中国、ワグネル反乱は「内政問題」 ロシアの安定支持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM253KW0V20C23A6000000/
『【北京=田島如生】中国外務省は25日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱に関する報道官談話を発表した。「ロシアの内政問題だ。中国はロシアが国家の安定…
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『CPUの処理性能向上の歴史は、物理的な限界や熱との戦い、すなわち巨額の投資と天才たちのアイデアによる「苦闘の…
※ なるほど、自治体の長が「独善的になる要因」は、3つもあるわけだ…。 1、選出方法が、住民による「直接の」…
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『日本国憲法「第八章 地方自治」(第92条〜第95条)の条文は以下の通りです。 [1] (/goto?url=…
『日本の地方自治体の首長(知事や市町村長)によるハラスメント行為が後を絶たない背景には、個人の資質の問題だけで…
中国、ワグネル反乱は「内政問題」 ロシアの安定支持
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM253KW0V20C23A6000000/
『【北京=田島如生】中国外務省は25日、ロシアの民間軍事会社ワグネルの反乱に関する報道官談話を発表した。「ロシアの内政問題だ。中国はロシアが国家の安定…
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[FT]アジア投資「中国以外」に需要 地政学リスク見直し
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB218KL0R20C23A6000000/
『投資家の需要に応えるべく、中国を除くアジアに投資する新たな商品の拡充を急いでいるとの声が世界のファンドマネージャーの間で上がっている。アジア最大の経済大国である中国に対する投資意欲が、同国の経済成長の鈍化と地政学的リスクの高まりで大きく減退していることが背景にある。
「中国以外」商品への要望の中には、中国政府に関連するアジアの地政学的リスクを明確に回避するために、アジアの親米諸国の市場に投資する…
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米国、ワグネル反乱を事前把握 核リスクへの影響警戒
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN250QE0V20C23A6000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】米国の情報機関がロシアの民間軍事会社ワグネルによる武装蜂起の画策を事前に把握していたことがわかった。米主要メディアが24日報じた。強硬派のワグネルがロシア軍を掌握すれば、プーチン大統領がウクライナで核兵器を使用するリスクが高まりかねないと警戒を強めていた。
米紙ニューヨーク・タイムズなどによると、米情報機関はワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏が確執を取り沙汰されてきたロシア軍の高官らを狙って武装蜂起する準備をしているとの情報を6月中旬に得た。21日にはバイデン政権や米軍の高官らに説明した。
米政府内にはプリゴジン氏が軍全体の実権を握れば①ロシアのプーチン大統領の権力基盤②同国の核管理体制――を不安定にさせかねないとの懸念があった。
米情報機関はワグネルの計画に関する情報が漏れないよう細心の注意を払っていたもようだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、プーチン氏がプリゴジン氏の行動をめぐり、米欧など西側諸国の責任にする口実を与えたくなかったと報じた。米政府当局者の話として「武装蜂起を外国の陰謀によるものだと主張するのは十分に予想できた」と伝えた。
今回の内部対立は、ロシア国防省が今月上旬にワグネルなどの志願兵部隊に対して6月末までに同省と契約するよう命じたのが引き金になったとみられる。プリゴジン氏は反発し、同省の監督下に入るのを拒んだ。
プリゴジン氏が後にワグネルとなる組織を創設したのは14年。同年のウクライナ東部紛争に参加し、シリアやアフリカの紛争にも関与してきた。今回の侵攻では受刑者も雇い、ウクライナ東部の激戦地バフムトの攻略作戦を担うなど、ロシア正規軍と異なる指揮系統で前線に雇い兵を投入し、士気の低下が指摘されたロシア軍を補う部隊を形成した。
米政府の推計では、22年12月から23年5月ごろまでにバフムト周辺などで2万人以上のロシア人が死亡した。その半数がワグネルの戦闘員だと分析する。ワグネルはロシアの刑務所で採用して戦地に派遣しており、犠牲者の多くは元囚人だった。十分な戦闘訓練や指導がないまま戦地に送り込まれた。
22年秋ごろからはプリゴジン氏とロシア軍幹部との対立が表面化した。プリゴジン氏は弾薬不足で「膨大な死者」が出ていると訴え、ロシアのショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長への批判を繰り返してきた。
【関連記事】
・ワグネル、ロシア南西部から撤収開始か 欧米メディア
・プーチン体制崩壊の始まりか ワグネル反乱が示す分岐点
・岐路に立つロシア、和平か混迷か ワグネル反乱
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前嶋和弘
上智大学総合グローバル学部 教授
