このページの一部のコンテンツは、Nikkei Business Publications からの DMCA 取り下げ通告があったためDecember 22, 2020に無効にされました。DMCA について詳しくはこちらをご覧ください:
投稿者: http476386114
-
-
トランプに劣らぬバイデンの「不都合な真実」
【緊急現地ルポ!】
山田敏弘 (国際ジャーナリスト)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/21369


『米大統領選が11月3日に行われてから、事前の予想通り、ドナルド・トランプ大統領が不正選挙だとゴネ続けている。結局のところ、一部の人たちの主張とは裏腹に、選挙結果に影響を及ぼすような不正は見つかっておらず、選挙結果が覆ることはなさそうだ。
1月20日に第46代米国大統領として就任するのはジョー・バイデンということになる。バイデンはトランプのように強烈なキャラクターではないために、米国が少し落ち着いた雰囲気になったと感じるのは間違いないだろう。逆に言えば、バイデンはちょっと凡庸なリーダーのように見えるかもしれない。もっともそれが今、混乱極まるアメリカで今、国民がリーダーに求めていることだということである。
筆者は今回の大統領選ではワシントンに入って取材を行なっていた。ある知人の元連邦職員は選挙後に「トランプでなければ誰でもいいから民主党のバイデンに入れた。バイデンも過去を振り返るとまあいろいろあるけど、しょうがない」と語っていた。
実はトランプと比較されることで折り目正しいリーダーに見えるバイデンはその政治家人生を振り返るとクリーンなイメージとは異なる側面もある。そう、「いろいろ」あったのである。
そこで、バイデンのこれまでのキャリアに見る「不都合な真実」にスポットライトを当て、その人物像に迫ってみたい。
ホワイトハウス近くのマクファーソン公園で選挙時翌日にバイデンの講演をパブリックビューイング(筆者撮影、以下同)
いつの間にか忘れられたウクライナ疑惑
まず初めに、いつのまにか忘れられつつある、今回の選挙戦でバイデンに浮上した「疑惑」について言及しておきたい。息子ハンターによる、ウクライナと中国にまつわる話である。
簡単に説明すると、バイデンが副大統領だった知名度などを利用し、アルコール依存症などの問題を抱えてきた息子ハンターが、ウクライナと中国の企業からお金を受け取っていたとされる。ウクライナのケースでは、ハンターが、ウクライナで汚職事件の捜査対象になったガス企業の取締役を務めていたことで、バイデンが検察に働きかけをしたとの疑惑があり、それに絡んでバイデンが同企業幹部と会談したというスキャンダルが大統領選直前に取り沙汰された。
バイデン側は当時のスケジュールにないとして完全否定。ハンターのプライベートな電子メールのやりとりがあやしい出元から出てくるなど、話の信憑性にも疑問符がつけられたこともあって、この話はあっけなく収束したのである。
中国のケースでは、中国国有企業の支援を受けた企業の取締役を務めていて、そこからのカネがバイデンにも流れたと指摘された。証拠は出てなかったため、結局大した話にはならなかったが、ハンターは大統領選前にその企業の取締役を辞めている。
息子のハンターは、個人的にもアルコールや薬物依存の問題を抱えており、足元をすくわれかねない動きも少なくなかったために、バイデンを貶めるための格好の標的とされてきた。「バイデンとハンターがビジネスがらみの話をお互いにしない」というのはこれまでもあちこちで報じられてきた事実であったからか。今回の疑惑もバイデンとのつながりは薄く、選挙戦を崩壊させることはなかった。
バイデンは「失言マシーン」!?
