




※ 人口分布だ…。

※ これも、人口分布…。


※ イスラム教徒の分布の様子は、見といた方がいい…。

※ アフリカで発祥した「人類」は、こんな風に「世界に散らばった」、と考えられている…。





自国内に地域性が強く残り、特に「方言」の特徴が異なり、互いに意思の疎通が困難であるような場合、どういう影響が生…
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米国防長官、ドイツから5000人部隊の撤退指示という記事を見た。米国の欧州防衛から手を引く世界戦略が背景にある…





※ 人口分布だ…。

※ これも、人口分布…。


※ イスラム教徒の分布の様子は、見といた方がいい…。

※ アフリカで発祥した「人類」は、こんな風に「世界に散らばった」、と考えられている…。
池上彰と歩く「アフリカビジネス」「新参者」ニッポンにチャンス!
https://special.nikkeibp.co.jp/as/201207/africa/vol2/







『21世紀最も有望なビジネス市場として世界中から注目されるアフリカ。
ただし、その成長に絶対に欠かせないことがあります。
それは「舗装された道路+十分な設備を持った港湾=物流インフラの整備」
なぜ、物流インフラの整備が、アフリカの成長にとって不可欠なのでしょうか?
理由は2つあります。
[1]アフリカ大陸は巨大で、かつ鉄道が発達していません。このため人の移動手段は、物流の要として、自動車が主役となります。自動車が主役となるためには、道路が適切に舗装されて、大陸の隅々にまで通る必要があります。道路の充実が、社会の発展と経済成長のカギを握っているのです。
[2]アフリカには、港を持たない内陸国が16カ国もあります。こうした国は、自国の港がないため、単独でアフリカ大陸外の欧米やアジアと貿易することができません。資源を輸出するにも、物資を輸入するにも、近くの沿岸国の港を借りるほかないのです。
このため、内陸国は沿岸国と仲良くすることが重要です。沿岸国は自国の港を整備して、国際貿易の拠点とすることが重要です。
幹線道路を整備し、拡充した沿岸国の港と内陸国をつなぐ。アフリカの経済発展には、一国を超え、複数の国を巻き込んだ、経済の「回廊」づくりが、必要なのです。
今回私が取材したインド洋に面したケニアやモザンビークは、まさに東アフリカの貿易と経済の拠点になり得ます。インド洋に面したケニアやモザンビークの港湾を発展させ、ウガンダやマラウィなどの内陸国と幹線道路でつなげば、大きなビジネスチャンスが生まれるのです。
物流インフラが充実すれば、アフリカが、中東、ヨーロッパ、インド、東南アジア、中国、そして日本とを結んだ「環インド洋経済圏」のハブとなる。中世に栄えた「インド洋の時代」が21世紀に蘇ろうとしています。
アフリカの発展には物流インフラの改善が欠かせません。そしてその改善に今、日本の国際協力がどう役立っているのか、JICAアフリカ部の倉科芳朗さんに解説いただきました。
アフリカ54カ国のうち16カ国が内陸国です。アフリカの4分の1の人が、港を持てないという「ハンディキャップ」を抱えているわけです。つまり、単独で欧米やアジアと貿易ができません。
現在も、これからも隣の沿岸国の港を借りているわけですが、港湾設備も道路も整備されていないため、貨物を運ぶのにものすごく時間と手間がかかるため、物流コストがかさみます。
このため、アフリカは、経済が未発達で、人々の収入が少ないのに、物価が高く、人件費も高い、という状態にあります。
道路が未整備だと、アフリカ大陸内での貿易や、自国内での経済発展もむずかしくなります。経済だけではありません。一般の人が、学校に行ったり、病院に行くのも一苦労ですから、社会生活も充実できませんし、教育水準も上がりませんし、医療の普及も妨げられてしまうのです。
そんなアフリカの物流インフラを改善としようと、日本の知恵と技術とお金で、アフリカの沿岸国の港湾と内陸国とを幹線道路で結び、巨大な経済の「回廊」をつくるプロジェクトが、いくつも進行中です。
モザンビークでは、インド洋に面したナカラ港を開発し、マラウイなど隣国までを結んだ「ナカラ回廊」の構築がスタートしました。
ケニアでは、モンバサ港を開発し、ウガンダ、ルワンダなどの隣国までを結んだ回廊づくりがスタートしています。
こうした複数の国を結んだ経済「回廊」が機能し、地域の経済が活性化するためには、道路や港などハードの整備もさることながら、「通関業務」というソフトの簡素化が必要となります。
モザンビークは、ポルトガルの植民地から1975年に独立し、社会主義路線をとりましたが、77年から92年まで内戦が続きました。結果、経済は停滞し、アフリカでも最貧国のひとつとなってしまいました。
そのモザンビークは、大きく羽ばたこうとしています。
政情が安定した上に、本来の地理的な条件が、経済面から注目されようとしているのです。インド洋に面したアフリカ東海岸南部に位置し、いくつもの良港を抱えているモザンビークは、グローバル時代にきわめて有利な場所にあるのです。
中世から近世にかけては、中東やインド、そして中国から船が往来し、さらにはポルトガル船もやってくるなど、モザンビークの港は、インド洋貿易の要として繁栄しました。
再三記しているように、16世紀には日本からの天正少年使節団がモザンビーク島で半年を過ごしているなど、日本ともかかわりがありました。
アフリカが資源国として、世界最後の巨大消費市場として、輸出入双方の面で注目される今、天然の良港を有するモザンビークは、自国はもちろんマラウイや南アフリカなど近隣諸国をも巻き込んだ国際経済の拠点となり得るのです。
すでにその萌芽が芽生えています。
