



中国政策で岸田氏を警戒する米国、希望は河野太郎首相
菅政権崩壊を“予測”していたワシントン、安倍再登板にも期待
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66808

『日米共同声明という「羅針盤」は残る
米国の対日専門家たちは、菅義偉首相(自民党総裁)の退陣表明について総じてこう見ている。
「菅氏は、新型コロナウイルス禍が好転せず、局面打開を狙った東京五輪の強行開催は国民の反発を招いた」
「局面打開を懸けて探った衆院解散、人事刷新という延命策も成就せず、万策尽きたためだ」
「ジョー・バイデン政権発足後、最初に対面会談の外国首脳として菅氏をホワイトハウスに招いたのも菅氏個人というよりも最重要同盟国・日本の首相だったからだ」
「その結果、米国の最重要課題になっている対中戦略、特に台湾海峡に対する現状認識の共有を共同声明に明記するなど日本を巻き込んだ」
「菅政権下で強固な日米関係はより制度化された(Institutionalized)わけだ」
「つまり、菅政権下で安倍晋三前政権の対米路線を引き継ぐ日本政府の外交安保当局のスタンスが推進された。菅・バイデン両首脳は共同声明という『羅針盤』を残したからだ」
ホワイトハウス報道官は、こう述べている。
「バイデン大統領は、新型コロナウイルスや気候変動、北朝鮮、中国、台湾海峡の平和と安定の維持など日米の共通の課題に対する菅首相の指導力に感謝している。日米同盟は強固であり、今後も添い合い続ける」
米国にとって、菅氏は安倍政権の忠実な継承者としてありがたい存在だった。米有力シンクタンクの日本専門家の一人はこう米国の本音を吐露する。
「菅氏は、Backroom Dealer(縁の下の力もち)であり、とてもではないがMass Leader(大衆を引き付けるリーダー)ではないと見られていた」
「米政府内外の日本専門家たちは、菅氏はあくまでも安倍氏の空席を短期的に埋める『中継ぎ投手』として見ていた。いずれ「本格派投手」に交代することを予測していた」
「その時期が若干早かったか、予測通りだったか。いずれにしても想定外のことではなかった」』
『米情報調査機関:対米戦略公約は弱体化
その「本格派投手」とは誰なのか。次期自民党総裁、内閣総理大臣は誰なのか。
全世界の政治、外交、経済などの動きを事前に予測する民間の情報調査機関、「レイン・ネットワーク」(RANE Network)の傘下プロジェクト、「ストラットフォー」*1(Stratfor)は9月3日時点で今後の政局を以下のように予測・分析をしている。
*1=ストラットフォーは、テキサス州プラトノに本社を置く米情報調査機関。全世界に情報網を持っており、各国政府機関、大企業、シンクタンクを顧客にしている。その情報、予測、分析は高く評価されている。
一、菅氏の後任を狙う政治家は数人いるが、そのほかに安倍晋三前首相の再出馬のミステリーがくすぶっている。同氏が総裁選に立候補すれば選ばれることは間違いない。
二、立候補が確実視されている河野太郎改革担当相は、党内でも強力な派閥(麻生太郎副総理兼財務相を領袖とする麻生派、国会議員53人)に属している。安倍内閣の外相として安倍氏の政策に深く関与してきた。有権者にも支持者が多い。
三、ハト派の元外相、岸田文雄・前自民党政調会長(宏池会・岸田派、国会議員46人)はいち早く立候補を表明している。だが世論調査では有権者の支持は芳しくない。
岸田氏は日本は対米、対中関係でバランスをとるべきだと考えている。2020年の安倍氏退陣の際、安倍氏は岸田氏を推したと信じられている。
四、超タカ派で対中強硬派・無派閥の高市早苗・前総務相も立候補を目指しているが、立候補に必要な国会議員数20人を得るのは難しい状況にある。
五、元防衛相の石破茂氏は世論調査では高い支持率を得ている。貧富の格差是正を唱えているからだ。だが今回もまだ立候補するかどうか態度を留保している。
六、安倍氏の立候補については今のところ噂の域を出ていない。しかし党内での広範囲な支持があることを考えると、出れば容易に選出されるだろう。
七、菅氏の後継者(総選挙で自民党は議席を失うため)が総理・総裁になった場合は、政権運営は極めて難しく、公明党に対する依存度は増大する。