今回の選挙では、こうした疑惑以外にも、トランプがバイデンについて「攻撃」を繰り返したことがある。バイデンの失言である。終盤の遊説では、トランプは必ずバイデン叩きのビデオを会場のビッグスクリーンで流していた。
例えば、バイデンは、大統領選を「上院議員選」と言い間違えたり、トランプの名前を「ジョージ」と間違えたり、州の名前を間違っていたり、コロナで20万人死亡と言うところを2億人と言い間違えたりしている。そうした姿を切り取り、集めた動画をトランプは得意げに披露した。
もっとも、バイデンの過去を振り返っても、実はバイデンの失言癖は有名だった。バイデン自身も2017年の自叙伝で自分は「失言マシーン」であると自虐的に書いている。有名な話では、2008年には「オバマは、言葉が明瞭で輝いていて、クリーンで、見た目もいい初めての黒人だ」と失言。2020年3月には、「バイデンに入れないなんて黒人じゃない」とも語って謝罪している。
また2008年に、聴衆にいる車椅子の州議会議員に対して、「顔が見えないから立ってくれ」と話して失笑を買っている。2006年には、自分の地元デラウェア州ではファストフード店やコンビニは「インドなまりの英語ばっかりだ」と述べている。こうした発言は枚挙にいとまがない。
バイデンがこうした発言をしていることを、意外に感じる人もいるかもしれない。だがバイデンの政治家としてのキャリアを振り返っても、お世辞にもバイデンは「心清らか」な政治家ではなかった。何も失言が多いのはトランプばかりではない。
ワシントンの至る所に設置されたバイデンとハリス支持のポスター
経歴の嘘も連発
バイデンの政治家としてのキャリアは47年になる。1942年にペンシルベニア州の中流層の家庭に生まれたバイデンは、デラウェア大学からシラキュース大学の法科大学院を卒業。「私は(東海岸の伝統的私立エリート校グループである)アイビーリーグの出身ではない」と庶民派であることをアピールしている。
成績はいまいちだったが、卒業後は弁護士として働く。その後、郡議会議員になってから連邦上院議員に初当選。72年の当選から就任までの期間に、事故で妻と娘を失い、以降は生き残った2人の息子を育てた。77年には現在の妻であるジルと再婚し、娘をもうけている。
上院議員として、これまで3度、大統領選に挑戦してきた。今回は3度目の正直で当選したことになる。2度目は予備選で飛ぶ鳥を落とす勢いだったバラク・オバマ前大統領に敗れ、代わりに副大統領候補となり、オバマ政権に入った。
実は87年に初めて大統領選に出馬した際のバイデンは、惨憺たるものだった。当時から失言は変わらず、遊説中に質問した有権者に「私は君よりもIQはかなり高い」とキレた姿も残っている。また、法科大学院時代は成績優秀だったと話していたが、それが嘘だったことがばらされた。さらに公民権運動で活動家たちと一緒に数多くの行進に参加したと主張していたが、それも嘘で参加したことはなかった。極めつきは、スピーチを行った際の内容が、国外の政治家などから完全に盗用したものだったことが指摘され、「過ちだった」と詫び、選挙から撤退した。
その後は2008年の2度目の大統領選挑戦まで、上院議員として、上院司法委員会や外交委員会で活躍した。
「嘘ばっか言ってんじゃない!」「だまれ!」
バイデンの人柄については、トランプと比べて大人な政治家のイメージがある。実はキレやすい側面もある。2019年12月、アイオワ州の遊説先で聴衆からバイデンの息子がウクライナで汚職をしたという疑惑について質問され、感情的に「あなたはひどい嘘つきだ」と声を荒げ、さらに「あんたには投票しない」と言われたことで「あんたは私に投票するには年寄りすぎるよ」と語った。2020年3月にデトロイトの自動車工場を訪問したバイデンは、従業員から「憲法修正第2条(銃器を保有や所持する権利の根拠とされる憲法)の権利を積極的に阻止しようとしているではないか」と非難され、「嘘ばっか言ってんじゃない!」「だまれ!」とキレた。
もう一つ、バイデンの過去で特筆すべきは、セクハラ疑惑だ。2019年4月には、「MeToo運動」が話題になっていたこともあり、元スタッフから、27年前にセクハラされたと告発された。それ以外にも何人か、不快な感じでハグやキスをされたなどと名乗り出たが、大ごとににはならなかった。
バイデンは、他人との距離感が近いことがあったことを認め、「常によい人間関係を築こうとしていたからだ」と潔く認めている。その上でこう述べた。「私は、個人のスペースの境界線はリセットする。わかった。わかった。みんなが指摘していることはよくわかった。さらに心に留めて、私の責任として距離感は守る」
