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メンタルを鍛えるは、果たして可能か?
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/27960342.html『トレーダーとして年単位で相場と向き合うと、色々と学習する事があります。良くトレードについて言われるのが、メンタルが強いだの、メンタルが鍛えられるだの言う事です。これは、嘘です。相場と何年向き合おうとも、メンタルが強くなる事はありません。
では、大きな損失や含み損を抱えても、なぜ習熟したトレーダーが冷静でいられるかと言えば、それまでの経験則で、問題が発生した時、手持ちのカードであらゆる可能性を考えて、対処をしないと、後に問題が大きくなるばかりである事を知っているからです。つまり、大損失が出た、大きな含み損を抱えたといって、動揺してオロオロしている場合ではなく、頭をフル回転させて最善策を模索しないと、より問題が大きくするので、頭を抱えて陥った状況を嘆いている暇など無いというのが正解です。
これは、腕の良い職人が、どんな状況でも、お金の取れる仕事にしてしまうのと一緒です。腕の良い職人というのは、もちろん、素晴らしい結果を出す高い技術に対しての賛美ですが、同時に様々な問題のある状況からでも、依頼人からお金を支払っても良いと思われるだけの仕事に仕上げる能力にも向けられます。全ての状況で、万全の体制で仕事ができるわけでなく、時には不本意な道具と最悪な環境で、仕事を行わなくてはいけません。また、神でもない限り、まったくシクジらない事もあり得ません。それでも、最終的にお金になる仕事にするのが、腕の良い職人です。起きてしまった事、陥った事態に頭を抱えても、状況は好転しません。リカバリー力があってこその腕です。
トレードも同じで、メンタルが鍛えられたから、悪い状況でも冷静なのではありません。悪い状況と判断したら、検討可能な手を、早い段階で打つ必要があるから、落ち込んでなんていられない。それが、現実のトレードです。それを、周りから眺めるとメンタルが強く見えるだけです。そもそも、メンタルなんて、常に自分の限界に挑戦しているアスリートでもない限り、普通の人間に鍛えられるものじゃありません。
あの、すっかり有名になった2chで書き込みをしていた敏腕トレーダーのB.N.F氏も、億単位の損出を出した時には、キーボードを叩き壊した事があるそうです。ただ、彼のすごいところは、結果が出た事に囚われず、次に打つ手をすぐに考えられるところです。悪い状態、結果の出た事に囚われて、いくら嘆いても状況は変わらない。これを、長くトレードをやっていると、身につくから周りから鋼のメンタルを持っているように見えるだけです。
こう書くと、トレーダーだからと言って、一般の仕事と何も変わりません。経験からくるリカバリー力に支えられた安定した仕事振り。それに保証された報酬。どの仕事でもベテランと言われる人には、当てはまる事です。何かしら、特殊な事だと考えるほうが、おかしいのです。よって、安定して長く相場で生き残れるトレーダーというのは、何も特別な事はなく、淡々とやるべき事を日々行い、犯した過ちを反省し、経験を未来に活かすという事を繰り返すのみです。
それゆえ、何かコツや手法を教わったからといって、その人のトレードが見違えるように上達する事は、ほとんどありません。ただ、物事には例外というのが必ずあって、一般人が眺めると魔法でも使っているようなスピードと練度で、特定の事をこなす天才がいます。稀にそういう、才能というギフトを受けた人が、鬼のような成果を示す事があります。それは、そもそも真似する事ができません。だから、トレードに対して、セミナーや情報商材が、考え方の参考にはなっても、トレード技術の向上の役には、殆ど立たないのです。 』
(ジジイの基本的スタンス)
『(個人投資家の特長)
1、「勝つ」必要がない…。「大きく負けなければ、それでよし。」別に、他人の資産を預かっているわけでは無い…。「負けても」、「負けましたな…。ちょっと、貧乏になりましたな…。」と言って、「お粥」をすすっていれば、それでいい…。
2、時間を「味方」につけることが、できる。別に、「四半期(3か月)」毎に「査定」され、ヘタすると「馘首」される…、ということも無い…。「100年に1度」と言われた「リーマンショック」(日経平均は、9000円を割り、8000円台となった)に見舞われても、7-8年も経過すると、また1万8000円台まで回復して来たりする…。
そのためには、「現物」だけをやり、「先物」には手を出さない…。借金したり、信用取引に手を出したりしない…。健康に気をつけて、できるだけ「長生き」する必要がある…。』
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人権についてどのように理解すべきか―中国人専門家が「我々の考え」を紹介
https://www.recordchina.co.jp/b888070-s25-c100-d0198.html


『 米国や米国に近い立場の日本や西欧諸国では、新疆などについて「中国での人権問題は深刻だ」とする声が大きい。しかし中国側は「人権問題が深刻なのはむしろ米国」と主張している。西南政法大学人権研究院の張永和院長はこのほど、中国メディアの中国新聞社の取材に応じて、人権問題についての中国側の考えを紹介した。以下は、中国新聞社が発表した記事に日本人読者の理解を助けるために、若干の補足内容を追加して再構成したものだ。
【その他の写真】
■米国が強制労働を叫ぶのは、自国の黒人奴隷の記憶と関係?
米国は、新疆ウイグル自治区では綿花収獲について強制労働が存在するとして、米国企業に対して関連品の輸入を禁止した。しかし、西南政法大学人権研究院の調べによると、新疆において綿つみは、高収入を得られるので人気のある仕事だ。新疆では、綿つみのシーズンになると休暇を取る労働者もいる。工場などが追加賃金を提示する場合もあるが、綿つみの方がさらに稼げる仕事だからだ。
新疆ウイグル自治区の綿花収獲
このように、新疆にはいわゆる「強制中絶」や「強制労働」は存在しない。一つ一つの事例で分かるように、米国は新疆関連問題などを持ち出しては事実と異なる理由をつけて中国を圧迫している。米国はかつての、黒人を奴隷として綿畑で強制労働させた光景を故意に、中国の新疆に「接ぎ木」しているのかもしれない。
翻って米国は、自国に存在する深刻な人権問題をわざと無視している。そして、事実を捏造(ねつぞう)して人権問題を理由に他国を非難して、圧力を加えて制裁するのは、米国の常とう手段だ。新疆問題についても、このことが改めて示された。
■人権とは固定されたものでなく、社会の発展状況により異なる
人権とは、人類文明が共通して求めてきたものだ。どの国家もそれぞれが、自らの人権問題に取り組むことができる。そして中国の人権に対する理解や扱いも、自国の発展とともに進歩してきた。
中国は西側諸国の人権概念を認めることができる。しかし中国は、人権概念は多様と認識している。さまざまな国や地域では、人権やその他の権利は異なって理解され実現されるとの考えだ。
西側諸国の人権についての主流の考えは、「人権とは天(神)から与えられたものであり、確定したものだ」である。中国人の研究者は、人権の発展は段階的なものではないかと議論している。すなわち、国の発展段階が異なれば、社会や文化の構造が異なるので、人権の理解や人権問題で実現できることにも違いが生じるとの考えだ。中国は例えばアフリカの一部国家の人権状況や概念が西側や中国とは異なることに理解を示ことができる。
しかし西側諸国は人権について狭い理解をしている。そして西側諸国が人権問題で中国など他国を批判し続けるのは、外交などで自らが優位に立とうとする「利益」のためだ。
一方で、中国は人権問題について「発言は少なく行動は多く」の姿勢だ。2019年に中国で発表された白書「人民の幸せを図る:新中国における人権事業の発展70年」では、中国が人権関連で多くの努力と貢献をしたことが示されている。
