月: 2021年11月
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四輪車世界販売台数は9,130万台
https://www.jama.or.jp/world/world/index.html#world_1ASEAN主要国における第2四半期の自動車販売台数、前期比で減少
(ASEAN、タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/08/4a9b42887a7c9ed8.html『ジェトロがASEAN自動車連盟の統計から集計したところ、2021年第2四半期(4~6月)のASEAN主要6カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン、シンガポール)の自動車販売台数の合計は64万9,618台だった。厳しい新型コロナウイルス対策からの反動により、前年同期比で2.2倍に増加したが、2019年同期(83万303台)には届かなかった(添付資料表1参照)。第1四半期の約73万台(2021年5月26日記事参照)から再び後退した。月別では、4月から6月にかけて減少傾向となった(添付資料図参照)。イスラム教の断食月(4月半ば~5月半ば)だったことや、新型コロナウイルスの感染再拡大により、マレーシアなどで活動制限が再強化されたことなどから、販売が伸び悩んだとみられる。
第2四半期のASEAN主要5カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、ベトナム、フィリピン)の自動車生産台数の合計は、前年同期比2.8倍の80万3,054台だった(添付資料表2参照)。国別では、新型コロナの感染拡大が比較的穏やかだったベトナムとフィリピンで、2019年同期を上回った。
また、タイとインドネシアの業界団体の統計からジェトロが取りまとめたところ、両国における第2四半期の自動車輸出台数の合計は、前年同月比2.2倍の28万3,542台だった(添付資料表3参照)。インドネシアからの輸出台数は2019年同期を上回った。
(山城武伸)』
2020年度のインド自動車市場は回復基調にあるも、先行きの見通しは不透明
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/1ce9bdce5c69be96.html『インド自動車工業会(SIAM)によると、2020年度の乗用車(SUV、バンを含む)の国内販売台数は271万1,457台と前年度比2.2%の減少となった(表1参照)。2019年度実績は前年度比17.9%減の277万3,519台だったことから、新型コロナ禍にありながらも、減少幅は大きく改善した。しかし、増加に転じるまでには至らなかった。SIAMは今後の自動車販売について、「新型コロナ以前の自動車市場を取り巻く[不良債権問題を背景とした金融機関の貸し渋りによる資金不足、自賠責保険料の値上げ、2020年4月から始まった新排ガス規制「バーラト・ステージ6(BS6)」の設定に伴う買い控えなどの]構造的な課題に加えて、パンデミックの影響が大きく、完全な販売回復にはさらなる時間と業界関係者の努力が必要だ。また、昨今の半導体やコンテナの不足など、バリューチェーンの課題も懸念事項だ」とコメントした。』
世界各国の四輪車保有台数(2018年末現在)
https://www.jama.or.jp/world/world/world_2t1.html -
欧州発「緑のルール」 主導権なき日本に足かせ
第4の革命・カーボンゼロ グリーンポリティクス(3)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR29EJG0Z20C21A9000000/
『「このパートナーシップは世界初の試みだ」。英グラスゴーで開かれた第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)。欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は仏独英と米国を巻き込み、南アフリカの脱石炭を支援する枠組みを宣言した。
