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東南アジア 前近代総合
https://www.y-history.net/wh_mondai/mondai_tiiki/m_tonan-asia-01.html

『2011 龍谷大学
【問】次の文(1)・(2)を読み、下の問い(問1~問15)に答えなさい。
(1)インドシナ半島では. 1世紀項に、東南アジア最古とされる統一国家、扶南が①メコン川下流域に建国された。その民族については、( 2 )ともマレー人とも言われている。扶南から真臘へ、そして9世紀に成立したアンコール朝へと③カンボジアの歴史は続く。
カンボジアは、豊かな水資源を利用して農業開拓をすすめ、河川の水運を活用した交易によって発展した。しかし④13世紀頃より台頭してきたタイ人諸勢力により、アンコール朝は次第に圧迫され、1431年にアンコールの都を放棄してプノンペンに移すことになる。
一方、インドシナ半島東部の⑤ヴェトナムは、北に中国と隣接する位置関係から、中国の文化的な影響を大きく受けるとともに、⑥中国に成立した各王朝からの支配をも受けた。しかし唐の衰亡とともに独立を果たし11世紀にはヴェトナム北部に李氏が⑦大越国を建国した。その後、いくつかの王朝の興亡を経て、19世紀には( 8 )の保護国となり( 8 )領インドシナ連邦に組み込まれた。問1
①について。メコン川の位置として正しいものを、次の中から一つ選びなさい。① A ② B ③ C ④ D ⑤ E
問2
空欄( 2 )に入れるのに適当なものを、次の中から一つ選びなさい。
①チャム人 ②シャン人 ③モン人 ④シンハラ人 ⑤クメール人
問3
③について。カンボジアの歴史に関する記述として誤っているものを、次の中から一つ選びなさい。
①
扶南の貿易港からローマ貨幣が出土した。
②
フエ(ユエ)は真臘の貿易港である。
③
真臘は唐に朝貢した。
④
アンコール朝は分裂した陸真臘と水真臘を統一した。
問4
④について。以下の王朝の中でタイ人王朝として正しいものを、次の中から一つ選びなさい。
①チョーラ朝 ②コンバウン朝 ③クディリ朝 ④アユタヤ朝 ⑤トゥング一朝
問5
⑤について。ヴェトナムにおける中国文化の影響に関する記述として正しいものを、次の中から一つ選びなさい。
①
両班という特権階級が形成された。
②
交鈔という紙幣が発行された。
③
字喃という文字が作られた。
④
ワヤンと呼ばれる影絵芝居が行なわれた。
問6
⑥について。ヴェトナムと中国各王朝との関係に関する記述として誤っているものを、次の中から一つ選びなさい。
①
漢は南海郡を設置してヴェトナム全域を支配した。
②
唐はヴェトナムに安南都護府を設置した。
③
明の永楽帝はヴェトナム北部を併合した。
④
ヴェトナム最後の王朝である阮朝は清を宗主国とした。
問7
⑦について。大越国の王朝に関する記述として誤っているものを、次の中から一つ選びなさい。
①
李朝(大越国)はサイゴンに都を置いた。
②
陳朝はモンゴル軍の侵略を退けた。
③
西山(タイソン)党の反乱によって黎朝がほろんだ。
④
玩朝は国号を越南とした。
問8
空欄( 8 )に入れるのに適当なものを、次ぎの中から一つ選びなさい。
①イギリス ②オランダ ③アメリカ ④フランス ⑤スペイン(2)アンコール朝の歴代の王たちは、アンコール=トムや⑨アンコール=ワットなどの壮大な石造りの建築物を次々と造営した。アンコール=ワットは、12世紀前半に( 10 )が造営したヒンドゥー教寺院であった。回廊の壁面はインド文学に題材をとった浮き彫りで飾られ、あるいは神と王を合体させた特別な神像も作られた。このように⑪インド文化の影響を強く受けつつカンボジアの民族文化を開花させていった。
しかし後にアンコール=ワットは⑫仏教寺院へと改築された。16世紀末から17世紀前半にかけて、日本の貿易船が東南アジア各地に航行し、アンコール=ワットを訪れる日本人のいたことが記録に残されている。
ところで、 8世紀にはイスラーム世界の成立にともなって、⑬ムスリム商人がインド洋をわたり、マラツカ海峡をこえ、交易路を拡大して東南アジアや中国に進出してきた。また10世紀には宋の経済発展にともない海の道の交易が飛躍的に発展した。⑭マラッカ海峡は、このようにインド洋と南シナ海をむすぶ海上交易の要衝となり、⑮マラッカなどその海域周辺の諸国が交易の主導権をめぐり勢力を競った。問9
⑨について。アンコール=ワットはどれですか。正しいものを、次の中から一つ選びなさい。① A ② B ③ C ④ D ⑤ E
問10
空欄( 10 )に入れるのに適当なものを、次の中から一つ選びなさい。
①ラーマ4世 ②スールヤヴァルマン2世 ③ハルシャ=ヴァルダナ ④パーブル ⑤ティムール
問11
⑪について。インド文化に関する記述として誤っているものを、次の中から一つ選びなさい。
①
ヒンドゥー教の神に破壊神としてのシヴァがいる。
②
クシャトリヤはバラモンより下位の階級である。
③
『マハーバーラタ』はサンスクリット語で書かれた叙事詩である。
④
『アヴェスター』はヒンドゥー教の聖典である。
問12
⑫について。東南アジアの仏教に関する記述として正しいものを、次の中から一つ選ぴなさい。
①
ヴェトナムでは仏国寺が建てられた。
②
チャンパーではポタラ宮殿が建てられた。
③
パガンでは上座部の仏教寺院が建てられた。
④
ジャワ島ではプランバナン寺院群が建てられた。
問13
⑬について。ムスリム商人に関する記述として誤っているものを、次の中から一つ選びなさい。
①
ジヤンク船という三角帆の帆船による交易を行なった。
②
奴隷をも交易品として扱った。
③
東南アジアのイスラーム化に貢献した。
④
カーリミー商人と呼ばれたムスリム商人の拠点はカイロにあった。
問14
⑭について。以下の人物の中でマラッカ海峡を通らなかった人物として正しいものを、次の中から一つ選びなさい。
①義浄 ②イブン=バットゥータ ③マルコ=ポーロ ④鄭和 ⑤マゼラン(マガリャンイス)
