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マレーシア 越境ECビジネス基本のキ 人口統計からマーケティングまで
https://www.s-bokan.com/blog/post-18897/













『Date: 2019 / 10 / 14
近年、急成長中で世界が大注目のマレーシア。日本人が住みたい国ランキングでは10年以上1位を獲得し、続々と日系企業がマレーシア市場に参入しています。
マレーシアといえば一般的には
英語はもちろんマルチリンガルがあたりまえ アジア圏では豊かな国で、日本人顔負けの経済感覚 実はイギリス・韓国よりも治安がいい
などが有名ですが、実際にどれほどマレーシアについてご存知でしょうか?今回は、現在マレーシアの首都クアラルンプールに在住の私が、みなさんの常識を覆すマレーシアのリアルをお届けします。マレーシアへ進出検討中の方々必見です!
こんなあなたにオススメ
東南アジア諸国やマレーシアに進出したい 欧米やシンガポールに進出したいが予算が足りない 日本の魅力的な商品を親日国家マレーシアへお届けしたい
目次
1.まずはここは押さえよう!マレーシアってどんな国?
2.マレーシアにおけるECサイト「LAZADA」とは
3.イオンの成功から学ぶ日系企業のマレーシア進出戦略
4.マレーシア国民の悩み、問題
5.マレーシア向けWEBマーケティング施策
6.まとめ1.まずはここは押さえよう!マレーシアってどんな国?
a.マレーシア基本情報のおさらい
まず、マレーシアは世界的金融の街として知られるシンガポールと接するマレー半島とボルネオ島の一部から構成されています。首都のクアラルンプールととシンガポールは飛行機で1時間と非常に近いです。マレーシア第二の都市ジョホールバルはシンガポールの対岸に位置します。
基本データ
面積:33万290平方キロメートル(日本の0.9倍)
人口:3162万人(日本の1/4)
首都:クアラルンプール(以下KL)
GDP成長率(2017年):5.9%(日本の3.5倍)
実は最近注目されているアジアの諸外国と比べても、成長率がダントツなんです!
b.マレーシアの特徴
マレーシアといえば、多民族・多宗教・多言語です。
多民族
マレーシア全体での人口比はマレー系60%、中華系30%、インド系8%ですが、都市によって人口比率は異なります。第一の首都クアラルンプールでは中華系が多く、第二の都市ジョホールバルではマレー系の人口が多いです。
多宗教
国教はイスラム教で、マレー系の多くがイスラム教を信仰しています。他にも、中華系は仏教、インド系はヒンドゥー教を信仰する人が多いです。
多言語
異なる民族が共存するマレーシアでは、共通語が英語です。KLでは英語が話せれば、生活で困ることはありません。国語はマレー語なので、基本的にマレーシア人は英語とマレー語がペラペラです。また、中華系の家庭では中国語、インド系の家庭ではタミル語を話す場合が多く、国民の多くがバイリンガルもしくはトリリンガルです。
気候
マレーシアでは年間を通じて、南国らしい暑さが続きます。どの月もだいたい同じ気温で最高気温は30℃前後、最低温度は22℃前後です。日本人の多くがマレーシアといえば”暑い”というイメージをお持ちかと思いますが、年を通じて気候が安定しているので、季節の変化が激しく、過酷な日本よりもよっぽど快適に過ごすことができます。また、雨季乾季があるのも東南アジア諸国の特徴ですね。エリアによって時期が異なりますが、一般的にKLでは3~4月初旬、10~11月が雨季と言われています。
料理
マレーシア料理といえば、辛くて甘い!民族によって料理は異なりますが、マレーシア料理全体としての私の感想は、辛い、甘い、野菜が少ない、油分が多い、味が濃いことが特徴です。特に飲み物はどれも日本人には信じがたい甘さで、日本では「ポッカレモン」などで有名なPOKKA(日本ブランド)の緑茶さえ砂糖たっぷりで売られています。その結果、肥満で悩む国民が大変多いです。
治安
まだまだ治安の悪いイメージを持たれがちですが、KL中心では滅多に犯罪はありません。私自身、盗難や強盗の被害を受けたことはないです。むしろ、タクシーに携帯を忘れたら家まで届けてくれた程です(笑)
たしかに、治安の良くない地域はありますが、主に移民としてマレーシアに不法に入国した貧困層による犯罪が多くを占めています。常に身の回りの持ち物には注意し、危ない地域には立ち入らないことで安全に暮らすことができます。
ちなみに、こちら世界平和度指数のランキングです。実は、日本人の旅行先として人気のイギリスや韓国よりも治安が良いと評価されています。
*世界平和度指数 : 世界平和度指数は、イギリスのエコノミスト紙が各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化することを試みたもの。2013年版。
安全?危険?海外旅行に世界治安ランキング
c.日本との違い
民族間の違い
マレーシアでは、民族によって身に付ける衣服や食習慣、日ごろ見ているSNSでのインフルエンサーが全く異なります。なので「マレーシア人」でひとくくりにするのではなく、きちんとターゲットの民族を選定し、その人たちに合った効果的なマーケティングを行う必要があります。インフルエンサーや都市による人口比率の違いなど事前のリサーチが必須です。また、マレーシア人の中でもKL中心に住む中華系は裕福と言われています。日本人同様もしくは日本人以上にお金を消費する傾向にあります。確かに自分の周りを振り返ってみても、中華系のお友達はよくごはんをおごってくれたり、タクシー代を払ってくれたりと太っ腹な印象です。
物価
実際にマレーシアの物価は安いですが、よく言われる「マレーシアの物価は日本の1/3」というのは、昔の話です。確かに、タクシー料金(初乗り130円)や住居費(一等地シングルルーム3.5万円)などは格安ですが、国全体の発展と共に物価がどんどん上昇しているのは感じます。
