都市部の民間ビル工事のネックは今や、…。
https://st2019.site/?p=21600
『※都市部の民間ビル工事のネックは今や、電気設備系の下請け施工セクションだという。
深夜1時までの屋内配線作業を、無休で何週間も続けなくてはならない業態だという。
それでは若い社員が定着するわけがない。定年退職者の補充はまったく不可能だという。
だからますます大型ビルの建設スケジュールは、立てられなくなってしまっているところだという。』





日本の防衛費は、主要国と比べてどのくらい?https://www.mod.go.jp/j/press/book…
このような「覇権国の覇権内容の変質の過渡期」に当たって、日本のような「中堅国」の国家戦略としては、どのような戦…
「米国がコストを払ってイランの軍事能力を削いだおかげで、今の交渉の席がある」という強気の主張は、まさに「覇権国…
「米国がリスクを取って道を切り拓いたのだから、その恩恵を受ける同盟国が対価(軍事費や経済協力)を払うのは当然だ…
そういう米国の「決定は米国が独自に行い、その結果生じるコストやリスクの管理は同盟国に分担させる」というパターン…
米国は、過去の事例でも「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」に基づき、米国の安全保障上の利益を最優先に行動し…
都市部の民間ビル工事のネックは今や、…。
https://st2019.site/?p=21600
『※都市部の民間ビル工事のネックは今や、電気設備系の下請け施工セクションだという。
深夜1時までの屋内配線作業を、無休で何週間も続けなくてはならない業態だという。
それでは若い社員が定着するわけがない。定年退職者の補充はまったく不可能だという。
だからますます大型ビルの建設スケジュールは、立てられなくなってしまっているところだという。』
先週ペルシャ湾で米海軍が実験した。
https://st2019.site/?p=21600
『Joseph Trevithick 記者による2023-11-2記事「Switchblade Kamikaze Drone-Armed Uncrewed Fast Boat Tested」。
先週ペルシャ湾で米海軍が実験した。MARTAC社製の無人の双胴滑走艇の後甲板に「箱」を積み、その箱の中から「スイッチブレード300」を斜め後上方へ射出。それを洋上の仮想標的に命中させた。
実験を主催したのは「タスクフォース59」。2021年に、無人機とAIの結合を実験する部隊として、海軍が創設している。
「箱」には「スイッチブレード300」が6機、収まっている。
ボートにはスターリンクのアンテナも設置されている。
もちろん、小型の対水上レーダーや、IRビデオカメラも。
「スイッチブレード300」のレンジは最大10km。滞空は15分可能。
※ロイタリングミュニションのことをシナ語では「巡飛弾」と書く。まめ知識な。
スピードボートは全長38フィート。2基のディーゼル・エンジン搭載。
瞬間最大速度は80ノットに達するが、巡航は25ノットくらいが適当だ。
航続距離は800海里以上。
※このメーカーのスピードボートにはサイズが数種類あり、いずれも、モジュラー式に後甲板の「荷物」をとりかえることにより、親子式に無人ボートのスウォームを放ったり、機雷を点々と敷設させたりすることができるという。スピードボートの怖いのは「揚力」が発生して宙に舞い上がり、木の葉返しとなる転覆事故だが、同社のボートは、そうならぬ対策ができているという。』
中国の最高学府 北京大学の教授が相次いで死去
看中国【日本】ビジョンタイムズ・ジャパン
チャンネル登録者数 6.96万人
https://www.youtube.com/watch?v=wXwjWZDSXQE
※ 元ネタは、これのようだ…。
※ まあ、「看中国」なんで、そういう前提で視ないとな…。
https://yamatoxx00xx.blogspot.com/2023/11/61.html
『2023年11月3日金曜日
中国の李克強前首相は10月27日に突然亡くなったことは周知のことと思います
ところで #李克強が急逝する3週間前に李の母校である
北京大学でも5人の教授が相次いで亡くなりました。
この他にも北京大学で2023年10月26日までに
少なくとも61人の教授が死亡し、そのうちの37人が
中国共産党(以下、中共)党員だったということです。
李克強の追悼に集まった人民と監視する公安系
2023年1月から10月までの北京大学の月別死亡教授数
13人、11人、6人、2人、5人、3人、6人、7人、3人、5人
また #2022年12月の北京大での死亡者は18人とされており
12月から翌年の1月の二か月間で31人が死亡したことになります
主な死亡者
北京大学物理学院元党委員会副書記の鄭涛
中国科学院院士で北京大学の翟中和
53歳
北京大学経済学院教授の唱瑞華
北京大学薬学部生薬学科教授の鄭俊華
北京大学児童青少年衛生研究所の教授
王守辰
北京大学電子学院のエンジニアである施永鑑
中共党員で北京大学法学部教授の魏定仁
看中国などより
大陸での訃報の様子
この様にズラリと死亡者名が並んでいるんですが
最も影響のあったのが李克強の教官も務めた
北京大学哲学・社会科学のベテラン教授であり
李克強の恩師厲以寧も死亡
著名な経済学者の厲以寧です
厲以寧は大陸において株式制度改革を率先して
提唱し、証券市場の構築を推進し、市場メカニズムを
導入したとされています
厲以寧は長らく北京大学で教鞭を執り、中国の
前国家副主席の李源潮、第20回中央委員会の
メンバーである陸昊(りく・こう、更に突然死した
李克強の博士課程の指導教授でもありました
一説では2022年度だけで100人以上の教授らが死亡とされる
こうした経済概念は李克強にも少なからず影響を
与えたと言われています
厲以寧は高齢ですから死亡も不思議ではないんですが
#李尚福国防相更迭 #秦剛が外相を解任され国務委員除名
といった他にも 大陸の頭脳も相当数が死亡しているという
のが興味深いですね
海南島クライシス: 中共のビッグプロジェクトに広がる暗雲 – 秋草二郎 』
防衛研究所 National Institute for Defense Studies


『エグゼクティブ•サマリー
・ フーシー派は8月頃からサウディアラビアとの和平交渉を再開したとみられる。9月中旬にはフー
シー派交渉団が内戦後初となるリヤド入りを果たし、外国軍の撤退を含む包括的な政治問題の解決
に関する交渉を行った。
他方で同派はマアリブ県への増派や軍事演習、ドローンによる越境攻撃な
どの軍事的威圧を強めた。9月21日の軍事パレードでは新型ミサイルの披露に加え、F-5戦闘機と
みられる航空機がサナア上空を飛行した。停戦合意以前と比べれば情勢は小康状態にあるものの、
前四半期から軍事的にはエスカレーションの方向へ向かったと考えられる。
• アリーミー政権派は大統領の就任後初となるマフラ県訪問など、前四半期同様に東部地域を重視す
る姿勢を示した。
同じ東部地域であるハドラマウト県はアリーミー政権派と南部移行会議の勢力圏
に二分されており、アリーミー政権派としてはマフラ県の支配を維持する狙いがあるとみられる。
• 南部移行会議はアリーミー政権派との抗争に加え、アブヤン県において「アラビア半島のカーイダ
(AQAP)Jなどに対する対テロ作戦で成果を挙げた。
また最高指導者ズバイディーは、フーシー派
との交渉において南部独立を最優先事項とすると述べた。
♦ 7月29日にイエメン諸県の人民抵抗評議会は、統一的な意思決定機構として「最高人民抵抗評議