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ひとこと解説 ブリコジンの言動から想定されていた可能性の一つ。また、やや粗っぽいですが「プーチンとプリゴジンの壮大な出来レース」というシナリオも想定される可能性の一つ。
あとはその確信のレベルを高めるだけの追加情報をどれだけ積めるか。
2023年6月25日 19:06 (2023年6月25日 19:26更新)
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小島武仁のアバター
小島武仁
東京大学 マーケットデザインセンター所長
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別の視点 ちょうどすごく久しぶりにアメリカで学会に参加してたのですが、このニュースはやはり衝撃的で話題になっていました。
ロシアからの参加者もいましたが(当然かもしれませんが)大変そうでした。
そういえば何年か前にやはり学会に出ていた時にトルコの反エルドアンのクーデター未遂がありその場にいたトルコ人参加者(私の分野はトルコ人の方が多い)が帰れなくなったりして大変でした。
改めて、世界のいろいろなところで危険なことが起きていることを痛感します。
2023年6月25日 16:22 』
「すべての賭けは失敗だ」:ワーグナーの反乱後の不確実な未来
https://www.aljazeera.com/news/2023/6/25/all-bets-are-off-an-uncertain-future-after-wagner-mutiny
『(※ 翻訳は、Google翻訳)
ソーシャルメディア上では憶測が飛び交っているが、専門家らはワグナー・グループの運命について結論を出すことに対して警告している。
ロストフ・ナ・ドンを去りながら微笑むエフゲニー・プリゴジン。 彼は路上でサポーターの手を握っている。
動画時間 02分31秒02:31
2023 年 6 月 25 日発行2023 年 6 月 25 日
ワーグナーの指導者エフゲニー・プリゴージンの短期間の反乱を受けて、ロシアのウラジミール・プーチン大統領とその政府は未知の領域にいることに気づいた。現時点では危機は回避されたようだが、ロシアとワグナー・グループに次に何が起こるかは依然として不透明だ。
「すべての賭けは外れました」とチャタム・ハウスのロシア・ユーラシア・プログラムのシニア・コンサルティング・フェロー、キーア・ジャイルズ氏は日曜日にアルジャジーラに語った。
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4つのアイテムのリスト
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ロシア・ウクライナ戦争: 主要な出来事のリスト、488 日目
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ロシアの混乱で「亀裂」が明らかになる中、米当局者らはプーチン大統領が弱体化したとみている
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ワーグナーの反乱の次は?
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ワーグナーの反乱はプーチンの弱点を明らかにした
リストの終わり
「次に何が起こるかを知るために信頼できる固定データポイントがまったくありません。」
土曜日に始まったこの出来事は、百戦錬磨の傭兵グループ以外の全員を驚かせたかに見えた。ワーグナー軍はロシア最大の都市の一つであるロストフを急速に制圧したが、地元治安部隊の最小限の抵抗に遭い、地域軍司令部を占領した。
彼らはモスクワへの行進を続けたが、プリゴジンは傭兵たちに首都から200キロ(124マイル)のところで引き返すよう命じた。同氏はベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領との協定を仲介した後、ベラルーシに亡命することに同意した。
反乱は終わったようだが、ウクライナだけでなくシリアや多くのアフリカ諸国でも大きな影響力を持つことが判明したこの傭兵集団の運命はまだ分からない。
ルカシェンコ合意を巡る不透明感
クレムリンは、プリゴジン氏の刑事告訴なしでベラルーシ行きを許可するという合意など、合意の諸側面を公表した。
ルカシェンコ氏の事務所は、和解案にはワグナー軍の安全保障が含まれていると述べたが、詳細は乏しく、ジャイルズ氏によれば混乱を招いているという。
#Lukashenkoと交渉された合意の詳細、それがどのようにどのようなスケジュールで実施されるのか、各当事者に期待される結果、およびすべての関係者が合意にどの程度従うのかは、現時点では不明のままです。https://t.co/M5yx53y7GV https://t.co/LKDSQ1lGGh
— ISW (@TheStudyofWar) 2023 年 6 月 25 日
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「彼らが到達したとされるこの合意に関しては、未解決の疑問が多すぎるが、答えられつつあるように見える疑問さえも意味が無い」とジャイルズ氏は語った。
RUSIヨーロッパの上級研究員であるジョアナ・デ・デウス・ペレイラ氏はアルジャジーラに対し、過去24時間にロシアから出た「注意を払い、情報を批判的に分析することが重要」であると語った。
「見かけどおりのものは何一つありません。そう見えるものが実際にあるとは限らないのです」と彼女は電子メールで述べた。
プリゴジンの不確実な将来
ロシア大統領に対する公の場での挑戦がうまくいくことはめったになく、反政府派の指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏など多くの有力な批判者が毒殺されたり、不審な状況で死亡したりすることが多い。
