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機動戦は単なる作戦術 (U.S. NAVAL INSTITUTE)
https://milterm.com/archives/3464『2023年12月15日 / 最終更新日時 : 2023年12月15日
先に紹介した「戦場で決心を下す (Marine Corps Gazette)」の執筆者の今年11月の論稿である。
この論稿ではMCDP-1「用兵(Warfighting)」に焦点を当て、1989年の『米艦隊海兵隊マニュアル1:用兵(Warfighting)』の制定以来、基本的にドクトリンの見直しが行われてこなかったMCDP-1について見直しを提案するものとなっている。
その考えの根底には、機動戦(maneuver warfare)に頑なにこだわることへの疑問がある。
本投稿を読むにあたって、これまでMILTERMで取り上げてきた米海兵隊機関誌「Gazette」の「Maneuverist Paper」の「米海兵隊の機動戦―その歴史的文脈- Maneuverist #1」から「機動戦理論の進化 Maneuverist #23」を参照し、筆者が指摘する機動戦主義者(maneuverist)の強い思い入れを確認すると筆者の意味するところの理解が深まるのかもしれない。(軍治)
機動戦は単なる作戦術
消耗の学と機動の術を合成してMCDP-1を手直しする
Maneuver warfare Is Just Operational art
Rework MCDP-1 to synthesize the science of attrition with the art of maneuver.
By Major Christopher Denzel, U.S. Marine Corps
November 2023
Proceedings
Vol. 149/11/1,449
クリストファー A.デンゼル(Christopher A. Denzel)米海兵隊少佐は米海兵空地タスク部隊(MAGTF)の計画担当者兼インテリジェンス将校で、現在は米第3海兵遠征軍(III MEF)の緊急事態計画チーム(G-5)に所属している。米陸軍高等軍事研究学校(SAMS)と米国立インテリジェンス大学を卒業。アフガニスタンと第24海兵遠征部隊(24th MEU)に派遣された経験を持つ。
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米海兵隊の基本的なドクトリンである米海兵隊ドクトリン公刊物(MCDP)1「用兵(Warfighting)」は、米海兵隊に大きな文化的影響を及ぼしてきたため、これを書き換えるという議論には異論がある。
しかし、書き直さなければならないのは、それが間違っているからではなく、戦争の性質と本質を混同する形で組み立てられているからである。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」の機動戦(maneuver warfare)コンセプトの根本的な問題は、それを表す用語「作戦術(operational art)」がすでに存在することである。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」は当初、1989年に『米艦隊海兵隊マニュアル1:用兵(Warfighting)』として発表された。
それ以前の機動戦(maneuver warfare)の議論は、ベトナム戦争の失敗に取り組んでいた。ベトナム戦争では、一見科学的な戦争の方法(way of war)が戦術的な成功を戦略的な勝利に結びつけられなかった。
同じような失敗を検討した米陸軍は、同じような考えを発展させ、現在では作戦術(operational art)として知られる、作戦と戦略上の最終目的を達成するために戦術的行動をデザインし、連動させようとするものにした。
しかし、「用兵(Warfighting)」は、軍事理論家で空軍退役軍人のジョン・ボイド(John Boyd)のしばしば不可解な考え、特にOODAループ(観察、方向づけ、決定、行動)に強く影響されていた。
ロバート・タフト(Robert Taft)上院議員やゲーリー・ハート(Gary Hart)上院議員の側近として物議を醸したビル・リンド(Bill Lind)は、ボイドを根本的に解釈し、機動戦(maneuver warfare)で表現される彼のアイデアのいくつかを熱心に支持した。
米海兵隊は、感情的なドクトリンに終始したが、それでも調和された戦争観(view of war)を提供しているように見えた。そしてその見解は、米海兵隊員が敵を倒すための作戦アプローチを想像することを可能にした。
米陸軍は、1980年代の機動戦(maneuver warfare)の議論の感情にやや押され気味で、作戦術(operational art)という言葉を使って、それほど刺激的ではないが、論争も少ない思想を展開した。
この堅実なアプローチは、米海兵隊の機動戦(maneuver warfare)のように野火のように広がることはなかったが、戦いへのアプローチの方法に関する統合部隊の思考を徐々に支配するようになった。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」は、単一の戦い(warfare)を他の何よりも尊重している。
それは、機動(maneuver)を、戦い(warfare)を理解するための主要なレンズにし、そのため、読者は作戦術(operational art)を理解するのに混乱する。
その結果、多くの人が戦争の本質(nature of war)を誤解し、機動戦(maneuver warfare)の性質と混同してしまう。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」を更生させることは可能である。
しかし、そのためには、米海兵隊が戦い(warfare)について信じていることと、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の主張との間にますます明白になっている溝を埋める必要がある。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」を改訂する者は、「機動戦(maneuver warfare)」に関するMCDP-1「用兵(Warfighting)」の問題のある主張を、首尾一貫した戦いの方法論の理論(theory of warfare methodologies)と調和させる必要がある。
2023年8月、カリフォルニア州キャンプ・ウィルソンでの演習中、移動式燃料ステーションで突撃水陸両用車を誘導する第2海兵兵站群の米海兵隊員。作戦術(operational art)は、兵站の学と術を包括する。
米海兵隊(写真:クリスチャン・サラザール:Christian Salazar)
戦争について:On War(fare Methodology)MCDP-1「用兵(Warfighting)」が解釈するように、機動戦(maneuver warfare)は定義上欠陥があり、内部的に矛盾のない戦争理論(theory of war)には当てはまらない[1]。
その構造は、消耗(attrition)と機動(maneuver)の間に誤った二分法を生み出す。しかし、この二項対立が注目されることで、現代の作戦コンセプトにとって重要な第三の方法、すなわち陣地戦(positional warfare)も覆い隠されている。
これら3つの方法‐消耗戦(attrition warfare)、陣地戦(positional warfare)、機動戦(maneuver warfare)‐の首尾一貫した定義は、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の機動戦(maneuver warfare)の技法をある著者が「空想(fantasy)」と呼ぶものにしている[2]。
2022年10月の米海兵隊ガゼットで、私は米陸軍のドクトリンと軍事理論家エイモス・フォックス(Amos Fox)の言葉を借りて、この3つの方法を、それらが追求する「撃破(敗北)メカニズム(defeat mechanisms)」によって定義した。
この図式では、
消耗的技法(attritional techniques)は「敵の闘う能力容量(capacity)を低下させる方法」である。
陣地的技法(positional techniques)とは、「敵の闘う能力(capability)を低下させる方法」である。
機動戦(maneuver warfare)の技法は、敵の「闘う意志(will to fight)」を低下させる[3]。
「消耗的手法(attritional methods)」の成果を検証するのは最も簡単である。「機動の手法(maneuver methods)」はそれが最も難しい。
同時に、消耗(attrition)の成功は覆すのが最も難しく、一方、作戦(maneuver)の漠然とした成功は覆すのが最も簡単である。高い検証可能性と低い可逆性を併せ持つ消耗的技法(attritional techniques)は、望ましい最終状態を達成するための、より信頼性の高い方法なのである。
この推論を発展させれば、MCDP-1「用兵(Warfighting)」をより有用なものにする方法が見えてくる。
戦いの方法の反証可能性:The Falsifiability of Warfare Methods