会」の設立を発表した。
議長にはタイズ県の人民抵抗運動を指揮し、イスラー八支持者でカタルか
ら支援を受けているとみられるハンムード・ミフラーフィーが就任した。
(注1)本稿のデータカットオフ日は2023年9月30日であり、以後に情勢が急変する可能性がある。
(注2)フーシー派は自身がイエメン国家を代表するとの立場をとるため、国家と同等の組織名や役職
名を用いている。本稿では便宜的にこれらを直訳するが、これは同派を政府とみなすものではない。
-1-
NIDSコメンタリー第281号
【図1:イエメン内戦におけるアクターの関係】
【外部アクター】 | 【国内アクター】
(注1)大統領指導評議会の中で、サウディアラビアの代理勢力と評される組織を(♦)、UAEの代理
勢力と評される組織を(◊)とした。
(注2)代表的なアクターを記載した図であり、全てのアクターを示したわけではない。
(出所)筆者作成
フーシー派:和平交渉の再開と軍事的エスカレーションの意味
足元のイエメン内戦最大のテーマであるフーシー派とサウディアラビアの和平交渉(政局)では、9
月中旬に明らかな進展が見られた。
4月のサウディアラビア代表団によるサナア訪問以降、7月頃まで
交渉は表面上停滞していた。
しかし要人間の接触は続いていたとみられ、6月下旬にはフーシー派交渉
団の代表ムハンマド・アブドウッサラーム(Muhammad’Abd al-Salam)らがメッカへの巡礼を行った。
この際にフーシー派要人はサウディアラビア国防大臣ハーリド・ビン・サルマーン(Khalidbin
Salman)と会談を行ったとされる。
また8月17日にはオマーン代表団がサナアを訪問し、大統領マフ
ディー ・マシャート(Mahdi al-Mashat)と会談した】。
こうした調整の後、9月に急速に政局は変動していった。
9月10日にフーシー派要人の発言として、
サウディアラビアが同派に対して議論継続のために訪問団編成を要請していると報道された2。
フーシー
派側は同国が真剣であれば応じるとの姿勢を示し、同月14日にはマスカットを拠点とするフーシー派
代表団とオマーン代表団のサナア入りが報じられた。
代表団はマシャートと会談後リヤドへ向かい、人
道問題と外国軍の撤退を含む包括的な政治問題の解決へ向けた交渉を行うことが明らかにされた[図2
参照]。
フーシー派がリヤドへ赴いたのは内戦後初めてであり、詳細は明かされなかったものの、サウ
ディアラビア外務省は前向きな成果を歓迎する声明を発表した3。
-2 –
NIDSコメンタリー第281号
フーシー派の交渉への積極的な対応は、驚くべきものであった。
足元の内戦の状況を合理的に整理す
れば、7月までの停滞が示すように、同派が交渉に応じる要因は然程強くないとみられてきたためであ
る。
第一に、フーシー派が「戦争でも平和でもない」状態下で事実上の国家運営を継続できていること
が挙げられる。
同派が首都サナアを含む旧北イエメン地域の大部分を支配する中、大統領指導評議会傘
下の諸組織は内部抗争を展開している。
第二に時期的な要因として、本四半期は9月21日革命記念日
など政治的に重要な記念日が多数存在することが挙げられる。
保守的な言説を強調する期間に、サウデ
イアラビアへの譲歩とも捉えられかねない交渉に応じることは、強硬派の反発を招くリスクがある。
これらの点に鑑みると、フーシー派が交渉を急く、、必要はないといえる。
政局ではディエスカレーションが見られた一方、フーシー派はマアリブ県前線での軍事活動を活発化
させた。
同県では7月1日から2日にかけて軍高官による前線巡閲が行われたほ力、、7月10日(第三軍
管区実施)と8月6日(中央軍管区実施)に軍事演習が行われた。
フーシー派は北部におけるアリーミ
一政権派最後の碧ともいえるマアリブ県への増派を進めており、3万名規模の戦闘員が集結したとみら
れる七
スイート原油の産出地である同県に対してフーシー派は2021年に攻勢をかけ、一時は県都マア
リブ市の陥落まで囁かれていた。
この攻勢は有志連合軍の空爆や西海岸地域前線の活発化、2021年12
月のシャブワ県でのフーシー派の敗北などによって弱まった背景がある5。
このほかに9月下旬にフーシ
一派はサウディアラビア南部の国境地帯でドローン越境攻撃を実施し、同地に駐留するバハレーン軍4
名が死亡した6。
本四半期にフーシー派は新兵器の公開も行い、支配地域内の住民に対する自軍の成果を主張しつつ、
反フーシー派側諸勢力に対する軍事的威圧を強めた。
2014年のフーシー派によるサナア掌握を祝う「9
月21日革命」は同派にとって最重要の行事であり、昨年は海軍新兵器の公開を含む盛大な軍事パレー
ドが行われた7。
今年はパイロットとみられる要員の一団が行進に参加したほ力、、F-5とみられる戦闘機8
がサナア上空を飛行し、内外の注目を集めた[図2参照]。
内戦初期に有志連合軍は旧イエメン軍の戦
闘機を最優先の破壊対象とし、以降フーシー派が戦闘機を用いたことはなかった。
そのため今回の戦闘
機の披露は、8年以上の戦争におけるフーシー派の強靭性を象徴的に知らしめることになったといえる。
総論として、本四半期は停戦合意以前と比べれば情勢は小康状態にあるものの、前四半期からは軍
事的にエスカレーションの方向へ向かったと考えられる。
それではなぜフーシー派はリヤドへの代表団派遣などの政治的ディエスカレーションと、増派や越境
攻撃などの軍事的エスカレーションという一見すると矛盾した行動を示したのであろうカ、。
フーシー派
が交渉に消極的であるという見方に立てば、強硬的な姿勢が本意であり、代表団派遣はあくまで交渉継
続のための対応に過ぎないと解釈できる。
またこれまでのフーシー派の行動様式に鑑みれば、軍事的手
段を用いて政治的譲歩を迫る強要とも解釈できる。
他方で本稿ではフーシー派の「内政」の観点から、
同派が交渉に応じる動機を考えてみたい。
ここで重要となるのが、サウディアラビアとの交渉テーマで
-3 –
NIDSコメンタリー第281号
もある自派公務員に対する給与支払い(経済問題)と、政治的安定性の追求である。
イエメンではフー
シー派や大統領指導評議会傘下の各組織の支配地域でも、自組織の兵士等への給与未払いが慢性化して
いる。
フーシー派支配地域では本四半期に教職員組合による給与要求が行われ、与党「国民全体会議」
のメンバーも政府を非難する珍しい状況が見られた%政府の汚職や行政能力の問題は、フーシー派が前
政権を非難し自身のクーデターを正当化する方便であるだけに、統治の正統性にかかる重要な問題である。
またこうした問題は有志連合軍との戦争によって棚上げされてきた側面があるものの、「戦争でも
平和でもない」状態が長引く中で民衆の不満が表面化していると考えられる。
フーシー派は9月27日
に大統領や最高政治評議会メンバー、国防大臣などで構成される国防評議会の緊急会合を実施し、内閣
解散を決定するなどの行政改革の姿勢を打ち出している1°。
このような文脈を整理すると、フーシー派
としては給与支払いの問題の突破口となり得る交渉を進めるか、あるいはそうした姿勢によって民衆の
不満を緩和する狙いがあると考えられる。
軍事的エスカレーションについては、サウディアラビアとの交渉に否定的な強硬派の不満を緩和し、
かつ軍の高い能力を対内的に誇示したい思惑があると考えられる。
オタワ大学のトマス•ジュノー
(Thomas Juneau)が指摘するように、有志連合軍との戦争に事実上の勝利を収める中、フーシー派が交
渉で譲歩するインセンティブはほとんどなく、同派内部では強硬派が台頭しているとみられるI】。
また
