イタリア極右党首メロニ氏は、「ベルト&ロード」への参加を続けるつもりはないと表明。
https://st2019.site/?p=20329
『2022-9-26記事「Italy likely to leave the Belt and Road under Giorgia Meloni」。
選挙で大勝ちして次の首相になることが確定したイタリア極右党首メロニ氏は、「ベルト&ロード」への参加を続けるつもりはないと表明。
イタリアは2019-3に、BRIに加わる最初のG7国となっていた。』
イタリア極右党首メロニ氏は、「ベルト&ロード」への参加を続けるつもりはないと表明。
https://st2019.site/?p=20329
『2022-9-26記事「Italy likely to leave the Belt and Road under Giorgia Meloni」。
選挙で大勝ちして次の首相になることが確定したイタリア極右党首メロニ氏は、「ベルト&ロード」への参加を続けるつもりはないと表明。
イタリアは2019-3に、BRIに加わる最初のG7国となっていた。』
国連総会、ウクライナ一色 安保理改革で米ロ駆け引き
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN26CD20W2A920C2000000/


『【ニューヨーク=白岩ひおな】ニューヨークの国連本部で開かれていた第77期国連総会の首脳級演説が26日、全ての日程を終えた。期間中にロシアのプーチン大統領がウクライナの親ロシア派支配地域の事実上の併合に踏み切ると考えを示したことに非難が集中し、テーマはウクライナ侵攻一色の国連総会となった。安全保障理事会の改革をめぐる議論も米ロ間の駆け引きに発展しつつある。
安保理は27日午後、ウクライナの要請で緊急会合を開く。安保理は2月にロシアがウクライナに侵攻して以来、ロシアの拒否権行使により法的拘束力のある決議を出せていない。ウクライナのゼレンスキー大統領は21日のオンライン演説で「少なくとも侵攻が止まるまで、国際機関の意思決定からロシアを隔離しなければいけない」と述べ、ロシアの拒否権剝奪を求めた。
安保理は常任理事国である米国、英国、フランス、中国、ロシアに加え、2年任期の非常任理事国10カ国からなる。国連の加盟国数は193カ国に拡大した一方、安保理は非常任理事国を6カ国から現在の10カ国に増やした1965年以来、理事国数は変わらないままだ。
2023年1月から非常任理事国を務める日本の岸田文雄首相は今月20日、安保理改革をめぐり「文言ベースの交渉を開始する時だ」と呼びかけた。バイデン米大統領も21日、常任理事国と非常任理事国の拡大支持を表明。日本やドイツなどを念頭に「われわれが長らく支持してきた国」の常任理事国入りを望むと語った。
ただ、具体的な交渉の進展は見通せない。シンクタンク国際危機グループ(ICG)のリチャード・ガウエン氏は米国の改革支持は「安保理改革にアレルギーを持つロシアや、日本の影響力拡大を懸念する中国に対抗する巧妙な外交的駆け引き」だと指摘する。
ウクライナ侵攻が長期化し、中国やインドもロシアに一定の距離を置く姿勢を示すなか、孤立回避を探るロシアも安保理改革を駆け引きの材料に利用し始めている。
ロシアのラブロフ外相は24日、アフリカ、アジア、ラテンアメリカの理事国枠を増やし、インドとブラジルを加えて「より民主的」な安保理にするよう訴えた。日本やドイツは「米国の命令に従っているだけだ」などと主張し、両国がめざす常任理事国入りを支持しない方針も明確にした。
安保理改革への支持をアピールすることで西側諸国に対抗し、アフリカや中南米諸国などを取り込む思惑が透ける。ブラジルのボルソナロ大統領は20日「外交・経済における(ロシアの)孤立に反対する」と呼びかけた。
一方、こうした動きを警戒する声もあがる。アフリカ連合(AU)議長を務めるセネガルのサル大統領は「アフリカは歴史の重荷に十分苦しんだ。新たな冷戦の温床になることは避けたい」と述べた。
ロシアとウクライナの仲介役を果たすトルコも、安保理改革をめぐる議論の主導を探る。エルドアン大統領は20日「安保理がより民主的で説明責任を果たせるようにすべきだ。世界は(常任理事国の)5カ国より大きく、より公平な世界は実現可能だと強調し続ける」と訴えた。トルコは12カ国で安保理改革を議論するパネルを主催し、ニューヨークでも16日に会合を開いた。
ウクライナ侵攻に焦点が当たり、11月に第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)を控えた気候変動対策をめぐる機運は停滞気味だった。モルディブのアブドラ・シャヒド外相は、産業革命以来の地球の気温上昇を2度未満とし、1.5度以下をめざすとしたパリ協定の目標を念頭に「小規模な島しょ国の発展途上国にとって、1.5度と2度の差は死を意味する」と警鐘を鳴らし、温暖化対策を呼びかけた。』
“肉のないハンバーガー” IPEFはうまくいくのか?