モザンビークの稼ぎ頭は、首都マプトにあるモザール社のアルミニウムの精錬事業です。モザール社はモザンビークと南アフリカ、日本の三菱商事の共同出資で98年にスタート。モザール社のアルミ工場周辺は経済特区に指定され、オーストラリアから輸入したボーキサイトを南アの電力を活用してモザンビークで精錬、ヨーロッパなどに輸出する、洗練された加工貿易のかたちを一気に確立しました。
モザール社の成功を背景に、マプトと南アの首都ヨハネスブルグが道路で結ばれて「マプト回廊」ができあがり、アフリカ南部有数の経済圏となろうとしています。
このマプトの成功を受け、モザンビークでは、港を整備した上で、隣国までを結ぶ道路網を構築し、周辺地域で農業開発や工業開発を行い、国際的な経済ネットワークをつくりあげる「回廊」事業を次々と始めています。
今回私が取材したのは、「回廊」の代表事例となりそうな、北部の港ナカラと北部最大の都市ナンプラ、さらにその奥のマラウィまでを結ぶナカラ回廊プロジェクトです。
南部の首都マプトの急速な発展に比べ、モザンビーク北部は開発が遅れていました。けれどもナカラは水深14mもある天然の良港であり、巨大船舶を停泊させるのにうってつけです。中世から近世にかけては、インド洋貿易の拠点ともなったナカラ。このナカラを中心に今、日本の国際協力でさまざまな改革が進んでいます。現地を取材しました。
ケニアの首都ナイロビから東南に下って460キロ。インド洋に面した港町モンバサ。人口66万人。ナイロビに次ぐケニア第2の都市です。
モンバサは今、アフリカ東海岸の「シンガポール」となることをめざし、いくつものインフラ開発事業に着手しています。
開発事業は主に3つ。1つめが、コンテナバースの拡張工事。2つめが、周辺の道路延伸と拡張工事。そして、3つめが、経済特区の選定と建設です。
なぜ、コンテナバースを拡張しているのか。なぜ道路を広げようとしているのか。なぜ経済特区を設けようとしているのか。
それは、モンバサが、ケニア自身はもちろん、近隣の内陸国であるウガンダ、ルワンダ、ブルンジなどにとって唯一最大の輸出入の拠点になり得るからです。
こちらの地図をごらんください。
ケニアには、このモンバサを輸出入の拠点にして、首都ナイロビを抜け、地熱発電で発展するオルカリア(こちらに関しては、電力開発のコーナーで、改めて詳しくレポートします)を通り、国境を越えてウガンダに至る「北部回廊」をつくろう、という広大な構想があります。
アフリカにとって、物流インフラの整備は経済発展の必要条件。港湾整備と回廊づくり、国境を越える際の通関業務の簡素化がすすめば、経済の血の巡りは一気によくなり、経済発展に拍車がかかります。
モンバサは、歴史的にも地理的にも東アフリカの経済発展の拠点となり得る条件を有しています。
複雑な入り江の奥に位置するために、どんなサイクロンが来ても荒れることのない静かな港。インド洋に面し、中東、ヨーロッパ、インド、東南アジア、さらには遠く中国や日本とも貿易をするのにうってつけのロケーション。
地理的に恵まれた天然の良港をめぐって、中世の昔からモンバサの港を巡ってさまざまな国の人々が争奪戦を繰り広げました。
中東のイスラム商人が船で訪れ、インド洋の貿易の要として栄えてきました。大航海時代になるとポルトガルなどヨーロッパの船がこの港を活用するようになり、オマーンとポルトガルがこの港を奪い合うようになりました。
19世紀末、ケニアがイギリス植民地領になると、イギリスは、モンバサからナイロビ、隣国のウガンダ首都カンパラを結んだケニア鉄道を敷設し、まさに今構想中の「北部回廊」の礎を築きました。
そして21世紀。モンバサは再び歴史の表舞台に立つチャンスを得ました。
港のすぐ脇には美しい珊瑚礁があり、リゾート地としての可能性も秘めている。すでに国際空港もあり、海外からの人のアクセスにも適しています。
モンバサの潜在力を見越して、ケニアでは、経済特区に選定し、さまざまな産業の誘致を行おうと計画しています。
ただし、モンバサの現状は問題が山積です。
すでに大きな港がありますが、出入りする貨物の総量は港の物流処理能力をはるかに超えています。港にはコンテナが山積み。付近も道路にまであふれ帰っています。
そのうえ、首都ナイロビに向かう道路も、舗装はされているものの片道1車線。モンバサ市内は常に大渋滞で、市内を抜けるのにも一苦労。通関業務も近代化されていないために時間がかかります。
せっかく港についたコンテナが船から荷揚げされるまでに、なんと1ヵ月以上もかかることがあり、目的地に着くのに1ヵ月半かかるのも珍しくないそうです。
物流インフラの脆弱さが経済成長のボトルネックとなる。解消するには、荷揚げしたコンテナをさばくコンテナヤードを大幅に拡張し、港の周囲の道路網を拡張し、延伸して、渋滞を解消するしかありません。
そこで日本の出番です。現地で日本の国際協力がどう機能しているのか。JICAケニア事務所の野田光地さんに案内いただきます。
有史以来近世に至るまで、インド洋は世界経済の中心地でした。中東、インド、東南アジア、中国、ヨーロッパ、そしてアフリカ東海岸。インド洋をぐるっと囲んで、人々が、物資が、文化が、行ったり来たりしました。
中でもアフリカ東海岸には天然の良港がいくつもあり、さまざまな国の商人でにぎわいました。今回取材した、ケニアのモンバサも、モザンビークのナカラとモザンビーク島も、まさにそんな歴史ある港です。
近代になって鉄道が登場し、現代になって自動車が登場するまで、世界の物流を担っていたのは、圧倒的に「船」でした。ゆえに物流において最も重要な装置は「港」でした。アフリカ東海岸の港町は、今よりはるかに栄えた国際都市だったのです。
ヨーロッパによる植民地化、独立後の混乱や内戦といった不幸を乗り越え、いま、アフリカは再び歴史の表舞台に立とうとしています。同時に、中国、東南アジア、インド、中東、そしてアフリカ東海岸に囲まれた、環インド洋経済圏が、世界で最も成長の余地のある地域として立ち上がってきます。