サナア戦略学研究所のマイサー ・シュジャーアッディーン(Mays2’Shuja’al-Din)が指摘するように、
フーシー派は戦争を通して勢力を拡大してきた組織であり、平和それ自体が自身の生存や正統性を脅か
すものである山。
すなわち、同派は自身の統治を正統化するために絶えず軍事•治安的脅威を主張し、
それに自派の軍•治安組織が能力を高めて対抗しているという言説を展開する必要がある。
以上の点か
ら、給与支払いなどの経済問題と強硬派への配慮や統治の正統性などの政治問題が交錯する中、政治的
ディエスカレーションと軍事的エスカレーションが起きた可能性がある。
交渉の行方を見通すことは難しい。しかしこれまで交渉の障壁として①フーシー派側公務員に対する
給与支払いと、②内戦に対するサウディアラビアの地位が指摘されてきた。
①については、フーシー派
は従来給与原資に大統領指導評議会側の石油•天然ガス収入を充てることを要求してきたが、もはや重
要な論点ではなくなっている可能性も指摘されている丸
②については、地域大国としての威信を保持
したいサウディアラビアがイエメン内戦からの撤退にあたり、自国を仲介国と位置付けようとしている
のに対して、フーシー派は同国を侵略者であるとの立場を示してきた。
公的にはフーシー派はサウディ
アラビアを侵略国とみなす立場を変えていないものの、今回のリヤド訪問自体が同派のサウディアラビ
ァへの認識の変化を示している可能性がある。
2022年3月にリヤドで開催され、大統領指導評議会発足
の契機となった「イエメン・イエメン対話」にはフーシー派も招待されていたが、同派は侵略国での開
催に反対するという理由で出席しなかった14。
すなわち、従来侵略国とみなし赴くことを拒否していた
-4 –
NIDSコメンタリー第281号
リヤドへ向かうこと自体が、サウディアラビアが求める仲介国としての地位を暗黙裡に認めている可能
性がある。
【図2 :本四半期の1枚(リヤド協議と9月21日革命記念軍事パレード)】
(出所)Associated Press15, al-riam al-Harbi16 より引用
アリーミー政権派:大統領のマフフ県訪問
大統領ラシャード・アリーミー(Rashad al-cAliml)は6月下旬のハドラマウト県訪問に続き、8月16
日にマフラ県を訪問し、東部での勢力維持を図った。
翌17日にアリーミーはマフラ県の有力者との会
合にて、同県は「これまで同様にもはや除外されておらず、フーシー派に対する闘争や発展のための中
心地となった」と発言したり。さらにアリーミーは同県においてサウディアラビアの支援で進められて
いる「キング・サルマーン医療•教育都市計画」を視察し、同県の開発を重視する姿勢を打ち出した。
アリーミーのハドラマウト県およびマフラ県への訪問は、大統領就任後初めてである。
こうした東部地域への注力の背景には、南部移行会議との競争激化が考えられる。
南部移行会議はハ
ドラマウト県の支配拡大を目指し、第1軍管区駐留部隊の交代要求や同県出身の副大統領ファラジュ•
バフサニー (Faraj al-Bahsam)の取り込みを行ってきた。これに対してサウディアラビアは「ハドラマ
ウト国民会議(Majlis Hadramawt al-Watani) Jの設立を後押しし、南部移行会議に対抗し得る政治勢力の
結集を試みた。
ハドラマウト県ではムカッラーを中心とする南部移行会議系武装組織「ハドラミー精鋭
隊(QUwat al-Nukhba al-Hadramiya)」の勢力圏にある南部と、サイウーンを中心とするアリーミー政権派
の勢力圏にある北部の対立が激化してきた吃 こうした状況で、アリーミー政権派としてはマフラ県へ
の南部移行会議の影響力浸透を食い止めたい意向があるとみられる。
-5 –
NIDSコメンタリー第281号
フーシー派代表団がリヤド入りする中、アリーミーはリヤドを経由してニューヨークで開催された国
連総会に出席した。
総会中にアリーミーは米国務長官アンソニー ・ブリンケン(Anthony Blinken)らと
会合を行ったほか、フーシー派を糾弾する演説を行った。
また今次の外遊には、副大統領で南部移行会
議の最高指導者アイダルース・ズバイディー (“Aydarus Qasim al-Zubaydi)も参加し、UAE外務大臣と
の会合を実施した%
南部移行会議:対テロ作戦の継続とズバイディーの独立発言
南部移行会議はアリーミー政権派との抗争に加え、南部において「アラビア半島のカーイダ
(AQAP)J等に対する対テロ作戦を継続した。
8月13日に南部移行会議系の合同部隊は、AQAPが支
配するアブヤン県のヒジュラ基地を制圧し、その後同県のワーディー•ジュナンー帯の掃討完了を発表
した20〇
AQAPやそのフロント組織とされる「アンサール・シャリーア」はイエメン内戦において主要
な勢力ではないものの、2011年に一時期アブヤン県の県都ズインジバールを支配下に置くなど、南部で
は一定程度の存在感を有している。
南部移行会議系部隊「治安ベルト」は、ラヘジュ県でフーシー派支配地域へ向かうドローン用エンジ
ンの密輸を阻止したと発表した21。
イラン・サウディアラビア国交正常化合意に際して、イランはフー
シー派への兵器供与停止を約したとみられているが、現地報道やサナア戦略学研究所の月次レポートな
どでは、イランからの兵器密輸が徐々に指摘され始めている。
南部独立に関連した活動では、前述の国連総会期間中にズバイディーはコソボ大統領22や南スーダン
外務大臣などとの会談を行った23。
また9月23日にズバイディーはAP通信のインタビューで、フーシ
一派との交渉では南部独立が最優先事項であると述べた24。
南部移行会議は前述の2021年頃のマアリブ
県陥落の危機に際し、フーシー派との交渉の用意がある旨を表明したことがある25。
南部移行会議がフ
ーシー派を交渉可能な対象と認めているのに対し、フーシー派はイエメン国家を継承したという立場か
ら、南部移行会議を「分離主義者(infisaliyUn)」とみなし批判してきた。
勿論、実際にフーシー派が自
身の主張通りに南北全土で支配を確立することは不可能とみられるものの、同派が言説として用いてき
たイエメン•ナショナリズムを捨てることも難しいと考えられる。
同派は「イマーム制復古主義者」や
「イランの手先」、あるいは「サアダ県運動」といった批判を避けるためにナショナリズムを用いてき
た側面があるためである。
南部移行会議が「事実上の独立(de facto)」ではなく「法的な独立(de
jure)Jを求めたとしても、フーシー派を含めその他主要勢力が容易に応じるとは考えにくい。
-6 –
NIDSコメンタリー第281号
国民抵抗軍:タイズ県南方での軍事活動と地元部族の抵抗
国民抵抗軍はタイズ県南部などで軍事活動を行った。
7月下旬に同組織は旅団設立を目的としてタイ
ズ県南西部アルディーへ部隊を派遣し、同地に駐屯する巨人旅団第17旅団及びスバイハ族との緊張が
高まった26。
第17旅団司令官マージド・スバイヒー(Majid “Umar al-Subayhl,スバイハ族)は国民抵抗
軍に72時間以内の撤退を求め、国民抵抗軍の部隊はモカに撤退したとみられる27。
アルディーを含むバ
ーブ•マンデブ地域はその地理的重要性を背景として、諸組織が影響力拡大を試みてきた28。また9月
上旬にもタイズ県南西部ワーズイイーヤで国民抵抗軍と地元部族の衝突が発生した2%この衝突が報じ
られる数日前に、国民抵抗軍公式サイト『12月2日通信社』は同組織がワーズイイーヤの初等学校へ通
学鞄を寄付したと報じており、硬軟織り交ぜた姿勢で支配拡大を試みている様子が窺われる弗。
