『【ワシントン時事】サキ米大統領報道官は15日の記者会見で、バイデン政権が北朝鮮側と接触を図ったことを認めた上で、「われわれの目的は(北朝鮮との)緊張拡大の危険性を減らすことだ」と説明した。
米政権、北朝鮮と接触試み 現時点で返答なし―政策見直しで日韓と連携
サキ氏は「われわれは接触できる幾つかのチャンネルを持っている」と述べるにとどめ、詳細な接触方法には言及しなかった。北朝鮮側からの返答は「受け取っていない」と語った。 』
『【ワシントン時事】サキ米大統領報道官は15日の記者会見で、バイデン政権が北朝鮮側と接触を図ったことを認めた上で、「われわれの目的は(北朝鮮との)緊張拡大の危険性を減らすことだ」と説明した。
米政権、北朝鮮と接触試み 現時点で返答なし―政策見直しで日韓と連携
サキ氏は「われわれは接触できる幾つかのチャンネルを持っている」と述べるにとどめ、詳細な接触方法には言及しなかった。北朝鮮側からの返答は「受け取っていない」と語った。 』
『【ワシントン時事】米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が15日から日本と韓国を歴訪する。その後、ブリンケン氏は米アラスカ州で中国外交トップと会談し、オースティン氏はインドを訪問する。両長官は共に初外遊。バイデン政権のアジア戦略の行方を占う機会になりそうだ。
中国海警法に懸念表明へ 「尖閣」けん制、文書明記調整―16日に日米2プラス2
両長官は最初の訪問先となる日本で16日、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)に出席、日米同盟強化を再確認する方針だ。中国を「唯一の競争相手」と位置付け、対抗姿勢を強めるバイデン政権は、日本との連携を最重視する姿勢を鮮明にしている。4月前半にも予定される菅義偉首相の訪米に向けた準備を加速させる。
韓国でも2プラス2を開催する。韓国側に米軍駐留経費の大幅増額を求め、在韓米軍撤収にたびたび言及するなど、トランプ前政権下でぎくしゃくした同盟関係の修復を図る。今月妥結した駐留経費交渉の正式合意を発表する可能性もある。
日韓両国では、バイデン政権が見直し中の北朝鮮政策も議題になるとみられるが、ソン・キム国務次官補代行(東アジア・太平洋担当)は電話会見で「見直し完了には数週間かかる」と指摘。公表に向け、日韓と擦り合わせを行いたい考えだ。
また、オースティン氏はインドでシン国防相と会談し、情報共有を含む安全保障分野での連携強化について議論する見通し。インドは米国製の攻撃型無人機の調達を検討しているとされ、装備面での協力についても話し合うもようだ。
一方、ブリンケン氏とサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日、アラスカ州アンカレジで、中国の外交政策を統括する楊潔※(※竹カンムリに褫のツクリ)共産党政治局員、王毅外相と会談する。12日開催の日米、オーストラリア、インドの4カ国(通称クアッド)のテレビ首脳会談や、今回の外交安保閣僚の日韓印歴訪を通じて同盟国や友好国との連携を強化し、民主主義の価値を重視する「強い立場」を築いた上で、中国に対峙(たいじ)する構えだ。
楊氏らとの会談では、米国などが「ジェノサイド(集団虐殺)」と認定した新疆ウイグル自治区の少数民族迫害を議題にする方針。サリバン氏によると、中国船舶の沖縄県・尖閣諸島周辺への侵入も取り上げる。ただ、米政府高官は「協力の可能性を残し続ける」とも述べており、気候変動や核不拡散などで協調の余地があるかを探りたい思惑もある。』
『【ソウル時事】北朝鮮の金正恩総書記の妹、金与正朝鮮労働党副部長は16日、党機関紙・労働新聞を通じて米韓合同軍事演習を非難する談話を出した。
米韓合同演習を実施 新型コロナで規模縮小
与正氏は韓国に対し「南朝鮮当局は再び『暖かい3月』でなく『戦争の3月』『危機の3月』を選択した」と指摘し、「今後の南朝鮮当局の態度と行動を注視する。さらに挑発的に出てくるのであれば、(2018年に結んだ)北南軍事合意書も破棄する特段の対策まで予想している」と警告。米バイデン政権に対しても「今後4年間、穏やかに過ごしたければ、初めからくだらない面倒事を起こさない方がよい」と述べた。
8日に始まった米韓合同軍事演習に北朝鮮はこれまで沈黙していた。演習への反発とともに、米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が17日に訪韓するのを前にけん制する意味合いがありそうだ。 』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE121WZ0S1A310C2000000/


