ロシア、北朝鮮に追加弾薬要請 米、仲介武器商人に制裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023033100178&g=int
『【ワシントン時事】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は30日の記者会見で、ロシアがウクライナ侵攻の継続のため、北朝鮮から追加弾薬を調達しようとしていると明らかにした。両国の武器・弾薬の取引を仲介する武器商人の存在も公表し、この武器商人に制裁を科したことも表明した。 』





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ロシア、北朝鮮に追加弾薬要請 米、仲介武器商人に制裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023033100178&g=int
『【ワシントン時事】米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は30日の記者会見で、ロシアがウクライナ侵攻の継続のため、北朝鮮から追加弾薬を調達しようとしていると明らかにした。両国の武器・弾薬の取引を仲介する武器商人の存在も公表し、この武器商人に制裁を科したことも表明した。 』
大統領選にらみ政治的意図も U20W杯サッカー開催中止―インドネシア
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023033000809&g=int
『【ジャカルタ時事】5月から始まるサッカーU20(20歳以下)男子ワールドカップ(W杯)がインドネシアで開催されないことが29日、正式に決まった。外交関係がないイスラエルの参加に反発する自治体首長の声などを受け、インドネシアのサッカー協会が1次リーグ組み合わせ抽選会を実施5日前に延期したことが大きな引き金になったとみられる。一方で、そうした声が上がった背景には、来年2月のインドネシア大統領選をにらんだ政治的な意図も見え隠れする。
イスラエル出場を「保証」 U20W杯サッカー抽選会延期で―インドネシア大統領
インドネシアは、イスラム教徒が国民の9割近くを占め、国の方針としてパレスチナの独立を支持する。昨年、U20W杯初出場を決めたイスラエルの参加に反発し、デモが行われるなどしていた。
ただ、動きが加速したのは今月に入ってからだ。組み合わせ抽選会が予定されていたバリ州の知事が、バリ島でのイスラエルの試合を拒否すると関係者に伝達したのに続き、イスラエルの参加を理由に抽選会の実施も認めないと表明。大統領選に出馬するとみられ、支持率調査でトップを走る中ジャワ州のガンジャル知事も同様に異議を唱えた。
2人は、最大与党・闘争民主党に所属している。闘争民主党はまだ大統領候補を正式決定していないが、対抗馬になるとみられる他党の候補はいずれもイスラム保守派からの支持が強い。大統領選を前に少しでも保守派を取り込みたいガンジャル氏の意図のほか、闘争民主党の思惑が働いた可能性も否定できないとみられている。
バリ島はヒンズー教徒が多い。バリ州の知事もイスラム教徒ではなくヒンズー教徒だ。このため試合や抽選会の拒否は、闘争民主党の戦略を踏まえた動きと臆測されている。
国際連盟(FIFA)は近く代替開催地を発表する見通し。』
FRB、「失敗」認めざるを得ず 米銀破綻で議会から批判噴出
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023033000829&g=int
『【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のバー副議長(金融規制担当)は29日の下院金融サービス委員会で証言し、米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻について「監督も失敗した」と語った。前日の上院銀行委では「ひどいリスク管理」と断じ、SVB側が適切に対応しなかったとの見解を繰り返していた。しかし、リスクを把握していたのに破綻を防げなかったことを厳しく問われ、監督責任を認めざるを得なくなった形だ。
ユーロ圏への波及否定 破綻米銀は「特有の問題」―欧州安定機構トップ
バー氏は28日の上院銀行委証言で、SVBは金利上昇や預金流出リスクなどへの備えが不十分で「経営失敗の教科書のような事例だ」と強調。一方で、サンフランシスコ連銀の検査官はリスク管理の問題点を2021年11月からSVBに指摘し、監督当局としてきちんと対応したと説明していた。
ところが、これがかえって「当局は問題を知っていたのに、誰も取り締まらなかった」(与党民主党のテスター上院議員)といった批判を招く格好となった。
29日の金融サービス委では、バルガス下院議員(民主党)が「規制執行の教科書のような事例がどうしてなかったのか」とただしたのに対し、バー氏は「もっと(対応などを)強く訴え、迅速に措置を講じるべきだったのかもしれない」と、FRBにも落ち度があったとの認識を示唆した。