マアリブ県の緊迫の高まりを受け、国民抵抗軍も同県で活動を展開した。
同組織は前四半期に引き続
き7月にマアリブ県に食料物資を供給したほか、9月には通学鞄の寄付も行った31。
また8月下旬から国
民抵抗軍公式報道官、兼同組織軍事顧問サーディク•ドウワイド(Sadiq Duwayd,准将)がマアリブ県
入りし、副大統領スルターン・アラーダ(Sultanal-cArada)や現地諸部族長との会談を行った32。
8月28
日にドウワイドは第?軍管区崇泉下の第?2歩兵旅団司令部およびマアリブ県シルワーフ前線を巡閲し、
国民抵抗軍の標的はフーシー派のみであることを強調した33。
その他:最高人民抵抗評議会の設立
イエメン諸県の人民抵抗評議会(人民抵抗運動)は、マアリブ県での諮問会合を経て、7月29日に統
一的な意思決定機構として「最高人民抵抗評議会」の設立を発表した’七最高人民抵抗評議会議長に
は、内戦初期からタイズ県の人民抵抗運動を指揮してきたハンムード・ミフラーフィー (Hammud SacTd
al-MikhlafT)が指名された。
その他に計5名が副議長に選出され、これら幹部人事を見ると、南北を問
わず多様な地域の有力者で構成されていることが分かる[表1参照]。
人民抵抗運動の起源は、前述した2014年9月21日のフーシー派によるサナア掌握に遡る。
フーシー
派と元大統領アリー ・アブドウツラー ・サーレハ(4A1T cAbd Allah Salih)の連合勢力に反発する形で、
各県において人民抵抗評議会の設立が見られた。
人民抵抗評議会は国軍•内務省傘下治安部隊が十分に
機能しない中、タイズ県などで初期の反フーシー派闘争に重要な役割を果たした。
2015年7月には当時
の大統領アブドウラツブ・ハーディー (cAbd Rabbuh Mansur Hadi)が人民抵抗運動の戦闘員を国軍・治
安部隊に吸収する大統領令を発出した35。
-7 –
NIDSコメンタリー第281号
最高人民抵抗評議会の設立に際して、副議長アブドウルハミード・アーミル(^Abd al-Hamid
Muhammad 4Amir)は、同組織が「フーシー派を除くいかなる勢力と対立するために創設されたのでは
ない」と述べた36。
この発言の意図については、同組織は基本的な政治姿勢として、反フーシー派と大
統領指導評議会等の内紛への中立を表面上打ち出したと考えられる。しかしミフラーフィーがイスラー
ハ支持者とみられることや、他の幹部の経歴も相まって、最高人民抵抗評議会を同胞団系とみなす向き
もある。
国外のアクターへの認識についても、ミフラーフィーはカタルからの支援を受けているとみら
れ、カタル危機の最中であった2018年にはサウディアラビア批判を行ったことがある37。
また副議長ム
ハンマド・ワラク(Muhammad Ahmad Waraq)はUAE批判を行ったことがあることからも、サウディア
ラビアやUAEにとって必ずしも都合の良い反フーシー派勢力とはいえない可能性がある38。
主要勢力と
の規模の差や、ミフラーフィーがトルコやオマーンを拠点としていることに鑑みて、最高人民抵抗評議
会がイエメン内戦に直ちに大きな影響を与えるとは考えにくいものの、新たな全国規模の政治勢力の出
現は注目に値するといえよう。
【表1最高人民抵抗評議会の幹部】
人名 役職 経歴
ハンムード・サイード・ ミフラーフィー 二¥巨 日我長 タイズ県人民抵抗運動指導者 元政治治安局(PSO)将校
アブドウルハミード・ムハンマド・ 副議長 戦略学民族センター所長
アーミル (抵抗情勢) 元ジャウフ県イスラー八事務局長
ムハンマド・アフマド・ヮラク 副議長 (人道•権利) 国会議員(ホディダ県選出) ティハーマ国民評議会議長
アブドウツラキーブ・スバイヒー (‘Abd al-Raqib al-Subayhi) 副議長 (メディア) 元ラヘジュ県トウール・バー八地区長
ラムズイー ・マフルース (Ramzi Mahrus) 副議長 (サービス・物資) 元ソコトラ県知事
シャウキー ・ムハンマド・ サンノ、ーニー (ShawqT Muhammad al-Sanham) 副議長 (政治・渉外) 元アムラーン県イスラー八書記
(出所)諸資料を基に筆者作成
-8 –
NIDSコメンタリー第281号
「イエメン情勢クオータリー」の趣旨とバックナンバー
アラビア半島南端に位置するイエメンでは、2015年3月からサウディアラビア主導の有志連合軍や有
志連合軍が支援する国際承認政府と、武装組織「フーシー派」の武力紛争が続いてきた。イエメンは紅
海・アデン湾の要衝バーブ・マンデブ海峡と接しており、海洋安全保障上の重要性を有している。しか
しなカヾら、イエメン内戦は「忘れられた内戦」と形容され、とりわけ日本語での情勢分析は不足してい
る。そのため本「イエメン情勢クオータリー」シリーズを通して、イエメン情勢に関する定期的な情報
発信を試みる。
・ ノヾツクナンノヾー
吉田智聡「8年目を迎えるイエメン内戦一リヤド合意と連合抵抗軍台頭の内戦への影響ー」『NIDSコメンタリー』第209号、
防衛研究所(2022年3月15日).
—-「イエメン情勢クオータリー(2023年1月〜3月)ーイラン・サウディアラビア国交正常化合意の焦点としてのイエ
メン内戦? ー」『NIDSコメンタリー』第258号、防衛研究所(2023年4月20日).
—-「イエメン情勢クオータリー(2023年4月〜6月)ー南部分離主義勢力の憤懣と「南部国民憲章」の採択ー」『NIDS
コメンタリー』第266号、防衛研究所(2023年7月18日).
1″Wusul Ra’is al-Wafd al-WatanT bi Rifqa al-Wafd al-cUmanT ila San’a’,” Wikala al-Anba’al-Yamamya, August 17, 2023,
https://www.saba.ye/ar/news3258486.htm.
2 “QiyadT HuthT Yaqul inna al-Su’udTya Talabat min al-Jama’a Tashkfl Wafid li Ziyara-ha li Muwasala Niqashat al-Tarafayn bi Sha’n Inha’
al-Harb/’ al-Masdar, September 10, 2023, https://almasdaronline.com/articles/280741.
3 Wizara al-KharijTya, Twitter Post, September 20, 2023, 09:38 AM, https://x.com/KSAMOFA/status/l704293833146507334?s=20.
4 “Saudi-UAE Spat Comes to a Head in Hadramawt,” In: Murad Al-Arefi, Ryan Bailey, William Clough, Casey Coombs, Andrew
Hammond, Khadiga Hashem, Yazeed Al-Jeddawy, Elham Omar, Ghaidaa Al-Rashidy, Miriam Saleh, Lara Uhlenhaut, Ned Whalley, and the
Sana’a Center Economic Unit, The Yemen Revie-w June-July 2023, Sana’a Center for Strategic Studies, August 15, 2023, p. 7.
