「逃げた大統領」息子も娘同様、米で上流生活

「逃げた大統領」息子も娘同様、米で上流生活
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20210824/2876437/1

『アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンがカブールを制圧した日に海外逃亡を選んで批判を受けたアシュラフ・ガニー大統領(72)の息子タレク氏(39)が、米首都ワシントンの120万ドル(約14億ウォン)のタウンハウスで暮らしていると、英紙デイリー・メールなどが21日、報じた。

タレク氏は、エリザベス・ウォーレン上院議員の立法担当参謀の妻とともに議会議事堂から1.6キロ離れた、寝室3つ、浴室3つの家で暮らしている。2018年に95万9千ドル(約11億3千万ウォン)で購入し、新型コロナウイルス禍で価格がさらに上がった。この地域の平均の住宅価格は米全体の上位7%に属する。タレク氏は同日、デイリー・メールのインタビュー要請を断った。その後、自宅近くの高級時計店や革製品店に立ち寄り、カフェで友人と会って談笑する様子が捉えられた。

米紙ニューヨーク・ポストは17日、タレク氏の姉マリアム氏(43)も、ニューヨーク・ブルックリンの高級マンションでアーティスト生活を楽しんでおり、マリアム氏もインタビューを拒否したと報じた。タレク氏とマリアム氏は、父親が米ジョンズ・ホプキンス大学教授だった時に生まれた米市民権者だ。

タレク氏は、スタンフォード大学で国際安全保障の学士・修士学位を、カリフォルニア大学バークレー校ハースビジネススクールで博士学位を取得し、現在ワシントン大学教授として在職している。スタンフォード大学の時1年間休学し、アフガンで当時財務長官だった父親の補佐官を務めた。昨年、米民主党の大統領候補を選ぶ予備選挙に出馬したピート・ブティジェッジ運輸長官の外交安保顧問も務めた。タレク夫妻は、ワシントンの「パワーカップル」とも呼ばれると、デイリー・メールは伝えた。

ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com 』

[FT]グラフでみるアフガン経済

[FT]グラフでみるアフガン経済 20年で大幅に改善
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB2317V0T20C21A8000000/

『イスラム主義組織タリバンが2001年、米軍の攻撃でアフガニスタンの支配権を失ってから20年が経過した。タリバンは15日、首都カブールを制圧し、再び政権を握ることが確実になった。この20年間に、健康、教育、平均寿命、乳幼児死亡率といった社会・経済指標は大幅に改善し、生活環境は著しく向上した。

アフガニスタンの大統領府を占拠したタリバンの戦闘員ら(15日、カブール)=AP

一方、汚職と暴力はまん延し、近年では(外国軍の)駐留規模の縮小、国際社会からの援助の削減で、主要な収入源の一つが細り、経済は打撃を受けていた。

15日のタリバン復権と共に国外へ脱出したアフガンの元中央銀行総裁、アジマル・アフマディ氏は取材に対し、(指標にみられる)アフガン人の生活向上を重視しないのならば「起きた変化を正しく評価していないということだ」と指摘した。

英王立国際問題研究所(チャタム・ハウス)のガレス・プライス上級研究員は、アフガンが社会の側面からみて「劇的に変化」したが、「鉱物資源をはじめ、国内の主要な成長の源泉は、違法採掘を除けば一つも十分に活用されていない」と主張する。

成長の源泉は国際社会からの援助
アフガンでは2010年代半ばまで年10%以上の成長が続き、生活水準を引き上げたが、その後の10年ほどは国際金融支援が減り、生産は停滞してきた。

アフガニスタンの1人あたりGDP(出所)FT/IMF

世界銀行によると、09年にアフガンの国内総生産(GDP)とほぼ同額だった国際援助は20年、GDPの42.9%に落ち込んだ。サービス産業の活動と雇用を阻害する。

今後はタリバン政権のもとで海外からの資金が完全に枯渇し、アフガンの合法経済の存続を揺るがすと見通されている。

「過去20年間の経済成長の大半は国際支援の上に築かれていた。(タリバン支配で)アフガンが世界ののけ者に戻れば、経済はたちまち支えを失うはずだ」と、英調査会社キャピタル・エコノミクスのアジア担当エコノミストのガレス・レザー氏は説明する。「GDPが大幅に縮小し、社会・経済開発が後退するのは必至だとみられる」

アフガニスタンへの開発援助の純額(出所)FT/世界銀行

米戦略国際問題研究所(CSIS)のアンソニー・H・コーデスマン氏は、国際社会からの支援が打ち切られると「近代化された経済とサービス業の雇用の大部分が失われる可能性がある」と話す。援助が止まった場合、アフガンは「合法」経済を維持できないと考えている。

国連の関係機関、国際貿易センター(ITC)によると、アフガンの合法的な物品輸出額は20年が10億ドル(約1100億円)ほどにすぎず、総人口がアフガンの4分の1にとどまる隣国タジキスタンを下回る。

アフガンからの正式な輸出の半分はブドウなどの生鮮フルーツだ。(GDPの分野別の内訳をみると)サービス業の拡大とともに農業の比重は低下している。

アフガニスタンのGDPに占める分野別の割合(出所)FT/国連貿易開発会議(UNCTAD)

エコノミストのレザー氏は「アフガンの最大の産品の一つは(麻薬の原料になる)違法なケシで、政府集計にはのらない」ため、公式統計はあてにできないと指摘する。

非公式セクターはアフガン経済全体の80%を占める。政府のGDP推計はそれほど有用でないというのが専門家たちの見方だ。

健康、教育などの指標、軒並み向上

経済全体をみれば、むらがあるとはいえ、多くのアフガン国民の日常生活は著しく向上した。健康分野と教育が充実し、(乳幼児)死亡率は下がった。テクノロジーは普及した。
アフガニスタンの合計特殊出生率(出所)FT/世界銀行

世銀によると、5歳未満の乳幼児死亡率は19年、1000人あたり約60人で、21世紀初頭から半減した。ほかの低所得国と比べても、減少ペースが最も速い。

この間に低体重児の割合は半分以下となり、妊産婦の死亡率も低下した。

健康分野も多くの指標で向上し、国民のほぼ半数が衛生施設を利用できるようになった。(利用率は)2000年代初めの25%から大幅に高まった。

健康に関するアフガニスタンの指標(出所)FT/世界銀行

その結果、アフガン人は20年前と比べて、ほぼ10年も長生きできるようになった。

教育も著しく向上した。就学児童の数は01年と比べて約820万人増え、中等教育の就学率は01年の12%から18年の55%に急上昇した。

アフガニスタンの中等学校進学率(出所)FT/世界銀行

「中身のある教育を受ける子どもが大きく増えた」と、CSISのコーデスマン氏は話す。

それでも情報は限られており、データが「推定」にとどまる場合もあると、同氏は強調する。

アフガニスタンの100人あたり携帯電話契約者数(出所)FT/世界銀行

女性に大きな恩恵

様々な指標が女性の生活が向上した事実を示している。女性の就学率が跳ね上がったが、10代で妊娠する女性の割合は急降下した。社会で働く女性が大きく増えた。

アフガニスタンの女性の初等教育就学率(出所)FT/世界銀行

「過去20年にわたり女性の教育が大幅に改善された」と、米シンクタンクの世界開発センター(CGD)で教育政策部長を共同で務めるスザンナ・ヘアーズ氏は話す。だが「いまは急激な逆戻りのリスクが高まっている。アフガンではたくさんの女子児童・生徒が学校から締め出されることになるだろう」と、同氏は暗い見通しを示す。

