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集合住宅にミサイル、10人死亡 ウクライナ南部
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB012VR0R00C22A7000000/『ウクライナ南部の港湾都市オデッサで1日、9階建ての集合住宅にロシア軍のミサイルが着弾し、地元当局者は通信アプリ「テレグラム」への投稿で「少なくとも10人が死亡した」と明らかにした。ただ、ロイター通信は正確な犠牲者数を確認していない。
同当局者は国営テレビに、攻撃によって建物の1区画が破壊され、子供3人を含む7人が負傷したと語った。数人が依然としてがれきの下敷きになっており、救助活動が続いているという。これとは別に研修施設にもミサイルが撃ち込まれ、数人が負傷した。
ウクライナでは6月27日、中部クレメンチュクの大型商業施設にもロシア軍がミサイル攻撃を加え、多数の死傷者が出た。ゼレンスキー大統領は「意図的なテロ攻撃」だと非難したが、ロシアは商業施設に隣接する武器貯蔵庫を攻撃したと反論。ウクライナ側の主張を否定している。(ロイター時事)』
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「自由や民主主義消えた」台湾首相ら声明 香港返還25年
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB0157F0R00C22A7000000/『英国から中国への香港返還が1日で25年を迎えたことに合わせ、各国・地域からは香港における言論弾圧など統制強化を危惧する声が相次いだ。台湾の蘇貞昌行政院長(首相)は1日、香港から「自由や民主主義は消滅した」との見解を示した。中国が1997年の返還時に約束した香港に高度な自治を認める「一国二制度」を守っていないと批判した。
蘇氏は台北で記者団に対して、返還後も香港の生活は変わらないとした約束が破られた述べ、「過去に50年は不変の約束と言ったはずなのに、まだ25年しかたっていない」と中国を批判した。台湾の主権を守るうえで「中国の一国二制度には耐え得ない」と主張した。
ジョンソン英首相は6月30日に「香港を諦めない」との声明を発表し、「香港が香港の人のもとに戻るために全力を尽くす」と述べた。ブリンケン米国務長官は30日の声明で、香港国家安全維持法が2020年に施行されると民主活動家が逮捕されたり、独立メディアへの監視が強まったりしたと指摘。「(一国二制度のもとで)香港の人々に約束されたものを奪うものだ」と言及した。香港が自由を取り戻すために「我々は香港の人々と連帯していく」とも強調した。
オーストラリアのウォン外相も30日、同法で「(香港の)権利、自由、自治が侵害され続けていることを深く懸念する」との声明を出した。』
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ジョンソン英首相、香港「一国二制度」揺らぎに懸念
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB011ZH0R00C22A7000000/『【ロンドン=共同】ジョンソン英首相は6月30日、ツイッターに動画を投稿し、1997年に英国が中国に返還した香港で「人権や自由が脅かされている」とし、民主派や言論活動を締め付ける中国への懸念を表明した。返還後も50年間は高度の自治を認めた「一国二制度」を維持するとの約束が揺らいでいるとし、「全力で中国に守らせる」と強調した。
中国による香港国家安全維持法(国安法)施行を受けて英政府は、返還以前に生まれた香港市民らを対象に昨年1月、英国への移住を容易にする特別査証(ビザ)の受け付けを始めた。英外務省によると、既に12万件以上の申請があった。』
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香港、中国返還25年 習近平氏「一国二制度は成功」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM30C1D0Q2A630C2000000/『【香港=木原雄士】香港は1日、英国から中国への返還から25年を迎えた。習近平(シー・ジンピン)国家主席は記念式典の演説で「一国二制度の成功は世界に広く認識されている。変更する理由はなく、長い間維持されるべきだ」と述べた。香港への統制強化をめぐり欧米との対立が深まるなか、統制強化を正当化する狙いがある。
一国二制度は外交や防衛を除く分野で、高度の自治を認めるしくみ。中国は返還後50年間、制度を維持し言論や報道の自由も保障すると約束した。返還25年は50年の折り返しとなる節目だ。
