






















〈回顧2020〉米中衝突、増幅した不信感
非難の応酬 東アジア緊張
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM300HW0Q0A131C2000000
『トランプ米大統領が再選を目指した2020年は、米中対立の戦線が貿易だけにとどまらず、安全保障の分野にまで際限なく広がった1年となった。中国発とされる新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が米国側の不信感を増幅し、香港や台湾を巡って激しく衝突する事態になった。21年1月に就任するバイデン次期米大統領は、トランプ政権から大きな難題を引き継ぐことになる。
「中国は数十年にわたって米国につけ込んできたが、状…』
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・米中関係はかつてないほど改善した」。トランプ氏は2月4日の一般教書演説でこう高らかに宣言した。後から振り返れば想像しにくい場面だが、年明けはつかの間の雪解けムードが漂っていた。
・「休戦」を主導したのは米国側だ。トランプ氏は1月に署名した「第1段階の貿易合意」を支持基盤の農家にアピールし、11月の選挙に臨む青写真を描いていた。中国国内でコロナの影響が広がった2月時点では、トランプ氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席に電話で「中国を援助したい」と伝え、習氏の対応を手放しで持ち上げていた。
・しかし米国にコロナが飛び火するとトランプ氏の感情は一変する。感染の拡大が止まらず、3月中旬には国家非常事態を宣言する事態に発展した。米経済の悪化が自らの再選に逆風になるとの見方が急速に広がった。
・最初はウイルスの発生源を巡って非難の応酬を繰り広げた。中国外務省の副報道局長がツイッターで根拠を示さずに「米軍が感染症を湖北省武漢市に持ち込んだのかもしれない」と主張した。対抗してトランプ氏は「中国ウイルス」と呼び始める。米国の感染症専門家が中国への視察になかなか入れず、「情報を隠しているのではないか」と疑いを深めていった。
・米国でコロナの感染が急拡大するのと軌を一にして米中関係は悪循環の一途をたどった。追い打ちをかけたのが香港問題だ。中国が高度な自治を認めた「一国二制度」の形骸化につながる香港国家安全維持法の導入に動いた。米国の反発に対し、中国は「内政干渉」と一歩も譲らなかった。
・トランプ政権は5月以降、中国への対抗措置を矢継ぎ早に打ち出した。安全保障上のリスクとみなした中国人の入国を停止したり、香港に認めてきた貿易や犯罪人引き渡しなどの特例措置を撤廃したりした。
・米国の批判の矛先は国際機関にも向いた。トランプ氏は中国の初期対応を評価したり二転三転した発言で世界に混乱を引き起こしたりした世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長を酷評した。WHOが「中国寄り」だとみなして、7月には正式に脱退を通告した。
・世界の二大超大国による衝突の根底にはイデオロギーの違いがある。民主主義を掲げる米国は「中国共産党こそが問題である」との主張を前面に押し出し、全体主義や権威主義をやり玉に挙げた。ポンペオ国務長官は7月、1972年に中国を電撃訪問して関与政策に道を開いたニクソン元大統領ゆかりの博物館で「自由主義国が行動するときだ」と世界各国に対中包囲網の結束を呼びかけた。
・香港の次は台湾か――。衝突の舞台は海を渡って広がった。
・トランプ政権は中国をけん制するため台湾に急接近する。アザー米厚生長官は8月、台湾を訪れて蔡英文(ツァイ・インウェン)総統と会談した。1979年の断交以来、米国の高官訪問としては最高位だ。台湾への武器輸出を加速し、11月には経済対話も開いた。台湾も米国の後ろ盾を得ようと、米国産牛肉の輸入規制緩和などに動いた。
・当然、台湾統一をにらんで「一つの中国」を掲げる中国は米台の動きに猛反発した。中国の戦闘機が台湾海峡の中間線を越えて台湾側に入るなど軍事圧力を強めた。南シナ海でも中距離弾道ミサイルを撃ち込むなど軍事的な緊張が一時高まった。
