日米豪印首脳「年末までに対面会談めざす」 官房長官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA197IE0Z10C21A7000000/

『加藤勝信官房長官は19日の記者会見で、日米豪印が連携する「Quad」(クアッド)の枠組みに関し「年末までの対面の首脳会談を目指す」と述べた。「具体的な日程や開催場所は決まっていない」とも話した。
日米豪印の首脳は3月、オンライン形式で協議した。年内に対面形式で首脳会談を開くと一致した。』
日米豪印首脳「年末までに対面会談めざす」 官房長官
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA197IE0Z10C21A7000000/

『加藤勝信官房長官は19日の記者会見で、日米豪印が連携する「Quad」(クアッド)の枠組みに関し「年末までの対面の首脳会談を目指す」と述べた。「具体的な日程や開催場所は決まっていない」とも話した。
日米豪印の首脳は3月、オンライン形式で協議した。年内に対面形式で首脳会談を開くと一致した。』
米欧日、中国のサイバー攻撃を一斉非難 対抗措置辞さず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN192JH0Z10C21A7000000/
『【ワシントン=中村亮】米国や欧州、日本の各政府・機関は19日、中国のサイバー攻撃を一斉に非難した。中国政府とつながるハッカーが世界でランサムウエア(身代金要求型ウイルス)などによる攻撃を行い、経済活動の脅威になっているとみなした。バイデン米政権は同盟国とともに中国へ圧力をかけて是正を求める。
日米や英国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)が中国を非難した。米政府高官は18日、記者団に対し「米国と同盟国、パートナー国は中国に責任を取らせるための追加行動を排除しない」と強調し、対抗措置を講じる構えを見せた。サイバー攻撃に関する懸念を中国政府高官に伝えた。
米ホワイトハウスは19日の声明で、3月に発覚した米マイクロソフトのサーバー向けソフトに対するサイバー攻撃について、中国国家安全省と協力関係にあるハッカーが実行したと断定した。これとは別に米司法省は19日、数年にわたって外国政府などを標的にサイバー攻撃を仕掛けた中国国家安全省の関係者ら4人を起訴したと明らかにした。
米連邦捜査局(FBI)や米国家安全保障局(NSA)は19日、中国のハッカーが利用する約50の手口などを公表し、世界の政府機関や企業に警戒を呼びかけた。
ラーブ英外相は19日、「中国政府は組織的なサイバー攻撃を止めねばならない。そうでなければ、その責任を負うことになる」とコメントした。日本外務省は「自由、公正かつ安全なサイバー空間という民主主義の基盤を揺るがしかねない悪意あるサイバー活動は看過できない」と強調した。EUは中国に対して国際ルールを守るよう要求した。』
「人権か自由貿易か」米国の対中規制、企業の対応難しく
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD11DGF0R10C21A6000000/
『米国が人権をキーワードに、対中国の規制を強めている。「ユニクロ」のシャツの差し止めで注目された輸入規制が拡大し、企業はサプライチェーンの見直し検討などの難題を抱える。ただ米国の動きは、自由貿易を前提とする国際ルールの例外だ。中国側も対抗措置を取り始めており、日本企業は米中双方の動きに目を配る必要がある。
米国、ウイグル関連で制裁拡大
米国務省など6省庁は13日、米政権がこれまで導入してきた新疆ウイグル自治区での人権侵害を理由とする対中制裁を列挙し、関連する法令の順守を企業に促す勧告を出した。2020年7月の勧告を更新し高リスク分野の範囲を広げた。
米国は20年12月にウイグル産綿製品の一部を、21年1月には全てを輸入禁止。日本企業も「ユニクロ」製品が輸入を差し止められた。5月には中国の水産大手を、6月下旬には太陽光パネルに使うポリシリコンを扱う企業を一部輸入制限の対象とした。
これらの水際規制は、正式には「違反商品保留命令」といい、1930年関税法307条を根拠にする。強制労働により外国で生産された商品の輸入を制限する条項だ。2016年に適用範囲を拡大した改正法が施行されたほか、21年4月には民主党議員が当局の陣容を拡大するための予算措置を提案した。
6月には米商務省がポリシリコン部材を手掛ける中国の5社・団体への輸出規制もかけるなど、バイデン政権は強制労働を根拠とした規制執行を強化し続ける。
人権保護は重要だが、自由貿易の原則を曲げてまで、米国が規制を打ち出せる根拠はどこにあるのだろうか。
国際ルールの「例外」
関税貿易一般協定(GATT)11条1項は、輸出入の制限を原則禁じている。だが、例外が設けられており、上智大学の川瀬剛志教授は「強制労働による産品については、同20条の『公徳の保護のために必要な措置』と『刑務所労働の産品に関する措置』による例外規定が適用される可能性が高い」と説明する。「公徳」には人権が含まれる。「刑務所労働」は、犯罪を理由にしたものでなくても、自由を奪われた施設において労働が行われるのであれば該当するという。