問15
⑮について。
(a)
マラッカと周辺諸国に関する記述として誤っているものを、次の中から一つ選びなさい。
①
シュリーヴイジャヤはスマトラ島のパレンパンを交易の拠点とした。
②
マラッカは明の支援をうけて国際貿易港として急成長した。
③
ヒンドゥー教国家のマタラムはマラッカと主導権を競った。
④
16世紀初めマラッカを占領したのはポルトガルである。
(b)
ヨーロッパ勢力のマラッカ占領後、ムスリム商人を受け入れたスマトラ島北端のイスラーム教国を何といいますか。正しいものを、次の中から一つ選びなさい。
①アチェ ②ジョホール ③バンテン ④マラーター ⑤ヴィジャヤナガル解 答 解答欄ごとにクリック。全解答を表示するには右上の「全解答表示」をクリック。クリアは左上のメニューで選択。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
② ⑤ ② ④ ③ ① ① ④ ④ ②
11 12 13 14 15(a) 15(b)
④ ③ ① 解答不能 ③解説
問3
フエは中部ベトナムのチャンパ国に含まれている。
問6
漢の南海郡は中国の南部。
問7
大越国の都はハノイ。
問11
アヴェスターはゾロアスター教の経典。
問12
①は新羅、②はチベット、④のプランバナンはヒンドゥー教の寺院群。
問13
ジャンクは中国船。
問14
マゼラン船団はマラッカ海峡を通過しているが、マゼラン自身はフィリピンで死んでいるので、これを正解としたかったのであろうが、実は彼は世界周航の前に、ポルトガルのアルブケルケの部下として東南アジアで活動しており、そのときマラッカ海峡を通過しているので、該当しない。他のすべてもこの海峡を通っているので、正解なしとなる。大学の出題ミス。 』 -
東南アジアの大陸部(インドシナ半島)
https://www.y-history.net/appendix/wh0202-001.html

『東南アジアの大部分を占めるインドシナ半島地域を大陸部という。古来、インドと中国双方の文化的影響を受けながら、ヒンドゥー教、仏教、イスラーム教が交差、幾つかの民族と王朝が興亡した。近代はタイを除き植民地化の苦難を経て現在、ミャンマー(ビルマ)、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナムの5ヵ国に分かれる。(マレー半島は一般的には島嶼部に含まれる。)
インドシナ半島地図
インドシナ半島の主要河川
・東南アジア South East Asia という地域名称は、第二次世界大戦中に用いられるようになった。戦前の日本では「南方」と云っていた。大きく分けて、ユーラシア大陸の一部であるインドシナ半島と多くの島々が広がる地域都に分けられ、前者を大陸部、後者を諸島部(島嶼部)として分けることが多い。ただし、インドシナ半島から南に延びるマレー半島(現在のマレーシアなど)は、歴史的・文化的には大陸部ではなく、スマトラ島、カリマンタン島、ジャワ島などの諸島部(島嶼部)に含めている。
東南アジアの大陸部は、紅河(ホン河)、メコン川、チャオプラヤ川、エラワディ(エーヤ-ワディー)川などの大河の流域の平野部がひろがり、それらの下流域は豊かな米作地帯である。この地域の民族は、オーストロアジア語族(南アジア語族)といわれる、ベトナム人、モン人、クメール人(カンボジア人)がまず活動を始め、中部ベトナムにはオーストロネシア語族のチャム人が次いで活動した。さらに、シナ=チベット語族に属し、はじめ北方の山岳部にいたタイ語族のタイ人、ラオ人が7,8世紀に南下して定着した。またイラワディ川中流にはビルマ人が同語族の中のモン人と抗争しながら定着した。
現在の宗教の大まかな分布では、ミャンマー・タイ・カンボジア・ラオスは上座部仏教、ベトナムは大乗仏教が優勢であるが、タイの南部のマレーシアに近い地域にはイスラーム教勢力が分離独立を主張している。インドシナという呼称
東南アジアの大陸部をインドシナ Indochina というのは、インドと中国の中間に位置するところからヨーロッパ人が名付けたもの。一般に、現在のベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマーの5カ国を含むことが多いが、狭い意味ではベトナム、ラオス、カンボジアの「旧フランス領インドシナ」を指すこともある。大河流域に平野部が広がるが、ジャングルに覆われた山岳地帯も広く、地形は複雑である。そのため民族分布も複雑、多彩であり、文化的には隣接する中国文明とインド文明の双方の影響を受けている。
中国文明の影響
紀元前5世紀頃から北部ベトナム地方には中国文明の影響が及び、青銅器文明であるドンソン文化が形成され、秦・漢時代からは中国王朝の直接支配を受け、唐時代頃まで続いた。
港市国家の形成
1世紀頃から海岸地方には河川を利用して内陸の物品を集め、海洋を利用してインドや中国などと交易をする港市国家が発達した。1世紀末にベトナム南部に現れた扶南がその例である。同時に扶南にはインド文明の影響が見られ、インド化の第一段階が始まった。中部ベトナムに現れたチャンパーも港市国家として栄えた。
インド化の進展
紀元後3世紀頃からインドの影響を強く受け、「インド化」が進んだ。宗教面では4世紀のインドのグプタ朝で栄えたヒンドゥー教文化が伝わり、7世紀に成立したクメール人のカンボジアではヒンドゥー教が信仰された。
東南アジアの文字ー
東南アジアの文字 2003年センターテストより
一方、現在のビルマのピュー人やビルマからタイの北方にいたモン人は上座部仏教を信仰した。
東南アジア大陸部のインド化の例証としてあげられるのが、現在もこの地域で使用されている文字の源流が前3世紀のインドで生まれたブラーフミー文字にあることが挙げられる。ビルマ文字(ミャンマー)、クメール文字(カンボジア)、タイ文字、ラオス文字は似通っており、やはりブラーフミー文字から変化した現在のインドのデーヴァナーガリ文字と文字規則が共通である。ただし、ベトナムは北部が中国文化圏に属していたため漢字が使用され、13世紀には漢字をもとに独自の字喃(チュノム)が考案された。仏教の普及
