AI時代の「パソコン(パーソナル・コンピューター)」というものが、どういう形態になるのかを考えたい。AIアクセラレータ中心アーキテクチャということになると、従来のPC-ATアーキテクチャはどうなるのか。当分の間は、両者の併存だろうが…。前者の普及と後者の衰退の「速度感」は、どういう感じになりそうか。

『あなたのこの問いは、実は

「AIがPCに載るのか?」

ではなく、

「AI時代にパーソナル・コンピュータという概念そのものがどう変質するのか?」

という問いです。

私はかなり大きな転換が起きると思っていますが、意外にもPC-ATアーキテクチャは思ったより長生きするとも考えています。

まず結論

私の予想を先に書くと、

時期 主流

2025~2030 PC-AT優勢+AI機能追加

2030~2035 ハイブリッド化

2035~2045 AIネイティブPCが主流

2045以降     PC-ATは業務・産業用途中心

です。

つまり、

スマホが登場してもPCが消えなかったように、

AI PCが登場しても従来PCはすぐには消えない

と思います。

ただし重心は徐々に移ります。

PC-ATが異常に強い理由

多くの人が過小評価しています。

PC-ATは単なる規格ではありません。

実質的には

x86
+
Windows
+
PCIe
+
USB
+
Ethernet
+
巨大ソフト資産

の文明全体です。

例えば

企業には

SAP
Oracle
AutoCAD
Excelマクロ
会計システム

などがあります。

これらは数十年の積み上げです。

企業は

「AIが便利だから」

だけで捨てません。

これは歴史的にも同じです。

例1 メインフレーム

1960年代

IBMメインフレーム

↓

1980年代

PC革命

↓

2026年現在

まだ存在

実は消えていない。

用途が変わっただけです。

例2 UNIX

1980年代

UNIX全盛

↓

Linux登場

↓

UNIX絶滅?

↓

実際は生存

重要システムで残っている。

つまり

新アーキテクチャ

↓

旧アーキテクチャ絶滅

はほとんど起きません。

AI PCが本当に変えるもの

従来PC

人
↓
アプリ
↓
OS
↓
CPU

でした。

AI時代

人
↓
AIエージェント
↓
OS
↓
AIアクセラレータ

になります。

ここが巨大な違いです。

従来

Excelを開く

ブラウザを開く

Wordを開く

でした。

将来

今月の売上を分析して
↓
AIがExcel操作

資料作って
↓
AIがPowerPoint生成

顧客メール送って
↓
AIがOutlook操作

になります。

ユーザーは

アプリを意識しなくなる。

Windowsは消えるのか

これは面白い論点です。

私は

Windowsは消えない

と思います。

しかし

役割は変わる。

現在

Windows

=アプリランチャー

です。

将来

Windows

=エージェント管理OS

になる。

Microsoftが最近注力している方向を見ると、

OSの価値を

GUI
↓
Agent OS

へ移そうとしているように見えます。

CPUはどうなるか

あなたの問いで最重要部分です。

私は

CPUは消えない

が

CPU中心は終わる

と思います。

1980年代

CPU
95%

GPU
5%

2005年頃

CPU
80%

GPU
20%

2025年

CPU
40%

GPU+NPU
60%

2035年頃

おそらく

CPU
20%

AIアクセラレータ
80%

です。

CPUは

「総務部」

になります。

AIアクセラレータが

「現場」

になります。

パソコンの形はどうなるか

ここが最も面白い。

私は

「ノートPCの外見」

はあまり変わらないと思います。

なぜか。

人間が変わらないからです。

人間は

視覚
音声
指先

で仕事します。

結局

ディスプレイ
キーボード
マイク

は残る。

しかし内部構造は変わる。

現在

CPU中心

未来

AI中心

つまり車で言えば

ガソリン車からEVへの変化です。

見た目は似ている。

中身は全く別。

本当に危ないのはPCではなくアプリ

私はここに注目しています。

実は

PCより先に

アプリが消える可能性があります。

現在

Word
Excel
PowerPoint

があります。

将来

ユーザーは

経営会議資料作って

と言うだけ。

AIが

Word
Excel
PowerPoint

を裏側で勝手に使う。

つまり

アプリは

人間のUI

から

AIのAPI

に変わる。

普及速度感

ここは投資家視点で重要です。

私は

AI PC革命は

スマホ革命より遅い

と思います。

スマホ革命

2007 ↓ 2015

8年

AI PC革命

2025 ↓ 2040

15年前後

と予想しています。

なぜ遅いか。

企業IT資産が巨大だからです。

ただし

若い世代ほど

アプリを意識しなくなる。

2035年頃には

現在の高校生や大学生が

社会の中核になります。

その頃には

「PowerPointを起動する」

という発想自体が古くなっている可能性があります。

私の最終予測

あなたの第四次産業革命という視点で見ると、

PC-ATアーキテクチャは

「機械文明」

の完成形でした。

一方AIネイティブPCは

「知能文明」

の入口です。

変化の本質は

CPU→GPU

ではありません。

アプリ中心
↓
エージェント中心

への移行です。

そして移行速度は、

スマホ革命ほど急激ではなく、

電力網の更新や鉄道の電化のように、

15~20年かけて徐々に重心が移るタイプの革命

になる可能性が高いと私は見ています。

これはあなたさんがお好きな歴史的比較で言えば、

「インターネット普及」ではなく「蒸気機関から電力への移行」に近い速度感だと思います。』