今回取材した国際港が、幹線道路の開発とセットになって、自国はもちろん隣の内陸国までをも巻き込んだ巨大な物流回廊として完成するとき、それはアフリカの新時代を象徴する経済圏がいくつも誕生するときでもあります。
そんなアフリカの物流革命に、日本の知恵が、技術が、資金が、企業が、重要な役割を果たしている。アフリカと日本の関係は、これからますます深くなっていく。現地を歩き回って、そんな実感を持ちました。
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日経BP社
日経ビジネスオンライン 』
アフリカ諸国、実利求める等距離外交 ロシアも軍事協力
アフリカ 逆風下のフロンティア㊤
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR17BXY0X10C22A8000000/

『人口増加と技術革新を追い風とするアフリカに、世界の注目が集まっている。米欧や中国、ロシアといった大国が関係強化を競い、現地発の新興企業に投資マネーが流入する。世界の外交や投資におけるアフリカの存在感は高まる一方、食糧不足や貧困などの課題もなお根深い。
アフリカの人口は14億人から2050年に25億人に膨らみ、世界の4分の1を占めると国連は推計する。鉱物資源が豊富なうえ原子力技術などの市場としても有望だ。28日に閉幕した第8回アフリカ開発会議(TICAD8)では、岸田文雄首相が日本とアフリカは「ともに成長するパートナー」だと強調。関係強化を訴えた。
だが、実際は大規模な干ばつやウクライナ侵攻で食糧危機が深刻化したこともあり、実利を求めるアフリカの軸は欧米日の「西側」からロシア・中国へと一段と傾きかねない状況にある。
「マリの主権を尊重するパートナーシップを称賛する」。10日、西アフリカのマリで昨年クーデターを主導した暫定大統領ゴイタ大佐は、ロシアのプーチン大統領と食糧や燃料支援について電話協議し、協力を歓迎した。
旧宗主国フランスが駐留仏軍の完全撤収を発表したのは15日。マリの「乗り換え」先とされるのがロシアの民間軍事会社ワグネルだ。
ロシア軍の「別動隊」と呼ばれるワグネルの雇い兵はスーダンや中央アフリカで強権的な指導者を支えてきた。見返りに資源権益を握ったとの見方は絶えない。アルジェリアやアンゴラではロシアが最大の武器供給国だ。多くの国は小麦や肥料もロシアに輸入の大半を頼る。
アフリカ諸国は歴史的には欧州の旧宗主国と関係が深かったが、近年は中国がインフラへの投融資など豊富な資金力をテコに存在感を強めてきた。ロシアも軍事協力や食糧供給で食い込む。中ロは経済面だけでなく、国際舞台で欧米と対抗するうえでもこの地域を戦略的に重要とみなしている。
アフリカへの輸出額では中国が首位を独走する。近年はトルコ企業の進出も建設業を中心に活発だ。20世紀まで広大な植民地を支配した英国やフランスの影響力は、相対的に薄れている。
中国やロシアの台頭は、権威主義的で腐敗した政権との関係強化をいとわないことも一因になっている。人権問題や民主主義で注文を付ける欧米は多くのアフリカ指導者の目には煙たく映る。
一方で不透明とされる援助を続ける中ロは、腐敗体質の政権には歓迎すべき存在になっている。アフリカ諸国の独立後も現地の利権を握り続けた旧宗主国への反発も根強い。
ロシアの影響力はウクライナ侵攻後の外交舞台で一層あらわになった。ロシアに対しウクライナからの即時撤退を求めた3月の国連決議で、アフリカの半分にあたる計26カ国が反対・棄権・不参加に回った。アフリカの国連加盟国は54カ国と全体の3割に迫る。その一大勢力が同様に棄権した中国と歩調を合わせ、ロシアに制裁を科す米欧日との温度差を明確にした。
「アフリカは(米欧・中ロの)対立から距離を置く」。ウガンダのムセベニ大統領が3月に日本経済新聞に語った言葉は、アフリカの指導者の多くを代弁する。アフリカ連合(AU)議長のセネガルのサル大統領は6月にロシアを訪れ、穀物輸出再開を求めた。輸入代金の支払いを阻むとして対ロ制裁には冷ややかだ。
8月上旬、南アフリカを訪れたブリンケン米国務長官はアフリカを「対等なパートナー」と呼んだ。このままではアフリカ諸国が米欧から離れていくとの危機感がにじんだ。直前にロシアのラブロフ外相はアフリカ4カ国を巡り、食糧危機は「米欧の制裁のせいだ」と訴えていた。
日本とアフリカの関係も心もとない。日本はアフリカへの政府開発援助(ODA)で長い実績があり、支出総額ベースで20億ドル(約2800億円)前後と先進国で米独英仏に続く5位を保つ。だがビジネス面ではつながりを深められないままだ。
日本からアフリカへの輸出額は21年に約100億ドルと中国の10分の1、トルコの半分だ。直接投資残高は国連貿易開発会議(UNCTAD)がまとめた上位10位に日本は出てこない。英仏や米国、中国はおろかシンガポールにも及ばないのが実態だ。』
中ロ・北朝鮮の強硬姿勢は「虚勢」 軍事演習は国内向け
編集委員・高坂哲郎
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM240U70U2A820C2000000/

『中国やロシア、北朝鮮が相次ぎ大規模な軍事演習を日本周辺で実施し、日本や米国、台湾などを威嚇している。ただ、いずれの軍事行動も強硬姿勢の裏に「虚勢」がにじむ。開始から半年が経過したウクライナ侵攻でロシア軍の弱さが露呈し、これまで同軍を参考に軍備を近代化してきた中国軍などが苦境に陥っていることが背景にある。
15日、中国軍の東部戦区が「微信」の公式アカウントに投稿した軍用機の画像=共同