大陸部ではヒンドゥー文化と仏教信仰が重層的に重なり合って独自の文明を形成していく。12世紀に建造されたカンボジアのアンコール=ワットもはじめはヒンドゥー寺院として造られたが後に仏教寺院とされた。次第に仏教(上座仏教)が優勢となり、特にビルマ、タイでは王権の保護を受けて栄えた。特にビルマのパガン朝は多くの造寺造仏を行ったことで知られる。
植民地化
18世紀以降、タイをのぞいてイギリスとフランスに分割された。ビルマはイギリス=ビルマ戦争に敗れ、イギリスの植民地支配を受け、ベトナム・ラオス・カンボジアのインドシナ三国はフランスの植民地となりフランス領インドシナ連邦を構成する。その中間にあったタイ(シャム)のみが独立を維持することができたが、領土は大幅に削減されることとなった。
大陸部諸国の領域
現在の国家ではベトナム、カンボジア、ラオス、タイ、ミャンマー(ビルマ)にあたるが、以下に登場する東南アジアの歴史上の国々は必ずしも現在の国と領域が一致しない点に注意すること。カンボジアのクメール王国は一時はインドシナほぼ全域を支配し、ビルマのコンバウン朝も一時期はタイを支配した。タイのラタナコーシン朝も現在のタイよりも広大な領土を支配していた。また、ベトナムは、18世紀までは北部ベトナム(紅河流域)、中部ベトナム、南部ベトナム(メコンデルタ地帯)は別個な国家であったことに留意すること。』
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カンボジア 前政権からの中国重視を継承 中国資本による運河整備事業 – 孤帆の遠影碧空に尽き
https://blog.goo.ne.jp/azianokaze/e/cd5ebfc3c8ec8e310d440da8c8f93189
『【中国重視を継承するフン・マネット首相 「習近平大通り」もお目見え】
カンボジアがフン・セン前首相時代から中国と緊密な関係(ASEANにあってはカンボジアは中国の代弁者的な立場にも)にあるのは周知のことですので、下記のようなニュースもことさら驚くには値しません。「ようやるよ・・・」とは思いますが。*****中国・習近平氏の名前冠した道路誕生 カンボジア****
中国が影響力を強めている東南アジアのカンボジアで、中国の習近平国家主席の名前を冠した道路が誕生しました。
駐カンボジア中国大使館によりますと、カンボジア政府は、首都・プノンペンにある道路の全長48キロメートルの区間を、「習近平大通り」と命名しました。命名発表の式典にはカンボジアのフン・マネット首相らが出席し、「習主席のカンボジアの発展への歴史的貢献に感謝する」などと述べたということです。
カンボジアは、中国が推し進める経済圏構想「一帯一路」の参加国で、中国資本による大規模なリゾート開発なども行われています。
「一帯一路」をめぐっては、中国経済の減速により、近年、途上国への投資の冷え込みが指摘されています。しかし、カンボジアでは、去年の外国からの投資額の66%は中国が占めるなど、経済は依然として中国に大きく依存しています。【5月29日 日テレNEWS】
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当然ながら、「習近平大通り」については中国企業が建設工事を請け負ったとのことです。
カンボジアではフン・セン前首相の長男フン・マネット首相に代替わりしていますが、中国との緊密な関係は維持されています。
****カンボジア「中国重視」継承 マネット首相、王毅外相と会談****
中国の王毅外相は22日、訪問先のカンボジアの首都プノンペンでフン・マネット首相と会談し、両国間の協力を強化する考えを示した。中国外務省が発表した。フン・マネット氏は「中国との関係は揺るぎないもので、対中政策は一貫している」と述べ、中国を重視した父フン・セン氏の外交路線を継承する方針を表明した。
フン・マネット氏は昨年8月、フン・セン氏から首相職を世襲した。前政権は人権弾圧などで欧米と鋭く対立し、中国に傾斜していた。王氏は18日から23日の日程でインドネシアやパプアニューギニアを歴訪。アジア太平洋地域の友好国と関係強化を図っている。【4月23日 共同】
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こうした両国関係を背景に合同軍事演習も行われており、アメリカは懸念を強めています。
****合同軍事演習に中国艦参加 カンボジア軍と、米懸念*****
カンボジア軍は27日、同国南西部沖で中国軍と共に、乗っ取られた貨物船から人質を救出することを想定した海上演習を実施した。合同軍事演習「ゴールデンドラゴン2024」の一環。南西部リアム海軍基地に昨年12月から停泊している2隻を含む中国艦船も参加した。
中国は同基地を支援し、拠点化を目指しているとの見方があり、米国が懸念を強めている。カンボジア軍幹部は取材に、演習は軍事能力や両国関係の強化が目的で「特定の国の脅威になる訓練ではない」と述べた。
カンボジアと中国は2016年に合同軍事演習を初めて実施し、今回が6回目。カンボジアの船舶10隻以上が中国艦船と共に、乗っ取り犯側に貨物船を停止するよう命じ、射撃して制圧した。
カンボジア軍関係者によると、中国艦船2隻は海上演習終了後、同基地の桟橋に戻った。在カンボジア米大使館は先月、同基地の拡張工事で「中国軍が果たしている役割と将来の基地利用」に深い懸念を示していた。【5月28日 共同】
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カンボジアの主要港シアヌークビル港にほど近いリアム海軍基地は、かつてアメリカなどからの資金援助で建設されたましたが、現在は中国の支援を受け拡張工事が進められています。
タイ湾に面した同基地は係争海域である南シナ海に近いため、アメリカは、中国が戦略拠点として利用する恐れがあると懸念しています。
