月: 2022年5月
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ロシア、独自ブランド生産相次ぐ 撤退外資の穴埋め探る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB187OO0Y2A510C2000000/※ もはや、「知財」もへったくれも、無くなった…、ようだな…。
※ 「戦時経済」なのだから、そういうものなのか…。
※ むしろ、「敵勢力の利益には、配慮する必要は無い。」ということか…。

『ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアで同国事業を停止した外国ブランドに代わり国産の代替品を生産する企業が相次いでいる。ロシア事業を見直す企業が増える中、代替需要の受け皿となる思惑だ。撤退した企業のブランド力を勝手に利用しようとする動きもみられる。
ロシアの有名飲料メーカー、オチャコボは、ロシアでの事業を停止した米飲料大手コカ・コーラの製品によく似た炭酸飲料の新製品を発表した。発表したのはコカ・コーラを模した「クールコーラ」、オレンジ風味でファンタによく似た「ファンシー」、スプライトの配色を模した「ストリート」の3製品。コカ・コーラは3月にロシアでの事業を停止し、同社の商品は店頭からほとんど姿を消していた。
コカ・コーラ撤退に乗じようとする企業はほかにもある。ロシア極東に拠点を置く天然水などの飲料メーカーは4月に「グリンク・コーラ」を発売。5月にはロシア北部のコミ共和国で、ビールメーカーが自社ブランドのソーダ「コミ・コーラ」を発売した。
自動車業界でも同様の動きがある。モスクワのソビャーニン市長は市内にある仏ルノーの工場が国有化され、ソ連時代の大衆車「モスクヴィッチ」生産に再利用されると述べた。「まずは従来型の車を生産するが、将来は電気自動車(EV)を生産する可能性がある」という。ルノーは16日、自動車大手アフトワズの保有株をロシア政府系機関に売却すると発表。ロシア事業を再開する選択肢は残すが、当面はほぼ完全に撤退すると決めていた。
多くの外資企業が撤退や営業停止を決めたことで、ロシア企業はビジネスチャンスを見いだしているようだ。フェイスブックやインスタグラムなどSNS(交流サイト)へのアクセスがロシア当局から禁止されたことを受け、代替のSNSサービスの開発を模索する動きも盛んだ。
こうした代替の動きは日本企業にも及ぶ。トリドールホールディングス(HD)がロシアで展開する「丸亀製麺」の一部店舗は3月末までの営業停止で合意していたが、4月に屋号を変えて営業を続けていることが確認された。同社は「名前やサービスが類似しており、合意内容と齟齬(そご)があるため状況の是正を交渉している」と説明している。
ロシアから撤退したブランドの商標登録の申請も相次ぐ。3月中旬以降、ロシアの企業や個人による、撤退した有名外資の商標登録申請が数十件発見されている。申請されたのは米マスターカードや資生堂、独BMWなど。撤退したオリジナルの企業に代わり、そのブランドを使った自社での展開や商品の生産を計画しているとみられる。(佐堀万梨映)』
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ロシア経済「モノ不足」深刻 新車5割高、販売8割減
1~3月GDPは3.5%増に減速
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR18E960Y2A510C2000000/
『ウクライナ侵攻を続けるロシアで、米欧の経済制裁による「モノ不足」が深刻になっている。自動車や部品の輸入が止まったことで、4月の新車販売は前年同月から8割減少した。半導体や化学品の禁輸措置は兵器からオフィス用品まで生産現場を直撃している。
ロシア連邦統計局が18日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)は前年同期比3.5%増(速報値)と2021年10~12月期の5%増からブレーキがかかった。侵攻が始まったのは22年2月24日で、金融制裁や貿易制限、外資撤退の影響が全面的に出るのは4~6月期が本番だ。
21年、ロシアの自動車生産は156万台、新車販売は166万台あったが、制裁の影響や人道的配慮でロシア・アフトワズ、独メルセデス・ベンツグループ、トヨタ自動車など工場を置く自動車メーカーは生産停止に追い込まれた。
欧州ビジネス協議会(AEB)によると、4月のロシアの新車販売は前年同月に比べ79%減の3万2706台と大きく落ち込んだ。生産停止やインフレの影響で、経済調査会社CEICによると、4月の新車の平均価格は約100万ルーブル(約200万円)弱と1年前から5割値上がりした。