アフガニスタンで、10代後半の女性1000人のうち出産する人の数(出所)FT/世界銀行
女性の労働参加も目立つようになった。20年の時点でアフガンの公務員の約5人に1人、国会議員の4人に1人が女性だ。いずれも01年にはゼロだった。

それでもアフガン経済は世界でもっとも脆弱な状態にある。タリバンが取り組むのは、こうした経済の立て直しだ。アフガンほど企業活動に適さず、腐敗にまみれた国は珍しい。
12年以降に順位を11上げたとはいえ、国際非政府組織(NGO)のトランスペアレンシー・インターナショナルがまとめた20年の腐敗認識指数で、アフガンは180カ国中の165位だった。

世銀は「治安の悪さ、政情不安、社会機構の弱さ、インフラの不備、汚職の広がり、困難なビジネス環境で、民間部門の成長と多角化が阻害されている」と指摘する。世銀のビジネス環境ランキングでアフガンは20年、190カ国の中で173位だった。

アフガニスタンの主な社会・経済指標(出所)FT/レガタム繁栄指数

平均余命はいまでも世界平均を8年、南アジア平均を5年、それぞれ下回る。

生活水準は南アジア諸国で最も低い。半数を超えるアフガン国民が貧困ラインを下回る生活を強いられている。健康、個人の自由、生活状況、政府機関の信頼、安全、治安の各指標で、アフガンは足元でも世界で最も低い水準にとどまっている。

そのうえ、過去20年間の進展が覆されれば、一般市民の生活にかなり大きな打撃を与えることになると、元アフガン中銀総裁のアフマディ氏は主張する。

「アフガンでは一人ひとりが携帯電話を持ち、それが多くの人にとってライフライン(生命維持のための装置)になっている」と同氏は指摘した。「(過去20年間の)大きな経済の進展の後で(状況が悪化することになれば)大半のアフガン市民はショックを受けるはずだ」

By Valentina Romei

(2021年8月22日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2021. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

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トヨタ、次期仮想人体モデルを自動運転対応へ

トヨタ、次期仮想人体モデルを自動運転対応へ 22年中投入
窪野 薫 日経クロステック
2021.08.24
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01537/00176/

 ※ こういうものを開発、データ収集・製品に反映…、ができなければ、そのメーカーの「自動車」は、骨折・負傷しまくりの「危険極まりないもの」となる…。

 ※ さらには、「死亡事故」頻発の剣吞なもの(走る”棺桶”)となる…。

 ※ 章夫さんが、「アップルカー」みたいな発想に対して、「”覚悟”を持って、開発して欲しい。」旨の発言をしたのは、そういう意味だろう…。

 ※ この記事の話しは、シミュレーション用の「バーチャル・モデル」だ…。
  何回実験しても、「壊れること」は、無い…(コンピューター上で、シミュレーションする)。

 ※ リアルの「ダミー人形」の方は、1体5億円くらいした…、と聞いたことがある…。
 ※ それだと、データ取る毎に「実車」を1台オシャカにするわけだから、その度に「販売価格300~500万円」の実車の価格が、積み上がって行く…。

 ※ 車の開発費については、諸説が言われているが、一説には一車種あたり、平均300億円~400億円とも言われている…。

 ※ まあ、ムリも無い話しだ…。

 ※ それで、「欠陥車」とか、「リコール頻発」とかになったら、「目も当てられない」ことになる…。

『トヨタ自動車は、車両の衝突シミュレーションなどに使う仮想人体モデル「THUMS(サムス)」の次期型で自動運転対応を強化する。日経クロステックの調べで分かった。座席の背もたれを一定の角度まで倒したり、座席自体を前後回転させたりした状態を想定。これら姿勢時の事故における乗員の動きやケガの程度を予測できる新モデルを現行型に追加して、自動運転車の開発で使えるようにする。2022年中に投入する可能性が高い。

トヨタ自動車は仮想人体モデル「THUMS(サムス)」の自動運転対応を強化
(出所:トヨタ自動車の資料を基に日経クロステックが「Version 7」について加筆)
[画像のクリックで拡大表示]
THUMSでのシミュレーション例
(出所:トヨタ自動車)
[画像のクリックで拡大表示]

 THUMSは、トヨタと豊田中央研究所(愛知県長久手市)が2000年に共同開発した当時「世界初」(トヨタ)の仮想人体モデルで、人間のコンピューター断層撮影装置(CT)スキャン画像を基に生成している。自動車業界で広く普及する衝撃・構造解析ソフトウエア「LS-DYNA」上で使用可能。繰り返しの衝突試験に耐えられる頑丈なダミー人形に対して、仮想人体モデルは実際の人間に近い脆弱な特性を設定できる点が強みだ。』

『2000年に投入したTHUMSの「Version 1」は骨折までしか予測できなかったが、世代を追うごとに対象部位を増やしながら解析の信頼性を高めてきた。現行型の「Version 6」では、筋肉や内臓の精密なモデル化によって、死亡に直結するような脳傷害や内臓損傷などを高精度で予測できるという。

 現行型までのTHUMSは、性別や年齢、体形といったモデルの身体特性は選択できるものの、運転中のモデルについては座席でステアリングホイールを握るという通常の姿勢を基本としている。昨今の自動運転水準の向上を受けて車内空間で様々な姿勢で乗車できることへの期待が高まっていることから、トヨタは「Version 7」に相当する次期型で姿勢の選択肢を増やす必要があると判断した。

 乗車中の姿勢が変われば、シートベルトやエアバッグといった安全装備の乗員保護性能も変わる可能性がある。例えば、自動運転中に座席の背もたれを大きく倒して読書をしていたとき、急減速した先行車に衝突したとする。その際、乗員がどの方向に動くかによってシートベルトやエアバッグの性能が変わってくる。

 トヨタが22年中の投入を見込む次期型のTHUMSは、こうした従来の延長線上では通用しない車両や部品の開発を支援するとともに、調査検討に必要な工数を減らす効果も期待できる。

 同社は21年1月、従来ライセンス販売としてきたTHUMSの無償公開を開始。同分野を協調領域と位置付けて、利用者の増加によるデータやノウハウの効率的な収集を狙う。トヨタはこれらを生かして、次期型以降のTHUMSの開発スピードを速めたい考えだ。

 無償公開の効果は既に出ている。19年4月時点で約100社だった利用企業や研究機関が無償公開によって5倍以上に急増した。特に中国の自動車関連メーカーや大学などの利用者が増加してきたという。トヨタとしても世界最大の自動車市場といえる中国で、THUMSがどのように使われるかは興味深いはずである。』

〔マイケル・シャーマー〕

マイケル・シャーマー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%BC

『マイケル・ブラント・シャーマー(英: Michael Brant Shermer、1954年9月8日 – )は、アメリカ合衆国のサイエンスライター、科学史家。The Skeptics Society(懐疑派協会)の創設者であり、雑誌 Skeptic(疑似科学と超常現象を科学的に調査・追究することで知られる雑誌)の編集長である[1]。The Skeptics Society は55,000人以上の会員を有する[2]。

2004年4月から、サイエンティフィック・アメリカン誌に懐疑主義のコラムを連載している。以前はキリスト教根本主義者だったが、現在は自身を不可知論者で[3] 無神論者で[4][5]、ヒューマニズムの信奉者だとしている[6]。