習氏は演説で「香港は25年間で力強い経済成長をなし遂げた。資本主義に変更はなく、高度の自治を保っている」と述べた。一国二制度に関しては「香港の特別な地位と強みを維持しなければならない」と語り、今後も堅持する方針を示した。
一方「香港が混乱に陥っている余裕はない」と指摘。「政治体制は愛国者が掌握しなければならない」と強調し、中国による統制強化の路線を正当化した。
習氏は1日に就任した香港政府トップの李家超(ジョン・リー)行政長官の就任宣誓にも立ち会った。警察出身の李氏は2019年の大規模デモを強硬に取り締まり、中国に批判的な日刊紙、蘋果日報(アップル・デイリー)を廃刊に追い込んだ実績が買われた。
国際社会では返還後の25年間で香港の高度の自治が損なわれ、一国二制度が形骸化したとの指摘が出ている。大規模デモの後、中央政府が主導して香港国家安全維持法の制定や選挙制度見直しを進めたためだ。中国に批判的な民主派は政治の場から一掃され、言論の自由も大幅に縮小した。
返還記念日の1日は民主派団体がデモをするのが恒例だった。国安法の施行後に主要な活動家らが収監され、民主派団体の解散も相次いだ。今年は社会民主連線(社民連)も抗議活動を見送った。メンバーが警察から家宅捜索を受け、監視を受けていると明らかにした。
【関連記事】
・図解・香港 中国返還25年、一国二制度が形骸化 ・香港、今なお残る英国文化と強まる中国色 ・ジョンソン英首相、香港「一国二制度」揺らぎに懸念 ・米国務長官、香港の「高度な自治」衰退を批判 返還25年
』
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中国経済、コロナ規制緩和で復調 4カ月ぶり「拡大」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM304LF0Q2A630C2000000/
『【北京=川手伊織】新型コロナウイルス対応の規制で悪化した中国経済が持ち直しつつある。6月の景況感は4カ月ぶりに、経済が「拡大」していることを示した。感染者が減って規制を緩めたことで、経済活動が正常化し始めたためだ。ただ中小零細企業の先行き不安は根強く、雇用の回復を通じて家計に恩恵が広がるには時間がかかりそうだ。
中国国家統計局が30日発表した6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2と、前月を0.6ポイント上回った。非製造業のビジネス活動指数は6.9ポイント改善の54.7だった。いずれも好調・不調の境目である50を4カ月ぶりに上回った。
上海市がロックダウン(都市封鎖)を6月1日に解除した。北京市も感染拡大を防ぐ目的で止めていた飲食店の店内飲食を6日から再開した。街に人通りが戻り、感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策で抑えつけられていた経済活動が活発になった。
ただ景況感の改善にはばらつきがある。大企業と中堅企業は節目の50を上回ったが、中小零細企業は48.6にとどまった。国務院発展研究センターの張立群研究員は「需要の減少という重荷は依然として大きい」と指摘する。
調査対象に民間企業が多い長江商学院の景況調査によると、利益の見通しや資金調達環境を示す指数は、景気が悪化し始めた3月の水準よりなお低い。中小零細企業が大半を占める民間企業では就業者の8割が働く。中小零細企業に先行き不安が残れば、雇用の回復も遅れがちになる。
中国人民銀行(中央銀行)が実施した4~6月の預金者向けアンケート調査では、「今の雇用環境は厳しい、または判断できない」との回答が45.6%に達した。遡れる2013年7~9月以降で最大となった。所得の見通しを示す指数は比較可能な01年以降で最低となった。
ゼロコロナ政策による景気の悪化で家計の財布のひもは固くなっており、個人消費の復調は緩慢なペースにとどまる可能性がある。』
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[FT]北米レアアース採掘を妨げる偽情報 親中勢力が関与
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB304N70Q2A630C2000000/『中国政府を支持するグループがSNS(交流サイト)上で環境活動家を装い、米国やカナダのレアアース(希土類)生産者の事業を妨害しようとしている。サイバーセキュリティーに関するコンサルティング会社、米マンディアントがリポートを公表した。
フェイスブック・ツイッターの偽アカウント使用
