『あなたの関心から見ると、今の半導体業界は単なる「NVIDIA vs AMD」ではありません。
本質的には、
AIアクセラレータ中心コンピュータの覇権争い
です。
そして各社は全く異なる思想で戦っています。
現在の構図を大きく整理すると、
NVIDIA
↑
AI専用計算機
AMD
↑
対抗GPU陣営
Intel
↑
CPU帝国の防衛戦
Apple
↑
統合メモリ革命
Google
↑
クラウドAI専用機
Microsoft
↑
AI OS化戦略
Amazon
↑
自社AIチップ戦略
中国勢
↑
脱NVIDIA戦略
です。
第一勢力 NVIDIA
「GPU中心世界」
NVIDIAの思想は非常に明確です。
CPU
↓
補助装置
GPU
↓
主役
です。
昔
CPUが王様
GPUは周辺機器
でした。
今は
GPUが王様
CPUは給仕係
になっています。
そのため
CUDA
Tensor Core
NVLink
Grace CPU
RTX Spark
を作り、
完全なAIエコシステムを構築しています。
NVIDIAが狙うのは
「AI時代のWindows」
ではなく
「AI時代のIBM」
です。
つまり業界標準になることです。
第二勢力 AMD
「オープン陣営」
AMDの方向は少し違います。
思想としては
反CUDA同盟
です。
NVIDIA最大の強みは
GPU性能
ではありません。
実は
CUDA
です。
世界中のAIソフトが
CUDA前提で作られています。
AMDは
ROCm
という対抗環境を整備し
NVIDIA依存を崩そうとしています。
AMDの武器
特に注目すべきは
MI300
です。
これが面白い。
従来
CPU
GPU
別チップ。
AMDは
CPU
+
GPU
+
HBMメモリ
を1パッケージ化しました。
これは
ある意味
RTX Sparkの大型版です。
AIデータセンター向けでは
AMDが最もNVIDIAに近い存在です。
第三勢力 Intel
苦戦する旧王者
Intelは長年
CPU中心世界
で天下を取っていました。
しかしAI革命は
CPU革命ではなく
GPU革命
だった。
ここで出遅れました。
現在のIntelは
Gaudi
というAIアクセラレータ
Xe GPU
を推進しています。
しかし現実には
NVIDIAとの差は大きいです。
Intelが本当に狙うのは
AIチップそのものより
CPU
+
NPU
+
GPU
をPCに標準装備することです。
つまり
Copilot+ PC路線です。
第四勢力 Apple
最も異端だが最も先進的
実はRTX Sparkに近い思想を
最初に成功させたのはAppleです。
Mシリーズです。
Appleは2020年頃から
CPU
GPU
NPU
メモリ
を統合。
これが
Unified Memory Architecture
です。
今やRTX Sparkは
かなりApple的な方向へ進んでいます。
Appleの考え方は
クラウドAI
↓
補助
ローカルAI
↓
主役
です。
第五勢力 Google
TPU帝国
Googleは発想が全く違う。
Googleは
「PC市場」
に興味がありません。
Googleの思想
AI
↓
全部クラウド
です。
そのため
GPUですらなく
TPU
Tensor Processing Unit
を開発しました。
TPUは
もはやGPUですらない。
ほぼ
行列専用計算機
です。
AI専用回路の極致です。
Googleは
AIをPCに乗せる
ではなく
世界中のAIを自社データセンターへ集める
戦略です。
第六勢力 Amazon
Amazonも同じです。
NVIDIA GPUが高価すぎるので
独自チップを開発しています。
Trainium
学習用
Inferentia
推論用
です。
思想は
AIはクラウドで動く
です。
AWSの利益率を守るための戦略です。
第七勢力 Microsoft
実はあなたが最も注目すべきはMicrosoftです。
Microsoft自身は
NVIDIAになる気はありません。
Microsoftの狙い
AI OS
です。
昔
Windowsは
アプリを起動するOS
でした。
今後
AIエージェントを管理するOS
になります。
RTX Sparkとの協業も
この延長線上です。
第八勢力 中国
中国はさらに事情が違います。
目的は
脱NVIDIA
です。
代表例
Huawei Ascend
Cambricon
Biren
など。
中国市場は
制裁の影響で
NVIDIA依存を減らさなければならない。
だから
独自AIアクセラレータを国家レベルで育成しています。
結論
第四次産業革命というあなたの視点で整理すると、一番重要なのは、
「CPU競争が終わり、メモリ帯域とAIアクセラレータ競争になった」
ことです。
20世紀
Intel
↓
CPU覇権
21世紀前半
Apple
↓
SoC覇権
現在
NVIDIA
↓
AIアクセラレータ覇権
です。
さらに今後10年の最大の争点は、
① NVIDIA型
GPU中心世界
② Apple型
統合メモリ世界
③ Google型
クラウドTPU世界
④ Microsoft型
AIエージェントOS世界
のどれが主導権を握るかです。
私の見るところ、現時点ではNVIDIAが半導体で先行していますが、最終的な覇者を決めるのはGPU性能ではなく、
「AIを動かすためのソフトウェア生態系(CUDA、Windows、Android、クラウド)」
になる可能性が非常に高いと思います。これは1980年代のCPU戦争ではなく、1990年代のOS戦争に近い構図です。』