シャーマーはまた、自身をリバタリアンだとしている[7]。 』

「ワクチンは殺人兵器」というデマを信じる人が大量発生するのは、人類の残念な宿命である

「ワクチンは殺人兵器」というデマを信じる人が大量発生するのは、人類の残念な宿命である
https://news.yahoo.co.jp/articles/d14379966cf169470b5a8e6be5e348cea1663884?page=2

『■デマを拡散する「ワクチン陰謀論者」

 諸外国に比べて遅れていたが、日本の新型コロナウイルスのワクチン接種も少しずつ軌道に乗ってきている。菅義偉首相は「1日100万回接種」を目標に掲げて、自衛隊運営の大規模接種センターや職域接種などの実施もあり、8月9日時点で接種回数は1億回を超えた。

【この記事の画像を見る】

 ところが、この新型コロナワクチンをめぐる不穏な動きが世の中では散見される。それがワクチン陰謀論である。

 ワクチンを打つと5Gに接続できるという程度のデマならばネガティブな影響は少ないかもしれないが、ワクチンが人口削減のため生物兵器だとする陰謀論や、ワクチンがヒトDNAを改変するといったデマまで広まっている。

 この新型コロナ騒動全体についていえるように、ウィルスによる健康被害や死亡率、あるいは治療や予防に関するデマが拡散され、多くの人々の恐怖心を煽ったのと同じように、ワクチン陰謀論も今後の感染症対策にネガティブな影響を及ぼしかねない。

 それでは、なぜ人々はこうした陰謀論にはまってしまうのだろうか。そのカギを解くカギが、進化論や科学史の研究者マイケル・シャーマーが論じる、パターン性(patternicity)と、その一種のエージェント性(agenticity)である。

■トランプを「光の戦士」だと信じた支持者たち

 実は陰謀論を信じたいと思う人間の本性は、そのほかのオカルトや幻想にしばしば魅了される我々のホモサピエンスとして備えた心の仕組みと共通している。今年の初頭に流行った陰謀論はトランプ陰謀論であり、これによって情緒的保守が既に選挙で負けているトランプ大統領がなぜかまだ負けていないと主張し続けた。

 彼らは、トランプ元大統領はまだアメリカ大統領選で負けておらず、いつか表舞台に舞い戻ってくる「光の戦士」だと思っていたのである。あるいは、共産主義国は地上の楽園で、そこに行けば資本主義世界のなかにみられる、様々な苦しみから逃れられると思っていた者もいる。

 拉致被害者なんていないと信じられていた頃、日本でも、そうした人物は北朝鮮に自分から渡っていったが、その圧政に気づいたときには、時すでにおそしであった。

 「Xファイル」の主人公フォックス・モルダーのようにUFOの存在を信じたい人もいる。医療行為でいえば、癌が治せると信じて高額のお金をオカルト療法に投じる人もいる。しかしいったいなぜ、我々はこうした非科学的な信念体系を信じてしまうのだろうか。そこには何か科学的な理由やメカニズムがあるのだろうか。

■陰謀論的な発想を生み出す「2つのパターン性」

 それは、我々の脳の中には非科学的な発想を無意識のうちに信じてしまう仕組みがあるからである。本質的に私たちはパターンを探す動物である。我々は脳のなかで自動的に、AとB、BとCをつなげて考えるのであり、こうした仕組みは関連付け学習(association learning)と呼ばれるものである。

 つまり、私たちは自動的に物事のなかにパターンや関係を見いだすのであり、こうした迷信を信じてしまう背後にある一つの原理をパターン性(patternicity)という。パターン性とは、意味のあるなしにかかわらず、与えられた情報から何らかのパターンを見つけだそうとする傾向のことを指す。

 「パターン性」がはたらくときに2種類の間違いが想定される。一つ目のミスは偽陽性(ここではタイプIエラーと呼ぶ)である。これは、パターンが存在しないのに存在すると信じこむ事である。もう一つのミスは偽陰性(ここではタイプIIエラーと呼ぶ)である。こちらは、パターンが存在するのに存在しないと信じこむことを指す。

 ここで以下のシナリオを考えてみよう。あなたは狩猟採集時代の原始人で、100万年前のアフリカのサバンナを歩いているとする。そこで、目の間の草むらの中でガサガサという音が急に聞こえる。あなたはそこで瞬間的に考える。

 草むらのなかにいるのは、危険な肉食動物だろうか。あるいはただ単に風が吹いただけだろか。言うまでもなく、これらのいずれかを判断して、逃げるかとどまるかを決めることは、狩猟採集時代のサバンナで暮らすあなたの人生にとって決定的に重要な決断である。』

『■どちらのパターンを選択するべきか

 草むらの音が肉食動物だと考えて、実際はただの風だったら、あなたの予想は間違っており、タイプIエラー(偽陽性)になる。このとき、あなたは殺されることなく、ただ単に逃げることのコストがかかるだけである。換言すれば、あなたは単に慎重で用心深いだけだったということである。

 しかし、その逆のシナリオを考えてみよう。つまり、もしあなたは目の前の草むらから聞こえたガサガサという音を、単に風が吹いて草むらが揺れたことで発せられた音だと判断したが、実際には、実はその草むらに危険な肉食動物がいた場合はどうだろうか。

 こちらはタイプIIエラー(偽陰性)のシナリオであるが、言うまでもなく、この時、あなたはライオンの餌食にされるだろう。端的にいって、あなたはダーウィン的な自然淘汰の原理によって抹消されることになる。

 もしそうであれば、狩猟採集時代において、ヒトの脳はサバンナで歩いていて草むらがガサガサゆれたとき、いかなる形で判断するのが、生き残るうえで合理的であっただろうか。

■自然淘汰によって獲得されたパターン化思考

 それは10回中9回が単なる風の音だったとしても、毎回ライオンがいると疑って、毎回走って逃げた方がサバイバルのために有利だっただろう。さらにいえば、そうした判断はいちいち意識的・理性的にどうしようと悩んでいたら、時間がかかってしまい、そんなことを考えているうちにライオンに食べられてしまう。

 そこで、自然淘汰は我々の脳に、草むらのガサガサという音を聞くと自動的に、ライオンが隠れているという最悪の状況をパターン化して想起させるような仕組みを与えた。これがパターン性と呼ばれる脳のしくみである。

 このパターン性はもちろん、狩猟採集時代における草むらの音のみに反応するものではない。すなわち、パターン性があるため、ヒトはしばしば宗教、イデオロギー、陰謀論といった論理性や合理性を欠く言説のなかに何か意味があると考えてしまい、しばしばそれらに夢中になる。

 つまるところ、パターン性という脳のしくみが、我々が非科学的な言説に対して意図も簡単に騙されてしまうことの一つの理由なのである。

 このパターン性と関連する重要なバイアス――正確にはその一種――がある。それがエージェント性である。』

『■ただの出来事に何者かの意図を感じてしまう「エージェント性」

 もう一度、あなたは狩猟採集時代における原始人で、目の前の草むらがガサガサゆれたというシナリオを考えてみよう。

 あなたは狩猟採集時代の原始人で、100万年前のアフリカのサバンナを歩いているとする。そこで、目の間の草むらの中でガサガサという音が急に聞こえる。あなたはそこで瞬間的に考える。

 草むらのなかにいるのは、危険な肉食動物だろうか。あるいはただ単に風が吹いただけだろうか。このとき、草むらの音が肉食動物だと考えて、実際はただの風だったら、あなたの予想は間違っていてタイプIエラー(偽陽性)であった。