『日米両政府は16日、都内で日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開く。2プラス2は不定期開催で、国際情勢の変化に対応する同盟強化が必要な局面で開催してきた。今回は中国の海洋進出を初めて名指しで批判する方向だ。
2プラス2は米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官、日本からは茂木敏充外相、岸信夫防衛相が参加する。
「残念ながらディナーは難しいが、いい季節に来られるので桜でも見ていただければ」。岸氏は12日の記者会見で、新型コロナウイルスによる行事の制約に言及した。
通常なら食事の際に非公式な話も織り交ぜた意思疎通をするが、今回は感染対策のため見送る。新型コロナの影響が続く環境下で、米国の2閣僚があえて来日して対面で協議するのは2プラス2の重要性を物語る。
2プラス2の正式名称は「日米安全保障協議委員会」だ。かつては日本側が閣僚、米側は駐日大使と太平洋軍司令官だった。1990年に米側も出席者を閣僚レベルに格上げした。これ以降、日米のアジア戦略を話し合う最高レベルの会議体になった。
90年代は冷戦終結による安保環境の変化にどう対応するかが主要テーマだった。97年の協議で日米防衛協力の指針(ガイドライン)を改定し、朝鮮半島有事を念頭にした「周辺事態」での協力を明記した。
2000年代はテロとの戦いや北朝鮮の核・ミサイル問題、台頭する中国の脅威への対処に主眼を置いた。05年には日米が安全保障面で追求すべき「共通戦略目標」を策定した。
10年代に入ると同盟の抑止力を高める議論が進んだ。15年に合意した新たなガイドラインには平時からの共同情報収集や自衛隊が米艦を防護する仕組みが加わった。
今回の最重要議題は中国への対処である。日米は中国が海警局を準軍事組織と位置づけた海警法に反対を表明する方向だ。沖縄県尖閣諸島周辺で中国が領海侵入を繰り返す問題への対処やミサイル防衛のあり方に議論が及ぶ可能性もある。
直近3回の2プラス2は共同発表の文書に北朝鮮の核ミサイル問題への懸念を盛る一方、中国を名指しで批判する記述はなかった。
北朝鮮に関してはバイデン政権が2月中旬から接触をはかっていることが明らかになった。米国には対話の糸口を探る狙いがあるとみられ、日本や韓国と意見交換する。
過去の2プラス2は日本側が訪米するケースが多く、日本で開くのは7年半ぶりだ。ブリンケン、オースティン両氏にとって日本が就任後初の外国訪問先となる。岸氏は「米国が日米同盟を重視している表れだ」と述べる。
米国が対中国戦略を描くうえで日本を重視している証左ともいえる。日本は同盟強化に必要な新たな役割の検討が必要になる。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Indo-Pacific/US-and-Japan-take-on-China-provocations-with-unbreakable-alliance?n_cid=DSBNNAR
』
対中国、崩れた米軍優位 日米2+2立て直しが急務
本社コメンテーター 秋田浩之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH12B5T0S1A310C2000000/




『中国をにらみ、バイデン米政権はアジアへの関与を一気に深めている。とりわけ際立っているのが、日本との連携ぶりだ。
ブリンケン国務長官とオースティン国防長官は最初の外遊先として、日本を選んだ。3月16日の日米外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)では中国への懸念を表明し、同盟の結束をうたう。バイデン大統領も4月、ホワイトハウスへの最初の賓客として、菅義偉首相を招く。
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バイデン大統領も4月、ホワイトハウスへの最初の賓客として、菅義偉首相を招く。
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これらを対日重視の表れと喜ぶのは半分正しく、半分間違っている。米国は単純に日本を重視するから、会談を急ぐわけではない。
バイデン政権が日米結束を急ぐのは安全保障上、世界で台湾海峡や日本周辺がいちばん危ないとみているからだ。
そんな焦りがあらわになったのが、この地域を管轄する米インド太平洋軍のデービッドソン司令官による3月9日の議会証言だ。次のような趣旨の警告を発し、主要国に波紋を広げた。