とはいえ、例外として認められるには、米国に保護主義的な意図や中国を狙い撃ちする意図がないかという点をクリアする必要がある。ウイグル関連製品の禁輸措置については、「同様の強制労働や民族浄化が行われている他の国の製品についての対応が甘いとすれば、恣意的・不当な差別とみなされる可能性がある」(同教授)。
中国政府は現時点では、ウイグル関連の輸入規制について世界貿易機関(WTO)のパネルで争う姿勢は見せていない。だが仮に争われたら「WTOでは例外を認めるのは稀。輸入禁止措置が本当に人権保護という効果を生んでいるのかという点を厳しく精査するだろう」(経団連の森田清隆・統括主幹)という。
日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューヨーク事務所の藪恭兵氏は「輸入を差し止められた企業側も個別に、米政府に不服を申し立てることは可能」と指摘する。強制労働で生産されたとされるステビアの粉末を輸入していた米国企業が罰金を命じられた件では、同社は当局と交渉し大幅減額にこぎつけた。
中国も対抗
米中の規制合戦は当初、国家安全保障を自由貿易原則への免責に使っていた。米国は「人権」は「安保」よりもさらに中国をたたきやすい道具とみているのかもしれないが、中国も変化球で対抗している。
6月に中国で施行された「反外国制裁法」は、中国企業に対する外国の差別的措置に協力することを禁止。「違反した場合は、外国企業であっても損害賠償請求の対象になるリスクがある」(石本茂彦弁護士)。
宇賀神崇弁護士は「日本企業は『踏み絵』を迫られている」と指摘する。米中の溝が深まり続ける以上、どちらかの国の規制に牴触する事態は生じうる。企業はいざとなったら平場で自らの行為の正当性を主張し、規制の矛盾を争うぐらいの心構え、準備が必要だ。また、国際的な政治問題に発展している以上、政府も企業単位では収集しきれない情報を提供するなどして日本企業を後方支援すべきだろう。
(編集委員 瀬川奈都子)』
【コラム】日本の台湾海峡恐怖症
https://ameblo.jp/edamamemame/entry-12687090979.html


『麻生太郎副総理が、台湾防衛に言及しました。
【風を読む】麻生氏のまっとうな「台湾発言」 論説副委員長・榊原智
麻生太郎副総理兼財務相が5日の講演で、中国が台湾に武力侵攻するケースを念頭に「間違いなく(安全保障関連法上の)存立危機事態に関係してくると言っても全くおかしく…
リンク
http://www.sankei.com
麻生太郎副総理兼財務相が5日の講演で、中国が台湾に武力侵攻するケースを念頭に「間違いなく(安全保障関連法上の)存立危機事態に関係してくると言っても全くおかしくない。日米で台湾を防衛しなければならない」と語った。集団的自衛権の行使で台湾を防衛するとのメッセージを内外に発信したことになる。
ところで、
韓国は半島ですけれども、
実質的には島国です。
陸の孤島です。
でも韓国がシーレーンについては心配するのを見たことがほぼありません。
韓国人は韓国が実質島国である認識がありません。
韓国は島国だよ。
だって陸路がないじゃない?
国外旅行のことを”海外旅行”って言うじゃない?
と指摘すると、非常に驚きます。自分達が陸の孤島である認識がない。
まあ常に「陸続きのお隣さん」を意識しているからでしょうけど。
それと、朝鮮戦争時の日本を、「重要な補給基地」ではなくて、「人んちの戦争で金儲けして経済復興した憎き国」とのみ解釈するからでしょうけど。
韓国は日本の半島再侵略に備えてミサイルの射程距離延長や海軍増強や日本との戦力比較を怠りませんけれども、
シーレーンについては心配するのをほぼ?全く?見たことがありません。
中国が南沙諸島に軍事基地を建設した時も、南シナ海ほぼ全域に中国の領海を主張した時も、航行の自由作戦にも、台湾有事を心配した際にも、
中国によって海運が封鎖されることを恐れたことが、たぶんありません。
シーレーンはアメリカに丸投げであるから。
あるいは、中国と仲良くしさえすれば済む話しなのに、何を恐れて毛を逆立てるのかという立場か、
どちらか、もしくは両方なのだと思います。
日本は侵略国扱いですが、朝鮮戦争で北朝鮮軍と共に韓国を襲った中国の義勇軍は、あれは建前重視で国としては敵国認定されていないんでしょうかね。
そう言えば、対中国でなく対日本であっても
いつも仮想敵国日本との戦いをシミュレーションする韓国人さんたちにも、対日本戦での補給を心配するのを見たことがありません。(1回くらいあったかも)
日本を敵とすれば韓国へのシーレーンは全て断たれますが、
まあその場合は、正義の連合国、中国かアメリカが日本のシーレーンを全て断ってくれるでしょう。(韓国的には)
北朝鮮を通じて中国ロシアが陸路で十分に補給してくれる見通しを持っているのかもしれません。
実際、韓国人さんたちは、トランプー安倍以前までは、米韓同盟は韓国を日本の侵略から守ってくれる同盟だと思っていました。もちろん北朝鮮からも守りますが。
だからトランプ-安倍ラインによる日米安保の関係は、韓国にとっては国防と外交への衝撃、転換点でした。
アメリカが日本に肩入れする。ならば誰が日本の侵略から韓国を守ってくれるのか?
