北極の海の道、探検〜挑戦〜利用へ
https://j-arcnet.arc.hokudai.ac.jp/public_lecture/lecture_5_1/
※ 北極海航路についての話しだ…。
※ 北海道大学に研究チームがあって、いろいろ文献なんかも発信しているようだ…。
※ これも、その一つだ…。


















北極の海の道、探検〜挑戦〜利用へ
https://j-arcnet.arc.hokudai.ac.jp/public_lecture/lecture_5_1/
※ 北極海航路についての話しだ…。
※ 北海道大学に研究チームがあって、いろいろ文献なんかも発信しているようだ…。
※ これも、その一つだ…。


















ハンス島
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%B3%B6




『ハンス島(ハンスとう、グリーンランド語 Tartupaluk, デンマーク語 Hans Ø, 英語 Hans Island, フランス語 Île Hans)は、グリーンランド(デンマークの自治領)とカナダのエルズミーア島との間のネアズ海峡に位置する無人島。面積は1.3km2。
カナダとデンマークとの間で領有をめぐって係争中である。これまではこの島やその周辺海域を領有したところで大した利益が見込めるわけではなかったが、地球温暖化により、この海峡の氷が溶けて北米とアジア、ヨーロッパなどを結ぶ「北西航路」の要衝に一変する可能性が発生し、この小さな島を領有する事によって資源探査や漁業権といった国益が生じる可能性が出てきたため、領有権問題がにわかに熱を帯びてきている。
両国の軍隊が入れ替わり上陸し、自国の旗を立て相手の旗を撤去している。撤退に際して自国産のビールやウイスキーを残していくことが慣例化しており、領有権主張の一環として、ビールの箱には「カナダにようこそ」などと記されている。このように武力衝突を伴わない形で係争してきたことから、「最も礼儀正しい領土紛争」と呼ばれるケースもある[1][2]。
2022年6月14日、カナダとデンマークはこの島を分割領有することで合意し、長らく続いた係争状態が終結した[2]。 』
カナダとデンマーク、北極圏の島の分割領有に合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB169VJ0W2A610C2000000/
『【ニューヨーク=共同】カナダとデンマーク両政府は、約半世紀にわたり領有権を争った北極圏の「ハンス島」をほぼ半分ずつに分割領有することに合意し、14日に調印式を行った。ロシアのウクライナ侵攻が続く中、領土問題の平和的解決が可能だとの「強いシグナル」を世界に発した形だ。
ハンス島はカナダのエルズミア島とデンマーク自治領グリーンランド間の海峡に浮かぶ無人島。1973年の国境線画定時に双方が領有権を主張、80年代以降は双方の軍関係者らが国旗と自国産の酒を交互に島に置いて領有を誇示する習慣ができ「ウイスキー戦争」「世界で最も友好的な争い」などと呼ばれてきた。
今回、突然にも見える合意に至ったのは、ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領を念頭に「外交と法治は機能するという強いシグナル」(デンマークのコフォズ外相)を発信することが目的だった。カナダとデンマークはともに北大西洋条約機構(NATO)加盟国としてウクライナを支援している。
カナダのジョリー外相はオタワでの調印式で「国境線を書き直すのに銃は必要ない」と強調。コフォズ外相も「メッセージがプーチン氏に届いてほしい」と訴えた。両外相によるカナダウイスキーとデンマーク酒のボトル交換も行われた。
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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別の視点
