南シナ海で軍事訓練 中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080501059&g=int
『【北京時事】中国海事局は3日、「軍事訓練」を6~10日に行うため、海南島沖や南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島を含む広い海域を航行禁止区域に指定した。訓練の内容は不明だが、南北約400キロの広い海域で大規模な軍事演習を行う可能性がある。
米軍や日本に向けて航行中の英空母をけん制する狙いもあるとみられる。』
南シナ海で軍事訓練 中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080501059&g=int
『【北京時事】中国海事局は3日、「軍事訓練」を6~10日に行うため、海南島沖や南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島を含む広い海域を航行禁止区域に指定した。訓練の内容は不明だが、南北約400キロの広い海域で大規模な軍事演習を行う可能性がある。
米軍や日本に向けて航行中の英空母をけん制する狙いもあるとみられる。』
中国、日米に強く反発 「デマ、中傷」―東アジア外相会議
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080501085&g=int

『【北京時事】中国の王毅国務委員兼外相は4日、オンライン形式で開かれた東アジアサミット外相会議で、茂木敏充外相やブリンケン米国務長官が香港や新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり「デマを飛ばし、中傷した」と強く反発した。中国外務省が発表した。
南シナ海めぐり米中応酬 東アジアサミット外相会議
王氏は最初の発言後、日米外相に反論するため2回目の発言を求め、認められた。香港に関して王氏は、国家安全維持法の制定後、安定を取り戻したと主張。懸念を表明する日米などに「香港の混乱を繰り返し、『香港独立』勢力を再び街頭に繰り出させたいのか」と疑問を投げ掛け、「はっきり言うが、諦めた方がいい。そんな日は二度と来ない」と批判を拒絶した。
米政府が「ジェノサイド(集団虐殺)」が起きていると非難する新疆についても王氏は、人口や平均寿命の増加などを説明。「米国の(先住民)インディアン虐殺こそが真のジェノサイドだ」と過去の歴史を持ち出し論点をずらした。』
米の武器売却に中国反発 台湾問題「内政干渉やめよ」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM058I30V00C21A8000000/

『【北京=羽田野主】バイデン米政権として初めて台湾に武器売却を決めたことに中国が5日反発した。中国外務省報道官はホームページで「台湾は中国の分割できない領土だ。中国は断固として反対する」とコメントした。
報道官は「米国の台湾への武器売却は中国への内政干渉だ。中国の主権と安全利益に損害を与える」と強調した。米国側に抗議し、今後の米国の出方次第では対抗措置をとる構えをみせた。
中国外務省による反応では、格の高い「声明」やそれに次ぐ「報道官談話」などがあるが、今回は記者の質問にホームページで答える簡易的な体裁をとった。
バイデン米政権は4日、総額7億5000万ドル(約820億円)にのぼる台湾への武器売却を決め、米議会に通知した。40両の自走砲や20両の弾薬補給車などで、トランプ前政権から続く台湾への軍事支援の方針を鮮明にした。
米国務省は声明で「今回の売却で現在および将来の脅威に対処する能力の向上につながる。地域の基本的な軍事バランスは変わらない」と説明した。米議会は超党派で台湾を支援する姿勢で、武器売却を承認するとみられる。
台湾を「自国の領土」と位置づける中国共産党の習近平(シー・ジンピン)指導部はこうした動きを認めない考えだ。
中国国営中央テレビ(CCTV)は7月に人民解放軍が台湾に近い福建省の沿岸地域で上陸作戦を想定した実弾軍事演習する模様を伝えた。揚陸艦で運ばれた多数の水陸両用装甲車が沿岸を攻撃する場面を流した。
今後も軍事演習の継続や中国外務省の報道官らの威嚇的な発言を通じて米国と台湾の連携を阻もうとするとみられる。