マンディアントによると、攻撃を仕掛けているのは「ドラゴンブリッジ」と呼ばれるグループだ。フェイスブックやツイッターの偽アカウントを使い、米政府の支援を受けて豪ライナス・レアアースが米テキサス州に建設中の精製設備が「周辺地域を取り返しのつかない環境ダメージにさらす」だけでなく「放射能汚染」ももたらすとの主張を展開している。
マンディアントはドラゴンブリッジを「中国寄りのネットワーク」と評したが、それ以上詳しくは説明していない。シンクタンクのオーストラリア戦略政策研究所(ASPI)はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、同研究所がマンディアントのリポートを裏付けたとしている。
米国だけでなく、欧州、アジアの同盟国はリチウムやレアアース、コバルトなどの重要鉱物の調達先を中国以外にも確保するためにサプライチェーン(供給網)の構築を進めている。これらの鉱物は再生可能エネルギー技術や電気自動車(EV)、ハイテク兵器に欠かせない。
重要鉱物の加工は中国が世界的にほぼ独占しており、中国との外交・通商関係が悪化する近年は米国で懸念が高まっている。
コロナ、米国政治でも情報工作
マンディアントの調査結果は、ASPIで2019年からドラゴンブリッジを追跡しているサイバーセキュリティー政策の専門家アルバート・チャン氏のお墨付きを得ている。
同氏は29日に公表したリポートの中で「中国共産党の支援を受け、しつこく活動しているネットワークは今回初めて戦略的な目的のために民間企業を標的にしている」と述べた。
同氏によると、この情報操作は「広範囲にわたる組織的な活動の一環であり、中国が輸出するレアアースへの依存軽減を目指す民主主義国家の試みを妨害するものだ」という。マンディアントがドラゴンブリッジに初めて注目したのは、19年に香港の反政府抗議運動を非難する情報キャンペーンがフェイスブックやツイッター、ユーチューブ上で展開されたときだった。ドラゴンブリッジはその後、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)や米国政治など幅広い領域で活動を展開するようになった。
マンディアントはブログ記事で「最近では、ドラゴンブリッジの仕業と思われる情報操作をSNS上で幅広く確認し調査している」と述べている。
マンディアントはカナダのアッピア・レアアース・ウラニウムや米USAレアアースに対するドラゴンブリッジによる情報操作も検知したという。また、バイデン米大統領が重要鉱物の国産強化に向けて朝鮮戦争下で成立した「国防生産法」を発動したことに対する工作も確認した。
マンディアントによると、情報操作で使用されていたのは「SNSやオンラインフォーラム上の偽アカウントで、テキサス州の住民を装ってプラント周辺の環境や健康問題への懸念をかき立てようとしたものもある」という。
フェイスブック上では「私は友人とともに、ライナスがテキサスに建設しているレアアースの精製設備に反対している。何も策を講じなければ、ライナスの排出物は直接的・間接的に周辺住民の健康に影響を及ぼす。この汚染は取り返しがつかない」という投稿も見られた。これはコックス・テリと名乗る人物の投稿だが、マンディアントはドラゴンブリッジによるものと判断している。
標的対象はマレーシアで環境対策を問題視
ライナスは声明で「この数年間、わが社はマレーシアで情報工作の標的になってきたが、偽情報を拡散しているSNSの偽アカウントと政治的思惑が直接結びついていることが証明されたのはこれが初めてだ」と述べた。同社は14年に環境団体グリーンピースの報告書でマレーシアの事業での環境対策が問題視されたが、その点について同社は自社を弁護した。
米国防総省は「調査の結果、この情報操作を明らかにしたマンディアントに感謝の意を表したい。我々は今後もパートナーとともに、この件だけでなく他のサプライチェーンへの投資に関しても引き続き正確な情報を提供していく」と語った。
By James Fernyhough
(2022年6月29日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』
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マルコス氏、対中融和を修正へ フィリピン大統領に就任
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM285L10Y2A620C2000000/『【マニラ=志賀優一】フィリピンのマルコス大統領が30日に就任し、6年間の政権運営が始まった。南シナ海の領有権を巡って争う中国に対抗する姿勢を打ち出しており、ドゥテルテ前政権が経済協力を優先して貫いた対中融和姿勢は修正される見通しだ。米国の同盟国で中国とも経済的なつながりが深いフィリピンの外交政策は、太平洋での米中の勢力争いにも影響を及ぼす。