反証可能な主張は、実験によって反証することができ、測定可能な証拠によって異議を唱えることができる。このようなテストが適切に行われれば、与えられた仮説が正しい可能性が高まる。もし戦闘が勝利の理論をテストするのであれば、戦闘がその理論の有効性を証明するためには、そのような理論は測定可能な(したがって、反証可能な)「撃破(敗北)メカニズム(defeat mechanisms)」に頼るべきである。
勝利はどんなに満足のいくものであっても、証明としては不十分である。この目的のために用兵の方法(warfighting methods)を確実にテストすることなく、指揮官は勝利のために主に直感に頼っている。
モーリス・デュクロ(Maurice Duclos)米陸軍准尉は、時間、空間、物資という作戦上の要因が、競争における測定可能な唯一の要因であると主張している[4]。
デュクロ(Duclos)は、特殊作戦部隊が、単に概要を説明するだけの活動ではなく、測定可能な形で競争に貢献する活動に集中できるよう、この考え方を発展させた。
議論は単純だ。ある活動の測定効果を明確にできないのであれば、その活動を優先すべきではない。作戦の測定効果を見積もったが達成できなかった場合は、その活動を再調整するか、中止すべきである。
デュクロ(Duclos)の定式化では、資材係数は「消耗的手法(attritional methods)」に相当する。物資とその破壊を計測することは戦争において最も簡単な計測であり、戦車は簡単に数えることができる。時間と空間はより陣地的優位性(positional advantage)に関係し、測定はより困難である。
これらは複雑な方法で相互に関連しており、戦闘員の能力に応じて変化する。時間的に優位性を獲得すれば、空間的にはコストがかかるのが普通であり、その逆もまた然りである。
熱心な機動戦主義者(maneuverist)は、時間的優位性(テンポ)を達成することが機動戦(maneuver warfare)の重要な要素だと主張するかもしれない。
これは誤解である。時間的優位性は、主に陣地的優位性(positional advantage)や消耗的優位性(attritional advantage)を可能にする。
つまり、緊要地形(key terrain)で敵対者を打ち負かしたり、重要な資材を置き換えるよりも早く破壊したりすることである。しかし、時間そのものには戦闘の意味はない。
米海兵隊ローテーション部隊ダーウィン22の米海兵隊員は、飛行場占拠の際、MV-22オスプレイが着陸のために接近してくるので、防御態勢を確立する。MCDP-1「用兵(Warfighting)」が、機動戦が失敗する可能性を考慮していないことは憂慮すべきことである。アプローチに失敗した場合の暗黙のアドバイスは、よりハードに機動せよというものである。
(写真:米海兵隊シーダー・バーンズ)
無関係なコンセプト(テンポ)を機動戦(maneuver warfare)と混同しているのも、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の欠陥の一つである。敵のOODAループを認知的(cognitively)に「アウトサイクル(out-cycling)」することは、スピードによって得られる陣地的優位性(positional advantage)や消耗的優位性(attritional advantage)の二次的な結果であり、認知的効果(cognitive effect)はスピードそのものから生じるものではない。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」がこれと同じ指摘をしているとき、重要なのは相対的スピード(relative speed)であることを明確にしているが、この速度がどのような効果をもたらすべきかは明言されていない。ドッグファイトでは、相対的スピード(relative speed)によって一方のパイロットが他方のパイロットを撃墜することができる。このように、OODAの「A(act:行動)」は「消耗(attrition)」である。
測定不可能な戦争の方法は非科学的である。デュクロ(Duclos)の測定可能な要因のリストには、意志、士気、結束力、そして機動戦(maneuver warfare)が依拠するその他の無形要素が含まれていない。これらの無形要素は重要でないわけではなく、信頼性の低い遠くの代理人以外には測定できないだけである。したがって、これらの無形の要因に基づく軍事的アプローチは、信念(faith)に基づいて行われる戦い(warfare)である。それは訓練することも、計画することも、評価することも、変更することもできない。
これによって機動戦主義者(maneuverist)は、機動戦(maneuver warfare)の失敗は単にそれを正しく行えなかっただけであり、消耗戦(attrition warfare)の成功はその核心において密かに機動戦主義的(maneuverist)であると主張することができる。「本当の機動戦主義者(maneuverist)なら成功しただろう」。
もし「本物(real)」の機動戦主義者(maneuverist)と「下手な(bad)」機動主義者を見分ける唯一の方法が、事後的に成功を判断することであるならば、そのコンセプトは測定不可能であり、したがって反証不可能である。この論理的誤謬は、「真のスコットランド人なし(No True Scotsman)」という名前があるほど一般的である。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」の主張の一例として、重心分析(center-of-gravity analysis)を使って、ターゲットとした消耗が敵の意志を崩壊させると考えてみよう。これはどのように測定できるのだろうか?結果(おそらく降伏)によってか?これは何の役にも立たない。なぜなら、価値の高い消耗(high-value attrition)だけが測定可能な行動だったからである。
もし指揮官が、この消耗(attrition)が兵力の補充や再構成の能力を上回ることを予見して降伏したことを明らかにすれば、消耗戦(attrition warfare)の定義を確認できたにすぎない。「機動戦(maneuver warfare)」の会戦(battle)や戦役(campaign)中の進捗状況を測定することは、闘いを中止するという決定が瞬時に下される(決して可逆的なものではない)ため、不可能である。
このため、米海兵隊ガゼット誌(Marine Corps Gazette)に掲載された10年にわたる「消耗主義者の手紙(Attritionist Letters)」や「機動戦主義者論文(Maneuverist Papers)」シリーズが明らかにするように、機動戦(maneuver warfare)に関する議論は非現実的で疲れるものとなる。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」は機動戦(maneuver warfare)に偏重しているため、検証不可能な単一の勝利の理論に基づく脆弱なドクトリンとなっている。哲学を越えて応用に入ると、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の機動戦(maneuver warfare)は、それが嫌う消耗戦(attrition warfare)と区別がつかなくなる。たとえそれが(公平に)効率的な消耗(attrition)であったとしても、機動戦主義者(maneuverist)がそうだと言えば、それは機動戦(maneuver warfare)なのである。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」は、戦いの方法(warfare methods)を不正確かつ不完全に定義することで、これを可能にしている。この問題は、遠征前進基地作戦(expeditionary advanced base operations :EABO)が機動戦(maneuver warfare)と矛盾しないかどうかをめぐる無意味な論争に見られる。擁護派はそうだと主張する。戦力デザイン反対派はそうではないと主張する。
米海兵隊員がこのような基本的な評価をめぐって意見を異にできるのは、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の不完全で混濁した戦いのコンセプトがせいぜい曖昧だからにほかならない。一方、この議論は、遠征前進基地作戦(EABO)が機能するかどうかという重大な問題から目をそらしている。
しかし、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の論理がそれほど脆弱であるなら、なぜ米海兵隊は戦場でもっと頻繁に失敗しないのだろうか?米海兵隊が戦術的に成功するのは、彼らが実際に採用しているのが、敵と接近し、敵を破壊する陣地的手法(positional techniques)と消耗的技法(attritional techniques)だからである。
米海兵隊がそうしているのに、それを機動戦(maneuver warfare)と呼ぶのは、認知的不協和(cognitive dissonance)の問題である。MCDP-1「用兵(Warfighting)」は作戦術(operational art)の説明としては不十分かもしれないが、ルーツを共有し、アプローチが似ているため、この出版物は広く有用である。