一方で最近の習指導部の動きをみると、台湾へのさらなる軍事圧力の強化には慎重な姿勢も垣間見える。台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入する中国軍機はひところより減る傾向にある。解放軍に詳しい関係者は「2022年の北京冬季五輪が約半年後に迫っており、難しい時期に入った」と話す。
来年2月に開幕する北京冬季五輪は習指導部にとって集大成といえる重要イベントだ。来年秋には5年に1度の党大会が控えており、3期目入りをねらう習氏は冬季五輪の成功を政権の実績にしたい考えとみられる。
台湾への圧力強化で米欧などの反発が強まり、冬季五輪で主要国のボイコットが相次ぐ事態を警戒しているようだ。20年には香港への統制を強める香港国家安全維持法を制定したことをきっかけに米欧との溝が大きく広がった。
「台湾統一」という習指導部の政権公約とのはざまで、現実的な路線を探るとみられる 。』
米情報機関、コロナ解明へ武漢研究所のデータ入手 CNN
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGV060AY0W1A800C2000000/

『【ワシントン=共同】米CNNテレビは5日、米情報機関が新型コロナウイルスの起源解明に向け、中国・武漢のウイルス研究所が扱っていたウイルスのサンプルの遺伝子情報を含む膨大なデータを入手したと報じた。起源を解明する鍵になる可能性があるとみて解析を進めているという。ハッキングで得た可能性があるとしている。
ウイルスの起源を巡り、バイデン米大統領(民主党)は5月下旬、研究所漏えい説と動物を介した感染説があるとして追加調査の上で90日以内に結果を報告するよう情報機関に指示していた。中国は反発しており、今回入手したデータで調査が進展するかどうか注目される。
中国はデータの提供を拒否しており、今回の情報入手の方法や時期は明らかになっていない。ウイルスの遺伝子情報を解析する機器は通常、外部サーバーとつながっていることが多いことなどを、関係者がハッキングの可能性の根拠として挙げた。
米下院外交委員会ナンバー2のマコール議員(共和党)は2日、コロナ起源に関する報告書を発表し「武漢のウイルス研究所から流出したことを示す多くの証拠が見つかった」と主張した。』
米、ワクチンで中国に対抗 東南アジアへ供給拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0428V0U1A800C2000000/


『【ワシントン=永沢毅、ジャカルタ=地曳航也】米国は新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)が猛威を振るう東南アジア諸国連合(ASEAN)各国にワクチンの供給を拡大する。地域では中国製のワクチンが広く普及しているが、効果に対する不安も広がっている。デルタ型に対しても比較的高いとされる欧米製の有効性をテコに、中国のワクチン外交に対抗する戦略だ。
ブリンケン米国務長官は4日のASEANとのオンラインによる外相会合で、バイデン政権としてASEANへのワクチン支援を加速する考えを示した。地域には計2400万回分を供与済み。これに加え、米国として世界に提供を約束している5億回分の一部をASEAN加盟国に振り向ける方針だ。
意識するのは中国だ。米国務省高官は「コロナとの戦いで(ASEANの)信頼できるパートナーになりたい。私たちは無料でワクチンを提供し、見返りを期待していない」と話した。
中国は東南アジアでの影響力を高める戦略の一環として、ASEAN各国に積極的にワクチンを提供してきた。王毅(ワン・イー)国務委員兼外相は3日のASEANとの外相会合でこれまでに地域に1億9000万回分以上のワクチンを提供したと述べ、実績を強調した。人口規模が大きいインドネシアやフィリピンでは国内調達済みの半数超が中国製だ。
ASEAN各国は、接種を完了した人の割合が相対的に低く、中国製のワクチンの効果を示す明確なデータはない。ただ、ここに来て効果を不安視する人も増えている。
インドネシアの医師団体によると、同国ではワクチンの国民接種が始まった1月から7月27日までの間、医師348人が新型コロナにより死亡した。国内調達済みのワクチンの8割超を中国科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)製が占め、医師の大半が接種を受けていただけに、中国製の有効性を巡る不安感が広がった。