「ロシアでは、ウラジーミル・プーチン大統領の前を通る人々は、窓から転落するという悪い前歴を持っている傾向がある。私たちは彼らが大々的に宣伝されず、複数の非常に残忍な方法で排除されるのを見てきました」とスーファン・グループの調査ディレクター、コリン・クラーク氏はアルジャジーラに語った。
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土曜日、プーチン大統領はテレビ演説でプリゴジン氏を「裏切り」と「反逆罪」で非難し、彼の行為を「わが軍とロシア国民の背中を刺すものだ」と述べた。
プーチン大統領は「反乱を準備した者は全員、避けられない処罰を受けるだろう」と述べ、「軍と他の政府機関は必要な命令を受けている」と付け加えた。
クラーク氏は、プリゴジン氏とベラルーシとの合意は必ずしも彼の安全を保証するものではないと述べた。
「プーチン大統領は、それが必要だと思えば、復讐を果たし、プリゴジンを処罰することを躊躇しないだろうし、おそらくそうなると思う」と同氏は語った。
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プーチン大統領はまた、ウクライナにおけるロシアの「特別作戦」に対する批判をあまり受け入れていないことが判明しており、侵略に疑問を抱く者を自国から排除する「自浄作用」を呼び掛けている。
プリゴジン氏は、2022年2月24日に開始されたロシアのウクライナへの全面侵攻の背後にある理論的根拠を公に疑問視した。
「国防省は国民と大統領を欺き、ウクライナ側からの常軌を逸したレベルの侵略があり、NATOブロック全体とともに我々を攻撃しようとしていたという話をでっち上げようとしている」と同氏は声明で述べた。彼のテレグラムチャンネルに投稿してください。
ルカシェンコ氏との合意が成立して以来、プーチン大統領とロシア高官はプリゴジン氏の将来について口を閉ざし続けている。
しかし、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領やチェチェンの指導者ラムザン・カディロフなど、プーチン大統領と同盟関係にある他の指導者らもワグナー首席への批判を表明している。
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領はプリゴジンを「テロリスト」と呼び、ワグナー・グループの「不合理な脅迫」を非難した。
プリゴジンを名指しで明確に非難した唯一のロシア同盟国の一つであり、このことはこの危機の間にプーチン大統領が得た国際的支援が限定的であることを浮き彫りにしている
— サミュエル・ラマニ (@SamRamani2) 2023 年 6 月 24 日
デウス・ペレイラ氏は、鳴り物入りでロストフを去ったプリゴジン氏が「今後数日間は沈黙を保つだろう」と信じている。
「これが彼の最大の目標の一つです。彼が国民に認められることです」と彼女は説明した。
デウス・ペレイラ氏によると、合意後のプリゴジン氏の発言も広報活動だった可能性があるという。
同氏によると、合意成立後、プリゴジン氏は「ロシアの血」が流されるのを避けるためだと主張し、「カディロフ氏が描いた軍閥主義の表れ」とは対照的な「威厳」のイメージを投影したという。
ワグナー軍兵士は合意によれば起訴されない
ロシア政府は、反乱に参加したワグナー戦士を訴追しないと発表したが、反乱に参加しなかった戦士には国防省から契約が提供される予定だった。
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プリゴジンは軍隊に、正規のロシア兵とともに戦っていたウクライナの野戦キャンプに戻るよう命じた。
土曜日、ロシアのメディアは、ワグナー軍が数機のヘリコプターと軍用通信機を撃墜したと報じた。ロシア国防省はこれらの出来事についてコメントしていない。
「プリゴジンはグループの顔かもしれないが、ワグナーはプーチン政権の産物であり、いくつかのシナリオでもっともらしい否定をしながら活動できるように作られた人物である。おそらく新しい名前でこれは継続されるだろう」とデウス・ペレイラ氏は語った。
アフリカでの影響
土曜日の出来事は、長期にわたる国内紛争において傭兵集団がますます中心的な役割を果たしているアフリカに大きな影響を与える可能性がある。
米国は、このグループがウクライナでの戦闘に資金を提供するためにマリや中央アフリカ共和国などの天然資源を搾取していると非難している。
このグループは内戦が続くスーダンでも積極的な役割を果たしていると非難されている。
アフリカでのワグナー事業の停止はグループの財政に影響を与える可能性がある。
しかしクラーク氏は、ワグナー・グループの海外での影響力がロシア政府による完全な孤立から守るのに役立つ可能性があると信じている。
「クレムリンがワーグナーを疎外することは不可能だ」と彼は言った。「ロシアとウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナだけでなく、リビア、シリア、中央アフリカ共和国、マリなど世界中でロシア外交政策を遂行するためにワグナー・グループに依存しており、実際にそれを必要としている。」
出典:アルジャジーラ
アルジャジーラ メディア ネットワークのロゴ
© 2023 アルジャジーラ メディア ネットワーク 』
「ブリコジンの反乱」を招いてしまった「プーチンの狂気」とこれからロシアを待つ「ヤバすぎる展開」
https://gendai.media/articles/-/112397?imp=0
※ 『サイコパシー(精神病質)、マキャヴェリズム(権謀術数主義)、そしてナルシシズム(自己陶酔症)の3つの特性で構成される『ダーク・トライアド』というパーソナリティ特徴』か…。
※ 覚えておこう…。