■人権問題の論争で、中国は主導権を握ってよい
中国の人権事業の発展は現在のところ、「受動」から「能動」への転換期にある。米国など西側の一部国家は中国に対して、いわゆる「人権外交」の攻勢をかけ、常にいざこざを起こしてきた。中国は自らの潔白を示す反論をせねばならない。そのため中国は人権問題について、しばらく「受動」の状態を続けざるをえないかもしれない。
西南政法大学人権研究院の張永和院長
しかしながら中国はすでに、人権関連の作業で転換期をすでに迎えている。2020年から21年にかけては、西側諸国に存在する人権関連の構造的な問題が露呈した。新型コロナウイルス肺炎の流行に対しての西側国家の実績はひどいものだ。死亡した人が過去に経験した大戦争における戦死者よりも多いということは、人権の中でも最も基本となる生存権すら保障されていないということではないのか。
中国はこれらの問題を指摘して反論してきた。特に米国については、人権侵害が顕著だ。例えば、米国には多くの児童労働者が存在し、2003年から16年にかけて児童労働者452人が労働災害で死亡したとの、米国メディアによる報道もあった。中国は米国における人権問題の状況を総括して、相手が仕掛けた言葉の罠(わな)から飛翔して主導権を握る必要がある。(構成 / 如月隼人)』
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中国が台湾侵攻を決断へ その日、日本が〝戦場〟になる
日米戦略協議の深化を急げ
村野 将 (米ハドソン研究所研究員)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/25441




『「台湾危機はどれほど切迫しているのか」。長らく台湾の安全保障をめぐる問題は、日米の外交・防衛当局者や一部の専門家など、ごく一部の限られた人々の関心事項に過ぎなかった。しかし、今や台湾問題は、メディアで最も頻繁に取り上げられるようになった国際政治上の課題の一つと言っても過言ではない。』
『米国内でも別れる「切迫した脅威」への見解
台湾の安全保障への関心が急速に高まる直接のきっかけとなったのは、2021年3月9日にフィリップ・デイビッドソンインド太平洋軍司令官(当時)が行った「台湾への脅威は、今後6年以内(筆者注:2027年)に明らかとなる」との議会証言であった。また、これに続く3月23日の議会公聴会では、デイビッドソンの後任となるジョン・アクイリノ現インド太平洋軍司令官が「(中国による台湾侵攻の脅威は)多くの人が考えているよりも切迫している」と証言し、関心の高まりに拍車をかけた。
事実として、台湾に対する中国の軍事的圧力は日に日に強まっている。例えば、中国軍機による台湾の防空識別圏への侵入は増加傾向にあり、21年10月4日には、12機のH-6爆撃機や36機のJ-16戦闘機を含む計56機の侵入が確認された(20年9月に台湾国防部が中国軍機の動向を公表し始めて以来、最多)。その後、台湾の邱国正国防部長は、10月6日に行われた立法院の国防予算審議の中で、「中国は2025年には全面的に台湾に侵攻できる能力を持つ」とさえ語っている。
しかしその一方で、日を追うごとに高まる台湾問題への危機感をトーンダウンさせるような動きも見られるようになっている。米軍トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は、6月17日の議会公聴会において、「中国にとって台湾は、依然として核心的利益だ。しかし、現時点で台湾を軍事的に統一しようという意図や動機もほとんどなく、(中略)近い将来にそれが起きる可能性は低いと思う」と証言している(11月3日、ミリー氏は「(近い将来とは)向こう半年から1、2年」という意味だとも述べている)。
同様に、日米の中国専門家の中にも「米軍と衝突する可能性の高い台湾本島への本格的な武力侵攻は、政治的にも軍事的にもハードルが高く、習近平にとってリスクが大きすぎる」「台湾情勢は世間で騒がれているほど切迫しているわけではない」という声は少なくない。
必要なのは危機への予想ではなく、危機を防ぐ具体策
台湾危機は差し迫っているのか。こうした観点から、世間やメディアの関心が高まるのは自然なことではある。しかし、国際情勢の変化は、地震や台風などの自然災害のように、個人や国家の意思が及ばないところで、ある日突然起きるものではない。それは国家間の意思や能力の相互作用の中で生じるものであるから、各国が「今、何をするか」によって、将来起こりうる事態の性質やそのタイミングは自ずと変化する。
台湾有事が起きれば、それがどのような形であったとしても、日本も当時者となることは確実であり、決して傍観者ではいられない。こうした点に鑑みれば、われわれにとって重要なのは、台湾危機や米中戦争が起きるか起きないかをあたかも占いのように予想することではなく、それらの危機をできる限り遠ざけるために、「今、何をしなければならないのか」という視点に立って直面する課題を捉え直すことである。』
『台湾をめぐって危機が発生する状況としては、明示的な武力行使を伴わないグレーゾーン・シナリオから、離島に対する限定侵攻シナリオ、経済・情報封鎖によって中国との外交交渉を強制するシナリオ、そして台湾本島への全面的な武力侵攻シナリオに至るまで、さまざまなシナリオが考えられる。しかし一つ確かなのは、これらの現状変更行動はいずれも中国側から開始されるということだ。言い換えれば、中国の台湾に対する強制行動はどのような形であれ、中国に対する抑止が「失敗」することによって始まる。
対中抑止が「失敗」する可能性
では、台湾をめぐる対中抑止の「失敗」はどのように生じるのだろうか。台湾は、米国の軍事的な後ろ盾無くして、自身の存立を維持することはできない。したがって、中国の台湾に対する誘惑を思いとどまらせることができるかどうかは、米国が介入するか否かにかかっている。
当然ながら、米国が台湾を防衛するにあたり西太平洋地域に戦力を投射する場合には、日本はその最重要拠点となる。それゆえ、日本が米国の台湾防衛作戦を支援するかどうかも、対中抑止の成否を分ける死活的に重要な要素となることには留意すべきだ。しかし、日本もそれ以外の米国の同盟国も、まずは米国が介入することを決断しなければ、独力で台湾を守ることはできないことから、やはり米国の行動が決定的な重要性を持つことに変わりはない。
その上で、台湾をめぐる対中抑止が失敗するケースとしては、大きく分けて2つの原因が考えられる。
一つは、米国が台湾防衛に十分な能力を持っているにもかかわらず、その能力を行使しない場合。もしくは米国に台湾防衛の意思があったとしても、中国に対してそれが正確に伝わらず、「米国は介入してこないだろう」との誤算に基づいて、中国が台湾に手を出してしまう場合である。そしてもう一つは、米国の台湾を防衛するための能力自体が欠けている場合である。
危機の原因が中国による米国の意思の見誤りにあるのだとすれば、そうした危機は、台湾に対する米国の防衛コミットメントの意思をより明確かつ具体的にすることで未然に防止することができる。外交問題評議会会長のリチャード・ハースらが提唱している「戦略的曖昧性」の見直しなどは、その一例と言える。
しかし、宣言政策の修正によって抑止できるのは、東沙諸島や南沙諸島の太平島などの離島を短期間で奪取して既成事実化を試みようとする場合のように、中国が米国の介入可能性を相対的に低く見積もっているシナリオに限られるだろう。
中国は米国の介入「意思」だけでなく、「能力」を見る
中国が最終的に台湾本島への侵攻にエスカレートしうるような武力行使を決断するとすれば、それは中国指導部にとって失敗の許されない極めて大きな利益のかかった作戦となる。失敗した場合に被る政治的リスクの大きさに鑑みれば、中国指導部が台湾への本格侵攻に着手する際に、「米国は介入してこないだろう」などという不確実な期待に賭けて行動を起こすことは考えにくい。
