『【ロンドン時事】13日付英紙デーリー・テレグラフは、英政府が保有する核兵器の増強に乗り出す方針だと報じた。政府は16日、向こう10年間の安全保障や外交方針を定めた「安保・国防・外交政策統合レビュー(見直し)」を発表する予定で、これに盛り込まれる見込みという。
英国はこれまで、2020年代半ばまでに核弾頭数を「180発程度」に減らす軍縮計画を維持してきた。現在の保有数は上限に近い約180発と見積もられるが、同紙によれば政府はこの上限を引き上げ、備蓄可能な核弾頭を増やせるようにするという。』





『生命保険の仕組みも、損害保険と同じく長い歴史を経て確立されましたが、そのアプローチは異なります。 損害保険が…
『損害保険の仕組みは、人類の歴史において「冒険貿易のリスクヘッジ」と「大災害からの復興」という2つの切実な必要…
『損害保険と生命保険は、どちらも万が一の事態(リスク)に備える仕組みですが、その性質や目的、保険金の支払いルー…
『損害保険料率算出機構(損保料率機構 / GIROJ)は、日本の損害保険業界において「適正な価格(確率)」を担…
『はい、その通りです。保険の計算(数理)において、危険(リスク)の発生は確率計算が中心になります。 保険会社は…
『金融庁や有識者会議(損害保険業の構造的課題に関する有識者会議など)の議論において、企業内代理店に不足している…
『【ロンドン時事】13日付英紙デーリー・テレグラフは、英政府が保有する核兵器の増強に乗り出す方針だと報じた。政府は16日、向こう10年間の安全保障や外交方針を定めた「安保・国防・外交政策統合レビュー(見直し)」を発表する予定で、これに盛り込まれる見込みという。
英国はこれまで、2020年代半ばまでに核弾頭数を「180発程度」に減らす軍縮計画を維持してきた。現在の保有数は上限に近い約180発と見積もられるが、同紙によれば政府はこの上限を引き上げ、備蓄可能な核弾頭を増やせるようにするという。』
『【ワシントン時事】米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が15日から日本と韓国を歴訪する。その後、ブリンケン氏は米アラスカ州で中国外交トップと会談し、オースティン氏はインドを訪問する。両長官は共に初外遊。バイデン政権のアジア戦略の行方を占う機会になりそうだ。
中国海警法に懸念表明へ 「尖閣」けん制、文書明記調整―16日に日米2プラス2
両長官は最初の訪問先となる日本で16日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に出席、日米同盟強化を再確認する方針だ。中国を「唯一の競争相手」と位置付け、対抗姿勢を強めるバイデン政権は、日本との連携を最重視する姿勢を鮮明にしている。4月前半にも予定される菅義偉首相の訪米に向けた準備を加速させる。
韓国でも2プラス2を開催する。韓国側に米軍駐留経費の大幅増額を求め、在韓米軍撤収にたびたび言及するなど、トランプ前政権下でぎくしゃくした同盟関係の修復を図る。今月妥結した駐留経費交渉の正式合意を発表する可能性もある。
日韓両国では、バイデン政権が見直し中の北朝鮮政策も議題になるとみられるが、ソン・キム国務次官補代行(東アジア・太平洋担当)は電話会見で「見直し完了には数週間かかる」と指摘。公表に向け、日韓と擦り合わせを行いたい考えだ。
また、オースティン氏はインドでシン国防相と会談し、情報共有を含む安全保障分野での連携強化について議論する見通し。インドは米国製の攻撃型無人機の調達を検討しているとされ、装備面での協力についても話し合うもようだ。
一方、ブリンケン氏とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日、アラスカ州アンカレジで、中国の外交政策を統括する楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員、王毅外相と会談する。12日開催の日米、オーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)のテレビ首脳会談や、今回の外交安保閣僚の日韓印歴訪を通じて同盟国や友好国との連携を強化し、民主主義の価値を重視する「強い立場」を築いた上で、中国に対峙(たいじ)する構えだ。