リアム海軍基地拡張工事については、カンボジアが中国による独占的な基地の軍事利用を認める見返りに、中国がインフラを整備する密約を結んだ疑いが指摘されており、カンボジアは「中国軍の施設ではない」とこれを否定しています。
実際に中国の軍事利用が進むと、同基地はアフリカ東部ジブチに次ぐ二つ目の中国軍の海外拠点になる可能性があります。
【中国資本による運河整備 ベトナムは反対するも・・・】
中国資本によるインフラ開発で注目されるのが、カンボジア首都のプノンペンとタイランド湾を結ぶフナム・テコ(フナン・テチョ)運河の整備事業です。
*****中国資本でカンボジアに運河建設、「歓迎の声」と「警戒の声」―シンガポールメディア****
シンガポール華字メディアの聯合早報はこのほど、カンボジア国内で中国資本による建設が今年後半に始まるフナム・テコ運河を巡る、さまざまな見方を紹介する記事を発表した。
同運河はカンボジア経済に大きな恩恵をもたらすとして歓迎する意見がある一方で、環境問題への影響や中国が軍事利用する可能性を懸念する声があるという。
フナム・テコ運河はカンボジア首都のプノンペンとタイランド湾を結ぶ全長180キロ、幅100メートル、深さ5.4メートルの積載量3000トンの船舶が利用できる運河で、2028年の完工を見込む。
建設を請け負う中国路橋集団は、数十年間の占有権を取得するとされる。同運河が完成すれば、カンボジアからのベトナムの港湾を通じた海運輸出が最大で70%削減できるとみられている。
ニュージーランドのオークランド大学の名誉研究者でもあるカンボジア開発研究所(CDRI)のンギン・チャンギットシニアリサーチフェローは、同運河により、カンボジアの繊維製品や原材料をプノンペンから海まで運ぶ距離が短縮され、温室効果ガスの排出が削減されると述べた。また同国の農業でかん漑のレベルが上がれば、運河沿いに暮らす160万人のカンボジア人が恩恵を受けるという。
ンギン氏は一方で、中国の投資や援助を受けてカンボジア経済が発展してインドシナ半島における同国の政治的影響力が向上することは「中国の利益につながる可能性がある」と述べ、「ベトナムと米国の関係がより密接になるにつれ、メコン地域では中米の競争によって地政学的な緊張がさらに高まるかもしれない」との見方を示した。
また、同運河の環境に対する影響を懸念する声もある。ベトナムのサプライチェーンの専門家であるグエン・フン氏は、運河によって既存の人口の流出や農業用地の喪失、湿地帯の減少が起きる可能性があると述べた。米スティムソンセンターの持続可能な開発プロジェクトの責任者であるアイラー氏は、運河によって「ベトナムの大規模なコメ生産のために使用可能な水量が減少する」と主張した。
カンボジアのスン・チャントル副首相は水資源に関連する問題について、「運河はかん漑や漁業にも使われるが、運河に使われる水の量は『大海の一滴』にすぎない。運河は最大で毎秒5立方メートルの水を海に排出するが、メコン川は毎秒8000立方メートルの水量を海に流している」「運河が環境に与える影響は小さく、ストローほどの大きさしかない」などと説明した。
メコン川については、水資源の利用と調整を行うための、タイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの4カ国が参加するメコン川委員会がある。
ソン副首相は、カンボジアはメコン川委員会に運河建設計画を通知したが、同プロジェクトについて地域の他の国に相談することはないと述べた。カンボジア政府は要請があれば、メコン川委員会に情報を追加提供する用意もあるが、そのようにする法的義務はないとした。
一方でメコン川委員会は、カンボジアに対しては数回にわたり要請し、2023年8月と10月に正式な書簡を送ったにもかかわらず、運河を評価するために必要な情報は伝達されていないとしている。
軍事面については、中国の軍艦が同運河を利用してメコン上流に進出するのではないかとの懸念も出た。スン副首相は「絶対にありえない」「われわれの憲法は、いかなる外国軍もカンボジアに入ることを認めていない」と、完全否定した。
ベトナム駐在の西側外交官も、ベトナムが安全保障上のリスクに直面しているとするベトナム人学者の警告について、運河の深さと水門の規模が限られているとして、中国に軍事利用される恐れがあるとの主張は「やや誇張されている」として、取り合っていないという。【5月13日 レコードチャイナ】
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フナン・テチョ運河は、扶南王国(1~7世紀ごろ)時代に建設されたものを水深を深めるなどの整備をするもののようです。
これにより、現在はベトナムから小型船に積みかえてメコン川を遡ってプノンペンに運ばれていた物資が、直接タイランド湾からプノンペンに入ることになります。
****カンボジア副首相が東京で講演、フナン・テチョ運河建設の利点強調****
(中略)
(カンボジア副首相兼カンボジア開発評議会第1副議長)スン・チャントール氏は講演で、カンボジアの地理的優位性をさらに強化するものとして、フナン・テチョ運河の建設計画に言及し、同運河の整備はカンボジア進出企業の大きなメリットとなり得ると説明した。フナン・テチョ運河の原型となる運河は扶南王国(1~7世紀ごろ)時代に建設されたものとされる。スン・チャントール氏は、現在も利用されているこの運河を深さ1.5メートルから5.4メートルに整備し直すことにより、船の積み替えをせずに内陸まで貨物を運ぶことができ、輸送のリードタイムやコストの低減につながると話した。
同運河の全長は180キロで、総工費は17億ドルを見込む。官民連携パートナーシップ(PPP)方式で建設を行い、2028年の完成を目指すとした。
ジェトロによるプノンペン港担当者へのヒアリング(2023年時点)によると、カンボジアの海上貨物のうち、現在65~70%がシアヌークビル港で、残りがプノンペン港で荷揚げされているという。プノンペン港を利用する貨物は、ベトナム・ホーチミンの港で小型船に積み替えてプノンペン港まで運ぶことが多い。