ワシントン大統領選当日の午後_奥に見えるのがホワイトハウス
対中関係よりも懸念の外交実績
バイデンは中国とも積極的に交流を行なっていたことから、トランプは遊説でも、バイデンが中国に近すぎると批判した。バイデンが、胡錦濤国家主席の隣で「中国の台頭はいいことだ」と話したり、「中国が繁栄するのは米国の国益にもかなう」と語っているビデオを紹介した。事実、その点を突かれたバイデンは、中国は「敵ではなく競争相手である」と語っている。これまでも、バイデンは中国には融和的だったのは確かである。
だがそれはアメリカ自体が中国を今のように敵視していなかったことが背景にある。バイデンが上院議員としてのキャリアをスタートさせたのは、1972年にリチャード・ニクソン大統領が中国を電撃訪問して国交を正常化した翌年の73年のこと。それから米国は中国を経済的に解放させながら、常に上から目線で、中国は自分たちでコントロールすることができるという認識で付き合ってきた。
それが間違いだと気が付いたのは、2015年のこと。習近平政権が、「中国製造2025」をぶち上げて、世界の工場から世界を率いるようなイノベーションを起こせる国になると主張したときだった。5GやAIの分野などで2025年には世界を率いる存在になるべく国家を挙げて動き、中国共産党革命100周年になる2049年の世界制覇に向けて大きく踏み出すとの姿勢を明らかにした。当時、オバマ政権で副大統領だったバイデンもその流れは明確に把握しているはずだ。だからこそ、バイデン政権になっても中国に対してソフトになることはないと関係者らは強く語っているし、中国側もバイデンを与し易いとは見ていない。
要するに、バイデンがそれまで中国とお気楽に付き合っていたとしても罪はないと言える。今回の選挙戦線では、ロシアは脅威だが中国は競争相手と言ってみたり、「習近平の辞書に民主主義という言葉はまったくない。悪党だ」と語っている。中国にソフトに行くことはないだろう。
それよりも気になるのは、ジョージ・W・ブッシュ時代からバラク・オバマ時代にも国防長官を務めたロバート・ゲーツは、「過去40年の間にバイデンが行った外交的な決定はすべて間違っていた」と述べていることだ。
例えば、米国的には成功とされる1991年のイラク戦争に反対。米同時多発テロ後の2002年のイラク戦争への武力行使に賛成し(今は反対したと主張している)、泥沼化したイラクで2007年の「サージ(戦闘部隊の増派)」にも反対したが、その作戦がイラクの泥沼を終わらせたと言われている。2011年には国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディンの殺害作戦に反対したという。
こうした懸念があるものの、外交については側近などの影響もあるし、時代も変わっていくことから、これからの決断に注目したい。
1月20日に大統領に就任してから、おそらくバイデンの過去に見られる、失言や短気な「特徴」はちょこちょこ表面化する可能性はある。今回、バイデンに投票したというワシントン近郊メリーランド州で選挙ボランティアをしていたアルバ・キャストロは筆者にこんなことを言っていた。「失言などがバイデン大統領の足を引っ張らないといいのだけど」
(文中一部敬称略)』
-
【点描・永田町】石破氏の領袖辞任と“ポスト菅”
2020年11月15日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020111200807&g=pol

『石破茂元幹事長が石破派(水月会)会長を辞任したことが、自民党内に複雑な波紋を広げている。石破氏は「自民党総裁選での惨敗の責任を取る」と説明したが、同党内では「自らが立ち上げた派閥なので、会長辞任は石破派の解散を意味する」(閣僚経験者)との見方が多く、早速他派閥から石破派所属議員に対する勧誘工作が始まっており、“ポスト菅”レースへの影響も注目を浴びる。
自民・石破派、会長選び難航 草刈り場の懸念石破氏が突然、派閥会長辞任を宣言したのは、10月22日の石破派臨時総会。石破氏は9月の党総裁選で68票に終わり、377票の菅義偉首相には遠く及ばず、89票の岸田文雄前政調会長にも差をつけられての最下位となった。特に、安倍晋三前首相との一騎打ちとなった前回18年の総裁選で獲得した73票の国会議員票が、今回は26票に激減。自民党内での議員支持の少なさが、石破氏の党内的孤立を際立たせた。今回の会長(領袖)辞任は「(石破派の)みんながつらい思いをしてきたことに対して、言葉だけでは足りない」との切実な思いからで、「何度も反すうし、懊悩した」と苦しい心境も吐露した。