兵器やIT(情報技術)機器に使う半導体の輸出についても米欧や日本は停止した。精密誘導兵器の補給が困難との分析もある。製紙会社が製造工程で使用する化学品の調達も困難となり、コピー用紙なども不足する。
米エール大の調査では侵攻を機にロシア事業を見直した企業は1000社を超えた。ロシアの発電量(7日移動平均、前年同期比)の伸びは22年4月に3.1%(21年は6.0%)、5月は17日までで2.2%(同10.0%)と減速した。
生産・営業活動や市民生活への影響は今後さらに拡大する可能性がある。世界銀行は22年のロシアGDPが前年比で11.2%縮小すると予測する。
(ウィーン=細川倫太郎、真鍋和也)
【関連記事】
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・戦況長期化、ロシアの国民生活にも負担 万引きも増加多様な観点からニュースを考える
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諸富徹のアバター 諸富徹 京都大学大学院経済学研究科 教授 コメントメニュー
分析・考察
これも、戦争の一形態だ。
ロシアから撤退した企業は「参戦」しているのだ。
その売上を放棄するのは高い代償だが、暴力によるウクライナ支配を許せば、その後、どんな世界が現出するのか。企業は活動の自由を失い、資源供給で意のままに操られる。
ロシアの意図を挫くことは、自らの活動の自由を獲得することに直結する。各国の市民も返り血(インフレ)を浴びながら、この闘いを支持するだろう。
ロシアにどう対峙するかで、ドイツの最大州で与党の社民党が大敗し、同じ与党の緑の党が劇的に票を伸ばしたのは、大いなる教訓だ。
かつてNATO脱退を叫んだ緑の党はいまや、自由と民主主義を守るために、ロシアにもっとも強硬な政党に変貌したのだ。
2022年5月19日 20:29 』
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ドイツ、ウクライナに10億ユーロ支援へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR19DSK0Z10C22A5000000/
『【ボン=南毅郎】ドイツ政府はロシアの侵攻が続くウクライナに10億ユーロ(約1340億円)規模の資金を支援する。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれている独西部ボン近郊で19日、リントナー独財務相が記者団に明らかにした。ウクライナで財政悪化への懸念が強まるなか、当面の資金繰りを支える。
ウクライナのゼレンスキー大統領は財政赤字を補塡するため、G7などに500億ドル(約6兆4000億円)規模の支援を要請していた。独DPA通信によると、米国は75億ドルを支援する意向という。岸田文雄首相も19日、新たに3億ドルの資金協力を実施すると表明した。』
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「鏡を見てみよ」 北欧のNATO加盟機運、侵攻で高まる
有事の欧州政治(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR130280T10C22A5000000/
『「戦争が欧州に戻ってきた」。5月初旬、デンマーク首相のメッテ・フレデリクセンはコペンハーゲン郊外で壇上から聴衆に語りかけた。そしてこう続けた。「デンマークは単独で防衛力を確保するには小さすぎる」
欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟するデンマーク。だが実はEUの安全保障・防衛政策に加わらなくてよい適用除外権をもつ。
デンマークでは、EU創設を定めたマーストリヒト条約の批准に向けた手続きが、1992年の国民投票でいったん否決された。安保・防衛政策や単一通貨ユーロへの参加免除の例外規定を設けて再び国民投票を実施し、93年に批准にこぎ着けた。
ロシアによるウクライナ侵攻を受け、フレデリクセンは半身のEU加盟を前進させるべきだと判断。EUの安保政策への参加に道を開く国民投票を6月1日に実施すると表明した。「イエスと投票してほしい」。フレデリクセンは呼びかける。
北欧で安全保障政策を見直す大きなうねりが生まれつつある。バルト海という要衝を取り囲むように位置する北欧はロシアの脅威をじかに受ける。
「この事態を引き起こしたのはあなただ。鏡を見てみるがよい」。NATOへの加盟方針を表明する前日の11日、フィンランド大統領のサウリ・ニーニストは吹っ切れたようだった。