過去には経由港での検査を理由とした大幅な輸送遅延などが起き、国内の物流や生産に影響を及ぼすことがあった。運河が整備されることにより、経由国の物流事情に左右されるリスクの軽減が期待される。
フナン・テチョ運河建設に当たっては、ベトナムなどが環境や生態系への影響、中国の軍事利用への懸念を表明しているが、カンボジアは懸念に足る事実はないとして反発している。【5月28日 JETRO】
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物資の流れが“ベトナム抜き”に変わること、メコンデルタでのコメ生産等に影響する可能性があること、更には中国の軍事利用の懸念などからベトナムが同計画に反対しているのは前出【レコードチャイナ】にもあるところです。
カンボジア側は、「運河が環境に与える影響は小さい」「水深5mでは軍艦は使えない」「われわれの憲法は、いかなる外国軍もカンボジアに入ることを認めていない」などと、反論しています。
ただ、「われわれの憲法は・・・」云々はまったくあてにならないようにも思えますが。
【インフラ整備をめぐって争う中国と日本・・・ということではあるが・・・】
カンボジアでは上記のような中国に対抗する形で日本もインフラ整備を争っています。
****日本と中国、カンボジアの366億ドルのインフラ整備めぐり争う―中東メディア****
中国メディアの環球時報によると、中東の衛星テレビ局アルジャジーラはこのほど、中国と日本がカンボジアの366億ドル(約5兆6730億円)のインフラ整備をめぐり争うとする記事を配信した。
記事はまず、「カンボジアはインフラ整備を推し進めているが、366億ドルと推計されるその計画は、海外の友人らの助けがあって初めて実現できるだろう。これはカンボジア政府が10年という期間内で国の交通と物流ネットワークを徹底的に見直す174のプロジェクトからなるマスタープランの中で今年初めに発表された最終的な金額だ」と伝えた。
記事によると、カンボジアの政府と民間企業は、同国のインフラ整備に資金を提供しているが、その投資の多くを占めているのが中国と日本だ。両国はカンボジアの外交上の最高位である「包括的戦略的パートナーシップ」を保持している国でもある。
これまでのところ、中国の「一帯一路」構想は、首都プノンペンから沿岸都市シアヌークビルまでを結ぶ同国初の高速道路などの主要プロジェクトでインフラ整備を主導してきた。
一方、日本は独自の歩みを維持し、新しい下水処理施設や既存の道路の改良などのさまざまなプロジェクトに焦点を当てている。
東京大学の研究者、柴崎隆一氏によると、「中国の(インフラ)投資額と比較すると、日本の投資額はとても限られている。中国からの投資がとても多いため、隙間を埋めるか、投資をより広い視点に合わせて調整するため、ニッチな市場を見つけなければならない」という。
中国政府は近年、メガプロジェクトへの投資に背を向け、優良なプロジェクトへの投資指向の傾斜を支持している。これらの資金は通常、「建設・運営・移転」契約によって提供され、作業を監督する企業が、あらかじめ決められた期間にわたって完成したプロジェクトによって生み出される収益と引き換えに開発費用を負担する。
協定が終了すると、所有権は開催国の政府に移管される。カンボジアの大局的なビジョンの重要な部分は、その種の資金調達に依存することになる。
カンボジアのインフラ基本計画には、九つのメガプロジェクトの案が含まれている。それらのほとんどはまだ実現可能性について研究中の段階だが、日本の国際協力機構(JICA)、または中国交通建設集団傘下の中国路橋工程(CRBC)がほとんどすべてに接触している。
CRBCは昨年、プノンペンとベトナムとの国境都市バベット間の2番目の高速道路の起工を果たしたが、これは計画されている九つのメガプロジェクトの一つだ。
シンガポールに本拠を置く海運代理店ベン・ライン・インテグレーテッド・ロジスティクスのプノンペン事務所のプロジェクト開発責任者、マシュー・オーウェン氏は、「誰もが影響力を持ち、誰もが得るものを持っている。これは競争ではなく、カンボジアの親友になろうとする国々のたまり場のようなものだ。カンボジアは、同国をより良くすることに前向きな国であればどの国に対してもオープンだ。誰が最大の橋を架けるかという独自の競争をしたいのであれば、それに参加すればいい」と語る。【5月20日 レコードチャイナ】
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現在の資金力などからみて、更にカンボジアと中国の政治的緊密さを考慮すれば、日本が中国にまともに対抗できるとは思われませんが、“ニッチな市場”で日本独自の技術・発想で取り組む・・・といったところでしょうか。
カンボジアも、全てを中国に委ねるリスクを考慮して、日本側への幾分かの配慮もあるのかも。 』
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中国資本のカンボジアの運河建設計画により高まる地域の懸念
https://ipdefenseforum.com/ja/2024/04/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%B3%87%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%81%AE%E9%81%8B%E6%B2%B3%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E8%A8%88%E7%94%BB%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8A%E9%AB%98%E3%81%BE/
『4月 29, 2024