中国製ワクチンが5割を占めるタイでも、保健省が4月から7月10日の間にシノバック製の接種を完了した医療従事者のうち618人がコロナに感染したとのデータを公表した。その中には死者や重篤者も含まれる。
インドネシア政府は7月からワクチン接種を済ませた医療従事者に米モデルナ製のワクチンを追加接種する措置を始めた。マレーシア政府は7月に予定していたシノバック製の調達を終え次第、米ファイザーや英アストラゼネカ製の確保を急ぐ方針を決めた。
タイでは医学会で追加接種の必要性の議論が始まった。ASEAN内の指導者でも特に中国寄りとされるカンボジアのフン・セン首相もアストラゼネカ製を接種した。接種完了率が高い英国やイスラエルでは、ファイザー製やアストラゼネカ製はデルタ型にも有効とのデータがあり、ASEAN各国も欧米製に期待を寄せる。
インドネシアのルトノ外相は今週、ワシントンを訪れ、コロナ対応の支援を引き出すためホワイトハウス高官や製薬関連企業幹部との会談を重ねている。2日には製薬大手のイーライ・リリーや、バイオ企業アークトゥルス・セラピューティクスの幹部と会談したと自身のツイッターで明らかにした。
中国もワクチンの質で逆風に立たされていることを意識している。シノバックの広報担当者は7月下旬、マレーシアの国営ベルナマ通信の取材に同社製ワクチンは重症化を防ぐなどの点で変異ウイルスにも有効だとの見解を示した。一方、追加接種に対応するため、デルタ型への効果がさらに高い製品の開発を進めていると表明した。
中国は6月時点で21種類の新たなワクチンの臨床試験を実施している。王氏は3日のASEANとの外相会合で地域へのワクチン支援を継続する考えを示したうえで、巻き返しを狙う米国を念頭に「科学上の課題の政治化に断固反対する」と訴えた。』
米、台湾に武器売却 バイデン政権で初
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN050A30V00C21A8000000/


『【ワシントン=永沢毅】バイデン米政権は4日、総額7億5000万ドル(約820億円)にのぼる台湾への武器売却を決め、米議会に通知したと発表した。40両の自走砲や20両の弾薬補給車などで、バイデン政権での台湾への武器売却は初めて。トランプ前政権から続く台湾への軍事支援の方針が鮮明になり、中国の反発は確実だ。
米国務省は声明で「今回の売却で現在および将来の脅威に対処する能力の向上につながる。地域の基本的な軍事バランスは変わらない」と説明した。バイデン政権は台湾有事への警戒を強めており、台湾への軍事圧力を強める中国が念頭にある。米議会は超党派で台湾を支援する姿勢で、武器売却を承認するとみられる。
米国が台湾に売却する自走砲「M109A6」(2017年、韓国)=ロイター
台湾メディアによると、台湾が保有する自走砲は20年以上前に米国から購入した古いモデルで、米国に更新を働きかけていた。米国は台湾関係法で台湾が自衛のために必要としている武器の供与を定めており、今回の売却はこれに沿ったものになる。
オバマ政権は中国への配慮から武器売却には慎重な姿勢が目立っていた。対中圧力を強めたトランプ政権は軍事産業支援の思惑もあって武器売却を加速した経緯がある。売却を決めたのは11回にのぼる。
台湾の外交部(外務省)は5日、「米政府の政策継続を強く歓迎する」との声明を発表した。そのうえで「中国の軍事的拡張と挑発的行動に直面して、台湾は国防と安全保障を確固として強化し、米国との緊密な協力を通じて、台湾海峡の安全を維持する」と表明した。』
2つの東京五輪またぎ中国が操る「北方領土カード」
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK022T30S1A800C2000000/





『東京五輪の開催中も国際政治を巡る厳しいせめぎ合いが続いている。話題になっているのは、日本の北方領土を巡る中国政府のスタンスの微妙な変化である。「中国外務省が表明した最新の見解と、北方四島に関する中国の地図表示には統一性がない。中国は一体、どうするつもりなのか」「これは今後の日中関係、そして米中関係をも左右する」。アジアの外交関係者らはこう指摘する。
問題となったのは、中国外務省の副報道局長、趙立堅による7月27日の記者会見だ。日本政府がロシア首相のミシュスチンによる北方領土訪問に抗議したことについて「世界反ファシズム戦争勝利の成果は適切に尊重され、遵守(じゅんしゅ)されるべきだ」と一歩、踏み込んだ見解を示した。