 もしそうであれば、あなたは殺されることなく、ただ単に逃げることのコストがかかるだけである。そして逆に、あなたは目の前の草むらから聞こえたガサガサという音を、単に風が吹いて草むらが揺れたことで発せられた音だと判断したが、実際には、その草むらに危険な肉食動物がいた場合は、タイプIIエラー(偽陰性)のシナリオであった。

 この時は言うまでもなく、さらには間違いなくあなたはライオンの餌食になる。実はこうしたシナリオを考えるとき、脳では草むらの音とライオンの存在の関係性についてのパターン性のみならず、もう一つのことに無意識のうちに注意を払うようになっている。それが、エージェント性である。

 エージェント性とは、目の前で起きていることが、意図をもった生き物によって引き起こされていると思いこむようなバイアスのことを指す。すなわち、我々は、特に意味のないランダムな現象にたいして、意図があると思い込んでしまうような認知の歪みを有しているのである。

■エージェント性の典型例である「知性ある宇宙人」

 エージェント性は広義にはパターン性から派生するバイアスともいえるが、ここで重要なことは、人間には、何かランダムな現象をみたとき、そこに意図を無理やり、自動的に見いだそうとする傾向があるということである。

 たとえば、このケースでいえば、風は生き物ではないが、ライオンという危険な捕食者は意図をもって動きまわる動物である。エージェント性とはパターンに意味や意図、主体性を持たせることを意味する。

 魂、幽霊、神、悪霊、天使、宇宙人、インテリジェント・デザイン、政府の陰謀、その他、我々の生活を支配していると信じられている様々な見えない存在に意図を見いだしてしまうバイアスが、エージェント性である。

 このエージェント性がアニミズムや宗教、その他様々な非合理的なイデオロギーの根源にある。宇宙人はなぜか人類よりも進んでいて高潔で、我々を救うために地球に来るという話や、人間は神が創造したものだという発想がこれらの典型例であろう。』

『■なぜ「誰かが背後で糸を引いている」と考えてしまうのか

 様々な陰謀論を引きおこすのは、このエージェント性やパターン性といった、進化政治学や進化心理学といった進化論が明らかにするヒューマンネイチャー(human nature)である。

 人間はしばしば、誰かが背後で糸を引いており、事件の真の原因は別のところにあると思ったり、本当はそのような意図を持ってなかったとしても、歴史上の指導者が何か悪意や善意を持っていたかのように思ったりしてしまう。

 ジョン・F・ケネディの暗殺は陰謀だったのか、それとも単なる単独犯の犯行だったのか。犯人は、マンホールに隠れており、直前に飛び出して狙撃したという話もある。ただし、リンカーンの暗殺は陰謀であったのであり、全てのパターンを一律に却下することもできない。

 真珠湾陰謀論については稿をかえて論じるが、ローズベルトの意図と帰結の判断についても歴史学の状況をしっかりとおさえて議論をする必要があろう。つまるところ、陰謀の中にはしばしば真実もあるのだが、エージェント性やパターン性に駆られた情緒的な議論は、しばしば主張が横滑りして事実が歪曲されたものに陥ってしまう。

■「ワクチンは殺人兵器」と語るインフルエンサーたち

 そして、冒頭で示唆したように、エージェント性やパターン性のため、我々は新型コロナワクチンの客観的リスクの評価に誤り、しばしばワクチン陰謀論におびえることになる。

 SNS上は、新型コロナワクチンを接種すると5Gに接続されるという説があたかも事実かのように議論され、新型コロナワクチン普及の背後には秘密結社があり、これが世界支配を目論見ていると疑ってかかるものもいる。

 インフルエンサーや政治家のなかには、「ワクチンは殺人兵器」「打つと5年以内に死ぬ」などと主張したり、SNS上でそもそもコロナは架空のもので、真犯人は別のところにあるなどと論じたりもする。』

『■人間に備わったバイアスを自覚することが重要

 こうした奇妙なワクチン陰謀論は、その原因(すなわちエージェント性やパターン性)を特定せず、社会で起きている表面の現象だけをみていると、どのように対処したらよいのかが分からないかもしれない。

 親や教師であれば、子供たちにどう説明したらよいのか分からず当惑していることだろう。みんながパニックに陥っているなら、本当にワクチン陰謀論は正しいのではないか、と錯覚してしまう危険もある。

 しかし、その背後にエージェント性やパターン性といったバイアスがあり、我々にはこうしたナンセンスなオカルト的言説に魅了されてしまう本性があるということがわかれば、こうした社会全体がこうした陰謀論に踊らされているからといって、この動向それ自体に必ずしも真理が含まれているわけではないと、自信をもって伝えることができるようになる。

 誤った言説に対する最高のアンチテーゼは学術的に正しい科学的な知見であり、この際は、エージェント性やパターン性といったバイアスが重要なのである。

 こうしたバイアスは真珠湾陰謀論、トランプ陰謀論、9.11同時多発テロ陰謀論(ブッシュ政権がテロの犯人)など、様々な陰謀論の背後にある究極的な原因であり、つまるところ、新型コロナのワクチン陰謀論はその一種に過ぎない。

 多くの人が進化の過程で人間に備わったパターン性やエージェント性といったバイアスを自覚し、ワクチン陰謀論の誘惑を克服して、科学的に妥当な医療行為を選択するようになることを祈ってやまない。


伊藤 隆太(いとう・りゅうた)
広島大学大学院 人間社会科学研究科助教
コンシリエンス学会学会長。博士(法学)。2009年に慶應義塾大学法学部政治学科卒業。同大学大学院法学研究科前期および後期博士課程修了。同大学大学院研究員および助教、日本国際問題研究所研究員を経て今に至る。政治学、国際関係論、進化学、歴史学、政治思想、哲学、社会科学方法論など学際的な研究に従事。主な著作は、『進化政治学と国際政治理論 人間の心と戦争をめぐる新たな分析アプローチ』(芙蓉書房出版、2020年)。』

【独自】尖閣情勢の緊迫化に対応

【独自】尖閣情勢の緊迫化に対応、海保が大型巡視船4隻新造へ…25年度までに81隻体制に
https://news.yahoo.co.jp/articles/6ad8d5ed6c610b3aa086f050adeb92609c9b1135

『 海上保安庁は大型巡視船の建造計画を増強し、来年度から新たに4隻の建造を始める方針を固めた。無人航空機による海上監視も開始する方針で、いずれも来年度予算の概算要求に関連費用を盛り込む。沖縄県の尖閣諸島など緊迫化する日本周辺海域の情勢を踏まえ、海保全体の体制強化を図る。

【写真】尖閣諸島警備へ長時間航行が可能な最大級巡視船…11月にも配備

 政府は2016年12月、尖閣情勢の緊迫化などを受けて海保の体制強化を決定し、現在は、69隻の大型巡視船(1000トン以上)を24年度までに77隻に増やす計画で進めている。今回、この計画に4隻を上積みし、25年度までに81隻とする。

 新造を予定するのは、総トン数3500トン級3隻と1000トン級1隻で、25年度までに完成させる。今年度の補正予算が編成されれば、前倒しして計上することも想定している。配備先は今後、正式決定する。

 また、三陸沖や能登半島沖などで昨年に飛行実験を行った無人航空機は、1機を導入し、運用する。地上から人工衛星を通じて操縦し、搭載カメラで海上を確認できる。外国漁船による違法操業が問題化する日本海の好漁場「大和(やまと)堆(たい)」などの監視や海難救助に投入される見通しだ。