中国軍は8月上旬、ペロシ米下院議長の台湾訪問に反発して台湾周辺で大規模な軍事演習を実施。台湾上空を通過するミサイル発射もした。中国軍は今後こうした動きを常態化する恐れもある。ロシア軍は9月1日から極東地域で4年に一度の大規模軍事演習「ボストーク2022」を実施し、これには中国軍なども参加する。米韓両軍は22日から9月1日までの日程で定例の合同軍事演習を韓国全域で継続中だ。北朝鮮は既にこれに反発しており、演習期間中にミサイル発射など何らかの動きに出る可能性がある。
ただ、中ロ朝が見せる軍事的強硬姿勢は、見せかけの可能性がある。すべての起点は、この半年間でロシア軍が示した「弱さ」だ。
「ロシア軍があれほど無様とは正直驚いた」――。冷戦時代からソ連軍、その後身のロシア軍を注視してきた元自衛隊制服組幹部が語る。米欧製の精密誘導兵器で次々撃破された地上軍部隊やロシア海軍の旗艦モスクワ、戦闘機部隊の無残な姿が報じられている。
ウクライナ軍に撃破されたロシア軍の戦車(キーウ近郊)=AP
これに内心激しく動揺しているとみられるのが中国軍だ。中国軍は共産党政権の発足前から旧ソ連の軍事支援で創設された経緯があり、近年もロシア製戦闘機やエンジンなどを多数輸入。外洋艦隊としての経験の浅い中国海軍は、ロシア極東艦隊を「師」と仰ぎ、過去には本州や九州の周辺海域を周回する合同訓練などをしてきた。
ウクライナでのロシア軍の苦戦ぶりを見る限り、現時点で中国軍が台湾制圧を強行しようとしても、上陸前に揚陸艦などは次々と沈められ、多数の兵士が犠牲になる展開が強く意識されるようになった。弾道ミサイルなどを多数発射して台湾の政府や軍の中枢をたたけたとしても、その後に地上部隊を送って台湾を長期間制圧できるだけの能力は現在の中国軍にはなさそうだ。「米軍の攻撃を恐れ、中国空母も軍港の奥深くから出てこられない」(元自衛隊情報系幹部)との声もある。
無理に軍事行動に出たとしても、その後に各国から厳しい制裁を受け、経済が混乱するという展開もロシアは示した。このため、中国軍が今できるのは、ミサイルを台湾上空越しに撃ったり、多数の戦闘機を台湾周辺空域で機動させて威圧したりすることくらいしかない。いずれも、中国軍が「劣勢ではない」ことを国内向けに必死で訴え、中国国民の支持を失わないようにするのが最も重要な目的なのだ。
ロシア軍が近く開始する大規模演習も同様に「国内向け」と言ってよい。ロシア地上軍は極東地域から多数の兵士をウクライナに送り、おびただしい犠牲者を出した。そうした苦境にあるからこそ、「ロシアには味方となる外国軍がおり、孤立しているわけではない」と自国民に強調したいプーチン大統領にとっては、中国軍の演習参加は欠かせない。ただ、旗艦をあっさり沈められたロシア海軍との合同演習について、中国海軍は冷めた目でみているはずだ。
米韓合同演習に北朝鮮が反発して何らかの動きに出る公算は大きい。ただ、それは相次ぐ自然災害や新型コロナウイルスの感染拡大、経済弱体化に苦しむ北朝鮮にどの程度の余力があるのかを、米韓両国の情報機関に分析させる材料にはなろうが、北朝鮮にとっては貴重なミサイルなどの在庫を減らすデメリットしかない。
こうしてみると、足元の中ロ朝の軍事的強硬姿勢には過剰反応する必要はないことが分かる。ただ、おそらく中国軍はウクライナ紛争の戦訓を慎重に研究し、今後30年程度を視野に「次世代型複合戦」の手法を磨こうとするだろう。そうした中長期的展開に関しては、日本や米国、台湾などは油断すべきではない。
[日経ヴェリタス2022年8月28日号掲載]
米中間選挙、上院が最高裁の勢力左右 保守傾斜の行方は
米中間選挙 ポイントを読む⑧
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1509X0V10C22A8000000/
『米議会上院は連邦最高裁判事を承認する。過半数の議席を握る政党は思想の近い判事を充てやすい。社会保障や銃保有、移民制度といった日常生活に影響を及ぼすため、有権者が上院選に関心を持つ要因となる。
いまは最高裁判事9人のうち、野党・共和党の考えに近い保守派が6人いる。6月に人工妊娠中絶を合衆国憲法が認める権利と位置づけた判決を覆した。発電所の温暖化ガス排出について、連邦政府の規制を制限した。ともに与党・民主党を支持するリベラル派の理念に反し、激しい反発を招いた。
定数100議席の上院は民主党と共和党が50議席ずつを握る。仮に最高裁判事をめぐる採決で賛否が50対50になれば、民主党は上院議長を兼ねるハリス副大統領が1票を投じて承認に持ち込める。11月の中間選挙で民主党は1議席でも減らすと、最高裁判事に欠員が生じても後任の承認は難しくなる。
民主党には苦い思い出がある。2014年の中間選挙で民主党は上院の多数派を失った。16年にアントニン・スカリア判事が死去した。当時のオバマ大統領は後任にリベラル派のメリック・ガーランド氏(現・司法長官)を指名したが、共和党が承認手続きを進めずに阻止した。
17年に大統領に就いたトランプ氏は保守派のニール・ゴーサッチ氏を後任に指名し、多数派の共和党がスムーズに承認した。18年の中間選挙では共和党が下院で敗北したが、上院は議席を伸ばして多数派を維持した。20年にリベラル派ルース・ギンズバーグ氏が死去すると、保守派エイミー・バレット氏を指名して保守支配を固めた。
バイデン大統領はリベラル派スティーブン・ブライヤー氏の後任にケタンジ・ブラウン・ジャクソン氏を指名して承認した。判事は若返ったが、保守派6人、リベラル派3人の構図は変わっていない。
(ワシントン=中村亮)』
米軍アフガン撤収1年 中国・ロシアの増長招く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN274A40X20C22A8000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】アフガニスタンの駐留米軍が撤収してから30日で1年になる。想定外の現地の混迷は米国の威信を低下させた。海外紛争への関与に慎重とみたロシアによるウクライナ侵攻を招いたとの見方は根強い。バイデン大統領の1年前の決断が政権運営になお影を落とす。