ロシアがウクライナに侵攻しなければ、NATO加盟は考えられなかった。そんな意味を込めたロシア大統領ウラジーミル・プーチンへのメッセージだ。ロシアと1300キロメートルの国境を接するフィンランド。1939年から44年までの間、2回にわたって当時のソ連と戦った。領土の一部を喪失したものの独立は守り、その後は軍事的な中立をうたった。ロシアに配慮しつつ、議会民主制と自由主義経済を維持する知恵だった。
ナポレオン戦争以来約200年、不戦を貫いてきたスウェーデンも動く。与党の社会民主労働党はNATO非加盟が党是だったが、党首で首相でもあるマグダレナ・アンデションは15日、NATOへの加盟を支持してこう語った。
「バルト海地域でスウェーデンだけが非加盟では、我が国だけが脆弱になってしまう」
フィンランド首相のサンナ・マリンは言う。ロシアが侵攻した2月24日以降「すべてが変わったのだ」。(敬称略)
【ルポ迫真「有事の欧州政治」記事一覧】
・「不安と分断の時代」 欧州世論揺らすウクライナ危機 ・「本社工場が止まる」 ガス禁輸に独政権のジレンマ 』
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[FT]「ゼロコロナ」で冷える中国消費 不動産市場を直撃
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB191CR0Z10C22A5000000/
『中国の上海市に住むオフィスワーカーのウーさん(28)は、普段なら1カ月当たり約1万2000元(約23万円)を日々の生活で使う。買い物をためらうことはほとんどないと彼女は話す。だが上海市でロックダウン(都市封鎖)が実施された4月には、普段の3分の1程度しかお金を使えなかったという。
上海での新型コロナウイルス検査では大勢の住民が長蛇の列を作った=ロイター
「買ったものといえば肉、卵、牛乳、野菜など欠かせない食材が大半だ」。1回の買い物で卵を90個購入したこともあったという。「すでに冷蔵庫は満杯だが、まだ不安だ」
中国では新型コロナウイルスのオミクロン型による感染拡大を抑え込むため、数十の都市でロックダウンが実施され、何億人もの身動きが取れなくなった。その中国が全国的に深刻な景気後退に直面している。ウーさんのような消費者がお金を使えないことが原因の1つだ。
中国国家統計局が16日に公表した4月の経済統計では、厳格なロックダウンによる打撃の深刻さが初めてとらえられた。最も明白なのは、消費への影響だ。消費活動の指標となる小売売上高は前年同月比で11%減少し、2020年初頭以来の落ち込み幅となった。一方、工業生産は3%減少した。
長年、中国の平均的な消費者の購買力が上昇することによって、輸出と建設を中心とした経済成長モデルから脱却できると期待されていた。だが、今秋の共産党大会で異例となる3期目の党トップ就任を狙う習近平(シー・ジンピン)国家主席は、ウイルスの感染封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策を推進しており、そうした経済の長期目標とは相いれない。
「貸出残高の伸びは低調」すでに中国は不動産部門の危機に対応するため金融緩和に乗り出しており、多くの経済専門家は今年中に追加の景気刺激策が実施されると予測している。政策当局者にとって悩ましい問題は、このような厳しい行動制限のなかで従来の金融緩和や財政出動が期待されるほどの効果を上げられるのかどうかだ。とりわけ、今回あるいは今後の新たな感染拡大に伴う制限がいつまで続くのか先が見えない状況では疑問が残る。
英調査会社オックスフォード・エコノミクスのリードエコノミスト、トミー・ウー氏は「4月までの金融統計を見てみると、すでに様々な刺激策が実施されているにもかかわらず、需要低迷の影響で貸出残高の伸び率はまだ比較的低調だ」と指摘する。「企業は明らかに借り入れを増やしたがっていない」
不動産市場に関する統計には、経済活動をてこ入れすることの困難さが表れている。中国政府は15日、1軒目の購入者を対象に住宅ローン金利の下限を4.6%から4.4%に引き下げた。だが、4月の住宅販売は床面積ベースで前年同月に比べて42%落ち込んだ。2年前にコロナ禍が始まって以来、最大の減少幅だ。
住宅ローン金利の引き下げに加え、中国人民銀行(中央銀行)は4月25日、預金準備率を0.25~0.5ポイント下げた。だが人民銀の動きは一貫して慎重だった。
スイスのプライベートバンク大手ユニオン・バンケール・プリベ(UBP)のアジアエコノミスト、カルロス・カサノバ氏は「実体経済に効果をもたらし、金利引き下げが景気に反映されると確信できない限り、人民銀はより強力な支援策を実施しないとみられる」と解説する。
飲食料品や医薬品など販売増はわずか