 海保では、巡視船艇全382隻の4割近くが25~20年の耐用年数を超えており、砕氷能力を持つ大型巡視船「そうや」(1978年就役)など複数を造り替える。

 尖閣諸島では、中国海警船による接続水域の航行が常態化し、今年の航行日数は23日現在で217日となり、過去最多だった昨年を上回るペースとなっている。領海侵入も26件にのぼり、現場だけでなく、応援派遣などで海保全体の負担が増している。中国では今年2月、海警船の武器使用条件を定めた海警法も施行され、海保のさらなる体制強化が求められている。』

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【解説】 アフガン情勢はどうアジアを震撼させ、中国を勢いづかせたのか

【解説】 アフガン情勢はどうアジアを震撼させ、中国を勢いづかせたのか
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/24065

『テッサ・ウォン、ジャオイン・フェン(BBCニュース・シンガポール、米ワシントン)

世界中の多くの人がそうであるように、アジアの数百万人もの人々が、アフガニスタンから発信された絶望的な光景に衝撃を受けている。そして、「まだアメリカのことは信用できるのか」と疑問を口にする人もいる。

アフガンの首都カブールが武装勢力タリバンの手に落ちてからわずか1週間後の22日夜、カマラ・ハリス米副大統領はアジア歴訪の最初の訪問地シンガポールに降り立った。

それ以来、ハリス氏はアジア地域がアメリカにとって「最重要事項」だと述べ、タリバンがアフガンを掌握したことで生じた混乱を鎮めようとしている。

しかし、それだけで不安を抱えるアジアの人々を安心させられるのだろうか。そして、反米プロパガンダを展開する「絶好の機会」に乗じようとする中国をかわせるのだろうか。
不安の声

シンガポールのリー・シェンロン首相は23日、アジアの多くの人が、アフガンがタリバンに掌握された中でアメリカがどのように態勢を立て直すのか注視していると警告した。

アメリカのアジア最大の同盟国である韓国と日本では、アメリカに対する国民の信頼度はおおむね影響は受けていない。しかし一部からは不安の声が上がっている。

韓国の保守派の中には、戦時に後ろ盾になってくれるというアメリカの約束を完全には信用できないとして、自国の軍事力強化を求める声もある。

アメリカは現在、日本と韓国に数万の部隊を駐留させているが、「アメリカ第一主義」を掲げたドナルド・トランプ前大統領の外交政策では両国との関係はぎくしゃくしていた。
ジョー・バイデン米大統領は先週の米ABCニュースのインタビューで、アフガニスタンと、韓国や日本、台湾などの同盟国との間には「根本的な違い」があると強調。「比較すらできない」と述べた。

専門家もバイデン氏と同意見だ。アフガンは、独自の充実した軍事資源や健全な政府を持つ、より発展したアジアのほかの国とは違うと、専門家は指摘する。そうした国々はアジアの民主主義国家として、アメリカと同様の価値観を共有し、重要な貿易・軍事パートナーとなっているとする。

また、韓国のような場所はアメリカのアジアにおける軍事戦略の基盤となっていることから、アメリカがすぐに軍を撤退させることはないだろうとの観測もある。

「アメリカは破壊をもたらす」

しかし不確実性が渦巻く中、中国は徐々に自らの論調を強めている。

中国の王毅外相は先週、米軍の「性急な」アフガン撤退が「深刻な悪影響」をもたらしたと述べた。一方で、一部のタカ派の政界有力者や国営メディアは、さらに踏み込んだ発言をしている。

中国外務省の趙麗健報道官は、繰り返し1975年の「サイゴン陥落」と比較。同省の華春瑩報道官は、「アメリカが足を踏み入れた場所はどこもかしこも(中略)混乱や分断が生じ、家族が崩壊し、死者が出る。そしてアメリカが放置した混乱の中に傷跡が残る」とし、アメリカは「破壊をもたらす」と述べた。

国家主義的な中国国営紙グローバル・タイムズ(環球時報)は、台湾に対し、「反中国大陸をうたうアメリカの戦車と同調する」のをやめるよう求める社説を掲載。アメリカは台湾をめぐり、高い犠牲を払うような戦争を中国とはしないだろうと主張した。

同紙編集長も、「アフガン政権が崩壊し、台湾当局は震えあがっているはずだ。アメリカが守ってくれると期待してはいけない。台湾当局はつべこべ言わずに五星紅旗(中国国旗)を中国大陸から通販で取り寄せる必要がある。いつかPLA(中国人民解放軍)に降伏するときに役立つだろう」とツイートした。

アメリカから武器を購入している台湾は自らを独立した国家だとみなしている。しかし中国側は、台湾は武力を使ってでも取り戻さなければならない、反乱を起こした省だとしている。

台湾はここ数日、中国をタリバンになぞらえて繰り返し反撃している。蘇貞昌・行政院長(首相)は先週、台湾を侵略しようとする「外国勢力」は「思い違いをしている」と述べた。

呉釗燮(ジョセフ・ウー)外交部長は、「台湾の人々の願いと最善の利益を支持してくださりありがとう。この願いと最善の利益とは民主主義、そして共産主義や権威主義、人道に対する罪からの解放だ。中国はタリバンのまねごとを夢みているが、率直に言って、我々には自衛する意志と手段がある」とツイートした。

バイデン米大統領はABCのインタビューで、台湾を韓国や日本と混同しているような発言をしていた。ほかの国とは異なり、台湾はアメリカと正式な防衛条約は結んでおらず、暗黙の安全保障しかない。

(※ ただし、この点については、当該インタビューの配信は、「録画」されたものであり、もし米当局が「訂正するつもり、修正するつもり」があったなら、容易にそうすることが可能だったハズだ…、という見解を言っている人がいた…)

米政府関係者はその後、台湾政策における「戦略的あいまいさ」に変わりはないとしたが、この出来事は中国国営メディアにさらなる反発のネタを与えることとなった。

アフガン撤退は言い換えれば、中国にとって、アメリカは信用できないとアジアの人々を説得するための絶好の機会になっていると、専門家は指摘する。

シンガポール国立大学の政治学准教授イアン・チョン氏は、中国の「プロパガンダにおいて肝心なのは、アメリカと密接な協力関係にある各国政府に対する国民による圧力を高め、その関係を弱体化させることだ」と述べた。

慎重に対応する中国

ただ、アフガン情勢は中国にとって完全な棚ぼたとはいえない。

ジャーマン・マーシャル財団のアジア専門家ボニー・グレイザー氏は、中国政府が最近のアフガン情勢の変化について、利益よりもリスクが大きいとみていると考えている。

「中国は情勢が不安定になる可能性や、アフガンが過激派やテロリストの温床であり続けることを非常に心配している」

実際に中国は先月、タリバン幹部を同国に招いて会談を行い、アフガンへの経済支援を提案した一方で、アフガンをテロリストの拠点にしてはならないと強調した。中国は、同国の複数企業がアフガンでの数百万ドル規模の石油や銅の採掘契約を獲得していることから、アフガンに投資を行っている。

しかし国内的には、タリバンに強い嫌悪感を抱く一部の中国国民に、この慎重な同盟関係を納得させるのに苦戦している。

タリバンが先週にアフガンの権力を奪還すると、中国外務省の華春瑩報道官は、中国として「アフガンの人々の選択」を尊重すると述べた。この発言はすぐに中国のソーシャルメディア上で反発を招き、問題をごまかしていると非難された。