バイデン氏は26日、アフガンの米軍撤退直前に米兵13人が死亡した自爆テロから1年を受けて声明を発表した。8月に発表した国際テロ組織アルカイダの最高指導者ザワヒリ容疑者の殺害などを挙げ「米国に危害を加えようとするテロリストがどこにいようと追い詰める」と対テロ作戦を継続する姿勢を強調した。
バイデン氏にとって2021年8月は暗転の始まりだった。米国史上最長のアフガン戦争の終結は世論が望んだはずだったが、米マーケット大が21年9月に実施した世論調査によると、74%が米軍撤収を支持したものの、バイデン氏の撤収への対処を66%が「好ましくない」と答えた。
若い米兵の犠牲を防ぐのが撤収理由のひとつだったが、現地の混乱を狙ったテロで13人の米兵が殺害された。欧州の同盟国からも慎重論があった8月31日の撤収期限にこだわった結果だっただけに、国内外でバイデン氏の指導力に疑問符がついた。
国連によると、アフガンで21年8月から10カ月の間にテロによる死者は700人。負傷者は1400人以上にのぼる。
世界で米国の存在感が薄まる「力の空白」は中国やロシアなど米国と敵対する国に増長する隙を与えた。米国際評価戦略センターのリチャード・フィッシャー主任研究員は「ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻を決めたのは米国のアフガン撤退が引き金になった可能性が非常に高い」とみる。
2月24日のウクライナ侵攻に先立ち、バイデン氏は同国への米軍派遣を否定した。軍事力の行使をためらう米国の抑止力低下は隠しようがなく、冷戦後の国際秩序が揺らぐ現状を映す。
アジアにも波及する。ウクライナ危機に伴う安全保障環境の変化は、米国がテロとの戦いから中国との競争に重心を移すさなかに起きた。米国の対中国の抑止力強化が妨げられれば台湾海峡や東・南シナ海の安定を損なう事態になる。
中国軍は8月上旬、ペロシ米下院議長の訪台に反発して台湾周辺で大規模な軍事演習を実施。台湾上空を通過するミサイルも発射した。中国軍はこうした動きを常態化させようともくろむ。米国は日本やオーストラリアなど同盟国とともに、中国を抑止する戦略を具体化する作業を急ぐ必要がある。
米国内でも低下したバイデン氏の求心力は回復していない。米リアル・クリア・ポリティクスによると政権発足直後の21年1月下旬に56%あった世論調査の平均支持率は、アフガンを巡る混乱で批判が高まった同年8月中旬以降、一貫して不支持が支持を上回っている。
足元では与党・民主党内の対立で滞っていた歳出・歳入法の成立などに加え、歴史的な物価高に一服感が出ていることを受けて支持が持ち直してはいる。7月中旬に36%台まで落ち込んだ支持率は28日時点で42%に戻したが、アフガン撤収前の水準には遠い。
バイデン氏に対する審判となる11月8日投票の中間選挙まで残り2カ月余り。1年前に下したアフガン撤収判断がいまも政権の重荷になっている。
【関連記事】
・米、対テロ作戦の継続強調 撤退直前の兵士犠牲1年
・パキスタンでテロ続発 親タリバン組織との和平揺らぐ
ニューズレター
多様な観点からニュースを考える
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察
私もあちこちでフィッシャーさんのいうように米のアフガン撤退がプーチン大統領にウクライナ侵攻のきっかけを与えたと論じてきたが、裏返せば、これまでアメリカが介入するということがいかに他の国を抑止してきたか、ということでもある。それはつまり、アメリカによる平和という時代が終わり、国際関係が第二次大戦以前の姿、すなわち主権国家が互いに自らの利益のために対立するという姿を見せ始めているともいえる。ただし、こうした介入が出来るのはロシアが自ら大国だと自認しているからであり、どこでも起こる話ではない。
2022年8月30日 10:42
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柯 隆
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ひとこと解説
バイデンの国際戦略は間違いなく間違っていた。アフガン撤兵はもとより、ウクライナ戦争に参戦しないと早々手のひらをみせたのも。ただ、アメリカの国力が予想と違って、依然強い。この点についてプーチンは後悔しているはず。そして、かつてないほどアメリカの同盟国は予想以上に団結している。これから新たな国際秩序を構築しないといけない
2022年8月30日 7:23』
IMF、パキスタンに追加支援 11億ドル引き出し可能に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN300BE0Q2A830C2000000/
『【ワシントン=高見浩輔】国際通貨基金(IMF)は29日に開いた理事会で、パキスタンへの追加支援を決定した。「特別引き出し権」と呼ばれる、緊急時に米ドルやユーロなどを引き出せる権利を8億9400万SDR(約11億米ドル相当)拠出する。同じ枠組みでの支援額は約39億米ドル相当となった。
経常赤字が続いているパキスタンはロシアのウクライナ侵攻を受けた燃料高などが国内経済を下押しし、外貨準備の減少と通貨下落が止まらなくなった。4月に成立したシャリフ新政権が燃料価格を下げるための補助金を撤廃したことで、物価高による家計の生活難が一段と深刻になったとの指摘がある。6月以降はモンスーンによる豪雨が各地で相次ぎ、被害が拡大している。
IMFによると、こうした途上国への支援残高は7月末時点で1083億SDRと、新型コロナウイルス禍前の19年末から約1.5倍になっている。