こうした領土紛争の解決として、領土を面積で半分にして分割するという解決が有効であるということを示す一つの例になっているように思う。これは中露の国境問題でも同様であった。しばしば北方領土での面積半分としての分割案が出てきたりするが、北方領土の場合、ロシアが実効支配しているため、そうした解決が難しい。もう一つ重要なのは、安定した国境紛争は儀式化するということである。インドとパキスタンの間でも、衛兵交代が観光地化しているが、ここでも「ウイスキー戦争」などと言われるように紛争をしているふりをする儀式が出来ることで安定した状態を作っていた。
2022年6月17日 9:10
上野泰也のアバター
上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説
地味だけれども、意義のあるニュースと言える。領有権争い・国境画定紛争は昔から、戦争の火種になることが少なくなかった。平和的に争い、平和的に妥協が成り立ったことは、ロシアのクリミア侵攻やウクライナ東部への侵攻といった軍事行動の非情さが注目されているだけに、ほっこりさせられる。ただし、カナダとデンマークはともにNATO加盟国であること(軍事的に同盟国である)、係争地となった島は無人島であり、資源が豊富といった経済利得と結びついていないことなど、平和的な解決が可能になる前提条件のようなものがある事例ということには留意したい。』
輸出管理規制で米国先行、日本は「不満」
動き出す経済安保(4)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08EF90Y2A600C2000000/
『1日、米東部ペンシルベニア州マルバーン。米半導体メーカー、ビシェイ・インターテクノロジーの本社に、首都ワシントンから車で3時間かけて足を運んだ米商務長官ジーナ・レモンドの姿があった。「私たちが半導体を発明し、シリコンバレーを構えたのに、すべてアジアに出ていってしまった」。レモンドは同社幹部に米半導体産業の現状を嘆いた。
「ほかのすべての国が補助金を出そうとしている。企業は米国外に工場を建ててしまう」。焦りを募らせるレモンドは半導体サプライチェーン(供給網)の強化などを盛った「中国対抗法案」の早期成立を議員らに呼びかけている。「国家安全保障に関わる。成立の遅れは許されない」
米国が超党派で議論する対中法案は、日本で5月に成立した経済安全保障推進法より踏み込んだ内容だ。同法にも盛り込まれた半導体や人工知能(AI)、量子分野の開発・生産支援など自国技術の振興策に加え、企業の対中投資を規制する条項などで日本の先を行く。
中国と対立を深める米国は、同盟国の日本と時に摩擦を引き起こしてきた。
トランプ前政権は華為技術(ファーウェイ)などに禁輸措置を発動し、日本企業も出荷停止を迫られた。米国外で製造した製品にも、米国の技術や部品を一定以上含む場合に国内と同等のルールを課す輸出管理規制の「域外適用」に「日本はずっと不満を抱いてきた」(日本政府関係者)。
2月24日、ロシアがウクライナへの侵攻を始めると、米国は外国製品でも米国の製造技術を使っていればロシアへの輸出を認めない強力な制裁を打ち出した。異例だったのはこれまで同盟国に求めてきた域外適用のルールの一部を「同様の輸出規制を取り入れた」との理由で日本や欧州連合(EU)には免除したことだ。
4月、米商務次官補のシア・ケンドラー(輸出管理担当)が訪日した。ケンドラーは「日米が規制の足並みをそろえることで効果が高まる」と日本の連携に期待する。サプライチェーンからの中ロ排除を打ち出す米国に対し、日本はどこまで歩調を合わせられるか。政府と企業は覚悟を試される。
(敬称略)
三木理恵子、川上梓、西野杏菜、加藤晶也、鳳山太成が担当しました。
【ルポ迫真「動き出す経済安保」記事一覧】
・経済安保法「どこまで厳しいのか」 企業に緊張と戸惑い
・国の機密、企業どう関与 経済安保の資格導入一旦封印
・公開できない特許「不安大きい」 企業惑わす政策大転換
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
渡部恒雄のアバター
渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察