FRBは、SVBへの監督や規制に関する検証を進め、5月1日までに報告書を公表する予定だ。SNSも絡み、異例の速さと規模の取り付け騒ぎの果てに引き起こされた破綻劇は、当局や市場に大きな衝撃を与え、米欧の信用不安の端緒となっただけに、検証結果への注目度は高い。バー氏は「報告書にはSVB側とのやりとりなどが含まれる」との見通しを語った。 』
世銀トップ、バンガ氏選出へ 米国指名のインド系―立候補締め切り
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023033100313&g=int
『【ワシントン時事】世界銀行の次期総裁に米クレジットカード大手マスターカードのアジェイ・バンガ前会長が選出される見通しとなった。世銀理事会が30日、任期前倒しで辞任する現総裁のマルパス氏の後任の立候補者が、29日の応募締め切り時点でバンガ氏だけだったことを確認した。5月上旬までに正式決定する。
G20、世銀改革に本腰 途上国支援の役割強化―米、主導権狙う
バイデン米大統領の指名を受けたバンガ氏はインド出身で、マスターカードの社長兼最高経営責任者(CEO)を10年以上にわたって務めるなど、ビジネス経験が豊富だ。世銀トップは1945年の設立から最大出資国である米国が推薦する候補が選ばれてきた。任期は5年。』
EU委員長 中国との関係 “リスクを減らしながら関係継続を”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230331/k10014024991000.html
『2023年3月31日 6時38分
EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は中国との関係について演説し、中国とは経済的なつながりを切り離す「デカップリング」ではなく、リスクを減らすいわゆる「デリスキング」を進めながら関係を続けていく考えを強調しました。
EUのフォンデアライエン委員長は30日、ベルギーのブリュッセルでEUと中国のこれからの関係について演説しました。
この中でフォンデアライエン委員長は、中国がウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアと連携を強化しているとしたうえで「軍事面だけでなく、経済・貿易の面でも威圧的な政策を強めている。自国を中心に据えるかたちで国際秩序を作りかえようとしている」などと指摘し、警戒感を示しました。
そのうえで「中国と関係を切り離すことは可能ではないしヨーロッパにとっての利益でもない」と述べ、中国とは経済的なつながりを切り離す「デカップリング」ではなく、リスクを減らすいわゆる「デリスキング」を進めながら関係を続けていく考えを強調しました。
具体的な取り組みとしてフォンデアライエン委員長は近く、フランスのマクロン大統領と中国を訪れて中国側と対話するほか、量子コンピューターやAI=人工知能など一部のハイテク分野については、軍事利用されるおそれもあるとして、域外向けの投資の規制も検討していることを明らかにしました。』
政府 半導体製造装置の輸出管理厳格化 中国などへ手続き厳しく
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230331/k10014025251000.html
『2023年3月31日 12時27分
政府は、国際的な安全保障をめぐる環境が厳しくなる中、先端半導体の製造装置23品目の輸出管理を厳しくする措置を新たに行うと発表しました。アメリカ・韓国・台湾などへの輸出よりも中国などへの輸出の際の手続きを厳しくします。
発表によりますと、対象となるのは日本企業が高い技術力を持つ、先端半導体の材料に回路を焼き付ける「露光(ろこう)装置」など23品目です。
政府が、輸出管理の仕組みが整っていると認めたアメリカや韓国、台湾など42の国や地域への輸出よりも、中国を含むその他の国や地域への輸出の際の手続きを厳しくし、毎回、経済産業大臣の許可を取ることを必要とします。
米中の覇権争いが激しさを増す中、アメリカは中国向けの輸出規制を強め、半導体の製造装置で高いシェアを持つ日本やオランダにも輸出管理の強化を要請していました。
これに対してオランダは、ことし夏までに先端半導体の製造装置の輸出規制を強化する方針を明らかにしていて、今回、日本としての対応を示した形です。
ただ、日本にとって中国は最大の貿易相手国で、日本の半導体製造装置メーカーは、スマートフォンやデータセンター向けの半導体需要の高まりを受けて、中国への輸出を伸ばしてきました。
経済産業省によりますと、措置の対象となる装置を作っている日本企業は10社あまりで、軍事転用のおそれがなければ、輸出を許可することから影響は限られるとしています。
西村経済産業大臣は閣議のあとの会見で、「軍事転用の防止を目的とした今回の措置によって、技術保有国として国際社会における責任を果たし、国際的な平和および安全の維持に貢献していきたい」と述べました。
