カテゴリー: 中国の戦略
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中国海軍艦艇の動向について 令和5年9月16日 防衛省
https://www.mod.go.jp/j/press/news/2023/09/16a.html


『令和5年9月15日(金)午後7時00分頃、海上自衛隊は、屋久島(鹿児島県)南東の我が国の接続水域を西進する中国海軍シュパン級測量艦1隻(艦番号「26」)を確認し、同日(金)午後10時08分頃、当該測量艦が口之島(鹿児島県)北東の我が国領海に入域したのを確認しました。
その後、同日午後11時43分頃、当該測量艦が、口之島北の我が国の領海から出域し、西に向けて航行したことを確認しました。
海上自衛隊第13護衛隊所属「みくま」(佐世保)、第3ミサイル艇隊所属「しらたか」(佐世保)及び第1航空群所属「P-1」(鹿屋)が、警戒監視・情報収集を行いました。』
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中共軍機103機、台湾の防空識別圏に侵入 過去最多
https://www.epochtimes.jp/2023/09/174449.html
『2023/09/18 更新: 2023/09/18
台湾の国防部(防衛省に相当)は18日、昨日に確認された中国空軍機の数は103機に上ると発表した。うち台湾海峡の中間線を越えたのは40機。周辺海域では9隻の中国海軍の艦船が確認された。1日に確認された数としては過去最多となる。台湾軍はその動向を監視している。
中国空軍の作戦機はスーホイ30やJ-10、J-16などの戦闘機に加え、早期警戒機のKJ-500や空中給油機も確認された。一部の戦闘機はバシー海峡上空を飛行した。』
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台湾の、これまでほとんど知られていなかったメーカー「フトロン」社が、…。
https://st2019.site/?p=21481『Chen Chuanren 記者による2023-9-14記事「Mysterious Taiwanese Company Reveals Loitering Munition」。
台湾の、これまでほとんど知られていなかったメーカー「フトロン」社が、「H2B ハヤブサ」という名のロイタリングミュニションを、台北航空宇宙防衛技術エキシビジョンに出展した。なんとエンジンはジェット機関である。
主翼を畳んで格納しておく構造は「スイッチブレード600」に類似している。
「H2B」の自重は15kg。弾頭重量は5kg。
ジェットエンジンの型式は謎。もっと静かな飛行機にしたいユーザーのためには、プッシャープロペラ式に換えることもできるそうだ。
会社のジェネラルマネジャー氏は、フランク・ファンという名。
彼いわく。H2Bの航続距離は150kmである。滞空は1時間可能。衛星と交信するための、フェイズドアレイ・アンテナも備えているという。
次は「母機」を開発し、そこから6機の「H2B」を空中で放出させる計画だという。
この企業が謎なのは、ウェブサイトが無いのだ。
ネット上では2021年に、無人機を開発している会社として紹介されたことがある。』 -
シンクタンクの「AidData」によれば、中共は2001年いらい、後進国の…。
https://st2019.site/?p=21471『Andrew Thornebrooke 記者による2023-9-13記事「Inside China’s Global Military Expansion」。
シンクタンクの「AidData」によれば、中共は2001年いらい、後進国の港湾に対し、総額299億ドルを、貸したり投資したりして注ぎ込んでいる。
2000年以降、中共が手をつけてきた海外港湾は46ヵ国の78箇所におよぶ。シンクタンクは警告する。これは中共海軍のための軍港ネットワークを整備しているのだと。
中共の国防大学校が公表している「軍事戦略の科学」の2020年版には、遠洋での艦隊活動を支えるには多数の補給艦船が必要で、その補給艦船を支えるには海外で使える港湾のネットワークが必要だと明示してある。』