5有志連合軍の空爆については、以下が詳しい。
吉田智聡「有志連合軍によるイエメン空爆の再拡大と対象地域の変化」『中東研究』第541号、2021年、80-94頁。
6初報時に2名の死亡が報告され、その後4名まで被害が拡大した。
Mahmoud Mohamed Barakat, “Bahrain says 4th army officer dies from Yemen rebel drone attack,Anadolu Agency, September 30, 2023,
https://www.aa.com.tr/en/middle-east/bahrain-says-4th-army-officer-dies-from-yemen-rebel-drone-attack/3004325.; “Maqtal “AskarTyayn
Bahraymyayn Hujum HuthT “ala al-Mintaqa al-Hududlya al-JanubTya li al-Su’tldiya,” France 24, September 26, 2023,
https://www.france24.com/ar/%D8%A7%D9%84%D8%B4%D8%B1%D9%82-%D8%A7%D9%84%D8%A3%D9%88%D8%B3%D8%B7/
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7 2022年に見られたフーシー派の海軍増強については、以下が詳しい。
吉田智聡「イエメン・フーシー派の海上戦力とその発展一国家性の追求手段としての海上戦力ー」『海幹校戦略研究』第13巻
第1号、2023 年、39-56 頁。
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NIDSコメンタリー第281号
8戦闘機の種類の推定にあたり、清岡克吉先生(防衛研究所研究員)からのご指導を賜った。清岡先生に対して、拝謝の意を
表する。
9 “UN, US Continue Shuttle Diplomacy,55 In: Murad AlArefi, Ryan Bailey, William Clough, Casey Coombs, Yasmeen Al-Eryani, Magnus
Fitz, Andrew Hammond, Abdulghani Al-Iryani, Khadiga Hashem, Yazeed Al-Jeddawy, Maged Al-Madhaji, Elham Omar, Ghaidaa Al-
Rashidy, Miriam Saleh, Maysaa Shiya Al-Deen, Lara Uhlenhaut, Ned Whalley, and the Sana’a Center Economic Unit, The Yemen Review
August 2023, Sana’a Center for Strategic Studies, September 14, 2023, p.11.
10 “Bayan Hamm li Majlis al-Difac al-Watam li al-Jumhuriya al-Yamaniya,” Wikala al-Anba’al-Yamantya. September 27, 2023,
https://www.saba.ye/ar/news326788 l.htm.
11 Thomas Juneau, “How Iran Perceives the Houthi-Saudi Talks,” In: Maged al-Madhaji, Maysaa Shiya al-Deen, Hussam Radman,
Abdulghani al-Iryani, and Thomas Juneau, Houthis Make Ojficial Visit to Riyadh for Talks with Saudi Arabia. Sana’a Center for Strategic
Studies, September 18, 2023, p. 9.
12 Maysaa Shuja El-Deen, “What Will Peace Do to the Houthis?,” In: Maged al-Madhaji, Maysaa Shuja al-Deen, Hussam Radman,
Abdulghani al-Iryani, and Thomas Juneau, Houthis Make Official Visit to Riyadh for Talks with Saudi Arabia. Sana’a Center for Strategic
Studies, September 18, 2023, p. 5.
13 Majed al-Madhaji, “Saudi-Houthi Negotiations CarryOpportunities and Risks,” In: Maged al-Madhaji, Maysaa Shuja al-Deen, Hussam
Radman, Abdulghani al-Iryani, and Thomas Juneau, Houthis Make Ojficial Visit to Riyadh for Talks with Saudi Arabia. Sana’a Center for
Strategic Studies, September 18, 2023, p. 4.
14 “al-HuthTyun fT al-Yaman Yarfidun al-Musharaka fi Hiwar fT al-Su’udiya,” France 24. March 17, 2022,
https://www.france24.com/ar/%D8%A7%D9%84%D8%A3%D8%AE%D8%A8%D8%A7%D8%B1%D8%A7%D9%84%D9%85%D8%B3
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D9%8A-%D8%A7%D9%84%D8%B3%D8%B9%D9%88%D8%AF%D9%8A%D8%A9.
15 “Saudi Arabia Praises “Positive Results’ after Yemen’s Houthi Rebels Visit Kingdom for Peace Talks,” Associated Press. September 21,
2023, https://apnews.com/article/saudi-arabia-yemen-war-peace-talks-d2a9ad9efelab0b4f5d51597098f46a2.
16 “al-Mashahid al-Kamila li al-“Ard al-“Askari al-Muhlb li al-Jaysh al-Yamanl wa al-Quwat al-Musallaha bi Munasaba al-“Id al-Tasi” li
Thawra al-HadT wa al-“lshrln min Sibtambir,” al-riam al-Harbi. September 23, 2023, https://www.mmy.ye/298784/.
17 “”Ra’Ts Majlis al-Qiyada Yushayyid bi Dawr Abna’ al-Mahra fi Ma”rakatay Isti”ada Mu’assasat al-Dawla wa al-Tanmiya,” Wikala al-Anba’
al-Yamaniya. August 17, 2023, https://www.sabanew.net/story/ar/100408.
18 Elenora Ardemagni, “”Changing Dynamics Reshape Power Networks in Yemen’s “Two Hadramawts’,” Middle East Institute. July 24,
2023, https://www.mei.edu/publications/changing-dynamics-reshape-power-networks-yemens-two-hadramawts.
19 “”al-Ra’Ts al-ZubaydT YaltaqT WazTr al-Kharijlya al-ImaratT,” Dir’ al-Janub. September 20, 2023, https://deraalganoob.com/archives/29151.
20 “”Siham al-Sharq.. MudTr Amn Abyan Yu”lin Istikmal TathTr Wadi al-Junan wa Kaffa al-Manatiq al-Muhit bi-hi,” Dir( al-Janub. August
23, 2023, https://deraalganoob.com/archives/28153.
21″”Quwat al-Hizam al-Amm Taqul inna-ha Ahbatat “AmalTya Tahnb li Muharrakat Ta’irat Musayyara Lahj Kanat fT Tanq-ha li MilTshiyat
al-Huthl,” al-Masdar. September 18, 2023, https://almasdaronline.com/articles/281249.
22 “”al-Ra’Ts al-ZubaydT Ya”qid Jalasa Mubahathat ma” Ra’Tsa JumhurTya Kusufu,” Dir’ al-Janub. September 20, 2023,
https:// deraalganoob. com/archives/29147.
23 “”al-Ra’Ts al-ZubaydT Yastaqbil WazTr al-KharijTya Janub al-Sudan,” Dir(al-Janub. September 22, 2023,
https: // deraal ganoob.com/archive s/29225.
24 “”Yemen’s Southern Leader Renews Calls for Separate State at UN,” Associated Press. September 23, 2023,
https://apnews.com/article/yemen-united-nations-southern-transitional-council-09552d6cd5a34a45c6daef73815f6205.
25 Dakshinie Gunaratne, Debi Dash, Marie-Louise Tougas, and Wolf-Christian Paes, Final Report of the Panel of Experts on Yemen. United
Nations Security Council, January 26, 2021,p. 63.
26 “”Tawattur fT Bab al-Mandab: Wiqfa QiblTya Munawi’a wa Ukhra Mu’yyida li Taharrukat Quwat Tariq Salih “ala al-Shant al-SahilT,” al-
Masdar. July 30, 2023, https://almasdaronline.com/articles/278406.