八、前述の候補者が総理・総裁になっても長期的に政権を維持することは困難で、かつてのような「次から次と首相が変わる回転ドア」のような時代」(the era of revolving-door prime ministers)の再来になりそうだ。
九、その結果、長引く経済のスタグフレーション、激化する中国との競争関係に直面している日本の内政・外交政策は不安定化する可能性がある。
これを防ぐには党内三大派閥が菅政権をサポートしてきたように後継者を一致協力して支える以外にない。日本が一貫性のある内政、外交政策を堅持するにはこれしかない。
十、誰が菅氏の後継者になろうとも11月29日に衆院議員の任期が切れ、同日か、それ以前に総選挙が実施される。自民党(現在276議席)が衆院議席の絶対過半数を割ることになれば、(今まで以上に)公明党(現在29議席)との連立を組む以外にない。
十一、公明党は反核、反武装対立を主張してきた。公明党への依存度が強まれば、自民党はこれまで菅政権が堅持し推進してきた米台の戦略的協力関係の是認や中国の南シナ海、東シナ海への海洋進出、台湾に対する脅威に対抗するための軍事力強化といったスタンスを弱めざるを得なくなるかもしれない。
(https://worldview.stratfor.com/)』
『自民党内に世代交代の波
菅氏が政権運営に行き詰まった要因について外交問題評議会の、シーラ・スミス上級研究員は、ブログでこう指摘している。
「一向に好転しない新型コロナウイルスによるパンデミック禍に打つ手なしの菅政権に対するフラストレーションは極限に達していた。病棟が不足したから自宅療養を奨励するに至って国民世論の堪忍袋の緒は切れてしまった」
「自民・公明連立政権には、次から次とスキャンダルが襲い掛かった」
「選挙違反で有罪判決を受けた元法相の補欠選挙では野党候補に負け、パンデミック禍の最中には公明党議員が禁じられていた会食に出席、最後のとどめは菅氏が地元・横浜市長選に推薦した候補の惨敗だった」
さらに同氏は自民党内にくすぶっている世代交代論が菅氏の延命工作を封じてしまったとみている。
「世間一般の通念からすると、これら挑戦者たちはまだ身をかがめて総裁選の行方を見守っている」
「ワクチン接種普及を担当する河野太郎・行革担当相(58)は職務に専念しているように見えるが、いつ総裁選に立候補するか世間の目は彼に注がれている。同氏の新著『日本を前に進める』は各書店の店頭に山積みされている」
「若いが人気抜群の自民党のスター、小泉進次郎・環境相(40)は、次期内閣では重要閣僚として入閣するとのうわさが流れている」
「安倍氏や麻生氏と近い甘利昭・元経産相(72)は(二階俊博氏=82=の後任の)幹事長に色気を見せているらしいし、茂木敏充外相(65)も次は党幹部のポストを狙っている」
「この秋の日本の政治は予想以上に流動化し、面白くなってきた」
(https://www.cfr.org/blog/politics-heat-tokyo)』
『優柔不断な親中派の岸田氏に警戒心
米国では共通しているのは、今のところフロントランナーの岸田氏に対するネガティブな評価だ。
同氏は、2012年12月から17年8月まで4年8カ月、安倍第2次、第3次、第3次1次改造、第2次改造時の外相を務め、米政界や国務省関係者にも友人、知人が数多くいるはずなのに、米国の外交・安保関係者からは敬遠されているのだ。
なぜか。米上院外交委員会関係者の一人はこう指摘する。
「所属する派閥、宏池会は元々、親中派が多く、岸田氏が特に親中派の古賀誠元会長の側近だったことが災いしているのではないか」
ブルームバーグ通信社のイサベル・レイノルズ記者は岸田氏の対中認識を質した。岸田氏はこう答えている。
「時代は大きく変化している。中国も変わった。中国は今や国際社会で大きな存在になっている。私は中国の権威主義的な態度に懸念している」
「台湾は、米中関係行き詰まりのフロントラインになっている。香港(中国による民主化運動弾圧)や新疆ウイグル(少数民族抑圧)の状況を見ると、台湾海峡は次の大きな問題になるだろう」
「台湾有事は日本にとっても重大な影響を与える。日本はそうした脅威に備えるために防衛費を引き続き増やしている」
「(台湾有事の際に日本はどうするか、との質問には)法律に照らして行動するだけだ」
レイノルズ記者は岸田氏の答えにこうコメントをつけている。