といっても、実際の物価の感覚がつかみにくいと思いますので、ご参考までにビックマック指数を御覧ください。マレーシアでは、モノによって高いものと安いものが混在しています。以下の表から、”全体として”マレーシアは物価が安いと言えます。
世界経済のネタ帳より
マレーシアカレンダー
マレーシアでは3民族それぞれの文化が尊重され、各民族の祝日がマレーシア国民の祝日とされています。お正月セールが年に3回あったり、断食月にはオフィスアワーが短縮されたりと独自の習慣があります。日本人としては、祝日がいっぱいで嬉しい限りです。こういった宗教にちなんだ暦は、マレーシアのマーケットに挑戦していく上で意識していきましょう。
イスラム教
マレーシアではイスラム教が生活に密着しています。食事はもちろん、コスメにもハラル表示(イスラム法で許されたもの)があります。国民の大半がイスラム教徒のため、基本的に豚やアルコールを含むものや連想させるものは好まれません。
SNS
マレーシアでは主にYouTube、Whatsapp、Facebookの3つが一番強いSNSになっています。日本ではLINE, TwitterやInstagramに比べて普及率が低いFacebookですが、マレーシアに限らず東南アジア近隣諸国では利用しない人の方が珍しい程です。また、instagramの利用率は70%、日本国内で例えるとLINEのようなメッセージアプリのWhatsappの利用率が90%を超えています。
訪日.comより
2.マレーシアにおけるECサイト「LAZADA」とは
マレーシアのECサイトはLAZADAが圧倒的な人気を誇ります。月間サイト訪問者は2500万人を超え、東南アジアのAmazonとも呼ばれています。シンガポール・マレーシアを中心に東南アジア6カ国で展開しています。そんなLAZADAの魅力を簡単にご紹介します。
a.圧倒的な取り扱い商品数と破格の値段
LAZADAグループの商品掲載数は約2.6億点もあり、多様な選択肢があります。マレーシアでは街中にショッピングモールがあり、買い物に困ることはありませんが、値段の安さからECショッピングを好みます。大型セールによるマーケティング手法が特徴的です。
b.多様な決済方法
以下のように様々な支払い方法に対応しています。また、7日以内であれば返金・返品可能です。
c.安心のトラッキングシステム
まだマレーシアでは日本の郵便局のように信頼のできる運送システムが整備おらず、配送に時間を要しますが、LAZADAではアプリやメールからいつでも輸送状況を確認できます。最近では、地域によって即日配送システムも導入されつつあり、これからに期待が寄せられます。ただ、時々商品が届かなかったり、出店者側の都合で商品がキャンセルになる場合があります。私も勝手にキャンセルされた経験はありますが、支払ったお金はLAZADAのオンラインバンクに振り込まれていました。
d.地域間の所得の違い
マレーシアでは地域によって民族の人口比率や所得、GDP成長率など大きく異なります。マレー人向けにECサイトを運営する場合には地域や民族の特性に合わせた、マーケティング戦略が必要です。
3.イオンの成功から学ぶ日系企業のマレーシア進出戦略
イオンは84年に進出し、マレーシアでの売上高が2018年通期決算1,188億円、前年比5.6%増と着実に業績を伸ばしています。現地で見た私が思うイオンの経営戦略のポイントは以下の3点です。
a.イスラム教への対応
マレーシアの国教であるイスラム教の信者は、”ハラル”というイスラム戒律によって認められた酒や豚などを含まず、戒律に基づいて作られた食品しか基本的に食べません。そこで、イオンでは”ハラル”を明確にしたデリカコーナーを拡大しています。また、女性の社会進出が進んでいることで、食材ではなく、すぐに食べられるお惣菜の需要も高まっています。
b.ブランドによる差別化
イオンのオリジナルブランドを充実させることで、競合の激しいクアラルンプールでの差別化を図っています。イオンの提供するお手頃価格と日本の高いクオリティには定評があるようです。
c.新しい中間層へのアプローチ
飽和感のあるクアラルンプールの中国系狙いではなく、新たな中間層をターゲットに出店立地を広げています。また、中間層の拡大に伴い高まるアンチエイジングや美白など健康と美容に対するニーズの取り込みを狙った新たなドラックストアの出店を急いでいます。
おまけ:100円ショップのダイソー・マレーシア徹底的なローカライズを行って成功したイオンの対比として面白いのが、ダイソーです。
通常、日系の企業はローカライズしてから商品として販売するところ、ダイソーは日本と同じ商品をアレンジも翻訳もなしに日本語のまま販売しているのです。それが、マレーシア人にとっては物珍しくウケたようで、2019年現在、マレーシア国内に62店舗を展開しています。
また、意外な人気商品のひとつでマレーシア人が絶対使わなさそうな使い捨てカイロがあります。暑さの厳しいマレーシアでは屋内の冷房が大変強く、寒さに困るというニーズがあるからです。こういった日本人の常識では見つけにくい意外な需要が発見できる事もあります。
4.マレーシア国民の悩み、問題
マレーシアの一般の人が多く抱えているなやみとは何でしょうか?クアラルンプール在住の私の周りの声を参考に、社会的に問題になっている2点についてご紹介します。
乾燥肌やニキビ
マレーシアでは屋外では紫外線が強く、屋内では冷房が強いため肌へのダメージが多く乾燥肌に悩む国民が多いです。一方で、油分の多い食事によりニキビに悩む若者もいます。なので、自分の肌にあった製品で、品質が高くかつ安価な美容製品を探し求めています。また、白い肌が美しいとされるイメージがあるので、多くの若い女性が美白に強い憧れをもっています。
肥満
国家の発展とともに肥満問題が顕在化しています。特に甘い食べ物や飲み物を好む食生活により、糖尿病の全人口に対する割合の世界平均が8.5%であるのに対して、マレーシアはその2倍の16%と非常に高いです。