プノンペンとタイ湾を結ぶ全長180キロの運河建設計画は、中国が資金を提供することで経済的、環境的、人道的な懸念を引き起こしており、2,635億円(17億ドル)を投じたフナン・テチョ(Funan Techo)運河が建設されれば、中国軍の艦艇がカンボジア内陸部やカンボジアとベトナムの国境を航行できるようになるとの憶測を呼んでいる。,
このことから、移住を余儀なくされる可能性のあるカンボジアの人々は、補償に疑問を抱いている。 ベトナム政府は、浚渫された水路が完全にカンボジア国内にあり、プノンペンの現在の海上航路であるメコン川下流域から商船を引き離し、ベトナムを経由して国際水域に到達させることによる経済効果について検討している。 この運河はメコン川から水を引くことになると専門家は予測しており、メコン川流域に暮らすベトナムの稲作農家は作物の心配をしているという。
画像提供:FORUMスタッフ複数の報道によると、幅100メートル、深さ5.4メートルのこの運河を経由し、中国政府の人民解放軍海軍の艦艇がカンボジア内陸部やベトナムの都市にアクセスする可能性があるという。 このプロジェクトの沿岸部の終着点であるケップは、シアヌークビルにあるカンボジアのリーム海軍基地から約100kmの距離にあり、同基地は最近、中国の資金で改修工事が行われたばかりである。
ブルームバーグ・ニュースによると、ベトナムの研究者らは、ベトナム政府が支援する研究所が2024年3月に発表した論評の中で、「フナン・テチョ運河は単なる社会経済開発プロジェクトではなく、大きな軍事的価値を持ち、地域全体の防衛と安全保障の状況に強い影響を与える」と述べている。
「空母の話ではないことは確かだ」と、ワシントンD.C.に拠点を置くスティムソン・センター(Stimson Center)の東南アジアプログラム・ディレクター、ブライアン・アイラー (Brian Eyler)氏は2024年1月、ラジオ・フリー・アジアに対し語っている。 また、「ただし、メコン川上流で中国から来る合同巡視船などは、あの運河を簡単に通り抜けられるだろう」とも述べている。
2024年4月、ストレーツ・タイムズ(The Straits Times)紙が報じたところによると、国営の中国架橋・道路公社(China Bridge and Road Corp)が運河建設に資金を提供し、50年間にわたり運営を管理し、利益を得るという。 プノンペンの港のすぐ下にあるメコン川支流と湾を結ぶ運河のルート沿いには、3つのダム、11の橋、208キロの歩道の設置が計画されている。
経済誌『ベトナム・ブリーフィング(Vietnam Briefing)』は2024年4月に、中国政府はこのプロジェクトへの中国の投資によって、プノンペンの重要な経済パートナーとしてなど、東南アジアにおける中国の影響力を強化することになると考えていると報じた。
カンボジアのフン・マネット(Hun Manet)首相が「この運河が中国軍艦の内陸部へのアクセスを可能にすることを否定し、カンボジアは他国が自国の領土を他国に対する軍事基地として使用することを認めていない」と述べたことを、シンガポールの放送局CNAは2024年4月に報じている。 首相はまた、「この運河は軍艦にとっては浅すぎる」とも述べている。
CNNは、カンボジア国防相のフェイスブックに掲載された写真を引用し、2023年12月に中国軍のフリゲート艦2隻がリーム海軍基地に停泊したと報じた。 カンボジア当局は、軍艦はカンボジア軍を訓練するために寄港したと述べている。
ディプロマット誌は2024年1月、マネット首相がベトナムのファム・ミン・チン(Pham Minh Chinh)首相に対し、予備調査では運河がメコン川下流域に与える影響は最小限であることを保証したと報じている。 両首脳は前月ハノイで会談している。
ブルームバーグ・ニュースが2024年4月に報じたところによると、マネット首相は「この運河は農作物に水を供給し、雨季の水管理を改善し、淡水漁業を促進する、などの効果がある」と述べたという。 また、ストレーツ・タイムズ紙によると、内陸部のカンポット州、カンダル州、タケオ州を通るルート沿いでは、推定160万人の雇用が創出されるという。
しかし、観測筋はこのプロジェクトに関する詳細が不足していると指摘している。 「カンボジアの人々は、近隣諸国やより広い地域の人々とともに、地域の水管理、農業の持続可能性、安全保障に影響を及ぼす可能性のある主要な事業の透明性を確保することで恩恵を受けるだろう」と在プノンペン米国大使館のウェスリー・ホルツァー(Wesley Holzer)広報官はブルームバーグ・ニュースに語っている。
また、ホルツァー広報官はカンボジア政府関係者に対し、「MRC(メコン川委員会)と加盟国が、プロジェクトがもたらす可能性のある影響を十分に理解し、評価し、それに備えることができるよう、適切な環境影響調査に全面的に参加すること」を求めたと、ブルームバーグ・ニュースは報じている。 MRCはカンボジア、ラオス、タイ、ベトナムの代表で構成され、メコン川下流域の持続可能な開発を推進している。
2024年3月、独立カンボジアジャーナリスト連盟(independent Cambodian Journalists Alliance Association)は、生まれた時からカンダルに住み続けているヘング・ナン・エン(Heang Nang Eng)氏(60歳)が「運河プロジェクトで家が破壊されたらどこに行こうかと心配している」ことを報じた。 同氏はさらに「たくさんの土地を持っている人は、このプロジェクトの影響を受けても別の場所に移ることができるが、 私は他に土地を持っていない」と語った。』
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半導体や工作機械の5分野、技術移転防止を補助金条件に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA271VL0X20C24A5000000/『2024年5月30日 5:00