「麻生副総理は『台湾危機に際して日米はともに台湾を防衛せねばならない』と言った。また岸信夫防衛相の『台湾防衛は日本の防衛に直接リンクしている』と述べていた」
(https://www.bloomberg.com/news/articles/2021-09-03/top-contender-to-lead-japan-warns-taiwan-is-next-big-problem)』
『岸田氏の答えは、明らかに4月、菅首相とバイデン大統領とが署名した共同声明に明記された「台湾海峡の平和と安全の重要性」に対する認識から後退している印象を受ける。
参考:日米声明「台湾海峡」明記 初の会談、中国の威圧に反対: 日本経済新聞 (https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE170BH0X10C21A4000000/)
岸田氏、河野氏、石破氏の中で米国は誰に首相になってもらいたいのか。
日本政治に精通する元外交官の一人は「内政干渉はしたくないが」と言いつつ、こう言い切っている。
「岸田氏は長いこと外相だったからワシントンでは名前も顔も売れている。その一方で中国問題など主要な政策では岸田氏はソフトで、煮え切らないというか、決断力に欠けるという評価があった。ある種の警戒心がある」
「誰がどう言ったというわけではないが、私の感覚では、米国では岸田氏よりも河野氏の方が好かれている。ベストな首相候補だ」
「その理由は同氏のバックグラウンド(ジョージタウン大学卒、防衛相、外相歴任)。抜群の英語力。明快な発言。若いし、ルックスもいい」
「米議会やシンクタンクのタカ派は(防衛問題に強い)石破氏が好きなようだが、総裁選の立候補に必要な推薦人を集められるかどうかだ」
河野氏については、官僚に対するパワハラ疑惑やら閣議決定をタテに官僚の作成した政策素案の撤回を求めるなど物議をかもしているようだ。
また総裁候補選びでは、選挙基盤の弱い若手議員が「選挙の顔」を求めて、派閥幹部の意向に応じない構えを見せている。情勢は流動化、複雑化している。
本稿は、あくまでも米国の対日問題専門家たちの「総理・総裁候補評定」を書き留めたもの。
そこには、誰が首相になっても不安定化する政権が、今後の日米関係に暗い影を落としかねないという米国の危惧の念が感じ取られることは間違いない。』
Sam LaGrone 記者による2021-9-1記事「U.S. Marine F-35Bs to Operate off Largest Japanese Warship Later This Year」
『海兵隊司令官のデイヴィッド・バーガー大将は水曜日、海兵隊のF-35Bが今年11月に海自の『いずも』上から作戦すると語った。
またその直後には海兵隊のF-35Bが英海軍の空母『QE』(R08)上にもお邪魔する予定だと。
『いずも』と『かが』は艦首の最上甲板が不等片四角形であったのを長方形に改装する。工事は『いずも』で先行している。
2023年度以降、自衛隊にF-35Bが42機納入され、艦上機となる。
※尖閣を守るためだけなら空母は要らない。「クワッド」を構成して四国連合艦隊で台湾、比島、ボルネオ島を防衛したいというのが、米軍上層の希望だろう。
米国最上層からの要望は財務省をオーバーライドするがゆえに自衛隊にとっても都合がいい。先島群島上に点々とF-35B用の臨時予備基地を平時から準備しておこうとしても、反日諸政党の妨害活動に遭って、話が進むわけがない。空母の方が千倍も話は早いのである。』
※ 韓国の「軽空母」も、この延長線上にあるんだろう…。
邦人救出、アフガンの教訓 台湾有事にも出遅れ懸念
政界Zoom
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA308IM0Q1A830C2000000/



『政府は8月31日、アフガニスタンから邦人や現地協力者を退避させるために派遣した自衛隊機に撤収命令を出した。各国が数百~十数万人を国外へ輸送したなかで自衛隊は15人どまり。法律や慣習の制約による出遅れは台湾海峡や朝鮮半島で起こり得る有事に備える教訓となる。
「わが国の組織で働く現地の従業員もファミリーだ」。岸信夫防衛相は23日、自衛隊に出動命令を出し、記者団にこう述べた。邦人だけでなく日本大使館などに勤務していたアフガン人協力者も救うのが任務だと強調した。