石破氏は当選11回で、ポスト安倍候補では最長の議員キャリア。総裁選出馬も今回が4度目で、周辺では「これが最後の戦い」との声も出ていた。常に正論を吐き、安倍氏や麻生太郎副総理兼財務相が首相在任中に失政批判の高まりで窮地に陥った際、「党のために退陣すべきだ」と直言したこともある。ただ、安倍、麻生両氏は周囲に「あれは絶対に忘れない」と漏らしたとされ、党内には「それが今回総裁選での“石破つぶし”につながった」(自民幹部)との見方も多い。
安倍氏の無投票再選となった2015年9月の総裁選直後に、20人の議員で旗揚げした石破派だが、各種世論調査でのポスト安倍人気投票で他候補を圧倒し続けていたにもかかわらず勢力は拡大せず、今回総裁選でも必要な推薦人20人にも届かない19人に留まっていた。総裁選惨敗を受け、石破氏は所属議員と今後の派閥運営について意見交換してきたが、「いつまでも反主流派では、議員としての活動が制限される」(派幹部)などの不満も少なくなかったとされる。
◇「孤立の果ての撤退宣言」との声も
石破氏は会長辞任に当たり、石破派事務総長の鴨下一郎元環境相に後任会長を打診したが鴨下氏は固辞し、他の有力議員も“及び腰”だったことで、後任選びは難航。辞任後初となるはずだった10月29日の派閥例会も「何も決まらないままでは開けない」(幹部)と、中止を余儀なくされた。石破氏に次ぐ当選10回の山本有二元農林水産相も派閥の会長代行退任を表明し、「もはや派閥の体をなさず、存続も危ぶまれる状態」(幹部)になりつつある。このため、早くも竹下、岸田両派が、それぞれ親交のある議員の“引き抜き”工作に着手したとされる。
首相の総裁としての任期が切れる来年9月には、再び総裁選が実施される。領袖を辞めた石破氏は「これから先もその立場を与えていただけるとありがたい」と出馬に含みを残すが、「推薦人も確保できない」との厳しい声も相次ぐ。今回、石破氏と「2位争い」を展開した岸田氏も石破氏の辞任に当惑を隠さず、「菅政権が着実に実績を挙げていけば、石破氏の会長辞任で無投票再選論が強まる」(岸田派幹部)との見方も出る。今回総裁選で石破氏が好んで揮毫したのは「鷙鳥不群」(しちょうは群れず)。「猛禽類の鷲や鷹は群れない」という意味だが、石破氏の党内の立場も象徴している。それだけに、自民党内では石破氏の会長辞任を「孤立の果ての総裁選撤退宣言」(長老)と受け取る向きも少なくない【政治ジャーナリスト・泉 宏/「地方行政」11月9日号より】。』
-
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66348020X11C20A1910M00/
『【ソウル=共同】米誌ニューヨーカーは17日までに、北朝鮮の金正恩体制打倒を訴える団体「自由朝鮮」が、2017年の金正男氏殺害事件後に息子のハンソル氏らを台湾からオランダに逃がそうとした際、米中央情報局(CIA)職員を名乗る男性2人が身柄を引き取っていったとする団体リーダーの証言を報じた。ハンソル氏の現在の所在地は不明としている。
団体リーダーのアドリアン・ホン・チャン氏が、韓国系米国人作家スキ・キム氏とのインタビューで明らかにし、同誌が寄稿文を掲載した。この団体は、事件後にハンソル氏らを安全な場所に移したと表明していた。
同誌によると、リーダーは13年にハンソル氏とパリで初めて面会。事件直後にハンソル氏から、当時住んでいたマカオから母と妹と一緒に脱出させてほしいとの要請があったという。』
-
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66319810X11C20A1FF8000/
【ブリュッセル=竹内康雄】欧州連合(EU)の首脳が7月に合意した復興基金案の成立が遅れている。基金からの資金分配について、権力の乱用を法で縛る「法の支配」の順守を条件とすることにハンガリーとポーランドが反対しているためだ。新型コロナウイルスによる打撃を和らげる基金が2021年から稼働できなければ、欧州の景気回復に影を落とす。

ハンガリーのオルバン首相はEUの復興基金案に反対する(10月のEU首脳会議)=ロイター 「拒否権を発動した」。ハンガリー政府報道官は16日、ツイッターに21年からのEU中期予算案と復興基金案に反対したと投稿した。AP通信によると、同国のオルバン首相はEU議長国ドイツのメルケル首相とミシェルEU大統領らに宛てた書簡で「全体で合意するまで(特定の)何かに合意することはない」と、法の支配の問題が解決されない限り、両案に同意しない考えを伝えた。