・21年も米中の衝突は続くのか。バイデン次期大統領は新疆ウイグル自治区の少数民族への対応など、人権問題ではトランプ政権より厳しく臨む構えだ。一方で、気候変動問題やコロナ対策といった国際社会が直面する課題では双方が協力して解決を進めようとする選択肢も排除していない。中国はバイデン氏に両国の関係改善への期待を寄せるが、両国に募った不信感は簡単に消えそうにない。(ワシントン=鳳山太成)
・摩擦、貿易からハイテク分野へ拡大
・中国、対立長期化にらみ独自経済圏づくり急ぐ
・米中貿易摩擦は2018年から関税引き上げ合戦に突入していたが、両国は20年1月、貿易協議の「第1段階」合意にこぎつけた。中国が米国からのモノやサービスの輸入を20~21年に2000億ドル(約21兆円)増やすのが柱だ。貿易戦争前の17年を基準に定めた。
・米中両政府は1月に「第1段階の合意」に署名した(ホワイトハウス)=AP
・摩擦は雪解けに向かう兆しも見せたが、新型コロナウイルスの感染拡大で中国経済が混乱したうえ、香港問題などを巡り両国が対立し、輸入拡大は遅々として進まなかった。
・ピーターソン国際経済研究所の試算によると、1~11月の累計輸入額は820億ドル。目標達成に必要な額の6割弱にとどまる。象徴的なのが農家の支持を取り付けたいトランプ大統領が強い関心を見せていた大豆の取引だ。
・中国税関総署によると、米国産大豆の輸入は4月以降、前年同月比で2桁の減少が続いた。プラスに転じたのは11月25日公表の10月分からだ。11月3日の米大統領選前は、トランプ氏への肩入れと受け止められないよう構えていたとみられる。
・中国の合意履行が進まないなか、米国の対中圧力の矛先はハイテク分野にも広がった。
・米商務省は9月15日、事実上の禁輸リストである「エンティティー・リスト」に記載済みの華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸強化措置を発動。中国外務省関係者は「最先端の半導体は全く輸入できなくなった」と明かす。半導体の調達難に直面するファーウェイは、21年のスマホ出荷台数が前年比7割減少するとの予測もあり、打撃は深刻だ。
・米政府の調達を巡る規制も厳格化された。ファーウェイなど中国企業5社の調達市場への参入禁止だけでなく、20年8月には5社の製品を使う企業が米政府と取引することも禁じた。
・中国企業による自国への投資規制も強めた。やり玉に挙がったのが動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」だ。個人情報流出を懸念するトランプ氏は、8月に署名した大統領令でティックトックの米国事業を切り離すよう命じた。
・中国の親会社、北京字節跳動科技(バイトダンス)は、米IT(情報技術)大手のオラクルなどが出資する新会社に米国事業を移すことで大筋合意した。ただ出資比率などで調整は難航している。
・先端技術分野での中国締め出しを狙った米国に、中国は輸出規制の制度を整えて対抗する姿勢だ。12月1日に中国輸出管理法が施行し、特定企業への戦略物資や技術の輸出を禁止できるようにした。
・中国は同法を、米国を念頭に海外の輸出規制への対抗措置と位置づける。バイデン次期米政権でもハイテク分野での対中強硬姿勢は変わらないとの見方も多い。
・輸出規制を巡るにらみ合いは、第三国にも影響を及ぼしかねない。日本の半導体関連企業は米国のファーウェイ制裁に歩調を合わせ、9月に出荷を止めた。中国がこうした動きを「国家安全と利益に危害を及ぼす」とみなせば、同法に基づいて日本企業も制裁対象に含む可能性がある。米中の対立は決して対岸の火事ではない。(北京=川手伊織)
・▼制裁関税
・知的財産権侵害や不公正競争などを理由に、海外から輸入する製品に対して関税を引き上げる措置。輸入品の価格上昇で自国の消費者にとって購入品の価格高騰などの不利益を生じる恐れがある。関税引き上げを受けた国は報復措置として同様に関税引き上げで対抗することが多い。