楊氏らとの会談では、米国などが「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定した新疆ウイグル自治区の少数民族迫害を議題にする方針。サリバン氏によると、中国船舶の沖縄県・尖閣諸島周辺への侵入も取り上げる。ただ、米政府高官は「協力の可能性を残し続ける」とも述べており、気候変動や核不拡散などで協調の余地があるかを探りたい思惑もある。 』
『【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は、菅義偉首相、バイデン米大統領、インドのモディ首相、オーストラリアのモリソン首相による日本時間14日付の共同寄稿を掲載した。4カ国(通称クアッド)の枠組みでは初となった12日のテレビ首脳会議を踏まえ「自由で開かれたインド太平洋」実現へ連携を強めていく決意を表明した。
「中国包囲網」に温度差 日米豪印、安保色薄く
4首脳は「インド太平洋全域が連結され機会を得た新時代において、苦境に立つ地域の支援で協力するため、われわれは集結した」と強調。「インド太平洋が、国際法および航行の自由や紛争の平和解決といった基盤となる原理によって統治され、すべての国が強制されることなく政治的選択を行えることを確実なものとするため、われわれは奮闘している」と指摘し、名指しは避けたが、中国をけん制した。
また、気候変動問題に取り組むほか、新型コロナウイルス対応でインドでのワクチン増産を表明。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国をはじめ太平洋の島国、インド洋地域とのパートナー関係を強化する方針を示した。 』
『【ワシントン時事】中国スマートフォン大手の小米科技(シャオミ)が、同社への証券投資を禁止する米政府の措置を不服として起こした訴訟で、首都ワシントンの連邦地裁は12日、実施予定の禁止措置を差し止める命令を下した。バイデン政権はトランプ前政権が打ち出した対中強硬策を外交カードに利用したい考えだが、司法の壁に阻まれた形だ。
中国スマホ大手が米政府提訴 シャオミ「投資禁止は違憲」
米国防総省は前政権時の今年1月、中国人民解放軍の支配下にある中国企業のリストにシャオミを指定。大統領令に基づいて米国からの投資禁止対象にした。政権交代に伴い実施がいったん延期されたが、シャオミは一連の措置で「取り返しのつかない損害に直面する」と主張していた。
地裁判事は判決文で、国防総省が中国軍関連企業のリストに指定した手続きに「深刻な欠陥がある」と指摘。同省は、シャオミが軍事転用可能な先端技術に経営資源を集中させたり、創業者が中国で国家に貢献した経営者として表彰されたりしたことを理由に挙げたが、判事は「説明や根拠が不十分」と断じた。』
『【ブエノスアイレスAFP時事】アルゼンチンのフェルナンデス大統領が13日、森林火災の現場、南部チュブト州を訪れた際、群衆に囲まれ立ち往生しかける騒ぎがあった。アルゼンチン紙クラリンやテレビ映像によると、大統領が乗り込んだバスに、群衆が殴る蹴るの危害を加え、投石でバスの窓が割れた。
当局は12日、過去数日続く森林火災で1人が死亡し、11人が行方不明になったと明らかにした。約200戸が火にのまれた。水道や電気が止まった町もある。火災原因として放火が疑われている。 』
【中国ウォッチ】故華国鋒主席を利用、習氏への忠誠要求 生誕100年座談会の党指導者演説
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021030900321&g=int
『かつて中国共産党主席や首相を務めた故華国鋒氏(2008年死去)は、ポスト毛沢東の最高指導者に就任したものの、トウ小平氏によって失脚に追い込まれた人物として知られる。党指導部はこのほど、華氏の生誕100年を記念する座談会を開き、出席した指導者が華氏の党に対する忠誠心を礼賛することにより習近平国家主席(党総書記)への忠誠を要求。政権トップの終身制廃止、香港の「高度な自治」否定などトウ路線を次々と修正している現政権が習氏個人の権力基盤を固めるため、トウ氏のライバルだった華氏を利用した形だ。(解説委員・西村哲也)
◇出席者は格落ち
座談会は2月20日に北京の人民大会堂で開催され、党最高指導部の政治局常務委員会(7人)からナンバー5の地位にある党中央書記局筆頭書記の王滬寧氏とナンバー7の韓正筆頭副首相が出席して、王氏が演説した。