多様な観点からニュースを考える
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村上芽
日本総合研究所創発戦略センター シニアスペシャリスト
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ひとこと解説
熱波や干ばつなど気候変動による物理的被害が世界各地で報じられていますが、パキスタンでは、6月以降、3か月も豪雨が続き、1000人以上が亡くなっているとのことです。化石燃料依存に伴う燃料高や物価高で経済や生活が傷んでいるところに自然災害が発生するといった複合的な事態は、考えたくはありませんが今後も世界各地で起こるでしょう。先進国には、支援するための余力を持ち続けることも必要でしょうが、気候変動対策を加速させることが「そもそも」最重要です。
2022年8月30日 8:22
伊藤さゆりのアバター
伊藤さゆり
ニッセイ基礎研究所 経済研究部 研究理事
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ひとこと解説
今夏、欧州が「500年ぶり」という深刻な旱魃と水不足に悩まされているが、パキスタンのモンスーンによる大雨被害は、国土の3分の1が浸水、死者は1100人を超え、被災者は3300万人に上るなど想像を絶する前例のない規模に上っているという(BBCの報道による)。
多くの人が住む家を失っているため避難のためのテントが必要としており、水や食料などの支援物資も不足しているという。
金融支援と共に人道的な支援も急務となっている。
2022年8月30日 12:28 (2022年8月30日 12:41更新)
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慎泰俊
五常・アンド・カンパニー株式会社 代表取締役
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ひとこと解説
アジアであればスリランカ、パキスタン、ミャンマー、南米であればアルゼンチン、エクアドル、エルサルバドル、ヨーロッパならウクライナとベラルーシ、アフリカならチュニジア、ガーナ、エジプト、ケニヤ、エチオピア、ナイジェリアらが国家デフォルト懸念先とされています。
パキスタンの主要債権者は中国・日本・世界銀行で、IMFとの交渉はかなりスムーズに行われた印象です。一方で、ザンビアやスリランカなどはかなり時間がかかっています。インフレの影響で自国通貨が安くなるなか、多くの途上国がデフォルトの危機にあります。IMFがスピーディに支援をしないと、一般の人が極めて苦しい思いをすることになると思います。
2022年8月30日 10:23 』
バイデン政権、台湾への武器売却を議会に要請へ 米報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB301JK0Q2A830C2000000/
『【ワシントン=共同】米政治サイト、ポリティコは29日、米国による台湾への11億ドル(約1500億円)規模の武器売却を承認するようバイデン政権が議会に要請する計画だと報じた。対艦ミサイル60基や空対空ミサイル100基が含まれるとしている。中国から軍事的圧力を受ける台湾を支える姿勢を打ち出し、中国をけん制する狙いがある。
米国は台湾関係法で、台湾が自衛のために必要とする武器の供与や防衛支援を約束している。台湾支援は超党派で支持されており、議会は承認する見通し。中国の反発は必至だ。
【関連記事】
・米国、台湾支援へ超党派新法 「政治の季節」強硬に傾く
・台湾海峡に嵐の予兆 米中の対立、危険な水域へ突入 』
外貨建て保険で損失 自称アドバイザーにご用心
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1007K0Q2A710C2000000/


※ 「外貨建て資産」の場合、ここが「盲点」になるんだよね…。
※ あたり前の話しだが、「外貨建て」なわけだから、買う時も売る時も、両方に「為替手数料」がかかる…。
※ そこをしっかり「計算」しておかないと、ヘタな「利益」は、「手数料」で消し飛ぶんだよね…。
※ さらには、「解約時にも」手数料がかかる場合もあるようだ…。

※ FPを名乗っていても、実態は「単なる、保険の代理店」ということが往々にしてあるんで、気をつけよう…。
『高リスクの金融商品や不動産取引を巡るトラブルを避けるために「アドバイザー」をどう活用すればいいのか、NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会副理事長の岩城みずほさんが指南します。
資産形成に向かない商品は仕組み債の他にもあります。会社経営のAさん(52)は、アドバイザーと称する保険の販売員に勧誘され、貯蓄目的で外貨建て保険を複数契約しています。年間保険料は2万1000米ドルにも及び、このところの円安で毎月の支払保険料が増えました。
【これまでの連載】仕組み債のリスク回避、アドバイザーにも責務
米ドル建ての保険は保険料を円で支払い、保険会社の決めた為替レートで米ドルに換算されて運用されます。満期時や解約時は、その時の為替レートによって受取金額が変動します。支払時と受取時、ともに為替手数料がかかります。円安が続けば支払う保険料は割高になり、受取時に円高であれば受取保険金は少なくなります。超低金利の円に比べ、高金利通貨は魅力的に見えるでしょうが、外貨建て保険で積み上げて行った積立金等は、一般的にはいつかは日本円に戻します。その時、加入時よりも円安なら良いですが、円高ならば、払い込んだ円換算の金額を下回り、損失が生じることもあります。
その商品は貯蓄に向くの?