この対策として、2019年4月より砂糖の入った飲料に課税する「ソーダ税」が導入されています。国を挙げて健康増進に取り組み始めているため、今後健康や肥満問題に関する商品への需要はさらに高まるでしょう。
マレーシア向けWEBマーケティング施策
マレーシアでマーケティングをする際は、
1.PR/インフルエンサーマーケティング
2.運用型広告(Google広告、Facebook広告)は欠かせません。1.PR/インフルエンサーマーケティング
PR/インフルエンサーマーケティング施策は商品の認知度によって打ち手が変わってきます。
まだマレーシアで知られていない商品のPR
ただマレーシア向け越境ECサイトを構築して運用型広告を配信してもすぐには購買にはつながりません。自国のユーザーが使っている様子を発信していく必要があります。
まだマレーシアで知られていない商品のPRの場合、商品の使用動画やブログ記事をインフルエンサーに依頼する事で商品の認知度が徐々に上がり、指名検索(商品名で検索するユーザー)数を増やす事が可能です。この指名検索数の増加が海外で売上を安定的に伸ばして行くのに不可欠です。
新規ユーザーにリーチする施策としてYoutube動画を依頼するだけでなく、自社の越境ECサイトにその動画を掲載する事で訪れたユーザーの理解が深まるだけでなく、安心感を与える事が可能です。
既にマレーシアで知られている商品のPR
既に自社が取り扱う商品の認知があり、検索ニーズがあるのであれば他社もその商品を取り扱っている可能性が高いです。
その為、商品自体のPRではなく、自社サイトで購入する理由を印象付けるPR施策を実施しましょう。
マレーシア向け運用型広告(Google、Facebook広告)
マレーシア人はFacebookに滞在している時間が日本人よりも長いです。その為、Facebook広告でリーチできる時間が日本人よりも長くなります。
マレーシアでのインターネット使用時間
日本人のインターネット使用時間
マレーシアの人々は、1日のうち8時間半インターネットを利用しています。24時間のうち睡眠を7時間、起きている時間を17時間とすると、起きている時間の半分をインターネットに費やしていることになります。またそのうちの約3割の3時間をSNSが占めており、テレビを観ている時間を超えています。ストリーミング型の音楽配信サービスの利用も多いことが分かります。 【2018年版】マレーシアのインターネット利用状況より 引用
6.まとめ
現在急成長を遂げるマレーシアいかがでしたか。イスラム教が生活に根付く多民族国家でありながら、アジア進出の足がかりとして、まずはASEAN諸国との繋がりが深いマレーシアでぜひ越境ECにトライしてみませんか?
民族や宗教など色々な特徴があるため複雑に思われがちですが、その分マレーシアで成功したその先のアジア圏でのビジネスを予想しやすいとも考えられます。色々な文化が混ざったマレーシア進出で学んだノウハウは後に、シンガポールやその他ASEAN諸国、イスラム系の国などへの進出の際に活かしやすいと思います。また、昔ほどではありませんが、物価も安い国なので比較的少ない投資で、実践的に越境ECをテストしていく場としても最適です。
最後に、マレーシアに進出したい方はぜひ以下のポイントを意識してみましょう!
・各民族の特徴を捉えた効果的なマーケティング戦略を持ちましょう
(中華系は裕福な人が多い、マレー系は単価は低いが拡散力が強い…etc)
・英語対応は必須。単価が高めの商材の場合、中国語対応もできるとベター。
マレーシアに関してその他ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。マレーシア現地より最新情報をお答えさせていただきます。
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号砲マレーシア総選挙 「ナジブ人気」が映す対決図
編集委員 高橋徹
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD230YU0T21C22A0000000/
『世界を驚かせた史上初の政権交代劇から4年半。1957年の独立以来、15回目となるマレーシア総選挙の投開票が11月19日に決まった。
かなり強引な日程だ。イスマイルサブリ首相は2023年度予算案の提出3日後の10月10日、未採決のまま下院を解散した。投票日はモンスーンの豪雨・洪水期にぶつかる。下院任期は来年7月まであり、拙速な解散は避けるべきだとの意見が噴出していた。
急ぐ事情は首相が所属する最大与党、統一マレー国民組織(UMNO)にある。昨年11月のマラッカ州議会選、今年3月のジョホール州議会選で大勝した余勢を駆り、対立陣営の態勢が整う前に選挙に臨みたかった。
勝って政権の主導権を固めれば、汚職や資金洗浄の罪で公判中のザヒド総裁(元副首相)への司法追及を止められるとの計算も働く。首相は抵抗したが、党内基盤が弱く、主流派に押し切られた。
早期解散には理もある。万年与党だったUMNOは、18年5月の前回総選挙で当時のナジブ首相による政府系ファンド「1MDB」の資金流用疑惑が響いて敗れ、いったん下野した。
ところが寄り合い所帯の新政権の亀裂に乗じ、20年3月に連立組み替え工作で与党へ復帰。21年8月にはイスマイルサブリ氏を推して首相ポストまで取り戻した。新型コロナウイルス禍が峠を越えたいま、速やかに民意の審判を仰いで「選挙なき政権交代」の異常事態を解消するのは、民主主義国家として妥当に思える。(「マレーシア『選挙なき政権交代』の出口巡る権力ゲーム」参照)
表に示すように、総選挙はザヒド元副首相、ムヒディン前首相、アンワル元副首相がそれぞれ率いる政党連合が三つ巴(どもえ)を演じ、そこにマハティール元首相が新たに発足させた連合や地方政党などが絡む構図だ。主だったリーダーたちは、いずれもかつてUMNOで同じ釜の飯を食い、たもとを分かった面々である。