EU首脳は7月、7500億ユーロ(約94兆円)規模の復興基金案で合意した。復興基金は21年から7年間のEU中期予算の一部として、新型コロナウイルスの被害の大きい地域に資金を供給するために設けられる。新型コロナで傷ついた経済の回復を後押しする。
7月の首脳の合意文書には「法の支配の尊重を重視する」と明記したが、資金分配とどうひも付けるかは定めていなかった。合意案をもとに欧州議会とEU閣僚理事会が折衝を重ね、11月10日に合意に達した。
今回の合意には法の支配の順守と資金分配を関連付ける仕組みが明記された。法の支配などEUルールを守らない場合、EU独自の「特定多数決」で資金拠出などを停止できる。特定多数決は「加盟国の55%以上」かつ「域内人口の65%以上」が賛成する必要がある。
これらの合意内容にハンガリーとポーランドは強く反発した。ポーランドのジョブロ法相は16日の記者会見で「ポーランドの主権を大きく制限する内容だ」と批判した。EUは16日の大使級会合での基金案と予算案の合意を目指していたが、両国が反対して結論を持ち越した。
EUにとって法の支配は人権や民主主義などと同様に基本的な価値観の一つ。だがEU本部や西側の欧州諸国はハンガリーとポーランドで法の支配が後退していると懸念を強めている。政権がメディア支配を強めたり、司法制度の独立性を脅かしたりする動きがある。
復興基金はコロナの被害が大きい南欧を中心に経済立て直しを支援する。スペインは基金からの資金を前提に経済対策を練っており、同国のカルビニョ経済相は「数日内に解決されることを望む」と焦りを募らせる。21年から基金が稼働できなければ欧州の景気回復が遅れるリスクが高まる。
EU各国の欧州問題担当相は17日、テレビ会議で打開策を探る。EU首脳も19日にテレビ会議を開くが、現時点での議題は新型コロナ対策。情勢次第で復興基金問題も討議する可能性がある。
復興基金を巡っては欧州の結束が揺らぐ事態が目立つ。7月の首脳間の合意の際はオランダなど北部欧州を中心とする「倹約国」グループと、コロナの被害が大きいイタリアなどの南欧が規模や使い道で対立した。法の支配の議論では対立軸が東欧と西欧に移った。
東欧諸国もEUの中期予算からインフラ整備などの恩恵を受けるため、最終的には矛を収めるとの見方はある。だが今回は政権の理念に関わる問題でもあり、議論が長引く可能性がある。最終的に議長国のメルケル氏が仲介に乗り出すとの観測も出ている。EU高官は16日、記者団に合意を見いだせなければ「深刻な政治危機になる」と嘆いた。
-
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66355210X11C20A1TJ2000/


『世界最大手の自動車メーカー独フォルクスワーゲン(VW)が車のソフトウエアの分野に5年で270億ユーロ(約3兆3千億円)を投資する。デジタル化で先行する米電気自動車(EV)大手テスラへの対抗で、従来計画の2倍にする。背景には自動車業界が売り切りのビジネスから、ソフトで自動運転機能などを追加して収入を得る稼ぎ方に移る構造変化がある。
関連記事
テスラ、トヨタ超え本物か 利益の2割超ソフトで稼ぐ
トヨタが組織再編、ソフト第一へ 統合ECUで後押し「テスラを倒す」ための投資
「この計画はテスラを倒すためのものだ」。VWのヘルベルト・ディース社長は16日、2021~25年の投資計画説明会で強調した。約2時間の説明会でディース氏ら幹部は、テスラという言葉を20回以上も発した。ライバルの名指しを控える企業も多い中、異例だ。
VWはEVに年平均60億ユーロを超える巨額投資を実施。EV専用車台を使う「ID」シリーズの出足は良く、コスト面でテスラに対抗できるとの自信をのぞかせる。一方で車のデジタル化についてディース氏は「テスラは2週間ごとにクルマをアップデートするなど顧客に新しい体験を提供している。VWはそれができていない」と認める。
テスラは19年春以降に出荷した全ての新車に完全自動運転に対応可能なコンピューター「FSD」を搭載しているとしている。現在は運転手の監視のもとで高速道路を自動走行する機能などに限るが、ソフトの更新により市街地での自動運転にも対応できるという。