『6月24日、「ロシアに混乱を招いた原因を見つけ出す」「死ぬ覚悟はできている」などとして突如「モスクワへの進軍」を宣言した民間軍事組織ワグネルと創始者ブリコジン。
その後またたく間にモスクワの南、約500kmのボロネジの軍事施設を制圧しさらに北上、200kmあまりのリペツク州に迫っているかと25日の時点で世界各国の報道機関に報じられ、モスクワでは25日および月曜日の26日にも市民に対して外出禁止や仕事やが学校を休むことなどが発令され、ロシア正規軍の都市防衛部隊も急遽展開するという、緊迫の情勢を見せていた。
Gettyimages
しかしその直後ブリコジンは一転して「ロシア人の血が流れることの責任の大きさを認識」と宣言してベラルーシへ転進、その後同国のルカシェンコ大統領が仲介役を買って出たことや、プーチン大統領もブリコジンへの捜査を停止し出国を認めること、ルカシェンコ大統領への謝意などを示したことが矢継ぎ早に報じられた。一方で、その後ブリコジンの消息が聞こえないことなども多く取り沙汰されている。
ロシアで今いったい何が起きているのか? なぜ前例のないほどの「プーチンの弱腰」という例外状況が生じているのか、発端となったブリコジンとプーチンの蜜月が生まれた背景、そして確執の経緯について、本誌が報じた記事を改めてお送りする。
前編記事『「モスクワへ進軍」から1日で「ベラルーシに転進」したワグネル創設者エフゲニー・ブリコジンとプーチンとの「蜜月と確執」の経緯』より続く。
5月の時点でブリコジンを切り捨てていたプーチン
なぜプーチンは、5月の時点でそんなプリゴジンを容赦なく切り捨ててしまったのか。一説には、プリゴジンの政治的野心と反乱を抑えるためと考える向きがある。前出の中村氏が語る。
「プリゴジンに弾薬を渡すと、ウクライナとの戦争のために使わず、ロシアに攻め上がってくるのではないか、といった報道が出ています。それによれば、プリゴジンの目的は、自分がロシアの大統領になること。ここへきて、ウクライナと手を組み、軍事クーデターに動く可能性が出てきています」
実際、5月14日には、プリゴジンがウクライナ政府に対してロシアの侵攻部隊の位置情報提供を提案した、と米ワシントン・ポストが報じている。
だが一方で、プリゴジンの粛清はあまりにも合理性に欠ける、という意見もある。前出の名越氏もそう考える一人だ。』
『ワグネルとブリコジンは一部では英雄的存在
「このままワグネルが前線地帯から撤退すれば、ロシアはより敗色濃厚になります。それにプリゴジンは今や愛国勢力の英雄的存在で、彼を支持する軍事ブロガーたちにもフォロワーが100万人ほどいる。それらを敵に回すと考えれば、プリゴジンを粛清することなど正気の沙汰と思えません」
はたして「皇帝」は何を考えているのか―おそらくは、この戦争泥沼化の失態の責任を誰に押しつけ、自らの身をいかにして守るかということだ。前出の中村氏はこう指摘する。
「現在の戦況は、完全にロシアがウクライナに負けている状態です。そこで、プーチンはプリゴジンに失敗の責任を取らせようとしているのではないでしょうか。まさに『トカゲの尻尾切り』です」
権力を掌握し、恒久的に維持しようとする独裁者は、けっして自分の非を認めようとはしない。それどころか、「どうせ代わりの者などいくらでもいる」と、下の者に責任を被せて追放し、追及から逃れるのが常だ。
プーチンがプリゴジンにそうするように、独裁者が、かつて盟友だった者に罪を被せ、粛清した事例は過去にも存在する。
ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーが、親友エルンスト・レームを粛清した「長いナイフの夜事件」がそうだ。
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レームは、ヒトラーが党首になる前からの数少ない友人であり、互いに「俺」「お前」で呼び合う間柄だったという。そんな彼が率いる軍事組織「突撃隊」は、ナチ党の集会の警備や護衛に加え、反対党の襲撃などの実行部隊を担う、いわばヒトラー子飼いのテロ組織でもあった。
だが、ヒトラーが国のトップに立ち、権力を得ると、徐々に突撃隊が邪魔な存在になっていく。
「突撃隊による過激な暴力活動は、ナチスの暗黒面として批判されている。このままでは自分も糾弾され、権力の座を追われかねない。ならば幕僚長のレームに責任をなすりつけ、一掃すれば、大義名分にもなる。そうとなれば粛清するしかない」
こう考えたであろうヒトラーは、1934年、レーム率いる突撃隊関係者ら1000人以上を処刑。親友をも殺して、トカゲの尻尾切りを完遂したのである。』
『肥大するナルシシズム
普通の人間であれば、人格を疑われるような責任逃れはそうできない。だが、独裁者は良心の呵責なく尻尾を切り取り、「すぐにまた生えてくる」とばかりに平然としている。そこには、どんな心理が働いているのか。
軍事心理学が専門である同志社大学教授の余語真夫氏が解説する。
「多くの独裁者に共通するのは、サイコパシー(精神病質)、マキャヴェリズム(権謀術数主義)、そしてナルシシズム(自己陶酔症)の3つの特性で構成される『ダーク・トライアド』というパーソナリティ特徴を持つということです。この3つの特性はすべて、他者への無関心や冷淡さに向かう傾向があり、自分の行動で他人に不利益が生じようとも、罪悪感を持つことは一切ないのです」
心理学の世界では、「悪の3大気質」とも呼ばれるダーク・トライアド。中でも、ナルシシズムという特性だけは、時代を問わず、ほぼすべての独裁者が有している。そう指摘するのは、早稲田メンタルクリニックの精神科医・益田裕介氏だ。
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「独裁者は自分の目的を達成するため、部下を捨て駒のように扱うのが常です。その結果、次第に周囲は本音を言わなくなっていき、孤独感が募ります。すると、その寂しさを紛らわす心理作用として、自己暗示的に『ナルシシズムの強化』が行われるのです」