中国では、亡くなった党・国家・軍指導者の生誕100年を記念して、党指導部が座談会を開くのが慣例となっており、今回の座談会もそれに沿った行事。ただ、これまで故胡耀邦元総書記を含め政治局常務委員経験者の生誕100年座談会は現職の総書記(同常務委員の筆頭格)が参加してきたので、華氏のケースは格落ちだ。「改革・開放の総設計師」とされるトウ氏に追い落とされた指導者だからであろう。
なお、胡耀邦氏もトウ氏によって総書記辞任を強いられたが、華氏と違って政治局員のポストは維持し、死去するまで形式上は党指導部の一員だった。また、同じ改革派として、習近平氏の父である故習仲勲氏(元副首相、中央書記局書記)と協力関係にあったといわれる。
◇党内の派閥活動に警告
この種の座談会での演説は故人の功績を紹介した上で、故人に学ぶべき点を列挙するが、王氏は演説で華氏に学ぶべき点として最初に以下のように述べた。
一、「党性」(党員としての正しい考え)がしっかりしており、党に忠実な政治的品格があった点を学ばなくてはならない。華国鋒同志は党性の原則を重んじた。
一、文化大革命(1966~76年)の困難な状況下でも「党内では党性を重んじる必要があり、派閥性(党全体より自分の派閥を優先する考え)を重んじてはならない。党支部内で派閥性によって動くことは許さない」という立場を堅持した。
一、(華氏による四人組打倒で)歴史の転換が終わった後、彼は自覚的に団結を擁護し、大局に心を配り、個人の得失を考えなかった。
一、時代がいかに発展しても、条件がいかに変化しても、党に対する忠誠は一貫して第一の要求である。党員、幹部は習近平総書記の要求に従って、「二つの擁護」をきちんと行い、思想、政治、行動の面で終始、習近平同志を核心とする党中央と高度の一致を保たねばならない。
「二つの擁護」とは、習氏の党中央の核心、全党の核心としての地位を断固として擁護し、党中央の権威と集中的、統一的指導を断固として擁護することを指す。党内では「『二つの擁護』は本質的には一体だ」と公式に説明されているので、「習氏個人に忠誠を誓え」ということに等しい。
王氏は、絶対的な最高指導者だった毛沢東主席から後継者に指名された華氏がいかに「党性」を重視し、党の団結維持を考えて行動したかを強調することで、習氏への服従を求めた。習氏の意向を受け、イデオロギー・宣伝担当の王氏がひねり出した理屈だろう。
◇トウ小平氏の華氏批判否定
王氏の演説の華氏に対する評価は「中国共産党の優秀な党員、長い試練を経た忠実な共産主義戦士、プロレタリア階級革命家」で、08年の死去時に発表された公式の訃報と変わらなかった。他の政治局常務委員経験者たちと違って、プロレタリア階級革命家に「偉大な」もしくは「傑出した」という形容詞は付かず、「卓越した指導者」という言葉も使われていない。
だが、訃報にはなかった「中国革命、建設、改革に終生精力をささげた」という一文が加わったほか、文革後に「科学技術の学習、経営管理の経験学習を含め、外国の良い経験を必ず学んで、広範な経済協力を進める必要がある」と考えていたことも指摘された。全体として「華氏は改革・開放に貢献した」という意味にも読める。
いずれの表現も、生誕90年記念の時に当時の党中央党史研究室が発表した論文から流用したものだが、政治局常務委員の公式演説に盛り込まれたことで党指導部認定の評価となった。
少なくとも、華氏が文革後に党主席兼首相として外国からの設備・技術導入を本格的に開始し、後の対外開放政策の先駆となったのは事実。性急な導入で問題が生じたからといって「洋躍進」として全否定せず、先見の明をたたえるのは公正な評価と言える。
トウ氏は華氏について、左寄りの毛沢東路線を引き継いだだけの過渡的人物で、「独立したものは一つもない」と断じたが、今回追加された評価はそれを否定した。毛時代への回帰志向がある習政権は華氏にも好意的なようだ。こうした姿勢には、トウ氏に対する政治的評価をなるべく相対化したいという思惑もあるとみられる。 』
中銀デジタル通貨 米中競争激化の兆し
編集委員 西村博之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH10ACT0Q1A310C2000000/
『中央銀行が発行するデジタル通貨をめぐり、バイデン米政権下で米中の競争が本格化する兆しが出てきた。中国は国内外でのデジタル人民元の利用をにらみ実験のアクセルを踏む。静観してきた米国も重い腰を上げつつある。世界の中銀の対応にも影響するのは必至だ。
Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。
「今年は重要な年だ。国民と活発に対話する」。2月24日の米下院金融サービス委員会。パウエル米連…
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パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はかつてない前向きな表現でデジタルドルに言及した。前日の上院銀行委員会でも「非常に優先順位の高いプロジェクトだ」と発言。慎重姿勢を転換させた。
直前、香港の中銀にあたる金融管理局などの発表文が、金融関係者の注目を集めていた。中銀デジタル通貨の越境取引に関して香港とタイの中銀が進める実験に、中国人民銀行とアラブ首長国連邦(UAE)の中銀が加わるとの内容。「デジタル人民元を一帯一路に広げる布石か」(日銀OB)との声が上がった。
中国から西は中東、南は東南アジアをつなぎ、他の中銀も加えるというから確かに中国主導の広域経済圏構想と重なる。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使った企業間決済や資本取引の可能性をさぐるという。
中銀デジタル通貨は今回の実験のようなホールセール(大口)向けと一般消費者が使うリテール(小口)向けがある。
小口向けでも中国は2月の春節(旧正月)前後に北京市などの住人にデジタル人民元を配り使ってもらう実験を行った。2022年の実用化を視野に入れる。
北京市内でのデジタル人民元の実証実験(2月)
ただ小口向けは国内利用を想定した設計とされ、そのまま国外に広がるとみる専門家は少ない。一方、大口の越境取引は研究こそ初期段階だが、実現すれば元の国際化に弾みをつける。ここで中国は攻勢を強めている。
1月には人民銀が傘下のデジタル通貨研究所や人民元の国際銀行間決済システム(CIPS)とともに、送金情報を仲介する民間組織、国際銀行間通信協会(SWIFT)と合弁会社を設立。データや技術で協力する。
SWIFTはドル覇権の要で、米国が敵対国の資金源を断つ金融制裁にも使う。これを嫌い中国が15年に立ち上げたのがCIPSだ。なのに、なぜ手を組んだのか。
CIPSに参加する金融機関は足元で約100カ国の1000社ほど。SWIFTの約200カ国、1万社強に遠く及ばず、SWIFTがCIPSを補っているのが実情だ。中国はデジタル人民元の普及をにらみ、まずはSWIFTと組むのが有利と踏んだのだろう。
中国は似たような布石を随所で打っている。1月、モーリシャスとの間で発効させたアフリカ諸国との初の自由貿易協定(FTA)。そこにはデジタル金融の協力と「モーリシャス領内への人民元の清算・決済機関の設置」が盛られた。
むろん人民元の普及には資本規制や中国政府への信頼など課題も多く、ドルの地位が揺らぐ状況にはない。だが経済規模の米中逆転が迫るなか、基軸通貨国の米国は技術革新も踏まえた骨太な戦略が求められている。
イエレン米財務長官も中銀デジタル通貨構想を後押しする=AP
「デジタルドルは迅速で安全、安価な支払いに役立つ」。イエレン米財務長官は2月、国内の弱者対策の観点からFRBの背中を押した。
バイデン政権とその周辺にはほかにもデジタルドルの支持者が多い。大統領が米証券取引委員会(SEC)委員長への起用を決めたゲンスラー氏は、FRBと米マサチューセッツ工科大(MIT)が昨夏始めたデジタルドルの共同研究で窓口をつとめた。
FRBで中銀デジタル通貨の検討を主導するブレイナード理事は民主党に近く、次期FRB議長の有力候補。夫で新設の「インド太平洋調整官」に起用されたキャンベル氏は中国の台頭を警戒し、国務次官補(東アジア・太平洋担当)を務めたオバマ政権で「アジア回帰」を進めた立役者だ。
バイデン政権は国内と国外、政治と経済を通じ一貫性のある政策をめざしている。デジタルドルの検討が大きく前進する兆しを中国は察知しているのだろう。
編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へ https://www.nikkei.com/opinion/nikkei-views/
[FT]独与党、メルケルなきメルケリズムの道(社説)
新党首は中道路線を維持するも看板不在で求心力低下は必至
FT