だとすれば、中国が本格的な侵攻を決断するのは、米国が介入してくることを覚悟した上で、たとえ衝突に至ったとしてもそれを実力で退けることができるという自信をもった時ということになる。
この場合、中国は米国の介入「意思」ではなく、介入「能力」を低く見積もることによって行動を起こすのであるから、本格的な侵攻は、米国政府がどんなに力強い言葉で台湾防衛の意思を示したとしても、中国の目標達成を実力で拒否する能力が伴っていなければ阻止できない。
米中関係をめぐっては、「中国は、米国と本気で戦争することを望んでいるわけではない」と説明されることがある。しかし、こうした説明は台湾をめぐる対中抑止政策を考える上ではほとんど意味がない。』
『多くの中国専門家が指摘しているように、現在の中国指導部が、本格侵攻による武力統一以外のオプション(例:武力による脅しを背景とした強制や親中世論の醸成)を優先的に追求しているのだとすれば、それは武力統一に伴う米国との衝突リスクを高く見積もっていることの裏返しでもある。
逆に言えば、米国の介入能力が低下してしまえば、中国は武力衝突に伴うリスクが低くなったと判断して、台湾に対してより大胆な脅しをするようになるであろうし、実際に武力統一に乗り出す誘因も高めてしまうことになる。つまり、中国の強制力を弱めるにしても、本格侵攻を阻止するにしても、米国が十分な介入能力を保持しておくことは中国に対処する上での絶対条件なのである。
中国は日本の基地を無力化させる力持つ
改めて整理すると、「中国が台湾へ本格侵攻する可能性は当面低い」との評価は、武力統一が失敗するリスクが高いとの前提に則っており、そのリスクは主として、①米国の介入と、②着上陸侵攻能力の不足に由来する。
だが近年中国は、米国の介入を阻止するための能力を驚くべき速さで向上させている。中でも注目すべきなのは、中距離ミサイル戦力、爆撃機戦力、艦艇・船舶の建造能力、そして核戦力の増強傾向である。
第一に、中国の中距離ミサイル戦力が増強され続けてきたことは、日本でもようやく一般に認知されるようになってきた。しかし、その増強ペースは専門家でも〝度肝を抜かれる〟ほどだ。日本では北朝鮮のミサイル発射が注目されがちだが、中国が20年に実験や訓練などで行った弾道ミサイル発射は250発を超える。これは同年に中国以外の国で行われたミサイル発射を全て足し合わせた数よりも多い。
ミサイル本体や移動式ランチャー(車載型のミサイル発射装置)の増産も著しい。例えば、米軍の一大拠点であるグアムを攻撃範囲に収める射程4000キロメートルの中距離弾道ミサイル(IRBM)DF-26のランチャー数は、18~19年のたった1年間で80両から200両へと2倍以上に増加している。
19~20年にかけてはランチャーの増勢は見られなかったものの、DF-26のミサイル本体については約200基から300基へと100基分の予備弾が増産されたことが確認されている。また、日本を射程に収める準中距離弾道ミサイル(MRBM)は、19~20年に100両分が増産されて計250両となった上、ミサイル本体に至っては19年に150基以上とされていたものが、20年には600基と凄まじい勢いで増産されていることが明らかになった。
しかもこれらの増加分の多くは、DF-17と呼ばれる極超音速滑空ミサイルだとみられる。21年の時点で、DF-17が即時投入可能なMRBM戦力の約4割を占めていると仮定すると、20年代後半にはこれらの増勢がさらに進んで、南西諸島を含む西日本の自衛隊基地・在日米軍基地の大半が開戦と同時に瞬時に無力化されてしまうという状況が現実味を帯びてくる。これは日本の防衛態勢を考える上で極めて憂慮すべき事態である。
さらに言えば、MBRM戦力の増勢はより射程の長いDF-26に運用上の柔軟性を与えることにも繋がる。これまでにもDF-26は、DF-21Dと並んで「空母キラー」と称されてきたが、ランチャーの増勢によって同時発射能力が強化されたことに加え、予備弾が追加されたことで、DF-26は空母のような高価値目標に限定することなく、イージス艦や補給艦などのその他の艦艇にも使用されうる対艦弾道ミサイル(ASBM)となりつつある。
このままDF-26の増勢傾向が続けば、危機の際にマラッカ海峡などのシーレーンを封鎖しようと東南アジアやインド洋の東側に展開する米軍や同盟国の艦艇にも脅威がおよぶ可能性が出てくる。
先行使用の可能性も見せる
またDF-26が艦艇を攻撃できるほどの命中精度を持っているとすれば、それは地上目標に対する精密打撃能力としても用いられる可能性がある。これはレーダーや無人機の管制システム、指揮統制ネットワークなどの地上ユニットが、第一列島線はもとより第二列島線内のどこにいても、常にDF-26の攻撃に晒されるリスクがあることを意味する。』
『DF-26の増勢に憂慮すべき理由は他にもある。それはDF-26が核・非核両用のIRBMだということだ。元々、中国のミサイル戦力はICBMと短射程の戦術ロケットを除けば、その大半が核・非核両用の運用能力を持っているとされている。ただし、これまで中国は、安全のために平時には核弾頭をミサイルから分離して保管していると言われており、それが核の先行不使用(no first use: NFU)政策を一定程度裏付けるものと見られていた。
ところが、近年情報機関や専門家による分析の結果、人民解放軍のミサイル部隊は、即応性向上の観点から、戦闘準備態勢と厳戒態勢とを絶えず繰り返すローテーション訓練を定期的に行なっている様子が確認されている。中でもDF-26を運用する旅団は、前線で通常弾頭と核弾頭を素早く交換する訓練を実施しているとみられる。
これは従来の定説と異なり、核弾頭の一部が平時からミサイルに搭載されたまま、即応状態を維持していることを示唆している。さらに言えば、DF-26が本当に高い命中精度を持っているのだとすれば、なぜ核・非核両用の運用態勢をとっているのかを合理的に説明することは難しい。これらを総合すると、中国のミサイル運用態勢は、核の先行不使用を裏付けるというよりも、むしろ特定の状況下での先行使用可能性を示唆するものだと考えられるのである。
爆撃機戦力の近代化進める
中国の対米介入阻止能力を支える第2の要素が、爆撃機戦力の近代化と増勢である。中国の主力爆撃機であるH-6は、元々1950年代にソ連で開発されたTu-16爆撃機を国産化したもので、ミサイル搭載能力やその投射距離も限定的であった。ところが、2009年から実戦配備が始まったH-6Kは、機体設計やエンジンの改修が行われており、ほとんど別の爆撃機となっている。
その結果、作戦行動半径は3500キロメートルに延伸され、巡航ミサイルの搭載能力も2発から6発に拡張されている。加えて、ミサイル(YJ-18超音速対艦巡航ミサイルなど)の射程も延伸されているため、中国の近代化された爆撃機部隊は、第二列島線内の地上部隊や空母打撃群をスタンドオフ攻撃することが可能となっているのである。さらに近年では、空中給油能力と空中発射型弾道ミサイル搭載能力を持つH-6Nと呼ばれるタイプも確認されており、米国防省はこれをもって中国が核戦力の「三本柱(陸:ICBM、海:SLBM、空:爆撃機)」を完成させたと分析している。
また中国は、旧型のH-6を近代化改修型のH-6K以降のタイプに置き換えるだけでなく、爆撃機戦力全体の規模を拡大しているとみられる。長年米海軍で情報分析や戦略立案に関わってきた経験を持ち、現在は新米国安全保障センター(CNAS)客員上席研究員を務めるトマス・シュガート氏が商用衛星画像を基に中国の爆撃機基地の拡張状況などを継続的に確認したところ、近代化されたH-6の総数は18年時点で200機強、20年時点で最低でも230機以上が配備されていると推定されている(なお、ミサイル搭載能力や運用構想の観点から単純な比較はできないものの、20年時点で米空軍が保有する爆撃機の総数は、B-1、B-2、B-52を合わせて158機である。さらに、米国の爆撃機戦力のうち核搭載能力を持つ機体については、米露間の軍備管理条約である新STARTのカウンティング・ルールに合わせて制約を受ける)。