こんなプレッシャーに耐えられるのは自分しかいない。周囲は無能な人間ばかり。自分は運命に選ばれている。こうしたナルシシズムは、重度の人間不信と背中合わせだ。
「こうなると、もはや猜疑心の塊となり、誰も信じられなくなってしまう。だからトカゲの尻尾切りも平気で行えるわけです。この精神状態に一度なってしまうと、元に戻ることはほぼありません。プーチンも今、そういった状態にあるのでしょう」(益田氏)
すでにプーチンは、プリゴジンに次ぐ新たな「トカゲの尻尾」を探しているかもしれない。
関連記事『プーチン体制が「崩壊」した後、ロシアは「41の共和国」に大分裂する…!』もぜひあわせてお読みください。
「週刊現代」2023年5月27日号より 』
ロシア革命失敗、プリゴジン逃走とワグネル解散までの2日間
https://www.thutmosev.com/archives/282135jd.html
『ロストフ・ナ・ドヌ市民と握手してベラルーシに向かうプリゴジン。もう彼を見る事はないかも知れない
画像引用:https://www.reuters.com/world/europe/russian-mercenary-boss-prigozhin-move-belarus-under-wagner-deal-kremlin-says-2023-06-24/ REUTERS/Alexander Ermochenko
ワグネルのモスクワ前進と停止
23年6月23日に勃発したロシアの軍事会社ワグネルとプリゴジンのクーデターは24日夜に停止を発表したプリゴジンがロシアを去る事で終息した
プーチン大統領と親しいベラルーシ共和国のルカシェンコ大統領が仲介し、プリゴジンは衝突で人命が失われるのを避けるため前進を停止したと発表した
だがワグネルはこれまで何万人も若い兵士を強制的に徴兵して前進させ、前進しない兵士や後退した兵士は後方から撃って無為に犠牲を出していました
間違っても人命尊重するような人ではないので停止した理由は失敗が明らかになったからで、そう確信する何かがワグネルに起きていました
24日にボロネジ郊外の高速道路をモスクワに向かっていたワグネル部隊の車列をロシア軍の攻撃ヘリが襲撃し黒煙が上がったと複数のメディアが報じた
ロシア軍はその気になればワグネルの車両を全滅させるのも可能で、おそらくこれがプリゴジンのモスクワ入りを断念させた
プリゴジンのプランではロシア軍の多くの部隊はワグネルに同調するか静観すると予想し、抵抗を受けずにモスクワ入りすると考えていた
プリゴジンは23日の反乱宣言で2万5千人の部隊を2つ合計5万人がいるとしていたが、対空ミサイルと航空戦力はロシア正規軍が握っているのが弱点でした
加えてワグネルは2つに分かれてウクライナ東部からロシア領に入り、プリゴジンはロストフ・ナ・ドヌという最南部の町にいて、別動隊がボロネジからモスクワに向かったが両部隊は500キロも離れた場所にいた
前進部隊はモスクワから300キロ以内に接近したとされるがそこでロシア軍の攻撃ヘリに防止され、リーダーのプリゴジンはいないので前進をやめた
写真を見ると前進部隊は高速道路を普通に一列に走行していて、空からの攻撃に準備ができているようには見えませんでした
ロシア政府専用機は24日にモスクワから北西方向に飛行してるので、プーチンは首都占領を恐れてモスクワを離れていたと考えられる
プリゴジンはベラルーシへ逃走
プーチン大統領は23日にワグネルを厳罰に処すと言っていたが24日にプリゴジンが停止を命じると、一転して罪に問わないと話した
その後プリゴジンはロストフ・ナ・ドヌを離れて部隊は解散してロシア軍に合流し、プリゴジンはベラルーシに出国したと言われている
プリゴジンと親しいチェチェン共和国のカドイロフ首長は反乱の理由を「サンクトペテルブルク当局が彼の娘に望んだ土地を与えなかったことで、怒りが頂点に達した」と説明したが真偽は分からない
ワグネルとプリゴジンがロシア領に入り市を占領した時、多くの市民が握手を求めたりワグネルに差し入れをしていた
プリゴジンが去る時も青年が握手を求めて応じているなどロシア国民の人気が高かったが、ロシア軍や武装勢力を依然としてプーチンが抑えているのが分かった
プーチンは表向き処罰しないと言ったが実際は「消す」ように指示したと言われていて、これまでのパターンではその可能性が高い
ワグネルが5万人も居るか疑問だが2つのワグネルが合流し、多くのロシア軍部隊や武装勢力が雪崩を打って合流するのがプリゴジンが描いた革命プランだったと思われる
彼にとって誤算だったのはモスクワに前進する部隊と切り離されたのとロシア軍の攻撃ヘリが実際の攻撃をした事、ワグネル側に加勢するロシア軍部隊が現れなかった事でした
プーチン政権に不満を持つ部隊や兵士が次々に合流してきたらモスクワの守備隊もプーチンを見限ったかも知れないが、そうなりませんでした
1990年前後のソ連圏崩壊の時は多くの市民が警察や軍隊の前に立ちふさがり、警察と軍が市民側に寝返ったが今回そのような光景は見られなかった
プリゴジンはオリガルヒからプーチンの料理係として接近しウクライナ侵攻ではバフムート攻略で最前線にたち、ウクライナ軍に「ワグネルは手強い」と言わしめた
ロシアの最高権力の座を狙ってクーデターを起こしたが支持は広がらず、2日間で失敗しベラルーシに亡命した
🎦動画:集まった市民に拍手で見送られ握手するプリゴジン。ワグネルは解散した
』
【動画解説】ワグネルの部隊はなぜ引き返した?狙いや影響は?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230625/k10014109011000.html
『2023年6月25日 23時01分
ロシア国防省との確執を深め、首都モスクワに部隊を進めていた民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏は、部隊を引き返し、本格的な武力衝突は回避されたとみられます。
プリゴジン氏はなぜ一転して部隊を引き返したのか?