計85億ドル(約9700億円)を投じて再生可能エネルギーを導入し、石炭火力発電所の閉鎖を前倒しする。これまで新興国に脱炭素を迫る一方だった欧州が歩み寄った。これには伏線がある。
「国境炭素調整措置(CBAM)のような貿易障壁は差別的で、重大な懸念がある」。8月下旬、中国やインドなど新興国の環境相は共同でこんな声明を出した。
環境規制の緩い国からの輸入品に事実上の関税を課すCBAMは「国境炭素税」と呼ばれ、EUの欧州委員会が7月に制度案を公表した。規制が緩く、安いコストで作られた域外からの輸出品に対し、EUの排出量取引制度に基づく炭素価格を課して競争環境を公平に保つ狙いがある。
これを発展途上国は自由貿易を妨げ経済発展に悪影響をもたらす「緑の壁」とみた。国連貿易開発会議(UNCTAD)の分析ではCBAMの導入で先進国の歳入が増え、途上国は減る。EUは新興国支援に転じることで批判を和らげ、自らのルールを浸透させようともくろむ。
「ブリュッセル・エフェクト(効果)」――。ベルギーの首都ブリュッセルに本部を構えるEUが域内の規制を利用して、世界を有利に動かそうとする政治手法を、米コロンビア大のアヌ・ブラッドフォード教授は同名の著書でこう呼んだ。2005年に始めた排出量取引制度は、中国など多くの国や地域が導入。CBAMにつながった。
EUのグリーンポリティクス(緑の政治)は経済政策と巧妙に結びつく。19年12月にフォンデアライエン氏が欧州委員長に就任して以降、運輸、農業、金融などあらゆる分野に気候変動対策を組み入れてきた。
「環境問題が経済政策に結びついた2000年ごろから、ルールを作り世界標準にしようという発想に乏しい日本は、流れに乗り遅れた」。国際標準化機構の日本代表、多摩大学ルール形成戦略研究所の市川芳明客員教授はこう嘆く。
その象徴が自動車分野だ。EUは35年までにハイブリッド車を含む内燃機関車の新車販売を事実上禁止する計画を打ち出した。EU市場で販売を続けるために、メーカーは電気自動車(EV)へシフトせざるを得なくなった。こうした流れはEV開発に軸足を置く欧州勢に追い風となり、ハイブリッド車で覇権を握る日本勢には向かい風となる。
「ハイブリッド車が環境に良いという国際規格を日本主導で先に作るべきだった」と市川氏は指摘する。ルールに乗り遅れれば、いかに良い製品を作っても主導権を失う。グローバル競争の足かせとなり、投資マネーも引きつけられない。
世界持続的投資連合(GSIA)の調査によれば、20年の世界のESG(環境・社会・企業統治)投資額は35.3兆ドル。そのうち34%が欧州で、日本は8%だった。世界の名目国内総生産(GDP)に占める割合はそれぞれ18%と6%で、欧州に実力以上の資金が集まる。
22年春から東京証券取引所に上場する一部の企業で、気候リスク情報の開示が実質的に義務付けられる。主要国の金融当局でつくる「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の考え方が基本となり温暖化ガス排出量などを示す必要がある。これを怠ると評価は下がり資本の調達コストに跳ね返る。対応は待ったなしだ。』
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外国人就労「無期限」に 熟練者対象、農業など全分野
【イブニングスクープ】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE019ZY0R00C21A9000000/

『出入国在留管理庁が人手不足の深刻な業種14分野で定めている外国人の在留資格「特定技能」について、2022年度にも事実上、在留期限をなくす方向で調整していることが17日、入管関係者への取材で分かった。熟練した技能があれば在留資格を何度でも更新可能で、家族の帯同も認める。これまでの対象は建設など2分野だけだったが、農業・製造・サービスなど様々な業種に広げる。
【関連記事】特定技能、家族帯同も拡大「選ばれる国」へ支援拡充急務
別の長期就労制度を設けている「介護」を含め、特定技能の対象業種14分野すべてで「無期限」の労働環境が整う。専門職や技術者らに限ってきた永住への道を労働者に幅広く開く外国人受け入れの転換点となる。