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013831021000.html
※ 今日は、こんなところで…。






『ますます激しくなるアメリカと中国の覇権争い。経済の分野でその争いが先鋭化しているのが、成長著しいアジア太平洋地域です。アメリカは中国に対抗するため、経済連携の枠組み、IPEF(アイペフ)=インド太平洋経済枠組みの閣僚級会合を9月初旬に開催し、4つの分野で交渉を開始することで合意しました。
ただ、経済連携にとって最も重要な関税の撤廃や引き下げが含まれず、日本のある政府関係者は“肉のないハンバーガー”と揶揄(やゆ)します。最近はパテに肉を使わないヘルシーハンバーガーでおいしいものにも出会いますが、IPEFバーガー、果たして“おいしく”なるのでしょうか?』
『 “肉のないハンバーガー”
「IPEFが“肉のないハンバーガー”と言われても仕方ない。ただ、この地域にアメリカが関与することが何より重要なんだ」
日本政府の担当者がそう打ち明けます。
9月8日から2日間、アメリカ・ロサンゼルスで開かれたIPEFの閣僚級会合。
IPEFの閣僚級会合(9月8日)
初めてとなる対面での会合で▽半導体など重要物資のサプライチェーンの強化や▽デジタル技術を活用した貿易の円滑化など4つの分野で閣僚声明を公表。
インドが「貿易」に参加しなかった以外は、すべての国が4つの分野で交渉を始めることになりました。
会合を終えたアメリカのタイ通商代表は記者会見で、その意義をこう強調しました。
タイ通商代表
「政治状況や優先順位などが異なる14もの国が参加することは困難なことだが、我々の野心と革新を示す閣僚声明をまとめることができ、うれしく思っている」
通商では関税撤廃・削減は常識
通常、経済連携協定といえば程度の差はあれ、関税撤廃や引き下げが含まれるのが常識でした。
TPP署名式前に各国の閣僚(2018年3月)
代表格でいえばTPP=環太平洋パートナーシップ協定です。
農林水産品など幅広い品目で関税を撤廃することで合意。2018年12月に11か国で発効しました。
2019年に発効した日本とEUの経済連携協定(EPA)も、2022年1月に発効した日本や中国、韓国などが参加するRCEP=地域的な包括的経済連携も関税撤廃や引き下げが大きな柱となっています。
しかし、IPEFには関税分野が含まれていません。
トランプ前大統領による離脱があだに
なぜ、IPEFには関税についての項目がないのでしょうか。その要因はアメリカのトランプ前大統領にあります。
TPPからの離脱の命令書を示すトランプ大統領
TPP交渉で日本は国内の反対意見もあるなか、厳しい交渉を経て合意にたどり着きました。
しかし、アメリカはトランプ政権になったとたん、「自由貿易はアメリカの雇用を奪う」として、いとも簡単に離脱。
ASEAN=東南アジア諸国連合の国々が多く参加するTPPからの脱退は、「アメリカのアジアからの撤退」とも受け止められました。
この離脱があだとなり、この地域での影響力を高めたい中国にとっては、まさに棚ぼた=棚から牡丹餅、願ってもない状況となりました。
就任式で演説するバイデン大統領(2021年1月)
こうした中、TPPを推し進めたオバマ政権で副大統領を務めていたバイデン大統領が就任。
TPPへの復帰が期待されましたが、関税撤廃や引き下げが含まれるこの協定は国内の労働者から反発の声が根強いとして慎重な姿勢を貫いています。
トランプ前大統領の離脱決断によって、反TPPの世論が労働者中心に根づき、中間選挙を前にとても動ける状況ではないというのが今のバイデン政権の実情です。
放置すれば中国の覇権に
しかし、そうこうするうちに中国も加わるRCEPも発効し、着実にアジア太平洋地域で中国の経済的な存在感は高まる一方です。
中国 習近平国家主席
焦ったアメリカがいわば苦肉の策としてひねり出したのが、IPEFです。国内世論の反発を最小限に抑えつつ、なんとかこの地域への経済的な関与を強めたいとの思いからです。
IPEFの閣僚会合前、アメリカ政府の関係者からは「参加国の間には、IPEFに深く関わって中国が報復してきたら、アメリカが償ってくれるのかという思いが根底にある。強い熱意は感じられない」との声が漏れ聞こえてきました。
それでもアメリカはこだわっています。現状を放置すれば、世界のGDPの40%を占めるインド太平洋地域で中国の覇権を許すことにつながるからです。
日本の政府高官もこう語ります。
政府高官
「インド太平洋地域の大国が中国だけ、というのは“悪夢”だ。何としてもアメリカに踏みとどまらせないといけない」
ハードルを下げる
日米が神経質になっていたのは実際の交渉に加わる国の数です。
IPEFは、すべての分野の交渉に参加する必要がなく、国ごとに参加する分野を選択できるようにしています。経済連携としては異例の“緩い”枠組みです。
参加のハードルを下げるための措置ですが、多くの国が交渉に加わらない可能性を指摘されていました。
交渉参加国を少しでも増やすため、日米がテーマの1つとしたのが、世界が抱える構造的な課題=「サプライチェーンの強化」と世界で急速に進む脱炭素への取り組みでした。いずれも、各国に重くのしかかりながら、単独の国では解決が難しいテーマです。
日本の政府関係者は、過去のTPPやRCEPといった経済連携では想定されておらず、脱炭素などは中国が旗振り役を担うことが難しいとして、「うまいところを突いた」と満足げに語りました。
カギとなった大国インド+インドネシア
特に気を配ったのは、経済規模の大きいインドとインドネシアの参加でした。インドはTPP、RCEPともに、インドネシアはTPPに参加していないためです。
今回の閣僚級会合に先立ち、今月、アメリカのレモンド商務長官はインドに、西村経済産業大臣は、インドネシア・バリでのG20エネルギー相会合のあと、すぐにジャカルタに移動し、担当閣僚と会談しました。
そして、IPEF閣僚会合の前日・7日、ロサンゼルスに到着して両者は会談、それぞれの成果を持ち寄り、すりあわせを行いました。
西村経済産業相とインドネシアの経済担当調整相
その結果、インドネシアはほかの12か国とともにすべての分野への交渉参加を表明。
当初から一貫して「貿易」への不参加を表明していたインドもふたを開ければ「貿易」ではオブザーバーとして議論に参加したいと自ら提案するなど前向きな姿勢を示しているということです。
アジアから見るといまだ不信感も
ではIPEFの交渉は今後、うまく進むのでしょうか。
視点をアジアに変えると違った風景が見えてきます。特にIPEFの交渉に7か国が参加することになったASEANからの視点です。
まず、ASEAN10か国と中国との経済的な結びつきの強さです。
JETRO=日本貿易振興機構のまとめによると、ASEANの貿易総額の相手国構成比は中国が2010年に12%だったのが2020年には19.4%へと大幅に拡大したのに対して、アメリカは2010年に9.2%だったのが10年間で11.2%へと増えはしたものの、微増にとどまっています。