【関連記事】マルコス氏、フィリピン大統領に就任
「ウクライナでの悲劇から大国が誤った教訓を得てしまえば、暗い紛争が世界へ広がってしまうことだろう」。マルコス氏は30日、首都マニラの国立博物館で開かれた宣誓式でこう語った。ロシアによるウクライナ侵攻が、中国の南シナ海などでの勢力拡大を助長する可能性に懸念を示したとみられる。式典には林芳正外相も出席した。
「西フィリピン海(南シナ海)で、我々の権利を1平方ミリメートルも踏みにじることを許さない」。マルコス氏は大統領選での当選が正式に決まった翌日の5月26日にこう発言した。2016年に国連海洋法条約に基づくオランダ・ハーグの仲裁裁判所が下した南シナ海での中国の領有権主張を否定する判決についても「我々の領有権を主張するため使用する」としている。
仲裁裁の判決が出た後、中国は南シナ海の軍事拠点化を加速させたが、ドゥテルテ前大統領は最大の輸出相手国である中国(香港含む)との経済関係を重視し、融和的な姿勢に終始していた。それだけにマルコス氏の発言は外交政策の修正を意図したものだと受け止められた。
伝統的な同盟国である米国との関係も改善される方向だ。マルコス氏は6月9日にシャーマン米国務副長官と会談し、両国の軍事同盟の重要性を確認した。ドゥテルテ前政権下では米比関係はぎくしゃくし、一時は米軍の活動を認める「訪問軍地位協定」(VFA)の存続が危ぶまれる事態になっていた。
デラサール大学のレナト・デカストロ教授は「マルコス氏は米国に対して不満を持っていない。米国側にも懸念はなく、ワシントンでも新政権と協調できるという認識が広まっていると考える」と語った。
ただ、中国も経済力をてこに南シナ海の実効支配を進める方針で、マルコス政権が対中強硬路線を続けられるかは不透明だ。東京外国語大の日下渉教授は「仲裁裁の判決という中国をけん制する外交カードを見せて、経済協力を引き出したい思惑がある」と分析する。実際にマルコス氏は「中国とは戦争できない」とも発言している。
マルコス氏が直面する当面の課題はインフレ対策となる。式典でも「食品はただの貿易商品ではない。食品がなければ人々は飢え社会は崩壊する」と強調した。フィリピンでも食品やエネルギー価格の高騰が進んでおり、中銀は23日に22年通年の予想インフレ率を5%と前回予想より0.4ポイント引き上げた。マルコス氏は自ら農相を兼務し、米をはじめとした食品の価格安定に取り組む姿勢をみせている。
エネルギー政策ではマルコス氏の父親が政権を握っていた時代に建設したバターン原子力発電所の稼働を視野に入れる。ただ、35年以上一度も稼働していない原発の安全性について懸念する声も聞かれる。
マルコス大統領とサラ・ドゥテルテ副大統領(左)
政権運営を巡っては波乱要因も少なくない。ドゥテルテ前大統領の長女で、南部で強固な支持基盤を持つサラ・ドゥテルテ副大統領の副大統領選での得票数は、マルコス氏の大統領選での得票数を上回った。サラ氏は政権運営に強い影響力を持つとみられ、マルコス氏との主導権争いが起きることを懸念する見方もある。マルコス家の相続税の未払い疑惑など政権を巡っては様々なスキャンダルが取り沙汰されており、市民の批判が強まる可能性もある。』
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多国間軍事演習「リムパック」開始 台湾は不参加
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300CH0Q2A630C2000000/
『【ワシントン=中村亮】米海軍主催の多国間海上訓練「環太平洋合同演習(リムパック)」が29日、ハワイ沖などで始まった。8月4日までの予定。日本やオーストラリア、英国など26カ国が参加し、米国は各国と連携して中国の脅威に対処する姿勢を打ち出す。台湾は参加しない。
米海軍によると、日米豪英やインド、フィリピン、タイ、トンガなど26カ国から38隻の艦船や170機以上の航空機が参加し、約2万5000人が訓練する。リムパックは2年に1度開く。2020年は新型コロナウイルスの影響で10カ国、5300人の参加にとどまった。
米議会は22会計年度(21年10月~22年9月)の国防権限法でバイデン政権に対し、台湾をリムパックに招待するよう促していた。だが、見送った可能性が高い。準備期間が短く参加は難しいとの見方が当初から多かった。米国は台湾が参加すれば中国との対立を懸念する東南アジア諸国などが参加を見送る公算も考慮したとみられる。