引き続きアメリカが日本をコントロール下に置く前提ではあっても、
新たな同盟を探す、でなければ自分達の戦力を増強させることが必要です。
韓国は今年のミサイル協定でアメリカから中距離弾道ミサイルの射程距離延長の許可を得ました。今後は日本全土を射程に入れることができます。
アメリカが最初は北朝鮮以遠の射程距離を禁じていたのが、韓国南端からでも北朝鮮を射程に入れたいという韓国の要求に応じて東京までには至らない射程距離を許し、ついに日本全域までを決定的に許すのはどういう算段なのかなと素人なりに考えて見ました。
これにより韓国軍の日本への軍事的優位性が保証され、したがって韓国も安心してアメリカの同盟国のままでいることができます。
また、これは可能性としてはどうかなとも思うのですが、
一人で世界の警察だったアメリカが、同盟国らにそれぞれの自衛および地域連携を課すことにより、
もしや朝鮮半島有事の際に、韓国がアメリカに頼らずとも独自に北京までを射程に入れる能力を持つ必要性があるのかなとか。(作戦統帥権移譲の懸案もありますし)
日本全域にミサイルを落とす気満々、逆に中国とやり合う気持ちは韓国にはサラサラないとしてでも、アメリカの期待値として、能力的には可能という状態にはなります。
以下、尖閣諸島とシーレーン防衛に敏感な日本を不思議に思う韓国の記事です。
【コラム】日本の台湾海峡恐怖症
2021/07/18 07:56
Chosun Online | 朝鮮日報 』
オードリー・タン氏の訪日中止 IOCから通知で断念―台湾
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021071800218&g=int
『【台北時事】台湾行政院(内閣)は18日、東京五輪の開会式出席を目的に19日から訪日を予定していた唐鳳(オードリー・タン)政務委員(閣僚)について、派遣を取りやめると発表した。
IOCバッハ氏「コロナ持ち込まない」 五輪開幕控え菅首相と会談
行政院によると、国際オリンピック委員会(IOC)が新型コロナウイルス対策のため、開会式に出席できるのは選手以外に、国家元首や政府のトップなどに限ると各国に通知。行政院は唐氏とも協議の上、派遣を断念することにした。』
中国 東京五輪に過去最大規模 777人の代表団派遣と発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210715/k10013139971000.html

『中国は、来週開幕する東京オリンピックに国外で開かれる大会としては過去最大規模となる777人の代表団を派遣すると発表しました。一方、前回の夏と冬の大会で派遣した特別代表を派遣するかどうかは、今のところ明らかにしていません。
中国オリンピック委員会は14日、東京オリンピックに派遣する選手やスタッフなど代表団の名簿を発表しました。
それによりますと、代表団は選手431人を含む777人で、中国政府でスポーツを管轄する国家体育総局の※コウ仲文局長が団長を務めます。その規模は国外で開かれる大会としては過去最大だということです。
一方、中国政府は前回2016年のリオデジャネイロ大会と2018年の冬のピョンチャン(平昌)大会には、習近平国家主席の特別代表として副首相や共産党最高指導部のメンバーを派遣していますが、東京大会に派遣するかどうかは今のところ明らかにしていません。
中国政府としては、アメリカが大統領夫人であるジル・バイデン氏の開会式出席を決める中、4回目の緊急事態宣言が出されている東京都内の新型コロナウイルスの感染状況などを考慮しながら、ぎりぎりまで特別代表の派遣の可能性を見極めようとするものとみられます。
※コウは「くさかんむりに句」』
防衛白書、台湾有事の尖閣波及を警戒 島しょ防衛強化
「台湾の安定重要」初明記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA09BCT0Z00C21A7000000/


『防衛省は13日に公表した2021年版の防衛白書で、台湾情勢の安定が日本の安全保障に重要だと初めて明記した。台湾有事になれば170キロしか離れていない沖縄県・尖閣諸島の防衛に波及しかねないと警戒する。従来と比べ、具体的な「日本の守り」への言及に力点を置いたのもそのためだ。
台湾情勢について「わが国としても一層緊張感を持って注視していく必要がある」と指摘した。20年版で中国と台湾の軍事力の動向を「注目していく必要がある」などとしていた表現を強めた。
中台衝突が起きて米軍が参戦すれば日本も影響は避けられない。集団的自衛権を行使し、邦人を救出する米艦を防護したり、米軍基地を狙うミサイルを迎撃したりする必要が生じる。政府・与党内で「台湾有事は日本有事と一体だ」との見方が広がる。
台湾から近い沖縄県・与那国島や尖閣諸島は台湾有事の際に戦域になりかねない。尖閣などが巻き込まれれば武力攻撃事態となり日米で離島防衛にあたることになる。
戦後、日本の防衛は旧ソ連の抑止が主題だった。防衛白書も旧ソ連による着上陸侵攻を見据えた対応に記述を割いた。冷戦後は国連平和維持活動(PKO)など自衛隊の国際協力や災害派遣の紹介に重点を置いた。