従来、車は販売店や整備工場で部品の交換や追加をしてきた。テスラなどは「オーバー・ジ・エア(OTA)」と呼ぶネット経由で車のソフトを更新する技術を使う。19年9月には「モデル3」などの発売済みの自社車両に無人運転で車を呼び寄せる機能を追加した。
テスラは米国で販売する全車種で「オートパイロット」と呼ぶ運転支援機能のオプション料金を従来の8千ドルから1万ドルに引き上げた。テスラはこの機能による収益の内訳を明らかにしていないが、米国では27%の購入者がオプションを選択しているとの推計もある。仮に購入者の4人に1人が選択していた場合、20年7~9月期の自動車部門の売上高の4%をソフトで稼いだ計算になる。
機能拡充に伴い今後もオプション料金を引き上げる方針。いずれはサブスクリプション(継続課金)型のサービスとして提供する考えを示している。米モルガン・スタンレーはテスラの完全自動運転機能の月額料金は100ドルを超すケースもあると予想し、10年後に同機能が生み出す粗利益は全体の30.4%を占めると予測する。
■「アルテミス」プロジェクトでEVに独自OS
こうした変化の波がVWをデジタル化への投資に走らせるが、その先陣となるのが、傘下の高級車ブランド独アウディで進めるプロジェクト「アルテミス」だ。
ギリシャ神話の「狩猟の女神」の名前の通り、目的は「テスラ・ハンター」となる旗艦EVの開発。関係者によると、このEVは独自開発の基本ソフト(OS)を搭載し、常にネットにつながって顧客との接点や自動運転機能を最新に保つという。24年に最上級車として発売し、グループの独ポルシェや英ベントレーでも展開する。
グループ横断のソフト開発組織をVW乗用車ブランドからアウディに移管した。現在10%のソフト内製率を60%に引き上げる狙いだ。これまではエンジンなどの走行性能や内外装の高級感で争ってきたが「ソフトが最大の差別化要因になる」(VW幹部)とみている。
ただ、ディース氏はハードからソフトの会社への転換について「スムーズな移行ができるか。ノーだ」とも認める。最近でも全面改良した「ゴルフ」の新型車の量産がソフトの不具合で遅れたほか、EV「ID.3」では当初予定していたネット経由での機能更新を見送らざるを得なかった。
■人材確保が課題に
人材確保も課題だ。ソフト会社の買収などで人材をかき集めるほか、本拠地のウォルフスブルクにフランスのプログラミング学校「エコール42」を誘致するという奇手も繰り出す。VWは資金提供し、優先的に卒業生を採用する考えだ。
「ソフトウエアで収益を上げるなど学べる点が多々ある」とトヨタ自動車の豊田章男社長もテスラを認める。一方で「リアルな世界では電動化フルラインアップをそろえる我々の方が選ばれるのではないか」と語り、ソフト最重視へとカジを切っているとも言えない。
テスラが自動車業界に投じたEV化とデジタル化という2つの大波。その流れを認めつつどこまで本気で追いつこうとするのか。トヨタ以上の覚悟を見せるVWだが、従業員60万人を超える巨艦だけにそのスピード感が重要となりそうだ。
■S&P500採用時で最大の時価総額
テスラは株価が年初来で5倍近くに伸び、勢いが続いている。16日には米国の代表銘柄で構成されるS&P500種株価指数に新規採用すると、米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが発表した。16日終値ベースの時価総額は3868億ドル(約40兆4千億円)に上り、米メディアによるとS&P500に追加される銘柄としては過去最大規模となる。
採用が決まったことから、上場投資信託(ETF)など株価指数に連動するパッシブ運用の資金が流れ込むとの期待が一段と高まった。16日の米国市場の時間外取引でテスラ株は急騰した。
テスラが時価総額でトヨタ自動車を上回り、業界最大となったのが7月。販売台数ではトヨタとVWはそれぞれテスラの20倍ほどだが、時価総額は2社合計でもかなわない。トヨタ自動車の豊田章男社長も「株式市場での評価は完全に負けている」としている。
(フランクフルト=深尾幸生、シリコンバレー=白石武志)』 -
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66357700Y0A111C2I00000/

『【モスクワ=小川知世】ロシア、中国、インド、ブラジル、南アフリカの新興5カ国(BRICS)は17日、オンラインで首脳会議を開いた。新型コロナウイルスで悪化した経済の回復を促すため、中ロ開発のワクチンの普及に努める方針で一致した。21~22日に予定する20カ国・地域首脳会議(G20サミット)をにらみ結束を演出した。