これらの爆撃機部隊は、有事の際には地上発射型の中距離ミサイルと合わせて、日本やグアムの固定施設や、移動中の海上自衛隊・米海軍艦隊を脅かし、日米のミサイル防衛体制に多くの負荷をかけることになるだろう。
造船は軍、商用の両面でペースを上げる
注目すべき第3の要素は、中国の艦艇建造能力である。ミサイル戦力の増勢もさることながら、中国は艦艇の建造ペースも非常に速い。中国海軍は既に15年の時点で、総隻数という観点からは世界最大の海軍となった。もっとも、これは中国海軍が比較的小型の艦艇を大量に保有することからくるもので、総トン数では未だ米海軍に優位がある。
中国による艦艇の建造・就航は急ピッチで進んでいるしかしながら、この優位は次第に自明視できるものではなくなりつつある。中国が15~19年のうちに進水させた艦艇の総計は60万トン以上と、同じ期間に米海軍が進水させた艦艇の総トン数の2倍に相当する。実際、中国の造船所では、空母や最新鋭の駆逐艦、大型巡洋艦、強襲揚陸艦、潜水艦などが急ピッチで建造されている。これらを踏まえると、中国海軍は35~40年頃までに、総トン数においても米海軍に匹敵する規模となる可能性がある。
これと関連して注視すべき点は、中国の造船ペースの速さは軍だけの傾向ではないということだ。中国は世界最大の商用造船能力を持っており、20年には総計2300万トンもの船を建造している。これが何を意味するのか。前述の通り、中国が台湾への本格侵攻を実行するにあたって大きなリスクとなるのは、米軍の介入可能性に加えて、大規模着上陸侵攻に必要な海上輸送能力が不足しているという点だった。この事実は、米国防省のみならず、多くの軍事専門家の間で共有されている。』
『中国―韓国間のフェリーは「軍民両用」
しかしここでいう海上輸送能力とは、主として中国海軍が持つ軍用の水陸両用艦艇にのみ着目した評価である。正確な時期は明らかではないものの、中国政府は商用の大型フェリーやコンテナ車両輸送船の造船業者に対して、戦時動員された際に国防上の必要性に応じることができることを保証する技術基準証明を発行してきた。
また、中国―韓国間で運行している大型フェリーのプレスリリースには、軍民両用であることが明記されている。実際、近年人民解放軍はこれらの商用船舶を動員して、水陸両用作戦を実施する演習を定期的に行なっている。
これらの商用船舶は非常に大型であり、上記の水陸両用強襲演習に参加したと見られる商用フェリー「渤海玛珠」は約3万3450トンもの大きさがある。先のシュガートらの推計によると、中国が有する大型フェリーは約75万トン、コンテナ車両運搬船は約42.5万トンにものぼり、これらの合計(117万トン超)は中国海軍が現在保有している全ての水陸両用揚陸艦艇の総数(37万トン)の3倍以上に達する(いずれも容積トン換算)。
これらの大型商用船舶の多くは、平時には北部戦区(黄海周辺)と南部戦区(海南島周辺)に近い海域で運行されており、有事の際には速やかに東部戦区に移動して台湾侵攻にあたる部隊を支援しうることから、中国の海上輸送能力を飛躍的に向上させる可能性を秘めている。
もはや「最小限抑止」にとどまらない核戦力
台湾有事を考えるにあたって注視すべき第4の要素が、核戦力の増強傾向である。中国の中距離ミサイルは基本的に核・非核両用能力を持っていること、また近年では爆撃機にも核搭載能力が備わりつつあることは既に指摘した。これらは主として西太平洋地域までをカバーする核戦力であるが、中国の核態勢や核戦略が変化してきていることを伺わせる状況証拠は、米国本土まで到達するICBM戦力の動向にも現れている。
21年には複数の民間専門家が行った商用衛星画像の分析を通じて、中国が最新型のICBM・DF-41用と見られるサイロを200カ所以上建設していることが明らかにされた。米国防省は既に20年版の年次議会報告書の中で、中国がDF-41用のサイロを建設している可能性を指摘していたが、公開情報分析によって、その実態がより詳しく世に知られることになったのだ。
DF-41は1基あたり最大10発もの核弾頭を搭載しうるように設計されたICBMとされている(もっとも、実際に10発の核弾頭を搭載できるかどうかは、弾頭の軽量化技術に拠る)。このことは、米中の戦略的安定性と中国の核戦略にとって重要な意味を持っている。
商用衛星画像で既に場所が特定されているように、固定サイロに配備されたICBMは先制攻撃に対して脆弱性が高い。しかも、1基に複数の核弾頭を搭載したミサイルは、それだけ戦力としての価値が高くなるから、中国としてはこれらが先制攻撃で破壊される前に発射してしまおうという誘因が働きやすく、危機における安定性が極めて悪化することが懸念される(こうした状況を避けるために、米国のICBMは多弾頭搭載能力を持ちながらも、全て単弾頭化されている)。
米国防省は20年版の年次議会報告書から、中国の一部の核戦力が警報を受けた時点で、即時発射できるような態勢に移行しつつある可能性を指摘していたが、多数のICBMサイロの発見はこうした分析により説得力を与える材料になっている。
さらに専門家を驚かせたのが、中国の核弾頭製造能力に関する評価である。中国が保有する核弾頭の数については、20年版の年次議会報告書でも「(現在の200発強から)今後10年で少なくとも倍増するだろう」と見積もられていた。ところが21年版の年次議会報告書では、高速増殖炉や核燃料の再処理施設を建設して、プルトニウムの生産・分離能力の向上が図られていることに鑑み、「30年までに少なくとも1000発の核弾頭を保有することを意図している可能性が高い」と、その見積もりを大幅に上方修正したのである。
世界各国の核態勢に詳しい米科学者連盟のハンス・クリステンセン氏は、長らく中国の核戦力は、報復によって米国の一部の都市だけ破壊しうる最小限の核戦力を保持する戦略(最小限抑止)の下で抑制的に発展してきた、と主張してきた。しかし、そんな彼も「もはや、中国が最小限抑止を維持していると考えることは難しくなった」と認識を改めている(奇しくも、クリステンセンはこれらの新設サイロ群を発見した専門家の1人である)。
中国が行動に出る危険性は高まるばかりまた21年7~8月にかけて、中国が地球を周回する極超音速滑空体の実験を複数行なっていたことも確認されている。中国の報道官はこれを「再利用可能な宇宙機の実験」と説明しているが、米軍関係者によれば、滑空体は「(減速せずに)目標に向かって加速した」と証言している。』
『このことからすると、中国は米国本土のミサイル防衛を確実に突破することを目的として、冷戦期にソ連が開発していた部分軌道爆撃システム(FOBS)と、ブーストグライド型の極超音速滑空体を組み合わせた技術を開発している可能性がある。元々、米国本土のミサイル防衛は、大量のICBMによる攻撃を阻止することは想定されていないため、中国がFOBSを配備したとしても米中間の戦略的安定性に大きな変化はない。しかし、アラスカに集中配備されたミサイル防衛を迂回して米国本土を攻撃できるとなれば、中国は大量のICBMによる大規模核攻撃を伴わない形で、米国に限定攻撃を仕掛けるという、これまでにない段階的エスカレーションの一手段を獲得することになる。
ICBMの増勢やFOBSに相当する技術の蓄積を通じて、中国は米国に対して、両国間の相互脆弱性をより公式な形で認めさせようとしていると考えられる。もし米国本土が容易に脅かされるような状況になれば、中国はたとえ危機がエスカレートしたとしても「米国の核使用を抑止できる」との自信を強めるようになり、結果的に、台湾を含む西太平洋地域におけるグレーゾーンや通常戦力の睨み合いの中で、リスクを厭わない行動を取るようになる危険性がこれまで以上に高まることになるだろう。
今、何をしなければならないのか
このように、中国は台湾有事に際して、米国の介入を実力で阻止する能力を着実かつ急速に構築している。そしてそれらの諸要素は、平時・グレーゾーンにおける台湾に対する強制力行使から、通常戦力による対米介入阻止、そして核エスカレーションの管理に至るまで、全てが相互に連関している。