27 “”Tariq Salih Yansahib min Bab al-Mandab ila al-Makha ba”d Mushaddat ma” Qaba’il al-Subayha,” al-Watan. August 1,2023,
https://www.al-wattan.net/news/229047.
28国民抵抗軍の西海岸地域支配の態様については、以下を参照した。
吉田智聡「12月2日革命の失敗とイエメン国民抵抗軍の伸張ー柔靭な生存戦略下での西海岸地域支配ー」『中東研究』第548
号、2023 年、94-104 頁。
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NIDSコメンタリー第281号
29 “Tas’id ‘Askari bayn Tariq Salih wa Qaba5il al-WazicTya fT Ta°izz,” Ta ‘izz al-Yawm, September 10, 2023,
https://taiztoday.net/2023/09/10/%D8%AA%D8%B5%D8%B9%D9%8A%D8%AF-%D8%B9%D8%B3%D9%83%D8%B1%D9%8A-%D8
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D8%A7%D8%A6%D9%84-%D8%A7%D9%84%D9%88%D8%A7%D8%B2/.
30 “Insaniya al-Muqawama al-Wataniya Tuwazzi’ al-Haqlba al-Madrasiya fT al- WaziTya,55 Wikala al-Thani min Disambir, September 7,
2023, https://2dec.net/news62627.html.
31″Insamya al-Muqawama Tuwasil TaqdTm al-Musacadat al-Ghadha?Tya fT Ma’rib,” Wikala al-Thani min Disambir. July 31,2023,
https: //2dec. net/ne ws6193 l.html.
32 “Shaddad cala Raf al-Jahiziya: al-‘Arada Yastaqbil Ra’is Hay’a al-Arkan wa Mustashar Qa’id al-Muqawama al-Wataniya,5, Wikala al-
Thani min Disambir, September 3, 2023, https://2dec.net/news62535.html.
33 “Min al-Khutut al-Amamiya fl Jabha Sirwah.. Natiq al-Muqawama al-Wataniya al-cAmid Duwayd: Lan Natanazal °an Jumhuriya-na wa
Lan Tahkum-na Khurafa al-Wilaya Ma Dumna Ahya5,55 Wikala al-Thani min Disambir. August 28, 2023, https://2dec.net/news62397.html.
34 “Majalis al-Muqawama al-Sha°biya fT al-Muhafazat al-Yamaniya Tu’lin Tawahhud-ha taht Mizalla al-Majlis al-Acla li al-Muqawama al-
Sha’bTya,55 al-Masdar. July 29, 2023, https://almasdaronline.com/articles/278347.
35 “al-Sultat al-Yamaniya Tuqirr Damm al-Muqawama al-Sha°biya ila Wahdat al-Jaysh wa al-Amn,” Shinkhuwa, July 28, 2015,
http: // arabic. news. cn/2015-07/29/c_l 34456551.htm.
36 “Na’ib Ra’is al-Majlis al-Acla li al-Muqawama: Hadaf-na al-Milishiyat al-Huthiya Faqat wa Lays Laday-na Khusuma ma° Ahad/5 al-Harf
28, August 5, 2023, https://alharf28.com/p-89688.
37 “Sheikh Hammoud Saeed al-Mekhlafi Accuses Arab Coalition of Closing Ports in the Faces of Taiz Wounded,55 al-Masdar (English),
September 30, 2018, https://almasdaronline.com/articles/158909.
38 “al-N£ib al-Yamam “Muhammad Waraq” fT Hiwar mac “Yaman Shabab Net”: al-Imarat Tunaffidh Mukhattat DuwalT KhabTth fT al-
Sawahil wa al-Juzur al-Yamaniya li Maslaha Israel wa Buntaniya,55 Yaman Shabab Net. June 24, 2021,
https://yemenshabab. net/ interviews/67290.
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NIDS
Tokyo Japan
防衛研究所 National Institute for Defense Studies
NIDSコメンタリー
第281号 2023年10月19日
PROFILE
吉田智聡
理論研究部社会•経済研究室 研究員
専門分野:中東地域研究(湾岸諸国およびイエメンの国際関係•安全保障)、イエメン内戦
本欄における見解は、防衛研究所を代表するものではありません。
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防衛研究所企画部企画調整課
直通:03-3260-3011
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イスラエル首相支持急落 急襲に責任論、人質救出が課題
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR30CD00Q3A031C2000000/
『2023年11月2日 16:32 (2023年11月2日 21:27更新)
【カイロ=久門武史】イスラエルのネタニヤフ首相が有権者の支持を失っている。イスラム組織ハマスの奇襲を許した責任を問う声が強い。パレスチナ自治区ガザへの攻撃で挽回を狙うが、人質解放を優先すべきだとの世論は無視できない。地上侵攻と明言せずに攻勢を強めており、その成否は進退に直結する。
シンクタンクのイスラエル民主主義研究所が10月23日発表した世論調査によると、ユダヤ人の市民で政府を信頼すると答えた…
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『シンクタンクのイスラエル民主主義研究所が10月23日発表した世論調査によると、ユダヤ人の市民で政府を信頼すると答えたのは20%強にとどまった。6月の調査の28%から急低下し、過去20年間で最低になった。
イスラエルは先月7日にハマスの大規模な越境攻撃を受け1400人以上が死亡した。防げなかったネタニヤフ氏はハマスの壊滅を掲げ求心力の回復を狙うが、人質救出を願う国内世論を意識せざるを得ない。28日に「戦争の第2段階」に入ったとしつつ、準備してきた地上侵攻だとは明言しなかった一因だ。
同国紙マーリブが27日発表した世論調査では、軍が大規模な地上攻撃に乗り出すべきだとの回答は29%にとどまり、49%は待った方が良いと答えた。19日の調査では65%が大規模地上攻撃を支持していた。人質200人以上がガザに拘束されており、救出と本格的なガザ攻撃をどう両立するかが問われている。