現地には数人の邦人と最大500人のアフガン人協力者が残る。イスラム主義組織タリバンがカブールを制圧し、外国人や協力者に危険が及ぶ恐れがある。希望者を国外へ避難させるのが国家としての使命だという判断があった。
実際に運べたのは邦人1人と米国のアフガン人協力者14人だけ。500人を25台ほどのバスに乗せて空港へ運ぶ予定だった26日、空港周辺で起きた自爆テロで計画が崩れた。米軍が撤収すると日本が輸送するすべはなくなった。
米国は12万人、英国は1万人以上を国外へ出すのに成功した。ドイツやフランスは数千人、韓国も390人で日本の少なさが際立つ。派遣を決めるのに時間がかかりテロの前に運べなかったのが響いた。日本以外の主要7カ国(G7)は15日前後に着手していた。
決定の遅れを招いた要因の一つは日本の法的な制約だった。自衛隊が邦人らを救うには2つの方法がある。一つは騒乱が起きた国の外へ連れ出す「輸送」。もう一つは場合によっては武器も使いながら救出にあたる「保護」だ。
今回は輸送だけの対応にとどめた。自衛隊法84条の4は「安全に実施できると認めるとき」に限ると規定する。絶対条件とされた空港の安全確認に時間がかかった。自衛隊の海外派遣はこれまで世論を二分してきた。外務省幹部は「首相官邸や与野党に大丈夫と言い切る根拠がなければ決断できなかった」と語る。
政府が現地と交渉して人々を空港に送る手段を探すのにも手間取った。空港外の活動は危険とみなされて任務から外れ、自衛隊は市街地に残る邦人や協力者を運ぶことができなかった。
救出を含む保護に関する自衛隊法84条の3を適用しなかったのはなぜか。保護のためなら任務遂行の妨害行為を排除するのに武器を使え、空港外で活動しやすくなる。
壁となったのは輸送よりも厳しい制約だ。84条の3が明記する①当該国の権限ある当局による秩序維持②当該国の同意③当該国当局との連携――の3要件を満たさなかった。
タリバンによる統治の見通しは不透明で、同意を取り付けるべき明確な相手が存在しない状態だったためだ。
治安が悪化した地域から日本の民間人を退避させることは自衛隊の重要な任務の一つとなる。日本周辺で想定される危機でも出遅れかねないとの見方がある。
朝鮮半島や台湾海峡での有事は、日本の存立が脅かされる「存立危機事態」とみなせば自衛隊の防衛出動による武力を使った邦人救出が可能になる。この場合も派遣先の国の同意が前提となる。
半島有事で自衛隊が邦人を保護する場合に想定する相手は韓国だ。韓国は植民地支配の記憶があり、自衛隊の受け入れに慎重になりがちだ。防衛省には「邦人保護の目的でもスムーズに派遣できるかわからない」との懸念がある。
中国が台湾を攻撃した場合はより複雑になる。中国大陸と台湾は1つの国に属するという「一つの中国」を日本は尊重する立場だ。防衛省幹部は「攻めてくる中国側の同意が必要という奇妙な状況に陥りかねない」と話す。
慶大の鶴岡路人准教授は「自衛隊機を出す決定が遅かったのは否定しようがない。どういうときにどういう対応を取るか政府内でリアルな準備をしておく必要がある」と指摘する。
<記者の目>「戦後の宿題」考えるとき
「多くの外国軍は『やってはいけないこと』を法律で定めている。自衛隊は『やっていいこと』だけを法律に書いている」。防衛省でよく聞く言葉だ。活動に制約が多く迅速に対応しにくいという問題意識がある。
自衛隊は戦争の反省や憲法9条を踏まえて活動に枠をはめてきた。1995年の阪神大震災では自主的に動きにくく救助活動が遅れた。この教訓を基に出動要件を簡略化したように時代に合わせた法律や運用の見直しはあってしかるべきだろう。
世界各地でテロや紛争が頻発し、邦人の犠牲者が出る事例も相次ぐ。危機に直面してからでは間に合わない。自衛隊にどこまでの活動を任せるべきか。政府や与野党だけでなく社会全体で「戦後の宿題」を考えるときが来ている。(安全保障エディター 甲原潤之介 』
アフガン退避、2度の計画断念 幻に終わった救出劇
想定外の早期陥落、テロで移動困難
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA31BR20R30C21A8000000/
※ 相当に「裏話」にまで、踏み込んだ記事だ…。
※ これが、現状だ…。