リムパックでは実戦を想定し、対潜水艦や防空、砲撃、ミサイル発射などの訓練を実施する。海軍は声明で「シーレーン(海上交通路)の安全や世界でつながる海の安全保障の確保に向けて重要な協調関係を育成し、維持するための独特な訓練の機会を提供する」と説明した。
米海軍協会によると、豪州はフリゲート艦「ワラムンガ」、日本は護衛艦「いずも」、カナダはフリゲート艦「バンクーバー」などをそれぞれ派遣する。
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https://www.nikkei.com/r123/?ak=https%3A%2F%2Fwww.nikkei.com%2Farticle%2FDGXZQOGN300CH0Q2A630C2000000&n_cid=DSPRM1AR08 』 -
トルコ、北欧2国NATO加盟で実利 米はF16配備支援も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR302200Q2A630C2000000/『北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で6月29日、合意したスウェーデン、フィンランドの新規加盟を巡っては、最後に賛成に転じたトルコの動きが鍵となった。5月に2国が加盟の意向を表明するとメンバー国としての拒否権をてこに、加盟実現を急ぎたい両国に加え、米国からもF16戦闘機売却などの実利をたくみに引き出した。
「マドリードの勝利」。トルコの親政権紙サバハはスペインのマドリードで北欧2国と結んだ合意をこう評した。北欧2国の新規加盟で合意したNATO首脳会議に先立ち、トルコと2国が28日に結んだ覚書では、2国によるトルコへの武器輸出制限の解除、トルコがテロ組織として敵視するクルド系組織への支援停止のほか、合意の履行状況を監視する枠組みの設立など同国の要求が盛り込まれた。
2国のNATOへの新規加盟にはすべてのメンバー国の同意が必要で、エルドアン大統領はこの拒否権をちらつかせて関係国から最大限の実利を引き出す戦略を立てていたようだ。「前向きに考えていない」。エルドアン氏は5月13日、2国が表明した加盟申請に対して突如、異論を唱えた。
フィンランドのニーニスト大統領によると、4月時点の電話協議ではエルドアン氏も加盟支持を口にしていたといい、欧米諸国は慌てた。その後6週間の交渉で、欧米諸国はトルコへの譲歩を繰り返した。
バイデン米大統領は自身の就任前、「独裁者」と批判したこともあるエルドアン氏との対話に消極的で、これまで互いの訪問はなく、国際会議の場での首脳会談や電話も数えるほどだった。それがマドリード合意直前にはエルドアン氏に電話して北欧2国との妥協を促し、現地での米トルコ首脳会談の開催で合意した。
NATO首脳会議の直前から米政府はバイデン氏とエルドアン氏が直接話すタイミングを探っていたフシがある。米政府高官は、バイデン氏が28日にスペインを訪れる直前までスウェーデン、フィンランドのNATO加盟問題でトルコを含む3カ国と「積極的に関わり続けている」と語っていた。
サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)やブリンケン国務長官らもトルコ高官と水面下で断続的に協議し、29日の会談につながった。米高官は「(米国は)トルコに譲歩しなかった」と話すが、バイデン氏は30日のNATO首脳会議後の記者会見で、F16戦闘機について「売却すべきだ」と述べた。
バイデン氏は米議会の承認が必要だとしたうえで「(承認は)得られるだろう」と述べた。伝統的にトルコ不信が強い米議会からも「支持する」(共和党のリンゼー・グラム上院議員)との声が上がった。
トルコのシンクタンク、EDAMのシナン・ユルゲン氏は「バイデン氏とエルドアン氏との会談が実現したこと自体が収穫だった」と説明する。
北欧2国の加盟を巡る駆け引きはいったん決着したが、火種はなおくすぶる。トルコのボズダー法相は29日、33人のクルド系活動家らを引き渡すよう改めて主張した。
人権国家を掲げる北欧2国にとって、司法の運用が不透明なトルコに活動家らを引き渡すのは要求事項の中でももっともハードルが高い。スウェーデンのアンデション首相は29日、「我々は当然スウェーデン法と国際法に従う。テロ活動に従事していない人が(引き渡しを)心配する必要はない」と述べた。
2国の加盟の実現には今後、詳細を定めた文書に全加盟国が批准する必要がある。トルコは2国に引き渡しを求めて圧力をかけ続けるとみられ、批准の段階で再び問題化する可能性は残る。(木寺もも子)
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