前回の総選挙はマハティール氏とムヒディン氏、アンワル氏が「汚職政治家を許すな」と共闘し、UMNOを政権の座から引きずり下ろした。今回はどうか。「立てる旗は同じでも、大同団結できない。政策の違いも分からない。何のための政権選択なのかがあいまい」と日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所の中村正志主任研究員は指摘する。
反UMNO勢力が指弾する汚職政治家の象徴がナジブ氏である。8月に禁錮12年と罰金2億1千万リンギ(約66億円)の有罪が確定した。ただし、総選挙に立候補はできなくとも、UMNOの勝利のカギを握るのはどうやら彼のようだ。
政府系ファンドを巡る汚職事件で有罪が確定したナジブ元首相は、最高裁での判決直後に収監されたが…(8月23日)=ロイター
「一時釈放は認められない」。マレーシア司法省は下院解散の直後、ナジブ氏に選挙応援を仰ぐため、UMNOが検討する特別許可申請を一蹴した。他方でUMNOは同氏の政治地盤を堅持しようとしている。来月5日の告示日に向けて、「代理人」を候補に立ててアブドラ国王から恩赦を得たあかつきに辞職させ、補欠選挙を経て同氏に議席を返すことや、あるいは同氏の長男を擁立するといった動きが報じられている。
不可思議な現象だ。政府系ファンドを財布代わりに使った揚げ句、首相経験者では初めて有罪判決を受けたナジブ氏。本来なら有権者の目からなるべく隠したい存在のはずだ。にもかかわらず、これほど重んじられる背景に、意外な人気復活がある。
首相を退陣後、ナジブ氏は地に落ちた自身のイメージの再生に取り組んだ。SNS(交流サイト)を主戦場に「ボスク」(マレー語で「私のボス」の意)と称するキャンペーンを展開した。第2代首相ラザクの長男、第3代首相フセインの甥(おい)という名門家の出身ながら、革ジャンを着て大型バイクにまたがる写真などを投稿して話題を振りまき、自分の政治的意見や対立陣営への批判も精力的に発信した。
それは「敵失」への鋭いカウンターパンチになった。ナジブ氏に取って代わったマハティール政権は、最重要閣僚の財務相に華人政党・民主行動党(DAP)のリム・グアンエン幹事長を起用した。華人財務相の就任は44年ぶりだった。また約180カ国が加入する国連の人種差別撤廃条約を批准しようとし、国内からの反対で断念した。
前回総選挙はマハティール氏㊥らUMNO出身の野党指導者たちが古巣を政権の座から引きずり下ろした(2018年5月10日)=ロイター
マレーシアは多数派のマレー系住民を優遇する「ブミプトラ(土地の子)政策」を国是に掲げる。マハティール氏は財務相人事や国連条約を多民族融和の象徴としたかったようだが、特権を奪われるのではとの不安を抱いたマレー系の反感を買った。同時にそれはナジブ氏への共感や同情を呼び起こし、いまではフェイスブックで460万人、インスタグラムも100万人のフォロワーを持つ。
南洋理工大(シンガポール)のジョセフ・チンヨン・リョー教授は「18年の総選挙で最悪の結果を招いたにもかかわらず、ボスク現象は彼自身だけでなくUMNOにも連鎖的に影響し、マラッカ州やジョホール州での勝利の触媒となった」と分析する。
来月の総選挙の焦点も、7割を占めるマレー系有権者の票の行方だ。かつてのUMNOは資金力と組織力を武器に、マレー票の圧倒的な受け皿として君臨した。しかしアンワル氏やマハティール氏、ムヒディン氏ら実力者が次々と離党すると、マレー票は彼らの新党にも分散するようになった。UMNO出身者たちが小異を捨てて大同につき、分散したマレー票を選挙協力によって糾合したことが、前回の政権交代をもたらした。
反UMNO陣営同士の選挙区の調整が進まず、相打ちが避けられない状況は、古巣を利する。UMNOには失ったマレー票を奪い返す好機だ。しかも憲法改正を受けて投票権年齢が21歳から18歳に引き下げられ、今回は有権者数が新たに620万人増え、総数を4割押し上げる。「SNSでマレー系の若者に浸透するナジブ氏人気は、UMNOにとってこれまで以上に有用な政治資産になる」と同志社大の鈴木絢女教授はみる。
独立後65年間でUMNOが野党だったのは2年足らずだ。有利な状況がそろうなか、民意の審判を経て名実ともに政権与党に復帰すれば、よく言えば政情の安定、悪く言えば汚職体質という元のマレーシア政治に収まるのか。おそらくそうではないだろう。
いまに至るマレーシア政治の原点は、1969年に200人の死者を出したマレー系と華人系の住民衝突事件だ。民族対立は若い独立国家の生存を脅かす。かつてのUMNOは議席数で突出した存在だったが、政党連合「国民戦線(BN)」を舞台装置にマレーシア華人協会(MCA)やマレーシア人民運動党(グラカン)、マレーシア・インド人会議(MIC)などの非マレー系政党と必ず連立を組んだ。ブミプトラ政策を堅持しつつ、少数派の華人系やインド系にも目配りし、多民族国家の安定を図る知恵といえた。
ところが最盛期の04年には計50議席を獲得したこともある非マレー系3政党は、DAPなど台頭した野党勢力に地盤を切り崩され、18年はたったの3議席と壊滅状態だ。UMNOが政権をたぐり寄せるには、昔以上にマレー票への依存を深めざるを得ない。
ブミプトラ政策を見直す動きは、他ならぬナジブ政権時代や、その前のアブドラ政権時代にもあった。だが下野の恐怖が骨身に染みたUMNOが、再びマレー票を失いかねない改革を進めることは、当面ないだろう。政権選択の緊張感をはらんだ、本物の民主主義へ脱皮しつつあるマレーシアだが、多民族国家の自画像に重ね合わせたとき、民族に基づくアイデンティティー・ポリティクスはむしろ強まるように思える。
=随時掲載
高橋徹(たかはし・とおる) 1992年日本経済新聞社入社。自動車や通信、ゼネコン・不動産、エネルギー、商社、電機などの産業取材を担当した後、2010年から15年はバンコク支局長、19年から22年3月まではアジア総局長としてタイに計8年間駐在した。論説委員を兼務している。著書「タイ 混迷からの脱出」で16年度の大平正芳記念特別賞受賞。』 -
モノ売りから電力事業者に変身した日本ガイシ