現在、資格認定の前提となる技能試験のあり方などを同庁や関係省庁が検討している。今後、首相官邸や与党と調整し、22年3月に正式決定して省令や告示を改定する流れを想定している。
特定技能は人材確保が困難な業種で即戦力となる外国人を対象に19年4月に設けられた。
実務経験を持ち特別な教育・訓練が不要な人は最長5年の「1号」を、現場の統括役となれるような練度を技能試験で確認できれば「2号」を取得できる。更新可能で家族も滞在資格が得られ、在留10年で永住権取得が可能になる。
入管庁などは、2号の対象に11分野を追加し、計13分野にする方向で調整している。介護は追加しないが、既に日本の介護福祉士の資格を取れば在留延長などが可能となっている。
ただ、自民党の保守派などの間では、外国人の長期就労や永住の拡大は「事実上の移民受け入れにつながりかねない」として慎重論が根強い。結論まで曲折を経る可能性もある。
特定技能の制度導入時、入管庁は23年度までに34万5千人の労働者が不足するとみていた。足元では特定技能の取得者は月3千人程度で推移している。就労期限がなくなれば計算上、20年代後半に30万人規模になる。かねて国は外国人の長期就労や永住に慎重な姿勢を取ってきた。
厚生労働省によると、20年10月末時点で国内の外国人労働者は172万人。在留期間が最長5年の技能実習(約40万人)や留学生(約30万人)など期限付きの在留資格が多く、長期就労は主に大学卒業以上が対象の「技術・人文知識・国際業務」(約28万人)などに限っている。
「農業」「産業機械製造業」「外食業」など14分野で認められている特定技能も、長期就労できるのは人手不足が慢性化している「建設」「造船・舶用工業」の2分野にとどまる。
新型コロナウイルスの水際対策の影響もあり、特定技能の資格で働くのは8月末時点で約3万5千人。日本商工会議所は20年12月、「外国人材への期待と関心は高い」と対象分野追加などを要望していた。
外国人受け入れ政策に詳しい日本国際交流センターの毛受敏浩執行理事は「現業の外国人に広く永住への道を開くのは入管政策の大きな転換だ」と指摘する。
(外国人共生エディター 覧具雄人)
特定技能
国内で生活する外国人は6月末時点で約282万人。活動内容などによって「永住者」(約81万人)、「技能実習」(約35万人)といった在留資格がある。
出入国管理法改正で2019年に設けられた「特定技能」は技能試験や日本語試験の合格などを条件に、人手不足が深刻な業種14分野での就労を認めている。
出入国在留管理庁によると、8月末時点で約3万5千人のうち、飲食料品製造業(約1万2千人)と農業(約4600人)の2分野で半数近くを占める。3年間の技能実習を終えた人が特定技能の資格取得を望む場合、日本語試験は免除され、実習時と同じ分野なら技能試験の合格も不要になる。
新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限で、新たな人材の確保が困難になった。実習終了後に帰国できない人が、在留資格を特定技能に切り替えて日本に残るケースが相次いでいる。
イブニングスクープ
翌日の朝刊に掲載するホットな独自ニュースやコラムを平日の午後6時頃に配信します。
多様な観点からニュースを考える※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
岩間陽子のアバター 岩間陽子 政策研究大学院大学 政策研究科 教授 コメントメニュー
ひとこと解説
事実上のコロナ鎖国をどうにかしないことには、人の入ってきようがないですが、そこをクリアしたとしても、家族連れの外国人を長期に受け入れるような社会インフラを整えずに受け入れるのは、無謀としか言いようがありません。
国がガイドラインを作って自治体単位で様々なサービスを提供して、かつ日本で育つ子供たちのための教育上の配慮も考えなければ、社会的統合など望めません。
逆にこれをチャンスとして、行政も教育も、デジタル化と多言語化を同時に進める計画でやれば、ある種の起爆剤になるかもしれません。
2021年11月18日 0:32
竹中治堅のアバター
竹中治堅
政策研究大学院大学 教授コメントメニュー
ひとこと解説
特定技能2号の対象分野の拡大は岸田政権が目指す賃上げの政策と極めて矛盾している。