今回の対応は、アメリカからの要請に応えつつ日本企業への影響をできるだけ抑えようというもので、経済産業省は中国を念頭に置いた措置ではないとしていますが、米中それぞれがどう受け止めるかが焦点になります。
米 半導体の輸出規制の背景
中国向けの半導体をめぐって、アメリカのバイデン政権は去年10月、新たな輸出規制の実施を明らかにしました。
対象は、AI=人工知能やスーパーコンピューターなどに使われ、大量破壊兵器の開発や最新の軍事システムなどに転用が可能な先端半導体や製造装置で、アメリカ政府は、半導体の製造装置で高いシェアを持つ日本やオランダに対しても規制の協力を求めてきました。
規制強化の背景にあるのが、ハイテク分野での米中の覇権争いです。
アメリカは去年10月に発表した国家安全保障戦略で、中国を「国際秩序を変える意思と能力を兼ね備えた唯一の競合国」と位置づけ、軍事、経済、科学技術などの分野で総合的な抑止力を構築する方針を示しています。
このうち半導体については去年8月、520億ドル以上、日本円にして7兆円余りを投じてアメリカ国内における半導体の生産や開発を補助金などで後押しする法律を成立させました。
中国が国家主導でばく大な予算を使い半導体の技術開発を進めていることに対抗するねらいで、2月には補助金の申請受け付けを始めました。
補助金を受ける企業は今後10年間、中国で新たな関連の投資を行わないことを条件とするなど、半導体をめぐって中国の製造能力を抑えこむ姿勢を鮮明にしています。』
ミサイル発射繰り返す北朝鮮の現状を読み解く:脅威はより具体的に
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00895/
『政治・外交 2023.03.30
平岩 俊司 【Profile】
米韓合同軍事演習を警戒し、弾道ミサイルを繰り返す北朝鮮。筆者は、後ろ盾となっている中国、ロシアを国際社会に引き戻し、国連の機能回復につながる働きかけが今こそ必要だと指摘する。
米韓の演習に強い警戒
2023年3月13日に始まった米韓合同軍事演習の前日、北朝鮮は朝鮮労働党中央軍事委員会を開催し、米韓合同軍事演習に対して「重大な実践的措置」を決定して一歩も引くつもりはない、との姿勢を強調した。あらためて指摘するまでもなく冷戦終結以降の北朝鮮にとって体制の生き残りこそが最大の目標と言ってよい。冷戦終結の過程で初代金日成から政権を引き継いだ二代目の金正日は、党が国家、軍を指導するという金日成が目指した本来の社会主義体制を捨てて、金正日自身が軍と一体化してあらゆる政治運営を行う先軍政治の体制を取った。それはある意味で体制の生き残りをかけた危機管理体制だった。
金正日にとっては、自らの体制にとって最大の脅威と位置づける米国といかに向き合うかが最大の課題であった。だからこそ、国際社会の厳しい姿勢にもかかわらず核開発を進め、ついに核兵器を手に入れたのである。核兵器の小型化と米国に届く運搬手段の開発が課題として残されたが、三代目の金正恩はそれを引き継ぎ、徐々に実現しつつある。
北朝鮮にとってそれは冷戦の終焉によって米国の脅威に一方的にさらされる状況を解消するための対米抑止力ということになろうが、抑止力を手に入れた上で米国とどう向き合うかこそが北朝鮮にとっての真の目標だろう。その際、米国の姿勢を判断する重要な指標が米韓合同軍事演習だ。18年6月、北朝鮮は、韓国の働きかけもあって米国との史上初の米朝首脳会談を実現したが、その際、米朝はまず「新しい米朝関係」を作ることを約束し、トランプ大統領は米韓合同軍事演習の中止を宣言した。だからこそ北朝鮮は米韓合同軍事演習にこだわるのだ。
北朝鮮が望んでいるのは国連決議に基づく制裁の解除、との指摘もあるが、19年2月のハノイにおける米朝首脳会談決裂以降の反応を見ると、制裁解除よりもむしろ米韓合同軍事演習の行方について警戒を強めている。だからこそ史上最大規模とも言われる3月13日からの米韓合同軍事演習は、北朝鮮にとって「重大な実践的措置」で対処しなければならない事案なのだ。
核兵器開発では「ブレーキ役」の中国
そもそも北朝鮮には、対米関係を有利に運ぶために韓国を利用できる、との思いがあったはずだ。北朝鮮に対する関与政策をとった文在寅政権は米朝関係を進展させる上でも利用価値があった。しかし、5年ぶりの保守政権となった尹錫悦政権は、関与政策ではなく抑止政策を基本として、米韓同盟の強化と、日米韓三国協力関係を強化する方向に動き、そのために懸案となっている徴用工問題についても日本側が受け入れ可能な解決案を提示し日韓関係を進展させようとした。北朝鮮は当然こうした動きに反発し、尹錫悦政権との対決姿勢を強め、米韓合同軍事演習に加えて日米韓協力関係の強化の動きへの警戒感を強めたのである。
米韓同盟、日米韓三国協力関係の強化が進む状況下、北朝鮮にとっては後ろ盾としての中国との関係が重要となるが、北朝鮮は中国を信頼しているわけではない。例えばバイデン政権発足直後の2021年3月のアンカレッジでの2+2会議では、米中が激しく対立したが、北朝鮮問題については協力可能な領域としたのである。中国にとって米国といかに関係を構築するかが最重要課題だが、北朝鮮問題はそのための重要なカードなのだ。