最大の貿易相手国として中国との経済関係が重みを増すなかで、どこまでアジア各国がIPEFを重視するか、懐疑的な見方も根強いのです。
また、アメリカへの不信感が拭い去れていないとの見方もあります。
トランプ前政権ではASEAN軽視ともとれる対応が続きました。
バイデン政権になって是正されるのかと思いきや、2021年12月にアメリカが主催した「民主主義サミット」ではASEANから招かれたのはマレーシア、インドネシア、フィリピンの3か国だけ。
世界100以上の国と地域が招待されたのにシンガポールやタイなどは招待されず、何を基準にアメリカに選別されたのかと不信感が強まったと指摘されています。
とりあえずの“入場券”か
ASEANの経済情勢に詳しい泰日工業大学の助川成也客員教授は次のように分析しています。
泰日工業大学 助川成也客員教授
助川教授
「IPEFの交渉分野の1つには労働や環境分野なども想定されているが、これらの分野はRCEPにも含まれておらず、ASEANがこれまで導入を回避してきた分野であるため、交渉は紆余曲折も予想される。
また、バイデン政権は通商交渉について議会から権限を与えられることが必要な大統領貿易促進権限(TPA)を有していない。IPEFについて議会の承認を得ず、行政協定によってこの枠組みの大部分を実施しようとしているが、非常に不確実だ。
ことし11月の中間選挙や2年後の大統領選挙の行方次第で、交渉結果自体が無に帰す可能性もある。IPEFへのASEAN各国の交渉参加はあくまでアメリカとの関係のうえで入場券を買っただけに過ぎないのではないか」
インド太平洋地域に空白は作れない
TPPからの脱退という、日本から見ればいわば失策を犯したともいえるアメリカ。こだわるのが具体的な形です。
アメリカ政府の元高官は、「バイデン政権の4年の任期が切れるまでには何らかの形で正式に発足させるだろう」と話します。
いまのアメリカには、経済成長が著しく、また中国の海洋進出もあって緊張感も高まるインド太平洋地域に空白は作れないという危機感があります。
日本もアメリカと危機感を共有しつつ、一方で中国との経済的結びつきも維持したいとの思いもあり、難しい対応を迫られています。
アメリカと中国、2つの大国の覇権争いの激化はこの地域を一段と不安定にしています。
「肉のないIPEFバーガー」がおいしくなるのか、そうでないのか。この地域における役割を冷静に、そして多様な角度から見ていくことが日本にとっても重要になりそうです。
』
中国はなぜゼロコロナを堅持するのか 解除したら医療崩壊し膨大な死者を招く
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220925-00316698






『中国がゼロコロナ政策を維持しているのは、解除したら医療崩壊して数百万人以上の膨大な死者が出る可能性があるからだ。中国の医療資源の実態と、それに沿って行われたシミュレーションの結果を考察する。
日本では、中国がなぜゼロコロナ政策を堅持しているかに関して、「習近平が自分の権威を保つため」とか「独裁体制を崩さないため」といった批判が多く見られ、最近では「三期目を批判する党の長老たちを家に閉じ込めておくため」といった、「奇想天外」な邪推までが横行し、呆気に取られている。
中国のゼロコロナ政策が中国自身および世界の経済成長に与える影響が無視できないだけでなく、あまりに目に余る的外れな批判を見るにつけ、このままでは中国の真相を知ることも出来なくなり日本国民に不利益をもたらすと判断し、書くことにした。
◆中国の医療資源の実態
まず中国の医療資源の実態に関してご紹介しよう。
中国には「粤(えつ)開証券」というマクロ研究リポート(証券研究報告)があって、2022年4月14日に<コロナ下における医療資源比較:中国の31省市区(自治区)と36都市に基づく分析>というリポートが掲載されている(以下、リポート)。作者は羅志恒氏だ。分析に用いているのは、中国政府側あるいは各行政区分省庁が出している公報のデータである。非常に長いので、各都市に関するデータの紹介は省いて、全国の医療資源分布図をお示ししたい。
まず全体的なデータを見てみよう。
たとえば「医師数」では、「国際統計年鑑2020」によると、2017年の高所得国では1000人当たりの医師数は「3.1人」であったが、中国では「2.0人」にとどまった。 2021年までに、1000人当たりの中国の医師数は「3.0人」に増加しているが、2017年当時の高所得国基準を満たしていない。
看護師数では、WHOの「世界看護報告書2020」によると、2018年の世界平均看護師数は1000人当たり3.7人で、そのうち8.3人がアメリカ、7.9人がヨーロッパだ。それに対して中国では、1000人当たりの看護師数は2.9人だった。2021年には3.5人に増加したものの、2018年の世界平均にさえ達していない。
では中国における医療資源の分布を見るに当たって、人口密度が必要になってくるので、まずは人口密度分布を見てみよう。
1.中国の人口密度分布
これはリポートのデータではなく、国連の国際連合児童基金に掲載されている「中国統計年鑑2018」に基づいて作成された人口密度分布を以下に示す。
出典:国際連合児童基金に掲載されている「中国統計年鑑2018」のデータ
人口密度の高い行政区分地域は、特別行政区も含めれば上から順に「マカオ、香港、上海、北京、天津、江蘇、広東、山東・・・」となっている。全体としては東海岸が高く、北西地域が低くなっているのは歴然としている。簡体字のママだが、図2以下と比較しながら判読をお願いしたい。
では、この基本情報を頭に入れた上で、リポートによる医療資源分布を見ること
にする。
2.1000人当たりの医師数に関する分布
出典:粤開証券研究院が各行政区分の統計公報に基づいて作成したデータ
明らかに新疆ウィグル自治区やチベット自治区における人口当たりの医師数が少ないことが見て取れる。西部地域は人口が少ないにもかかわらず、人口当たりの医師数が少ない。
吉林省や江西省が多いのは、省内の人が都会に出稼ぎに行っていて、人口密度が低いために相対的に多くなっているとみなすことができる。
広東省が比較的少ないのは逆に、ハイテク企業が急激に集まったために人口密度が高いからである。
3.1000人当たりの看護師数分布
出典:粤開証券研究院が各行政区分の統計公報に基づいて作成したデータ
同様に吉林省、江西省、陝西省が多いのは、出稼ぎに出て、人口が少ないせいだ。
4.1000人当たりの病院ベッド数分布
出典:粤開証券研究院が各行政区分の公報に基づいて作成したデータ
北京や天津などで低いのは、胡錦涛政権時代に人口が集中したからで、習近平政権になってからは「新型城鎮化計画」や「京津冀」計画で大都市への人口集中軽減を図ったが、なかなか解消されるには至っていない。