書き直しの輪郭:The Contours of a Rewrite現在のMCDP-1「用兵(Warfighting)」は、戦争の本質(nature of war)と単一の戦いの方法の性質(character of a single warfare method)を混同している。さらに悪いことに、あらゆる状況に対応できる単一の優れた戦争形態が存在することを暗示し、目的、方法、手段の間の戦略的連関を断ち切っている。米海兵隊は、「用兵warfighting()」を「機動戦(maneuver warfare)」から切り離す必要がある。
また、作戦アプローチにおいて、敵の意志が直接ターゲット可能(targetable)になりうるという考え方も、軍種は捨て去るべきである。無形要素がいかに重要であろうとも、それを訓練や戦争の計画策定に反映させる能力は消えゆくほどに小さい。
歴史的に実行された米国の戦争計画で、敵の意志をターゲットとすることに成功したものはない。また、敵対者の意志に影響を与えるような訓練はほとんどできない。生命や自由に対する真の脅威がない、部隊対抗(force-on-force)の訓練でさえ、実際の相手の意志を打ち砕くことはできない。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」の次の一節を考えてみよう。
摩擦(friction)に打ち勝つために不可欠な手段のひとつは、意志である。我々は、心と精神の持続的な強さで摩擦に打ち勝つ。摩擦(friction)の影響を克服するために我々自身努力している傍ら、我々は同時に、我々の闘う敵の実力(ability)を弱めるレベルに敵の摩擦(friction)を上げようとしなければならない[5]。
これは本質的に、米海兵隊員に対し、摩擦を意のままに切り抜けろというものである。さらに悪いことに、MCDP-1「用兵(Warfighting)」では、敵対者に相互の能力がないことを示唆しており、その代わりに、敵が本質的に劣っていると推測している。MCDP-1「用兵(Warfighting)」は次の段落で、この大胆な仮定を撤回し、摩擦を克服するために、意志ではなく、訓練と経験を利用するよう親切に助言している。しかし、MCDP-1「用兵(Warfighting)」における意志の役割は依然として大きい。
さらに、米海兵隊は「反証可能な(falsifiable)」勝利の理論を記述し、それぞれの優位性、不利、妥当性を明らかにする撃破(敗北)メカニズム(defeat mechanisms)を明確にしなければならない。これによって、戦場での適応が促され、指揮官は問題に対する信頼できる作戦アプローチを開発できるようになる。MCDP-1「用兵(Warfighting)」が、機動戦(maneuver warfare)が失敗する可能性を考慮していないことは憂慮すべきことである。その暗黙の助言は、失敗したアプローチに直面した場合、「より強く機動せよ(maneuver harder)」というものである。
複数の闘い方(way to fight)を説明することで、機動戦(maneuver warfare)の正統性の下に遠征前進基地作戦(EABO)の有効性を埋没させる熱狂的な議論を取り除くことができるかもしれない。米海兵隊のやることは何でも「機動戦(maneuver warfare)」でなければならないという暗黙の前提は、反知性的な戯言である。これは用兵(warfighting)であって、スペイン異端審問ではない。
用兵の原則(principles of warfighting)はすべてのドメインで適用されるべきだが、MCDP-1「用兵(Warfighting)」が空と陸という2つのドメインのドクトリンであることを理解せずに読むことはできない。残念なのは、海のドメインについてほとんど触れられていないことである。また、情報作戦(information operations)やサイバー作戦(cyber operations)は、物理的なドメインでの行動よりも、敵対者の意思に直接的に影響を与える可能性があると主張することもできる。しかし、両ドメインの記述がないのは、この出版物が古いことの証左である。
「2つのドメイン戦(two-domain warfare)」からの脱却は、統合部隊の中で米海兵隊をよりよく位置づけることになる(MCDP-1「用兵(Warfighting)」はこれを意味あるものとしていない)。第一次湾岸戦争(First Gulf War)が始まる前の1989年に書かれたMCDP-1「用兵(Warfighting)」は、ゴールドウォーター・ニコルズ※以前の考え方で書かれた、ゴールドウォーター・ニコルズ以後の米海兵隊の役割に関する文書である。
※ ゴールドウォーター・ニコルズ、とは、 1980年代に米軍が行ったイラン人質救出作戦やベイルート大使館爆破に対する作戦、それにグレナダ侵攻作戦において、各箪種聞の協力が失敗に終わったことの反省から 1986年に制定された米軍の統合を規定した法律で、米軍の指揮系統は、大統領から国防長官を経て各統合軍司令官へ至るようになった。
ゴールドウォーター・ニコルズ以前の考えとは、米海兵隊を管轄する米海軍と米陸軍との異なる指揮系統での作戦を前提として、米海兵隊独自の役割があるとする考えといえる。ゴールドウォーター・ニコルズ以後の米海兵隊の役割とは、統合部隊の一部として役割が与えられるという考え方である。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」は統合ドクトリンではなく、軍種のドクトリンであるが、近代的な統合部隊の創設から40年近くが経過した今、米海兵隊は統合の闘い(joint fight)における米海兵隊を想定した基礎的な出版物に値する。
最後に、これは最もトラウマになるであろうが、この出版物から「機動戦(maneuver warfare)」という用語を削除する。もし、消耗戦(attritional warfare)と陣地戦(positional warfare)が科学的で測定可能な戦争の方法であり、機動戦(maneuver warfare)がその応用における創造性にすぎないとすれば、適切な用語は作戦術(operational art)である。
1980年代以降、米海兵隊以外で「機動戦(maneuver warfare)」が「作戦術(operational art)」にゆっくりと置き換えられていることは、そのヒントになるはずだ。しかし、ほぼすべての米海兵隊員が、ドクトリンから機動戦(maneuver warfare)という表現を廃止することに感じるかもしれない嫌悪感は、現行版のMCDP-1「用兵(Warfighting)」が、専門家としての無執着ではなく、感情で戦いに臨むように我々を仕向けていることの何よりの証拠である。
学と術:Science and Art
MCDP-1「用兵(Warfighting)」の現在の形は、非科学的な戦争の方法を過度に強調し、陣地戦(positional warfare)という重要な方法を盲目にしているために欠陥がある。新入りの米海兵隊員を用兵の精神(warfighting ethos)に社会化する役割を担っているMCDP-1「用兵(Warfighting)」は、の役割は、いかなる書き換えにおいても維持されなければならない。しかし、MCDP-1「用兵(Warfighting)」が書き直されない限り、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の他の要素は、知的な議論を希薄にし、将来の紛争に関する革新的な思考を制限し、「機動戦(maneuver warfare)」を実用的な意味のない空っぽな陳腐な言葉に貶め続けるだろう。
MCDP-1「用兵(Warfighting)」を書き直すと台無しになるのではないかと心配する人もいる。MCDP-1「用兵(Warfighting)」の作者であるジョン・シュミット(John Schmitt)は、MCDP-1「用兵(Warfighting)」の執筆を「瓶の中の稲妻を捕まえるようなもの」と例えている。しかし、米海兵隊がMCDP-1「用兵(Warfighting)」が想定した機動戦(maneuver warfare)を実際に採用しないのであれば、それを台無しにしても害はない。米海兵隊は、米海兵隊員が感情的にならずにすむ、より使いやすいドクトリンを手に入れることになるかもしれない。それは良いことではないだろうか?
[1] Maj Christopher Denzel, USMC, “Achieving Decision on the Battlefield: Redefining Maneuver Warfare as Method, Not Philosophy,” Marine Corps Gazette 106, no. 8 (August 2022): 86–89.
[2] LtCol Thaddeus Drake Jr., USMC, “The Fantasy of MCDP 1: Is Maneuver Warfare Still Useful?” Marine Corps Gazette 104, no. 10 (October 2020): 33–37.
[3] Denzel, “Achieving Decision on the Battlefield.”
[4] Episode 62: “Time, Space, and Material: Metrics for Assessing Irregular Warfare,” Modern War Institute Podcast, 25 September 2022.
[5] U.S. Marine Corps, MCDP-1: Warfighting (Headquarters U.S. Marine Corps, 1997), 1-5–1-6.