北朝鮮にとっては不愉快だろうが、最もいやなのが、米中が協力して北朝鮮に圧力を加えることだ。17年、北朝鮮が6回目の核実験、さらには米国を射程に入れる火星15の発射実験等に対し、米中は協力して北朝鮮に極めて厳しい制裁を追加した。北朝鮮としてそれは避けたいだろう。
北朝鮮は21年1月に開催した朝鮮労働党第8回党大会で国防力強化の方針を決定したが、その課題として戦術核、核の多弾頭化などが含まれている。それを実現するためには7回目の核実験が必要であり、北朝鮮もその準備を整えている、というのが一般の見方だ。しかし、北朝鮮は核実験については慎重な姿勢を取っている。中国が一貫して朝鮮半島の非核化を主張しており、北朝鮮の核について否定的だからだ。中朝国境地帯で核実験が行われることから環境汚染、地盤への影響などを懸念しているとも言われる。また、22年、中国では習近平体制が異例の三期目を目指していた。このような状況から、北朝鮮は核実験を控えてきた。
ロシアを新たな後ろ盾に
ところがこうした状況を一変させる事態が発生した。ロシアのウクライナ侵攻である。北朝鮮はいち早くロシア支持の立場を表明し、国連総会でのロシア非難決議についても中国が棄権したにもかかわらず明確に反対票を投じた。当然ロシアはそれを歓迎し、明確に北朝鮮を支持することになる。
これ以後、北朝鮮は中国への配慮を見せつつも、新たな後ろ盾となったロシアを頼りとして、ICBM(火星17)を含む各種ミサイル発射実験を繰り返し、2022年5月、米国が安保理で北朝鮮に追加制裁を加えようとした時、ロシアは拒否権を行使した。中国も同じく拒否権を行使したが、ロシアの拒否権行使が確実視される状況下、中国に棄権という選択肢はなかっただろう。このように北朝鮮は、ロシアを利用しながら朝鮮半島で新冷戦的な構造を作り出すのに躍起になっている。
厳しい経済情勢
一方、国連安保理決議にもとづく制裁によって北朝鮮経済は厳しい状況が常態化している。そこに世界的なコロナ禍により、中国との交易も止めざるをえず、さらに厳しい状況に追い込まれた。北朝鮮では社会主義体制の特徴である配給はすでに機能しておらず、闇市場によって人民経済は成立しているというが、当局はその闇市場に備蓄物資など投入することで価格の混乱を抑え込んでいるようだ。
しかし、それにも限界があり、世界的なコロナ禍からの回復を契機に中国との交易を再開し、人民経済の立て直しに取り組んでいる。北朝鮮は、昨年末の党中央委員会総会で国防力強化を再確認したが、その2ヶ月後の本年2月に党中央委員会総会を開催し農業部門の対策を講じたことは経済が厳しい状況にあることを物語っている。
既述の第8回党大会では国防力強化とともに経済5カ年計画が採択されたが、今年はその3年目にあたる。経済の立て直しは国防力強化とともに北朝鮮の体制の生き残りに不可欠な課題と言ってよいが、中国、ロシアの動きが鍵を握ることになるだろう。
「血統維持」の重要性は変わらず
ところでミサイル発射の過程で注目されたのは、金正恩総書記の後継者問題である。金正恩総書記の実娘がミサイル発射実験に立ち会い、その後軍関連の式典に参加したことから後継者ではないか、との憶測を呼んだ。
北朝鮮の最高指導者は、いわゆる「白頭の血統」と言われる、金日成、金正日、金正恩の血脈に通じる人間でなければ後継者にはなり得ない。金正恩には3人の子供がいると言われているが、彼女にも後継者としての資格があるのかもしれない。
しかし、今回の一連の報道を見ていると、後継者としての登場と言うよりも、「白頭の血統」にある者の軍に対する「慰問」として考える方が自然だろう。いずれにせよ、北朝鮮の体制は今後も血脈が重要な意味を持つことを印象づける事案で、内部的には血統を維持して体制固めをはかっていくものと思われる。
「北の脅威」抑止に重要な中ロへの働きかけ
注意しなければならないのは、これまで核兵器について防衛のためとしていたものが、例えば昨年末の朝鮮労働党中央委員会総会で金正恩総書記が「われわれの核戦力は戦争抑止と平和と安定の守護を第1の任務とするが、抑止失敗の際、第2の使命も決行することになる」として「第2の使命は防御ではないほかのものである」とするなど、核の先制使用を示唆する発言が増えていることである。実際、繰り返されるミサイル発射についても、兵器開発の実験ではなく訓練が増えており、その意味で北朝鮮の脅威はより具体的なものとなりつつある。
そうであるとすれば、日米韓協力の強化は不可欠であるが、同時にウクライナ情勢に伴って機能不全に陥っている国連の機能回復も必要だ。そのためには、北朝鮮の後ろ盾である中国、ロシアを国際社会の側に戻さなければならない。これまで北朝鮮の核実験、ICBM発射に対しては中ロを含めて全会一致で対応してきたのであり、今後、中国、ロシアに拒否権を使わせてはいけない。
そのためには中国、ロシアへの粘り強い働きかけが不可欠で、現在、中国、ロシアと難しい関係が続いているとはいえ、日本は使い得るあらゆるルートを通して中国、ロシアに働きかけなければならない。その意味で日本の役割は大きい。