※ 「カントリー・リスク」ある地域に進出する民間企業は、そういう現状を覚悟で現地に行く必要がある…。
※ 「イザと言う時には、どこからも”援助”は来ない…。」「日本の自衛隊は、手足を縛られていて、活動できない。」という覚悟で…。


『アフガニスタンから邦人や日本大使館の現地職員らを退避させる政府の作戦が8月31日に終わった。結果は邦人1人と米政府の協力者であるアフガン人14人の移送にとどまった。最大500人の救出を想定し、外務省が練った2度のプランは想定外の事態に断念を迫られた。
「早期退避を検討してください」。イスラム主義組織タリバンが支配地域を着々と広げていた8月上旬、アフガニスタンの日本大使館は在留邦人に警戒を呼びかけていた。多くの人は従ったが、仕事や家族など様々な事情から出国を留保する人もいた。
東京では外務省が4日から水面下で、邦人と大使館の現地職員を含むアフガン人協力者の退避を検討し始めた。10日前後には「90日以内にタリバンが首都カブールを制圧する」との米情報機関の分析をメディアが報じた。
民間チャーター機を手配し、18日にカブール空港から飛び立つ――。外務省は14日、1度目の救出計画を立てたが、翌15日、カブールは想定外の早さで陥落した。空港への民間機の離着陸は不可能になった。第1の計画は失敗に終わった。
外務省は大使館の邦人職員12人の退避に忙殺され、アフガン人職員ら協力者への対応は後回しになった。市街地では刑務所から囚人が逃げ、銃撃戦も始まった。
米国からは大使館の撤収を促す連絡が入った。米軍からは「退避が遅れたら安全を保証できない」と迫られた。大使館は米軍と覚書を結び、撤収への協力を要請した。
大使館員は空港を目指したが、移動もままならなかった。森健良外務次官はシャーマン米国務副長官に電話し、米軍ヘリによる車両の保護を求めた。出国には英国の軍用機の力も得て17日、ドバイに逃れた。
まだアフガンに残る500人ほどのアフガン人協力者をどう救出するか。「救出を引き受けてくれないか」。外務省は翌18日からアフガンにすでに軍を展開していた米欧各国に打診した。19日まで続けたものの、各国とも自国の協力者の救助が精いっぱいで確約は得られなかった。
万策尽きた外務省が防衛省に自衛隊派遣を打診したのは20日朝。防衛省は1日で作戦をまとめ、岸信夫防衛相が21日に部隊出動を決断した。菅義偉首相の了承を得て、23日、自衛隊に派遣命令を出した。
外務省には「自衛隊の派遣は最後の手段」という考え方が根強い。過去の派遣で野党などの追及を受けてきたからだ。争乱状態のアフガンに自衛隊を送ることへの懸念から判断が遅れた。
外務省は2度目の救出プランを練った。大使館職員らが第三国からアフガンに戻って25台ほどのバスを手配し、希望者を乗せて検問をくぐり抜ける計画だ。タリバン幹部へ退避対象者リストを渡して検問通過の合意に見込みをつけると、26日に希望者を集めてバスに乗り込んだ。
タイミング悪く26日午後に空港周辺での自爆テロが起きた。混乱から検問所は100台に及ぶバスの列ができ、検問でのタリバンの規制は急激に厳しくなった。テロの再発のリスクも考慮し出発を断念した。
自国民の保護すら危ぶまれる事態を受け、茂木敏充外相は23日に会談したばかりのカタールのムハンマド副首相兼外相に急きょ接触。カタールは求めにこたえ、渋滞でも動きやすい10人乗りの小型バスを用意した。
テロで態度を硬化したタリバンが「外国人」の出国のみを認める方針に転換し状況はさらに悪くなった。外務省は残る数人の邦人に出国の意向を最終確認し、希望した共同通信の通信員1人のみが空自輸送機「C130」でカブールを脱出した。
自爆テロの前日の25日、韓国は300人超の退避に成功した。成否を分けたのは「1日」だった。政府高官は「自衛隊出動があと1日、早ければ……」と悔やむ。
災害やテロ、戦争など有事のオペレーションは判断の遅れが成否を分ける。さらに協力者を救出できなかったことはこれからの日本の外交力にも影響を与えかねない。
「今回のオペレーションの最大の目標は邦人保護だった。そういう意味では良かった」。首相は1日、首相官邸で記者団の質問に笑顔なく答えた。 』
アメリカの「アフガン敗戦」から日本が学ぶべき教訓
スカボロー礁事件でフィリピン防衛のコミットメントを反故に