ネタニヤフ氏は奇襲を許した責任の所在を明確にしておらず、これも不信を呼んでいる。同国メディアによると28日夜「私にはハマスが戦争をしかけるという警告は届いていなかった」とX(旧ツイッター)に投稿し治安機関を批判した。
戦時内閣のガンツ元国防相が「指導者は責任を示す必要がある」とたしなめると、投稿を削除し「間違っていた」と謝罪に追い込まれた。
経済界も厳しい目を向ける。自動車向け半導体を手がけるモービルアイのシャシュア最高経営責任者(CEO)は29日、同国紙カルカリストへの寄稿で、ネタニヤフ氏の失態を指摘し「迅速に損切りをしなければならない」と即時退陣を求めた。
奇襲を受けた国では指導者の支持率が上昇する例が多い。米調査会社ギャラップの世論調査によると、当時のブッシュ米大統領(第43代)の支持率は2001年9月11日の米同時テロの後、最高で90%にまで急騰した。それまでは51%だったが「テロとの戦い」で米国が結束した結果だ。
ロシアによるウクライナ侵攻後も同国のゼレンスキー大統領は高い支持率を維持している。ネタニヤフ氏は過去の例には当てはまらなかった。
今回のハマスとの衝突前から、ネタニヤフ氏に不満を抱く有権者は多かった。極右政党と連立政権を組んで22年末に政権に復帰したが、裁判所の力を弱める「司法制度改革」を進め、反対する市民の抗議デモが拡大。社会の分断を招いた。
通算16年も首相の座にあり、支持・不支持で世論は真っ二つに割れる。汚職などの疑惑で公判中の身で、政権の延命に腐心しているとの見方は強い。ハマスへの攻撃で「成功」をアピールできれば求心力の回復を見込めるが、失敗すれば退陣論は止められない。ガザでの軍事行動が強硬策に傾きかねず、自らの政治生命をかけた打算が作戦と連動するリスクがある。
【関連記事】
・ガザ北部で被害拡大 地上作戦の広がり、衛星画像で確認
・日本人10人と家族8人、ガザからエジプト側に退避
・上川氏、3日にイスラエル・パレスチナへ 戦闘休止訴え 』
米無人機、ガザ上空で情報収集 人質救出を支援
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0346R0T01C23A1000000/
『【ワシントン=中村亮】米国防総省のライダー報道官は3日の声明で、米軍の無人機がパレスチナ自治区ガザの上空で情報収集活動をしていると明らかにした。イスラム組織ハマスが連れ去った人質の解放に向けた支援の一環だと強調した。
ライダー氏は無人機の飛行は10月7日に起きたハマスによる奇襲攻撃後に始まったと言及した。イスラエル軍に情報を提供しているとみられる。米軍はイスラエルに人質問題に関して助言する専門家を派遣してきた。
欧州地域を担当する米海軍第6艦隊は3日、空母ドワイト・アイゼンハワーと同ジェラルド・フォードを中心とする2つの打撃群が東地中海で3日間にわたる合同演習を実施したと発表した。ミサイル防衛や海上補給などを訓練した。
米空母2隻を中心とする打撃群は東地中海で合同演習を実施した(3日)=米海軍提供
米海軍高官は声明で「共同での作戦活動や訓練は切れ目なく複数の任務をこなし、攻撃を抑止して同盟国やパートナー国を支援する米海軍の能力を示す」と言明した。訓練には1万1000人以上が参加した。
米軍はハマスによる奇襲後、まずジェラルド・フォードを東地中海に配置し、イランや親イラン武装勢力による追加攻撃に警戒を強めた。ドワイト・アイゼンハワーは東地中海からアラビア海周辺にこれから移動するとみられる。
緊張拡大のリスクはくすぶる。米CNNは2日、シリアのアサド大統領がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラにロシア製のミサイル防衛システムを提供すると決めたと報じた。米政権が情報を入手した。すでに引き渡したかどうかは不明だという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、米政権はロシアの民間軍事会社ワグネルもヒズボラに防空システムを引き渡す可能性があるとみている。』
米長官「戦闘の一時停止」要請 イスラエル首相は難色
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR031N80T01C23A1000000/
『2023年11月3日 20:51 (2023年11月4日 7:13更新)
【この記事のポイント】
・ブリンケン米国務長官がイスラエルを再訪問
・人道支援のため、攻撃の一時停止を働きかけ
・ネタニヤフ氏は「人質解放が先」と停戦拒む
【イスタンブール=木寺もも子】ブリンケン米国務長官は3日、イスラエルを再訪問した。イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザの中心都市を包囲する中、人質解放などのため、攻撃の一時停止を働きかけた。中東訪問は10月に続き約2週間ぶりだが、今回はガザの人道状況へ…
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『中東訪問は10月に続き約2週間ぶりだが、今回はガザの人道状況への懸念を強くにじませた。
【関連記事】
・米国務長官、ハマスの残虐さ「人々の記憶後退に衝撃」
・ガザで救急車空爆、死者多数 イスラエル「ハマスが使用」
「パレスチナ人を守るためにさらなる措置が必要だ」。ブリンケン氏は、イスラエルのネタニヤフ首相やヘルツォグ大統領と会談した後の記者会見で、同国の自衛権を改めて支持した。そのうえでイスラム組織ハマスが実効支配するガザの民間人被害を、最小化する必要性を強調した。
イスラエル側との会談では、一時的な戦闘の停止も協議したという。ブリンケン氏は、短期間の停戦はガザに必要な人道支援の拡大や人質の解放交渉に役立つと訴えた。
イスラエル側は強硬な姿勢を崩していないようだ。同国メディアによると、ネタニヤフ氏は会談後、「全ての人質が解放されない限り、一時的な停戦は受けいれない」と演説した。米国が求めたガザへの燃料搬入についても否定した。
米国は以前から、イスラエルによるハマスとの戦いを支持する姿勢を変えていない。だが、ガザの被害拡大を受け、発言のトーンを微妙に変化させている。バイデン大統領は1日、イスラエルとハマスの衝突には「一時停止が必要だ」と述べた。
イスラエル軍は2日、ガザの中心都市ガザ市の包囲を完了したと明らかにした。大規模な市街戦はいつ始まってもおかしくない。
ハマスとの大規模な衝突以降、イスラエルは周辺国に拠点を置く親イラン組織などとも交戦している。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者、ナスララ師は3日に初めて演説し「我々はあらゆる可能性に対して備えがある」とイスラエルに警告した。
一方で、ハマスによる10月7日の奇襲について「パレスチナ人だけの決定、実行だった」として関与を否定した。8日以降、イスラエルとの戦いに参戦したと明言したが、「敵(イスラエル)がレバノン侵攻を始めるなら、大きな過ちだ」などと述べるにとどめ、積極的な対イスラエルの戦線拡大には踏み込まなかった。
ブリンケン氏はイスラエルに続いてヨルダンを訪問するほか、トルコ外交筋によると、11月5日には同国を訪れる計画もある。
周辺国の訪問には、パレスチナ危機の収拾に向け、中東の友好国と協力関係を再確認する意味がある。ブリンケン氏は前回の中東訪問では、イスラエルのほかヨルダン、サウジアラビア、カタールなどアラブの6カ国を回り、紛争が地域に飛び火しないよう協議した。
ただ、ブリンケン氏が10月にイスラエルを訪れた際、自らの出自に触れ「私もユダヤ人だ」と述べ、強固な連帯を示したことに対し、中東諸国の間では反発も広がった。ガザの被害拡大で、地域の反イスラエル感情はさらに強まっている。
ブリンケン氏の前回訪問に続くはずだったバイデン大統領の10月18日のヨルダン訪問は直前に中止となった。前夜に起きたガザの病院爆発を受け、アラブ側が態度を硬化させたためだ。同国のアブドラ国王やパレスチナ自治政府のアッバス議長、エジプトのシシ大統領との首脳会談は実現しなかった。
ヨルダンのサファディ外相は今月2日の声明で、ブリンケン氏との会談で「ガザでのイスラエルの戦争を直ちに止める必要性を訴える」と述べた。
【関連記事】
・米大統領、人質解放へ「攻撃一時停止を」 イスラエルに
・ブリンケン氏、中国にイランへ働きかけ要請 ガザ衝突