バナー写真:北朝鮮の朝鮮中央通信が2023年3月20日に配信した、金正恩氏(中央)と娘(左)の写真。19日に軍が行った、核攻撃を想定した戦術弾道ミサイルの発射訓練に立ち会ったという(AFP=時事)
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北朝鮮 金正恩 東アジア 核戦力
平岩 俊司HIRAIWA Shunji経歴・執筆一覧を見る
南山大学総合政策学部教授。専門は現在東アジア研究、現代朝鮮論。1960年生まれ。東京外国語大学卒業。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。静岡県立大学教授、関西学院大学教授などを経て2017年から現職。 』
中国は再び“救世主”にはなれない…今後、世界経済のお荷物になる理由
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/03310602/?all=1
『「世界経済は回復力が不十分だ。中国の発展が世界に新たなチャンスを提供する」
習近平国家主席は3月26日、政府主催の国際経済フォーラムにこのような祝辞を寄せた。ゼロコロナ政策などで低迷した経済を成長軌道に乗せ、国際的な影響力を高める狙いがあると評されている。
【写真を見る】中国で話題の的となっている“エリート報道官”の現在の変わり果てた姿
同フォーラムには国際通貨基金(IMF)のゲオルギエフ専務理事も参加した。ゲオルギエフ氏はシリコンバレー銀行など米中堅銀行2行の経営破綻に端を発した世界的な信用不安について「明らかに金融安定へのリスクが高まっている」と警戒感を露わにした。
中国政府も3月23日、リーマンショックを念頭に「2008年の金融危機を繰り返さないように」と米国政府に苦言を呈していた。
世界経済に暗雲が立ちこめる中、ゲオルギエフ氏は「(中国経済は)個人消費によって力強く回復している」と高く評価した。
リーマンショック後、中国政府が約80兆円に上る大規模な景気対策を実施したおかげで世界経済は回復したというのが定説だ。
中国は再び「救世主」になることができるのだろうか。
「今年失業するホワイトカラーは47%超」の試算
中国ではゼロコロナ政策が解除され、ホテルやレストランなどに客足が戻りつつあるが、V字回復の期待は裏切られている。
深刻なのは自動車市場だ。今年1~2月の新車販売台数は前年比15.2%減だった。市場で激化している価格競争に危機感を覚えた中国汽車工業協会は3月22日「業界の安定的な発展が損なわれる行為は控えるべきだ」と加盟企業などに訴えかけた。
自動車など耐久消費財の需要低迷のせいで1~2月の中国のドル建ての輸入額は前年に比べて10.2%減少した。
消費者を慎重にさせている要因は、不動産市場の低迷、公務員給与や医療補助などを削減する政府の対応、雇用不安などだ(3月16日付ロイター)。
中国の新規住宅価格は16ヶ月連続で下落し、ようやく1月に下げ止まったようだが、楽観できない状況が続いている。
不動産市況の急激な悪化で地方政府の財政は火の車だ。主要な収入源である土地売却収入は今年1~2月、前年比29%減となり、地方政府が抱える債務の合計は9兆ドル強に膨らんでいる(3月17日付ロイター)。資金難にあえいでいる地方政府にとって残された手段は大幅な支出削減しかない。
雇用不安もますます深刻になっている。民間調査会社によれば、今年失業する可能性を恐れているホワイトカラーの割合は47%超に達している有様だ。
政府が個別の補助を行う可能性も低いとされており、ゲオルギエフ氏の見立てとは異なり、中国の個人消費の見通しは暗いと言わざるを得ない。』
『泣き面に蜂の締め付け
中国の1~2月の工業利益も前年に比べて22.9%減少しており、中国政府が掲げる今年の経済成長目標(5%前後)が未達になる可能性が生じており、「下振れリスクへの備えが必要だ」との声が出始めている。
苦境にあえぐ中国経済にとって「泣き面に蜂」なのは、米国の中国経済に対する締め付けが強化されていることだ。
輸出規制を課された国内の半導体業界に対し、中国政府は巨額の資金支援を行う計画だが、「資金支援だけで事態を改善できない」との見方が強い(3月7日付ロイター)。
習近平指導部の経済への統制強化も災いして海外マネーの流出も止まらない(3月14日付日本経済新聞)。在中国米国商工会議所は3月1日「米国企業の過半数は『中国はもはや主要な投資先ではない』と回答した」ことを明らかにしている。
中国人民銀行は3月15日「米国などの対中封じ込め策に対応する」との異例の声明を出した。習近平国家主席が全国人民大会で「米国など西側諸国の封じ込めや抑圧に適切に対応する」と発言したことを受けた形だ。
米世論調査会社ギャラップが3月7日に発表した調査結果によれば、「中国に好意的だ」と回答した米国人の割合は15%と過去最低となっている。
習近平国家主席は3月21日からロシアを訪問し蜜月ぶりをアピールしたが、米国を必要以上に刺激しただけで、関係がさらに悪化するのではないかと思えてならない。
構造的な問題?