保護主義を強めるトランプ米政権が関税率引き上げを交渉カードにするケースが相次ぎ、各国は警戒を強めている。米国は2018年、安全保障を理由に制裁を可能とする通商拡大法232条に基づき、輸入する鉄鋼とアルミニウムにそれぞれ25%、10%の追加関税を課した。カナダや欧州連合(EU)など7カ国・地域が関税引き上げの対抗策を表明した。
・国同士の貿易紛争の解決などで重要な役割を担ってきた世界貿易機関(WTO)の処理能力が機能不全に陥っているとの批判の高まりも世界経済の先行きに影を落としている。米中が通商分野で対立するなか、米国がWTOの最高裁に相当する上級委員会のメンバー補充を拒否したためだ。そのため足元では重要な柱である紛争処理機能が停止する混乱が続いている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2519B0V21C20A2000000
※ 今日は、こんなところで…。
『【ワシントン=共同】トランプ米政権が中国政府による中国新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族への弾圧について、国際法上の犯罪となるジェノサイド(民族大量虐殺)と認定するかどうかの検討に入ったことが24日、分かった。対中強硬派のポンペオ国務長官が検討作業を指示した。米当局者が共同通信に明らかにした。米政府が認定すれば、中国の強い反発が予想される。
国務省で国際刑事司法問題を担当するタン大使が検討作業を取りまとめ、ポンペオ氏に報告する予定だというが、報告の時期は不明。ジェノサイドに認定した場合、中国に対する何らかの制裁措置を求める声が高まるのは確実とみられる。
来年1月20日の政権交代前に認定すれば、バイデン次期政権は中国への対応で難しいかじ取りを迫られそうだ。
ジェノサイド条約は人種、民族、宗教などが異なる集団を破壊する目的で行われる殺害や迫害をジェノサイドと定義し、国際法上の犯罪と規定している。
同自治区では少数民族に対する大規模な強制収容や強制労働、思想教育が国際社会の強い批判を集めている。女性に対する不妊手術や中絶の強制も報告されているが、中国政府は否定。トランプ政権は深刻な人権侵害を理由に自治区トップらに制裁を科している。
米国は2016年に、過激派組織「イスラム国」(IS)によるキリスト教徒やクルド民族少数派ヤジド派住民らの殺害をジェノサイドだと認定している。』
「勇敢」な豪が中国に払った代償 ライオネル・バーバー氏
英フィナンシャル・タイムズ前編集長
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH234ES0T21C20A2000000
『オーストラリア政府が4月、新型コロナウイルスの発生源などを巡り独立した調査を求めた際、中国との関係が大きくこじれるとはほとんど予想されていなかった。新型コロナの情報隠蔽に対する批判に極めて敏感な中国政府は、豪州産の食肉や大麦、石炭、ワインなどに輸入制限を課している。
中国は、日本や韓国などアジアの国々と摩擦が起きるたび、貿易上の制裁を武器に使う。こうした経済的な代償が大きくなるなか、豪州の産業界の…』
・東部ニューサウスウェールズ州のワイン醸造会社の経営者は、地元テレビ局に対し「政府が、我々の最大顧客との対立を選んだ理由が分からない」と話した。
・中国は、他国に挑発的な言動をする「戦狼外交」で豪州をあおる。中国外務省の報道官は11月、豪軍兵士が子どもの喉にナイフを突きつける構図の合成画像をツイッターに投稿した。豪州ではアフガニスタン駐留兵が民間人を不当に殺害した疑いが発覚、法的責任の追及を進めている。中国外務省は、新疆ウイグル自治区の人権問題に関する批判をかわすねらいもあり、攻撃に打って出たかたちだ。
・豪州のモリソン首相はただちに(「画像は偽造されたものだ」などと)反発したが、ぎこちないようにもみえた。中国によってじわじわと首を絞められている事実は、豪州の板挟みを浮き彫りにする。他国から干渉されない意思決定能力や米国頼みの安全保障の維持と、最大の貿易相手国である中国との関係のバランスを探らなければならない。