半導体の米国の対中輸出規制を理解する上で悩ましいのは、どこまでが安全保障上の理由で、どこまでが経済競争力という理由かの境界線が曖昧なことです。日本は80年代に米国との半導体摩擦の経験から、米国は国内産業保護のためにあらゆる手段をとることを知っています。一方で、中国がAIや量子コンピューターなど、最先端技術で日米を凌駕するゲームチェンジャーとなる技術を獲得した場合、真っ先に自国の安全が脅かされるのは日本であることも厳然たる事実です。安易な解答がない中で、日本は自国の安全を担保する日米同盟と、日本の産業競争力強化の二兎を追いかけ、米国との協議と協力を続けていくことが最善の政策なのでしょう。
2022年6月17日 7:52
鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察
アメリカの半導体や新興技術をめぐる問題は、一方で対中政策の一環として位置づけられるが、他方で自国産業の保護という性格を持つ。この両者をつなぐカギは「アメリカの技術覇権」というキーワード。しかし、アメリカは既に国内に産業(製造業)を維持することが出来ず、保護主義的な政策をとっても保護すべき産業がない。TSMCの工場を誘致したが、その生産コストの高さで計画もうまく進んでいない。自由貿易には背を向けたアメリカだが、こうした産業の流出を止めようとすれば、今度は資本の動きを止めるしかないが、それはできない。アメリカの経済安全保障はまた裂き状態になっている。
2022年6月17日 9:16
柯 隆のアバター
柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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分析・考察
こうやってみると、民主党のバイデン政権はトランプ前政権とほとんど変わらない。焦りが分かるが、具体策はみえてこない。ファーウェイなどの中国企業を規制することと米国半導体企業の投資行動は別問題である。中国企業をいくらやっつけても、米国企業が必ずしも米国に戻らない。まず、なぜ米国半導体企業がアジアに出て行っているかを分析しないといけない。市場はアジアにあり、供給網がアジアに集中している。むりやり供給網をアジアに戻そうとしても、企業は応じない。なぜならば物流コストが高くなるからである。今起きていることは中国から供給網が部分的に分散することである。アメリカに戻らない
2022年6月17日 8:07 』
米中首脳、今夏に電話協議と報道 衝突回避へ対話探る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1708E0X10C22A6000000/
『【ワシントン=坂口幸裕】米ブルームバーグ通信は16日、バイデン米大統領と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が今夏に電話協議する調整をしていると報じた。米中は6月に入って高官による対話を重ねており、偶発的な衝突を避けるため首脳間でも意思疎通するタイミングを探っているもようだ。
米中首脳協議の時期は検討中だという。実現すれば3月18日にテレビ会議方式で実施して以来になる。この時は2月24日にロシアがウクライナに侵攻した直後で、バイデン氏が中国への経済制裁をちらつかせて習氏にロシアを支援しないよう迫った。
最近は米中高官の接触が続く。6月10日にオースティン米国防長官と中国の魏鳳和国務委員兼国防相がシンガポールで会談。13日にはサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)と中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員がルクセンブルクで会っており、今夏の首脳協議も議題になった可能性がある。
サリバン氏は16日、米シンクタンクの会合に出席し、楊氏との会談で「台湾海峡の平和と安定を維持する必要があるという米国の考えを伝え、中国の動向に懸念を表明した」と述べた。ウクライナへの侵攻を続けるロシアとの関係について「中国は慎重な姿勢をとっている」と話した。
米政府は中国に軍事・経済面でロシアを支援しないよう要求してきた。サリバン氏は「中国はロシアへの直接的な軍事支援をしておらず、(日米欧などによる)制裁や輸出規制を回避するための組織的な関与もしていない」と指摘。「中国は一線を越える措置は取っていない」と語った。