人手不足というが、十分な賃金を支払わないために成り手が十分現れないというのが実態ではないか。高い賃金を支払わないで済む外国人の労働者としての受け入れを拡大するのであれば、これは賃金への下方圧力となる。
新しい資本主義を目指し、中産階級の拡大を目指すのであれば特定技能の資格を緩和するのではなく、対象業種での賃上げを促すべきである。
2021年11月18日 0:12 (2021年11月18日 0:13更新)
蛯原健のアバター
蛯原健
リブライトパートナーズ 代表パートナーコメントメニュー
別の視点
移民受け入れ是非の議論を曖昧にしたまま特定技能労働という名の実質的な移民をバンバン受け入れてきたのが現与党の移民取り扱いの歴史である。
支援団体の頑なな姿勢と労働力確保という財界の要請の板挟みにあい、その答えとして玉虫色にしてきた事のツケとして、外国人労働者の教育や社保や不法滞在など様々な人権問題が鬱積しており、その急場凌ぎ的な対応であるが、本質的には真っ向からの国民的な移民論があるべきだろう。
2021年11月18日 8:03
為末大のアバター
為末大
元陸上選手/Deportare Partners代表コメントメニュー
ひとこと解説
よく単一民族の日本と言われますが、DNAを調べても単一民族ではなく、平安京時代の奈良は世界でも有数の多国籍都市でした。
宗教の共存などを見ても、根本の部分では日本は多文化共生ができると思います。一方で、自分達は何者であるかを定義づけるために作り上げた物語が今も人々の意識の根底に流れていることも感じます。
すでにスポーツの分野ではたくさんの両親が外国籍の日本人が活躍しています。当たり前ですが流暢な日本語を喋り、振る舞いもとても日本的です。
移民の受け入れを正面からしっかり議論し、日本をアジアのジパングと捉え、多民族国家を目指すという方法もあるのではないでしょうか。
2021年11月18日 9:05 (2021年11月18日 9:08更新) 』
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※ FACTAは、やはり飛ばしだったか…。

【独自】小池都知事 21日に公務復帰 過労で2度入院 健康不安説ある中
https://www.nippon.com/ja/news/fnn20211118272448/『過度の疲労を理由にテレワークを続けていた東京都の小池知事が、21日の日曜日から公務に復帰することが関係者への取材でわかった。
小池知事は、10月27日に過度の疲労のため入院したことを発表し、11月2日に退院したあとも、医師の指示で2週間程度はテレワークを続けるとして、公の場に姿を現しておらず、健康不安説もでていた。
関係者によると、小池知事は21日から公務に復帰し、都庁に登庁するという。
小池知事は、6月下旬にも、およそ1週間過労で入院し、今回が2度目の復帰となる。
(FNNプライムオンライン11月18日掲載。元記事はこちら
https://www.fnn.jp/articles/-/272448 )』 -
実権掌握前に権力分配を合意 タリバン、米国と非公式に
https://nordot.app/833606735313993728
『【カブール共同】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンが8月15日に実権を掌握する直前、アフガン政府と権力を分配し移行政権を発足させることで米国と非公式合意していたことが、17日分かった。
武力によりほぼ全土を制圧していたタリバンは首都カブールには入城せず、8月15日以降にアフガン政府と2週間の直接交渉を行う予定だったが、ガニ元大統領が同日国外脱出し計画は破綻、和平の道が閉ざされた。
中東カタールでタリバンとの恒久停戦協議に臨んでいたアフガン政府交渉団の一員で女性政治家のハビバ・ソラビ氏が、退避先のトルコ西部イズミルで共同通信の取材に明かした。』
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※ 今日も、雑用に見舞われて、走り回った…。
※ こんなところで…。

※ 「私だけ伴侶がいると妻嘆く」は、ヒドかろう…。
※ 「女房から生前退位せまられる」もな…。