10年代は北朝鮮の核ミサイルの脅威に焦点を当ててきたが、潜在的な懸念の対象は中国だった。
これまでも尖閣周辺での活動に懸念を示す表現は毎回盛ってきたが、今回はより具体的な国土防衛への言及を前面に打ち出した点で異なる。
島しょ防衛はその一例だ。中国に近い南西諸島を念頭に、攻めてくる相手の攻撃圏外から発射できる国産の長射程ミサイルを開発する計画を挙げた。陸上自衛隊が運用する「12式地対艦誘導弾」の射程を伸ばす。敵艦を離島に近づきにくくし、相手の攻撃を抑止する。
地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止と、代替となる艦船導入も記載した。地上配備は北朝鮮からのミサイル対処が目的だったものの、海上で運用すれば南西諸島防衛にも活用できる。
明確な武力攻撃ではないグレーゾーン事態への対処にも紙幅を割いた。相手が武力攻撃にあたらない範囲で現状変更を試みてくる可能性に触れた。中国が海軍ではなく海警局を使って尖閣諸島に上陸してくる事態などを想定しているとみられる。
グレーゾーン事態が長引けば「明確な兆候のないまま、より重大な事態へと急速に発展していくリスクをはらむ」とも訴えた。武装した工作員に対処するため警察との共同訓練の必要性に触れたコラムも載せた。
今回初めて米中関係に関する項目を設けた。米中対立が激しくなれば日本も無関係でいられないとの認識を映す。人工知能(AI)など先端技術を巡る競争も一層激しくなると予測した。
中国は00年以降、急激な軍拡で戦闘機やミサイルを増やす。東アジアに限ると中国の優勢は明らかだ。大量の対艦弾道ミサイルなどを配備し、米軍が中国近海まで近寄れない戦略をとる。
米中対立の文脈で尖閣諸島の問題に言及したのも従来の白書にない特徴といえる。米軍の対日防衛義務が尖閣諸島に及ぶと重ねて表明する米国に、中国が「強く反発している」と触れた。
尖閣問題を初めて単独のコラムとして取り上げた。尖閣周辺で領海侵入を繰り返す中国海警局の船の活動を「そもそも国際法違反」と断じた。過去の白書では国際法上の評価は触れず「全く容認できない」などと記しただけだった。
海警局を準軍事組織と位置づけた2月施行の海警法も「国際法との整合性の観点から問題がある」と明確に指摘した。一連の表現からは尖閣周辺での海警局の船の活動がグレーゾーン事態や有事に発展しかねないとの危機感がにじむ。
防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画は18年の策定から2年半たつ。防衛白書が記すように、この間の東アジアの安保環境の変化は激しい。台湾や尖閣有事を抑止するためにも防衛力強化の不断の見直しが不可欠となる。
(安全保障エディター 甲原潤之介)
防衛費、GDP1%枠超も視野 中国への抑止力に
防衛白書は9年連続増となった2021年度の防衛関係費も説明した。22年度も増額傾向は続く見通しで、国内総生産(GDP)比で1%以内としてきた目安を超える可能性がある。岸信夫防衛相は1%にこだわらず予算要求する方針だ。
中国が急ピッチで軍備強化を進め、このままでは東アジアで日米と中国の軍事力の差が一層開きかねない。防衛省は日米が連携して防衛力を高めることが中国への抑止力となり、台湾や沖縄周辺での紛争回避につながるとみる。
白書によると20年度の日本の防衛費はGDP比で0.94%となり19年度の0.90%からわずかに上昇した。3%超の米国とロシア、2%超の韓国、オーストラリア、フランスと比べ差は大きい。白書は主要国と比較し「対GDP比は最も低い」と指摘した。
防衛省は予算を増やして離島防衛能力の向上を狙う。島で敵の上陸を阻止する「水陸機動団」の拡充や、装備品や弾薬、食料を運ぶ海上輸送部隊の新設を計画。護衛艦などの新造にも充てる。
東アジアでの中国の軍事的優位が強まるほど、中国と対峙する東シナ海での防衛力強化が重要になる。静音性の高い潜水艦といった日本が優位性を持つ技術への投資も不可欠だ。
現在より探知能力に優れた潜水艦用ソナー開発や、日本周辺の浅い海域を航行する潜水艦の動きを捕捉するためのレーダー、上空から監視する哨戒機やヘリコプターなどの性能向上にも取り組む。
対空戦闘力では最新鋭ステルス戦闘機「F35A」や艦艇からの飛行が可能な「F35B」の購入を進める。現在の主力戦闘機「F15」も電子戦に対応するよう改修する。
【関連記事】[社説]防衛白書の危機意識を丁寧に説明せよ
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察 防衛白書で指摘する一連の中国の拡張姿勢が、直接に日本の生存への脅威となっている状況が明確になり、その意識を米国だけでなく欧州諸国など広く国際社会が共有するようになっているにも関わらず、日本の防衛関係費がGDP比で1%レベルと群を抜いて低いことは、同盟国の米国だけでなく、国際社会からも疑問視されるようになっています。日本自身の防衛努力が地域と世界の安定に貢献し、逆にそれを怠ることは責任を果たさない態度と認識されるという現実を、今回の防衛白書は指摘しているのだと思います。
