイスも「自国製兵器の再輸出禁止宣言の無効化」と「戦争物資法18条の改正」に動いており、NATOのストルテンベルグ事務総長が「韓国にも弾薬提供で協力してほしい」と強く要請して注目を集めている。
出典:NATO
訪韓中のストルテンベルグ事務総長はウクライナへの弾薬支援が緊急の課題だと言及し「韓国にも軍事支援の具体的な問題についてステップアップしてほしい」と強く要請、この問題(武器を提供するかしないか)を判断するのは韓国自身だが「NATO加盟国の中にも方針を変更した国がある」と付け加えており、事実上「同様の政策を掲げていた国々が方針を転換しているので韓国もそれに続いてほしい」と主張しているに等しい。
既にNATO加盟国や欧州諸国以外の国々(オーストラリア、ニュージーランド、モロッコなど)もウクライナへの軍事支援に乗り出しており、韓国も155mm砲弾を米国に輸出することで「間接的な弾薬供給(韓国製155mm砲弾の米国なのでウクライナへの移転は不可)」に参加しているが、ストルテンベルグ事務総長が要請しているのは「ウクライナへの直接支援」なので尹大統領が応じるかどうかは謎だ。
出典:WiaMil/CC BY-SA 4.0 KH-179 155mm榴弾砲
韓国は西側陣営最大の砲兵戦力(155mm規格の榴弾砲や自走砲を3,000門以上)を保有しているため、韓国軍備蓄には米軍備蓄を超える155mm砲弾が眠っている可能性が高いものの北朝鮮有事に備えたものなので、これをウクライナに提供しろと言うのは中々難しいものがある。
関連記事:米国が韓国から155mm砲弾を購入か、ウクライナ提供分の補充目的
関連記事:米メディア、ウクライナへの砲弾提供はイスラエルと韓国のものでカバー
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army Photo By Pfc. Dasol Choi K-9サンダー
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投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 70 』
『 samo
2023年 1月 30日
補足になるが、北朝鮮単独では韓国軍には絶対に勝てない。
韓国軍の戦力は、北朝鮮の同盟を組む中国軍との合同による侵攻を想定したものになっているから、
北朝鮮単独相手となれば、その韓国軍の戦力は北朝鮮のそれを圧倒している。
北朝鮮はソウルといった韓国北部の都市の確証破壊によって安全保障を成り立たせている状況だけれど、
韓国軍の通常戦力が高度に発達しまくったおかげで、この確証破壊もかなり無力化されているといわれているし、
北朝鮮軍が韓国軍に単独で勝つ可能性はゼロに等しい上に、韓国の国力基盤破壊すらできるか怪しい。
つまり、中国軍との合同軍以外でしか韓国を侵略することは不可能であるため、
仮に侵略するという想定を行うならば、中国への非難も同時に起こることを意味している。
これでNATOが支援しないっていう可能性は流石に排除していいよ
もちろん程度の差はあれど。
その程度を上げることには今回の話は役立つだろうから、それを天秤にかけることになると思う。
当然それはNATO側も理解していないわけがないから、なんの見返りもなしということはないかと。
22 』
『 ネコ歩き
2023年 1月 30日
韓国の戦車等重装備や銃砲弾の生産設備能力は、平時から戦時生産規模が保持されているとのことです。
ポーランドの早期納入要望に応えられたり、米軍等が砲弾の緊急補充分を韓国に発注したのもそういうことらしい。
ちなみに韓国陸軍の戦闘予備弾薬の保有量は30日分を基準としているそうです。
6
STIH
2023年 1月 31日
返信 引用
>平時から戦時生産規模が保持
流石ですね。やっぱり所詮停戦状態だし、侵攻してきたら陸戦中心だから砲と弾の数があってなんぼでしょうから。そりゃ陸戦装備の生産能力は西側随一か。当然釜山あたりに生産設備を用意してるんでしょうか。
それでもK2は韓国陸軍向けをポーランドに廻していてまずいんじゃないかって記事が朝鮮日報?あたりに出てましたが。
6
ネコ歩き
2023年 1月 31日
返信 引用
韓国陸軍は1,500輌以上のK1、K1A1、K2の他、800輌近いM48A3KとM48A5が現役ないし予備保管とされてます。K2は今後M48系を代替していくと思われますが、現状では北朝鮮軍単独の韓国侵攻は返り討ちの可能性が非常に高く、中露が侵攻を後押しする蓋然性も極めて低い情勢でしょうし、韓国側から戦端を開くことは国益的にも現実的ではありません。
つまり韓国陸軍にとってK2調達は緊急性が高くないと思われます。
ポーランドが大口顧客になった今、現在生産中のロットはより高く売却でき、次以降のロットはより安価に調達できるようになります。
そのくらいの目端は利かしているのではと思いますが。
1 』
『 折口
2023年 1月 30日
韓国とロシアの関係で言うと天然ガス供給の問題がメインで語られますけど、ウラジオとの近さ故に日本以上に色々な商関係があるみたいですからね。ユン政権は保守政権で国際協調を重視しているとはいえ、例えばロシアが韓国に対して日本並の取引制限を課したら韓国が被る被害は日本の比較にならないでしょう。天然資源の輸入先についても韓国は日本ほど多角化の準備が整っていないので、ガス供給停止を示唆されるだけでも韓国内・アジア市況ともに混乱するでしょう。
中国がつけた先鞭の例からも明らかですけど、韓国の経済は日本と比べても制裁に弱いです(日本の経済産業省の輸出規制にすら結局対抗らしい対抗はできませんでした)。その割にインド太平洋地域での存在感は大きく、ひとたび構造的不況でも起きれば97年の通貨危機のときのように周辺国を巻き込んで停滞させるリスクもあるように思います。その意味からも、韓国をあまりせっつかない方がいいのではないかと自分は思うんですよね。ヨーロッパの防衛か、アジアの経済安全保障かという二択にされちゃうと辛いところですけど、突き詰めるとそういう話なんじゃないかと思いました。
25 』
『 鼻毛
2023年 1月 30日
韓国はこんなにたくさん砲兵戦力を持っていたんですね。朝鮮戦争の人海戦術に対する戦訓でしょうか
5
2023年 1月 30日
返信 引用
と言うより日本やイギリス、アメリカは別として陸続きの隣国が敵国なら砲兵戦力多くするしかない。島国でも砲兵は重要だけど日本の場合、土地の形の問題で沿岸部をカバーしようと言うのはそもそも無理な話だからそれ以外の戦力にリソースを割かざるを得ない。少なくとも対ソ戦を主眼においた北海道防衛メインのドクトリンの時代と比べたら圧倒的に重要度は下がる。
28
samo
2023年 1月 30日
返信 引用
その証拠に、南西諸島には野戦特科部隊は一つも存在していないしね。
幅数キロ以内しかない島々のみだから、歩兵でも携帯できる迫撃砲でも余裕で島の全領域をカバーしきれてしまう
本土防衛でもない限りは、日本は砲兵の出番はほぼない
7 』