▼インド太平洋の軍事バランスは米国と同盟国にとって一層、不利に傾いた。
▼米軍が効果的な対応策を打つ前に、中国が一方的な現状変更を試みるリスクが高まっている。
▼台湾への脅威は今後、6年以内に明白になるだろう。
このうち最後の発言は2027年までに中国が台湾を侵攻する危険を示唆するものだ。米軍は質では勝るとしても、アジアに配置している通常戦力の物量では、中国軍に圧倒されている。同司令官の発言はそんな危機感の表れだ。
決して誇張ではない。それどころか、上の表中の数字にあるように、状況はさらに悪化する方向だ。中国軍の戦闘機は現在、米軍の5倍だが、25年には約8倍になる。同年に中国軍の空母は米軍の3倍、潜水艦は6倍強、戦闘艦艇も9倍に増える。
米中両軍がアジアで戦ったらどうなるか、米国防総省は近年、様々な図上演習を実施してきた。米軍チームと中国軍チームに分かれ、コンピューター上で「仮想戦争」をする訓練だ。
米メディアによると、状況は極めて深刻だ。台湾海峡をめぐる図上演習ではここ数年、米軍チームがほぼ決まって中国軍チームに惨敗している。しかも18年ごろから、負け方はよりひどくなっているという。米軍幹部や元米高官の話として伝えた。
日本でも安倍前政権下で、複数の図上演習がひそかに行われた。さまざまな日本周辺有事を想定したもので、インド太平洋の米軍と自衛隊を合わせても中国軍に劣勢を強いられかねない結果となり、日本政府内に衝撃が広がった。
もっとも、米軍の総戦力は中国軍をしのぐ。米国は世界全体で空母11隻を抱え、核戦力は中国の比ではない。アジア紛争でこれらを総動員すれば、対中優位は揺らがないと思いがちだ。
中国の船は沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入を繰り返している=共同
残念ながら、答えは「ノー」だ。いざというときに、米軍が世界の戦力をかき集め、アジアに持ってくるには長い時間を要することが一因だ。トランプ前政権で米国防戦略の策定にあたったエルブリッジ・コルビー元国防副次官補は警告する。
「世界レベルで米軍が中国軍より強いとはいえ、状況は非常に深刻だ。中国は米軍が戦力を(各方面からアジアに)移動させる前に、紛争を決着させることを目指しているからだ。日本の対応も十分ではない。直接、影響を受ける日本は、もっと真剣に現状を受けとめるべきだ」
コルビー氏によれば、米空母11隻には整備中のものも含まれるほか、米本土からアジアに移動するにも数週間かかる。
バイデン大統領や側近らは就任後、さまざまな機密情報に接し、現状に強い危機感を抱いたにちがいない。そこで、最前線の日本はどうするつもりなのかを知るため、日米2プラス2や対面の首脳会談を大慌てで設定した。
では、日本はどうすべきか。まず大切なのは、これは米国ではなく、一義的に日本自身の問題だと認識することだ。そのうえで、2つの緊急課題に答えを出さなければならない。第1に自衛力への投資が十分なのかという点だ。防衛費は国内総生産(GDP)の約1%にとどまる。
米欧同盟の北大西洋条約機構(NATO)では、友好国に囲まれたオランダやベルギーといった国々ですら「2%」への増額を求められている。財政事情が火の車とはいえ、中国の隣にある日本が約1%で足りるとは思えない。
第2にアジアの米軍体制をどう改めるのか、日本から積極的に知恵を出すことが大事だ。それに伴い、自衛隊をどう変革するかも米側と詰める必要がある。
日米2+2に参加するブリンケン米国務長官(左)とオースティン米国防長官=ともにAP・共同
米国防総省内ではかねて「米空母を主力としたアジア前方展開は中国軍の標的になりやすく、時代遅れ」(同省元高官)との指摘がある。中国は地上配備型の中距離ミサイルを2000発近く抱えているとされるが、自衛隊や米インド太平洋軍はゼロだ。この不均衡への対応も待ったなしだ。
米中の確執は軍事だけでなく、ハイテク、人権、政治体制にも及んでおり、対立は長く続くだろう。意図しない衝突を防ぐため、日米が中国と危機管理の体制を整えることも課題だ。
日米2プラス2はこうした作業の始まりになる。軍事バランスが刻々と悪化するなか、許される時間的な猶予は多くない。
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Nikkei Asia
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中国の挑発「日米連携で対処」、米が同盟強化へ文書
国務・国防長官のアジア訪問始まる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN156SL0V10C21A3000000/