広東省は逆に習近平政権になってからハイテク企業の突進とともに人口が急増したので、人口当たりとなると非常に小さな値になっている。
5.病院数分布
出典:粤開証券研究院が各行政区分の公報に基づいて作成したデータ
これは人口当たりの数ではないので、その地区の医療資源度合いが、そのままに出ている。四川省は面積も広く、軍関係の病院も多いので値が大きくなっていると思われる。
6.各地区における高性能病院の数
出典:粤開証券研究院が「中国衛生健康統計年鑑2021」に基づいて作成したデータ
三甲病院というのは「甲乙丙」の「甲」で、レベルが高いことを意味し、「ベッド数501以上などの条件を満たす大型病院」で、かつ「評価点数が1000点満点で900点以上の高級病院」であることなどを指す。ICU(集中治療室)も備えている。
面積のわりに北京に多いため、人口当たりの数もトップだ。チベットはあの広い地区に三甲病院が9つしかないが、人口が少ないため人口当たりの数は多い。
四川省の三甲病院数が多いのは全体的レベルの割に面積が広いことと軍系列病院が多いことが影響しているかもしれない。山東省は自身の経験から言うと、かつてのドイツ租界の影響が至るところで見られた関係もあるだろう。広東が多いのはハイテク企業の進出によるためだろうが、これら三地区とも人口密度が高いため、人口当たりの三甲病院数は少なく、コロナの感染拡大には大きな影響をもたらすリスクを孕む。
その他、各行政区分地区の財政力も関係してくると思うが、あまりに長くなるので、ここでは省略する。
◆ゼロコロナを解除した時の死亡者数シミュレーション
以上述べた以外にも、非常に複雑に絡んだ医療資源状況があるが、概ねこのような医療資源状況を基礎として、以下のような初期条件の下で行ったシミュレーションの結果が2022年5月10日公開のNature Medicine(volume28,pages1468–1475)に、Modeling transmission of SARS-CoV-2 Omicron in China(中国におけるSARS-CoV-2オミクロンのモデリング伝播)というタイトルで掲載された。
【初期条件】
(1)2022年3月1日に20人のオミクロン感染者が中国人集団に導入された。
(2)シミュレーション開始時の再生数は、上海での流行の初期段階(2022年3月1日から3月8日まで)の推定値に一致させ、1人が3.4人に感染させるものと想定した。
(3)2022年3月1日から、不活化ワクチンのブースター用量が1日当たり500万回分の速度で展開されると設定した。
(4)一次ワクチン接種スケジュールを少なくとも6ヶ月までに完了した個人の90%がブースター接種を受ける。
【シミュレーション結果】
一、厳格なNPI(非医薬品介入=Non‐Pharmaceutical Intervention=公衆衛生的介入)がない場合、2022年3月に中国でオミクロン変異型が導入されると、COVID-19症例の津波を引き起こす可能性があることを示唆した。
二、6ヶ月間のシミュレーション期間にわたって、このような感染は1億1,220万例(1,000人あたり79.58人)見られた。
三、その内、510万人の入院(非ICU)入院(1,000人あたり3.60人)が見られた。
四、510万人の内、270万人の患者がICUに入院(1,000人あたり1.89人)した。
五、その間、160万人が死亡した(1,000人あたり1.10人の死亡)。流行の主な波は2022年5月から7月の間に発生した。
六、以上より、約3ヵ月の間に約160万人近くが死亡することがわかった。(結果、以上)
これに関して中国政府系の中国日報(チャイナ・デイリー)は、7月18日、<コンピュータ・シミュレーションが、なぜゼロコロナを堅持しなければだめかを示してくれた【コンピュータ・シミュレーションの動画は、中国がもしゼロコロナ政策を放棄したら、どうなるかを教えてくれた】>というタイトルの動画を発信した。
Natureの論文を基にしながら、一般庶民にわかりやすく、端的に解説している。
――集中治療室ICU の需要が急増しており、白い曲線をすぐに超えていることがわかります。空いている ICU のベッドは、これまでになく感染者で埋め尽くされます。病院は混乱状態にあり、ICU のベッドは絶望的に不足しており、集中治療室のキャパシティは予想を超えています。ピーク時には、ICUの需要は現在の容量の 15.6 倍に達すると予想されています。
と危機感を以て警鐘を鳴らしている。つまり完全に医療崩壊するのである。
◆習近平は犠牲者の上に経済を築くのか、それとも犠牲者を抑えて経済成長を目指すのか?
以上より、もしゼロコロナ政策を解除したら、中国の医療資源では3ヵ月で約160万人が死去することが分かった。
いま日中米の累計死者数および総人口に占める割合を略記するならば以下のようになる。
日本(総人口1.2億人) : 累計死者数4.4万人(死者数は総人口の0.035%)
中国(総人口14億人) : 累計死者数5000人(死者数は全人口の0.0004%)
アメリカ(総人口3.3億人):累計死者数100万人(死者数は人口の0.32%)
習近平は今、この累計死者数が増加しないようにゼロコロナ政策を堅持している。
もし、3か月間で約160万人が死んでもいいと考えることが許されるなら、ゼロコロナ政策を解除し、経済成長に集中することができる。その代りに、一回の感染流行期間3ヵ月間で約160万人が亡くなるので、日本やアメリカのようにほぼウィズ・コロナで動いたとすれば、数回の流行の波が来て、その都度、類似の人数が犠牲になると考えた場合、数回のコロナ流行の波により約1000万人が命を落とすことになる。もちろんウイルスの種類が違うことによる微小なシミュレーション初期条件の調整をしなければならないが、犠牲者の数は大差ないだろう。
それら犠牲者の上に経済繁栄を築き上げるのか、それとも命の重みを重視して、ゼロコロナ政策を堅持するのか。
それは時の為政者の判断に委ねられることにもなろう。
日本では習近平が独裁であるがゆえに、あるいは権威を保つためにゼロコロナ政策を解除しないと非難しているが(中には党の長老を家の中に閉じ込めておくためにという奇想天外のこじつけをする人もいるが)、逆に習近平がゼロコロナ政策を解除すると指令した時、今度は「ならば、この膨大な数の犠牲者をどうするつもりだ!」とか「人命を軽視するのか!」といった、逆方向の批難も出てこないわけではない。
少なくともわれわれに言えるのは、「習近平がなぜゼロコロナ政策を堅持するのか」、その真相(客観的事実)を知っておく必要があるということだ。
中国日報の動画の最後に、「春はまた巡ってきて、春が来れば、また花が咲く。しかし人の命は一度失ったら、二度と戻ってこない」というフレーズがある。
私は1948年晩秋、7歳のときに、中国共産党に食糧封鎖された長春を逃れて難民行をしている内に体力尽きて地面に倒れたことがある。そのとき私のそばに野あざみの花が逞しく咲いていた。
アザミになりたい――!