・豪州が選択可能な戦略の幅は、米国の存在抜きに語れない太平洋地域の勢力バランスにかかっている。豪州は、2度の世界大戦やベトナム戦争など「西洋」が戦った戦争に参加してきたことを忘れてはならない。だが21世紀になったころには、豪州は人口構成や経済の面から、「アジア」の一員という位置づけに変わっていった。
・中国の報道によると豪州は、哺乳類が優勢だと哺乳類の仲間だと主張し、鳥類が勝てば鳥類の一員だと言い出すコウモリに例えられたという。モリソン政権が2018年8月に発足してから、日和見外交のつまずきが一段と増えているようにもみえる。もっとも豪州以外のインド太平洋諸国も、米ソ冷戦時代より、米中が覇権争いを繰り広げるなかでの外交のほうが難しいと認識しているだろう。
・4年間のトランプ米政権の対中強硬姿勢は、欧州からアジアまでを巻き込み、豪州の保守政権も応じてきた。豪州政府は18年、米国に同調するかたちで、高速通信規格「5G」から中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を排除することを決めた。豪州は米英など5カ国が機密情報を共有する枠組み「ファイブ・アイズ」の参加国として、米国と足並みをそろえる決意も揺らいでいないだろう。
・豪州は、日本の自衛隊と豪州軍が連携しやすくなる「円滑化協定」への動き、欧州との関係強化も進めている。こうした取り組みは、ジョンソン英首相らが呼び掛ける、主要7カ国(G7)に韓豪印を加えた「民主主義10カ国」(D10)への参加につながっていく可能性がある。
・しかし、壮大な戦略があれば、日々の外交のかじ取りを怠ってよいというわけではない。ツイッターに問題の画像を投稿した中国外務省の報道官は、比較的若い世代のナショナリストでフォロワーも多い。とはいえ一官僚にすぎないため、経験豊富な豪州の外交官らは、モリソン氏がわざわざ反応したことに驚いた。
・より効果的な対応だったと考えられるのは、日本式の控えめな批判や同盟国との共同声明だ。新型コロナの発生源の調査を求めた時のように、豪州の政権は思いつきをすぐに口に出してしまう。英国のテレビの政治コメディー「イエス・ミニスター」に登場する官僚、ハンフリー・アップルビーなら、(「浅はかだ」という皮肉を込めて)「とても勇敢だ」と評するだろう。
・豪州の率直な対中アプローチの行方に注目している国は多い。与党・保守党で嫌中感情が高まる英国では、中国との経済関係が密接になると、(中国からの)政治的な圧力に抵抗しにくくなるという見方がある。こうした見方からすれば、豪州は勇敢な態度で臨んでいるうえ、先見の明があるといえそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR24DI90U0A221C2000000
『【パリ=白石透冴】中国と欧州連合(EU)が年内合意をめざす投資協定について、フランスのリーステール貿易担当相は「強制労働をやめるとの十分な確約を中国から得ていない」と述べた。仏紙ルモンド(電子版)が23日、同氏のインタビューを掲載した。少数民族でイスラム教徒が多いウイグル族の強制労働を廃止することが合意の前提だとの認識を示した。フランスが慎重論を唱えたことで、合意の日程に影響が出る可能性もある。
リーステール氏は「強制労働をやめなければ、投資を促進することはできない」と語り、強制労働を禁じる国際労働機関(ILO)条約を中国が批准することが必要だとした。EU加盟国では「ベルギー、ルクセンブルク、オランダも我々と同じ立場だ。ドイツも(強制労働の停止を)重視している」と説明した。
リーステール氏は投資協定の内容に関して「中国は我々に技術移転を求め、出資比率に上限を設けている。対照的に欧州市場は開放されている。バランスを取りたい」とも主張した。
EUのドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は18日、中国との投資協定について「(交渉が)前進すれば、年内に結論を得られる」と語っていた。