『ワシントン=永沢毅】米国務省は14日、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官の訪日にあわせて日米同盟の強化に向けた文書を発表した。中国による挑発行為に日米が連携して対処すると記し、中国への対抗姿勢を明確に打ち出した。
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高速通信規格「5G」など経済安全保障でも連携する方針を示した。
ブリンケン、オースティン両氏は15日に訪日した。就任後初めての海外訪問先に日本を選んだ。
茂木敏充外相、岸信夫防衛相とともに16日の外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に臨む。「揺るぎなき日米同盟の再確認」と題した文書はこれに先立ち発表した。
冒頭で日米同盟を「インド太平洋と世界における平和、安全、繁栄の礎の役割を60年以上にわたって果たしてきた」と評価し、同盟関係を強化すると強調した。「アジアや世界での中国による挑発行為などの共通課題に協力して取り組む」と言明した。
日米両政府は2プラス2でも文書に基づいて中国を名指しで批判する方向だ。直近3回の2プラス2は共同発表に北朝鮮の核ミサイル問題への懸念を盛る一方、中国の名前を挙げて批判する記述はなかった。
中国公船が領海侵入を繰り返す沖縄県尖閣諸島にも触れ、日本防衛義務を定めた「日米安全保障条約5条の適用範囲内だと米国は断言する」と記した。日本防衛への約束は「絶対的だ」とも盛り込んだ。
「東シナ海における現状を変更し、島への日本の施政権をないがしろにする一方的な試みに反対し続ける」と明記した。安保条約5条が「日本の施政権下にある領域」を適用対象とする点を意識した表現である。
日米が直面する共通の課題として中国の挑発に加え、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)、気候変動問題、民主主義・人権の強化、自由で公正な貿易の推進を列挙した。
東日本大震災での米軍の支援に触れて「日米の市民は必要なときに助け合う」と言及した。
バイデン米政権は対北朝鮮政策での日米韓の協調を重視しており、文書は3カ国の協力を推進するテーマとして北朝鮮の非核化と新型コロナ、気候変動をあげた。「日韓関係ほど重要なものはない」と両国の関係修復に期待をにじませた。
ブリンケン氏らは訪日後に韓国も訪れる。14日にはバイデン政権が2月中旬から北朝鮮に接触をはかっていたことが明らかになった。
米政府高官によると、これまでに北朝鮮からの返答はないという。停滞する核・ミサイル問題の打開に向け、対話の糸口を探る狙いがあるとみられる。
文書は重要性が増す先端技術分野での協力項目にデジタル経済、量子化学、人工知能(AI)、宇宙探査、生物科学などを掲げた。5Gに関しては「信頼できる事業者だけを活用した安全なネットワークの構築を進める」と盛り込んだ。中国企業の排除が念頭にある。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN126CP0S1A310C2000000/

『日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国による初の首脳協議は、中国の影響力の高まりを懸念するアジア太平洋の地域大国が米国の仲介で手を組む形となった。対中包囲網の色合いが強まるのを避けたいインドを取り込むため、米国が主導して新型コロナウイルスなどでの協力を打ち出して安全保障色を薄めた。
【関連記事】
日米豪印、対中国で結束 初の首脳協議
米、中国対抗へ日本重視 安保・経済、期待大きく
「野心的な新たな共同パートナーシップを立ち上げ、ワクチン生産を拡大する」。バイデン大統領は12日の協議冒頭で、4カ国によるワクチン協力の意義を強調した。
バイデン氏に続いてモディ印首相が発言したのもインドへの配慮の表れだ。日本政府関係者によると、ワクチンを軸とした協力の構想は米国の発案だったという。新型コロナの協力であればインドにとっても参加のハードルは低い。オースティン国防長官も日韓歴訪後にインドを訪れる。
トランプ前大統領は多国間連携に関心を示さず、4カ国の関係を発展させる機運は乏しかった。「インド太平洋地域は国際法に基づき、普遍的な価値を支持し、威圧から自由であると確認したい」。バイデン氏は名指しを避けつつも中国への対抗心をあらわにした。