7月26日、北方領土の択捉島で水産加工施設を訪れたロシアのミシュスチン首相=タス共同
この前段で「これはロシアと日本の2国間問題であり、双方の話し合いで解決すべきだ」と従来の立場を述べているものの、後段と合わせると、ロシア側に寄り添った雰囲気を醸し出すよう工夫されている。
「台湾で手を出せばロシアに肩入れ」示唆
そもそも「反ファシズム戦争(第2次世界大戦)勝利の成果」という表現は、ロシアが実効支配を正当化する際に使う表現である。これを「適切に尊重・遵守(じゅんしゅ)せよ」というなら間接的ながらロシアの主張を認めていることになる。
中国外務省の記者会見で、ロシア首相の北方領土訪問、関税を免除する特別区の設置提案について質問した共産党機関紙・人民日報傘下の国際情報紙である環球時報は、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」公式アカウントで「(中国が)誰を支持しているのかは既に明確だ」などとする記事を掲載した。
2018年に中国企業代表団が択捉島を訪れ、旅行や養殖業での協力の可能性を検討した経緯に触れ、最後は「もし日本が続けて台湾、新疆ウイグル自治区など中国の内政問題に手を出すなら、中国企業は完全にロシアとともにさらに大きな一歩を踏み出す」と締めくくった。
「中国は時が来れば南千島の開発に参画する」。踏み込んだ見出しの記事は中国内で広く転載されている。中国政府が直接言わない意図の恣意的な解説は、宣伝当局の意向に沿って国際的な宣伝戦を有利に運ぶ「ポジショントーク」を含んでいる。
台湾を巡って日本は米バイデン政権と連携を強めている。21年版の防衛白書は「台湾をめぐる情勢の安定は、わが国の安全保障にとってはもとより、国際社会の安定にとっても重要」と初めて明記し、中国への警戒感を前面に出している。
握手する習近平・中国国家主席㊨とプーチン・ロシア大統領(2019年11月、ブラジリア)=AP
中国としては、北方領土問題でロシア寄りの姿勢を示すことで日本側をけん制する狙いがあるもようだ。一部で「半同盟関係」と評される中国とロシアの両軍は、東京五輪閉幕直後の8月9~13日に中国・寧夏で合同演習を予定している。一連の動きにはロシアへの配慮もある。9日はソ連が日ソ中立条約を破って旧満州(現中国東北部)に攻め込んだ日でもある。
中国の地図は今もロシア占拠を明記
とはいえ、中国の地図では今も北方四島について、本来、日本の領土である場所をロシアが占拠しているという意味のかっこ書きが付いている。日ロの国境線も択捉島とウルップ島の間に描かれている。日本政府の主張通りだ。
これらは大手IT企業、百度(バイドゥ)のサイトで検索できる地図でも確認できる。中国の国土資源省が管轄する国家測絵地理情報局が指示する統一表記だという。中国はいつでもこれを変えることができる。そういう脅しを日本にかけ始めた。
しかし、これは言葉でいうほど簡単ではない。中国による北方領土を巡る日本の立場支持には長い経緯がある。その起源が、1972年の日中国交正常化よりはるか前、建国の指導者、毛沢東による明言にあることはあまり知られていない。
話は64年の前回東京五輪の直前に遡る。「毛沢東主席が(日本への)南千島(北方領土)返還を支持」。64年7月13日付の日本経済新聞1面は香港発の記事でこう伝えている。
毛沢東主席が社会党訪中団に北方領土の日本返還を支持したと伝えた1964年7月13日付の日経新聞1面
毛沢東は同7月10日に佐々木更三ら社会党訪中団と会談。「社会党は南千島返還を要求しているが、どう思うか」との質問に、毛沢東は「ソ連は領土を取りすぎているので南千島を日本に返すことに賛成だ」と明言した。
1964年の毛沢東発言以来、中国の一貫した政策
続いて同8月1日付朝刊各紙は、社会党訪中団に参加した岡田春夫の話を香港電で伝えた。「(当時の首相である)周恩来も日本の対ソ領土返還要求を原則的に支持した毛主席の発言は、日本に対する一時的な戦術的考慮ではなく、中国の一貫した政治的主張である、と述べた」という。これは毛沢東発言が報道された後、日本国内で「日本に対する戦術的な考えに過ぎず、警戒すべきだ」という論評が出たのを気にしたものだった。