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戦場で決心を下す (Marine Corps Gazette)
https://milterm.com/archives/3452『2023年12月14日 / 最終更新日時 : 2023年12月15日
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「機動戦は死んでいないが、進化しなければならない (www.usni.org)」、「機動は死んだ? (RUSI Journal)」、「現代陣地戦とそれに勝つ方法-Valerii Zaluzhnyi (athenalab.org)など、戦いの方法に関する議論がネット上で見受けらえるようになった。その中でも機動戦(maneuver warfare)について再考を促すような論調が見受けられる。ここでも、昨年、米海兵隊機関誌「ガゼット」での受賞記事(2022 Maj Gen Harold W. Chase Prize Essay Contest: Second Place)を紹介する。(軍治)
2022 Maj Gen Harold W. Chase Prize Essay Contest: Second Place
戦場で決心を下す
機動戦を哲学ではなく方法として再定義するAchieving Decision on the Battlefield
Redefining maneuver warfare as method, not philosophy
by Maj Christopher A. Denzel
Marine Corps Gazette • August 2022
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クリストファー A.デンゼル(Christopher A. Denzel)米海兵隊少佐は米海兵空地タスク部隊(MAGTF)の計画担当者であり、米陸軍高等軍事研究学校(SAMS)を卒業している。彼は現在、米第3海兵遠征軍(III MEF)のG-5に所属しており、不朽の自由作戦(OEF)に従軍し米第24海兵遠征隊(24th MEU)に所属した。
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米艦隊海兵隊マニュアル1(FMFM 1):『用兵(Warfighting)』が出版されて以来、機動戦(maneuver warfare)は信仰の対象となった。非生産的な議論が30年経っても頑固に続いていることは、機動戦(maneuver warfare)が専門的な言説に抵抗するようになったことを示している。
機動戦(maneuver warfare)は、敵を打ち負かす数少ない広範な方法のひとつではなく、戦いの哲学(warfare philosophy)のひとつとなり、将来の競争にとって重要な議論を混迷させている。
機動戦(maneuver warfare)に固執するあまり、戦略上の目標や作戦上の文脈、戦術的条件とは無関係に、最善の闘い方を主張し、軍種を愚の骨頂に陥れている。
私は、機動戦(maneuver warfare)は、戦法としての信頼性の低さを覆い隠す定義上の問題を抱えていると主張する。本稿では、機動戦(maneuver warfare)、消耗戦(attrition warfare)、陣地戦(positional warfare)を機動戦(maneuver warfare)と同等の手段として再定義し、各手法の信頼性を評価することで、米海兵隊員が機動戦(maneuver warfare)を採用したいと切に願っているにもかかわらず、消耗戦(attrition warfare)や陣地戦(positional warfare)を採用する理由を説明する。
機動戦(maneuver warfare)を再コンセプト化すると、敵を倒すには消耗戦(attrition warfare)と陣地戦(positional warfare)が望ましいことがわかる。タディアス・ドレイク・ジュニア(Thaddeus Drake, Jr.)米海兵隊中佐のような著者は、なぜ30年経っても「システム的崩壊(systemic collapse)が勝利を収めた明白な例を少なくとも1つ挙げることができないのか」と問いかけている[1]。
用語の定義:Definition of Termsある歴史家は、第一次世界大戦の塹壕戦(trench warfare)は陣地戦(positional warfare)であったと説得力のある表現をしている。また、MCDP-1「用兵(Warfighting)」と一緒になって塹壕戦を消耗的(attritional)と非難する者もいる[2]。一方、ドクトリン上の機動戦(maneuver warfare)の定義では、敵の闘う意志(will to fight)を打ち砕くには、有利な陣地を獲得し、敵の重要な能力や戦力を消耗させることが重要であると、コンセプトが混在している。明らかに、明確化が必要である。
2017年、エイモス・フォックス(Amos Fox)米陸軍少佐は、戦争を「戦場の状況に応じて陣地戦(positional warfare)、消耗戦(attrition warfare)、機動戦(maneuver warfare)の間で揺れ動く3部構成 “と表現した[3]。
米陸軍のドクトリンはフォックス(Fox)のコンセプトを支持し、敵部隊を打ち負かす効果として物理的、時間的、認知的の3種類を概説している。
以下の説明は、これらが消耗戦(attrition warfare)、陣地戦(positional warfare)、機動戦(maneuver warfare)の定義と密接に追跡することを示している。
消耗戦:Attritional Warfare
フォックス(Fox)は、消耗戦(attrition warfare)は「交戦国が損失を補充する以上のペースで、交戦国の装備、人員、資源を侵食、破壊する」と書いている[4]。
この定義を単純化すれば、「敵の闘う能力容量(capacity)を低下させる方法」となる。戦力を削ぐといっても、直接アプローチや正面攻撃は必要ない。重心分析(center of gravity analysis)は、間接的ではあるが、本質的に消耗的なアプローチ(attritional approach)を提供する。
陣地戦:Positional warfare
陣地戦(positional warfare)とは、「戦術、火力、移動などを駆使して、相手をある陣地から別の陣地へと移動させ、さらなる攻略を可能にする、あるいは、さらなる攻略のための地域へのアクセスを拒否すること」である[5]。
この定義を単純化すれば、「敵の闘う能力(capability)を低下させる方法」。陣地戦(positional warfare)はあまり論じられることがないため、この定義には詳細な説明が必要である。
高等軍事研究大学院の卒業生3人組(フォックスを含む)は、陣地戦(positional warfare)の復活についてこう主張している。
米国が原子時代を開始したとき、大国間の陸上戦争の支配的な性格は、作戦的機動(operational maneuver)から陣地的防衛へと移行した。
イギリスの理論家J.F.C.フラー(J.F.C Fuller)が主張するように、現代の陣地戦(positional warfare)の状況は、核保有国間の「物理的な」陸上侵攻を「時代遅れのもの(obsolete thing)」にしている。
ロシアや中国のような地域大国は、自国領土内のシステムを攻撃し、即座に戦略的エスカレーションを引き起こさない限り劣化させることができない、前例のない偵察・攻撃防衛を駆使して、主権と隣接する領土を守っている[6]。
要するに、対等な競争者は、消耗戦(attrition warfare)のエスカレーション技法には適さないのだろう。
対等な敵対者は、こちらが戦意(体制存続への存立的脅威)を脅かすことに成功すれば、「爆弾(the bomb)」に頼ることができるため、機動戦(maneuver warfare)も同様にエスカレートする可能性がある。残るのは、拒否戦略(strategies of denial)のように、軍事的優位性になるように戦力を行使する能力を競争者から奪う陣地戦技法(positional warfare technique)である。
この枠組みの中では、遠征前進基地作戦(EABO)とスタンドイン・フォース(SIF)は、主に陣地戦(positional warfare)に依存している。米海兵隊がこうした作戦コンセプトの有効性を実感するには、米海兵隊員は機動戦(maneuver warfare)に常に忠実(Semper Fidelis)でなければならないと感じることなく、陣地戦(positional warfare)について会話できるようにならなければならない。
同様に、米海兵隊員は、陣地戦(positional warfare)を採用することによって、多くの者が機動戦(maneuver warfare)と混同している近代戦の本質的原則(例えば、任務戦術や統合兵器)を捨てる必要はないことを理解しなければならない。
ウェイン・ヒューズ・ジュニア(Wayne Hughes, Jr.)米海兵隊大尉(退役)も、四半世紀前にこの混同を認識していた。「機動戦(maneuver warfare)が知的に闘うことにほかならないとすれば、その対極にあるのは「愚かな闘い(stupid warfare)」であって、消耗戦(attrition warfare)ではない」[7]。