「中国経済は既に深刻な景気減速に見舞われている」との指摘があるが、短期的な見通し以上に心配なのは、構造的な問題により中国経済の活力が長期にわたって衰えることが確実視されていることだ。
「少子高齢化」が進む中国の経済基盤は劇的に縮小している。
国家統計局によれば、中国の昨年の就業者数は約7億3350万人となり、3年前に比べて4100万人以上減少した。
今後10年間で約2億2800人が退職することが予測されている(3月17日付日本経済新聞)。中国の「団塊世代(1963~75年生まれ)」が法定退職年齢(男性は60歳、女性管理職は55歳)に達するからだ。
社会保障負担を見てみると、昨年は現役2.28人で高齢者1人を支えていたが、20年後には現役1.25人で高齢者1人という計算となる。
このように、中国経済は救世主どころか、「お荷物」になってしまう可能性が高い。待ち受けているのは戦後最悪の世界同時不況ではないだろうか。
藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。
デイリー新潮編集部 』
英仏はブレグジットの傷を癒すことができるのか
岡崎研究所
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/29806
『3月10日付の英フィナンシャル・タイムズ紙(FT)は、社説で、英仏首脳会談の開催により、両国が和解に向けて歩み寄ったことを歓迎している。
3月10日にパリで5年ぶりの英仏首脳会談が開催された。具体的な成果は限られたもので、移民を小型船で英国に密輸する厄介な問題に焦点が当たるだろう。それでも今回の会談は、ブレグジット(英国の欧州連合<EU>離脱)後の関係正常化の歓迎すべき兆しであり、英国と他の欧州諸国、そしてEUとのより広範な関係回復の雛形となる可能性がある。
和解は、2人が元銀行マンで相性が良いこと、そして英国首相が、北アイルランドとの貿易をめぐるEUとの紛争について融和を選択したことにより加速した。
スナク英首相は、昨年に過去最高の4万6000人の移民を英国に運んだ危険な小型船問題に取り組む上で、マクロン仏大統領に支援を求めることになる。両国は、協力を深めることに合意するだろうが、マクロンは、英国がフランスに求めている移民に関する「送還協定」は、EU全体と交渉するべきだと主張する。
しかし、英国にとって、小型船の問題が英仏関係その他を規定することがあってはならない。その1つが安全保障問題である。ウクライナ戦争によって、両国は欧州の安全保障を確保する兵力も装備も足りないことを自覚した。共同調達や競合する次世代戦闘機の相互運用性などを考える上で、EUの軍備計画に英国のメーカーの参入を認めるなど、英国をEUの防衛構想に結びつける事も考えられる。
エネルギーもまた、安全保障や気候変動に対処するため、英仏が協力できる分野である。フランスの原子力に関する専門知識と英国の再生可能エネルギーにおける補完的な能力は多くの機会を提供する。
英仏に続いて英独などでも同様の首脳会談が行われることは、欧州と英国の双方にとって利益となる。スナクは、迷いを克服して、EUの科学技術振興策「ホライズン・ヨーロッパ」に参加するなど、EUとの関係を強化するためにウィンザー合意で生まれた勢いを利用するべきだ。
英国のウクライナ支援はすでに一つの例証であるが、英国は「EUからの離脱に投票したのであって、欧州からの離脱ではない」とのスローガンを実施に移す時が来ている。
『また、スナクとマクロンが共に投資銀行に勤めた共通の経験があり、政治的にも中道右派で親和性があったことなどが、この和解を容易にしたのではないか。
EUからは離脱したとはいえ、英国は北大西洋条約機構(NATO)においてEU諸国の重要な同盟国であり、ロシアの侵略攻撃が続く中でウクライナ支援のためのNATOや西側の団結の維持が不可欠であることから、今回の英仏間の和解は極めて明るい話題であり、特にEUとの協力関係を必要とする英国にとって朗報であろう。
英仏首脳会談では、移民問題が焦点となり、スナクが、フランスが英仏海峡を渡ろうとする難民を阻止する支援に3年間で5億8000万ドルの拠出を表明し、これをマクロンが責任の共有化を示すものと評価した。他方、マクロンは、英国が求める難民をその出発地に送還する協定については、EUと交渉すべきとの立場で応じなかった。