中国では女性の権利に関する意識が高まっており、インターネット上ではタリバンのアフガン女性に対する扱いを批判する声が多く上がっている。

また、中国政府は過激派対策の名の下に、自国の少数派イスラム教徒を残忍に取り締まる一方で、今や国境を接するアフガンのイスラム過激派グループに対処しなければならないという事実も関係がある。

ウイグル族に対する弾圧で、「中国中央政府は国民に宗教団体への警戒心を抱かせている。そのため、今回のタリバンとの関係は(これまでの政策と)矛盾していて問題になるかもしれない」と、シンガポール国立大学のチョン准教授は指摘した。

「中国のいまの動きは、戦術的な優位性を得るためのものだ。しかしそれが(どのような利益に)結びつくのかははっきりわからない。現時点では、アフガンがどこに向かっているのかさえわからない」

全世界がアメリカを注視

ジャーマン・マーシャル財団のグレイザー氏と同様に、アフガン撤退は「アメリカのリーダーシップの死を告げる鐘」になるのではないとみる人もいる。そうした人たちは、米政府がこの地域と、中国との競争にさらに注意を払うようになると、アメリカの同盟国は安心するだろうと考えている。

ハリス米副大統領は24日のシンガポールでの演説で、アメリカはアジアに対して誠実に対応するというビジョンを強調した。

ハリス氏は「我々がこの地域の永続的な利益のために永続的にコミットメントするのに疑いの余地はない。(中略)これらのコミットメントには安全保障も含まれる」と述べ、アメリカは関係強化のために「時間とエネルギーを投入する」と約束した。

シンクタンク「国際戦略研究所アジア事務所」(II-SS Asia)のジェイムズ・クラブツリー所長は、ここ数カ月の間に、ハリス氏をはじめとしたアメリカの高官がアジアを訪問していると指摘した。

「アメリカの高官たちは、『我々の存在を忘れている』という(アジアからの)当初の批判に答えるかたちで、アジアに姿を見せている」

「パートナーシップに関する話し合いが実際に何になるのか、というのが次の新たな疑問だ」

アメリカは約束以上のものを提供する必要があると考える人もいる。チョン准教授は、アメリカのコミットメントに対する超党派のサポートを得ることや、海洋法に関する国連条約の批准、ドナルド・トランプ前政権下でアメリカが離脱した環太平洋パートナーシップ貿易協定(TPP)への復帰などが挙げられるという。

II-SS Asiaのクラブツリー所長は、「アメリカがアジアで何をしようとしているのか、人々はこれからもっと注視するようになるだろう。アフガン情勢をきっかけに、アメリカは信用できない存在だということを示す何かを探すようになったので」

アメリカは自分たちのコミットメントに疑問を持つ人々をより警戒し、そうではないことを証明したいと考えるかもしれない。

(英語記事 How Afghanistan rattled Asia and emboldened China)

提供元:https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-58317758 』

中国の移植用臓器、出所は「ウイグル族の囚人」か

中国の移植用臓器、出所は「ウイグル族の囚人」か 欧米で相次ぐ指摘
https://www.sankei.com/article/20210819-RV72XSP6QJP2DHA2FVQI2RT5J4/

『拘束されたウイグル族やチベット族の臓器が強制的に摘出されている-。国連人権理事会の特別報告者が6月、同意もなく臓器を移植用に取り出す「臓器狩り」が、中国で少数民族の囚人らを対象に続いていると懸念を表明した。国際的な調査の受け入れを求めているが、中国政府は拒否。この疑惑は以前から指摘され、大きな進展を見せていないが、今年に入り米議員が上下院に中国を念頭にした「臓器狩り禁止法案」を提出。近年強まるウイグル族への人権弾圧批判の影響もあり、再び注目されつつある。

標的は良心の囚人?
「中国の臓器摘出への疑いに警鐘を鳴らす」
(※ 無料は、ここまで。)』

WHO「対中迎合」の内情

WHO「対中迎合」の内情 SARS後の浸透工作が奏功か
https://www.epochtimes.jp/p/2021/08/77824.html

『米紙ワシントン・ポスト19日付は、新書『余震:パンデミック政治と旧国際秩序の終焉』を紹介する記事を掲載した。同書は世界保健機関WHO)が北京の圧力に屈して、ウイルスの研究所流出説を排除したことの内部情報を明らかにした。

同書は、米シンクタンク「ブルッキングス研究所」の研究員であるトーマス・ライト(Thomas Wright)氏と、バイデン政権で国防省の政策担当次官を務めているコリン・カール(Colin Kahl)氏の共著である。

同書によると、WHOの首脳陣は、2月武漢研究所を調査したWHOのチームが実験室からの漏洩を完全に否定したという結論に驚いたという。 WHOの上級専門家も驚きを隠せなかった。匿名を希望するある専門家は、同書の著者に「椅子から転げ落ちそうなほどの衝撃を受けた」と語った。

同書は、武漢入りして調査を行った国際専門家チームは、中国政府の圧力に屈し、十分な調査を行うことなく研究所流出説を排除した、と指摘した。

最近公開されたドキュメンタリーの中で、調査団の中心メンバーである感染症専門家のピーター・ベンエンバレク氏は、中国政府が調査団に対し「この仮説(武漢ウイルス研究所流出説)を支持するための具体的な調査は行わない」という条件で、武漢での実地調査を許可したと述べた。

調査団が出した結論を世界中の科学者が批判した。WHOテドロス事務局長もそれまでの中国寄りの姿勢を一転させた。同氏は7月16日、中国政府がウイルス発生源に関する第1次の調査に必要な生データを共有していないことを非難し、第2次の調査を行うことを提案した。そして、協力的で、透明性のある連携を中国政府に求めた。

その後、WHOと中国当局の関係は急激に悪化した。中国の衛生当局は7月22日、WHOが計画している第2次調査への協力要請を拒否した。

中共はいかにWHOに浸透したか SARSがきっかけ

中共ウイルス(新型コロナ)感染症が発生した当初、テドロス事務局長をはじめとするWHOは、その露骨な中国共産党(以下、中共)政権寄りの言動で批判を浴びていた。WHOを取り込めた中共が、同機構に浸透工作を仕掛けるきっかけとなったのは、SARS(重症急性呼吸器症候群)の発生だった。

2003年に中国でSARSが発生した際、WHOが中共の隠蔽体質を積極的に追及したため、中国当局は対応に苦慮した。

米週刊誌「TIME(タイム)」の独占報道によると、同年4月15日にWHOの専門家が北京に到着したとき、中国当局は実際の感染者数を隠蔽するために患者の移動や隠蔽を急いだという。

WHO専門家チームが北京の人民解放軍309病院に到着する数時間前、同病院のSARS患者40人以上はホテルに移されていた。また、中日友好病院ではWHO専門家が到着する前に、31人のSARS患者が急遽、数台の救急車に乗せられ院外に連れて行かれた。

WHOの追及に苦しめられた中共はその後、WHOへの影響力を強めるための工作を始めた。当時の胡温政権は、2006年のWHO事務局長選挙で香港出身の医師マーガレット・チャン(陳馮富珍)氏の当選を支持するよう、経済協力と引き換えに32カ国から選ばれたWHO執行理事に働きかけた。

2012年には、チャン氏の2期目当選を果たすために、中共が票の買収工作を行ったとの報道が多く出た。同年6月、チャン氏は習近平国家主席の彭麗媛夫人をWHOの結核・エイズ対策親善大使に任命した。