「中国が台湾の武力統一を試みる蓋然性は高くない」という見通しは、ただ単に現状を説明にしているにすぎない。われわれが自らの能力を高める努力を怠れば、そうした前提は近い将来、覆されてしまうだろう。対中抑止の「失敗」を避けるためには、平時の情報収集・監視・偵察能力から、宇宙・サイバー・電磁波領域を含む各種通常戦対処能力を経て、最終的には米国の核戦力にまで連なる「切れ目のない」能力を速やかに強化する以外にない。
現在バイデン政権は、国家防衛戦略(NDS)や核態勢の見直し(NPR)をはじめとする戦略文書を策定している最中にあるが、岸田文雄政権も同様に、22年末までに日本の安全保障政策の根幹となる戦略文書(国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)を見直すことを表明している。
この点につき、22年1月7日に行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)において、両国は「同盟としてのビジョンや優先事項の整合性を確保することを決意」し、とりわけ日本は「ミサイルの脅威に対抗するための能力を含め、国家の防衛に必要なあらゆる選択肢を検討する」ことを米国に公約した。また両国は、「このプロセスを通じて緊密に連携する必要性を強調し、同盟の役割・任務・能力の進化及び緊急事態に関する共同計画作業についての確固とした進展を歓迎」してもいる。
日米2プラス2では、台湾有事も想定した「緊急事態に関する共同計画作業」への進展も歓迎しているすなわち、今後日米は、同盟の役割・任務・能力の見直しを行う中で、いわゆる敵基地攻撃能力を含む新たな要素をどのように位置付けていくかを議論していくこととなる。そして、「緊急事態に関する共同計画作業」には、台湾有事を想定した共同作戦計画の具体化が含まれることとなろう。
「ミサイル攻撃後」の対応に注力を
抑止とは、本質的に逆説的な概念だ。抑止の「失敗」を避けるためには、もしも抑止が失敗した場合に、可能な限り損害を限定して、戦争を有利な形で終結させるための一連の戦い方=「セオリー・オブ・ビクトリー」をあらかじめ考えておかなければならない。「平和を欲するなら、戦争に備えよ」という古代ローマの格言は、その本質を端的に表している。
前述のように、凄まじい勢いで増強される中国のミサイル脅威に対し、既存のミサイル防衛態勢による対処が困難なのは明らかだ。緒戦のミサイル攻撃によって、日本の航空基地の大半が無力化されてしまえば、基地機能を復旧させるまでの間、航空自衛隊や米軍の戦闘機の多くは飛び立つことすらできなくなってしまう。
よって、日本に必要な長距離打撃能力を、F-35やF-15などの航空機をベースとした空中発射型のスタンドオフ防衛能力(長距離巡航ミサイル)の延長線上で考えるのは適切ではない。
中国の戦略計算を変えうる「ゲーム・チェンジャー」となるのは、精密誘導が可能な中距離弾道ミサイルと極超音速滑空ミサイルだ。既に中国側が圧倒的な優位を持つ緒戦のミサイル攻撃を防ぐのではなく、滑走路、格納庫・掩体壕、弾薬庫、燃料貯蔵庫、レーダー施設、通信施設、指揮統制システムなどの固定目標を弾道ミサイルによって瞬時に「狙撃」する態勢をとり、ミサイル攻撃に続く爆撃機の発進や、戦闘機による航空優勢の確保を阻止することに注力するのである。』
『中国の台湾侵攻作戦は、宇宙・サイバー・電磁波攻撃による情報システム、早期警戒・ミサイル防空態勢の弱体化→ミサイル攻撃による防空態勢の物理的な破壊→海上・航空優勢の確保・機雷敷設などによる封鎖網の確立→着上陸作戦の実施、というように逐次的に設計されており、いずれかの段階で作戦が行き詰まると、作戦全体が頓挫するという問題を抱えている。つまり、最初のミサイル攻撃に成功したとしても、その後台湾や東シナ海周辺での海上・航空優勢の確保が難しいとなれば、そもそも中国側から攻撃を始める誘因自体が低下するはずである。
日米は核兵器も含めた戦略策定を
次期防衛大綱・中期防の策定にあたって、日本政府は陸上自衛隊に中距離弾道ミサイル部隊を編成し、今後5年以内に実戦配備することを真剣に検討すべきである。ミサイルの長射程化は、ペイロードの増加に伴ってより破壊力の大きな(通常)弾頭の搭載を可能にするだけでなく、配備地点の柔軟性を高めることとなる。
例えば、射程2000キロメートル級のMRBMであれば、ランチャーを九州にも配備した場合でも、中国沿岸から約1000キロメートル以内に位置する航空基地を13分以内に攻撃することが可能だ。一方、射程4000キロメートル級のIRBMであれば、ランチャーを北海道の演習場などに配備した場合でも、約20分で同様の目標を攻撃することができる。2000キロメートル遠方から発射することで生じる約7分の時間差は、固定目標を攻撃する上ではほとんど問題にならない。
同様の効果は、米陸軍が開発を進めている射程約2800キロメートルの極超音速滑空ミサイル=LRHW(Long-Range Hypersonic Weapon)によっても得ることができる。米国は23年末までにLRHWのプロトタイプの配備を開始する予定であるが、中国は日米のような広域のミッドコースミサイル防衛システムの配備が進んでいないことから、通常の弾道ミサイルであっても有効な打撃を与えることは可能である。したがって、中距離弾道ミサイルと極超音速滑空ミサイルであれば、開発・配備・量産までにかかる期間が短い方を優先して取得・配備すべきであろう。
これらの新たな打撃力が中国の台湾に対する誘惑を思いとどまらせ、地域の安定化に寄与するためには、米国がより高次――核レベル――での優越を維持し、中国が「核の影」をちらつかせてエスカレーション管理の主導権を奪おうとするのを阻止する努力も必要だ。だが、日米が配備する地上発射型の中距離ミサイルに、核弾頭の搭載を検討する必要はない(米国が開発している中距離ミサイルは全て通常弾頭用であり、そのことは国防長官を含む高官らによって何度も強調されている)。
死活的に重要な米国の核戦力は、危機における安定性を悪化させないためにも、非脆弱な環境で運用されるべきであり、その役割は今後もSLBMが担い続けることが最適だからだ。この点において、18年以降に導入された低出力核SLBMは、即時対応可能な事実上の戦域核戦力としてエスカレーション・ラダーの隙間を埋める重要な役割を果たしている。
先の日米2プラス2共同発表において、米国は「核を含むあらゆる種類の能力を用いた日米安全保障条約の下での日本の防衛に対する揺るぎないコミットメントを改めて表明」した上で、両国は「米国の拡大抑止が信頼でき、強靱なものであり続けることを確保することの決定的な重要性を確認」した。類似の文言は、過去の日米共同文書にも盛り込まれてはいるものの、核の役割低減を謳うバイデン政権からこのような言質をとったことには政治的な重要性がある。
2プラス2の冒頭発言において、ロイド・オースティン国防長官が「統合的抑止力」の重要性に言及したように、今日必要な抑止力のあり方を考えるにあたって、核とそれ以外の要素を切り分けて議論することはできなくなっている。今、日米に必要なのは、グレーゾーンでの抑止から核エスカレーションの管理までを一体のものとして捉えた、真に統合的な同盟の抑止戦略に他ならない。
この文脈において、日本が打撃力を持つことは、核を含む日米双方の能力をいつ、どのように、どの目標に対して使用するかに関する作戦計画立案とその実行プロセスに、日本がより主体的に関わるためにも必要不可欠と言えるだろう。』
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中国、揺らぐ土地神話 細る地方政府「打ち出の小づち」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1527Q0V10C22A1000000/