アザミになって何年も咲き誇っていたいと、薄れゆく意識の中で思ったものだ(詳細は拙著『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』p.187-188)。
あのとき毛沢東は「長春を死城たらしめよ」と命令し、数十万の庶民が餓死したが、習近平は毛沢東のように「屍の上」に繁栄を築くのか、それとも経済発展を抑えてでも人命を重んるのか――。
動画の最後の言葉が胸にしみる。
なお、このコラムは中国問題グローバル研究所のウェブサイトから転載した。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』
対中関係強化のソロモン諸島、首相が国連で「中立」主張
https://www.afpbb.com/articles/-/3425446

『【9月24日 AFP】南太平洋の島国ソロモン諸島のマナセ・ソガバレ(Manasseh Sogavare)首相は23日、国連総会(UN General Assembly)で、同国は中国との結び付きを強めているにもかかかわらず、中立性を維持していると主張し、対中関係をめぐりメディアに誹謗(ひぼう)中傷されていると訴えた。
ソロモン諸島は2019年、台湾と断交し中国と国交を樹立。今年4月には中国と安全保障協定を締結した。一部からはソガバレ氏の権威主義的な傾向を指摘する声も上がっている。
ソガバレ氏は「わが国や他の主権国家を標的にするか、地域や世界の平和を脅かす外部勢力や安全保障機構とわが国が手を結ぶことはない」とした上で、「ソロモン諸島がどちらの側を選ぶか、強制は受けない」と述べた。
さらに、大国が太平洋の覇権を争う中で、ソロモン諸島は「不当で誤った批判の嵐」にさらされてきたと主張。「ソロモン諸島は中国との国交樹立以来、メディアから誹謗中傷を受けている」と訴えた。(c)AFP 』
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:中国でのクーデターは恐らく嘘だが、何かが起きている??
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5374374.html
『まだ噂(うわさ)の域を出ないが、習近平国家主席が人民解放軍PLAの軍事クーデターにより自宅軟禁され、中国共産党CPC (Communist Party of China)から解任されたとの噂が記事で流出した。
習近平国家主席は2022年9月14~15日に中央アジアを訪問し、当ブログの記録でも、9月15日午後、ウズベキスタンのサマルカンド国賓館でロシアのプーチン大統領と2国間会談を行っている。
その間に、胡と温 Hu and Wenは14日の午後、元常務委員の宋平d6387bf2-66e9-469d-b02e-d055b1992754Song Ping, a former member of the Standing Committee:左の説得に成功し、宋はその夜、人民解放軍、中央警備局を掌握した。
江沢民と北京の中央委員会のメンバーには、電話一本で知らされた。元の常務委員は挙手によって、習近平の人民解放軍トップの地位を解任した。
それを知った習近平は、9月16日夜、北京に戻ったが、空港で逮捕された。中国共産党政治局は習近平を更迭し、現在習近平国家主席がは自宅軟禁されている。噂によると、北京の西に位置する河北省に80キロの装甲車の列が移動し、彼は逮捕されているとも書かれている。
また、中国でのクーデターの噂(うわさ)はおそらく嘘だが、何かが起きている とのツイートもあるとtheresa_fallon言う。
中央アジア研究の米国人教授、テレサ・ファロン氏Theresa Fallon:右, a US professor of Central Asian studiesのツートには”中国で軍事クーデターが起き、中国共産党の幹部が習近平をPLAのトップから解任し、逮捕されたという噂がインターネット上で飛び交っている。中国での大規模なフライト中止は単なる軍事演習なのか、それとも何か裏があるのか?” と書かれていると言う。
習近平主席は現在、10月16日の第20回中国共産党全国代表大会The National Congress of the Chinese Communist Partyを控え、国家主席と陸軍のトップとして3期目の5年を目指しているが、最近は上海などの都市でコロナ対策で厳格な隔離政策ロックダウンを行い、国民からの不満が高まっている。英文記事 、、、、名前の出た写真のSong Ping氏はすでに105歳である 参照記事。』
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:期待できない国連だが、改革は必要 中露締め付けは経済同盟で
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5374146.html





『日米豪印4か国の(反中目的の)協力枠組み「クアッドQuad」の外相会合が2022年9月23日、国連総会が開催中の米ニューヨークで開かれた。
会合後、国連改革や国連安全保障理事会の常任および非常任理事国の拡大を支持すると明記した共同文書が発表され,文書には「われわれは、国連安全保障理事会が現在の国際的な現実を反映し、地理的により多様な視点を組み入れるために、国連安全保障理事会の常任および非常任理事国の拡大を含む、統合的な国連改革プログラムを推進することにコミットしている」と記されている。4か国は、国連への全面的な支持を表明した。4か国はまた、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(実施計画)」の実現に賛成した。
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図中のIPEFは、2022年5月20~24日のバイデン米大統領のアジア歴訪で実現した「インド太平洋経済枠組み(IPEF:Indo-Pacific Economic Framework)」で、現在13カ国が参加し、米国の中国への経済制裁を補強する意味合いがあると思える。 過去ブログ:2022年8月これまでにない流動的な国際情勢下の日米中 7月ウクライナ問題で米、欧州の結束強まり米中対決は陸から海上へ
「オーカス:AUKUS」締結は、国連の無力化と不信が生み出した、志を同じくするアングロサクソン海洋民主主義国家の同盟関係を強化した反中防衛同盟である。過去ブログ:2021年9月豪原潜導入からフランスとの契約破棄の舞台裏とオーカス 9月インド太平洋構想の連携強化とオーカス、CPTPP
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これに先立ち、2022年9月21日、米国のジョー・バイデン大統領は国連総会の一般討論演説に臨み、安保理常任理事国の拡大を含む安保理改革を支持した。国連安保理は現在、ロシア、中国、英国、フランス、米国の5か国が常任理事国。ロシアも拡大を支持している。(改革案のひとつである拡大は、常任理事国の議席増を指している)
、、、、、中露が国連改革を認めるうえで、中国は台湾の国家としての承認、露はウクライナ侵攻の停止、ロシアの一方的資源政策という現在進行形の問題に直面する。
これまで通りの対応であれば、中露は拒否権を発動して安保理で、自国が不利になる改革には、議題として協議されることすら反対するだろう。
また、反欧米の国家は多く存在し、国連自体が2極化し、重要な国際問題の協議が毎度「おとぎ話」で終わる状況は国連の無力化を見せつけているが、果して国連改革できるのか?中露は、自らが国際的地位の弱体化に繋がる国連改革に賛成するだろうか?