米国の台湾政策を巡っては「台湾を防衛する必要があるか迫られる日が来ないようにするのが目的だ。それが効果的に抑止していることになる」と指摘。「これは歴代政権と同じだ。台湾政策には緊張を含んでおり、台湾海峡の平和と安定を維持する点で機能してきた」と訴えた。』
米国、G7でインフラ投資枠組みを表明へ 中国に対抗
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN16F310W2A610C2000000/
※ 「借りる側」からすれば、「金利は、どれくらいになるのか」、「担保に、何を取られるのか」という点が、焦点となるだろう…。
『【ワシントン=鳳山太成】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は16日、6月下旬の主要7カ国(G7)首脳会議で、新たなインフラ投資の枠組みの創設を表明すると明らかにした。インド太平洋などで経済的な影響力を強める中国に対抗する。
米シンクタンクのイベントで明らかにした。米国主導の枠組みでG7と協力する。詳細は触れなかったが、デジタルや医療の分野で世界各国のインフラ投資を支援するという。
サリバン氏は新たな枠組みについて「中国が提供するものの代わりを提供できる」と述べた。中国の広域経済圏構想「一帯一路」への対抗を念頭に、アジアなど世界各国でインフラ投資を通じて影響力を確保する狙いがある。
新たな枠組みの規模はG7全体や民間の投資も含めて、最終的に数千億ドル規模になるという。政府投資を呼び水に企業の投資を引き出す官民パートナーシップの形態を想定する。米政府の資金拠出は「控えめな規模になる」(サリバン氏)。
サリバン氏は「(バイデン大統領の)残りの任期において、バイデン政権の外交政策の象徴のひとつにするつもりだ」と述べ、新枠組みを通じた指導力の発揮に意欲を示した。
G7首脳会議は6月26~28日にドイツで開かれる。バイデン氏は中国やロシアに対抗するため、日本や欧州各国との連帯を打ち出す。』
米国、多国間で太平洋関与へ 来週構想立ち上げ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN170OJ0X10C22A6000000/
『【ワシントン=共同】米ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)のキャンベル・インド太平洋調整官は16日、日本やオーストラリア、ニュージーランド、英国、フランスなどと連携して太平洋諸国に関与する構想を来週立ち上げると明らかにした。この地域で影響力拡大を図る中国に、多国間で対抗する狙いだ。
米シンクタンクのイベントに参加したキャンベル氏は「太平洋は戦略的に極めて重要な地域だ」と強調し「活動を大幅に強化したい」と表明。「開かれ、健全で生産的、かつ強圧的でない太平洋」を維持できるよう、太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟国のニーズに合った分野で緊密に協力したいと述べた。
また、米国が域内各国と2国間で漁業協定や違法操業取り締まり、不発弾除去、気候変動対策のほか、経済や安全保障面で海洋の状況を把握する能力を指す「海洋状況把握(MDA)」の協力を進めていると説明。同様の取り組みを有志国と共に実施したいとの考えを示した。
中国は4月、オーストラリアに近い南太平洋のソロモン諸島と安保協定を締結するなど太平洋進出を続けており、米国には出遅れ感が漂う。5月に日米豪印4カ国の協力枠組み「クアッド」首脳会合に合わせ、違法操業を追跡するため域内各国と情報共有する仕組みをつくると発表するなど、巻き返しに躍起だ。』
テスラ、米国で主力SUV40万円値上げ 資源高を転嫁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN170GU0X10C22A6000000/
※ 「電気自動車」は、「電池持ち」を良くするため、車体を軽量にするため、「アルミ部材」なんかの「新素材」を多用する…。
※ アルミは、「電気の缶詰」と言われるように、「多くの電気」を消費して、精錬される…。カーボンファイバーなんかも、「多くの電力」を使って作成される…。
※ エネルギー資源高が、直撃した形だな…。
※ こういうものも、「電気自動車」の「不都合な真実」だ…。