度々寄稿しているタディアス・ドレイク(Thaddeus Drake)米海兵隊中佐を含む複数の軍事理論家や著者は、「システム的崩壊(systemic collapse)」が勝利につながった実例がないことを指摘している。(写真:米海兵隊報、2020年10月号)
機動戦:Maneuver warfare
フォックス(Fox)はドクトリンよりも機動戦(maneuver warfare)を「相手の心理的意志を攻撃し、相手が抵抗する意志を失うほど不利な立場に追い込むことを何よりも追求する」(強調)と狭義に定義している[8]。これとは対照的に、ドクトリンは、機動戦(maneuver warfare)は有利な位置から敵を攻撃するために機動しようとするものであるとして、機動戦(maneuver warfare)と陣地戦(positional warfare)の目的を混合している。
フォックス(Fox)はドクトリンを誤解しているのだろうか?陣地戦(positional warfare)を使って消耗戦(attrition warfare)を脅かし、敵対者の闘う意志(will to fight)を砕くことが機動戦(maneuver warfare)を定義するものなのか。この順序と結果によって機動戦(maneuver warfare)を定義するのは、ドレイク(Drake)が書いている空想(fantasy)である。
歴史はこの勝利の理論(theory of victory)をほとんど支持していない。さらに悪いことに、消耗戦(attrition warfare)が信頼に足る脅威となるためには、それが計画され、資源が確保されなければならない。そのため、機動戦(maneuver warfare)は敵に強制される枝葉の計画となり、友軍の方法が敵の選択肢となる。
このように、機動戦(maneuver warfare)の定義上の問題の核心を示す3つの選択肢がある。
第一に、ドクトリンにあるように、認知的効果(cognitive effects)を達成するための陣地戦(positional warfare)(または消耗戦(attrition warfare))の方法として機動戦(maneuver warfare)を定義することができる。
第二に、機動戦(maneuver warfare)の認知的効果(cognitive effects)を、その後の活用のための条件設定として説明できる。
第三に、より狭義には、物理的・時間的に大きなコストをかけずに認知的効果(cognitive effects)を得ようとする試みと定義できる。
最初の定義は、機動戦(maneuver warfare)を方法ではなく結果にしている。単に勝つことの利点を讃えるドクトリンは、読者に勝つための複数の方法を与えて、書き直した方がよいだろう。
第二の定義は逆の問題を提起する。機動戦(maneuver warfare)が方法ではなく条件になってしまうのである。機動戦(maneuver warfare)の議論では、敵の首尾一貫性を打ち砕くことに焦点が当てられることが多すぎる。
果てしない迂回(turning movement)が到達目標でなければ、消耗戦(attrition warfare)か陣地戦(positional warfare)で攻略するのが答えである。混乱状態にある敵は、破壊されるか移動させられない限り、再編成する。このため、機動戦(maneuver warfare)は精神的抑制のための戦術であり、勝利を達成するための方法ではない。
第三の定義は、消耗戦(attrition warfare)や陣地戦(positional warfare)の論理により合致しており、本稿ではこれを用いる。この定義は、機動戦(maneuver warfare)を空想の域に追いやり、30年以上経っても機動戦(maneuver warfare)の成功例を挙げることができないのはなぜかというドレイク(Drake)の疑問に答えるものである[9]。
それが本当なら、なぜなのか。後述するように、米海兵隊が機動戦の方法(maneuver warfare methods)を採用しないのは、怠慢ではなく、敵の意志(enemy’s will)を攻撃することは当てにならないという認識である。
方法の信頼性:Reliability of Method
プランとは、特定の状況下で成功または失敗した後にのみ検証される仮説である。状況は常に変化するため、指揮官はこのような実験を一度しか行うことができず、信頼できる方法を好むようになる。
信頼性とは、指揮官がまず実行を検証し、次にその成果を活用する能力(可逆性に依存する成果)によって構成される部分もある。この検証可能性と可逆性という2つの用語が、信頼性を調査するための基礎となる。
検証可能性:Verifiability
消耗戦(attrition warfare)は本質的に検証可能である。敵の欺瞞や損失を隠そうとする試みによって検証可能性は不完全になるが、破壊された資源は観察し解釈することができる。
陣地戦(positional warfare)は、主観的である陣地優位と、さらに不確実性を増す搾取やアクセス拒否を必要とする。このため、陣地戦(positional warfare)は検証可能性が低い。
機動戦(maneuver warfare)は最も検証不可能な方法である。なぜなら、「戦う意志」とは、指標があるにもかかわらず、それ自体が目に見えない決定だからである。
撤退が遅延戦術なのか、反撃のためのリセットの試みなのか、あるいは結束の破砕から生じる敗走なのか。指揮官は、戦意が「ここ」で失われ、「そこ」では失われないことを、どのようにして知るのだろうか?そして、どこからが「ここ」で、どこからが「そこ」なのか。
戦術的なタイムライン上では、指揮官は敵の意志(enemy’s will)を推測することしかできない。検証は数日後、数カ月後になることもある。降伏でさえ、誠意が証明されるのは事後になってからである。少なくとも、敵の意志(enemy’s will)を攻撃することは、莫大なインテリジェンス上の課題を伴う。
可逆性:Reversibility
消耗戦(attrition warfare)は、敵が補給するよりも早く資産を破壊するため、戦術的なタイムライン上では不可逆的となる[10]。破壊された戦車は、敵がどんなに幸運で賢くても破壊されたままであり、死んだ戦闘員には意志がないだけでなく、決して考えを変えない。
陣地戦(positional warfare)は、敵対勢力を移動させるか、ある区域へのアクセスを拒否しようとするものである。そのためのメカニズムは可逆的であり、陣地戦(positional warfare)も同様である。高地を取れば、敵は夜逃げするかもしれないし、他のユニットがあなたの陣地を側面から攻撃し、あなたを転覆させ、優位性を失うかもしれない。陣地優位には時間がかかる。
機動戦(maneuver warfare)の可逆性が明らかになったはずだ。闘う意志(will-to-fight)はすぐに逆転させることができる。援軍が現れ、包囲された敵の意志(enemy’s will)を回復することもある。敗走した部隊が復活することもある。また、包囲部隊が前進を行なえば、包囲された部隊は崩壊する代わりに後方地域の脅威となる。
本質的に可逆的なものは信頼できるのだろうか?軍事的保守主義はそうではないことを示唆している。戦闘という究極の争いの場では、指揮官は確定性を好む。
交渉人は人質犯を説得したり(闘う意志(will to fight))、犯人と人質の間に身を置いたり(位置的優位)することができる。それでも、警察が危機を終わらせるためには、文字通り手錠で人質の腕(能力容量(capacity))を奪う必要がある。
直感的な検証:Intuitive Validation
簡単な思考実験は、消耗戦(attrition warfare)の信頼性の優位性を示している。地対空ミサイルが作動しているのに向かって、ミサイル発射機が撃つ意志を失っていることを信じて飛行するパイロットがいるだろうか?どんなパイロットでも、何らかの「有利な立場(レーダーを妨害する)」を得てから、消耗(attrition)を通じて戦場から脅威を決定的に排除したいと思うだろう。
その場合でも、厳密な結節分析ではレーダーの破壊を好む(目標数が少なくても効果は同じ)が、パイロット(命にかかわる保守的な人)は、たとえミサイルがレーダーなしでは作動できなくても、ミサイルの破壊を好む。これは、撃つつもりのないものに弾の入っていない武器を向けないのと同じ理由である。
交戦相手の意志(belligerent’s will)を攻撃することは、本質的に可逆的であり、検証するのが非常に困難であるため、実際に実行するのは難しい。演習では実際の意志(real will)は影響を受けないので、訓練はより難しい。
機動戦(maneuver warfare)の神話は正しいと感じられるが、歴史的記録では消耗戦(attrition warfare)が優勢である。戦いの理論家たちは、四半世紀前にこのような空想的な機動戦観(fantastic view of maneuver warfare)から脱却した。しかし、米海兵隊の「機動戦主義者(maneuverists)」は、徹底して凝り固まったままである。
ここからどこへ向かうのか?:Where to Go from Here?