4月の小売売上高では、商品購入全般が10%減少したのに対し、飲食業では23%と落ち込みが激しかった。消費項目別で前年同月と比べて増加したのは食料、飲料、石油、医薬品のみだった。一方、自動車は31.6%と最も大きく減少した。
上海市自動車販売業協会によれば、4月は上海市内の新車販売台数がゼロだった。上海市内全域のロックダウンは約7週間続いている。
一方、4月には失業率が20年の初頭以降で初めて6%を超え、消費意欲をさらに冷え込ませている。オランダ金融大手INGの中華圏担当チーフエコノミスト、アイリス・パン氏は、国有企業が雇用を増やす可能性を指摘する。「複数回のロックダウンを乗り越えた民間企業には、そのような余裕はもうない」
中国政府は3月、1.5兆元の増値税(付加価値税)を年内に還付すると表明した。9割は零細企業に還付される見込み。一部地域では消費クーポン券の配布などの財政措置も取られる。だがオックスフォード・エコノミクスのウー氏は、先に人々が消費する必要があるため、政府が取りうる手段は限られると指摘する。
「このような状況では、人々はそもそも消費したがらない」とウー氏は説明する。「新型コロナに対する警戒で心理が冷え込み、労働市場は低調で、収入の見通しが好ましくない状況では、何をしようと景気回復は非常に難しい」
封鎖緩和でも根強い消費者の不安
その代わりに、大規模な感染防止策を取る中国政府にとっては、コロナ対策をどうするかが最大の政治的手段になっている。とはいえ、ワクチン未接種の高齢者が多いなかで、あくまで感染拡大を収束させる方針を押し通してきた政府としては、コロナ対策の緩和は政治的な賭けになる。
「もし上海市でロックダウンが緩和されれば、必ず6月には繰り延べ需要の影響だけで消費の回復がみられるだろう」とカサノバ氏は予測する。ただし、緩和されたとしても「消費ブーム」になるとは考えられないという。
今もロックダウンで閉じ込められている冒頭のウーさんは、制限が解除されたときのために買いたい物をリストに書き出した。しかし、あまりに不安感が強く、どんな消費衝動も2、3日しか続かないという。
「ロックダウン中に給与が3分の1もカットされた」とウーさんは打ち明ける。「この経済的な不安は簡単には消えないだろう」
By Thomas Hale and Andy Lin
(2022年5月18日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』
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対中輸出数量2割減、7年ぶり下落率 上海封鎖で経済収縮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA194820Z10C22A5000000/

『中国経済の減速が日本の貿易に波及してきた。財務省が19日発表した4月の貿易統計速報によると、日本から中国へのモノの荷動きを示す輸出数量指数(2015年=100)は110.9と前年同月比22.6%下がった。下落率は2015年2月以来の大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う上海などの都市封鎖(ロックダウン)による経済活動の収縮を映す。
商品別の輸出量をみると自動車は1万9743台と30.2%減った。鉄鋼は30.3%減の32万8000トン、原動機は39.9%減の1万2591トン、集積回路は28.5%減の17億1600万個だった。主要な輸出品目が軒並み急減した。
上海の都市封鎖をはじめとする厳格なゼロコロナ政策をとる中国は物流の混乱や工場の稼働停止などで経済が収縮している。輸出数量指数の低下は2カ月連続で、3月の13.0%より下落幅が大きくなった。
中国からの輸入数量指数も20.4%の急落で92.0となった。コロナの感染が広がった当初の20年2月以来の下落幅となった。
対中貿易の停滞が足を引っ張るかたちで世界全体に対する輸出数量指数は4.4%、輸入数量指数は9.0%下がった。いずれもコロナ禍で低迷した20年夏~秋以来の落ち込み幅だった。
金額でみた世界全体との貿易収支は8391億円の赤字だった。赤字は9カ月連続。原油などエネルギー価格の高騰で輸入額は28.2%増の8兆9154億円に膨らみ、単月として過去最大だった。輸出額は12.5%増の8兆762億円で3月に次ぐ過去2番目の水準だった。輸出入とも数量が減ったにもかかわらず金額が増えたのは製品価格が上がったためだ。財務省の担当者は「世界的な賃金や物流面などのコストアップが影響している」と説明した。為替の円安・ドル高の進行も輸入物価の上昇に拍車をかけた。
対中貿易は金額にして輸出が5.9%減の1兆4890億円、輸入が5.5%減の1兆6573億円だった。貿易量の減少が大きいため、金額ベースでも前年水準を下回った。