※ 個人における「生前退位」とは、一体何だろう…。
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※ いずれ、本も読めなくなるし、ディスプレイも見れなくなる…。
※ オレも、せいぜい励まんとな…。
※ ただ、「思考力」だけは、「鍛えれば、伸び続ける」らしい…。
※ 「脳の神経細胞」自体は、死滅していくが、「各神経細胞どうしの連結」は、死ぬまで「連結させること」ができるそうだ…。
※ それを信じて、頑張ろう…。

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三期目狙う習近平 紅いDNAを引く最後の男
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20211115-00268231※ これを貼るのを、忘れていた…。追加で貼っておく…。
※ これは、一読しといた方がいい…。
※ 習近平氏の「本質」が、露わになっているような記事だ…。
※ おそらく、そこに、「他の党員の支持」の源泉がある…、と思われる…。
※ ひいては、「中国国民(世論)の支持」の源泉も…。
※ そこを見誤ると、日本国の「戦略」や、打つべき「策」にも、齟齬が生じて来る…、と思われる…。
『中国共産党が誕生し革命戦争を通して中華人民共和国が建国されて以来、いま残っている国家リーダーになる器を持った者で、かつ革命の紅いDNAを引いている男は習近平以外にいない。彼の後に出てくるのは小粒でしかない。
◆紅いDNAを引く最後の男1921年に中国共産党が誕生した。習近平の父・習仲勲(1913年~2002年)は陝西省富平県に生まれたが、建党後ほどなくして中国共産主義青年団(共青団)に入団し、陝西省で革命活動に参加し始めたが、1928年に学生運動に参加した際に投獄され、獄中で中国共産党員になっている。わずか15歳だった。
やがて釈放された習仲勲は、陝西省や甘粛省などの一帯に「陝甘辺ソビエト政府」を樹立するなどして革命根拠地(のちの西北革命根拠地)を築くのだが、その中に「延安」があった。
蒋介石率いる国民党軍に敗れた毛沢東率いる紅軍は、1934年10月、最後の中華ソビエト共和国の拠点であった江西省瑞金を放棄して、1万2500キロを徒歩で北西方向に向かった。これを「長征」という。
しかし中国全土に構築した革命根拠地はほとんど国民党軍に殲滅されて、唯一、習仲勲らが建設していた陝甘辺ソビエト政府だけが残っていた。
毛沢東一行が延安に到着したのは約1年後の1935年10月である。
もしあのとき、陝甘辺ソビエト政府という革命根拠地が残っていなかったら、毛沢東は長征の到着先を見つけることができず、共産党軍が国民党軍に勝利して中華人民共和国を建国することはできなかった。
したがって、中華人民共和国が誕生したのは、習仲勲等のお陰である。
だから毛沢東は習仲勲に感謝し、習仲勲をこの上なく可愛がった。
習仲勲を「諸葛孔明よりもすごい」と褒めたたえたことさえある。
鄧小平は、それが怖かった。人一倍野心に燃えていた鄧小平は、このままでは自分が毛沢東の後継者になるチャンスはなくなると計算し、さまざまな陰謀をめぐらして習仲勲を失脚させ、16年間も軟禁や獄中生活を送らせるところに陥れてしまったのである(その証拠は、『習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』で示した)。
しかし、その息子・習近平は生き残り、最終的には江沢民が自分の駒として習近平を取り立てたために、今日のポジションがある。
いま習近平世代で、中国のトップリーダーになる器を持った人物を眺めたときに、「革命の紅い血」をストレートに引き継いでいる者は一人もいない。
日本のメディアや研究者あるいはチャイナ・ウォッチャーの中では、習近平が権力闘争のために反腐敗運動を展開し、李克強との間でもライバル意識を持って李克強に権力を渡すまいとしているといった類の分析をする人が数多く見られるが、その人たちは習近平が圧倒的に他と異なる「紅いDNA」を持った唯一の人物であることに気が付いていないのではないだろうか。
習近平は「紅いDNA」を持つ、中国最後の人物なのである。