マクロンは、EUの主権や戦略的自律を強調する一方、安全保障や政治協力ではより広い欧州の枠組みを模索しており、その主要な狙いは英国やEUに非加盟の欧州諸国の取り込みである。また、マクロンにとって、対米関係においても、英仏和解は有益であろう。
英仏間の火種は残る
もっとも、これで違法移民の流れが止まるとは思えず、引き続き火種は残るであろうし、この社説が推奨しているEUの科学技術振興策である「ホライズン・ヨーロッパ」への参加について、スナクは費用対効果の面で慎重である。
また、2国間関係を首脳の個人的な関係に頼ることは政権が交代した場合に友好関係が引き継がれないリスクがある。特に、スナクは与党内対策も油断はできないであろう。他方、マクロンは、年金改革で無期限ストに直面しており、これを乗り切る必要がある。
2国間の和解を持続可能にするように、追加的な法的、政治的枠組みが構築されると共に、この社説が期待するように、英国との和解の動きがドイツやEU諸国全体に波及することが更に望ましい。
成熟した民主主義国の隣国同士が、懸案事項にも拘らず良好な関係を築くことは喜ばしく、英仏両国が国連安保理事国であり、またG7(主要7カ国)のメンバーであることからもグローバルにも良い影響が出ることを期待したい。』
なぜTikTokは、米議会で真剣に議論され、禁止されようとしているのか?
https://forbesjapan.com/articles/detail/61973
『 米国で、中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)が全面禁止になる可能性が取り沙汰されている。TikTokに仕掛けられたバッグドア(裏口)からユーザーデータに中国政府がアクセスしている可能性があり、安全保障上問題があるというのがその理由だ。
筆者は職業柄TikTokをよく閲覧するのだが、「全面禁止はデマ」であるという日本語の解説動画が、昨年からよく上がっているのを目にしていた。解説動画の主たちはTikTokが禁止されるのは政府職員など公的機関の人々が使う端末のみで、民間では禁止されるわけではないから、早とちりをするなと呼びかけていた。
彼らの主張が受容されたかのように、TikTokは米国でみるみるユーザー数を伸ばしていき、現時点(2023年3月)でのアクティブユーザーは1億5000万人もいるという。実に米国の人口の約半数が使っているということになる。
しかし、その頃からTikTok全面禁止の可能性は確かにあった。米国の政治をよく観察していればわかるのだが、TikTokの全面禁止は「ユーザーデータへのアクセス」という言葉からイメージされる軽いものではなく、その先にある世論操作まで想定されるものだからだ。
トランプの集会へ「空予約」の呼びかけ
TikTokで世論操作など本当にできるのだろうか? その可能性を想像させる事件が、2020年6月に起こっている。当時は、大統領選挙のキャンペーンの真っ最中。トランプ候補の集会が、TikTokユーザーによって空席だらけになるという出来事が発生したのだ。
オクラホマ州で行われるトランプの集会を「空予約しよう」という呼びかけがTikTokで行われた。集会の運営側は100万人以上の予約があったと意気揚々と事前に発表していたのだが、実際には約2万人規模の会場に空席が目立つほどの動員にとどまった。
会場に収容できない人々用にも追加の演説が予定さていたが、当然中止。3カ月ぶりに行われた集会は散々な結果となった。
公平を期すために言えば、トランプ陣営はTikTokによる影響を否定しているし、空予約も適切に排除していると主張している。当時は新型コロナウィルスの感染拡大もいま以上に懸念されていたこともあるし、Kポップファンによるトランプ反対運動が効いたという説もある。
しかしTikTokで空予約の呼びかけが行われて、それがかなり拡散したのは事実である。筆者もその影響は少なくないと考えている。
そしてその3カ月後の9月、意趣返しのように当時大統領であったトランプはTikTokの新規ダウンロード禁止の大統領令を発出した。やはり安全保障上のリスクがあるという理由によるものだ。
結局、TikTok側の異議申し立てを受け、裁判所が大統領令の一時差し止めの判決を下したため、実際には禁止措置は実行されず、その後バイデン政権になり、大統領令そのものが撤回された。』