まずは、明確な国際法違反で侵略を行使する、ロシアの国連での権利停止などできないのかと思うが、これも「おとぎ話」でしかないのだろうか?恐らく、議題になる決議までに数年が掛かり、急がれるウクライナ問題の解決には、今の国連の位置は程遠いのが実際のところだ。しかし、長い目で見ていられない現状で、異端児中露を、欧米日印の種々の軍事、経済同盟が警戒、締め付けを行っているのが実情だ。
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過去、世界が領土拡張と侵略に明け暮れて居たころ、日本は鎖国政策を取り、長く(一般的に1639年から1854年)平和を維持した。
改めてそんな時期と、その後の日本を見直した。幾度かの侵略の危機を乗り越え、戦わずして国体維持は困難として打って出た時期もある。
敗戦では、米軍統治下となり、日本が世界地図から消えるかもしれない危機も経験した。
多くの犠牲を出しながら、しかし今も国と伝統は残り、資源の無い小国と言われながら存在感を維持しているのは世界が驚嘆している。
過去ブログ:2019年5月日本軽視は「あまりにも危険」という中国記事への感想 2017年12月曖昧だが、確実に受け継がれる日本人の宗教観 2016年8月天正遣欧少年使節団の絵画天井裏で新発見 イタリー 2012年5月「鎖国」と「enclosed country」』
中印、ウクライナ侵攻に距離 ロシアは孤立回避に腐心
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN243X60U2A920C2000000/
『【ニューヨーク=白岩ひおな】各国の首脳級演説が続く国連総会で24日、中国やインドの外相が演説し、ウクライナ侵攻を続けるロシアに一定の距離を置く姿勢を示した。一方、ロシアのラブロフ外相は中国が重視する台湾問題をめぐり米国を非難したほか、中印やアフリカ、中南米諸国と会談を重ねるなど世界での孤立回避に腐心している。
「ウクライナ紛争の激化が続くなか、われわれは誰の側に立つのかと頻繁に聞かれる。インドは平和の側にあり、国連憲章とその創設の原則を尊重する側に立つ」。インドのジャイシャンカル外相は24日の演説でこう明言し、早期解決を求めた。
インドのジャイシャンカル外相㊨は24日の演説でロシアへの懸念をにじませた(ニューヨークの国連本部)=AP
米欧はロシアによる侵攻や、23日に始まったウクライナの親ロシア派支配地域でのロシア編入を問う住民投票について、国連憲章違反として非難している。16日にはインドのモディ首相も、ロシアのプーチン大統領との会談で「いまは戦争の時ではない」と懸念を伝えた。
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は24日の演説で「ウクライナ危機の平和的解決に資するすべての努力を支持する」と述べ、対話による解決を優先するよう改めて求めた。プーチン大統領は15日の中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で「ウクライナ危機に関する中国の懸念を理解している」と自ら言及している。
24日の演説で、中国の王毅(ワン・イー)外相はウクライナ侵攻をめぐり、当事者の対話による平和的解決を求めた=AP
中印両国は侵攻以来、ロシアとの伝統的な外交関係から表立った対ロ批判は控えてきた。ただ、プーチン大統領が21日の国民向け演説で核兵器使用を辞さない考えを再び示し、ロシアの言動への懸念が一段と強まる中、中印はロシアと距離を置く姿勢に傾いている。
欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表は23日、ロシアの核の脅しに対し中国とインドが拒否反応を示していると語った。ボレル氏は中国外相との個別会談で核の使用や威嚇に反対する発言があったと明らかにした上で「ロシアは(プーチン氏の)演説の前よりもずっと孤立している」と指摘した。
孤立感を深めるロシアは、各国への働きかけを強める。ラブロフ氏はニューヨーク滞在中、中印のほか、南アフリカなどアフリカ諸国、ブラジルやベネズエラなど中南米を中心に30カ国以上と個別に会談した。
24日に演説したラブロフ氏は「米国は台湾で火遊びし、台湾への軍事支援を約束した」と批判。中国が重視する台湾問題への配慮を強調し、中国の歓心を買おうと努めた。
ラブロフ氏は同日の会見で、ロシアに編入される地域を防衛するために核兵器を使用する可能性を示唆した。「(将来的に)ロシアの憲法にさらに明記される領土を含むロシアの領土は国家の完全な保護下にあり、すべての法律やドクトリンが適用される」と表明した。同国の軍事ドクトリンは核兵器の使用要件を「国家の存在が脅威にさらされた時」と明記し、大統領が決定すると定めている。
22日に開いた安全保障理事会では、核の脅しを強めるロシアへの非難が集中した。ブリンケン米国務長官は「プーチン氏は自らおこした火に油を注ぐために国連憲章、国連総会と安保理を徹底的にないがしろにすることを選択した」と発言した。一方、ラブロフ氏はウクライナへの軍事支援で「西側諸国が紛争を故意にあおっている」などと反論。演説後には退席した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は21日の国連総会でのオンライン演説で、ロシアの拒否権を剥奪すべきだと訴えた。ウクライナ侵攻以降、安保理はロシアの拒否権に阻まれ、法的拘束力のある決議を出せていない。8月の安保理での演説では国連総会にロシアの責任を追及する決議案を提出する方針も示していた。ウクライナの一部地域のロシアへの編入が決まれば、各国の応酬がさらに激しさを増しそうだ。』
習近平氏「強軍思想」の経済学 軍民融合の挙国体制
風見鶏
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM219170R20C22A9000000/



『10月の中国共産党大会を前に、中国人民革命軍事博物館は習近平(シー・ジンピン)中央軍事委員会主席の強軍思想と改革をたたえる特別展を開いた。7月末に来館した習氏は強調した。「あと5年で人民解放軍は建軍100年を迎える。『建軍100年奮闘目標』を全力で実現しよう」
習氏がしばしば言及するこの目標は実は中身が明確にされていない。習氏が3期目の総書記に就けば、5年後の2027年は任期の最終年となるだけに「秘めたる野心」への懸念は強い。