その後、WHOは票の買収疑惑に関する報道を受けて、無記名投票に切り替えた。2017年7月、テドロス氏がチェン氏の後任としてWHO事務局長に選出された。就任直後の8月、テドロス氏は北京を訪問し、中国政府から2000万ドルの追加拠出を受け取った。同氏の母国であるエチオピアは、中国政府が推進する広域経済圏構想「一帯一路」の最も重要な参加国の一つであり、「東アフリカのリトルチャイナ」と呼ばれている。

SARSが香港で流行したとき、当時の香港衛生署長だったマーガレット・チャン氏は、「国家機密」を理由に、意図的な隠蔽と不作為を行ったと批判された。テドロス氏は2006〜11年まで、母国エチオピアの保健大臣を務めていた際、何度もコレラの発生を隠蔽し、必要な措置を遅らせていたと非難されている。

2020年1月23日、中国当局は感染拡大した武漢市の封鎖を指示した。武漢への国内線の交通を遮断したが、国際線の乗り入れは自由にした。それから1カ月半の3月11日、WHOがようやくこの感染症を「パンデミック(世界的大流行)」と認めた。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は昨年4月5日付の社説で、テドロス事務局長はパンデミック宣言や渡航規制を早期に導入しなかったため、感染拡大の責任を負わなければならないと非難した。

(翻訳編集・王君宜)』

在ベトナム米外交官に「健康異変」

在ベトナム米外交官に「健康異変」 副大統領到着遅れる
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB251DZ0V20C21A8000000/

『【ワシントン=時事】米政府は24日、東南アジア歴訪中のハリス副大統領のベトナム入りが「健康関連の異変」によって遅れたことを明らかにした。ハノイ駐在の外交官に何らかの健康被害が生じたもよう。ハリス氏ら訪問団に問題はなく、予定より約3時間遅れてベトナムに到着した。

米国務省の声明によると「ハノイでの健康関連の異変の可能性に関する報告」を受け、ハリス氏は訪問を終えたシンガポールからベトナムへの移動を遅らせたが、最終的に日程続行を決めたという。これに関連して米NBCニュースは、ハノイ駐在の米外交官少なくとも2人が、先週末に「聴覚の異変」を訴え、近く出国すると報じた。

「健康関連の異変」は、2016年ごろからハバナにある駐キューバ米大使館員らに原因不明の健康被害が相次いだ際、国務省が用いた表現。米メディアは「ハリス副大統領のベトナム訪問、『ハバナ症候群』懸念で遅れる」(ニューヨーク・タイムズ紙)などと報じている。

ハバナの米大使館員らはめまいや吐き気、片頭痛などの症状を呈した。中国・広州市の米総領事館でも、18年に同様の被害が発生した。マイクロ波など電磁波兵器が用いられたとの見方もある。』

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タリバンが米兵器入手 軍事力増強、アルカイダに流出も

タリバンが米兵器入手 軍事力増強、アルカイダに流出も
強硬な新政権、樹立へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR210H80R20C21A8000000/

『【久門武史、ニューデリー=馬場燃】アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンが、米国が政府軍に提供してきた兵器を手に入れて軍事力を増強するとの懸念が出ている。ドローン(小型無人機)や大量の弾薬を含み、タリバンとつながりの深い国際テロ組織アルカイダの手に渡る恐れもある。タリバンは軍事力増強を背景に強硬な新政権の樹立に動きだした。

「全体像は不明だが、明らかにかなりの量がタリバンの手に落ちた」。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は17日、タリバンがアフガン軍から大量の米国製武器を奪ったと認め「彼らが返還するとも思えない」と語った。

流出した兵器の中には無人偵察機「スキャンイーグル」や多目的ヘリコプター「ブラックホーク」が含まれると報じられた。米共和党の上院議員25人は18日、オースティン国防長官への書簡で「ハイテク装備がタリバンとその仲間の手に渡ったことは受け入れがたい」と非難した。タリバンからさらに中国やロシアに流出すれば、米国の安全保障にとっても痛手となりかねない。

カブールの空港周辺で警戒に当たるタリバン戦闘員(16日)=ロイター

地上戦能力の向上に直結する武器も大量に流出した。米メディアによると、米国はアフガン軍にライフル銃など軽火器60万丁、車両7万6千台、暗視ゴーグル1万6千個などを提供してきた。タリバンの機動力や夜戦能力が高まるのは確実だ。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、米国が大量の弾薬や対戦車ミサイルなども供給してきたとし、過去20年で800億ドル(約8.8兆円)以上をアフガン政府軍のために費やしたと伝えた。米軍は現在、アフガン在留の米国市民らの退避に力を注いでおり、失われた兵器の回収に充てる余力はない。

タリバンがアフガンを掌握したことで、テロ活動で連携するアルカイダが勢いづくとの懸念は強い。同国が過激派の戦闘員獲得や訓練拠点になりかねない、とみる向きもある。クラッパー元米国家情報長官は米CNNに、アルカイダの多くの戦闘員がアフガンに戻るのは「時間の問題だ」と述べ、組織の再建を進めるとの見方を示す。

AFP通信は23日、カナダのトルドー首相が「タリバンはテロリストだ。だから制裁を議論するのだ」と報道陣に語ったとしている。タリバンの新政権が国際社会から承認されるかは不透明だが、軍事力増強を背景に強硬な新政権樹立に本腰を入れる。

元政府幹部らとの交渉に臨むタリバン幹部ら(19日、アブドラ元国家和解高等評議会議長のフェイスブックより)=ロイター

タリバンの広報担当者によると、旧政権でアフガニスタン中央銀行の総裁だったアフマディ氏を更迭し、タリバン指導者であるイドリス氏を総裁代行に起用した。ロイター通信によると、同氏はアフガン北部出身で、2代目の最高指導者だったマンスール師のもとで長く財務を担当したとしている。金融に関する高度な教育を受けた経験はないという。

ガニ旧政権でナンバー2だったアブドラ氏は21日、「カルザイ氏と一緒にタリバンと会談した。市民の安全や資産について議論した」とツイッターに投稿した。アフガンメディアは22日、「新政権の陣容を近く発表できるかもしれない」とのタリバン報道担当者のコメントを紹介している。

旧政権で大統領を12年務めたカルザイ氏やタリバンとの和平協議を担ったアブドラ氏は国民に広く知られている。両氏は今春以降、海外での和平協議でもタリバンと対話を重ねてきた。

旧政権関係者は「両氏はいまやタリバンの完全な操り人形だ。タリバンは知名度の高い一部の人物を登用して融和を訴えるだろうが、実態は恐怖政治を再び進めるだけだ」とみている。

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アフガン事業の支出停止 世銀「影響を深く懸念」

アフガン事業の支出停止 世銀「影響を深く懸念」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB251V70V20C21A8000000/

『【ワシントン=共同】世界銀行は24日、イスラム主義組織タリバンが実権を握ったアフガニスタンでの事業について、支出を一時停止していることを明らかにした。報道官は声明で「特に女性に対する影響を深く懸念している」と強調。状況を注視していくとした。
世銀が見解を示したのはガニ政権崩壊後初めて。「苦労して得た開発成果を維持し、アフガニスタンの人々への支援を続けるため、世銀が関与できる方策を模索している」と説明した。

アフガンを巡っては、既に国際通貨基金(IMF)も資金支援を停止。世銀によると、同国は昨年の国内総生産(GDP)の約43%を国際援助に依存している。

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日本は「北朝鮮の金づる」になってはならない

日本は「北朝鮮の金づる」になってはならない
過去の有償支援の精算だって必要だ
(2018/06/25)
https://toyokeizai.net/articles/-/226736

『6月12日にシンガポールで開かれた米朝首脳会談で北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長が「安倍首相と会ってもよい」と述べたと伝えられて以降、安倍晋三首相は日朝首脳会談に意欲を見せている。

22日に超党派の拉致救出議員連盟の古屋圭司会長らが経済支援などが拉致問題解決に先行しないように陳情した時も、安倍首相は「相互不信の殻を打ち破り、日本と北朝鮮が直接向き合い解決していかなければならない」と述べた。

拉致、核、ミサイルの3つの問題解決は国交正常化の前提であるというのが日本政府の見解で、2002年9月17日の日朝平壌宣言にも明記されている。また同宣言では、国交正常化を実現するにあたって、1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国およびその国民のすべての財産および請求権についてを相互に放棄するとの基本原則に従うこともうたっている。

北朝鮮は日本に200億ドル請求?