2021年7月14日 7:40いいね
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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察 「日米が連携して防衛力を高めることが中国への抑止力となり、台湾や沖縄周辺での紛争回避につながる」ここが大事だと思います。抑止とは、戦争が起こる前にそれを防ぐことです。日本が防衛努力をすることは、戦争の可能性を高めるのではなく、低めるのだということを、国民にしっかり理解してもらう必要があります。日本周辺での武力紛争の可能性が高まっているからこそ、抑止を考える必要がある。そのために効果的な防衛費の使い方とはどのようなことなのか、を議論する必要があります。
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3 』
防衛白書、台湾有事の尖閣波及を警戒 島しょ防衛強化
「台湾の安定重要」初明記
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA09BCT0Z00C21A7000000/


『防衛省は13日に公表した2021年版の防衛白書で、台湾情勢の安定が日本の安全保障に重要だと初めて明記した。台湾有事になれば170キロしか離れていない沖縄県・尖閣諸島の防衛に波及しかねないと警戒する。従来と比べ、具体的な「日本の守り」への言及に力点を置いたのもそのためだ。
台湾情勢について「わが国としても一層緊張感を持って注視していく必要がある」と指摘した。20年版で中国と台湾の軍事力の動向を「注目していく必要がある」などとしていた表現を強めた。
中台衝突が起きて米軍が参戦すれば日本も影響は避けられない。集団的自衛権を行使し、邦人を救出する米艦を防護したり、米軍基地を狙うミサイルを迎撃したりする必要が生じる。政府・与党内で「台湾有事は日本有事と一体だ」との見方が広がる。
台湾から近い沖縄県・与那国島や尖閣諸島は台湾有事の際に戦域になりかねない。尖閣などが巻き込まれれば武力攻撃事態となり日米で離島防衛にあたることになる。
戦後、日本の防衛は旧ソ連の抑止が主題だった。防衛白書も旧ソ連による着上陸侵攻を見据えた対応に記述を割いた。冷戦後は国連平和維持活動(PKO)など自衛隊の国際協力や災害派遣の紹介に重点を置いた。
10年代は北朝鮮の核ミサイルの脅威に焦点を当ててきたが、潜在的な懸念の対象は中国だった。
これまでも尖閣周辺での活動に懸念を示す表現は毎回盛ってきたが、今回はより具体的な国土防衛への言及を前面に打ち出した点で異なる。
島しょ防衛はその一例だ。中国に近い南西諸島を念頭に、攻めてくる相手の攻撃圏外から発射できる国産の長射程ミサイルを開発する計画を挙げた。陸上自衛隊が運用する「12式地対艦誘導弾」の射程を伸ばす。敵艦を離島に近づきにくくし、相手の攻撃を抑止する。
地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の計画停止と、代替となる艦船導入も記載した。地上配備は北朝鮮からのミサイル対処が目的だったものの、海上で運用すれば南西諸島防衛にも活用できる。
明確な武力攻撃ではないグレーゾーン事態への対処にも紙幅を割いた。相手が武力攻撃にあたらない範囲で現状変更を試みてくる可能性に触れた。中国が海軍ではなく海警局を使って尖閣諸島に上陸してくる事態などを想定しているとみられる。
グレーゾーン事態が長引けば「明確な兆候のないまま、より重大な事態へと急速に発展していくリスクをはらむ」とも訴えた。武装した工作員に対処するため警察との共同訓練の必要性に触れたコラムも載せた。
今回初めて米中関係に関する項目を設けた。米中対立が激しくなれば日本も無関係でいられないとの認識を映す。人工知能(AI)など先端技術を巡る競争も一層激しくなると予測した。
中国は00年以降、急激な軍拡で戦闘機やミサイルを増やす。東アジアに限ると中国の優勢は明らかだ。大量の対艦弾道ミサイルなどを配備し、米軍が中国近海まで近寄れない戦略をとる。
米中対立の文脈で尖閣諸島の問題に言及したのも従来の白書にない特徴といえる。米軍の対日防衛義務が尖閣諸島に及ぶと重ねて表明する米国に、中国が「強く反発している」と触れた。
尖閣問題を初めて単独のコラムとして取り上げた。尖閣周辺で領海侵入を繰り返す中国海警局の船の活動を「そもそも国際法違反」と断じた。過去の白書では国際法上の評価は触れず「全く容認できない」などと記しただけだった。
海警局を準軍事組織と位置づけた2月施行の海警法も「国際法との整合性の観点から問題がある」と明確に指摘した。一連の表現からは尖閣周辺での海警局の船の活動がグレーゾーン事態や有事に発展しかねないとの危機感がにじむ。