低金利が続く中、生命保険会社が契約者から預かった保険料を運用する際の目安となる標準利率は、2017年4月に1%から0.25%に下がりました。生命保険会社は、契約者から預かった保険料を運用し、将来の保険金の支払いに備えますが、金利が低くなると運用で得られる利益が少なくなるため、契約者に約束している運用利回り(予定利率)が下がり、保険料が高くなります。そのため保険会社は、終身保険や養老保険などの貯蓄性保険の保険料を引き上げたり、販売をやめたりしました。
生命保険会社のアクチュアリーに聞くと、性別や年齢で異なりますが、当時の上げ幅は平均5%程度で、純保険料ベースでの終身死亡保険の保険料は30歳から40歳の間で19%から15%程度の幅で上昇したそうです。このような背景から生命保険会社は、日本より金利が高い状態にある米ドル建て保険の販売に力を入れました。その時セールスを受けて、Aさんは「米ドル建て養老保険」など複数を契約しました。「養老保険」は死亡保障と老後資金の準備を目的とした保険で、死亡したときは「死亡保険金」が、満期まで生存すれば「満期保険金」が支払われます。「貯蓄」と「死亡保障」が組み合わさった商品ですので、両方に費用がかかり保険料は割高になります。
お金を増やすことが目的なら、わざわざ高い費用を払って保険でお金をためる必要はありません。高い費用がかかる貯蓄性保険よりも、確定拠出年金や少額投資非課税制度(NISA)を使って、低コストの投資信託で長期積み立て分散投資をしていく方が合理的です。
Aさんも商品選択の間違いに気が付き、解約返戻金相当額を原資に新しい保険に加入する「払済保険」にすることを考えました。払済保険にすると、以降の保険料の支払いはなくなります。しかし、解約していないにも関わらず「解約控除が発生する」と言われました。結果、解約返戻金額相当額は払い込んだ保険料を大きく下回ります。通常、新契約費用は保険料の払込期間全体にわたって少しずつ回収されますが、保険料が払い込まれなくなった契約から費用回収するための仕組みが解約控除です。解約でも払済保険でも、解約返戻金の計算で解約控除がかかる場合があります。利殖のつもりが減らしてしまったAさん。そもそもなぜこんなことになったのでしょうか。
無料相談の落とし穴
「ライフプランをしっかり立てて必要な資金を作っていきましょう」と言われ、Aさんは、子供にかかる教育費や老後どんな生活をしたいかなどを相談して資金計画を立てた結果、5つの保険商品を勧められて契約しました。相談料は無料でした。
このアドバイザーの目的は保険契約なので、相談は無料でも困りません。本来は、顧客の利益優先で人生のお金の相談に乗り、最善の方法を提示する職業をアドバイザーといい、価値のある相談は無料ではありません。この自称アドバイザーは、ライフプランの相談を「商品を販売するためのツール」として使ったに過ぎません。もっと言えば自分の本職ではない分野を、自分のビジネスに利用しているということです。なぜアドバイザーと名乗るのでしょう。
どんな職業でも、プロであれば、そこに優劣はないはずです。プロの販売員として顧客利益を優先し、利益相反や販売によって受け取るコミッションを正しく伝えて透明性を保ち、自ら最善だと思える商品を提供すればよいのです。しかし、そんな使命感や職業意識を持ったプロが少ないから、多くの人がアドバイザーと名乗るのではないでしょうか。
ファイナンシャルプランナー(以下「FP」)も、同じ意識を持って「フィデューシャリー・デューティー宣言」を行い、「お客様のために」自らの業務を遂行することを公約する必要があるでしょう。残念ですが、FPの中には、顧客に対し不適切な金融商品の販売や仲介をして金融機関からコミッションをもらい、収入の柱にしている人がいます。そのような人は、手数料収入を得ることで顧客へのアドバイスの内容や金融商品等の選択に影響を及ぼす可能性があることを率直に認めるべきですし、少なくとも事前に販売にかかわっていることを顧客に対して明らかにすべきでしょう。
岩城みずほ(いわき・みずほ) NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会副理事長、ファイナンシャルプランナー(CFP)。放送局を経てフリーアナウンサーとして14年活動、会社員を経て2009年独立。金融商品の販売によるコミッションを得ず、顧客の利益を最大限に中立の立場でコンサル等を行っている。著書に『「保険でお金を増やす」はリスクがいっぱい』(日本経済新聞出版)など。
このような話をすると、金融商品等の販売に関わるFPの言い分の一つに、ライフプランに沿ったマネープラン設計など、FP本来の仕事である個別相談ビジネスだけでは食べて行けないので、金融商品を売ってコミッションを得ることは「仕方がない」ということがあります。「FPでは食えない」ということは業界でもよく言われています。その原因の一つに、個別相談が日本ではまだ十分に浸透していないということもあるでしょう。加えて、多くの金融機関等では「無料のセミナーやその後の無料個別相談」が行われていることもあり、コンサルティングフィーを支払うという発想を持たない人が多いという現実があります。
しかし、こうしたセミナーや相談の後ろには、主催者が売りたい商品があるのが常です。これらのイベントは顧客本位のサービスではなく、金融機関の形を変えたセールス行為であると認識する必要があるでしょう。
日経ヴェリタス「プロが解説」より。次回は「変額保険」についてです。
日経ヴェリタス https://www.nikkei.com/theme/?dw=20062208 』
ロシア軍、半数の8万人死傷 兵力増員に透ける焦り