日米豪印4カ国の連携構想が浮上したのは2006年。当時は中国との関係を重視する豪印が「対中包囲網になりかねない」と慎重な姿勢を崩さず、実現しなかった。ただその後、両国の中国との関係は激変した。
20年以降、中国は豪州産の食肉や大麦、ワイン、石炭などに輸入制限を課した。豪州と近い太平洋島しょ国のソロモン諸島やキリバスは台湾と断交し中国と国交を結んだ。中国が軍事施設を建設すれば豪州や米国にも影響が出かねない。
インドも対中貿易赤字の拡大に悩む。中国依存が高まるのを懸念し、20年には中国など15カ国が参加する東アジアの地域的な包括的経済連携(RCEP)への参加を見送った。国境係争地域での緊張も続き「印中関係は過去40年以上の間で最も難しい局面にある」(ジャイシャンカル外相)。
中国は人口が世界最多で、国内総生産(GDP)や軍事費も高い伸びが続く。アジアで中国と対峙する日豪印に米国が加われば人口、GDP、軍事費でいずれも中国を上回り、対抗軸を築ける。
次の焦点は18日に米アラスカ州アンカレジで開く米中会合だ。ブリンケン国務長官は中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員と会談し、王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も同行する。中国はひとまず米との対話を試みるが、今後4カ国の包囲網が強まれば強硬姿勢を打ち出す恐れもある。
(ワシントン=永沢毅、加藤晶也)』
内モンゴルで勤務した首相候補の憂鬱 北京ダイアリー
中国総局長 高橋哲史
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM150YS0V10C21A3000000/
『11日に閉幕した今年の全国人民代表大会(全人代)で、最も注目を集めた会議だったかもしれない。内モンゴル自治区の代表団が開幕日の5日に開いた分科会である。
習近平(シー・ジンピン)国家主席が自ら出席した。「国家の共通言語と文字の普及に真剣に取り組まなければならない」。習氏は少数民族がそれぞれ独自の言語だけでなく、標準の中国語も話すべきだと訴えた。
公の場でモンゴル語を話すな、と言っているに等しい。同…
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同自治区では昨秋、小中学校で授業の一部をモンゴル語から標準の中国語に切り替え、保護者らの抗議運動にまで発展した。習氏の発言はこうした動きを許さないというメッセージだった。
習氏は形式上、内モンゴル自治区から選出された代表(議員)として全人代に出席している。初日に同自治区の分科会に顔を出すのは慣例だ。そこでの発言は中国共産党の重要政策を映し、必ずしも内モンゴルだけに向けたものではない。
しかし、今年は明らかに内モンゴルを標的にした言説が目立った。次のひと言もそうだ。「このつけは必ず払わせる!」。党機関紙の人民日報によると、習氏がこの言葉を発したとたん、会場はしーんと静まりかえった。
同自治区で起きた石炭業界の汚職に対する叱責だったからだ。習氏は不正に絡んだ関係者を何代にもさかのぼって洗い出し、徹底的に処罰すると表明した。
いまの党トップ25にあたる中央政治局には、かつて内モンゴル自治区の党委員会書記を務めた人物がいる。胡春華(フー・チュンホア)副首相だ。習氏の厳しい叱責は、実は胡氏に向けられていたのではないか。そんな臆測が広がったのもむりはない。
1963年生まれの胡氏は、2023年3月で任期が切れる李克強(リー・クォーチャン)首相の後継レースで先頭を走ってきた。
湖北省の農家に生まれ、16歳で北京大学に合格した秀才だ。李氏や胡錦濤(フー・ジンタオ)前国家主席と同じ共産主義青年団(共青団)の中枢を歩み、大学卒業後はチベット自治区でおよそ20年間も勤務した。
内モンゴル自治区のトップを務めたのは2009年から12年までだ。私は11年に同自治区のフフホトで、胡春華氏と立ち話をしたことがある。名刺を出すと「私も昔、チベットで地元紙の記者をしていたんですよ」とにこやかに答えてくれたのを覚えている。
胡氏は次の首相になれるのか。雲行きは怪しい。習氏が最高指導者に就いてから、「団派」と呼ばれる共青団の出身者が「貴族化、娯楽化」を批判され、人事で冷遇されてきたのは周知の事実だ。内モンゴルの一件で、胡氏には一段と強い逆風が吹く。
全人代は最終日に「全人代組織法」の改正を可決した。副首相をいまより機動的に任免できるようにする内容だ。22年秋の党大会で3期目入りをめざす習氏は、側近を次の首相候補として副首相に引き上げようとしているのではないか。そんな観測が広がる。
30年代をにらんだ習氏の長期政権に向けた体制固めが、さらに進む。