防衛計画の大綱や中期防衛力整備計画は18年の策定から2年半たつ。防衛白書が記すように、この間の東アジアの安保環境の変化は激しい。台湾や尖閣有事を抑止するためにも防衛力強化の不断の見直しが不可欠となる。
(安全保障エディター 甲原潤之介)
防衛費、GDP1%枠超も視野 中国への抑止力に
防衛白書は9年連続増となった2021年度の防衛関係費も説明した。22年度も増額傾向は続く見通しで、国内総生産(GDP)比で1%以内としてきた目安を超える可能性がある。岸信夫防衛相は1%にこだわらず予算要求する方針だ。
中国が急ピッチで軍備強化を進め、このままでは東アジアで日米と中国の軍事力の差が一層開きかねない。防衛省は日米が連携して防衛力を高めることが中国への抑止力となり、台湾や沖縄周辺での紛争回避につながるとみる。
白書によると20年度の日本の防衛費はGDP比で0.94%となり19年度の0.90%からわずかに上昇した。3%超の米国とロシア、2%超の韓国、オーストラリア、フランスと比べ差は大きい。白書は主要国と比較し「対GDP比は最も低い」と指摘した。
防衛省は予算を増やして離島防衛能力の向上を狙う。島で敵の上陸を阻止する「水陸機動団」の拡充や、装備品や弾薬、食料を運ぶ海上輸送部隊の新設を計画。護衛艦などの新造にも充てる。
東アジアでの中国の軍事的優位が強まるほど、中国と対峙する東シナ海での防衛力強化が重要になる。静音性の高い潜水艦といった日本が優位性を持つ技術への投資も不可欠だ。
現在より探知能力に優れた潜水艦用ソナー開発や、日本周辺の浅い海域を航行する潜水艦の動きを捕捉するためのレーダー、上空から監視する哨戒機やヘリコプターなどの性能向上にも取り組む。
対空戦闘力では最新鋭ステルス戦闘機「F35A」や艦艇からの飛行が可能な「F35B」の購入を進める。現在の主力戦闘機「F15」も電子戦に対応するよう改修する。
【関連記事】[社説]防衛白書の危機意識を丁寧に説明せよ
多様な観点からニュースを考える
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渡部恒雄
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分析・考察 防衛白書で指摘する一連の中国の拡張姿勢が、直接に日本の生存への脅威となっている状況が明確になり、その意識を米国だけでなく欧州諸国など広く国際社会が共有するようになっているにも関わらず、日本の防衛関係費がGDP比で1%レベルと群を抜いて低いことは、同盟国の米国だけでなく、国際社会からも疑問視されるようになっています。日本自身の防衛努力が地域と世界の安定に貢献し、逆にそれを怠ることは責任を果たさない態度と認識されるという現実を、今回の防衛白書は指摘しているのだと思います。
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岩間陽子
政策研究大学院大学 政策研究科 教授
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分析・考察 「日米が連携して防衛力を高めることが中国への抑止力となり、台湾や沖縄周辺での紛争回避につながる」ここが大事だと思います。抑止とは、戦争が起こる前にそれを防ぐことです。日本が防衛努力をすることは、戦争の可能性を高めるのではなく、低めるのだということを、国民にしっかり理解してもらう必要があります。日本周辺での武力紛争の可能性が高まっているからこそ、抑止を考える必要がある。そのために効果的な防衛費の使い方とはどのようなことなのか、を議論する必要があります。
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中国、防衛白書に反発 「台湾問題に手を出すな」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1397M0T10C21A7000000/
『【北京=羽田野主】中国外務省の趙立堅副報道局長は13日の記者会見で、2021年版の防衛白書に反発した。「いかなる国が台湾問題に手を出すのも絶対に許さない」と強調した。「強烈な不満を示し、断固として反対する」と話した。
中国海警局の公船が沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入をくり返している実態について「尖閣諸島とその付属する島しょは中国の不可分の領土だ」と従来の見解をくり返した。今年制定した海警法に関しては「国際法に完全に適合している」と述べた。
日本政府が掲げる「自由で開かれたインド太平洋」の戦略にも触れ「冷戦思考で歴史の後退だ。ゴミの山に捨てられるべきだ」と主張した。
【関連記事】
・防衛白書、台湾有事の日本波及を警戒 島しょ防衛強化
・「台湾情勢の安定重要」 防衛白書に初明記
・中国・習氏「台湾統一は歴史的任務」 党創立100年式典
・中国・習氏「外部の圧迫許さぬ」 強権堅持、人民軍増強 』
日米首脳共同声明の“台湾問題言及”に込められた真の意味