ちなみに中華人民共和国は、国交がない日本で64年10月10日開幕した前回東京五輪に参加していない。そして開幕から6日後の10月16日には、新疆で初の核実験に踏み切り、アジア唯一の核保有を宣言した。
前日の10月15日には毛沢東が敵視したソ連の第1書記兼首相のフルシチョフが辞職願に署名して失脚し、北京では「修正主義反対闘争の偉大な勝利」という歓呼の声が広がった。華やかな東京五輪の裏で中ソ対立を含む国際政治は風雲急を告げていた。
最高指導者、毛沢東の対日発言を受けて、人民日報はソ連の覇権主義を背景にした北方領土の占領を非難する記事を繰り返し掲載する。そして日中関係は72年の国交正常化に向けた道を歩み始める。ソ連への対抗は、対米関係の正常化という大きな決断にもつながった。
だが、その後のソ連崩壊は大きな転機になった。中国とロシアは国益を重視する戦略的な協調関係に動く。北方領土問題で日本を支持する利点は小さくなった。そこに目下の激しい米中対立も関係してくる。
中国共産党創建100年の祝賀大会を終えて参加者に手を振る、党総書記の習近平国家主席(前列左から2人目)ら。下は毛沢東の肖像画(7月1日、北京の天安門)=共同
毛沢東が日本への返還支持を明言してから57年。毛のような確固たる地位を目指す国家主席の習近平(シー・ジンピン)が、64年と2021年の2つの東京五輪をまたぐ形で毛と逆の決断に踏み込むのか。
周恩来がわざわざ「一時的な戦術ではない」と説明した歴史的な政策を覆すなら、中国の地図の表記は1950年代の中ソ蜜月時代に戻り、この50年、発展してきた日中関係も大きな転機を迎える。そして日本の同盟国である米国と中国の関係にも影響を与えるだろう。(敬称略)
中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。』
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20210803-00251332



『対中包囲網を標榜するバイデン政権の対中貿易額が増加する一方、習近平は政治局会議を開き中国経済に関する外部環境に警戒を発した。チャイナマネーによる引力に陰りが出ると北京冬季五輪にも影響するからだ。都内では同日、駐日中国大使を遣って「反中感情を煽るな」という講演をさせている。
◆習近平が中共中央政治局会議を招集
例年の北戴河会議を前に、習近平は7月28日から立て続けに会議を招集しているが、7月30日には現在の経済情勢と今後の指針に関する中共中央政治局会議を開催した。
会議ではコロナからいち早く回復した中国では、まだ回復しきれていない諸外国との交易による中国の経済成長を着実にさせてはいるものの、外部環境は複雑で厳しく、国内経済の回復は未だに不安定で不均一であることなどを指摘した。したがって今後は警戒を強め、中国独自でも成長していける堅実なものに持っていかなければならないことなどが議論された。
同日、国務院新聞弁公室で財政部が「中国の上半期のGDP成長は12.7%」と記者発表しているものの、習近平はむしろ「身を引き締めよ」というメッセージを発していた。
外部環境とは何を意味しているかと言うと、まずはアメリカの対中政策と実態がいつ急変するか分からないことと、中国以外の国がコロナ回復した時に中国を今現在ほどには必要としなくなるかもしれないということを指している。その変化に対応するためには、自国における生産の質を高めることと内需を強化し供給側の構造改革を進めるしかないと指示した。
国内経済が未だ不安定で不均一であるのは、たとえば必ずしもハイテク部品を国内生産できておらず、小売業などはアリババやテンセントなど大手IT企業によって独占されていて中小及び零細企業の活動の場が狭められていることなどを指す。中小企業から最先鋭のハイテク製品が生まれる可能性を育てよという指示も含めている。
会議はほかにももろもろの問題を討議したが、ここでは主として、現在はどのような「外部環境」にあるのかを考察してみたい。
◆激増したアメリカの今年上半期の対中貿易額
7月13日、中華人民共和国海関(税関)総署は「2021年1月から6月までの我が国における対米輸出入状況」を発表した。それによれば2021年上半期における中国の対米輸出は2528.637億ドルで前年度同期比の42.4%増であり、輸入は879.424億ドルで前年度同期の55.8%増に達するという。
バイデン政権はあれほど激しく対中包囲網を呼びかけ、中国経済とのディカップリングを叫びながら、何のことはない、対中貿易額は激増しているではないか。