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66748


『(北村 淳:軍事社会学者)
アメリカ政府が自ら主導して育成しようとしていたアフガニスタン政府ならびにアフガニスタン軍を捨て去って撤収逃亡したという状況を捉えて、中国が、台湾やフィリピンそれに日本などに対して、「アメリカの口車に乗っているととんでもないことになるぞ」と脅しをかけ始めた。
もっとも日本においては、日本をはじめとする同盟国や台湾のような実質的同盟国に、アフガニスタンでの米軍撤退を当てはめるべきではないといった類いの論調が散見される。しかしそれはとんでもない誤りである。
本コラムでもたびたび取り上げているように、バイデン大統領が副大統領であり、かつ現バイデン政権のアジア太平洋安全保障政策の司令塔を務めるキャンベル国家安全保障会議総合調整官兼大統領副補佐官(国家安全保障担当)が国務次官補(東アジア太平洋担当)であったオバマ政権時代に、アメリカ政府は同盟国フィリピンの苦境をあっさりと見捨ててしまった──2012年のスカボロー礁事件である。
すなわち、アメリカ政府が米比相互防衛条約に基づき防衛のコミットメントをフィリピン政府に確約していたにもかかわらず、スカボロー礁周辺海域を中国に占拠されてしまうと、オバマ政権は実質的に無視してしまったのだ。それ以降、現在に至るまでスカボロー礁は中国の実効支配下にある(本コラム2021年2月11日、2021年3月11日など参照)。』
『「ちっぽけな島」を守る戦争に突入した英国
スカボロー礁はちっぽけな環礁であるため、台湾などとはレベルが違う話との考え方もある。だが、日夜中国と対峙している米海軍関係者たちはそのような平和ボケ的思考を最も恐れている。
なぜならば、スカボロー礁をはじめ南シナ海で中国が軍事拠点化を進めている多くの環礁一つひとつはちっぽけな土地であっても、それらを軍事拠点とした場合の周辺海域空域への影響力は極めて大きいものとなるからだ。
そして何よりも、いくら面積は小さく狭小な島嶼環礁といえども、フィリピンなり、ベトナムなり、日本なり、主権国家にとっては領土には変わりはなく、台湾全土やアフガニスタン全土の主権を失うのと、「主権喪失」という国家の危機という重大事実という点においては何ら差異がないのである。
アメリカ政府による「ちっぽけな島を巡っての戦争には賛同しかねる」との失言に対してイギリスのサッチャー首相が激怒し、「頼りにならないアメリカ」の直接的軍事協力に頼ることなくフォークランド戦争に突入したのも、このような理由によっているのだ。』
『いずれにせよ、スカボロー礁事件で同盟国フィリピンを見捨てたバイデン大統領が、今回は、以前より撤収は決まっていたとはいえ、アフガニスタン内部の軍事情勢分析を蔑(ないがし)ろにしたうえに誤った撤収作戦を発令したために、アメリカ軍史上最悪の醜態ともみなせる逃亡劇を展開するに至ったのである。
アフガン戦争最後の米軍戦死者たちを悼む戦闘靴のディスプレイ(写真:米海兵隊ハワイ基地)
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日本の手前勝手な思い込み
米軍の最高指揮官としてのバイデン大統領は、「自国を防衛するために戦う意思のないアフガニスタン政府やアフガニスタン軍を守るためにアメリカ人の血を流す必要はない」と語って、無様なアフガニスタンからの逃亡劇を自己弁護している。
この言葉は、日頃から日本の平和ボケ的状況を危惧する、日本周辺での作戦に関与している多くの米軍関係者たちの言葉と寸分違わない。彼らは常日頃、「たとえ同盟国といえども、自ら自国を防衛するための意思、すなわち“will to fight”を持たない連中のためにアメリカの若者の血を流すことをアメリカ国民は容認しない」と口にしている。』
『日本政府や多くの政治家は、微々たる国防費総額をもってして日本政府も国防に努力を傾注しているかのごとき妄言を吐いている。しかし、厳しさを増しつつある日本を取り巻く軍事環境から判断すると、5年間で少なくとも2倍以上に増額しなければ「国防費増額」とはとても言えない状況である。
そして国防費を急増できない場合には、かつて武士階級が自らの階級利益を捨て去って国軍を構築したように、国防当局自身が防衛組織の抜本的改革に踏み切って、日本防衛にさして役立たない部署を飼い殺しにしている状況から脱却する、といった、名実ともに我が身を削っての国防努力が必要となる。