習近平が引退した後に出てくる人物は、たとえ誰であっても、その意味では小粒で、習近平以上の「革命の正統性」を持った者は二度と現れない。
◆「江沢民‐朱鎔基」、「胡錦涛‐温家宝」、「習近平‐李克強」との比較
過去の指導者である「国家主席(&総書記)‐国務院総理(首相)」のペアで、「江沢民‐朱鎔基」と「胡錦涛‐温家宝」および「習近平‐李克強」を比較して、習近平の独裁欲の強さ、あるいは李克強の影の薄さを論じたメディアもあり、興味を引いた。ただ、この3組はあまりに状況が異なり、ちょうど良い例でもあるので、筆者なりの比較を試みてみよう。
江沢民の父親は日中戦争時代、日本の傀儡政権として南京に樹立された汪兆銘政権の官吏で、中国語で言うならば「漢奸(ハンジェン)」、すなわち売国奴である。その出自を隠そうと、1995年から激しい反日教育を始めたくらいで、「紅いDNA」の反対側の人間だ。能力もないのに(だからこそ気に入られて)鄧小平の「鶴の一声」で中共中央総書記になり(1989年)、1993年に初めて国家主席になるという尋常でない道を歩んでいる。本来ならそのときの国務院総理だった李鵬に代わって、実力の高い朱鎔基が国務院総理になるはずだったが、朱鎔基の実力を同じ上海にいたときに知っていた江沢民は、朱鎔基が国務院総理になるのを嫌った。そのため1998年になってようやく、朱鎔基は国務院総理になった。しかし江沢民は依然として朱鎔基に対してはライバル心むき出しで、常に朱鎔基に後れを取るものだから、喧嘩ばかりしていた。
胡錦涛と温家宝は非常に仲が良かったが、しかし胡錦涛には「紅いDNA」はない。胡錦涛の祖父は商売人で、父親は小学校の教員。生活苦からお茶の販売もしていた。やはり商売人だ。共産党とは無縁の家庭で育っている。清華大学に入学してから共産党と接するようになり入党した、よくある共産党員のパターンである。
温家宝も似たようなもので、天津の郊外にあった教員の家庭で育っている。胡錦涛と温家宝には共通する先輩がおり、二人とも、1977年から81年まで甘粛省の書記だった宋平によって抜擢されている。胡錦涛が共青団で幹部プログラムに参加したのは、宋平の推薦があったからだ。温家宝も宋平のお陰で中央入りしているので、胡錦涛と温家宝は「親が教員だった」という共通点と宋平の存在により「仲良し」だったのである。
誰一人、「紅いDNA」を持っていない。
しかし習近平は違う、誰よりもストレートに建党と建国の血筋を持って生れ出てきており、この「革命の紅い血」は、中国においては絶対的なのである。
李克強はそもそも「がり勉さん」で、権勢欲はなく、カリスマ性も特にない。彼自身、国務院総理であることに満足しているように見受けられるし、実務能力は高いので国務院総理に似合っている。父親は1929年に安徽省の田舎で共産党に入党し小学校の教員になったり、兵士として戦ったりしたこともあるが、あくまでも地方の田舎での活動に終始し、中央と関わったことはない。教育にはことのほか熱心で、いかにも李克強の人間性が育て上げられた環境らしい。
ただ、習近平の「紅いDNA」と比較したら、比較の対象ではないことを李克強自身も分かっているだろう。
こうして、過去三代の指導者のペアと比較しても、習近平だけは際立って「紅い革命の血」が濃いことがわかる。ましてや今現在の周辺(少なくとも現在中共中央政治局委員までは上がってきている者)を見渡しても、あるいは一つ下の世代の候補者(中共中央委員会委員)を見渡しても、建党・建国以来の血筋を引く者は一人もいない。
◆三期目を狙う習近平
だからと言って憲法を改正してまで三期目を狙うのか、ということには抵抗を持つ党員もいないではないだろう。
しかし中国の経済も軍事力も圧倒的に強くなり、アメリカが脅威を感じて、あの手この手で中国を潰しにかかってきているときに、党員も一般人民も、「経済と軍事を強くしてくれたのだから」と習近平を肯定する傾向にある。
もちろん経済にはさまざまな問題を抱えてはいるものの、大国アメリカと対等に渡り合える「存在感」は、この「紅いDNA」が強めているのは確かだ。党員ともなれば、中国共産党がどこから立ち上がってきたのか、中華人民共和国が如何にして建国されたのかを思うとき、「紅い革命の血筋」は絶対的だ。