この分析は、機動戦(maneuver warfare)を軽んじるのではなく、機動戦(maneuver warfare)とは何か(そしてそうではないのか)についての理解を深め、米海兵隊員が戦場で勝利するための適切な方法を見極める助けとすることを意図している。
その意図は、米海兵隊員にいきなり陣地戦(positional warfare)や消耗戦(attrition warfare)の技法を採用するよう説得するのではなく、米海兵隊員がすでにそれらを使用していることを納得させることにある。
ドクトリンは、機動戦(maneuver warfare)が「米海兵隊のやること(what Marines do)」であるという建前を捨て、我々が使おうとする作戦コンセプトを支持する考え方を受け入れなければならない。さらに、方法の信頼性は、部隊が採用する方法を理解し、熟知することによっても構成されるため、ドクトリンと実践を調和させることが不可欠となる。
米海兵隊員が機動戦の方法(maneuver warfare methods)を実行していると思い込めば、実際に採用する陣地戦の技法(positional warfare techniques)や消耗戦の技法(attrition warfare technique)を失敗するに違いない[11]。
さらに、作戦戦術のようなベスト・プラクティスを機動戦(maneuver warfare)と混同することは、方法に関する真剣な言説を妨げる。「消耗主義者の手紙(attritionist letters)」や「機動主義者の論文(maneuverist papers)」のような藁人形演習は、機動戦(maneuver warfare)を米海兵隊の禁句にすることで、いかに専門的な言説を抑圧しているかの典型的な例である。このような強迫観念を抱く軍種は他にない。
基礎となるドクトリンは、戦術レベルおよび作戦レベルにおいて、競争の連続体(competition continuum)全体に適用可能な勝利の理論について、さまざまな選択肢を提供すべきである。それは、米陸軍ドクトリンの撃破(敗北)メカニズム(defeat mechanisms)から借用することもできる。
カリフォルニア州トゥエンティナインパームスの米海兵隊航空地上戦闘センターで行われた米海兵隊空地タスク部隊(MAGTF)用兵演習(MWX)は、米海兵隊員の複合火器と機動訓練に重点を置いている。
(写真:コートニー・ホワイト米海兵隊軍曹)。
また、指揮官の意図の方法の部分は、決まり文句(「敵をジレンマの角に立たせる」)やベスト・プラクティス(「諸兵科連合を使う」)ではなく、敵を倒すために意図された実際の方法を説明するために使うこともできる。
指揮官が「方法:私は敵の抵抗力を削ぐために消耗戦(attrition warfare)を用いる」と書く指揮官を想像するのは難しい。しかし、この嫌悪感は非合理的である(反対の「敵の闘う意志(will to fight)を消し去る」というのは、さらに不合理に聞こえる)。
指揮官がすでに採用している多くの方法は消耗的(attritional)である。考えてみよう。「敵対者のY能力を低下させるために、長距離砲を大量投入し、Xに対して攻撃的航空支援を出撃させる」。
米海兵隊空地タスク部隊(MAGTF)用兵演習(MWX)はまた、米海兵隊員に対し、部隊対抗の環境下で、同様の能力を持つ自由な思考の敵と戦うことを課し、機動戦、消耗戦、陣地戦をよりよく理解するための道筋を示す。
(写真:ジャクィリン・デイビス(Jacquilyn Davis)米海兵隊上等兵)
専門家は、MCDP-1「用兵(Warfighting)」が悪と呼ぶからといって、正しい道具を使いたがったり、その名前で呼ぶことにこだわったりすべきではない。戦いの形態(forms of warfare)を単に戦場で敵を打ち負かす方法として理解するならば、消耗戦(attrition warfare)や陣地戦(positional warfare)について成熟した話ができ、機動戦(maneuver warfare)を意味のある、使用可能な定義にまで落とし込むことができる。
機動戦(maneuver warfare)への盲目的な固執は、手段や最終目的に関係なく、軍種を固定された方法に縛り付ける。米海兵隊がMCDP-1「用兵(Warfighting)」を無視する理由は、このドクトリン上の拘束具にあるのかもしれない。
現在の作戦コンセプトと安全保障環境は、敵の戦意(enemy’s will to fight)を削ぐものではないことは自明である。接近阻止戦略(antiaccess strategies)に対抗し、敵の闘う意志(will to fight)が持続しているにもかかわらず、競争相手が目標を達成する能力を奪うことである。上記の定義によれば、このようなコンセプトは陣地戦(positional warfare)に大きく依存している。それなのに、我々がそれについてほとんど語らないのは、何とも奇妙なことである。
ノート
[1] サディアス・ドレイク・ジュニア(Thaddeus Drake Jr.)の「MCDP-1の空想(The Fantasy of MCDP-1)」米海兵ガゼット誌2020年10月号 (Quantico, VA)。この見解はドレイク一(Drake)人ではないし、ドレイク(Drake)が初めてでもない。軍事史家のハンス・デルブリュック(Hans Delbrück)も同様に、「会戦を伴わなくとも、敵がこちら側の求める条件を受け入れるようなところまで追い込む可能性は、究極的には、流血を伴わずに戦争を遂行することを可能にする純粋な機動戦略につながる。しかし、そのような純粋な機動戦略は、弁証法的なゲームに過ぎず、戦史上の現実の出来事ではない。」と結論付けている。(ハンス・デルブリュック(Hans Delbrück)『近代戦の夜明け(The Dawn of Modern Warfare)』ウォルター・J・レンフロー・Jr.(Walter J. Renfroe, Jr.)訳 [ネブラスカ大学出版、1990年])。政治学者リチャード・ベット(Richard Bett)が戦略の「幻想(Illusion)」について考察している中で、彼が提起している戦略の防衛策のひとつは、現実の世界では常に「賢すぎる」、「より複雑で洗練されたアプローチに直面した際の消耗の信頼性である。複雑な戦略を立てることは、アクティブな銘柄選びのようなものだ。リスクが高く、高いリターンが期待できるが、そのためにはウォーレン・バフェット(Warren Buffet)やビスマルク(Bismarck)のような並外れた人材が必要なのだ。消耗はインデックスのようなものだ:市場の上昇や軍事力の優位性といった基本的なトレンドが有利であれば、ゆっくりと、しかし確実に機能する」(リチャード・ベッツ(Richard Betts)『戦略は幻想か?』(国際安全保障 [マサチューセッツ工科大学出版局, 2000年秋]).最後に、カタル・ノーラン(Cathal Nolan)の作品『The Allure of Battle(会戦の魅力)』は、戦いの歴史において消耗が実質的に唯一の勝利のメカニズムであると結論づけている。「多くの戦争では、会戦による最終決着よりも、士気と物資の消耗が終局を意味する。たいていの戦争でもそうだ。どの時代においても、大国間の戦争ではほとんど常にそうである。いずれの場合も、戦略的損失は、先の戦術的成果をより大きな紛争における決定的なものとして受け入れることを拒否した敵との長期にわたる消耗の戦争の後に生じた」。(カタル・ノーラン(Cathal Nolan)「会戦の魅力:戦争の勝利と敗北の歴史」[オックスフォード大学出版局 2019年]).米海兵隊の規範から外れることを厭わなければ、他にも数え切れないほどの例がある。
[2] Headquarters Marine Corps, MCDP 1, Warfighting, (Washington, DC: 1997).
[3] Amos Fox, “A Solution Looking for a Problem: Illuminating Misconceptions in Maneuver-Warfare Doctrine,” Armor, (Fall 2017), available at https://www.benning.army.mil.
[4] “A Solution Looking for a Problem: Illuminating Misconceptions in Maneuver-Warfare Doctrine.”
[5] Ibid.
[6] Nathan Jennings, Amos Fox, and Adam Taliaferro, “The US Army is Wrong on Future War,” Modern Warfare Institute, (December 2018), available at https://mwi.usma.edu.
[7] Wayne Hughes Jr., “Naval Maneuver Warfare,” Naval War College Review, (Newport, RI: Naval War College, Summer 1997).
[8] “A Solution Looking for a Problem: Illuminating Misconceptions in Maneuver-Warfare Doctrine.”
[9] “The Fantasy of MCDP-1.”