米シンクタンク「センター・フォー・グローバル・ポリシー」は12月、中国が少なくとも57万人のウイグル族を綿花栽培などで強制的に働かせていたとの報告書を公表した。中国政府は強制労働を否定している。』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240NU0U0A221C2000000
『天然ガスをロシアからドイツに運ぶパイプライン建設計画を阻止するため、トランプ米政権が制裁を近く発動する方向で検討していることが23日、分かった。発動すれば完工が遅れる可能性が高く、米独関係は一段と悪化しそうだ。米欧同盟の修復を掲げるバイデン次期米大統領の足かせになりかねない。
米政府高官が23日、日本経済新聞の取材に対し、独ロのパイプライン建設計画「ノルドストリーム2」をめぐり「とても近い将来に制…』
・欧州の政府や企業に撤退を促している。欧州側の反応を見極めて、制裁の是非を最終判断するとみられる。事業計画はバルト海を通って全長1200キロメートルのパイプラインを建設し、90%以上がすでに完成している。
・トランプ政権や議会はノルドストリーム2について、北大西洋条約機構(NATO)が最大の脅威とみなすロシアに対する欧州のエネルギー依存度が高まると懸念してきた。パイプラインは経済再建がおぼつかないウクライナを経由しないため同国のガス通過料収入が大きく減るとの弊害もある。
・2021会計年度(20年10月~21年9月)の米国防予算の大枠を定める国防権限法案はノルドストリーム2について制裁対象を拡大する条項を盛りこんだ。具体的にはパイプライン建設をめぐる保険や機器認証、敷設船の改良などに関わる企業や個人が追加対象になるとされる。米政権は既存の制裁権限に加え、新法の活用を検討しているとみられる。
・トランプ大統領は23日、米軍の海外駐留縮小を制限する条項などに反対し、国防権限法案に拒否権を発動した。ただ上下両院は3分の2の賛成多数で再可決し、法案は成立する見通しだ。
・米財務省で経済制裁を担当したブライアン・オトゥール氏は「トランプ政権が保険分野に対して最大限の制裁を発動すれば建設は確実に遅れ、潜在的には中止につながる可能性がある」と指摘する。ロイター通信によると、ノルドストリーム2の関係者は国防権限法案が成立すれば「欧州の少なくとも12カ国の120社以上が影響を受ける可能性がある」と主張している。
・トランプ政権がこのタイミングで制裁に踏み切れば、21年1月の任期切れ前に「米国第一」の方針を支持者にアピールできる。米国はNATOの条約5条に基づきドイツをロシアから守る義務を負うが、ノルドストリーム2のようにドイツはロシアとのビジネスを拡大させる。これをトランプ氏は「米国の納税者にとって不公平だ」と非難する。対米貿易収支の黒字を抱えるドイツにトランプ氏はほぼ一貫して批判的な立場をとってきた。
・オトゥール氏は、バイデン氏が大統領就任後、ノルドストリーム2を批判しながら制裁を封印し、外交的解決を目指すとみる。トランプ政権下で進んだ米欧同盟の亀裂の修復を外交政策の柱に据えるからだ。具体的にはロシアが欧州へのガス供給を停止した場合に備えて綿密な対応策を事前に練ったり、ウクライナへの経済支援を確約したりするよう欧州諸国に求めると推測する。
・トランプ政権が先手を打って欧州企業に制裁を科せば、バイデン氏の構想は狂いかねない。ノルドストリーム2への制裁には同氏を支える米民主党の大半が賛成しており、制裁解除にはハードルがある。ロシアは米政府機関に対して大規模なサイバー攻撃を実施したとされ、米ロ対立は激しさを増す。制裁解除はロシアにビジネスを認めることを意味し、米国内でロシアに弱腰との批判を浴びるリスクがある。
・ノルドストリーム2はロシア北西部と独北部を結ぶ。事業費は95億ユーロ(約1兆2000億円)とされ、ロシア国営ガスプロム傘下の事業会社に独仏などのエネルギー5社が最大10%ずつの資金を拠出した。輸送能力は年間550億立方メートルで、19年のロシアから欧州への天然ガスの輸出量の約4分の1に当たる。20年半ばの稼働を目指していたが、19年に米議会が制裁の権限を大統領に付与し、内容を明らかにしたため、スイス企業が敷設作業を中断した。(中村亮)