NAS電池を絶滅危惧種と呼ばないで(上)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC213NB0R21C22A0000000/(過去の投稿)「日本ガイシ」という会社…。
https://http476386114.com/2020/08/27/%e3%80%8c%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%82%ac%e3%82%a4%e3%82%b7%e3%80%8d%e3%81%a8%e3%81%84%e3%81%86%e4%bc%9a%e7%a4%be%e3%80%82/『※ そう聞いても、あまり知らない人が殆んどじゃないか…。世間的には、あまり有名とは言えないからな…。
※ しかし、この会社は、その時その時の「社会状況」「経済状況」に応じて、収益の柱となる事業を見つけ、自らの姿を変えて、生き延びてきた「見本」みたいな会社なんだ…。
※ そういうことで、紹介しておく…。』
『自ら機会を創り出し、その機会によって自らを変えよ――。リクルート創業者の故・江副浩正氏は、かつて社員らにこんなメッセージを残した。リクルートとは縁もゆかりもないが、この金言を地で行くような企業がある。日本ガイシだ。同社はセラミックを電解質に使う大容量蓄電池「NAS電池」のメーカー。かつて電力会社から重宝された世界唯一の技術に頑なまでにこだわるが、この10年はいかんせん稼げなかった。苦悩の末にたどり着いたのが、NAS電池というモノ売り一辺倒からの決別。その先には自ら電力小売事業者に変身することで、新たな収益機会を創出するというメーカーらしからぬ悟りがあった。
岐阜県東部、人口約4万8000人の山あいの街、恵那市。今年4月、日本ガイシが75%、恵那市と中部電力子会社が12.5%ずつ出資する地域新電力の恵那電力(同市)が産声を上げた。市内10カ所の公共施設に敷き詰めた総出力1200キロワットの太陽光パネルで発電。62カ所の公共施設と同社工場に電力を供給している。
リチウムイオン電池に比べ大容量、長寿命
恵那電力は恵那市の電力需要の半分を賄う恵那電力は供給量の10%を自然エネルギーで賄い、残りの90%は中部電力の小売り子会社から調達しており、恵那市の約半分の電力需要を担うようになった。一見、どこにでもありそうな地産地消型の新電力にみえるが、さにあらず。この電力ネットワークには陰の主役がいる。日本ガイシの専売特許ともいえる大型蓄電池「NAS電池」だ。
NAS電池は、電解質に同社十八番のセラミックを使い、負極にナトリウム、正極に硫黄を使った2次電池。硫黄とナトリウムイオンの化学反応で充放電を繰り返す。日中や土日の太陽光発電所の余剰電力を電池に蓄えたり、逆に曇天で出力不足に陥った時に放電したりする「調整役」を担う。
最大の特徴は1200キロワット時という容量の大きさだ。定格出力200キロワットで約6時間分の電気を充放電できる。最大のライバルである定置型リチウムイオン電池だと一般的に、同じ定格出力で3~4時間しか充放電できない。日本ガイシによると、キロワット時当たりのコストや製品寿命でもリチウムイオン電池に対し競争力があるという。一方で常温ではなく、加温しなければ稼働しない短所があるのも事実だ。
NAS電池の特徴はほかにもある。自然エネルギーの秒単位の変動にも追随できるレスポンスの良さだ。なかでも電力業界が一目置くのは、その時々でどれくらい充電、放電できるかが精緻に分かることだ。
「供給先に『あと何キロワット時の供給ができそう』ではなく、『供給できる』と確約できる2次電池はNAS電池くらい」と、恵那電力社長で日本ガイシエナジーストレージ事業部の村本正義管理部長は優位性を訴える。電気は需要と供給を常時一致させる「同時同量」が鉄則。それを実現する上でも発電所にとって頼りになる相棒といえる。
では、NAS電池の開発・製造がコアコンピタンスの日本ガイシがなぜ、新電力に進出したのか? そもそもNAS電池は、日本ガイシにとってどういう位置付けの事業なのか。そこには同社の苦闘の歴史がある。
昼夜の価格差を利用し電気代削減に貢献
日本ガイシの祖業は、社名にもある変電所や送電設備に取り付けられるセラミック製品の「碍子(がいし)」。戦前、超高圧・超高強度の碍子の国産化にいち早く成功し、日本で碍子のリーディングカンパニーとなった。戦後は電力需要の増大に合わせ、電力大手と強固な関係を築いた。
「水力(揚水)発電のように都市部でも電気をためて、需要が出れば発電するような技術はないものか」。1980年代、通商産業省(現経済産業省)と東京電力は充放電が自在にできる新たな「電源」の開発を模索。67年に米自動車大手フォードが基本原理を発明したNAS電池に注目し、セラミックに一日の長がある日本ガイシに声がかかった。
84年に東電との共同開発が始まり、日本ガイシはセラミックの電解質部材を完成させた。部材を電池メーカーに供給したが、電池メーカーは部材と電極をモジュール化してセルにする技術の確立に難儀した。東電が求める安全性や性能を満たせなかったことから、撤退する企業が相次いだ。
日本ガイシはセラミックの高精度な加工など独自技術を持つ(写真:吉田伸毅)
それならと、日本ガイシは電極も含めてオールインワンで電池を開発。送配電設備などでの実証試験でも98%の確率で需給調整に成功したことから、2002年に世界で初めてNAS電池の量産を始めた。ポスト鉛蓄電池として今や飛ぶ鳥を落とす勢いのリチウムイオン電池が、電力業界でまだ台頭していなかったころだ。
蓄電池というより、「ためる、放流する」を繰り返す水力発電のような新電源として一躍、注目株となったNAS電池。発送電設備に組み込んで需給調整に使われるようになったが、思わぬところで市場が広がった。工場や商業施設など電力会社の顧客だ。
蓄電池火災事故で暗転
2000年代、日本の総発電量の3割前後は原子力発電所になっていた。だが、原発は火力発電と違い出力の調整がごくわずかしかできない。需要動向にかかわらず発電しっぱなしで電気をどんどん出し続ける。東電と日本ガイシは、これを逆手に取った。