習氏は最高指導者としての10年間で「強軍建設」に加え、陸海空・宇宙・サイバーをつなぐ広大な空間を安全保障の対象とする概念を構築した。26兆円に達するいまの軍事費だけでは足りない。
そこであらゆる資源を活用する挙国体制をとった。代表例が国防と民間のイノベーションの相乗効果を図る「軍民融合」だ。
「海の万里の長城」とも呼ばれる海洋観測網がある。平時は漁業や海洋資源の開発を支援するが、有事は一転して潜水艦や軍艦の偵察網になる。習氏が4月に視察した中国海洋大学の研究院が開発した。衛星や調査船、海底装置など空と海の情報網を連動する。
同事業は別のイノベーションにも連鎖した。海底装置をつくるハイテク企業は昨年、海底技術の蓄積も生かして中国初の海中データセンター事業を発表した。
スマート漁業も安全保障と表裏一体だ。中国の漁船は衛星と連動する民間のアプリで海上でもチャットができ、漁場や魚の市況の情報も入手可能という。便利なシステムを通じて当局は漁船を統制し組織化する。
中国は南シナ海を含む広大な海域を「管轄海域」と主張する。海軍や海警局の船だけでは管理しきれない。100万隻ともいわれる漁船を監視や占拠、他国の海中探査機の回収に使って戦力化する戦略だ。
中国福建省石獅市の漁港から出港する漁船群(22年8月16日)=共同
地方政府や国有企業は次々と軍民融合投資ファンドを設立した。把握可能な20の基金の公開情報だけでも規模は約7000億元(14兆円)に達する。投資先は半導体や人工知能から電磁波、レーダー、ブロックチェーンなど多岐にわたる。
中国が挙国体制をとる一方で、日本は対中戦略でも縦割りが目立つ。
対中国で重要なサイバー防衛も、国家レベルの攻撃をどう抑止するかについて大きな絵図を描く体制はない。中国はあらゆる分野が国防で連携するのに、日本は産業界や学術界に分散する中国情報を集め、効率的な戦略を考える仕組みも不足する。
権威主義の中国だが、自動的に挙国体制が生まれたわけではない。最初に軍民融合を唱えたのは胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席だ。当時は軍内部に利権がはびこり、縦割りの組織は命令しても十分に動かなかった。
習氏は「反腐敗闘争」の名目で利権を握る幹部らを追放した。無期懲役の厳罰や死者も相次いだ粛清を経て、ようやくトップダウンを可能とする組織改革を断行した。「軍にメスを入れれば返り血を浴びる」といわれるなかで、習氏にとっても危険な賭けだった。
中国人民革命軍事博物館(手前)の右奥には「八一大楼」と呼ばれる中央軍事委員会の入るビルがある(北京市内)
習氏は強い意志をもって強軍路線を進めてきた。そのために、持てる資源の価値を最大化する道を模索した。日本はどう対峙すべきか。防衛予算の増額も必要となるが、いまの国のあり方のまま予算を増やすだけでは十分な効果は発揮できないのではないか。
9月29日に日中は国交正常化50年を迎える。次の50年によりよい日中関係を維持するためにも中国への隙のない備えが必要となる。
(中国総局長 桃井裕理)』
停戦を望む中印が、プーチンに弱体化して欲しくない切実な理由
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220923-00316374
『中印とも早くからプーチンに「話し合いによる解決を」と言ってきたが、それは中印ともにプーチンに弱体化して欲しくないからだ。「話し合いを」と呼びかけてきた経緯と、弱体化して欲しくない切実な理由を考察する。
◆「話し合いによる解決を」と言い続けてきた中国側の経緯
9月21日、プーチン大統領は「部分動員令」を発布すると同時に演説で「領土に危険性があれば、持っているすべての武器を使用する予定だ。これは、はったりではない」と話した。すなわち、戦術的核兵器の使用も辞さないと表明したことになる。
一連の動きを受け、中国外交部の汪文斌報道官は同日の記者会見で、早期停戦を呼びかけると表明するとともに、「われわれは各国の主権や領土の一体性は尊重されるべきだと終始主張している」と強調した。その一方で、プーチンの行動を「合理的な安全への懸念」(=NATOの東方拡大)であると擁護もしている。
これはいつも通りの中国の主張で、拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』に書いた「軍冷経熱」という姿勢と少しも変わっていない。軍事的に賛成できないのは、中国国内にもウィグルやチベットなど、多くの少数民族地区を抱えているからだ。
ウクライナへの侵攻が始まった2月24日の翌日、習近平はプーチンに電話して、「話し合いによる問題解決」を要求し、プーチンもそれを肯定して2月28日から停戦交渉に入りはした。
ところが、4月24日のコラム<「いくつかのNATO国がウクライナ戦争継続を望んでいる」と、停戦仲介国トルコ外相>に書いたように、トルコの外相が「停戦させたくない国(=アメリカ)がある」と述べ、事実5月10日のコラム<米CIA長官「習近平はウクライナ戦争で動揺」発言は正しいのか?>に書いたように、アメリカのオースティン国防長官が「ロシアが二度と再び立ち上がれないようになるまでウクライナを軍事支援する」という趣旨のことを述べている。今ではウクライナ戦争はNATOを含めたアメリカとロシア一国の戦いの形となっており、戦争はやむ気配がないどころか、ますますエスカレートするばかりだ。
そこで、習近平あるいは中国側が、こんにちまで、どのような形で早期停戦と「話し合いによる解決」をプーチンあるいはロシア側に訴えてきたか、時にはアメリカやウクライナなど第三者に表明した場合も含めて、列挙したい。もっとも、あまりに多すぎるので、拾い漏れがあるかもしれない。
【習近平】
●2022-02-25:習近平がプーチンに電話して、「中国側はロシアがウクライナと話し合いによって問題を解決することを支持する」、「すべての国の主権と領土保全を尊重し、国連憲章の目的と原則を遵守するという中国の基本的な立場は一貫している」と述べた。
●2022-03-18:習近平はバイデン(大統領)とのオンライン会談で、「ウクライナの現状は中国が見たいものではない。中国は平和を主張し戦争に反対する」と述べた上で、「関係国はロシアとウクライナの対話を支持すべきだ。アメリカとNATOはロシアとの対話を進めていくべきだ。ウクライナ危機の背後に何があるかを解明し、その問題を解決すべきだ」と主張している。