[10] より長い時間軸で見ても、失われた資源を交換することは、紛争を維持する国家の能力に消耗をもたらす。新しい砲弾はすべて、他の兵器システムに使われなかった資金と金属を意味する。また、軍事資源に費やされる1ドルはすべて、国家の経済的福利に投資できない1ドルである。実際、歴史を通じて消耗戦が決定的な理由もここにある。
[11] これは、指揮官が機動戦であると信じている消耗戦や陣地取りの方法について、適切なパフォーマンスや有効性の尺度を形成することについては言うまでもない。MCDP 1が奨励する二枚舌は、指揮官が戦域について尋ねる質問が現実に即していないため、戦域を誤解する結果となる。
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米国のウクライナ支援資金が枯渇、最後となる支援パッケージを年内に発表
https://grandfleet.info/us-related/u-s-funding-for-ukraine-runs-out-final-aid-package-to-be-announced-by-the-end-of-the-year/『ホワイトハウスのカービー報道官は18日「年内に新たなウクライナ支援パッケージを予定しているものの、議会が追加資金を承認するまではこれが最後の支援になるかもしれない」と明かしため、米国のウクライナ支援は遂に資金が尽きてしまった格好だ。
参考:Lara Seligman
米国のウクライナ支援は遂に資金が尽きてしまったのだろう
ホワイトハウスのカービー報道官は6日、ウクライナ支援について超党派の支持がある上院が緊急予算1,105億ドル(ウクライナ支援600億ドル、イスラエル支援140億ドル、インド太平洋地域の同盟国支援20億ドルを含む)を否決したことを受けて「あと数週間でウクライナ支援は選択肢がなくなる」と懸念を表明し、バイデン大統領は「移民政策の変更=譲歩」について共和党と協議しているものの、下院は予定通り15日からクリスマス休暇に入ったため緊急予算の可決は来年に持ち越された。
BREAKING: The US is still planning to release one more package of military aid for Ukraine later this month. But that could be the last one until Congress acts to pass more funding: after that “we will have no more replenishment authority available to us” says NSC spox John Kirby — Lara Seligman (@laraseligman) December 18, 2023
カービー報道官は18日のブリーフィングで「年内に新たなウクライナ支援パッケージを予定しているものの、議会が追加資金を承認するまではこれが最後の支援になるかもしれない」と述べて「我々に物資を補充する権限がなくなる」と付け加えたため、米国のウクライナ支援は遂に資金が尽きてしまったのだろう。
因みに議会が最近可決した2024会計年度の国防権限法(NDAA)にはウクライナ支援として計6億ドル(2024年3億ドル+2025年3億ドル)が含まれているものの、この資金はウクライナ安全保障支援イニシアチブ(USAI)を補充するためのものなので、米軍備蓄から武器や弾薬を引き出してウクライナに提供する大統領権限(PDA)向けの資金ではない。
出典:pixabay
USAIはウクライナに提供する武器やサービスを「企業に発注するための資金」なので、USAI経由の支援はウクライナに届くまで長い時間がかかる。
追記:EUはハンガリーによって否決された「ウクライナに対する500億ユーロの経済支援」を来年の3月21日に予定されている首脳会議ではなく、2月1日に特別首脳会議を開催して協議するらしい。500億ユーロの経済支援を軍事支援と間違えている人が多いが、EUが予定している200億ユーロの軍事支援は協議自体が先送りされている。
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関連記事:バイデン政権、ウクライナ関連を含む計400億ドルの追加資金を議会に要求
関連記事:1度も使用されなかったウクライナ・レンドリース法、ウクライナ側は延長を要求※アイキャッチ画像の出典:PRESIDENT OF UKRAINE
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中国内陸部 甘粛省でM6.2地震 少なくとも111人死亡
https://news.yahoo.co.jp/articles/74b3721c474dbf94eb313c3a754210f68a1af799『12/19(火) 9:05配信
中国内陸部の甘粛省できのう深夜マグニチュード6.2の地震があり少なくとも111人が死亡しました。
中国中央テレビなどによりますと、きのう午後11時59分ごろ内陸部の甘粛省臨夏回族自治州でマグニチュード6.2の地震がありました。
倒壊した建物の下敷きになるなどしてこれまでに甘粛省で100人、隣接する青海省で11人、合わせて111人の死亡が確認され200人以上がけがをしました。
現在、消防ら2000人以上が救助活動にあたっています。
この地震を受けて習近平国家主席は救助に全力であたるよう指示を出しました。
現地では、地震の影響で山崩れが起きたとの情報もあり当局は、被害の把握を急いでいます。
テレビ朝日 』
『野嶋剛2時間前
ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授
報告補足習近平国家主席は救助対応に「重要指示」を発出したと新華社は報じています。震度はそこまで大きくはないですが、震源地は地表から10キロで、比較的浅い層で起きた地震ですので、建造物への揺れが激しくなりがちで、被害の拡大が心配されます。この地域はユーラシアプレートとインドプレートのぶつかるところで、大型の断層が各地にあり、今回も沈み込んだプレートが反発して起きるタイプの地震ではないかと中国メディアは報じています。
中島恵
中島恵2時間前ジャーナリスト
報告補足中国は早朝からこのニュースで持ち切りです。甘粛省のこの地域は回族が多く、周辺には保安族、チベット族など10以上の少数民族も住んでいます。現地報道によると、同地域は1900年以降、マグニチュード6以上の地震がこれまでに3回発生しています。今朝は気温マイナス12度という極寒の中、懸命な救助作業が行われていますが、午前4時以降、すでに90回以上の余震が発生しているとのことです。』
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北朝鮮 昨日発射のミサイルは新型ICBM「火星18」だと明らかに 打ち上げの様子を公開
https://news.yahoo.co.jp/articles/1093082230a0456fe0a0b61ff871973c83fb96cf
『12/19(火) 8:31配信
北朝鮮メディアは、18日に発射した弾道ミサイルは新型ICBM=大陸間弾道ミサイルの「火星18」だったと報じました。
19日付の朝鮮労働党の機関紙は、18日に行った固体燃料式の新型ICBM「火星18」の発射実験の様子を報じています。
実験は金正恩総書記と娘のジュエ氏も視察し、ミサイルは最高高度6518.2キロ、飛行距離1002.3キロで4415秒間(1時間13分35秒)飛行した後、日本海の目標水域に命中したということです。
金総書記は「恐るべき攻撃力と絶対的な核抑制力を誇示した」「ワシントンが誤った決断をすれば我々がどんな選択をするかを明確に示した」と述べたうえで、核・ミサイル開発のさらなる加速を指示したということです。
新型ICBM「火星18」の発射は高度や飛行時間が「新記録」とされた7月12日以来です。
テレビ朝日 』
『山口亮2時間前
東京大学先端科学技術研究センター特任助教
報告補足北朝鮮は今回の発射を「訓練」と位置付けているが、これは固体燃料式「火星18」が既に実戦配備済みで、指揮統制・管制や部隊の練度の確認したことを意味する。
固体燃料式ミサイルの場合、液体燃料式に比べ発射準備が非常に短いため、発射探知が困難になり、奇襲攻撃能力が高まる。
「火星18」の初発射から8ヶ月しか経ってないため、実際に実用可能かどうかは不明ではあるが、相当のペースで進んでいることは確かだ。
また、ミサイル自体だけでなく、指揮統制・管制、部隊の練度がどれだけ向上しているかが大きなポイントとなる。
北朝鮮が現在前倒しで進めている「国防科学発展および兵器システム開発5カ年計画」では、偵察衛星に加え、固体燃料式の各種弾道ミサイルを揃えてきている。
北朝鮮は引き続き、各種ミサイルの発射実験・訓練を行うと見られるため、日米韓やその他の国々が防衛力と協力・連携を強化し、新たな対策を構築する必要がある。』