・米無人機、ガザ上空で情報収集 人質救出を支援 』
手詰まりの中東政策 2つの戦乱で見えた欧州の挫折
欧州総局長 赤川省吾
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR100G10Q3A011C2000000/
『2023年10月12日 5:00
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃し、再び中東が揺れた。ウクライナに続き、地理的に近いイスラエルで起きた軍事衝突。2つの戦乱で欧州は挫折を味わい、地政学リスクの高まりに身構える。
「イスラエルは防衛の権利がある」(フォンデアライエン欧州委員長)、「いかなる支援も行う」(スナク英首相)。欧州の首脳は民間人まで無差別に攻撃したハマスの暴挙を一斉に批判した。
民主主義陣営の結束重視
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『イスラエルのネタニヤフ政権が進めた裁判所の力を弱める「司法改革」や、ユダヤ人入植地の拡大には渋い顔をしていた欧州がなぜ一転してイスラエル支持に回ったのか。2つの理由がある。
1つ目はロシアや中国など強権国家に対峙するうえで、民主主義陣営の結束が必要な局面だからだ。イスラエルの後ろ盾である米国と温度差がにじむのはできるだけ避けたい。
ショルツ独首相は「ドイツ政府はイスラエルの安全保障に責任を負う」と公言している(2023年3月、独首相官邸)=マーリス・マテス撮影
2つ目はイスラエルに対し、「負の過去」を背負っているからだ。特に欧州の盟主ドイツには第2次大戦中のユダヤ系住民の虐殺という罪がある。「ドイツ政府はイスラエル国家の安全保障に永遠の責任を負う」とショルツ独首相は2022年に語ったことがある。これは党派を超えたドイツ政界の共通認識だ。
民間人を巻き込むハマスのやり方は許すわけにはいかない。攻撃を受けたイスラエルに寄り添う一方で、パレスチナとの距離感は揺れる。欧州連合(EU)では一時、パレスチナへの経済支援を見直す案が浮かんだ。
欧州の出る幕なし
欧州の中東外交は手詰まり感と無力感が漂う。これまではスイスや北欧などが仲介役となり、和平を模索する動きがあった。30年前の1993年にはノルウェーの奔走でイスラエルとパレスチナが和平を目指す「オスロ合意」が結ばれている。
だが両者の溝は埋まらず、暴力の応酬が続く。中東情勢に大きな影響力を持つのはロシア、米国、中国という域外の大国、あるいはイランやサウジアラビア、トルコなど域内の大国。いま欧州は出る幕がない。「中東で欧州の存在感が薄れた」。あるEU加盟国の元首脳は取材に語った。
軍事力ではなく、外交と対話で粘り強く民主主義と戦争のない世界を広げる――。欧州外交の根底にあった、そんな理想主義が3度目の挫折を味わう。
融和路線で近づいたロシアはウクライナを全面侵略し、経済交流で民主化を促そうとした中国は独裁色を強めた。長年にわたる対話と経済支援を続けたパレスチナでは主流派組織ファタハの求心力が低下する一方で、武装組織ハマスが台頭した。高い理想を掲げてまい進する手法は欧州統合では役に立ったが、今の世界では通用しなかった。
極右政党が伸長する素地に
啓蒙主義のような欧州流は「押しつけがましい」との反発を招きやすい。覇権主義が世界各地で広がる危うい状況になり、「対話」だけでは解決にならぬという厳しい現実もある。
ハマスが弱体化するまでイスラエルが徹底報復するとの見方が欧州の政策当局者には多い(イスラエルの空爆を受けるガザ地区)=ロイター
欧州で中東政策を担う当局者を取材すると、イスラエルが徹底報復でハマスを弱体化させるものの、パレスチナ問題は解決されぬまま、くすぶり続けるという見方が多い。イスラエル経済は短期的には「心理的なショック」で下振れリスクが高まるが、ハイテク立国であることは変わらないとの見立てが主流だ。商都テルアビブはシェルター付きの住宅が普及しており、「紛争慣れ」している面もある。
2つの点が欧州政治の重荷になる。1つ目は大規模な武力衝突が仮に収まっても、不安定な状況が長く続けば中東から欧州への移民・難民が増えること。2つ目はウクライナ、そしてイスラエルという欧州に近接する地域の戦乱が漠然とした不安感を有権者に植え付けることだ。いずれも極右政党が伸長しやすい素地となる。
2024年の米大統領選の「トランプ復活」を含め、欧州は域内外からの政治リスクを強く意識するようになった。鉄のカーテンを崩し、平和を謳歌したポスト冷戦期は完全に終わった。先の見えぬ気味の悪い不透明感が欧州に忍び寄る。
Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。 』
ウクライナ支援が試す「民主主義の砦」
風見鶏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR011UE0R01C23A1000000/
『イスラエル軍とイスラム組織ハマスの衝突に世界が注目するなか、ウクライナの欧州統合が着実に進んでいる。
ウクライナの悲願は欧州連合(EU)に加盟することだ。「交渉を始めると決めてほしい」。10月、EU首脳会議にオンライン参加したゼレンスキー大統領は呼びかけた。
「欧州への道を歩むための改革努力を後押しする」。EUはぼんやりした声明を出し、表向きは言葉を濁す。実際は水面下での事務折衝が6月ごろから活…
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『実際は水面下での事務折衝が6月ごろから活発で、道筋はだいぶ前に固まっていた。
「加盟交渉入りは12月に合意できるだろう」と対ウクライナ政策にかかわる欧州の政府高官は明かす。親ロシアを演じるハンガリーなどの消極論は「押し切れる」と取材に応じた多くのEU官僚が自信をみせる。
来春にロシア大統領選を控えたプーチン氏にとって、軍事的な敗北は受け入れられない。損失が膨らんでも戦線を維持しようとする。一方、主力戦車も供与した欧州勢に軍事支援の玉はあまり残っていない。あるのは「EU加盟交渉」という政治支援だけだ。
交渉には時間がかかる。「条件を満たせば2030年までに加盟」とEUのミシェル大統領は独誌シュピーゲルに語った。過渡期のウクライナをどう扱うか。頭の体操は始まっている。
EU27カ国に加え、ウクライナやスイスなど周辺国が協議する「欧州政治共同体」という枠組みがある。「これを常設機関に格上げすればいい」とドイツの保守系政党の政策通、クリッヒバウム連邦議会議員は語る。新たに立ち上げる欧州機関で、ウクライナとの対話を常態化する構想だ。
欧州統合に歩むウクライナ。もはや北大西洋条約機構(NATO)への加入も夢物語ではない。来年7月の米国でのNATO首脳会議でウクライナ加入を話し合う――。欧州の政策当局者のあいだでは、そんなシナリオが浮かぶ。
来秋の米大統領選でトランプ氏が選ばれたら、米国はウクライナ支援をやめるかもしれない。欧州にも「支援疲れ」が忍び寄る。
それでもEUの決意は揺らがない。「米国が支援を打ち切っても欧州は態度を変えない」。EU加盟国の首脳は取材に強調した。欧州の自由と民主主義を守るという大義名分を掲げてロシアと戦うウクライナを見捨てることはできない。
経済界は政治の覚悟を感じ取る。インフラ分野に携わるドイツの中堅企業は最近、ポーランド企業と全面提携した。狙うのは膨大なEU資金が流れ込むウクライナの復興需要だ。
1970年代から半世紀にわたってロシア融和策をとったドイツへの反感がウクライナではくすぶる。「ドイツ企業」という看板では不利になる恐れがある。ならば提携先のポーランド企業を前面に押し立てて受注すればいい。ウクライナが欧州の一部になるのを見越し、企業は先手を打つ。
日本ではウクライナは旧ソ連の一部というイメージが強い。欧州史を振り返ればオーストリアやポーランドと深くつながる。いま政治・経済でウクライナが欧州に回帰しつつある。
ウクライナの懸念はイスラエルでの衝突のあおりで存在がかすむこと。これはロシアの思うつぼ。パレスチナ問題をプーチン政権に利用させてはならない。
肝心の戦況は膠着気味で出口はプーチン氏の判断次第だ。欧州統合や復興支援を巡る協議が進んでも目先の状況は変わらない。
先行きに不安が漂う時代に逆戻りしたからこそ日本もウクライナへの関心を失ってはならない。長期支援は民主主義の砦(とりで)だと示すことにつながる。
(欧州総局長 赤川省吾)』