『中国の地方財政が悪化している。習近平(シー・ジンピン)指導部の不動産規制で、地方政府の土地収入が落ち込んだためだ。2021年10~12月の実質経済成長率は一段と減速したが、積極的な景気対策も打ちにくい。「需要は崩れない」という土地神話が揺らぐ現場を取材した。
【関連記事】中国経済「ゼロコロナ」の重荷 1~3月も停滞継続か
中国東南部に位置する江西省の省都、南昌市。市中心から20キロメートル離れた経済開発区域にある、一面茂みに覆われた3万平方メートル超の土地を訪れた。市が21年秋、マンションや幼稚園の建設用地として競売にかけたが、誰も入札に応じなかった売れ残りだ。
「全国展開の大手が資金繰り難で入札どころではなくなった。地元業者にはそもそも入札資格なんてないよ」。同市の開発会社幹部、徐さん(52)は入札不調の背景をこう語る。
南昌市では21年の国有地使用権の売却収入が7割減った(買い手が付かなかった住宅用地、江西省ホームページより引用)中国の不動産開発は、地方政府がまず競売を通じて、国有地の使用権を開発企業に売る。中国の不動産サイトによると、南昌市の売却収入は21年、前年比7割も減少した。21年は住宅用地の供給を2割近く増やす計画を立て、売却収入の増加を見込んでいたが、目算は外れた。
主因は習指導部の不動産投機に対する規制の強化だ。住宅ローンや開発企業向け融資を厳格化した。新規の投資が減るとともに、住宅需要も縮小しマンション在庫がだぶついた。南昌市では21年9月から12月まで新築物件価格の前月比下落が続く。4カ月連続は7年ぶりだ。
仕入れにあたる土地の需要も減った。国有地使用権の売却収入を全国ベースでみても、21年1~11月は前年同期比4%増だった。20年までの2ケタ増から失速した。
影響は大都市にも及ぶ。北京市が21年12月に実施した入札対象に「優良物件」が含まれた。市中心から車で20分ほどのエリアで、商業地や繁華街への交通の便も良い。人口流入が続く首都で使用権が売りに出た土地は、これまで郊外が多かった。
北京市中心から車で20分という「優良物件」でも応札したのは国有企業系の不動産開発会社1社のみだった
民間の開発会社の資金繰りが厳しくなるなか、同市は底堅い需要が見込める優良物件を入札にかけて、応札を促そうとしたとみられる。ただ応札したのは国有企業傘下の開発会社1社のみ。落札価格も市が指定した最低価格だった。「優良物件でも入札は盛り上がらないのか」。北京の不動産関係者はため息をついた。
不動産規制が強まるまで、地方政府は土地使用権の売却収入への依存を深めてきた。一般会計に相当する一般公共予算と売却収入を管理する基金(特別会計)を合わせた地方の独自収入は20年、19兆元(約340兆円)だった。売却収入の割合は遡れる10年以降で初めて4割を超えた。
中国不動産データ研究院によると、中国の主要12都市は売却収入が一般公共予算の歳入を上回る。浙江省杭州市や江蘇省南京市など省都も含む。「打ち出の小づち」をなくした地方財政は逼迫度が一気に高まるリスクも否定できない。
地方の歳入減を受けて、公務員の手当やボーナスの削減、遅配が広がっている。「20年の年末ボーナスは21年12月になってようやく払われた。これが最後のボーナスかな」。四川省にある市で働く劉さんはあきらめ顔で語った。社会保障や教育など公共政策やインフラ投資の重荷にもなりかねない。
21年10月、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は政府が固定資産税に相当する不動産税を試験導入することを認めた。マンション投機を抑えつつ、土地使用権の売却収入に代わる地方財政の歳入源を育てる狙いがある。
ただモデル都市の選定は難航しているもようだ。共産党関係者は「マンション市場に与える影響を考えれば、地方税収に貢献するような主要税源には当面ならない」と見通したうえで、こう付け加えた。「指導部が強調するように、党や政府の機関は財政的に苦しい日々を送り続けなければいけないんだよ」(江西省南昌市で、川手伊織)
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
柯 隆のアバター 柯 隆 東京財団政策研究所 主席研究員 コメントメニュー
分析・考察
中国では、土地は地方財政のラストリゾート(最後のよりどころ)。
しかし、都市開発・不動産開発をどんどん進めればいいというものではない。
不動産経済の弊害は技術イノベーションを伴わないうえ、農地の減少をもたらす。
無秩序な都市再開発により、都市がどんどん拡大し、統計的に都市化率が上がって、経済が成長するかもしれないが、食糧難の問題が心配される。
40余年前、改革・開放初期、中国の一人当たりの居住面積はわずか3㎡だった。今は35㎡を超えた。これ以上広いところに住めば、将来、飢えが深刻化する恐れがある
2022年1月18日 8:01
山田邦雄のアバター
山田邦雄
ロート製薬 代表取締役会長
コメントメニュー分析・考察
中国が改革開放以来の30年間に目覚ましい経済発展を遂げ得た理由はいくつも考えられるが、一つは外国の資本と技術を導入し、当時は豊富で安かった労働力を武器に世界の工場となった事だが、加えて政府主導で強力に産業/投資政策を推し進める事が出来たのが大きい。
それは政治的というよりは、むしろ財力があったことによる。
その源泉が国有である土地の開発権を売る「打ち出の小づち」だ。
大きくは戦後の日本と相似する経済発展戦略だが、違うのは日本の政府はこのような魔法は使えず、税収で様々工夫するも全く追い付かず、今や巨額の財政赤字が積みあがって身動きできない。
これからの中国はそういう意味では「普通の国」になるのだろうか。
2022年1月17日 21:40 』
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Alexis Moran and Tracey Shelton 記者による2022-1-16記事「How the Hunga Tonga-Hunga Ha’apai volcano erupted and why it caused tsunami warnings」
https://st2019.site/?p=18362※ こっちは、また、「水蒸気爆発説」だな…。
※ おそらく、「学者様」の間でも、未だ確立した「定説」は、無いものと思われる…。
『「フンガトンガ・フンガハアパイ」火山は、海底火山である。それが水蒸気爆発した。
豪州国立大学の教授が解説する。この海底火口は「フンガトンガ」島と、「フンガハアパイ」島の間に位置している。
この海底火口は15年くらい前からずっと活動を続けている。
2015年の噴火では、火山灰の雲が高度9000m以上までも形成されたため、トンガ発またはトンガ着の民航便がいくつもキャンセルされている。
記録では、2009年、1988年、1937年、1912年にも顕著な噴出があった。
海底火口で水蒸気爆発が起きた。瞬間的に大空虚が水中に生ずるが、すぐにそこに海水が押し寄せて空虚を埋める。その動きで津波が生まれる。
トンガの主島には高さ1mの津波がやってきた。また、地面震動はセベラル分も続けて感じられたという。
海底火山のこんどのような大爆発は、まったく予知することは不可能である。つまり、地震予測よりも、難しい。
また教授いわく。これから数ヵ月後には、豪州海岸に「軽石」が漂着するから、気をつけよう!』
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SBSグループ 鎌田正彦社長インタビュー(上) 裸一貫から年商4000億円
2021年2月1日
https://weekly-net.co.jp/news/113422/
『留学資金をためるために上京した青年が、「稼げる」を理由に入社したのが、佐川急便だった。半年で辞めるつもりが、物流の面白さに気づき、気が付けば8年を費やしていた。佐川を辞めた鎌田正彦氏は昭和62年12月、東京都江東区に軽貨物事業を手掛ける関東即配を立ち上げる。