『【シリコンバレー=白石武志】米電気自動車(EV)メーカーのテスラが米国で主要車種を約3カ月ぶりに一斉値上げしたことが16日、明らかになった。値上げ率は3~5%で、車種やグレードによって異なる。主力SUV(多目的スポーツ車)「モデルY」の一部グレードは価格を一気に3000ドル(約40万円)引き上げた。原材料価格の上昇などを小売価格に転嫁する狙いとみられる。
荷室が広くレジャーに向くため米国で売れ筋となっているモデルYについては2種類あるグレードのいずれも値上げした。テスラの米国向けのウェブサイトによると低価格な「ロングレンジ」の価格は5%引き上げて6万5990ドルに、上位グレードの「パフォーマンス」については3%値上げして6万9990ドルとした。
小型車「モデル3」については3種類あるグレードのうち、真ん中にあたる「ロングレンジ」の価格を4%引き上げて5万7990ドルとした。もっとも安価な「リアホイールドライブ」(価格は4万6990ドル)と上位グレードの「パフォーマンス」(同6万2990ドル)は価格を据え置いた。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う供給不安などを背景に、EV生産に不可欠なニッケルやリチウムなどの原材料価格は高止まりしている。米国ではインフレが約40年ぶりの水準となり、自動車メーカーは人件費や物流費の高騰にも直面している。
テスラが米国で主要車種を一斉に値上げしたのは3月以来とみられる。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は4月の決算説明会で3月の値上げについて「今後6~12カ月の間に発生するサプライヤーや物流のコスト上昇を織り込んだものだ」と説明していた。
米国では一般に自動車メーカーが販売会社に対し希望小売価格を変更するのはモデルチェンジなどの機会に限られる。販売会社を介さずウェブサイトを通じて消費者に直販するテスラはこうした縛りを受けないため、同社は頻繁に車両価格を見直している。
【関連記事】
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』
WTO、乱獲につながる漁業補助金の規制で合意
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16DDA0W2A610C2000000/
『【ジュネーブ=細川倫太郎】スイス・ジュネーブで開かれていた世界貿易機関(WTO)の閣僚会議は17日、約6年半ぶりに閣僚宣言を採択し閉幕した。適切に資源を管理せずに乱獲につながる漁業補助金を規制することで合意。ロシアのウクライナ侵攻で起きた食料危機に対応するため、不要な輸出規制を導入しないことでも一致した。
閣僚宣言を採択したのは2015年12月のナイロビでの会議以来となる。当初は15日に閉幕する予定だったが、先進国と途上国の意見の食い違いなどから協議は難航した。会期を延長して、加盟国は夜通しで交渉を続けた。』
「王子なきハムレット」の愚 創造的破壊を促す政策競え
本社コメンテーター 小竹洋之
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD143UH0U2A610C2000000/



『「経済を考える時には、選挙を考えよ。そして選挙を考える時には、経済を考えよ」。米統計学者のエドワード・タフト氏は、1978年の著書「選挙と経済政策(邦題)」にこう記した。
日本でも同じことが言える。7月10日投開票の参院選では、ウクライナ危機を踏まえた外交・安全保障政策も重要な争点になるが、物価上昇にあえぐ国民の関心はやはり経済政策に向かいがちだ。
各党の公約はどうか。消費税やガソリン税の減免、所得制限抜きの手厚い児童手当、広範な教育の無償化……。野党は非現実的な分配戦略を掲げ、減税や給付の大盤振る舞いを張り合う。
昨秋の衆院選で野党は総じて振るわなかった。バラマキ色の濃い経済公約に、厳しい審判が下ったのは間違いない。それでも「生活安全保障」や「ボトムアップの経済政策」などをスローガンに、似たような主張を繰り返す。
与党は予想以上に成長戦略を押し出した。岸田文雄首相の看板政策「新しい資本主義」を国民に問い、人、科学技術、スタートアップ、脱炭素、デジタルへの投資に広く理解を求める構えだ。