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中国政府、EVメーカーに「国産部品」使用指示…半導体など日米欧製品排除か
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230916-OYT1T50273/『 2023/09/17 05:00
中国政府が、中国の電気自動車(EV)メーカーに対し半導体などの電子部品について、中国企業の国産品を使うように内部で指示していることがわかった。世界的に急成長するEVの分野でサプライチェーン(供給網)を国内で完結させる狙いとみられ、今後、日米欧の部品メーカーは排除される可能性が高い。中国政府は自ら掲げる「高水準の開放」とは逆行し、成長分野での外資排除の動きを強めている。
ドイツのミュンヘンで開かれたモーターショーで展示された中国のEV大手・BYDの新型EV(8日)=AP
複数の関係者によると、中国政府で産業政策を担う工業情報化省の閣僚経験者が昨年11月、中国の自動車関連メーカーを集めた内部の会合で、「中国企業の国産品の部品を使う」ように口頭で指示を出した。国産部品の使用率に関する数値目標を立てることも求めたとされる。EVに使う半導体などが対象で、数値目標を達成できない場合には、メーカーに罰則が科される可能性があるという。
[PR]今月1日には、工業情報化省や財政省などが「自動車産業の着実な発展に関する作業計画(2023~24年)」を公表し、「自動車産業の供給網の安定と円滑性を確保する」としたうえ、供給網の安全を監督する枠組みを設立する方針を明らかにした。電子部品の国産品使用率の検査や車載用電池の認証制度の導入を実施していくとみられる。
在中国の外交筋は「閣僚経験者の口頭指示は外資排除の証拠を残さないようにするためだ。作業計画で供給網の 強靱 化を明確にすることで、各メーカーに国産部品の利用徹底を図ろうとしている」と分析している。 』
『中国の調査研究機関によると、中国の自動車部品の22年の市場規模は3兆8800億元(約78兆円)で、28年には4兆8000億元(約96兆円)になると予想されている。これまでは日米欧の部品メーカーが中国市場の大部分を占めていたが、中国企業は外資企業と合弁を組んで技術を吸収し、自動車部品の製造技術を大幅に向上させたとされる。ガソリン車からEVに急速に移行していく過程で、EV製造の中核となる電子部品で外資に依存せず、自前で調達する態勢作りを進めており、駆動装置以外はすべて技術を入手したという。
[PR]関係者は「中国企業がEVの部品製造で過当競争を仕掛ければ、日米欧のメーカーが国際競争力を失っていく。燃料電池車(FCV)などでも中国の製品が世界市場を席巻することになる」と警鐘を鳴らしている。 』
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中国流の脅威 風来庵風流記
https://blog.goo.ne.jp/mitakawind/e/dff4b8657c849f634fe4de5b08dd394a『欧州委員長フォンデアライエン氏は、世界のEV市場が「巨額の国家補助金で価格が人為的に低く抑えられた中国製EVで溢れている」と批判し、「我々の市場を歪めている」と主張したそうだ(13日付時事)。EV化を先導し炭素税導入をチラつかせて日本の自動車メーカー(特にハイブリッド車)を牽制して来たEUが今度は何を言い出すか・・・とも思うが(苦笑)、中国の非道はご指摘の通りで、今に始まったものではない。中国を忖度してきたEUもようやく重い腰をあげたかという印象である。
今から5年前、2018年の『通商白書』は、中国の鉄鋼産業において引き起こった過剰生産能力問題に関して、過去15年間の経緯と問題の要因について事例検証を行っている。中国の鉄鋼産業でWTO加盟を契機に投資が急速に拡大し、結果として設備が余剰となったのは、「主に地方政府所管の国有企業への過大な融資・政府補助等が要因であると考えられる」と結論づけた。融資については、「多くは大型商業銀行や政策性銀行、株式商業性銀行の地方支店で(中略)時に地元企業への融資判断が甘くなりやすい」点が指摘され、「市況と逆行した銀行による過大かつ低利な融資が関係していることが示唆される」とともに、企業への政府補助金の交付元は地方政府が大半を占め「事実上企業の赤字補填および低収益性の企業の延命措置となったことが示唆される」、としている。