2021年1月19日 13:15 [有料会員限定]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM190BO0Z10C21A1000000/
『ドイツで「ポスト・メルケル」の時代が、二度目の幕を開けた。当初、後継者候補として与党キリスト教民主同盟(CDU)の党首に選ばれたメルケル首相側近のアンネグレート・クランプカレンバウアー氏が就任1年余りで辞任、新たな人物がメルケル氏の後継候補となった。16日の党首選で、メルケル首相に近く、その中道路線の継承を約束するアルミン・ラシェット氏が新党首に選ばれた。
CDUは、最有力の対抗馬だったフリードリ…
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CDUは、最有力の対抗馬だったフリードリヒ・メルツ氏の下で保守化にかじを切るより、従来路線を維持することに賭けた。独西部ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州で首相を務めるラシェット氏は、メルケル氏に連邦議会選で4回連続の勝利をもたらしたオープンな中道路線を共有している。9月26日の連邦議会選を前にCDUの世論調査での支持率は高い。だが、程なく同党はその最強の人材であるメルケル氏不在の運営を迫られることになる。
ラシェット氏はメルケル氏の後を継ぐ次期首相の最有力候補ではあるが、その将来の地位が約束されているとは言えない。CDUが同党の姉妹政党でバイエルン州を地盤とするキリスト教社会同盟(CSU)と共同で首相候補を擁立するのは3月。全国的な選挙戦を勝ち抜ける手腕と知名度がラシェット氏にあるか疑問視する向きは多い。ラシェット氏がチャンスをものにするためには、早急に自らの存在を知らしめる必要がある。バイエルン州のトップとしてはるかに高い人気を誇るCSUのマルクス・ゼーダー氏に、首相候補の座をさらわれる可能性もある。
深刻な党内分裂
ラシェット氏にとって最優先の課題は党内の結束だが、これは容易ではない。党首選での自身の得票率は53%で、メルツ氏が47%を獲得しており、党内に保守路線の鮮明化を求める勢力は相当大きい。メルツ氏は2018年の党首選で敗北した後、鳴りを潜めていたが、今回は今後の党運営に影響力を行使する決意を見せている。16日の落選後、経済相として入閣できるようラシェット氏に求めた。メルケル氏は断った。
2つ目の課題は、メルケル氏が舞台を去ろうとする中でCDUの支持率を維持することだ。3月には南西部バーデン・ビュルテンベルク州と西部ラインラント・プファルツ州で、重要な州議会選挙が控えている。同時並行してラシェット氏は、NRW州で新型コロナウイルスの感染対応を率いる責任がある。昨年は初めのうち指導力をあまり発揮できず、その後はより厳格なロックダウン(都市封鎖)を呼び掛けて世論の支持を得たメルケル氏に追随した。現状では、ワクチン普及の成否が待ったなしで政治生命の明暗をはっきりさせる。
最後に、ラシェット氏はCDUの政策綱領を改め、メルケル政権が残した課題に対処する必要がある。国内インフラの老朽化、デジタル技術の遅れ、積極性に欠ける気候変動対策目標などが上げられる。石炭産業を支持し、中国やロシアに寛容なラシェット氏のスタンスは、連邦議会選後にCDUの連立パートナーになるとみられる緑の党との連携の障害になりかねない。ただメルツ氏よりは、ラシェット氏のような穏健派の方が、緑の党と協力できる余地は大きい。
CDU、ドイツ、そして欧州にとっては、メルツ氏がトップに立たない方がよいだろう。経済や社会に関するメルツ氏の見解は、過去の時代にとらわれている。欧州連合(EU)におおむね好意的とはいえ、メルツ氏陣営が連邦議会選でEUに懐疑的な極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」から支持者を取り込もうと緊縮的な財政・金融政策に傾斜すれば、厄介な事態を招きかねない。フランスびいきのラシェット氏なら、メルケル氏の慎重な欧州主義を受け継ぎつつ、こじれた独仏関係を修復できる可能性がある。
だがその前に、ラシェット氏は党員と国民の信頼を獲得しなければならない。彼は党大会で16日、ドイツ人の多くがまず選好するのはメルケル氏であり、CDUはその次だという不都合な真実を知らしめた。メルケル氏抜きでは、CDUにも、ラシェット氏にも、明るい未来が保証されているとは言えない。