コロナがあったためであることは十分に考えられるので、それならトランプ政権以来の推移はどうなっているのか、他国との比較において考察してみたいと思う。
◆2016年から2021年上半期における対中貿易の推移
そこで税関総署における過去の統計から、以下のようなデータを拾ってみた。
表1:2016年から2021年における上半期の輸出入額
中華人民共和国海関総署のデータより筆者作成
ここででは比較対象国・地域として「アメリカ、EU、ASEAN、日本」を選んでみた。暦年データで上半期に絞ったのは、7月13日に発表されたデータが上半期だけのものなので、比較を公平にするためだ。
数字だけでは見にくいかもしれないので、輸出入総額だけをグラフにプロットしてみた。
図1:2016年から2021年の上半期における貿易額(輸出入総額)
中華人民共和国海関総署のデータより筆者作成
図1から明らかなように、トランプ政権のときの対中経済制裁によって、ようやくその効果が表れ始めたのは2019年からだ。
2020年はコロナによるダメージを受けているので、どの国も貿易額が落ちているが、2021年に入ると軒並み対中貿易が急増している。もっとも日本だけはコロナ下にあってもなお対中貿易を閉ざしておらず、2020年で激減していないのは、主要国では日本だけと言っても過言ではない。何といっても中国が最大貿易国である日本は、世界でも特異な存在である。
それにしても、あれだけ中国とのディカップリングを叫んでいるバイデン政権は、何をやっているのか。現実と言葉の間に、あまりに大きなギャップがありはしないか。
◆ここ20年で世界の貿易相手国は中国に移っていた
そう思って意気消沈していたところに、それ以上に大きな衝撃を与えるデータを見つけてしまった。
イギリスの「エコノミスト」という雑誌にJoe Biden is determined that China should not displace America(ジョー・バイデンは、中国はアメリカに置き換わるべきではないと決意している)という論考が掲載されており、そこに以下のような図があるのを発見したのだ。
それは2000年におけるアメリカ(青)あるいは中国(赤)を最大貿易相手国としてきた国・地域と、2020年における国・地域を世界地図で色分けして比較したもので、最後にIMF(国際通貨基金)が示した「貿易統計の方向性」を添えている。
それを「図2」に示す。
「エコノミスト」の論考より転載
図2の最後にある「% of global total」にご注目いただきたい。
2000年では「圧倒的にアメリカ」が主たる貿易相手国である国が多いのに、20年後の2020年では、「圧倒的に中国」を主たる貿易相手国とする国が増えている。
2010年で逆転していることに注目していただきたい。
これこそは正に、筆者が主張し続けている「天安門事件後の対中経済封鎖を日本が率先して解除して結果」が招いたものなのである。
このような決定をした日本政府を拙著『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』では「万死に値する」と書いたが、この事実が、IMFによって、このような「姿」で表されていることを知らなかった。
◆習近平の警告:IOCなど、世界を惹きつけておくためには「現状を崩すな!」
習近平が政治局会議で警鐘を鳴らしているのは「この現状を崩すな!」ということである。
金が金を呼ぶ――。
IMFのこの図は、「二つの物体間に働く力は質量に比例する」という、中学でも習う「ニュートンの重力」法則の類似性を、ふと想起させる。
「金の塊の大きさが大きければ大きいほど、もう一方の物体をより強く惹きつける」のだ。この「塊=チャイナマネー」の大きさを縮めてはならず、「その魅力を維持あるいは拡大させよ」というのが政治局会議で発した習近平のメッセージだと解釈することができる。
今のところバイデン政権は「口だけ」戦略だが、いつ「実質」を伴う方向に転換していかないとも限らない。だから「外部環境」が変化しても中国の影響力を維持もしくは拡大せよというのが習近平のメッセージなのである。
それ以前に「外部環境」が中国に不利な方向に変化しないように鋭意努力せよというのが中共中央から発せられた指示であると解釈しなければならない。
◆中共中央の指示に従い、都内のシンポジウムで駐日中国大使が講演