経産省の検証はデータをもとにしたマクロなもので、肌感覚からはちょっと遠い。当時、巷ではミクロに、国営企業だから市況に関わらず、すなわち需給を慮ることなく従業員に給与を支払い続けるために操業を続け、在庫をためて叩き売らざるを得なくなって、世界を大混乱に陥れた、と非難された。これが国家資本主義かと、嘆息したものだ。
先の『白書』は、「中国中央政府は2000年代から中国鉄鋼産業の過剰生産能力を問題視していた」とも述べている。では何をしたかと言うと、「2005年には国務院『鉄鋼産業開発政策』において、鉄鋼産業の構造調整の必要性が唱えられ、小規模施設の廃棄等が指示されている。また2013年には『深刻な生産能力過剰問題の解消に向けた指導意見』において設備の新規建設の禁止及び削減目標の設定が行われる等、数多に及ぶ生産能力調整政策を実施した」のだそうだ。なんだかまどろっこしいが、これが国家資本主義の実相である。
また、『白書』は、中国の鉄鋼産業で生じた過剰生産能力問題は、今後は他産業においても生じる可能性があるとして、集積回路産業を挙げているが、太陽光パネルに関しては現実化し、中国以外の競合メーカーが淘汰されてしまった。
かつて中国が「世界の工場」としてもてはやされ、日本やアメリカやドイツをはじめとする外資が挙って進出し、安い労働力を使って安い製品を世界中に輸出し、世界を潤す一方、それぞれの国内産業の空洞化を招いたのは自業自得で、世界の市況は外資によってそれなりにコントロール出来ていた。ところが豊かになった中国が自律的に自国の経済運営を考え、「中所得国の罠」を抜け出すべく、2015年に「中国製造2025」などと言い始めて、国策として先端技術の国産化を目指すようになると、融資や補助金によって、世界の特定産業に歪みをもたらすようになった。華為には8兆円もの開発費が補助金交付されたと言われ、14億人の国内市場で量産効果をあげて、世界に打って出る頃には、世界の通信機器メーカーに太刀打ち出来るところはなかった。
カナダを代表する通信機器メーカーだったノーテル・ネットワークスのサーバーがハッキングされ、大量の顧客情報や技術情報が流出したのは2004年のことだった。その後、2009年までにノーテルは経営破綻するが、同社の情報がどこに流れたのか定かではない。確かなのは、結果として華為が衰退するノーテルから大口顧客を奪い、5G移動通信ネットワークをリードする開発人材約20名を引き抜いたという事実である(以上は、2020年7月6日付Bloomberg)。ノーテルは華為のその後の飛躍の跳躍台に使われた可能性があり、その後のカナダの中国との確執もそこに(one of themかも知れないが)根差している可能性がある。
中国がせいぜい数千万人規模の中・小国家であれば、その国家資本主義的な経済運営が世界経済に整合的ではなくても、影響は限られる。しかし14億人と言えば、EUの3倍近く、平均的な国家規模で言えばゆうに20~30ヶ国に相当し、そんな超大国の国営企業は世界的に見れば独禁法違反と言うべきで(笑)、それを誰も言い出さないのが不思議でならない。その国際経済と整合的ではない経済運営は、原則として自由であるべき経済秩序を脅かし、今や、その教科書的な存在だったアメリカでさえもインフレ抑制法など中国寄りの政策で対抗せざるを得ない始末である。
欧州委員長の発言を受けて、中国共産党系の環球時報は社説で、「中国の新エネルギー車はドイツで最近開かれた国際自動車ショーで輝きを放ち、羨望や嫉妬の声さえ聞かれたが、われわれは欧州の反応がこれほど『行き過ぎ』たものになるとは予想していなかった」と指摘、「公正な競争を通じて市場を勝ち取る自信と勇気が欧州に欠けているのであれば、EV産業で競争力を確立することは不可能だ」と言い放った(9月15日付ロイター)。中国は、と言うより中国共産党は、プロパガンダを得意とし、福島原発処理水の海洋放出で見られたように、行動はいざ知らず、ウソを拡散して恥じることがない。国際社会にとって整合的ではなく如何に迷惑かを思い知らせるには、アメリカのように体力があるからと言って対抗措置をとって対立をエスカレートさせるよりも、EUのように、また今はまだ中間財を中国に輸出して中国経済のアキレス腱を握る日本などはCPTPP加盟問題で厳しく審査するなど、中国の行動変容を求めて地道に力強く働きかけて行くしかない。』