では日本は、北朝鮮への経済支援にいくら負担すべきなのか。

中央日報電子版によると、韓国のサムスン証券サーチセンターの北朝鮮投資戦略チームが13日に出した報告書では、北朝鮮が日本に請求できる金額を200億ドルと計算。この数字は2002年に日本側から提唱したといわれる「100億ドル」などを基礎に現在値に計算したものだという。

そもそも「100億ドル」が妥当な金額なのかは疑問だが、それを支払う前に考慮しなければいけないものがある。今の時点で日本が北朝鮮に持っている債権をどう扱うのかという問題だ。』

『たとえば日本は北朝鮮に1995年に有償35万トン、無償15万トンの米援助を行い、2000年には世界食糧計画(WFP)を経由する形で、50万トンの国産米を供出している。

こうした対北援助について河村たかし衆議院議員(当時。現・名古屋市長)が2006年2月13日に提出した質問主意書に対し、政府は「1996年以降」に限定して「国際機関等を通じて北朝鮮に対し無償の人道支援を行ってきた」と答弁。以下に具体例を示した。

1996年6月:525万ドル相当の食糧約1.5万トンおよび75万ドル相当の医薬品
1997年10月:2700万ドル相当の米約6.7万トンおよび約9400万円相当の医薬品
2000年3月:約38億4000万円相当の米10万トン
2000年10月:約1億6000万ドル相当の米50万トン
2004年4月:10万ドル相当の緊急医療物資
2004年8月:約4000万ドル相当の小麦5万トン、米4万8000トン、トウモロコシ1万8500トン、大豆5000トン、砂糖2000トンおよび食用油1500トン、500万ドル相当の基礎医薬品および医療器具、並びに約200万ドル相当の病院用キット

答弁書はさらに北朝鮮に対する有償支援については債務不履行の事実を認め、日本政府としては弁済を強く求めているものの、北朝鮮から理由を明らかにされない旨を認めている。

日本側は幾度も督促したが・・・

なお1995年の有償分35万トンは、日朝間に国交がないために食糧庁と朝鮮国際貿易促進委員会との間の契約となり、朝鮮民主主義人民共和国対外経済委員会委員長名の保証が付けられた。しかし日本側が幾度も督促したにもかかわらず、利子も含めて支払われた形跡はない。

そのような状態で一部の政治家の強い押しで決定したのが2000年の50万トンの援助米だが、そもそもWFPが支援として要請していたのが日本以外も含めて19万5000トンにすぎなかった。にもかかわらず、日本が単独でそれをはるかに上回る援助を行ったのは不思議以外の何ものでもない。

そのほかにも北朝鮮に対する援助米には疑惑が付きまとう。

1995年の援助米は価格の安い外国産米で賄われたはずだったが、その一部が国産米にすり替えられ、極秘に日本に戻されて、一部の政治家の資金となったという話が出た。また日本からの援助米について、当時権力を振るった金容淳書記(故人)は1995年8月に「米は畜産にも軽工業にも使えるので多いほうがよい」と発言したとも伝わっている。』

『要するに、日本からの援助米は飢えた北朝鮮の人民の口に入らなかったという可能性があるのだ。

こうした米支援が日本国民の負担で行われたのは言うまでもないが、いまなお負担額が増えているという実態がある。2000年にWFPを通じて北朝鮮に拠出されたのは高額な国産米だが、WFPに対しては安価なミニマムアクセス米として計上。その差額が国民負担になっているのだ。

これについて緒方林太郎前衆議院議員は2015年7月24日に、「ミニマムアクセス米の運営等に関する質問主意書」を提出。政府は「平成43年(2031年)度までに償還される」と答弁したが、返済は国際価格になる。

「日本はインドネシアと北朝鮮に米を貸し付けていますが、2015年度決算時点でその金額は1529億円にも上ります。その多くは北朝鮮に対するものだと思われますが、この赤字分の補填として、一般会計から年間105億円が投じられており、すべて国民の負担になっています」(緒方氏)

政治が「先走り」するとツケが残る

このような債務関係は、平壌宣言で相互に放棄することを認めた「1945年8月15日以前に生じた事由に基づく両国およびその国民のすべての財産および請求権」ではない。北朝鮮と国交正常化する際には、きちんと清算しなければならない問題だ。さらになぜこうした“援助”が行われたのかという当時の政治の構造についても、検証しなくてはならないだろう。

このような日本が北朝鮮に有する債権について、菅義偉官房長官は6月22日午後の会見で「我が国が一貫しているのはまず拉致、核、ミサイルの諸懸案を解決することで、それらが解決した後で経済交流を行う。そうした問題についてはその時点で検討していきたい」と述べた。

日本と北朝鮮には根深い問題が数多く横たわるが、これらはひとえに政治が問題を先送りしてきたツケが積もった結果といえる。こうした過去を教訓として、政治が先走りすることがないように願いたいものである。

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北朝鮮党機関紙 1910年の韓日併合条約を非難

北朝鮮党機関紙 1910年の韓日併合条約を非難
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20210824001600882

『【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は24日、1910年の韓日併合条約について、日本の「詐欺、ごまかし」による違法な文書だと強く非難した。
韓国に保管されている韓日併合条約の原本(資料写真)=(聯合ニュース)

 今月29日で韓日併合条約公布から111年となるのを前に、労働新聞は「日本がこれまでわが民族に負わせたあらゆる苦痛と不幸に対する代償を、必ず支払わせなければならない」と強調した。

 記事は社会科学院歴史研究所の研究者ソ・ジョンホ氏に質問する形式で韓日併合条約の違法性を一つ一つ説明。「日帝こそ、朝鮮人民の一千年の宿敵」とし、「過去の罪悪を一時も忘れず、代償は千倍にして支払わせなければならない」と主張した。

 別の記事では、丸76年となる「浮島丸事件」を取り上げた。1945年8月24日、強制徴用された朝鮮半島出身の帰国者などを乗せて韓国・釜山港に向っていた浮島丸は日本近海で原因不明の爆発事故により沈没し、数百人が犠牲になった。労働新聞は「偶発的な事故でなく、日帝が緻密(ちみつ)に企てた故意の殺人犯罪」と非難した。

 一方、対外宣伝用ウェブサイト「わが民族同士」は、先ごろ日本の防衛省が防衛白書を小中学生向けに解説するための資料の中で独島を日本の領土のように表示したことを、「子どもたちを国軍主義思想に洗脳し、復讐(ふくしゅう)主義の感情を吹き込んで再侵の道に駆り立てる」ものだと指摘した。

mgk1202@yna.co.kr 』