しかしながら、こうした自助努力の意思がない日本政府や国会は、ただただアメリカの軍事力にすがり付き、ことあるごとに「日米同盟の強化」というスローガンを繰り返すのみである。おまけに日本にとって日米同盟が絶対的に不可欠であると信じ込むだけでなく、アメリカ側にとっても日米同盟がアメリカの死命を制する重要同盟関係であるかのように手前勝手に思い込んでしまっている。
このような状況から即刻脱却しなければ、中国共産党政府が恫喝(あるいは忠告!?)し始めたように、尖閣諸島が中国に奪取される状況をバイデン大統領が完全に放置し、「たとえ同盟国といえども、わずかGDPの1%程度しか国防費に割り当てず、中国との対決の主役となる海洋戦力(海自戦力、各種航空戦力、ミサイル部隊などの陸自戦力など)の飛躍的強化も企てずに、アメリカに頼ろうとするばかりの日本のために、多くのアメリカの若者の血を流し、莫大な国費を投入する必要は毛頭ない」と演説することになりかねない。 』
タリバン、退避の米国人に付き添い 米国と秘密裏の合意
https://www.cnn.co.jp/world/35176029.html
※ こういうものだ…。
※ 「国際関係」は、「密約」塗れ(まみれ)だし、おまけに「舌は、何枚もある…。」…。
※ そういう前提で「参加」しないと、正直者は馬鹿を見る…。
※ 交渉担当者が損害蒙る分には、構わんが、それが波及して、日本国民が塗炭の苦しみを舐めるのでは、責任の取りようも無い…。
※ 腹搔っ捌いたところで、取り返しはつかない…。

『(CNN) 米軍がイスラム主義勢力タリバンと秘密裏に交渉を行い、その結果、アフガニスタン首都カブールの空港の入り口で、アフガンからの脱出を図る米国人の集団にタリバンのメンバーが付き添い役を果たした出来事があったことがわかった。防衛当局者2人がCNNに明らかにした。
当局者によれば、米軍の特殊作戦部隊が「秘密の入り口」を空港に設置し、米国人に対して避難中に指示を与える「コールセンター」を設けた。
当局者によれば、米国人は事前に設定された空港近くの集合場所に集まるように通知を受けた。タリバンがそこで身元の確認を行い、米軍が配備された入り口まで米国人を短距離搬送。アフガニスタンからの脱出を模索する人々が大勢いるなか、配備された米兵が米国人を中に通した。
今回の合意は注意を要するものだとして当局者は匿名を条件に語った。今まで明らかにされなかったのは、公表することによるタリバンの反応を米国が懸念したほか、過激派組織イラク・シリア・イスラム国(ISIS)の分派組織「ISIS―K」の工作員が米国人がタリバンに付き添われていることに気が付いた場合、ISIS―Kからの攻撃を受けることを憂慮したためだという。
ISIS―Kは先週発生したカブール空港の自爆テロを実行したとの犯行声明を出している。この自爆テロでは米兵13人と170人以上のアフガニスタン人が死亡した。
米国はここ数年、軍事的、外交的にタリバンと接触し、政治会談や衝突回避の取り組みを進めていた。しかし、今回、米軍とタリバンとの間でかわされた秘密裏の退避の取り決めは戦術上の調整がこれまでにない水準に達したことを反映している。関係は不明だが、米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官は先ごろ、カブールで、タリバン幹部と秘密面会していた。 』
韓国国防予算、5兆2000億円 4.5%増で日本に迫る
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021083100816&g=int

『【ソウル時事】韓国国防省は31日、2022年度国防予算案を発表した。総額は前年度比4.5%増の55兆2277億ウォン(約5兆2000億円)で、9月3日に国会に提出する。
〔写真特集〕韓国の空軍力
日本の21年度防衛費(当初予算ベース)は約5兆3400億円で、ほぼ肩を並べる水準になった。在韓米軍からの戦時作戦統制権の移譲をにらんで「自主国防」を掲げる文在寅政権は国防費を急拡大。予算案がこのまま確定すれば、文政権下の年平均増加率は6.5%となる。』
自衛隊派遣、後手批判に反論 アフガン人退避できず「残念」―茂木外相