夜間、あふれてくる割安な電気をNAS電池で蓄電し、電気料金の高い昼間に放電することで「ピークカット」するビジネスモデルだ。東電がNAS電池とセットにした法人向け料金引き下げプランを打ち出すと、多くの顧客が飛びついた。主力の小牧事業所(愛知県小牧市)の生産量は尻上がりに伸び、09年には生産能力の上限に達した。
2000年代、小牧事業所では右肩上がりに出荷が増えたが、火災事故後に急変した(写真:吉田伸毅)
だが11年、日本ガイシは地獄に突き落とされる。NAS電池が顧客の三菱マテリアル筑波製作所(茨城県常総市)で火災事故を起こしたのだ。「運転を止めてください」。営業部隊は全国各地の顧客におわび行脚。活況を呈していた工場から従業員が消えた。技術開発から生産担当まで日夜、原因究明に追われた。
12年3月期の連結決算では電池事業で特別損失を計上、日本ガイシとして創業以来初の赤字に陥った。基本設計を一から見直し、大型蓄電池を構成する一本一本のセル(単電池)の耐熱・耐火用シートを三重にして防護力を高めるなどした。1年以上かけて対策品を開発し出荷を再開したが、その先に再び不遇が待っていた。
11年の福島第一原発事故だ。全国で原発の稼働ができなくなり、NAS電池を使って電気料金を引き下げるという勝利の方程式が崩れ去ったのだ。出荷再開後、アラブ首長国連邦のアブダビやイタリアなどで蓄電池を使った需給調整の実証試験向けに需要が出た結果、電池事業の売上高は13年3月期の1億円から16年3月期に262億円まで回復。しかし、こうした需要が一回りすると、国内の原発再稼働の遅れが響いて売上高は10億強~30億円前後と再び低迷。累積赤字は膨らんでいった。
他方、10年代半ばからは太陽光や風力など再生可能エネルギーが普及期に入った。出力変動を補う蓄電池の出番かと思いきや、市場はNAS電池を求めなかった。一体何が起きていたのか。
(日経ビジネス 上阪欣史)
[日経ビジネス電子版 2022年10月20日の記事を再構成]
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https://info.nikkei.com/nb/subscription-nk/ 』 -
米政府高官「北朝鮮はいつでも核実験可能」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN250480V21C22A0000000/※ 党大会も終わったことだしな…。
『【ワシントン=中村亮】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は24日、記者団に対して「北朝鮮はいつでも核実験をできる」との認識を示した。核実験の兆候をつかむために情報収集能力を高めていくと強調した。
カービー氏は「我々は北朝鮮がいつでも核実験をできると話してきた。それはいまも変わらない」と語った。米国防当局者は9月末、5年に1度の中国共産党大会が終わると北朝鮮が核実験に踏み切る可能性が高まるとの見方を示していた。党大会は22日に閉幕した。
カービー氏は「同盟国やパートナー国と協力し、北朝鮮による挑発行為や国連安全保障理事会の決議違反について責任を取らせる」と言及した。日本や韓国と防衛協力を深めていくと唱えた。「(北朝鮮と)前提条件なしに対話を始める用意がある」とも改めて説明した。
北朝鮮の商船は24日未明、南北境界である北方限界線(NLL)の南側に侵入した。北朝鮮は韓国軍の警告射撃への対抗を理由に砲弾を撃ち込み、南北の緊張がさらに高まった。北朝鮮は9月下旬から異例のペースで弾道ミサイルを発射してきた。』
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米司法省、中国情報員2人を訴追 ファーウェイ捜査妨害
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN2506C0V21C22A0000000/『【ワシントン=飛田臨太郎】米司法省は24日、中国の通信機器大手企業への捜査を妨害したとして、中国情報機関の情報員2人を訴追したと発表した。司法省は企業名を明らかにしていないが、米メディアは華為技術(ファーウェイ)と判明したと報じた。
米当局はファーウェイを技術窃盗の疑いで捜査していた。司法省によると中国の情報員は米政府の職員に賄賂を渡して、捜査の機密情報を得ようとした。実際には、この職員は米連邦捜査局(FBI)の「二重スパイ」だったために発覚した。
司法省によると情報員の身柄は確保できていない。有罪になれば最高40年の禁錮刑になる可能性がある。ガーランド司法長官は「民主主義の基盤である法の支配を損なおうとする外国勢力の企てを容認することはない」と強調した。
司法省はこれに加えて、2つの事件で11人を訴追したと公表した。米国に在住する中国人を脅して中国に帰国するよう強要するなどした疑いがある。中国の情報員や協力者を合わせ計13人が訴追の対象になる。
米中両政府は11月中旬にインドネシアで開く20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、バイデン大統領と習近平(シー・ジンピン)国家主席との首脳会談を調整している。中国側が今回の訴追に反発する可能性もある。
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前嶋和弘のアバター 前嶋和弘 上智大学総合グローバル学部 教授 コメントメニュー
ひとこと解説
米中は右手(貿易)では握手をして、左手(安全保障)では殴り合う関係。今回の党大会の権力闘争を見ても米中の溝は大きく、この複雑な競合関係はかなり長期化します。その中での米ソ連戦時代をほうふつとさせる「二重スパイ」の摘発。
2022年10月25日 7:36 』 -