●2022-06-15:習近平とプーチンの電話会談で、習近平はプーチンに「中国はウクライナ問題に関して歴史的経緯と是非曲直(物事の善悪)から出発して自主的に判断している。世界平和を促進し、全世界の経済安定を重要視している。関係者は責任を以てウクライナ危機が妥当な解決を得るよう推し進めなければならない。中国はその役割を果たしたい」と述べた。
【楊潔篪(ようけっち)や王毅など】
●2022-02-24:王毅(外相)がロシアのラブロフ(外相)と電話会談し、王毅が「ロシアの安全問題条の懸念は理解するが、あくまでも話し合いによる解決を」と告げる。
●2022-02-26:王毅、ウクライナ問題に関する中国の5つの観点を表明。その中でプーチンがNATOに呼び掛けた話し合いをNATOが拒否したことを批判した上で、ウクライナ危機は外交努力によって解決すべきと表明。
●2022-03-01:王毅がウクライナのクレバ(外相)と電話会談し、ウクライナの国民が受けた被害に心からの悼みを表明した上で、話し合いによる解決を強く望むと表明。
●2022-03-07:王毅がウクライナ問題を解決するための4つの主張を表明。その中で、「冷戦思想をやめ、国連憲章に沿って各国の主権と領土保全を守り、話し合いによる解決をすべきだ」と主張。
●2022-03-15:楊潔篪(外事活動委員会主任)がウクライナ問題に対する立場を表明。「中国はすでにウクライナに人道主義支援を申し出ている」、「ウクライナ問題は平等な話し合いによって解決されなければならない」と述べた。
●2022-04-01:王毅がウクライナ問題に対する中国の5つの堅持を表明。話し合いによる解決を主張した。
●2022-04-04:王毅がウクライナのクレバ(外相)と電話会談。王毅が「停戦交渉がどんなに困難でも、戦争に向けてではなく話し合いに向けて努力して欲しい」と力説。中国は中立的立場で役割を果たしたいと述べた。
●2022-07-08:王毅がロシアのラブロフ(外相)と対面で会談し、「平和的手段でウクライナ問題を解決して欲しい」と述べた。
【中国外交部】
あまりに多いので省略。冒頭にある発言を繰り返している。
このように中国は「話し合いによる解決を」と言い続けているのである。
◆「話し合いによる解決を」と言い続けてきたインド側の経緯
では、インドはどうなのだろうか。中国同様に拾ってみるが、漏れがあると思われるので、その点はお許しいただきたい。
●2022-02-24:ウクライナへの軍事侵攻が始まった直後、インドのモディ(首相)はプーチンに電話して会談した。モディは「NATOとロシアの間の相克は話し合いによってのみ解決されるべきだ」と述べ「暴力の即時停止」を強調し、「外交交渉と対話以外に解決の道はない」と述べた。
●2022-03-02:モディはプーチンに電話してウクライナにいるインド人学生の安全避難に対する協力を求めた。このときモディはウクライナのゼレンスキー(大統領)にも同様の依頼をしている。
●2022-03-07:モディはプーチンと電話会談を行った。その中でモディは「両国間の交渉が紛争の停止につながることを期待する」と述べた。
●2022-07-01:モディはプーチンと電話会談し、ウクライナ問題に関しては対話と外交で解決すべきであるという、インドの長年の立場を繰り返した。
●2022-09-15:モディとプーチンはウズベキスタンで和やかな雰囲気の中で対面会談し、その中でモディは、これまでと同様に「話し合による解決」を求めた。
この最後の会談に関して、日本メディアは盛んに「モディ首相が初めてプーチンを批判した」というトーンで報道しているが、モディは習近平同様、最初から「話し合いによる解決を」と繰り返している。「突然、中印首脳がプーチンに冷淡になり、プーチンの孤立を招いた」というトーンで報道したくてならない日本メディアは、今後の世界動向を読み誤らせる「世論誘導」をしていると言っても過言ではないだろう。
◆中印とも、プーチンには弱体化して欲しくないと切に望んでいる
なぜなら、習近平もモディも、プーチン政権が弱体化すれば手痛い打撃を受けるので、戦争には反対だが、なんとしてもプーチン政権には弱体化して欲しくないと思っているからだ。これを正確に把握していないと、今後の世界動向を完全に読み誤り、日本は外交政策に失敗するだろうことが目に見えているのである。
まず、なぜ習近平がプーチンに弱体化して欲しくないと思っているかを見てみよう。
いまアメリカは中国の強大化を抑え込もうと、経済的な制裁を強化し、対中包囲網の形成に余念がない。習近平はアメリカに対抗するために、同じくアメリカが主導している激しい制裁を受けているプーチンと手を組んでアメリカの制裁を撥(は)ね退(の)けようとしている。
だから軍事的には冷淡(軍冷)でも、経済的には熱狂的な連携(経熱)を強化して、ロシア経済を支えている。今年8月に出されたデータによれば、ロシアのエネルギー製品に対する中国の支出は、83億ドルという最高記録を打ち出している。
しかしもし、プーチンのロシア国内における支持率が低下し、万一にもリベラルな政権が誕生したら、「第二のゴルバチョフ」となってアメリカ側に取り込まれ、中央アジア諸国も欧米になびくので、習近平は共に対米対抗をしていく仲間を失い、完全に孤立する。となるとアメリカは中国を潰しやすくなる。
このような状況だけは絶対に避けたいので、習近平はロシア経済を支え、ロシア国民がプーチンに不満を抱かないように密やかに、しかし必死でプーチンを支援しているのだ。
この事情は、インドにおいても同様だ。
インドの総選挙は2024年に行われるので、モディは再選を狙っている。
しかし、もしプーチンが弱体化すれば、プーチンと仲が良いモディは再選されない可能性が大きくなる。
現在のところ、5月の世論調査ではあるが、インド国民の62%が「現在のインドとロシアの関係を維持して欲しい」と回答し、77%が「軍事行動は状況を悪化させるだけだ(=だから反対)」と回答している。
この状況下でモディの支持率は74%なので、プーチン政権が弱体化しなければモディの再選の可能性は大きいが、プーチンが弱体化すれば、モディ再選の可能性はなくなるかもしれない。
したがって、中印ともウクライナ戦争には反対だが、プーチンには何としても弱体化して欲しくないという切なる願望を持っている。
「プーチンが孤立した」という心地よい報道に傾いていると、日本は今「ロシア‐中国‐インド」と、大陸を北から南に貫く「巨大なアジア版コンチネンタル勢力圏」が形成されていこうとしている世界動向を見失うことになるだろう。
そのことに警鐘を鳴らしたい。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』