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00728/
※ これは、一読しといた方がいい…。
※ 「台湾問題」と「台湾海峡問題」…。
※ 似ているが、外交用語としては、「明確に、意味が異なる」らしい…。
※ こういう風に、「用語一つとっても」、相手に伝わる「含意」が異なり、お互い「神経すり減らしながら」、こっちの「考えていること」を、時には「明確に」時には「わざと曖昧に」伝え、相手側からも、同様に、考えていることを「受け取ったり」するわけだ…。
※ そういう「やり取り」を重ねながら、お互い「腹(ハラ)の内」を探り合って、「レッドライン」を読み合ったりして行くわけだ…。
※ 北朝鮮のミサイル問題が、盛んだった頃の話しだ…。
※ オレの身内(その時、もう90近い年の婆さんだった)が、テレビのワイドショーを視て、「ストレス」に耐え兼ねたんだろう…。
※ 「さっさと、やってしまえばいいのに…。」と言ったのを聞いて、驚愕した記憶がある…。
※ 90近い婆さんが言う分には、笑って聞き流せば足りる…。
※ しかし、国の舵取りを担っている人々は、そうはいかんだろう…。
※ 国民一人一人の「幸福」「安心安全」を考えて、「辛抱強く」「粘り強く」いかんとな…。


『2021年4月16日の日米首脳共同声明で、日米両国は「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに両岸問題の平和的解決を促す」と台湾問題に言及した。
その背景にはバイデン政権のしたたかな対中戦略が透けてみえる。
この問題は二つの視点から考えることができる。第一は、1969年11月の佐藤・ニクソンの日米首脳共同宣言と2021年の菅・バイデンの日米首脳共同宣言の台湾問題の違いである。前者では、「台湾地域における平和と安全の維持」とし、後者では、「台湾海峡の平和と安定の重要性」としている。ここでの相違は、前者が「台湾地域」としているのに対し、後者では「台湾海峡」としている点にある。
外務省の見解では、「中華民国の支配下にある地域」は「台湾地域」と読み替えている。すなわち、日中国交正常化の時に条件として示された復交三原則のちの「一国一制度」を尊重し、台湾(中華民国)は中国(中華人民共和国)の一部であるとし中国を刺激しない表現をとったのであろう。
一方、「台湾海峡」という海洋上の固有名詞で「台湾地域」という地域名では呼ばなかった。「台湾海峡」はそのもっとも狭い部分で幅130キロあり、海洋法でいう領海は沿岸から22.2キロであるので、台湾海峡のほとんどはどの国の船も航行が自由な国際海峡となり、航行の自由がある。台湾海峡の「安定と重要性」を指摘することで、今後は必要とあれば米国および同盟国は台湾海峡における「自由の航行作戦」などの作戦を展開しうるということを宣言している。
また、21年の日米首脳共同宣言では「両岸問題の平和的解決を促す」という言葉を付け加えている。この表現は05年5月13日の胡錦涛総書記と連戦主席会談に関するコミュニケでも「両岸の平和と両岸関係の安定した発展を促す」という表現を使うなど、この表現は一見、中国を刺激しない柔軟な表現にもとれる。
こういった、いわゆる「台湾条項」をめぐる戦後の日本の対応は、一見矛盾するような日米同盟と日中提携を両立させてきた歴史でもある。日本は1969年11月の日米共同宣言後も中台問題の「平和的解決」という言葉を使ってきた。96年の日米安全保障共同宣言では、日米安保条約の適用範囲を極東からアジア太平洋地域に拡大した。さらに、それに続く日米防衛協力の指針(ガイドライン)の見直し、その後の日米同盟の再定義過程で台湾有事はHidden Agenda(懸案事項)であり続けたが、日米首脳間の公式文書で「台湾」に言及しなかった。
台湾問題言及に込められた意味
しかし、今回は首脳共同宣言で台湾問題を言及した。しかも「(台湾の)安全の維持」より一歩踏み込んだ「(台湾の)安全の重要性」と一歩踏み込んだ言葉を使用している。これは、「両岸問題の平和的解決を促す」という付け加えられた言葉を併せて考えると、平和的な解決であれば認められるが、武力統一は認めないという強い宣言とも受け取れる。
そのために、バイデン大統領は6月9日から8日間の欧州歴訪を行った。民主主義同盟を再活性化することで、対中封じ込めを行うことに狙いがあった。まず英コーンウォールでのG7サミット(先進国首脳会議)に先だち、「特別な関係」である英国のボリス・ジョンソン首相と「新太平洋宣言」を出した。「大西洋憲章」は第二次大戦中、当時のチャーチル英首相とルーズベルト米大統領による戦後処理に関する宣言であり、民主主義体制の基礎となった。
その後、バイデン大統領は台湾に関する「台湾海峡の平和と安定」という同じ表現を日米首脳会談、米韓首脳会談、G7サミットでも使い、中国に警告を発した。そして最後に、バイデン大統領は欧州歴訪の「総仕上げ」としてロシアのプーチン大統領と6月16日に会談した。中国包囲網に集中するため、ロシアとの関係安定化がどうしても必要であった。そして、バイデン大統領は10月に予定されている習近平国家主席との会談に臨む。