大盤振る舞いに走る危険
だが確たる財源を示さぬまま、資金の投入ばかりを訴えるのはいかがなものか。国費だけで50兆円規模の補正予算案編成を求める声が出ており、与党も同じく大盤振る舞いに走る危険をはらむ。
参院選の経済論戦で競ってほしいのは、財政出動の単なる規模ではない。日本経済のエンジンを再起動する施策の中身である。
かの経済学者シュンペーターは42年の著書「資本主義、社会主義、民主主義」に名言を刻んだ。「産業上の突然変異で経済構造に絶えず内部から革命が起き、古い構造が絶えず破壊され、新しい構造が絶えず生み出されている。この『創造的破壊』の過程こそ資本主義の本質を示す事実だ」
そんな本質を見落とす理論は「デンマーク王子の登場しない『ハムレット』のようなものだ」とも断じた。劇作家シェークスピアの四大悲劇に含まれる名戯曲から、肝心の主役を消去するに等しい愚行とみなしたのである。
日本は安易な痛み止めやカンフル剤を多用し、創造的破壊を促す改革を先送りしてきた。シュンペーターが発した警告を、今こそ真剣に受け止めねばなるまい。
米誌フォーチュンによる世界500社の売上高番付。ここに名を連ねる日本の企業は、95年の148社から2020年には53社に減った。米欧に比べて縮み方が大きい。日本の国内総生産(GDP)が世界に占める割合は、同じ期間に18%から6%に落ちた。
停滞根治の改革に本腰を
技術革新に合わせて産業構造を変えるのが米国型の「イノベーション・トランスフォーメーション」なら、企業の競争力を合併・買収で高めるのが欧州型の「コーポレート・トランスフォーメーション」だ。日本はどちらにも振り切れず、「昭和モデル」の改善と改良でしのいできた――。経営共創基盤グループの冨山和彦会長は、そこに真の病巣をみる。
入れ子構造で知られる伝統的なロシア人形のごとく、ひと回り小さい同質の経営者が次々に出てくるさまを、サントリーホールディングスの新浪剛史社長は「マトリョーシカ現象」と呼ぶ。そしてアニマルスピリットの喪失こそが、日本停滞の病根だと話す。
こうした病を根治する改革に、本腰を入れるべきだ。仏経済学者のフィリップ・アギヨン氏らは、国の豊かさの指標とされる1人当たりGDPの成長率と、開廃業率や特許登録数との間に密接な関係があると分析した。フロンティアを開く民間の活力を引き出すため、政府も効果的な税財政支援や規制緩和に取り組みたい。
マイナス成長常態化の可能性
日本経済研究センターは3月に最新の中期経済予測をまとめた。新型コロナウイルスの感染が22年度中に収束し、ウクライナ危機の打撃が20年代半ばに峠を越す標準的なシナリオでも、30年代にはマイナス成長が常態化する可能性があるという。
企業収益の低迷による設備投資の落ち込みや、少子高齢化の進展に伴う労働力人口の減少が主因だ。産業の新陳代謝や生産性の向上を後押しする努力を、もはやためらっている時間はない。
与党は曲がりなりにも本質の一端を突いてきた。3年間で4千億円の能力開発・再就職支援、5年間で起業を10倍に増やす構想などは一定の成果だ。確かに多くの課題は残るが、より深刻なのは野党の対案の貧しさだろう。
09年に発足した旧民主党政権は、企業の活性化を通じて家計に雇用や賃金の恩恵をもたらす政策から、個人の懐を直接温める政策への転換を目指した。ところが子ども手当や高校無償化などの目玉政策に必要な年間10兆円規模の財源を確保できず、国民の信頼を失った記憶はまだ生々しい。
野党はその失敗を直視した方がいい。分配偏重の経済政策は巨額の財源を要するだけでなく、個人の自立も妨げかねない。大恐慌下のニューディール政策で「大きな政府」を極めたルーズベルト元米大統領でさえ、過剰な救済策を人間の精神を巧みに破壊する「麻薬」に例えたことがある。
もちろん分配は重要だ。コロナ禍や物価高で困窮する人々には、手を差し伸べなければならない。これらの原資を確保するためにも、成長の源泉を探る論戦が不可欠である。「王子なきハムレット」を見せられるのではたまらない。
ニュースを深く読み解く「Deep Insight」まとめへDeep Insight
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD143UH0U2A610C2000000/ 』