狙いはどこにあったのか?
プーチン政権やウクライナの戦況への影響は?
ロシアの安全保障に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんの解説です。
(6月25日NHKニュースで放送された内容です。動画は5分18秒。データ放送ではご覧になれません)
防衛省防衛研究所の兵頭慎治研究幹事は、民間軍事会社ワグネルの代表プリゴジン氏が今回の行動を起こした狙いについて、「ロシア国防省はワグネルなど民間軍事会社に契約を結んで事実上、指揮下に入るよう命じていた。しかし、プリゴジン氏は国防省との契約を拒否し、ワグネルの存続とみずからの政治的な影響力を維持したいという狙いがあったのではないか」という見方を示しました。
一方、プーチン大統領は当初、「処罰が避けられない」と演説していましたが、ロシア大統領府の報道官は24日夜、「誰も罪に問われないだろう」と述べました。
この変化について兵頭氏は、ワグネルがウクライナ東部のバフムトで一定の戦果を得て、プーチン大統領の面目を保ったことや、政治的な言動を強めるプリゴジン氏に対して、ロシア国内でも一部で支持が高まっていたことから、プーチン大統領にとってもプリゴジン氏を真正面から排除することが困難だったためと分析しました。
その上で「苦肉の策としてプリゴジン氏をベラルーシに出国させ、ロシア国内で事実上、罪に問われないようにするという落としどころを探ったのではないか。ベラルーシのルカシェンコ大統領はプリゴジン氏と20年来の付き合いがあったのでプリゴジン氏も受け入れが可能だったのだろう」という見方を示しました。
また、今回の出来事がプーチン政権に及ぼす影響については、「治安を維持しながら人気を高めてきたプーチン大統領が、十分にコントロールできなかったという意味において、プーチン政権にとって一定のダメージになった」として、政権にとって痛手になったと指摘しました。
また、プーチン政権がウクライナへの軍事侵攻を正当化するために主張しているNATO=北大西洋条約機構からの脅威などについて、プリゴジン氏は「全く違う理由で、いわゆる特別軍事作戦が開始された」と否定しました。
これについて兵頭氏は「プリゴジン氏が戦争の大義を真正面から否定した。これもウクライナで戦争を行う上で、ロシア国内で否定的な影響を与える可能性もあるのではないか」と分析しました。』
岐路に立つロシア、和平か混迷か ワグネル反乱
欧州総局長 赤川省吾
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR244ND0U3A620C2000000/
『ロシアの民間軍事会社ワグネルが武装蜂起するという「事変」が起きた。内部の権力闘争で、盤石にみえたプーチン体制が大きく揺らぐ。ウクライナでの和平につながるのか、それとも混迷がさらに深まるのか。岐路に立つロシアは歴史的な局面にさしかかる。
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・ワグネル、武装蜂起を停止 プリゴジン氏はベラルーシへ
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一時はモスクワに進軍する構えをみせたワグネルの部隊。結局は撤収することで合意し、ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏がベラルーシへ出国すると報じられた。今回の反乱の背景には、ロシア正規軍との確執がある。欧州の外交・安全保障関係者の多くは、プリゴジン氏が衝動的でなく、念入りに準備したうえで決起したとみる。
ウクライナの戦場でワグネルは弾薬不足に悩まされてきた。戦闘員も数万人と、それほど大きくない。プーチン大統領に忠誠を誓う正規軍や警察などと正面からは戦えないのはプリゴジン氏自身がよくわかっていたはずだ。モスクワへの円滑な進軍にも違和感が残る。
2つの仮説がある。一つはワグネルがロシアを混乱させたいウクライナ情報機関など外部の支援を取り付けていたという観測。もう一つがプーチン体制に不満を募らせたロシアの軍・治安組織の一部がひそかに反乱に協力し、シナリオを描いたという分析だ。
元ロシア反体制派ジャーナリストで、いまは欧州レジリエンス・イニシアチブ・センター(ERIC)所長のセルゲイ・スムレニー氏は、ワグネルがロシア南西部をすんなり影響下に置いた点に着目する。「これまでプーチン体制を支えてきた治安・軍要員(シロビキ)の一部がワグネルに加担したのかもしれない」と電話取材に語った。
焦点は、ロシア情勢がどうなるか、そしてウクライナ戦況にどう影響するか。
24日公開のビデオで語るロシアのワグネル創設者プリゴジン氏=24日(ワグネル提供・ゲッティ=共同)
「プーチン大統領の視線は(ウクライナでの)前線から国内の騒乱に移らざるをえない。これは短期的にはウクライナ軍にとってプラスだ」。24日夕、ウクライナのヤツェニュク元首相は日本経済新聞の取材に断言した。「長い目で見た場合の結果はまだわからないが、ロシア国内外を問わず、プーチン体制の権威を著しく損なうものであることは間違いない」