【この記事のポイント】
・補助金の条件を見直し、企業の管理意識の向上狙う
・他国で生産や増産する場合は経産省に事前相談
・先端技術分野で日本の国際競争力を維持経済安全保障の強化に向けて、経済産業省は半導体や工作機械の5分野で技術の海外流出を防ぐ取り組みを厳しくする。補助金の支給先企業を対象に、重要技術に関わる人数を制限するほか、他国で生産を増やす場合に事前相談を求める。取引先の技術流出対策も把握する…
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IMF、アルゼンチンに8億ドル支出へ ミレイ政権を評価
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN210210R20C24A5000000/※ 今日は、こんな所で…。
『2024年5月27日 19:02
【サンパウロ=水口二季】アルゼンチンの経済再建に向けた改革が進展を見せ始めた。国際通貨基金(IMF)は新政権での取り組みの成果が「期待以上」として、6月にも約8億ドル(約1250億円)の支援を承認することで合意した。緊縮財政を維持しつつも、高インフレに対応する難しい政策のかじ取りが今後も求められる。
IMFはこのほど、支援条件とする基準をアルゼンチンが全て満たしているとして約8億ドルの資金を提供…
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『IMFはこのほど、支援条件とする基準をアルゼンチンが全て満たしているとして約8億ドルの資金を提供すると発表した。6月にも理事会で承認される見通しだ。
アルゼンチンはIMF最大の債務国の一つだ。2022年には450億ドル(約7兆円)の債務再編で合意しており、アルゼンチンは定期的な調査を受けることを前提に、借換資金を受け取る取り決めになっている。
IMFはマクロ経済の回復が予想を上回るペースで進んでいるとして、23年12月に発足したミレイ政権の取り組みを支持。アルゼンチン経済は「今年後半から成長を始める」との予測を示した。
評価したのは、ミレイ大統領の「ショック療法」による経済再建策だ。就任直後には、非公式の為替相場との格差を縮めるため、自国通貨ペソの対ドル公式相場を約5割切り下げた。
他にも新規公共工事の停止や省庁の半減、公共交通機関への補助金の削減といった厳しい緊縮財政を進めてきた。
こうした取り組みの結果、1〜3月の財政収支は国内総生産(GDP)比で0.2%の黒字となった。四半期ベースの黒字は16年ぶりとして、ミレイ氏は「(目標に向けた)道のりの半分を越えた」と成果を強調した。
インフレの抑え込みも成果を出しているとIMFは評価する。4月の消費者物価指数は、前月比で8.8%の上昇にとどまった。23年12月の同25.5%増から4カ月連続で上昇率は縮小している。
中央銀行はインフレの抑制を理由に大幅な利下げを続けている。中銀は14日、政策金利を50%から40%に引き下げると決めた。ミレイ政権下では6度目の利下げとなる。
マクロ指標は改善する一方、緊縮策や長引くインフレにより国民の生活は厳しさを増す。アルゼンチンのトルクァト・ディ・テラ大学が政府統計から推定する貧困率は、24年1~3月は51.8%と23年末の約45%から悪化している。
光熱費や食料価格は1年間で6倍程度に上がり、国民の購買力は低下した。3月は物価が前年同期比287.9%上昇したのに対し、賃金上昇率は同200%にとどまった。
アルゼンチンの国民食である牛肉の1人当たりの消費量が過去30年間で最低の水準に落ち込む。デモやストライキも相次いでおり、国民の間では不満が募っている。
IMFは今後「財政再建の質を向上させることが重要」と指摘する。改革の負担が労働者層に偏らないために追加施策が必要だとした。ミレイ氏は5月末にも、税制や労働市場の改革に向けた法案の国会承認を目指す。当初案からは大幅に修正を迫られており、野党や国民の支持を取り付けられるかが課題となる。』
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金正恩氏「失敗は成功の前提」 偵察衛星発射に言及
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM290HE0Z20C24A5000000/『2024年5月29日 8:13
【ソウル=甲原潤之介】北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が28日の演説で軍事偵察衛星の発射失敗に言及したと報じた。「失敗はあくまでも成功の前提であり、決して挫折と放棄の動機にはならない」と述べ、開発を進める考えを強調した。
国防科学院の技術者を集めた行事に出席した。米国の軍事力に北朝鮮の安全環境が脅かされていると指摘し、偵察衛星の保有が必須だと訴えた。通信衛星や気象観…
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『通信衛星や気象観測衛星など他の衛星も「実用的で必須」としつつ、偵察衛星を優先課題に定めていると説明した。
「作戦上、必要な宇宙偵察能力の保有は絶対に放棄することも、変更することもない。我々の自主的権利を守るための闘争だ」と語った。
韓国が北朝鮮の衛星打ち上げに対抗して戦闘機の飛行訓練をしたことに「非常に危険な挑発行為で、われわれが激怒せざるを得ない明白な国権侵害行為だ」と主張した。
打ち上げの失敗をめぐっては「萎縮するのではなく、より大きく奮発する」と宣言した。「失敗を通じ、より多くのことを知り、より大きく発展するものだ」と呼びかけた。
【関連記事】
・北朝鮮ロケット、有害燃料を切り替えか ロシア支援で
・北朝鮮の衛星「発射急いで失敗」 防衛省が分析
・北朝鮮、偵察衛星打ち上げ失敗 沖縄に一時避難呼びかけ 』 -
新興国「自由より成長」 選挙×強権のオルタナ民主主義