それを証明するかのように、政治局会議の同日である7月30日に、中国の孔鉉佑駐日大使が都内で開催されたシンポジウムで講演をし、日本側に「積極的な対中政策」を求めた。このことは朝日新聞DIGITALでも報道されているが、孔鉉佑は日中関係について「健全で安定的な発展が両国の根本的な利益だ」とした上で、「日本には反中感情を煽る勢力がある」と指摘しているようだ。
会議には中国政府から派遣されている御用学者であるような朱建栄(東洋学園大学教授)や極端な親中親韓で知られる鳩山由紀夫(元首相)などが出席し、どうやら「反中感情を煽る勢力」として筆者の名前も取り沙汰されたと友人が教えてくれた。
筆者は中国革命戦において共産党軍によって食糧封鎖を受け死体の上で野宿し、家族を餓死で失っている。その経験を書いただけなのに、中国語に翻訳したドキュメンタリーを中国政府はどんなことがあっても出版させなかった。中国を信じて、何十年待ち続けたかしれない。しかし、その願いは実現されなかった。それどころか中国共産党の負の側面(客観的事実)を書いたことによって私はまるで「犯罪者」のような扱いを受けている。
「事実を書く人間を犯罪者扱いする」社会を批判するのは良心ある者の取るべき姿勢であって、正義と良心において日夜真実を求めて闘っているだけだ。
中国は批判されたくないのなら、中国政府のスローガンである「実事求是(事実を事実として認め、真実を求める)」を実行せよと言いたい。
日本は政界だけでなくメディアを含めて、中共中央の掌(てのひら)の上で動いている。その現実を直視する判断眼を、心ある日本人は是非とも持っていただきたいと心から切望する。』
米、中国59社へ投資禁止 資本市場の分断加速―大統領令発効
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080200464&g=int
『【ワシントン時事】バイデン米大統領が国家安全保障上の懸念を理由として、中国企業59社に対する証券投資の禁止を命じた大統領令が2日発効した。米国の個人や企業は指定先への新規投資ができなくなる。米国の投資マネーが中国の軍事開発や人権侵害に使われるのを阻止する狙いで、資本市場をめぐる米中の分断が深まりそうだ。
大国間戦争、サイバー攻撃から 米大統領、中ロの脅威強調
トランプ前政権が導入した四十数社を対象とする禁止リストを修正した。中国軍と密接に結び付いている防衛関連企業だけでなく、人権侵害を助長する監視技術関連企業などに範囲を拡大した。
指定企業や関連会社が発行した株式、債券への直接投資のほか、上場投資信託(ETF)などを通じた間接投資も原則禁止となる。2022年6月3日以降、売買が禁じられる。
通信機器最大手・華為技術(ファーウェイ)や監視カメラ最大手・杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)など、多くがトランプ前政権の禁止リストから引き継がれた。
一方、米裁判所に指定取り消しを求めて勝訴したスマートフォン大手・小米(シャオミ)や、世界有数のスパコン開発大手・曙光信息産業(スゴン)が対象から削除された。
中国当局も、米国などで上場する国内企業の監督を厳格化している。今年上半期に過去最高ペースで推移していた中国勢の米国上場は急減速しており、ウォール街は米中の規制リスクを一段と考慮せざるを得ない状況だ。』
独艦船、インド太平洋へ出航 日豪など共同訓練、北朝鮮監視
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021080200902&g=int

『【ベルリン時事】ドイツ海軍のフリゲート艦「バイエルン」が2日、北海沿岸のウィルヘルムスハーフェンからインド太平洋に向けて出航した。来年2月末までの航行で、日本や韓国、オーストラリア、米領グアムといったインド太平洋の各地に寄港し、共同訓練などを行う。日本には11月ごろに寄港の見込みで、北朝鮮船舶が国連制裁決議に違反して洋上で物資を積み替える「瀬取り」の監視活動にも参加する。
英空母と初の共同訓練 ソマリア沖で海賊対処―海自
フリゲート艦は、中国が領有権を主張して周辺国と対立を深める南シナ海も航行する。ただ、上海への寄港も調整しており、中国に対する過度な刺激や緊張を避ける方針。クランプカレンバウアー国防相は2日、出航を前に「価値を共有するパートナーと共に、ドイツのインド太平洋での存在感を示す」と強調した。』