プーチン体制の「終わりの始まり」につながる可能性のある今回の事変。20世紀初頭のロシア革命、あるいはソ連末期のクーデターと異なるのは、欧州にもロシアにも高揚感がほとんどないことだ。
「プーチン大統領と(ワグネルを率いる)プリゴジン氏がともに戦争犯罪人であることを忘れてはならない」。ヤツェニュク氏は手厳しい。別の欧州政界の重鎮は私の取材にプーチン氏を「ソファに座っているテロリスト」、プリゴジン氏は「戦場にいるテロリスト」と表現した。
ワグネルに触発され、ロシア国民が蜂起することへの期待感は当初からなかった。それでもプーチン大統領は身内の離反に戸惑い、対応が後手に回っているフシがある。来春のロシア大統領選に向け、次の反乱があるとの噂も飛び交う。
だからこそ和平のチャンスという声が欧州にはある。「国内安定に注力する」というのがロシアにとって停戦理由になるかもしれない。
一方、プーチン氏がさらなる強硬路線に傾く可能性も排除できない。追加動員などで「総力戦」に移行するシナリオだ。今回の反乱は乗り越えてもロシア内で権力闘争の芽はくすぶり続け、核リスクも再浮上する。米情報機関は今回、ロシアの核の管理が不安定になることを警戒していた。
第2次大戦末期の1944年7月、ナチス・ドイツで反ヒトラー派の将校らによるクーデター未遂事件があった。反乱は鎮圧され、計画は失敗したものの、ドイツは1年もたたずに敗戦し、欧州における戦争が終わった。今回のロシアにおける反乱も欧州、そして世界秩序の先行きを大きく左右する起点になるかもしれない。
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・プーチン大統領の緊急テレビ演説要旨
・プリゴジン氏 「プーチン氏の料理人」からワグネル創設
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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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今後の展望プリゴジン氏とワグネルが最終的にどうするのか、どうなるのかが見えておらず、事態は収拾されたというにはほど遠い状況です。
米情報筋は水曜くらいから今回の兆候をつかんでいたとNYタイムズ紙は報じていますが、政府首脳はまだ全く反応を示しておらず、事態の推移を注視しています。
巨大な核兵器国が内戦に陥るというのは、悪夢のシナリオです。プーチン体制が相当弱体化していることが白日の下にさらされたわけで、今後の主要国の政策が影響を受けることは必至です。
内戦よりは安定を優先させるべきとの考慮も強くなるでしょうから、難しい選択を迫られる局面が続くと思われます。
2023年6月25日 10:31いいね
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赤川省吾
日本経済新聞社 欧州総局長
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今後の展望プリゴジン氏はベラルーシへ。国際犯罪組織に区分されるワグネルを率いる同氏は欧米に亡命できず。しばらくベラルーシで、おとなしくするのかもしれません。
ほころびが目立つものの、なおロシアは侮れない軍事大国。ウクライナのヤツェニュク元首相は取材に「ウクライナにも自由主義陣営にもロシアは脅威」と強調し、ウクライナのNATO加盟を認めてほしいと訴えました。
24日、私は欧州の首脳・閣僚級を含め多くの関係者を取材しました。日本を含めた西側が引き続き「ロシア制裁強化+ウクライナ支援拡大」で戦争終結を目指すべきだとの論調は変わらず。岸田首相が出席する7月のNATO首脳会議(@リトアニア)での議論に注目です
2023年6月25日 9:21 (2023年6月25日 9:37更新) 』
米国務長官、ロシア国内に「亀裂」 侵攻遂行は困難に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN253N40V20C23A6000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】ブリンケン米国務長官は25日、ロシアの民間軍事会社ワグネルによる反乱について「(ロシア内部に)深刻な亀裂が生じている」と述べた。混乱に伴い「ロシアがウクライナ侵攻を遂行するのは難しくなるかもしれない」と話した。
米ABCテレビのインタビューで語った。ワグネル創設者エフゲニー・プリゴジン氏による反乱の動きを「プーチン(ロシア大統領)の権威への直接的な挑戦だ」と強調。ロシアがウクライナ問題に集中できなくなれば「ウクライナにとって戦場での後押しになり得る」と訴えた。