ロシアのプーチン大統領は制裁発動を示唆する米国にも強気の姿勢だ=ロイター
・【モスクワ=小川知世】ロシアは外国企業に頼らず自力でノルドストリーム2を完工させると強調する。同国のプーチン大統領は17日の記者会見で、ノルドストリーム2は「事実上、完成している。我々は作業を終えるだろう」と述べ、米制裁下でも自力で完工させる考えを強調した。
・ロシア国営ガスプロム傘下の事業会社は11日、2019年12月に明かされた米制裁を受けて中断したノルドストリーム2のパイプライン敷設作業を約1年ぶりに再開した。再開は19年の制裁対象外の水深が浅い区域だ。
・ロシアは米国が自国産の液化天然ガス(LNG)の輸出拡大をもくろみ、事業に圧力をかけていると非難してきた。
・ロシアのペスコフ大統領報道官は24日「(仮に制裁が強化されれば)事態が複雑になる可能性はあるが、欧州もロシアも(ノルドストリーム2の)実現に関心を持っている」と述べ、事業が欧州の利益になると改めて主張した。タス通信が伝えた。
・一方、ロシアのエネルギー調査会社ルスエナジーのミハイル・クルチヒン氏は「いずれ事業の断念を迫られる可能性がある」とみる。ロシアのウクライナなどに対する外交方針が変わらない限り、制裁解除は期待できないと指摘した。
ガスプロムの政治経済学(2016年版) (3)
https://jp.sputniknews.com/blogs/201610172901292/























中国EU投資協定、年内合意へ交渉大詰め
EUに慎重論も、米はけん制
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2300W0T21C20A2000000
『【ブリュッセル=竹内康雄、北京=川手伊織】中国と欧州連合(EU)が年内合意をめざす投資協定の交渉が大詰めを迎えている。中国側は外資の受け入れ条件などで譲歩したが、EU加盟国の中からは中国の人権問題などで慎重論も出ている。米国も両者の接近を警戒しており、EUは難しい調整を迫られそうだ。
中国とEUの両者にとって、相手との貿易総額は2番目に大きい。投資協定が成立すれば双方の経済関係の強化につながる。…』
・EUのドムブロフスキス上級副委員長(通商担当)は18日、米メディアに「(交渉が)前進すれば、年内に結論を得られる」と語り、中国外務省の汪文斌副報道局長も「交渉はすでに最終段階に入った」と認めている。
・両者の交渉では、12月になってから中国側の交渉姿勢が軟化したという。欧州メディアによると、金融や製造業で中国進出企業の合弁条件を緩和するなど中国側が譲歩した。中国の姿勢が変化したことで年内合意の可能性が高まった。
・しかし、ポーランドのラウ外相は22日、「早まった合意よりもバランスのとれた合意がよい」と慎重姿勢を示した。ポーランド以外でも、強権的な行動が目立つ中国との関係強化に慎重な加盟国もある。
・EUはこれまで中国を人権問題や欧州へのサイバー攻撃などで批判してきた。最近では、中国の香港国家安全維持法の制定や少数民族であるウイグル族への弾圧などを受け、警戒感が強まっている。
・バイデン次期米政権も両者の接近を警戒する。サリバン次期大統領補佐官(国家安全保障担当)は22日、ツイッターに「(次期政権は)中国の経済慣行に関する共通の懸念について、欧州のパートナーとの早期協議を歓迎するだろう」と投稿した。EU側に拙速な合意をけん制した形だ。
・バイデン次期米大統領は、トランプ政権下の貿易摩擦で悪化した米欧関係を修復し、足並みをそろえて知的財産権の保護や補助金の削減を中国に迫る方針だ。政権移行期の空白を突き、欧州と中国が接近すれば、欧州と共同で対中包囲網を築き上げるバイデン氏の計画は最初からつまずく。
・一方で、米国に覇権争いを挑む中国は、大規模な貿易・投資協定を通じて、独自の経済圏づくりを急ぐ。11月に東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名し、習近平(シー・ジンピン)国家主席は環太平洋経済連携協定(TPP)への加入を「積極的に考える」と表明した。