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中国不動産不況の衝撃 マネー流出も【中国経済コラム】
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230915/k10014195361000.html






※ 今日は、こんな所で…。
『2023年9月15日 15時58分
「中国の不動産問題のフェーズが変わった」
中国経済に詳しいエコノミストの言葉です。今、中国の不動産不況が世界の金融市場にも悪影響を及ぼし始めています。不動産大手の経営悪化は地方の財政問題にも飛び火し、中国政府が恐れていたマネー流出も起きています。(中国総局記者 下村直人)
不動産最大手もついに…
冒頭の「フェーズが変わった」との言葉のきっかけになったのは中国の不動産最大手「碧桂園」が8月初旬に一部の債券の利払いを先送りしたことでした。
「碧桂園」はこれまであまり名の通った会社ではありませんでした。
経営危機に陥っている不動産大手「恒大グループ」はサッカーチームの運営やEV=電気自動車の製造など、“派手に”多角化を進めてきたこともあり、知名度がありました。
これに対して「碧桂園」は国内の地方都市の開発などを中心に成長してきた会社なだけに、これまで国際ニュースの話題になることがあまりなかったのです。
しかし、今や「碧桂園」は世界でニュースの中心に躍り出ています。
英語名「Country Garden」は欧米メディアでも頻繁にとりあげられ、アメリカの有力紙「ニューヨーク・タイムズ」は「Country Gardenが新たな懸念をもたらしている」などと伝えています。
2023年8月30日に発表した中間決算では489億人民元、日本円で9800億円の最終赤字に陥り、会社は「今後も業績が悪化し続ければ、デフォルト=債務不履行に陥る可能性がある」と投資家に脅しともとれるようなメッセージを送りました。
株価下落を引き起こし…
中国不動産最大手のデフォルト危機とあって中国の株式市場では、株価の下落傾向が続きました。
上海株式市場では、株価指数が8月25日に一時、ことしの最安値をつけました。
7月31日の高値と比べると、8%余りの下落です。
中国政府が恐れるマネー流出も
さらに中国政府が恐れていることが起きています。
資金の流出です。
中国政府は公表していませんが、アメリカ・ワシントンに本部があるIIF=国際金融協会がまとめた資金の流れによると、ゼロコロナ政策の解除以降、中国の株式市場へは資金の流入傾向が続いていましたが、8月は、一転して巨額の資金が流出しました。
その額は、149億ドル、日本円で2兆1000万円余りにのぼったのです。
人民元安も進む
資金の流出は、株式市場からだけではありません。
外国為替市場で、中国の通貨・人民元も売られています。
2023年9月8日には、1ドル=7.35台まで値下がりし、15年9か月ぶりの安値を更新しました。
加速する元安に危機感元売りを抑えるため、中国人民銀行は取り引きの目安となる「基準値」を、元高方向に設定するなど、通貨の防衛姿勢を強めています。
また、市場介入には慎重な姿勢を示しているものの、9月7日に発表した8月末時点の外貨準備高は、前の月(7月末)から442億ドル、日本円で6兆4500億円あまり減少。
市場関係者のひとりは、「予想以上の規模の減少であり、通貨を防衛するために介入した可能性もあるのではないか。人民元安は資金流出を加速させるおそれがあり、当局は、相当危機感を強めているはずだ」と話していました。
地方財政をゆるがす
経営難が明らかになった「碧桂園」。
やっかいなのは地方財政と結びついている点です。
中国では土地は国有で、地方政府が土地の使用権を不動産開発会社に売って、その収入をインフラ開発の財源にあててきました。
