韓国が発表した次期戦闘機「KF-21ポラメ」に対する海外メディアの評価は?
https://grandfleet.info/indo-pacific-related/what-is-the-evaluation-of-overseas-media-for-kf-21-boramae-in-south-korea/
※ 今日は、こんな所で…。
『2021.04.12
挑戦的なスケジュールで開発が進められていた韓国初の本格的な戦闘機開発プログラム「KF-X」は今月9日、予告されていたプロトタイプの発表を終えマイルストーンを無事通過した。
海外メディアは韓国が発表したKF-21についてどの様な評価を与えているのだろうか?
多くの韓国メディアは次期戦闘機「KF-21ポラメ」の発表を伝えたCNNの報道を引用して「KF-21の評価試験が完了すれば韓国は世界的な超音速戦闘機の開発・製造グループ加わることになり、F-35よりも調達コストが安価なKF-21は海外輸出にも大きな可能性がある」と報じているが、この報道にはCNNソウル支局でプロデューサーを務める韓国人のYoonjung Seo氏が関わっているのでKF-21の評価としては中立性に欠けると言わざるを得ない。
参考:South Korea rolls out the KF-21, joining elite group of global supersonic fighter jet makers
では各国の海外メディアは韓国が発表したKF-21をどのように見たのだろうか?
米メディアのTheDriveで航空宇宙分野について記事を執筆しているトーマス・ニューディック氏はKF-21について「F-16Cよりも優れた機動性をもつよう設計されたKF-21はタイフーンと同程度のRCS値(0.5㎡)になると予想されているが、継続的なアップグレードによってコレを改善することが出来ればセンサーノードとして活用できる」と指摘しており、恐らく「継続的なアップグレード」とは噂されているウェポンベイを備えたKF-21BlockIIIのことだろう。
現時点でKF-21は空対空戦闘のみに対応したBlockI、空対地戦闘にも対応したBlockIIまでの開発が確定しており韓国空軍が2032年までに導入する計120機のKF-21は全てBlockIとBlockIIで構成されるのだが、ウェポンベイを備えたBlockIIIの開発が水面下で検討されていると韓国国内ではまことしやかに囁かれている。
出典:韓国型戦闘機KF-Xプロトタイプ完成式典のLIVE配信スクリーンショット
韓国空軍は初めから段階的なアップグレードによってKF-21を第5世代以上の戦闘機に発展させることを想定、同機の作戦要求性能(ROC)策定時にウェポンベイを設けるための内部的余裕を予め残しておくことを要求してきたと開発関係者が明かしており、発表されたプロトタイプでは別々に搭載された赤外線捜索追尾システムと電子・光学式照準システムについてもF-35のように機体内に内蔵してステルス性能を損なわない処理を施す必要がある述べているらしいが防衛事業庁や空軍が正式にBlockIIIの開発に言及したことは一度もない。
ただ状況的にはBlockIIIの開発=KF-21の第5世代機化は実行されても不思議ではないのでBlockIやBlockIIの開発で躓かない限り実行に移される可能性が高いだろう。
あとニューディック氏の指摘で興味深いのは韓国が幾つかの先進的な機能の開発や実装を見送ることでKF-21の実用化を急いでいるのは老朽化したF-4EやF-5E/Fを更新するという理由とは別に、ステルス性能を追求した戦闘機開発を進めている欧州、インド、日本、トルコ、英国などよりも先に海外市場へKF-21を供給して有利なポジションを占めるためだと指摘している点で、競合よりも早く海外市場でKF-21の受注に成功すれば長期的に韓国の努力は報われるかもしれないと言っている。
出典:韓国型戦闘機KF-Xプロトタイプ完成式典のLIVE配信スクリーンショット
参考:Meet South Korea’s New KF-21 “Hawk” Indigenous Fighter
ロシアの国営メディア「ロシースカヤ・ガゼータ」はKF-21のプロトタイプ完成について「最初は誰も韓国が新型戦闘機を作れるとは信じていなかったが、韓国人は独自の戦闘機を開発して海外市場に輸出する夢に賭けた」と報じており、同機の国産化比率は65%に過ぎないが戦闘機の主要コンポーネントは国産化されて国内で製造することができると驚いている。
参考:Южная Корея представила собственный истребитель KF-21
ブルガリアメディアのBulgarianMilitary.comで記事を執筆しているボイコ・ニコロフ氏はKF-21の経済的な波及効果について注目しており、719社の韓国企業がKF-21の開発に参加して1万2,000人の雇用を創出して量産化に入ると追加で約10万人規模の新規雇用を生み出すため韓国経済に及ぼす影響は無視できないものがあると評価している。
参考:KF-21 Boramae fighter will change the defenses of Korea and Indonesia
出典:Tim Felce / CC BY-SA 2.0
フランスのサイトで航空宇宙分野のニュースを配信しているAir&CosmosはKF-21について「国産化比率が例え65%で各国から輸入する部品が必要だとしても、例えイスラエルがアビオニクス開発の大部分を担当していたとしてもこれは技術的な偉業だ」と評価しており、これは欧米の自動車企業や造船企業を海外市場から追い出したのと同じ手法でラファール、タイフーン、グリペン、F-16Vに価格競争を仕掛けてくるだろうと予想。
KF-21の開発や製造に参加している欧米企業(GE、Cobham、MartinBaker、Elta、Elbit、Meggitt、Curtiss-Wrightなど)にとっては大きな利益を生むかもしれないが、欧州の戦闘機製造に関連する企業は窮地に追いやられるかもしれないと言っている。
参考:KF-21: Un nouveau concurrent pour le Rafale ?
同じKF-21について書かれた記事でも視点や置かれた立場が異なると見方が変わるため中々興味深いが、やはり戦闘機の開発は裾野が広く巨額の開発費用や海外輸出が絡むため経済効果に着目する記事が多く日本ではあまり見かけない類の内容ばかりだ。
今後KF-21の評価テストが進み量産機に関する情報が出てくればKF-21自体の評価に関する記事も増えてくると思われるが、管理人はスケジュールの遅延も開発費用の高騰もなく進捗しているKF-21プログラムは概ね海外からの評価が高いと感じている。
果たしてKF-21は量産化に向けて順調に進捗するのかは不明だが、一先ずプロトタイプを予告通り発表したことに対しては素直に拍手を送ろうと思う。
関連記事:韓国が次期戦闘機「KF-21ポラメ」のプロトタイプを発表、2032年までに120機を実戦配備
※アイキャッチ画像の出典:青瓦台
シェアする
ツイートする
Twitter で Follow grandfleet_info
Tweet Share +1 Hatena Pocket RSS feedly Pin it
投稿者: 航空万能論GF管理人 インド太平洋関連 コメント: 200 』