・中国がEUとの交渉で譲歩する姿勢をみせた背景には、早期に成果を示す狙いがありそうだ。TPPへの参加は、国有企業改革や自国産の製品を優先する政府調達の見直しなどクリアすべき課題が多い。中国が関心を示す日中韓自由貿易協定(FTA)も、日本側は「RCEPの発効が優先」と関心は低い。
・欧州域内では新型コロナウイルスの感染拡大で経済が打撃を受けている。中国との投資協定は域内で最大の経済大国であるドイツが推進している。
・EUと中国との投資協定交渉は、中国で働く労働者の保護などで議論が続きそうだ。EUは中国との交渉と並行し、加盟国間の意見の集約と米国との利害調整という難しい課題をクリアする必要がありそうだ。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODB234FM0T21C20A2000000
『【上海=松田直樹】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は2021年にも独占禁止法を改正する方針を固めた。法改正で大手ネット企業の独占行為などの取り締まりを強化する。市場での影響力を高めているアリババ集団や騰訊控股(テンセント)などのネット大手をけん制する狙いもあるとみられ、中国経済の成長を引っ張ってきたネット企業の競争力に響き、イノベーション(技術革新)を阻む恐れもある。
全人代常務委員会…』
・全人代常務委員会の法制工作委員会の報道官は21日に開いた記者会見で、21年に法改正を審議する重点法案の中に独禁法を挙げた。法曹関係者によると、08年に施行された独禁法が改正されるのは初めてとの見方もある。
・独禁法を管轄する国家市場監督管理総局はこうした動きに先行し、20年1月に独禁法の改正案を公表してパブリックコメント(意見公募)にかけていた。21年に予定する法改正はその改正案を深掘りする方向で進むとみられる。
・改正案ではネット企業への独禁法の執行を強化するための布石とみられる文言が新たに盛り込まれている。「インターネット分野における企業の市場での優越的地位を認定するにあたり、(企業の)経済規模やデータ収集などの要素を考慮する」と条文に追加した。
・プラットフォーマーの定義を法律上も明確にし、市場での独占行為やビッグデータの運用などの取り締まりを強化することが念頭にあるとみられる。
・罰則規定の強化も新たに盛り込んだ。違反した場合の罰金額を従来の50万元(約800万円)から5000万元に引き上げた。さらに、独禁法違反の疑いがあれば管轄当局だけでなく、新たに公安当局も調査に参加できるとしている。
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アリババに迫る国家包囲網 党や政府が企業を支配下に
・11月にはアリババ傘下の金融会社アント・グループが当局の監督方針の変更で大型上場を延期した。その後も規制当局がアリババなど巨大ネット企業を念頭に独占的な行為を規制する新たな指針の草案を公表するなどネット企業への包囲網を強化している。
・独禁法改正に向けて、こうした足元の動きを反映したさらなる改正案を追加で公表する可能性もある。
・中国がこのタイミングで法改正にかじを切った背景にはネット大手の影響力が高まっていることがある。18日に終了した21年の経済運営方針を決める「中央経済工作会議」では重点課題の一つとして「独占禁止と資本の無秩序な拡大の防止を強化する」と盛り込んだ。
・ネット通販市場で5割超のシェアを占めるアリババは価格の決定権などで大きな影響力を持つ。急成長したネット企業が市場で大きなシェアを握り、中小零細企業が利益を圧迫されたり、淘汰されたりする構図がここ数年で鮮明となっている。
・中国政府は民間企業であるネット大手が市場で強大な力を持つことに警戒を強め、この数カ月で立て続けに規制案を公表して包囲網を築いている。
・西村あさひ法律事務所で上海に駐在し、中国企業の事情に詳しい野村高志弁護士は「中国当局はネット企業の成長を支援するため、これまでは独占行為に対して目をつぶっていた側面もあった。法改正に動き始めたことで、今後は法律を厳格に運用するという姿勢を示した」と指摘する。