『「認知戦」と言われる第6の戦争
しかし事ここに至り、再度、全面禁止が取沙汰されている。米中関係の急激な悪化によるものだ。今後「戦争状態」になったら、TikTokを通じて仕掛けられる米国内の混乱に対処するというのはよくわかる話だ。
さらに最近、気になる事件もあった。シリコンバレー銀行破綻に続いた複数の銀行の破綻及び取引停止の連鎖だ。預金者が一気に預金を引き出すことで起こる、いわゆる取り付け騒ぎが破綻のトリガーになったのだが、その原因としてイエレン財務長官も言及したソーシャルメディアでの噂の拡散だ。
例えば、米中が事を構えることになったら、ソーシャルメディアで米国内の金融不安を煽り、火力を用いずして米国社会に破壊的ダメージを与えることも可能だ。
もう少し具体的に言及すると、中国がフェイクニュースを複数作成し、ユーザーデータを用いて各ユーザーの心理に最も響くであろうものを1億人以上の米国民にピンポイントに届け、フェイクニュースを否定するような投稿に関しては届かないように工作するというようなことも想定できる。なんなら、影響力のあるインフルエンサーだけフェイクニュースを仕掛けて、陥れてもいい。
これは各国で真剣に検討されているリスクであり、陸、海、空、情報、宇宙に続く第6の戦場である人間の認知空間を舞台にした「認知戦」と言われるものだ。このようなこれまでの火力以外の争いも含めた現代の戦争をNATOでは「ハイブリッド戦」、中国では「超限戦」と呼んでいる。
つまり、TikTokがどの程度中国政府のコントロール下にあるのかは、国家安全保障の究極である戦争の問題として認識されているのだ。本当に独立している、なんならTikTokが米国政府のコントロール下に入るというところまでやらないと、この問題は解決しないということだ。
もちろん、そのようなことはTikTokも承知していて、用意周到にこのポリティカルリスクに備えていたのだろう。TikTokは米国文化により浸透し、クリエイターとして生計を立てる米国人も増えたので、これを禁止したら、経済に悪影響を与えるという説も言われるようになっていたし、TikTok側はユーザーデータの保護も約束している。
3月23日には周受資(ショウ・ジ・チュウ)CEOが米議会で証言に立ち、TikTokは中国とは既に切り離された米企業であり国家安全保障に悪影響を及ぼさないという主張を行った。
デジタルの技術や文化に明らかに疎い口調でTikTokを追求しようとする米議会議員たちに対し、彼らよりも明らかに20歳から30歳は若く見えるハンサムな周CEOが、5時間にも及ぶ議会公聴会で1人毅然と知的で冷静な返答を行っていく姿は話題になり、TikTokに対するシンパシーや彼自身のファンも生み出した。』
『周CEOは若干40歳。もとから若く見えるアジア系で、スリムということもあり、アメリカでは30代前半、下手したら20代のようにさえ見えるのだろう。
TikTokのメインユーザーはミレニアルやZ世代といった若者であり、公聴会をみていたTikTokユーザーの多くは、ソーシャルメディアに理解を示さず小うるさい話をする頭の固い「老人」たちよりも、自分たちに近くみえるTikTokの若きリーダーに感情移入するものも少なくないであろうことは容易に想像できる。その世代に色濃い、人種差別や外国人差別などマイノリティ差別への反対感情を味方にするという面もあるのだろう。
つまり今後、TikTok側は主に若い世代やユーザーをターゲットにした世論を盛り上げて対抗していくことが想定されているのだろう。周CEOは、たしかに経歴も実績も申し分のないエリートなのだが、立ち振る舞いやルックスなどが世論に与える影響も加味され選ばれたという可能性も高いと筆者は考える。彼がCEOに就任したのは、2021年のことだ。
一方、周氏は全ての質問に対しストレートに答えず、応酬が平行線をたどることも多かったこともあり、結局TikTokと政府の溝は埋まりそうもないという結果になった。筆者の印象としては冷静に真摯に答えているようには見えるが、はっきりと明言しきらなかったことが多いのも事実だ。
この一件で、今後、大統領令ではなく議会で禁止法案が進められるのは確定し、それに対しTikTok側が廃案にするか、骨抜きにするかというロビイングや世論を味方につける活動を行っていくと想像される。』