高橋哲史が執筆するニューズレターを隔週で配信しています。ワシントン支局長の菅野幹雄と「往復書簡」の形で、米中の「今」と「これから」を考えます。登録はこちら。
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B001&n_cid=BREFT032
高橋哲史 (たかはし・てつし)
1993年日本経済新聞社入社。返還直前の香港での2年間の駐在を含め、中華圏での取材は10年に及ぶ。2017年から2度目の北京駐在で、現在は中国総局長として変わりゆく中国の姿の取材を続けている。
これまでの記事はこちら
北京ダイアリーをNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Spotlight/Beijing-Diary?n_cid=DSBNNAR
Nikkei Asia
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210315/k10012915631000.html
『ミャンマーで治安部隊が抗議デモに発砲するなどして、13日からの2日間で少なくとも30人が死亡したと伝えられる中、国連の特使は軍を強く非難する声明を発表しました。今後、国連の安全保障理事会が、新たな行動をとれるかが焦点になります。
ミャンマーでは、軍のクーデターに抗議するデモが続いていて、地元メディアなどによりますと、13日と14日の2日間に治安部隊による発砲などで少なくとも市民30人が死亡し、これまでに亡くなった人は100人に上るとみられています。
ミャンマー問題を担当する国連のバーグナー特使は14日「自制と対話、それに人権と基本的な自由の尊重を求める安保理を含む国際社会の要請を軍が無視し、流血の事態が続いていることを強く非難する」とする声明を発表しました。
また、バーグナー特使は「近隣諸国や安保理のメンバー国と緊密に連絡をとり、事態の緩和に向けた国連の努力への支援を頼りにしている」としています。
その安保理は10日、治安部隊による発砲を非難し、ミャンマー軍に対して最大限の自制を促す議長声明を採択しました。
声明には、ミャンマー軍と関係が深い中国などの反対で、状況がさらに悪化した場合の対応は盛り込まれませんでしたが、死傷者が増え続ける中、安保理が今後、新たな行動をとれるかが焦点になります。
加藤官房長官「民間人への暴力を強く非難 直ちに停止を」
加藤官房長官は、午前の記者会見で「多数の民間人が死傷し、拘束者が発生している事態を強く懸念し、民間人に対する暴力が継続されていることを強く非難する。平和的に行われるデモ活動に対する銃を用いた実力行使は許されることではない。治安当局に対し、民間人への暴力を直ちに停止するよう強く求める」と述べました。
その上で「経済協力や制裁を含む今後の対応については、事態の推移、関係国の対応などを踏まえながら、動向を注視して、日本としても検討していきたい」と述べました。』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210315/k10012915741000.html
『アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、日本への訪問を前にアメリカの有力紙に寄稿し、中国を名指しで批判したうえで「力を結集することで強くなれる」として、中国に対抗するためにアジア歴訪を通じて同盟国との連携の強化を目指す方針を強調しました。
アメリカのブリンケン国務長官とオースティン国防長官は、バイデン政権発足後、初めての外国訪問として15日から日本や韓国などを訪れるのを前に、14日、有力紙ワシントン・ポストに連名で寄稿しました。
このなかで両長官は「一部の国は国際秩序を脅かそうとしており、特に中国は力を行使して思いどおりにすることをいとわない」と中国を名指しで批判しました。
そのうえで「中国の攻撃や脅威に対抗しなければならないとき、われわれは力を結集することで強くなれる」として、今回の歴訪を通じて同盟国との連携の強化を目指す方針を強調しました。
また、新疆ウイグル自治区やチベット、それに香港での人権問題のほか、台湾や南シナ海の問題について「中国に責任をとらせる」と訴えました。
一方、両長官は「同盟国どうしの関係活性化にも力を入れている」として、歴史問題などをめぐって冷え込んでいる日韓関係の改善を促す考えも示唆しました。
今月18日には、米中の外交当局トップによる会談がアラスカ州で予定されていて、アメリカとしては同盟国との足並みをそろえたうえで中国との会談に臨む方針です。』