・14日にはアリババやテンセント子会社などに過去のM&A(合併・買収)に問題があったとして、当局が独禁法違反で罰金処分を公表した。アント・グループなどは21日までに、当局が問題視したスマートフォンを通じて銀行預金を仲介するサービスを取りやめるなど事業への影響も出始めている。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN240BW0U0A221C2000000
『【ニューヨーク=宮本英威】ブラジルのサンパウロ州は23日、中国の製薬会社、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)が同州で実施している新型コロナウイルス向けワクチンの臨床試験(治験)について、有効性は50%以上に上るとの見方を示した。ただ結果公表は見送り、薬事当局への申請も先送りした。
シノバックのワクチン「コロナバック」については、サンパウロ州にあるブタンタン研究所で7月から治験を続けている。同州のジェアン・ゴリンシタイン保健相は、緊急使用に必要な「有効性は確認されているが、再評価が必要だ」と指摘した。
当初は12月上旬にも治験結果が公表される見通しだったが、遅れている。今後15日以内で結果を公表したい考えで、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)への申請を目指す。
サンパウロ州のドリア知事は7日には、2021年1月に中国製のワクチン接種を始めたい意向を示している。
シノバックのワクチンの治験は、ブラジルの他にインドネシアやトルコでも実施している。』
『外交政策 発行日: 2020年11月12日
親愛なるマダムスピーカー:(親愛なる大統領:)
国際緊急経済力法(50.C 1701 et seq.(IEEPA)、国家緊急事態法(50米国.C 1601 etseq.)、およびタイトル3、米国コードのセクション301は、私が資源に米国の資本の搾取を増加させ、その軍隊の開発と近代化を可能にするために、国家緊急事態を宣言する行政命令を発行したことをここに報告します、情報、および大量破壊兵器の開発と展開、高度な通常兵器、米国とその国民に対する悪意のあるサイバー対応行動を含む、海外の米国の祖国と米国軍を直接脅かすことを可能にし続けているその他のセキュリティ装置。
軍事・民間融合の国家戦略を通じて、中国の軍事・産業複合体の規模を拡大し、中国の民間企業に軍事・情報活動を支援するよう強要している。これらの企業は、表向きは私的および民間人であり残っているが、PRCの軍事、情報、安全保障装置を直接支援し、その発展と近代化を支援する。同時に、国内外の公的取引所で取引する米国の投資家に証券を売却し、これらの証券を市場提供に含むように米国のインデックスプロバイダーやファンドにロビー活動を行い、米国の資本へのアクセスを確保するための他の行為に従事することで、資本を調達しています。このように、中国は米国の投資家を利用して、軍事力の開発と近代化に資金を供給する。
行政命令は、上場証券、または中国共産主義の軍事会社のそのような証券への投資エクスポージャーを提供するように設計された証券に関する特定の購入を禁止しています。これらの企業は、国防総省が改正された公法105-261のセクション1237に従って記載した、または記載するものである、または同様の基準を使用して財務長官によって共産主義中国の軍事会社またはその子会社として識別されます。行政命令はまた、その禁止を回避または回避する、または回避または回避する目的を持つ取引を禁止します。
私は、財務長官、国防長官、国家情報長官、および他の執行部および機関の長と適切に協議して、適切な規則や規制を公布し、IEEPAによって大統領に与えられた他のすべての権限を採用するなど、そのような行動を取る権限を財務長官に委任しました。米国政府のすべての機関は、行政命令の規定を実行するために、権限内ですべての適切な措置を講じるように指示されています。
私は、私が発行した執行命令のコピーを同封しています。
誠に
ドナルド・J・トランプ』