将来に大きな夢を描き、その目標にまい進したという同社は平成15年、ジャスダックに念願の上場を果たした後、M&Aで次々と物流子会社をグループ化、企業規模を拡大していく。同18年にSBSホールディングスに商号を変更すると、同24年に東証二部、翌年には東証一部へ上場を果たし盤石の基盤を固め、同30年にリコーロジスティクスを、そして昨年11月には東芝ロジスティクスのグループ化に成功した。名もない吹けば飛ぶような軽貨物会社が、約30年で年商4000億企業へと変貌を遂げた。成長のキーを「上場とM&A」と指摘する鎌田氏は、次なる目標である「ロジの日本一、年商1兆円」へ向け、アクセルを踏み込む。
宮崎県で生まれ育った鎌田氏は、地元の高校を卒業すると、同級生が大学へ進学するのを横目に、違う道を進もうと進学をやめ上京する。
当時、母親の妹がスイスにある国連に勤めていた関係で、スイスへの留学を志す。「貿易商になろうと思っていた」と鎌田氏は振り返るが、まずはその留学資金を貯めるため、働く場所探しからスタートした。
新聞広告で佐川急便の求人を見つけた同氏は、「初任給が37万円、3か月後には月給53万円との文字が魅力的で、ここなら半年で留学資金が貯められる」と思い、佐川急便へ入社する。19歳の時だ。
留学資金を貯める半年間のはずだったが、いざ働いてみると、「過酷な現場ではあったが、同時に物流の仕事の楽しみも分かってきた」と、気持ちに変化が生まれ、上司の慰留もあり結局、留学を諦め、同社に残り、気が付けば8年が経っていた。
貿易商として起業を考えていたという同氏は、8年を経て、物流での起業を描くようになっていた。昭和62年、佐川を辞めた同氏は、軽貨物事業を手掛ける関東即配を設立する。
佐川時代に培った営業力とノウハウで、仕事を増やしていくが、協力会社探しに手間取った。佐川という冠を捨てた同氏に、同業他社も冷ややかで、しばらく協力を得られない逆風が続いた。
「こんなことで負けてたまるか」。28歳になった同氏は、その逆風をばねにし、仕事に没頭した。「あの時の逆風が、仕事へのモチベーションになり、今もそれが源流にある」と、同氏は振り返っている。
5年後、逆風を乗り越えた同社は年商25億円を計上していた。会社として成り立ってきたと感じた鎌田氏は、同社の将来像について考えるとともに、目標を立てた。創業10年で年商100億円、同20年で1000億円、そして同30年で2000億円を目指そうと。
20年で1000億円という目標は、当時25億円程度の売り上げの会社がなかなか描けない目標である。しかし、鎌田氏には目算があった。
そのキーとなるのがM&Aである。同氏は、「急に出てきた会社が何千億円の売上げになるには、M&Aしかない、当時からそう考えていた」というが、この時すでに同氏の頭の中には、M&A戦略があった。
しかし、まだ設立して5年で、年商25億円という売り上げでは知名度もなく、M&Aをやろうにも誰にも見向きもされない。そんな会社で果たしてM&Aができるのか。
実際、当時自動車メーカーの物流子会社の売却話があり、その情報は鎌田氏の耳へも届いた。M&A戦略を描く同社にとって千載一遇のチャンスでもある。すぐにコンペに参加したという同社。相手は、物流大手といわれる総合物流会社。同社は鎌田氏1人でプレゼンを行うが、相手は10人もの人間がやってきて組織的にプレゼンをする。軍配は火を見るより明らかだった。中小企業では決して真似はできない。資本力の差をまざまざと見せつけられたという。
「M&Aを成功させるには、もっと力をつけなければいけない。会社の規模を大きくしないといけない」ということを同氏は学んだ。しかし、一方で、「年商数百億円の売り上げの会社を数十億円で買えるということが新鮮に感じられるとともに、そこに大いなる可能性も感じた」という。
加えて、「メーカー系の物流会社は今後、親会社と切り離されて売られていく時代が来るということを確信した」ときでもあった。
(続く)』鎌田正彦
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%8E%8C%E7%94%B0%E6%AD%A3%E5%BD%A6 -
中国製EV、日本の宅配業者にじわり浸透-圧倒的な低価格武器に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-01-16/R5O8RQT0G1KW01
『コロナ禍での宅配需要の高まりを受け、SGホールディングスが運営する佐川急便など日本の宅配業者が配送用の車両として中国製の電気自動車(EV)を活用するケースが増えている。地域の集配所から届け先までの短距離であれば航続距離も問題になりにくく、コスト削減を重視する業者の選択肢に入るようだ。
relates to 中国製EV、日本の宅配業者にじわり浸透-圧倒的な低価格武器に
SBSホールディングスが使用を予定している中国製EVトラック
首都圏の「即日配送」を売りに急成長したSBSホールディングスは、東風汽車集団系など中国の自動車メーカーが生産するEVトラックの導入を予定している。同社は今後5年で自社の車両2000台をEVに置き換えるという。佐川急便は広西汽車集団が生産する7200台の低価格EVを活用する。
SBSの鎌田正彦社長は、中国製EVを導入した理由について日本のEVが自社が求めるコスト基準に満たなかったためだとしている。さまざまな国内自動車メーカーと話したものの「価格が下がらない。どうやっても無理だ」と言われたため、安い車を選んだと説明。「高いトラックがあるから運賃を値上げしてくださいとは言えない」と話した。
新型コロナウイルスの感染拡大により自宅で過ごす時間が増えたことで日本でもインターネットを通じた商取引が急増した。それに加えて日本政府が2050年までに13年比で温室効果ガスの排出量を46%減とする目標を掲げたことで、今後は国内でもEVの普及ペースが速まる可能性がある。
SBSは最終的には約1万台の商用EVバンを保有する計画。こうした小型のトラックは一回の満充電で200キロメートルの走行が可能で、価格は380万円程度という。
SBS即配サポートの総務部次長、宮原朗氏は数年にわたって使用した場合の電池の性能については心配だとした上で、現状では夜間に12時間充電すれば問題はないとの認識を示し、宅配業者が「ラストワンマイル」で使用する分には航続距離は大きな問題にならないと述べた。
中国の自動車メーカーはEV比率が非常に低い日本の市場に可能性を見出している。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が出資するBYDは既に日本のEVバス市場で約7割のシェアを握っており、 30年までに4000台を普及させることを目指している。
EV推進に向けて中国政府が多額の補助金を出していることもあり、EVの平均購入価格は欧米で上昇しているのに対して中国では下落している。自動車市場に関するデータ会社である英ジャト・ダイナミクスは昨年8月のリポートで、中国ではEVの新車が最も安い場合で4200ドル(約50万円)で買えるのに対し、欧州では1万7880ドル、米国で2万8170ドルと大きな開きがあった。
かつて隆盛を誇ったものの中国製の安い製品に駆逐されて没落した日本の家電産業の連想から、国内自動車メーカーの先行きを悲観視する向きもあるが、高い安全性が求められる車では信頼性で不安が残る中国製が市場を席捲することは難しいという声もある。
日本の自動車メーカーには、このまま何もしなければ中国勢にやられてしまうという高い危機感があるとSBSの鎌田氏はみている。一方で自動車調査会社、カノラマの宮尾健アナリストは現時点では中国のEVメーカーに価格面で優位性があるが、「3年後も最先端でいられるかは全くわからない」と述べた。
日本のトラックメーカーも対策を取り始めている。いすゞは22年にEVトラックの量産を始める予定。日野自動車は今年の初夏に「日野デュトロ Z EV」を市場投入する。それに先立ち、国内宅配最大手のヤマトホールディングスと共同で日野製のEVを用いた温室効果ガス削減効果や集配業務の効率性の実証にも取り組む。