プリゴジン氏は24日夜(日本時間25日未明)、ロシア国内での武装蜂起を停止すると表明した。ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介に応じて首都モスクワへの進軍を停止し、制圧していた地域から撤収した。
ロシア軍首脳と対立してきたプリゴジン氏は23日深夜に武装蜂起を宣言したものの、反乱は1日で収束した。ブリンケン氏は「これはロシアの内部問題だ。数カ月にわたり緊張が高まり、今回の事態につながった。この先どうなるかわからない」と説いた。
ウクライナ侵攻について「あらゆる面でプーチンにとって壊滅的で戦略的な失敗だった」と断定した。「プーチンが成し遂げようとしたことはすべて逆の結果となっている。ロシアは経済的、軍事的に弱体化し、世界における地位は急落した」と明言した。
米メディアによると、米国の情報機関がワグネルによる武装蜂起の画策を事前に把握していた。強硬派のワグネルがロシア軍を掌握すれば、ロシアがウクライナで核兵器を使用するリスクが高まりかねないと警戒を強めていた。
ブリンケン氏は25日の米CNNテレビで「ロシアのような大国が不安定な兆しを見せるのは懸念すべきことだ」と明言。現時点で「核兵器に関してロシアの態勢に変化は見られない。非常に注意深く見ている」と唱えた。
ウクライナによる反転攻勢に関し「数週間、数カ月かけて展開することになるだろう。ウクライナは成功に必要なものを手にしている」と言及した。
バイデン米大統領は24日に英独仏の首脳と電話協議し、ウクライナが自国防衛に必要な支援を継続するために結束していくと確認した。バイデン氏はサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)やブリンケン国務長官らからロシア情勢をめぐり説明を受けた。』
ワグネル反乱、識者の見方
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR243GQ0U3A620C2000000/
『笹川平和財団主任研究員の畔蒜泰助氏
畔蒜泰助氏
ロシアの民間軍事会社ワグネル創始者のプリゴジン氏とロシア軍との対立は以前から表面化していた。ワグネルを傘下に収めようとするロシア軍に対し、プリゴジン氏は反発した。今回の行動はプリゴジン氏の軍に対する抵抗といえる。
対立が大きくなった一番の原因はプーチン大統領にある。ロシア軍がワグネルへの圧力を強めることを事実上認める一方で、プリゴジン氏がショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長を激しい言葉で非難しても何も行動をとってこなかった。プリゴジン氏が自身の発言がプーチン氏に容認されていると受け取っても不思議ではない。
プリゴジン氏の行動が軍への示威行動なのか、プーチン政権そのものに向けたものなのかは不明だ。ただ少なくともプーチン氏は国家や国民への反逆行為だと捉えた。
ウクライナの軍事作戦を指揮する副司令官で、プリゴジン氏と関係が近いとされるスロビキン氏は「元の場所に戻れ」と呼びかけ、プリゴジン氏から距離を置いた。ロシア軍の幹部の間で対立が起きている雰囲気はない。一方で、末端の兵士の反応は読めない。
プーチン政権は今回の事態をどう収拾するのかは見通せないが、最悪のシナリオはロシア各地に今回のような蜂起が波及することだ。
(聞き手は川上宗馬)
英国際戦略研究所のナイジェル・ゴールド・デービス上級研究員
ナイジェル・ゴールド・デービス氏
ショイグ国防相がワグネルに国防省との契約を命じ、プーチン大統領がこれを支持した。プリゴジン氏は国防省の傘下に入れば権力を失うため、反乱せざるを得なくなった。彼は大きなリスクを負った。政治勢力として壊滅するか、クレムリン(大統領府)に根本的な変化をもたらすか、オール・オア・ナッシングのような状態だ。
もしプーチン氏が権力の座に居続けるならプリゴジン氏は逮捕され、何年も刑務所に入ることになるだろう。プーチン氏を排除する以外、生き残る道はない。
クレムリンの望みは、ワグネルのメンバーがプリゴジン氏を拒否し、正規のロシア軍への従属を受け入れる側に立つよう説得することだ。それでもプリゴジン氏が求心力を保てばロシア軍と衝突し、暴力が行使される可能性が高い。
ロシア軍はワグネルより圧倒的に強く、圧倒的に大きい。治安部隊もいる。ただ、結果は人々の忠誠心がどこにあるか、どちらが団結を維持できるかにかかる。プリゴジン氏はソーシャルメディアの発信に非常に積極的で、支持基盤をつくるために懸命に取り組んできた。
ウクライナの戦況にまだ実質的な影響はないと思うが、ロシア国内の危機がウクライナに有利に働くのは間違いない。ワグネルの兵がロシア軍から離脱したことで、ウクライナ国内のロシア側の兵力は減っている。ロシア人がロシア人と戦っている状況を目の当たりにすると、ロシア軍に疑念と分裂が生まれ、士気が下がる。
(聞き手はロンドン=江渕智弘)』