世界最大規模の学会(IEEE)が「Huaweiの科学者による論文査読を禁止する」と決定 https://anonymous-post.mobi/archives/8257
米学会、ファーウェイの活動制限を解除 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45619570T00C19A6910M00/
Huawei関係者による論文査読の制限をIEEEが解除 https://gigazine.net/news/20190604-ieee-lift-restrictions-huawei/
まず、IEEE(アイ・トリプル・イー、と読む)とか、聞きなじみの無い人が殆んどだろう。Institute of Electrical and Electronic Engineers の頭文字を、並べたものだ。直訳すると、「電気と電子のエンジニアの学術団体(協会、学会)」となる。
IEEE 【 Institute of Electrical and Electronic Engineers 】とは
http://e-words.jp/w/IEEE.html
IEEE(※ Wikiによる)
https://ja.wikipedia.org/wiki/IEEE
『ニューヨークに本部、ニュージャージー州ピスカタウェイ(英語版)に事務局を置く。1963年にアメリカ電気学会(AIEE)と無線学会(IRE)の合併により発足した。』『対象とする分野は、電気工学を源流とする通信・電子・情報工学とその関連分野に及ぶ。学会の目的は、電気および電子工学、電気通信、計算機工学ならびに関連分野の教育的・技術的進歩である。専門分野ごとに計39の分科会を持ち、それぞれに会誌(論文誌)を発行している。 2018年時点で、世界最大の技術専門家組織であり、世界160か国以上に423,000人以上の会員がいる。』と言うものだ。
これだけ読むと、お堅い学者やエンジニアによる学術論文を発表したり、査読したり、学会誌を発行したりする学術団体か、とも思う。
しかし、トンデモない…。学者だけでなく、エンジニアも参加している点が注目点だ。ここで、「規格」の「標準化」も、決まって行くんだよ。「デファクトスタンダード(事実上の標準)」ってヤツだ。
ここで決まった、「規格」の最近のものを、紹介しておこう。
IEEE 1394
https://ja.wikipedia.org/wiki/IEEE_1394
『IEEE 1394(アイトリプルイーいちさんきゅうよん)はAV機器やコンピュータを接続する高速シリアルバス規格である。1986年にアップルが提唱したFireWire(ファイアワイアもしくはファイヤーワイヤー)規格をソニー、TI、IBMなどと共同で1995年にIEEE 1394-1995として標準化したもの。』
『その性格上、様々なデータをやりとりできるため、FireWire、i.LINK(アイリンク)、DV端子などの複数の名称が使われるようになった。
FireWireは提唱者のアップルが使用していた開発コードネームであったが、2002年5月29日に商標化した。これを、正式にIEEE 1394の統一ブランドとして採用することがIEEE 1394の推進団体である 1394 Trade Association から発表されている。
一方ソニーは、FireWireがIEEE 1394の統一ブランドとして採用される以前から、自社のデジタルビデオカメラ製品などに搭載したIEEE 1394端子をi.LINKと呼び、同社の商標としている。この呼称はDV端子と共に主に家電製品で使われる名称として一般にも普及した。
DV端子もデジタルビデオカムコーダやデジタルビデオテープレコーダに搭載されたIEEE 1394端子の呼称の1つであったが、電源供給機能を持たず、通信できる信号の内容がDV規格の映像音声信号のものに限定の設計になっている。現在では「i.LINK(DV)」等と呼ばれることが多い。』
IEEE 802.11ac 【 Wi-Fi 5 】 11ac
http://e-words.jp/w/IEEE_802.11ac.html
『IEEE 802.11acとは、無線LAN(Wi-Fi)の標準規格の一つで、5GHz帯の電波を用いて433Mbps~6.93Gbpsの高速なデータ通信を行うことができる仕様。IEEE 802.11nの後継となる第5世代の規格で、IEEE(米国電気電子学会)でLAN技術の標準を策定している802委員会が規格の策定を行なっている。』
『IEEE 802.11nと同じく、複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)が採用され、最高4本だったアンテナ数が8本までに拡張された。さらに、電波に指向性を持たせて同一周波数で同時に複数の端末と通信できる「マルチユーザMIMO」(MU-MIMO)に対応し、電波の利用効率が向上している。周波数帯域は最高で40MHz幅だったものが80MHz幅あるいは160MHz幅まで利用できる。変調方式も64QAMまでだったのが256QAMまで利用できるようになっている。
通信速度は帯域幅(40/80/160MHz)やMIMOのアンテナ数、変調方式によって異なり、最も基本的な1アンテナ、80MHz、256QAMの仕様では433Mbpsとなる。各要素を段階的に高度化させることにより、867Mbps、1.73Gbps、3.47Gbps、最高で6.93Gbpsまで速度を引き上げることができるが、製品の種類や出荷時期によってどこまで高度な仕様に対応するかは異なる見通し。また、この値は物理層における理論上の最高通信速度であり、ソフトウェアなどにおける実効スループットはこれよりも低くなるほか、アクセスポイントと端末の距離や同時に接続する端末の数などによっても速度は低下する。』
IEEE 1394は、知らなくても、DV端子はパソコンとディスプレイの接続にフツーに使ったりしている人は、けっこういるんじゃないか…。IEEE 802.11acは、知らなくても、最近買った無線LANの親機(または、子機)にその規格を使っている、と言う人はけっこういるんじゃないか…。
そういう普段使っているパソコン・コンピュータ周りの「規格」を、決めているのが、この団体なわけだよ…。
だから、生臭いライセンス供与の問題とか、特許の使用許可の問題とか、果ては敵を出し抜いての特許申請の問題とか、「規格」決定に至るまでの暗闘、饗応、賄賂まがいの受け渡し、騙し、駆け引きとか展開されるわけだよ…。どこの世界も、同じ(おんなじ)だ…。
『特許問題
IEEE 1394は複数の企業にまたがる複数の特許技術が採用されており、当初、その利用には個別にライセンスを受ける必要があった。一方で類似規格であるUSBでは、デバイスの製造には製造者の申請こそ必要なものの、特許使用料自体は無料であった。この事により多くの中小企業が参入の難しいIEEE 1394ではなくUSBを選んだと言われており、USBを用いた玩具など幅広い製品が発売された。
このIEEE 1394に関する複雑な特許問題は、早くから特許を保有する企業群の間でも問題視されており、1999年5月には共同ライセンスプログラムを発表し、1デバイスあたり1ライセンスで25セントの特許料支払いで解決できるようになった。 ただ、1デバイス1ライセンスであるため、1企業1ライセンスと単純なUSBほどの広がりは見せていない。』
ここにも書かれている通り、企業が主体で技術開発する限り、いずれは投下した資本を、回収する必要がある…。回収できなければ、当然、担当者や管理者・役員の責任が問われ、関係者の処分にまで発展することがある…。世の中、そういうものだ…。
このファーウエイとIEEE問題に関するネットの声を、拾ったので、紹介しておく。
『査読前の論文を先に読んだファーウェイの科学者がその情報を利用して自社に有利なことをして、アメリカに害を及ぼすのを防ごうとしてるんだよ。』『査読させると漏洩したりしてたのかな?』『漏洩つうか寄稿者が特許の手続き始める前に査読申請きてたのをパクって特許申請してたとか』『完全に詰んだと思ったら死体をさらにボコボコにアメリカが本気出すと怖えな』
『標準規格まで全部中国で揃えるのは、無理ですよね?』『これが米国を敵に回すということなんだよ。この恐ろしさを大日本帝国は70年以上前に味わったはずなんだが、なぜか中国は歴史に学ばず再び米国を敵に回してしまった。』