SBSの鎌田社長は日本勢のEVトラックの価格はこれまでのディーゼルのトラックに比べて3倍程度になると見込まれるとし、物流企業のコストに見合うのは難しいだろうと述べた。』
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中国実質4.0%成長に鈍化、10~12月 昨年通年は8.1%
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM152530V10C22A1000000/
『【北京=川手伊織】中国国家統計局が17日発表した2021年10~12月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比4.0%増えた。7~9月の4.9%増から減速し、20年4~6月(3.1%)以来の低さとなった。新型コロナウイルスの感染再拡大をうけた行動制限が経済活動の足かせとなった。環境や不動産など政府の規制強化も響いた。
同時に発表した21年通年の実質GDPは前年比8.1%拡大した。11年(9.6%増)以来の伸びだが、主因は新型コロナで年初の経済活動が止まった20年の反動だ。
21年10~12月の前年同期比伸び率は、日本経済新聞社と日経QUICKニュースが調べた市場予想の平均(3.3%)を上回った。新型コロナ前の19年10~12月と比べると、約11%増加した。
季節要因をならした前期比での伸び率は1.6%だった。7~9月の0.7%よりやや加速した。生活実感に近い名目GDPは前年同期から9.4%拡大した。
GDPと同時に発表した他の統計からも景気の停滞感は見て取れる。
企業部門では、21年通年の工業生産は前年比9.6%増えた。1~9月の前年同期比伸び率(11.8%)より鈍化した。政府が環境規制で電力供給を制限した鉄鋼やセメントの生産は落ち込んだ。
工場の建設などを示す21年の固定資産投資は4.9%増だった。このうち地方経済の下支え役であるインフラ投資は0.4%増にとどまった。バブル抑制を目的とした金融規制で不動産開発投資も失速し、マンション販売も振るわなかった。
家計部門も伸び悩んだ。百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した社会消費品小売総額(小売売上高)は前年を12.5%上回った。1~9月の前年同期比増加率(16.4%)より縮小した。コロナ感染を徹底して封じ込める「ゼロコロナ」政策のもと、厳格な移動制限が外食や旅行、娯楽などサービス業の逆風となった。
景気の停滞で、雇用や所得の回復も勢いを欠く。21年の都市部の新規雇用は1269万人だった。前年比では7%増えたが、新型コロナ前の19年を6%下回った。1人当たり可処分所得の伸びは過去2年間の年平均で6.9%、1~9月時点の同7.1%から鈍った。
内需の不振と対照的に、外需は堅調さを保った。10~12月の輸出入(ドル建て)はともに前年同期から2割超伸びた。輸出から輸入を引いた貿易黒字は最大となった。
中国経済は22年初めも停滞が続く公算が大きくなっている。変異型「オミクロン型」の感染が広がり、移動制限が長引きかねないためだ。米ゴールドマン・サックスは「より頻繁で広範囲な規制が必要になるリスクが高まった」として、22年の実質経済成長率の予測を4.8%から4.3%に引き下げた。
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白井さゆりのアバター 白井さゆり 慶應義塾大学総合政策学部 教授 コメントメニュー
ひとこと解説
昨年10-12月の経済成長率は予想よりも良く、直近の製造業やサービスのPMIの改善とも整合的に見える。
輸出が輸入より大きく伸びており、製造業では設備投資も改善していたことも予想ほど落ち込まなかった原因とみられる。
だが不動産業界の減速、およびコロナ感染者数の急増とそれによる厳格な対応で消費を中心に景気は減速感が強い。
現時点での財政政策と金融政策に大きな変更はないようだ。3月に発表される今年の成長率に注目したい。予想の5%程度を大きく超える設定になれば景気拡大のための大型政策を打ってくる可能性もあるが、過剰債務や不動産バブルを回避したいこれまでの意向は変わらないようにも見える。
2022年1月17日 12:15
上野泰也のアバター
上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
コメントメニュー分析・考察
中国の実質経済成長率は、21年通年では前年比+8.1%になり、政府が掲げた目標である「6.0%以上」をクリアした。
四半期ごとの動きを季節調整済み前期比で見ると一進一退であり、新型コロナウイルスに振り回された面もあるだろう。
今年の政府目標は、3月の全人代で5%台に設定される可能性が高くなっている。
日本では、政府による高めの経済見通しの数字は政策目標の色彩が濃いと言われたことが、かつてあった。一方、中国の場合には文字通り「目標」であり、しかもそれは政治的に事実上「必達目標」である。財政・金融政策を必要に応じて発動しつつ、政府目標は今年もクリアされる可能性が高いとみる。
2022年1月17日 12:59
柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
コメントメニューひとこと解説
想定内の数字だが、CPIがやや過小評価されている感があって、実態はもっと厳しいはず。
とくに第三四半期から急減速しているため、いかにして底上げするかは不透明
2022年1月17日 12:18 』
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習近平氏「経済発展に自信」 ダボス準備会合で講演
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM179KW0X10C22A1000000/
『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は17日、世界経済フォーラム(WEF)のオンライン形式の準備会合「ダボス・アジェンダ」で講演した。減速している中国経済の先行きについて「発展の前途に自信を持っている」と述べ、懸念の払拭に努めた。
2021年の実質経済成長率が8・1%となったことについて「比較的高い成長と比較的低いインフレという二重の目標を実現した」と強調した。
「長期的に良好な経済の基礎的条件に変化はない」とも話した。開放政策を続け、海外からの投資を積極的に受け入れる考えを示した。
中国が経済浮揚のカードと位置づけるのが経済連携協定の推進だ。習氏は環太平洋経済連携協定(TPP)とデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)の加盟に向けて交渉を加速する考えを示した。
市場では習氏が旗を振る「(ともに豊かになる)共同富裕」が経済成長の阻害要因との見方がくすぶるが、習氏は「平均主義をやるのではない」と力説した。
「まずケーキを大きくし、合理的な制度を通じてうまく分け、発展の成果がより多く公平に行き渡るようにしなければならない」と説明した。あくまで経済成長が優先との認識を示した。
台湾や人権問題などを巡り対立する米国を念頭に「対話を堅持して対抗せず、包容をして排他しない」と訴えた。22年秋に共産党最高指導部の人事を決める党大会が控えており、対米関係を安定させたいのが習指導部の本音だ。
一方で「あらゆる形式の覇権主義と強権政治に反対する」と主張。新疆ウイグル自治区など共産党が「核心的利益」と位置づける問題に踏み込めば一切譲歩しない強硬姿勢もちらつかせた。
2月に開幕する北京冬季五輪に関して「簡潔で、安全で、素晴らしい五輪にする自信がある」と表明した。
ダボスの関連会議で演説するのは2年連続。習氏は新型コロナウイルスのワクチンを巡る協力もアピールした。』
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