地方都市での開発に力を入れてきた「碧桂園」の経営難は、不動産業界に依存してきた地方政府の財政悪化につながりかねず、経済に大きな打撃を与えるおそれがあるのです。
「住宅を建築するだけでなく、住宅所有者に包括的なライフスタイルのソリューションを提供する」
「ブランド価値は不動産部門を超えて拡大した」
これは2018年、碧桂園がアメリカのフォーチュン誌が発表する世界の企業の売り上げに基づくランキング「フォーチュン・グローバル500」の353位になったときのプレスリリースの文言です。
住宅建設だけにとどまらない事業拡大に会社が自信を深めている様子が手に取るように伝わります。
不動産投資熱とバブルの崩壊。
経済悪化や金融危機の発端の多くが不動産由来であることは日本のバブル崩壊と不良債権処理、アメリカのサブプライムローンの焦げ付きから起きたリーマンショックを見ても明らかです。
経営難に陥った碧桂園は、年内に日本円で3000億円を超える返済が必要になるとされ、デフォルト懸念が依然、くすぶります。
中国経済がどのような道をたどっていくのか、歴史を繰り返さないのかどうか、世界の金融市場が神経を使う展開が続きそうです。
注目予定
来週は、アメリカ・FRB=連邦準備制度理事会の金融政策を決定する会合が開かれます。
利上げ見送りが市場のおおかたの予想ですが、日本時間21日未明にパウエル議長が今後の政策について、何を語るのかが焦点です。
また、22日は日銀の金融政策決定会合が開かれます。
市場で、金融緩和策の修正が視野に入ってきたという見方も出ていて、こちらも植田総裁の会見内容が注目されています。 』
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米国の対中対話仕切り直しは不発:バイデン流「競争管理」に限界か?
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00927/『 米国が「最大の戦略的競争相手」と位置付ける中国との対話外交が壁に直面している。背景にあるのは、対決を極力回避し、対話によるソフトな競争を志向するバイデン政権の対中政策だ。米国は6月下旬~7月、ブリンケン国務長官を含む閣僚・高官3人を北京に送り込んだものの、中国側にいいようにあしらわれた感が強く、「競争管理」の限界を指摘する声も上がっている。
台湾海峡の波高く
米中間の軍事的緊張は1年前の昨年8月、ペロシ米下院議長(当時)が台湾訪問を強行したことで一気に高まった。訪問に強く反発した中国は、台湾周辺でかつてない大規模演習を展開し、中台間で「暗黙の休戦ライン」とされていた台湾海峡の中間線を越えた海空域への侵入を常態化させるようになった。軍事的威圧のエスカレートは今もなお続いている。
欧州のウクライナに加えて台湾海峡の緊張を抱え込んだバイデン大統領は昨年11月、インドネシアのバリ島で行われた習近平・中国国家主席との首脳会談で、ブリンケン国務長官を年明けにも訪中させて「米中対話を仕切り直す」という合意にこぎ着けた。誤解や偶発による軍事衝突を何よりも恐れたバイデン政権の側から、高官対話による意思疎通を切望した形だった。ところが、今年2月に予定されたブリンケン長官の北京訪問は、直前に中国の軍事偵察用気球の米領空侵入・撃墜事件が起きたために、いったん中止されてしまった。上座と下座――まるで王朝外交
長官の訪問がようやく実現したのは、その4カ月後の6月18日だ。しかし、中国側は米国の足元を見るような対応に終始したと言ってよい。その典型が翌19日に行われた習近平主席とブリンケン長官の会談だった。
北京の人民大会堂で行われた長官一行との会談で、習氏はテーブルの中央に陣取り、長官を下座にあたる右手の離れた席に座らせた。その上で「国と国との交流は常に相互尊重と誠意に基づかなければならない」と訓戒を垂れるなど、いかにも上下の格の差を際立たせるような映像が公開された。