対ロシアは1633億円の貿易赤字で、赤字幅は前月より2割増えた。輸出は237億円と自動車や一般機械を中心に69.3%減った。ウクライナ侵攻を踏まえた政府の輸出禁止措置や企業の自主的な事業の停止が響いた。輸入は67.3%増の1870億円だった。原油は43.2%増、石炭は2.7倍になった。それぞれ価格の高騰が大きく、数量は減っている。
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Economy/As-Chinese-economy-slows-Japanese-exports-take-a-hit?n_cid=DSBNNAR 』 -
中国、日米韓の連携を警戒 外交担当トップが警告
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM192O00Z10C22A5000000/
『【北京=羽田野主、ワシントン=坂口幸裕】バイデン米大統領の日韓訪問を前に、中国が日米韓の連携に警戒を強めている。とくに日米首脳が台湾問題で関与を強める事態を懸念し、警告を発している。
「米側が台湾カードを行使するならば、必ず情勢を危険な境地に導く。中国は自身の主権と安全利益を守るために断固とした行動を取るだろう」。中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は18日、米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)との電話協議に応じ、こう伝えた。
中国の王毅(ワン・イー)国務委員兼外相も18日に林芳正外相とテレビ会議方式で協議し「日本側は最近、台湾など中国の核心的利益と重大な関心事に関わる問題で消極的な動きが目立つ」と批判した。
王氏は16日にも韓国の朴振(パク・ジン)外相とのオンライン協議で「新冷戦の危険を防ぐことが中韓両国の根本的利益に関わる」と語り、米中間で中立的な立場を維持するように促した。
中国側が意識するのは、5月20~24日に予定されるバイデン大統領の韓国と日本への訪問にほかならない。バイデン氏はインド太平洋地域で影響力を強める中国に対抗するため、米国が安全保障と経済の両面で地域に関与する姿勢を明確にする。
中国共産党系メディアの環球時報は19日付社説で「一つの大国(米国)がもう一つの大国(中国)の周辺国をけしかけ、陣営に組み入れるメカニズムを設計しようとしている」と警戒心をあらわにした。
もっとも日米韓の当局への電話攻勢だけでは手詰まり感は否めない。中国が影響力を強めてきた東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳らが5月にそろって訪米し、バイデン氏と対面で首脳会合を開いたのは中国にとって衝撃だった。
ロシア軍のウクライナ侵攻が泥沼化したことで、共産党内では習近平(シー・ジンピン)指導部の最大の目標である台湾統一の難しさも改めて認識されるようになった。
とはいえ、秋の党大会で異例の3期目を目指す習氏にとって、台湾統一が「後退」したと受け止められるのは避けたい。それだけに日米の台湾問題への関与には強く反発せざるをえない状況だ。』
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中国、東ティモールに浸透 西太平洋に勢力拡大めざす
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM1664D0W2A510C2000000/


『東南アジアの小国、東ティモールは20日、隣国インドネシアから独立して20年を迎える。国内では独立前に混乱を極めた治安状況は回復し、民主主義も定着した。現地を歩くと、中国がインフラ支援をテコに影響力を強めていることが一目瞭然で、安全保障上の懸念も生じている。
首都ディリ中心部にある市内最大のショッピングモールでは、中国のスマートフォン大手「OPPO(オッポ)」の広告が目立っていた。店員によると、オッポがスマホの1番人気という。華人系のスーパーも入居し、中国の輸入食材を豊富にそろえる。
官庁街では漢字が書かれた看板を掲げる工事現場を見かけた。中国企業が地方裁判所の建設を手がけていた。これまでに大統領府や外務省、国防省などの主要官庁の建設も中国が支援した。
両国の関係は深い。冷戦構造下で西側諸国が1976年のインドネシアによる東ティモールの武力併合を事実上容認するなか、中国は独立を支持し、2002年の独立後は多くの国に先駆けて外交関係を結んだ。10年代に入ると、中国が広域経済圏構想「一帯一路」を打ち出し、協力を加速した。