Polar Shift サウスの論理(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM100BC0Q4A510C2000000/『2024年5月27日 2:00
インドで6月4日の開票まで1カ月半かけて実施中の総選挙が終盤に入った。「民主主義に献身的に取り組んできた。それこそが私だ!」。18日に首都ニューデリーで遊説したモディ首相がダミ声で力を込めると会場は歓声に包まれた。
4月の選挙集会でイスラム教徒を「侵入者」と呼び物議を醸した。それでも遊説には数千人の支持者が集まり、圧倒的な人気を見せつけた。
インド総選挙の有権者は10億人近くに上る。投票は4月1…
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『権威的だとの批判にインドは反発してきた。欧米の調査会社が算出するインドの民主主義指数が大きく落ち込むと、独自の指数開発を探り始めた。』
『米調査会社モーニング・コンサルトの調べでは、5月初旬時点でモディ氏の支持率は74%に上った。日米欧・新興国24カ国の首脳で最高だった。
高い支持率が強気な姿勢を支える。米ピュー・リサーチ・センターによると、議会や司法のチェックを受けない指導体制を受け入れるとの回答がインドでは67%に達した。調査した24カ国の中央値である26%を大きく上回った。
背景にあるのは高成長による所得増だけではない。デリー首都圏は監視カメラの密度が世界最高との調査もある。ニューデリー近郊のスチタ・ムンダさんは「治安改善に役立つ」と捉える。プライバシー侵害といった批判は少ない。』
『グローバルサウスと呼ばれる新興国は経済発展で後れをとってきた。国民は豊かさなど生活改善を渇望する。
かつて世界経済の大半を占めた先進国は経済成長が鈍り、自由や平等を基本理念とした欧米型民主主義は社会の分断に伴う変質が目立ってきた。グローバルサウスは自らの力で成長するレールを敷く。』
『その一つとして選挙と強権を組み合わせた「オルタナ(代替)民主主義」が広がっている。
新興国は格差が大きい分、政治への要求や不満も振れが大きくなりやすい。選挙で選ばれた政治指導者は時に強権的な手法も使って最短ルートで成長を追い求めようとしている。』
『未来の経済大国と目されるインドネシアもその一つだ。ジョコ政権では与党連合の国会議席が8割を超えた。2022年の刑法改正で大統領や政府への侮辱を犯罪とし言論統制を強めた。
2月の大統領選で圧勝したプラボウォ国防相はジョコ氏の長男を副大統領候補とし、ジョコ氏支持層の票を取り込んだ。縁故主義への批判が一部にとどまったのは、大多数の国民が経済成長を実現し豊かな国に導く「強いリーダー」を求めるためだ。
ジョコ氏は資源輸出を制限して加工業を誘致した。高速鉄道などインフラも整備した。「45年に先進国入りする」との夢を国民に見せる同氏の支持率はインドネシアの調査会社によると7割を上回る。』
『「20世紀初頭のような繁栄した国になるため貢献したい」。アルゼンチンのミレイ大統領は23年12月の大統領就任前に何度も訴えた。高インフレや通貨安に苦しむ国民は衰退からの脱却を唱えるリーダーに未来を託した。
改革推進へ経済のドル化や中央銀行の廃止など過激な考えを持つ。国民に痛みを強いる補助金の削減は9日にゼネストへ発展したが「私は止まらない」。ミレイ氏はこんなメッセージが書かれた服の写真をSNSに投稿した。就任から半年近くたっても6割を超す支持率が同氏を支える。』
『グローバルサウスは国際関係の極が揺れ動く「ポーラーシフト」の世界を見据え、西側諸国とは異なる価値観で経済成長や社会の安定に挑む。「サウスの論理」を読み解き、強みや死角を探る。』
『多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。前嶋和弘のアバター
前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
コメントメニューひとこと解説「オルタナ民主主義」は「民主主義」でなく「権威主義」。民主主義の後退。
2024年5月27日 11:53いいね
22蛯原健のアバター
蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナー
コメントメニュー分析・考察 周囲のインド人ビジネスパーソンに聞くとモディ首相には辛口な評価も外に選択肢も無い、という類の声が多いように思います。
どの国でも、もっと言えばどの企業や組織でもそうですが長期政権化するとある程度独裁ないしは独善的、強権的になったりディシプリンが緩んだりという事は古今東西枚挙に暇がないところはあるでしょうが、一方でインドは10億人を超える最大の民主主義国であるのみならず文化、言語、人種、経済格差、あらゆる意味でダイバーシティが高く、かつ州自治が強い事でも知られている故、それを総じて大過なく治めていくにはある程度強いリーダーシップでなければここまでの成果は挙げられなかった可能性はあるでしょう。
2024年5月27日 9:46』
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4月のタイ車生産11%減、21年以来の低水準 国内低調
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS274ZV0X20C24A5000000/『2024年5月27日 16:57
【バンコク=赤間建哉】タイ工業連盟(FTI)は4月の同国自動車生産台数が前年同月比11%減の10万4667台だったと発表した。9カ月連続のマイナスで、新型コロナウイルスや半導体不足の影響があった2021年8月以来の低水準だった。自動車ローンの審査の厳格化が続いており、国内向けが落ち込んだ。
国内向けは34%減の3万2739台だった。「国民車」とされ人気の高いピックアップトラックが46%減と伸び悩…
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