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【速報】北朝鮮の弾道ミサイルの可能性があるもの すでにEEZ外に落下したとみられる 防衛省
https://news.yahoo.co.jp/articles/b0c372d9e4940b3e4ec12216c17d808196f4febf『12/18(月) 9:42配信
きのうの夜に続き、けさ、北朝鮮が少なくとも1発の弾道ミサイルを発射しました。ミサイルはつい先ほど落下したとみられるということです。
防衛省によりますと、北朝鮮はきょう午前8時24分ごろ、少なくとも1発の弾道ミサイルを発射しました。午前9時37分ごろ、日本のEEZ=排他的経済水域の外で、北海道・奥尻島の西方およそ250キロの日本海に落下したと推定されています。
岸田総理
「私の方からは国民の皆さんに対する情報提供と、さらには安全確認を徹底するよう指示を出したところです。そして、現在のところまで被害は報告はされておりません」総理官邸ではこのあと、NSC=国家安全保障会議を開き、情報収集にあたるとともに、今後の対応について協議することにしています。
北朝鮮は、きのう夜にも弾道ミサイル1発を発射したばかりです。
記事に関する報告 』
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IMF、13年ぶり増資正式決定 日本は出資比率2位を維持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18D7M0Y3A211C2000000/『【ワシントン=高見浩輔、加藤晶也】国際通貨基金(IMF)は18日、50%の増資が正式に決まったと発表した。増資の合意は13年ぶり。途上国などへの支援能力が向上する。運営の議決権を左右する出資割合は変更せず、日本は首位の米国に次ぐ2位を維持した。
11月に理事会が承認していた増資案について、15日の総務会で議決権ベースで93%弱の国から賛成を確保した。各国の国内手続きが終われば発効し、追加の出資額…
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『各国の国内手続きが終われば発効し、追加の出資額が払い込まれる。
IMFは各国に割り当てたクオータ(出資割当額)を原資として融資を実施する仕組み。増資後の総額は7157億SDR(141兆円相当)で、日本は3兆円分を増額し492億SDR(9兆円相当)となる。
出資比率は首位の米国が17.4%、日本が6.5%のままとなる。3位の中国は6.4%で、4位のドイツが5.6%と続く。
IMFの増資議論は出資比率の拡大を求める中国に日米などが反対する構図で、結論の見送りが続いてきた。今回は発言権の拡大を求める途上国に配慮してアフリカからIMFの理事枠を追加する方針を示し、大多数の合意をまとめた。
IMFの出資比率にはもともと経済規模に応じて配分する考え方がある。前回合意を決めた10年は日本と中国が名目国内総生産(GDP)でほぼ同じだったが、中国はいまや日本の4倍だ。日本は23年にドイツにも抜かれる可能性がある。
日本側で交渉にあたった財務省は今回、比率変更の議論には時間がかかるなどとして均等方式の増資に理解を求めた。IMFは中国などの不満に配慮し、次の増資に向けて比率変更を巡る議論に着手する。25年6月までに比率調整の手法について複数の考え方を示す。
【関連記事】
・IMF増資、出資比率変わらず 日本は2位を維持へ
・IMF増資、出資比率維持が「唯一の選択肢」 日本側主張 』 -
ロシア外相、対日領土論争「終わった」 日本の反発必至
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB18CET0Y3A211C2000000/『ロシアのラブロフ外相は18日の政府系テレビ「第1チャンネル」のインタビューで、ロシアにとって日本も含めた他国との「すべての領土を巡る論争は終わった」と述べた。ロシア外務省が映像を公開した。
日ロ関係最大の懸案である北方領土問題をこれ以上交渉する考えがないとの姿勢を示したと受け取れ、日本側の反発を招くとみられる。
ラブロフ氏は、ウクライナ侵攻で対立する北大西洋条約機構(NATO)加盟国とロシアの間に領土問題はないとしたプーチン大統領の最近の発言を引き合いに「NATO側とは、いかなる領土の争いもない。一般的に、われわれには既に日本も含めたどの国とも領土論争は存在しない」と明言した。
ロシア外務省は昨年3月、ウクライナ侵攻を理由に対ロ制裁を科した日本の対応を非友好的として、北方領土問題を含む平和条約締結交渉を中断すると表明した。
ロシアのルデンコ外務次官はインタファクス通信が16日に報じたインタビューで、日本が対ロ制裁を科す現状では友好協力に関する条約の交渉は不可能だと述べていた。(共同)
【関連記事】・武藤顕・新駐ロシア大使が信任状提出 部隊の撤収求める ・北方領土〜ウラジオ就航 初のロシア本土直行、12月開始 ・ロシア、初の「対日戦勝記念日」 北方領土で行事
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米政権、ガザ戦闘縮小へ成果急ぐ 止まらぬ支持率低下
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN18D2B0Y3A211C2000000/『バイデン米政権がパレスチナ自治区ガザでの戦闘縮小へイスラエルとの協議を急いでいる。戦闘の長期化は紛争拡大のリスクを高めるだけでなく、バイデン大統領の支持率低下に拍車をかける。2024年米大統領選の候補指名争いは1カ月後に始まる。政権は年明け早々にも人道危機を和らげる成果を上げようと焦燥感を濃くしている。
【関連記事】イスラエル国防相、ガザ軍事作戦縮小の時期示さず「イスラエルの作戦だ。時間軸や条件…
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『「イスラエルの作戦だ。時間軸や条件を指示するつもりはない」。18日、イスラエルを訪問したオースティン米国防長官はテルアビブで記者会見し、ガザでの戦闘縮小の見通しについて従来見解を繰り返した。
同席したイスラエルのガラント国防相は作戦を特定の目的に絞り込む次の段階に言及したものの「戦争が終わるまで時間がかかろうとも、確実に人質を取り戻し、ハマスの軍事能力、ガザ統治能力を破壊する必要がある」と述べるにとどめた。
イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲し約1200人を殺害、200人以上を人質にしてから年明け1月7日で3カ月となる。イスラエルはハマスが実効支配するガザへの攻撃を続ける。民間人が犠牲になる人道危機が深まり、18日時点でガザの死者は2万人に迫る。
バイデン政権は2つの焦燥感を抱える。一つは戦火が拡大するリスクをいかに抑止するかだ。16日には紅海で活動中の米駆逐艦がイエメンの親イラン武装組織フーシ派の支配地域から飛来した無人機14機を撃墜した。
「(イスラエルと敵対する)イランがテロ集団を支援し、緊張を高めている」とオースティン長官は批判した。今回の中東歴訪では東地中海に展開中の米空母も訪れる。紛争拡大を抑え込む姿勢を鮮明にし、ガザの混乱に乗じる動きを封じる狙いだ。
もう一つ、政権の焦燥感をおあるのは国内で深まる逆風だ。米リアル・クリア・ポリティクスの集計によると、24年11月の大統領選を想定した17日時点の平均支持率はバイデン氏が43.7%に対し、共和党の最有力候補のトランプ前大統領が47.2%だった。
10月半ば以降、前大統領とバイデン氏の支持率の差が開く傾向にある。ハーバード大学の最近の調査では24年大統領選で「確実に投票する」と答えた30歳未満の人は20年前回選挙の同時期と比べ、57%から49%に低下した。民主党が支持基盤と期待する若者は政権のイスラエル支援に疑問を抱き、「停戦なければ投票なし」と唱える。
先にバイデン政権がカタールを仲介役にこぎつけたガザの一時戦闘休止は7日間で終わった。米メディアは18日、米中央情報局(CIA)とイスラエルの対外特務機関モサドの両長官、カタールのムハンマド首相兼外相がポーランドのワルシャワで会うと報じた。
年明け1月15日には野党・共和党の大統領候補の指名争いの初戦がアイオワ州で始まり、共和候補からイスラエル支援を巡る苦境を突かれる恐れが増す。バイデン政権はその前にガザの戦闘縮小へ次の成果を得たいと急ぐ。
なぜ前大統領に支持率で負けているのか。17日夜に記者団から問われたバイデン氏は「間違った世論調査」をみているのだと返しただけだった。
(ワシントン支局長 大越匡洋)
【関連記事】
・米国、作戦縮小の重要性「イスラエルと合意」 時期未定
・米国とイスラエル、内政抱え対立 作戦縮小の条件協議 』
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