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021083100800&g=pol
※ 退避した「たった一人の邦人」は、「共同通信社通信員」か…。
※ しかも、名前からすると、「女性」のようだな…。
※ 別の情報によると、「退避したのは現地で事業を営みながら共同通信カブール通信員を務める安井浩美さん(57)」だそうだ…。
※ 『安井/浩美
1963年、大阪で生まれる。京都の聖母女学院短期大学を卒業後、アパレル会社勤務。約1年間のシルクロードの旅を経て写真の道へ。1993年、フリーのフォトグラファーとしてアフガニスタンを取材し、戦争取材とともにアフガン遊牧民の記録をライフワークとする。2001年の米同時多発テロをきっかけにアフガン入り。現在、共同通信社のカブール支局で通信員として働くかたわら、アフガン難民の子供たちの教育に関わる。アフガニスタンの外国人ジャーナリストの中で、最も長い滞在者のひとり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)』こういう経歴にも、ヒットした…。


『茂木敏充外相は31日の記者会見で、アフガニスタンからの邦人退避などをめぐり、自衛隊機派遣が遅れたとの批判に対し、「決して遅かったとは思わない。十分退避に間に合うタイミングで行き、輸送手段も確保した」と反論した。自爆テロの影響で空港への移動が困難になったと指摘。アフガン人の現地スタッフらが「まだ退避できない状況は残念だ」と語った。
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一方、与野党有志による「人権外交を超党派で考える議員連盟」は同日、衆院議員会館で総会を開き、アフガン人やその家族の出国に向け、タリバン側と交渉を続けるよう政府に求めた。自民党の中谷元・元防衛相は記者団に対し、今回の政府対応を問題視。「検証が必要だ」と強調した。
総会には、自衛隊機で退避した共同通信社通信員の安井浩美さんもオンラインで出席した。』
自衛隊、退避作戦に法的制約 安全確保できず、空港くぎ付け―アフガン
2021年08月29日08時41分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021082800467&g=pol
※ これで、「どーしろと…。」、…。

『日本政府によるアフガニスタンからの邦人や大使館の現地スタッフの退避作戦は、事実上の活動期限である27日を過ぎ、継続は困難な状況となってきた。自爆テロによる治安悪化などの影響で、最大500人と想定する退避希望者の多くはアフガン国内に残されたまま。派遣の根拠である自衛隊法に活動を制約され、自衛官は首都カブールの空港から一歩も外に出られなかった。
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政府は当初、退避希望者の空港までの移動手段について、「各自で確保していただくしか仕方ない」(岸信夫防衛相)としていた。しかし、イスラム主義組織タリバンが24日にアフガン人の出国を認めない考えを表明したことを受け、方針を転換。26日には空港へ向かうバスを20台以上用意したものの、空港ゲート付近で自爆テロが発生したため、移動を断念した。
今回、自衛隊員の任務は自衛隊法84条の4に基づく「輸送」で、空港内での邦人らの誘導と空自機による退避が中心。同法は輸送を「安全に実施することができると認めるとき」に限定しており、米軍が安全をコントロールできる空港内でのみ活動することとした。自衛官が市中に退避希望者を迎えに行き、警護して連れてくることはできなかった。
2016年施行の安全保障関連法で、新たに在外邦人らの救出や警護を認める「保護」(自衛隊法84条の3)が可能となり、より強い武器使用権限も与えられた。しかし、派遣先となる受け入れ国の同意や現地の治安が維持されていることが要件で、タリバンが支配するアフガンでの適用は見送った。
要件をめぐっては、24日の自民党国防部会などの合同会議で「安定していないからこそ(保護の)ニーズがある」として、緩和を求める声が上がった。防衛省内からも「今回の件をきっかけに議論を始めてほしい」と法改正に期待する声も出ている。』