「東ティモールは一帯一路の重要なパートナーだ」。中国の肖建国駐東ティモール大使は3月末、地元紙に寄稿した。発電所や道路、港湾など基幹インフラの建設を中国企業が支援していると訴えた。
中国企業が担う地方裁判所の建設はコロナ禍のためか完成予定日を過ぎていた(13日、ディリ)肖氏によると、21年末までに約20の中国企業が東ティモールでの建設工事の契約を交わした。東ティモールは金融、通信、司法などビジネスの基盤が脆弱で、一般の民間企業にとって進出リスクが高い。中国共産党の1党支配体制のもと、官民一体の政治・経済体制をしく中国が間隙をつく。
日本が約53億円の円借款を供与したディリと第2都市バウカウを結ぶ国道1号線の整備工事が典型だ。日本企業が入札に加わらず、中国企業が受注した。道路脇の工事の概要を示す看板には、日本の国際協力機構(JICA)とともに中国国有企業の中国水利水電建設が名を刻む。
首都を抱え人口が集中する北部に比べ発展が遅れる南部に目を向けると、中国の戦略的な狙いが見えてくる。
東ティモール初の高速道路として南岸の町、スアイとベアスを結ぶ事業。中国企業が建設を担い、18年に第1期工事が完了した。東ティモール政府は隣国のオーストラリアと共同開発する近海の油田から自国南岸にパイプラインを引くことを念頭に、南部の開発に力を入れる。
「高速道路は確たる利用が見込めず、日本企業の参加はあり得ない」。現地の日系駐在員は指摘する。パイプラインをどちらの国に引くか、東ティモールと豪州で合意できていないためだ。既成事実化をもくろむ東ティモールを中国が後押しする構図で、ベアスの港湾化計画も持ち上がる。
中国の東ティモールへの浸透は習近平(シー・ジンピン)国家主席がめざす西太平洋への影響力の拡大策の一環でもある。東ティモール南岸と豪州のダーウィンの間の距離は600キロメートル強にすぎない。ダーウィンには豪軍の基地があり、米海兵隊も巡回駐留し、中国ににらみをきかせる。「東ティモール南岸に中国がかかわる港ができれば安全保障上の懸念は大きい」(日本政府関係者)
米豪軍の行動を監視するもう一つの拠点がソロモン諸島だ。豪州の北東部で東ティモールと豪州北部を挟み込むような位置にあり、ここを影響下に置けば西太平洋に抜ける米豪軍の監視が容易になる。中国は4月、ソロモンと安全保障協定を締結した。事前に流出した草案には中国軍派遣や中国艦船の寄港を認める内容が盛り込まれていた。
「地球は中米それぞれと共同の発展を受け入れるだけの十分な広さがある」。習氏は21年11月、バイデン米大統領とのテレビ電話協議で西太平洋での影響力拡大への意欲を隠さなかった。台湾有事をにらむ米豪や日本にとり東ティモールへの関与強化は喫緊の課題になる。(ディリ=地曳航也、北京=羽田野主)
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Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/China-looms-large-in-East-Timor-20-years-after-independence?n_cid=DSBNNAR 』 -
中国・習氏「安保協力強化を」BRICS外相協議に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM19CSO0Z10C22A5000000/※ ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ…、の外相がオンラインで協議するって、この情勢で何を協議するんだろう…。
『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は19日、中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国(BRICS)外相によるオンライン協議にビデオメッセージを寄せた。「BRICS各国は政治的信頼と安全保障協力を強化しなければならない」と強調。ウクライナ侵攻で国際的な非難を浴びるロシアとも協力関係を堅持する考えを示した。
バイデン米大統領の日韓訪問前にロシアなどと足並みをそろえ、対抗する姿勢を示す狙いがありそうだ。習氏はBRICS各国について「互いの核心的利益と重大な関心事に配慮すべきだ」と指摘した。中国にとって最大の核心的利益といわれる台湾問題への理解を改めて促した。
「覇権主義や強権政治に反対し、冷戦的思考と集団的対抗に立ち向かわねばならない」と話し、結束を求めた。今月24日には東京都内で日米豪印4カ国による「クアッド」首脳会合も開かれる。BRICS加盟国のインドも含まれており、習氏の発言にはインドに米中間で中立的な立場を維持するように求める思惑も透ける。』