NATO事務総長、ロシアの主張を否定 「汚い爆弾」で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR24CY90U2A021C2000000/『【ロンドン=大西康平】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は24日、ウクライナが放射性物質をまき散らすことを目的とした「汚い爆弾」を使おうとしているというロシアの見解を「誤った主張だ」として否定した。ロシアが侵攻を激化させる口実とすることへの警戒感を強めている。
ストルテンベルグ事務総長は、米国のオースティン国防長官と英国のウォレス国防相と話したとしてツイッターに投稿した。「同盟国はこの疑惑を否定する。ロシアは(紛争)激化への口実にしてはならない」と主張。「我々のウクライナへの支援に揺るぎはない」と訴えた。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は24日、記者団に対して「ロシア側が現時点で核兵器や汚い爆弾を使う用意をしているとの兆候はつかんでいない」と説明した。ロシアが虚偽の主張をしていると重ねて強調し「この問題を深刻に捉えている」と語った。
米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は24日、ロシア軍のゲラシモフ参謀総長と電話した。米統合参謀本部は声明で「安全保障に関連して懸念するいくつかの課題を議論し、対話ルートを維持することで一致した」と言及した。汚い爆弾などを含めたウクライナ情勢について協議したとみられる。
ロイター通信によると、ロシア国防省は汚い爆弾の使用に備えて、放射能汚染の状況下でも活動できるような軍備を整えていると発表した。
ロシアのショイグ国防相が23日、英国防相などとの電話協議で、ウクライナが汚い爆弾を爆発させる恐れがあると主張した。ウクライナのゼレンスキー大統領は否定した。西側各国はロシアが苦しい選局の打開へ、大量破壊兵器の使用の口実とするのではないかとの懸念を高めている。
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渡部恒雄のアバター 渡部恒雄 笹川平和財団 上席研究員 コメントメニュー
分析・考察
放射性物質をまき散らす「汚い爆弾」は英語ではその名のとおり、英語ではダーティー・ボムといわれ、主にテロリストが使用する可能性が懸念されてきました。主権国家同士の戦闘で使うとなれば、核兵器のように放射線の汚染が使用地域に広がるために、使用した地域での自軍の軍事活動に支障をきたすので使用目的は限定されます。もしロシアが主張するように、ウクライナが自国の防衛のために「汚い爆弾」を使うとすれば、自国民の健康を危険に晒すので、使用のハードルが高いはずです。そう考えるとロシアの常套手段である、相手が使うという偽りの主張をして、自らが対抗手段を使う口実にすることが十分に懸念されます。
2022年10月25日 7:26』 -
英首相にスナク氏就任へ 初のアジア系、最年少42歳
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR249EH0U2A021C2000000/『【ロンドン=中島裕介】20日に辞意を表明した英国のトラス首相の後任に、リシ・スナク元財務相(42)が就任することが24日固まった。与党・保守党の党首選に出馬を表明していたモーダント下院院内総務が撤退し、無投票で選出された。トラス政権が失墜させた経済政策の信頼回復や財政再建、党勢の回復に取り組む。
【関連記事】
・「深刻な経済的課題」スナク氏、英新首相に 市場は歓迎 ・リシ・スナク氏 政界7年の「期待の星」、リベンジ実現 ・英新政権にいばらの道 財政危機・物価高騰・党勢低迷
党首選を運営する保守党の「1922年委員会」が同日、党首選の立候補は「スナク氏1人だった」と発表した。スナク氏は25日までにチャールズ国王から任命を受け、新首相に就く見通し。
アフリカから移住したインド系の両親のもと英国で生まれ育ったスナク氏は、同国史上初めてのアジア系の首相となる。43歳で首相となったキャメロン、ブレア元首相を抜き、過去200年あまりで最年少の首相となる。
スナク氏は党首選出後の国民向け演説で「私たちは深刻な経済的課題に直面している」と語った。財政危機や物価高騰などの課題克服のため「安定と団結が必要だ。私は保守党と英国を一つにする」と訴えた。
ロイター通信によると、これに先立つ保守党議員の前での非公開の演説では、野党が求める早期の下院解散・総選挙を否定した。
トラス氏はツイッターで「私は(スナク氏への)完全な支持を提供する」と祝意を示した。
モーダント氏は立候補に必要な党所属下院議員100人の推薦を確保できなかったもようだ。動向が注目されたジョンソン前首相も23日夜に出馬を断念した。同氏は新型コロナウイルス危機下にパーティーを開いた問題などの不祥事で9月に辞任したばかりで、想定より支持が拡大しなかった。
モーダント下院院内総務は英保守党の党首選の立候補締め切りの直前で、立候補表明を取り下げた(23日、ロンドン)=AP
スナク氏は投資銀行勤務を経て、2015年に下院議員に初当選。ジョンソン政権で財務相を務めた。7月にはジョンソン政権を見限って財務相を辞任し、政権崩壊の引き金をひいたとされる。
前回党首選では決選投票に進み、トラス氏に敗れた。党首選ではトラス氏の大規模減税策を批判し続けた。
9月6日に発足したトラス政権は、英史上最短の就任から約50日での退陣となる。9月下旬に発表した大型減税を含む経済対策が財政悪化懸念を招き、通貨ポンドや国債価格の急落など金融市場を混乱に陥れた。
対策の大半を撤回し、重要閣僚の交代や党運営の拙さも重なって求心力が急速に低下した。
【関連記事】ジョンソン氏、不祥事の傷深く 英保守党党首選に不出馬
ニューズレター
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蛯原健のアバター 蛯原健 リブライトパートナーズ 代表パートナー コメントメニュー