民主主義同盟の復活がなるかどうかは、そのシステムへの参加国(G7、NATO、それにインド、韓国等)がどれだけ本気で参加するかどうかにある。特に、イタリア、ドイツ、韓国などの国は中国とかなり深い関係にあり、どう民主主義同盟に貢献させるかが鍵となる。
経済安全保障と軍事的抑止
台頭する中国に対して民主主義同盟ネットワークを再構築して「封じ込め」を狙うのがバイデン政権の「大戦略」だとするならば、それを実行するための「戦略」は第一に外交・安全保障政策目標を経済手段で達成する経済安全保障、第二に軍事的抑止にある。そして、その両者のクラッシュポイントが台湾となる。
バイデン大統領は大統領就任早々の2月24日に「サプライチェーンを見直す大統領令」を出し、半導体などを重要部材とした。具体的には中国のチョークポイントである半導体のサプライチェーンを同盟国とともに構成して、中国をデカップリングすることが目的にある。
半導体はスマートフォン、自動車、近代兵器製品などに用いられ、産業競争力や安全保障に大きく影響する。そして半導体の工場立地別の2020年の生産能力シェアは台湾がトップであり、韓国、日本、中国、米国と続いている。
もし台湾を中国に完全に牛耳られれば、米国にとっては致命傷となる。逆に、米国が台湾を押さえれば、中国を半導体で制することができる。つまり、台湾は米中衝突の舞台となっているわけである。
また、日米首脳共同宣言でバイデン政権から課せられた課題は、日本が経済安全保障を率先して行うことである。この点、中国を米国の定める「ルール化」に従わせる一助を担うことになろう。
しかし、アメリカの「ルール化」が日本の国益にマッチしない場合もでてこよう。それをどうするかがポイントとなる。日本企業の中国への依存度は高く、日本独自の国益に基づく経済安全保障上の「ルール化」が必要となるはずである。そのためには、日米間のルール化交渉がまず必要となり、そのうえで日本独自の経済安全保障政策が展開されるべきであろう。
日本はどこまで関与するのか
バイデンの第二の戦略は中国に対する軍事的封じ込めにあり、具体的には第一列島線(沖縄からフィリピンを結ぶ)の内側に中国を封じ込めることである。その中でも台湾は米軍にとり第一列島線上にある戦略上の要石である。米インド太平洋軍デビッドソン司令官が、米上院軍事委員会で「今後6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」という衝撃的な発言を3月9日にしたのは周知の事実である。
台湾を中国に制覇されれば中国海軍は第一列島線を突破し、太平洋に自由に航行ができるようになる。そうなれば、横須賀基地を母港とする空母ロナルド・レーガンにとっては、その目の前に中国漁船や中国海警局巡視船、さらに潜水艦が現れ非常な脅威にさらされる。また、佐世保を母港とする海兵隊の強襲揚陸艦「アメリカ」にとってもしかりであり、在日米軍の再編が考えられるかもしれない。
しかし、台湾有事の場合、米国は台湾を死守するであろうか。この点、昨年に国防総省とランド研究所の台湾をめぐる中米戦争のシミュレーションで、「米国の負ける可能性が高い」というショッキングな報告が出ている。中国の軍備強化に対し、米国だけでの抑止は困難となっており、バイデン政権はクワッド(米日豪印)に加えて英国、フランス、ドイツといったNATO諸国にも応援を依頼する戦略をとる。
また、中国は地上発射式中距離弾道ミサイルを日本に向けて1250基以上保有しているが、米国はゼロである。このため、米国は中距離核戦力(INF)全廃条約を2019年9月に破棄し、対中ミサイル防衛網をつくることを目論んでいる。
デビッドソン司令官はPDI(太平洋防衛イニシャティブ)に基づき、南シナ海や台湾海峡で軍事的圧力を増す中国への抑止力強化を狙い、「第一列島線」に地上配備型ミサイル網を構築すべき」と強調した。その一環として日本列島にミサイル網が張り巡らされれば、台湾への抑止効果が格段上がることとなる。しかしながら、地元がその展開を認めるかどうか大きな課題となろう。
元来、台湾をめぐる日本の対応は、1969年の日米首脳共同宣言以降は変化していなかった。すなわち、台湾有事の際には「事前協議」が日米間で必要とされるが、「もし台湾有事のときに在日アメリカ軍の出撃を拒否するように中国側が申し入れてきてもこれに応じることはない」という取り決めとなっている。このため、台湾有事は日本有事となるわけであり、時間的ロスはないというのがこれまでの解釈である。
ところが、今回の日米共同宣言で日本は台湾防衛へさらなるコミットメントしたことになるが、どこまで貢献できるのであろうか。台湾有事の際には存立危機が認められるのか、集団的自衛権が行使されるのかも問われよう。
バナー写真:海上自衛隊のイージス艦「こんごう」(手前)と米海軍第7艦隊の指揮艦「ブルーリッジ」(奥)の共同訓練=2021年3月29日、東シナ海[米第7艦隊提供](時事)
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