会談は明らかにブリンケン長官を格下に扱った「意図的な演出」と疑われ、米メディアでは「驚くべき外交儀礼の無視」、「従属者を謁見するような王朝外交」との声が上がった(※1)。過去に習近平氏が国務長官を迎えた会談では、2015年のケリー長官、2018年のポンペオ長官ともに同じソファーに隣り合って座り、上下の隔たりをみせなかった。また、ブリンケン長官の3日前に行われたマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏との会談でも、同じソファーで歓談しており、ブリンケン氏に対しては冷遇が際立つ演出だった。
じらし戦術したたかに
ブリンケン長官は会談後の記者会見で、この件には触れずに「高官級の継続的な意思疎通こそが競争が衝突に至るのを防ぐ最善の方法だ」と訴えた(※2)。にもかかわらず最大の問題は、偶発的衝突を避けるためにバイデン政権が最も強く求める国防当局間の対話再開に中国が応じなかったことだろう。
経済の失速傾向が強まっている中国にとっても、対話を通じた経済交流の再開を喉から手が出るほど欲しいはずで、台湾をめぐる軍事衝突が好ましくないことは論を待たない。だが、米側が前のめりに対話再開を求める限り、これをじらし続けたり、つれなく扱ったりすることで駆け引きの先手を取り、外交カードに使うことができる。中でも、国防当局間の対話再開は中国にとって絶好のカードである。台湾への威圧を高めれば高めるほど、米国は対話を懇請してくるという図式だ。
米識者の中には、ブリンケン長官の訪中を「前のめりに過ぎた」と受け止め、バイデン政権が「くみしやすい相手」と侮られていると批判する意見も少なくない(※3)。バイデン大統領はブリンケン長官以降も、イエレン財務長官(7月7日)、ケリー気候変動問題担当大統領特使(同17日)を相次いで北京に派遣し、米中間の意思疎通の拡大を図っているが、肝心の「軍事衝突リスク」の回避につながる決定打は得られていないのが現状だ。
「対決なき競争」の行方
バイデン大統領は11月に米国で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の場で習近平氏と本格的な首脳会談を設定し、「トップ交渉」で対話外交の壁を打破することを画策しているという。これに対し、したたかな中国は「対話」の代償を高めるために、ぎりぎりまで米国を揺さぶる戦術を展開する可能性が高い。
そもそもバイデン政権は、発足当初から中国との戦略的競争について「新冷戦は求めない。対話を通じて『対決なき競争』を進める」と訴え、新たな「競争管理」政策を掲げてきた。
トランプ前政権は、いわゆる「新冷戦」も辞さず、関税・貿易戦争も含めて「対決を辞さずに競争する」との強硬な対決路線を掲げ、中国に対して常に先手を取ってきた。同盟諸国との協力を無視したり、「自国第一主義」にこだわって国際協調を損ねたりする欠陥も多かったが、少なくとも中国に侮られることはほとんどなかった。
これに比べて、「圧力よりも対話」に頼るバイデン流「競争管理」は、ともするとオバマ政権時代に破綻が明らかとなった融和的な「関与政策」への逆もどりの道を歩む危険性も指摘されている。対話を求めるだけで緊張の緩和が得られるという保証はなく、中国をさらなる大胆な行動へ導く恐れもある。対決を回避すること自体は重要だが、その手段・方法は対話だけとは限らない。同盟・パートナー諸国と共に抑止と備えを強化・充実し、時には相手を突き放してみせる強い姿勢を示すことも必要だ。
バナー写真:ASEAN(東南アジア諸国連合)外相会議の機会に組まれた個別会談で、中国外交トップの王毅共産党政治局員(左)を促すしぐさを見せるブリンケン米国務長官=2023年7月13日、ジャカルタ(AFP=時事)
(※1) ^ “Xi Jinping meets with Blinken. Seating arrangements are as follows: Subordinates meet with superiors to provoke discussion,” Fire News Video, 20.06.2023
(※2) ^ “Blinken Meets Xi as China and the U.S. Try to Ease Tensions,” NYT, June 19, 2023.
(※3) ^ 読売新聞6月20日朝刊「賢く駆け引き必要 元米国務次官補デビッド・スティルウェル氏」など。 』