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM271S10X20C22A8000000/
『ロシアが軍の兵員数を増強する方針を打ち出した。ウクライナ侵攻に投入したロシア兵の半分強が死傷したとみられ、ロシアの苦境は鮮明だ。米欧の軍事支援を追い風にウクライナ軍は、主に南部地域で反攻作戦を本格化する公算が大きい。
ロシアのプーチン大統領は25日、ロシア軍の兵員数を13万7000人増やし、約115万人にする大統領令に署名した。ウクライナ侵攻に約15万人を投入したが、米英両軍などの見積もりでは半分強の約8万人が死傷したとみられる。近年は兵員数を圧縮し、装備の近代化に国防費を振り向けてきたロシア軍だけに明確な方針変更となる。
2月24日に始まったウクライナ侵攻は「量のロシア軍」対「質のウクライナ軍」の戦いだ。
4月ごろまでは量で圧倒するロシア軍を米欧製の小型精密誘導火器を駆使するウクライナ軍が食い止めた。ロシア軍は首都キーウ(キエフ)陥落を断念、いったん占領した北部地域を放棄した。
5月から7月にかけてはロシア軍が東部や南部で占領地域をじわじわ拡大した。火砲や砲弾の量で勝るロシア軍に対し、ウクライナは苦戦した。
8月以降は「質のウクライナ軍」が盛り返す展開となった。米国が提供した高機動ロケット砲システム「ハイマース」がロシアの火砲よりも射程が長い利点を生かし、無人機の観測能力も駆使することで、ロシア軍の前線司令部や補給物資集積地を効果的にたたいた。
ロシアが2014年に制圧し支配を既成事実化しているクリミア半島でも、ロシア軍が被害を受ける事態が続出した。ウクライナ軍は認めていないものの、同軍の特殊部隊などの作戦の結果である可能性が濃厚だ。
南部での軍事作戦の拠点であるクリミアが安全でなくなり、ロシア軍は浮足立っている。ロシア軍が国際社会の反発を承知で南部ザポロジエ原子力発電所を事実上「盾」にしながら攻撃しているのも、苦境の表れとみてよいだろう。
冷戦時代、北大西洋条約機構(NATO)軍は、ソ連軍を基幹とするワルシャワ条約機構(WPO)軍が西欧に侵攻してきた場合、最前線のWPO軍部隊を食い止めると同時に、後続の第2波、第3波の部隊を長距離攻撃でたたき、最前線の敵部隊を孤立させて粉砕する戦術を準備していた。クリミア駐留ロシア軍部隊への攻撃は、NATO軍の戦術を忠実になぞっているようにもみえる。
「ウクライナと支援する米欧、そしてロシアの双方とも、秋から冬にかけてが正念場となろう」(元自衛隊情報系幹部)。ロシアの大統領令が発効するのは年明けで、ロシア国内では軍に入ることを忌避する空気も広がりつつある。プーチン政権は刑務所の受刑者を兵士にするというスターリン時代のソ連をまねた策までとり始めている。
戦地にいるロシア軍の士気低下は、過去にシリア内戦に派兵された実戦経験豊富な部隊にも及んでいるもようだ。ロシア軍の火砲や装甲兵員輸送車などは当初投入の約半分が破壊されたとみられ「大規模攻勢に出られる状態ではない」(同)。
米欧国防当局はウクライナへの軍事支援を継続する構えだ。ロシアから武器を輸入してきた中国軍に自信を喪失させる効果も狙える。ハイマースや対戦車砲ジャベリンなどは「戦場で効果が実証された兵器」として国際武器市場で引く手あまたとなる。ウクライナ支援は特に米軍産複合体にとって利点が多い。
今後ハイマースなどの兵器を増強できれば、ウクライナ軍は南部を中心に反攻を加速し、11月ごろまでにロシア軍の南部支配地域を徐々に奪回できる展開が見えてくる。
ただ米欧の国防当局が無制限に支援を継続できる保証はない。米欧諸国で「ウクライナ支援疲れ」が広がれば流れは変わりうる。戦闘は越年する見通しだが、天然ガス輸出というロシアの「武器」が最も効果を発揮する中・東欧の暗く極寒の冬に向けて、米欧が結束を維持できるかが今後の展開を左右しそうだ。
(編集委員 高坂哲郎)
【関連記事】ロシア、兵員13万人増の大統領令 侵攻の戦力補充か
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説
ロシア、ウクライナとも自軍の死傷者数の発表を行わないようになっているが、さまざまな情報から考えて、士気や兵器の質の面で劣るロシアの方が、人的・物的な損害は大きいようである。部隊の実働人員や稼働する兵器数が定員を大きく下回っており、攻勢に出るのが難しいケースもあるという。となると兵員の補充という話になるが、プーチン大統領は総動員令を出すのをためらっている。ウクライナに対する侵略戦争がうまくいっていないことが露呈するのみならず、徴兵に踏み切ると国民の不満が増し、国内で戦争反対のうねりが生じかねないからである。一方、ウクライナは総動員令を発しており、11月下旬までの期限延長法案を議会に出している。
2022年8月30日 7:38
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鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察
もう一つ重要なポイントは、「量のロシア軍」は在庫で戦っているという点。経済制裁を受けることで、必要な兵器を入手することが困難になり、物量で圧倒することが困難になっている。他方、「質のウクライナ軍」は継続的に西側諸国から武器の供給を受け、戦争を継続する能力を維持している。こうした「ストック対フロー」の戦いが長期化するとフローの方が有利になる。
2022年8月30日 10:35』
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