反腐敗運動により軍に巣食う腐敗の巣窟を除去し、2015年12月末日に軍事大改革を成し遂げた上で、第19回党大会で「習近平新時代の特色ある中国社会主義思想」を党規約に書き込んで翌年2018年3月に国家主席任期に関する制限を撤廃した。
もっとも、この制限、かつてはなかったもので、果たしてこれが「党内民主」という性格から来たものか否かは、実はそこには複雑な背景がある。
◆鄧小平ほど独裁的だった人は中国建国以来いない
習近平が「独裁的である」という批判は、世界中から受けているところだろう。
筆者自身も習近平をかつて「紅い皇帝」と位置付けて本を書いたことがある。その時にはまだ勉強が不十分で、まさか習近平の父・習仲勲が、鄧小平の陰謀によって失脚させられたのだということを思いもしていなかったし、知らなかった。
しかしこのたび、『習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』を書くに当たり、徹底して、これでもか、これでもかと追跡に追跡を重ねた結果、本当に鄧小平がさまざまな国家リーダーとなり得る人を倒してきたことを実感するに至った。
鄧小平がどれだけ多くの国家リーダーあるいはリーダーとなり得る人物を倒し、かつ自分が推薦して就任させておきながら、気に入らないと失脚させるということを繰り返してきたかを以下に列挙してみよう。
1954年:毛沢東が後継者に考えていた高崗(西北革命根拠地)を自殺に追い込んだ。
1962年:習仲勲を冤罪により失脚させた(16年間、軟禁・投獄・監視)。
1980年9月:華国鋒を国務院総理辞任へと追い込む。
1981年6月:華国鋒(中共中央主席、軍事委員会主席辞任)を失脚に追い込む
1981年6月:自分のお気に入りの胡耀邦を中共中央主席に就任させる。
(但し、1982年9月で中央主席制度を廃止し中共中央総書記に。)
1986年:胡耀邦(中共中央総書記)を失脚に追い込み、趙紫陽を後任にした。
1989年:趙紫陽(中共中央総書記)を失脚に追い込んだ。
1989年:江沢民を一存で中共中央総書記・中央軍事委員会主席に指名。
2001年:胡錦涛を隔代指導者に、鄧小平の一存で決定した。
ここまで国家のトップを自分一人の意思で失脚させたり指名したりした人は、建国後の中国には存在しない。毛沢東でさえ、たった一人の国家主席(劉少奇)を失脚させるために、わざわざ文化大革命を起こさないと、一存で失脚させる力は持っていなかったし、そうしなかった。
その鄧小平が一存で決めた「国家主席の任期」を撤廃した習近平の「独裁度」は、遠く鄧小平に及ばない。
軟禁された趙紫陽は、テープに回顧録を録音し、それがのちに出版されたが、その中で趙紫陽は「鄧小平の声は神の声だった。すべては彼の一声で決まった」と語っている。
集団指導体制自体は鄧小平が決めたものではなく、毛沢東時代からあった。
国家主席に関する任期を区切ったのは鄧小平だが、習近平が撤廃したのは、このルールだけだ。
◆アメリカに潰されない国を求めて
中国はもともと、こういう国なのである。
それでもアメリカと対等に対峙できるリーダーを中国共産党員も中国人民も求めている。「紅いDNA」を持つ最後の男は、アメリカを凌駕するところまで粘るつもりではないだろうか。
岸田内閣はゆめゆめ「紅いDNA」の夢の実現に手を貸すようなことをしてはならない。日中国交正常化50周年記念を口実に、岸田内閣は何をするかわからない。今から警鐘を鳴らしておきたい。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『裏切りと陰謀の中国共産党建党100年秘史 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』、『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』,『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子 中国建国の残火』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。』























































