別の視点
折しも今日はインドの一年で最大のお祭りディーパバリ(ディワリ)を家族で祝う日である。そのような日に英国政治のトップリーダーに歴史上はじめてインド人移民が実質的に決まったというのも感慨深い。同氏の配偶者はIT産業の世界大手一角、インフォシス創業者の子供、本人もバンカー出身であり富豪夫妻として知られている。高インフレによる経済苦ひいては格差に苛まれる英国政治を率いるにあたりそうしたバックグラウンドの新首相がどう手腕を振るい、また一般大衆がそれをどう評価するのか、その点が見ものである。
2022年10月24日 23:12菅野幹雄のアバター
菅野幹雄
日本経済新聞社 上級論説委員/編集委員
コメントメニュー分析・考察
あっけないというか、当然の展開というか。50日足らずのトラス政権の「悪夢」を経て、42歳のスナク氏が英国の信頼回復を担います。ピカピカの若手エリートの登板ですが、泥舟の英保守党の立て直しという課題は難度を増しました。
バラマキ型の財政支出にノーが突きつけられましたが、現状維持でもまた、英国民の不満は消えません。スナク氏が国民の困難解消と適度な規律の両立に失敗すれば、次期政権も短命に終わるリスクが増します。
与党内の論理に基づく無投票当選で、民意が全くわからないまま出発するスナク次期政権。議会解散と総選挙は制度上は容易に実現できませんが、英国の世論は日増しにそれを求めることになるでしょう。
2022年10月24日 22:59 (2022年10月24日 23:19更新)』 -
台湾統一に習近平氏「37年の計」心の侵攻と迫る有事
大中国の時代 習氏の兵法①
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00002640T21C22A0000000/※ さわりだけ。


『985年、台湾・金門島をのぞむ福建省アモイ市の何厝村。冗談も交えながら「国共内戦」の激戦地となった浜辺を訪ね歩く人物がいた。32歳でアモイ市の副市長に抜てきされた習氏だった。
当時のアモイ市は広東省深圳市と並んで、中国初の「経済特区」に指定されたばかりだ。前年の84年には改革開放を進めた鄧小平も視察に訪れた。同時に台湾統一をうかがう前線基地という、政治目標を背負わされた要所でもあった。
若い習氏は着任後、台湾との融和を模索する。手本は父、習仲勲だった。
文化大革命で失脚した仲勲は78年まで、16年間に渡る屈辱の拘束に耐えた。名誉回復を遂げた後、取り組んだのが広東省の経済発展だ。深圳での経済特区プロジェクトを主導し、香港や台湾からの資本受け入れに力を入れる。
仲勲は広東での成功を足がかりに、中央政界への本格復帰の道を開く。間近で見たその苦労が、習氏の政治家としての原体験になった。』
『習氏を深く知るアモイ市台商協会の呉家瑩会長(62)は振り返る。「若い習氏は我々台湾の企業経営者とよく語り、誘致に懸命だった」
習氏は父の業績をなぞるように、福建省で台湾資本の取り込みに奔走する。「彼は実に多くの台湾人と付き合い、台湾を知り尽くした」。自身も90年代に台湾から石材事業で進出した呉氏は語る。
習氏の福建省での任期は17年に及んだ。95年の台湾海峡危機など中台関係は何度もこじれたが「どんなことになっても、みなさんの利益は守り抜く」と台湾経営者に約束して回ったという。現在、アモイの工業生産額の3分の1は台湾企業が生み出す。
独立反対派が増え、戦わずして台湾を取り込めるに越したことはない。ただ中国への警戒感が強まる中で、成功する保証はない。習氏が福建省に着任してから37年だ。備えは着々と進む。
2022年8月31日午前0時7分、福建アモイ港。中国民間の大型フェリー船「渤海恒通」は夜の海に出ると、ほどなく不審な動きを見せ始めた。
北東1500キロメートル先の山東省煙台に向かう。船が発する識別信号はそう告げていた。だが位置情報は真逆の南西を進み、16時間後に台湾海峡の古雷半島で速度を落とす。』
『高精細な衛星写真が捉えたのは、その海上で渤海恒通が船尾のタラップを開く瞬間だった。後ろに8台の水陸両用車が連なる。「民間船を使って戦闘車を輸送する訓練の様子だ」。新アメリカ安全保障センターのトーマス・シュガート氏は指摘する。
習氏が権力固めに生かした反腐敗運動と同様、動けば容赦ない。「武力行使の放棄を決して確約しない」。16日には習氏自ら強調した。いまでは超法規措置として、指導部の意向一つであらゆる民間物資とインフラが手駒に変わる。
台湾国防部の傘下、国防安全研究院で副研究員を務める王尊彦氏は警戒する。「中国の作戦は数万通りあるが、最も意識するのは『兵貴神速』と電子戦だ」。離島や包囲には目もくれず、軍民問わずかき集めた戦力で一気に台北を落とす。事が起きれば、台湾になすすべはないと王氏はみる。
習氏の3期目は27年まで続く。人民解放軍の創設100年にあたり、米軍が台湾侵攻能力を得るとにらむ年に重なる。』
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新首相にスナク氏 英
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022102401025&g=int※ スナク氏で、決まったようだ…。
※ 日本時間の午後10時(現地時間の午後2時)が、立候補受付の締め切りだったらしい…。
※ ジョンソン氏は、今回は降りた形だ…。
※ しかし、いずれ「近いうちに、総選挙」となり、保守党敗退となった場合には、自分の再登場の目もある…、と読んでいるという情報もあるようだ…。
『【ロンドン時事】英スカイニューズによると、保守党の党首選に出馬表明していたモーダント下院院内総務が24日、撤退した。この結果、スナク元英財務相が保守党の党首となり、新首相となることが事実上、決まった。』
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