(2021年1月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR143A00U1A310C2000000/

『【ベルリン=石川潤】14日実施されたドイツ西部2州の州議会選挙で、メルケル首相の国政与党、キリスト教民主同盟(CDU)がいずれも過去最低の得票率で敗北した。今回の州議選は9月の連邦議会(下院)選挙の前哨戦で、政権維持を目指すCDUにとっては手痛いスタートとなった。バーデン・ビュルテンベルク州では緑の党、ラインラント・プファルツ州ではドイツ社会民主党(SPD)が勝利した。
公共放送ARDの14日午後7時すぎ(日本時間15日未明)時点の得票予想によると、バーデン・ビュルテンベルク州では緑の党が前回16年を上回る32%程度の票を集め、同州での第1党の座を守った。CDUは第2党だが、得票率は前回より3ポイント以上落とし、23%程度にとどまる見通しだ。
ラインラント・プファルツ州では、同州を牙城とするSPDが前回16年とほぼ同じ35%程度の得票で第1党を維持した。第2党のCDUは前回より約5ポイント落とし、27%程度となったもようだ。
極右政党のドイツのための選択肢(AfD)はいずれの州でも10%前後の票を獲得した。ただ、得票率は前回よりも大きく下げており、勢いには陰りがみえる。
CDUの敗北は、マスク取引を巡って議員が利益を得ていたという不祥事が選挙直前に浮上した影響が大きい。長引くロックダウン(都市封鎖)やワクチン接種の遅れで高まっていた有権者の不満に火を付けたかたちだ。
CDUのツィーミアク幹事長は「(同党にとって)良い夜ではない」と敗北を認めた。緑の党のハベック党首は「(選挙の年の)すばらしいスタートだ」と語った。
9月の連邦議会選挙は、引退を表明しているCDUのメルケル氏の次の首相を決める選挙だ。ドイツ全体の世論調査ではCDUの支持率はトップで、2位の緑の党を大きく上回っている。ただ、足元では支持率が下がり気味で、今回の敗北は秋に向けて不安を残す結果となった。
CDU党首に1月就任したラシェット氏にとって党の立て直しが急務となる。ポストメルケルの最有力とみられている同氏だが、早くも正念場を迎えつつある。
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
赤川省吾のアバター
赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局編集委員
コメントメニュー
今後の展望 CDUで地方選を率いたのは長年、執行部と対立してきた党内非主流派。敗北で非主流派は勢いをそがれ、ラシェット党首の党内基盤が揺らぐことはないでしょう。ただコップの中の争いをしている余裕はありません。14日夜、電話取材に応じた与野党幹部は異口同音に「9月の国政選挙に影響する」と断言しました。
注目はバーデン・ビュルテンベルク州の次期州政府の枠組み
⑴同州で「緑の党+中道左派SPD+新ビジネスFDP」の3党がCDU排除で合意、連立へ
⑵その動きが国政に及び、9月国政選挙で3党あわせて過半数を制す
⑶緑の党首班の政権発足
…との構想も選択肢に浮上。政党の合従連衡がポスト・メルケルを左右しそうです
2021年3月15日 8:12いいね
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM142T60U1A310C2000000/
『【ヤンゴン=共同】ミャンマー最大の都市ヤンゴンで14日、国軍への抗議デモに参加した市民らが治安部隊の銃撃を受けるなどし、少なくとも20人が死亡した。複数の地元メディアが伝えた。国軍は同日、20人が死亡したヤンゴンのラインタヤ地区に戒厳令を発令した。
このほか中部バゴー地域と北部カチン州で計2人が犠牲になった。各地で複数の負傷者も出ている。
ラインタヤは、縫製工場などが立ち並ぶ地区。会員制交流サイト(SNS)には、国軍兵士や警察官らが同地区の高架橋から拳銃を発砲する映像が投稿された。
バゴー地域からの映像によると、銃声が鳴り響いて市民が細い路地に避難し、デモ参加者らが負傷者を搬送した。国軍は14日夜、国営テレビを通じて、同地域で警察官1人が死亡、3人が負傷したと発表した。
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