議長国を務めるロシアのプーチン大統領は会議で、ロシア製ワクチンの有効性を強調した。中国やインドと現地生産で合意したなどとして、「大量生産へ力を合わせることが重要だ」と述べた。ロシア製ワクチンは臨床試験(治験)の終了を待たずに承認され、安全性が疑問視されている。
首脳の共同宣言では、ワクチンの安価で公平な供給に努め、世界経済の回復に向けて「主導的な役割を果たす」とコロナ対策での連携を前面に打ち出した。宇宙での軍拡競争を防ぐための多国間合意の必要性や、内政干渉や保護主義への反対も盛り込んだ。米国を念頭に対抗姿勢を示した。
BRICS首脳会議はもともと7月にロシアで開催予定だったが、コロナで延期された。2021年の議長国はインドが務める。』
-
ファーウェイ、窮余のリストラ 低価格スマホ売却
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66348070X11C20A1FFJ000/


『【広州=川上尚志】中国の華為技術(ファーウェイ)が低価格スマートフォン事業を手放す。年間出荷台数は約7千万台で、同社のスマホの3割程度に当たる。米政府による規制強化で売却を余儀なくされた格好だ。売り先はファーウェイの地元政府の傘下企業が主体で、部品調達や製品販売といった事業構造を維持する狙いがありそうだ。
米規制を回避、事業「温存」か
「共に手を携え、新たな栄光の道を歩もう」深圳市の政府系新聞「深圳特区報」は17日付朝刊に、こんな全面広告を掲載した。名を連ねたのは深圳市政府傘下の投資会社や、ファーウェイの低価格スマホブランド「HONOR(オナー)」を扱うスマホ販売店など30社。既に新会社を設立しており、ファーウェイからオナー事業を取得すると宣言した。
同日午前にはファーウェイも事業売却を発表した。「(米規制で)大きな圧力を受けており、販売店やサプライヤーのため売却を決めた」としている。金額は公表していない。買い手の新会社の資本金は1億元。この98.6%を市政府傘下の投資会社1社が出す。事実上、政府支援のもとオナー事業の存続を目指す。
オナーは「ファーウェイ」ブランドを補完するために2013年に立ち上げた低価格ブランドだ。ネット販売を中心に若者の支持を広げた。出荷台数は中国のOPPOやvivoに続く世界7位に相当する。
販売先は大部分が中国内のため消費者の忌避感はほとんどない。生産は基本的に外部に委託していることから、ファーウェイから独立しても事業は継続できる見通しだ。中国・天風国際証券のアナリストは「これで米規制の影響は受けなくなるだろう」と指摘。日本のサプライヤー幹部も「部品需要の回復が見込める」と歓迎する。
業界内では「米規制が緩和されたらオナーを買い戻すこともファーウェイは検討するのではないか」との見方もある。
米国は9月15日、自国の技術を使った半導体をファーウェイに供給することを事実上、禁止する措置を発効させた。ファーウェイは部品在庫がなくなるとスマホの生産ができなくなる。生産調整は既に始まっており、7~9月期の世界シェアは急落した。
米調査会社カナリスの賈沫アナリストは「オナーの独立が遅れれば遅れるほど状況は悪くなる」と、ファーウェイが事業売却を急いだ可能性を指摘する。大統領選後の米国の混乱も決断を後押ししたとみている。
技術開発の資金を確保
ファーウェイはオナーの売却で事業規模は小さくなるが、資金を確保できるメリットがある。売却額は非公表だが、ロイター通信は1000億元(約1兆6千億円)規模になる可能性があると報じていた。半導体の内製化などに関わる技術開発に充当できる。ハードからソフトへのシフトも進める。代表例が独自の基本ソフト(OS)「鴻蒙(ホンモン)」の利用拡大だ。テレビなどに搭載実績があり、21年から自社スマホでも搭載機種を出す計画だ。中国のスマホ大手などにも採用を呼びかけている。今回売却する「オナー」ブランドにも採用を呼びかける可能性がある。
ただ、こういった対応策をとっても高級機中心の「ファーウェイ」ブランドの落ち込みは補うのは難しい。
米国が締め付けを厳しくする可能性もある。トランプ政権は安全保障上の懸念があるとして段階的に規制を強化してきた。バイデン政権に移行した場合も米中のハイテク覇権争いは簡単には止まらないとの見方が多い。独立するオナーに規制の網が広がれば、売却の意味がなくなりかねない。
ファーウェイは半導体を十分確保できておらず、部品在庫は来春に切れるとの指摘もある。米中政府の駆け引きをにらみながら存続の道を探る展開が当面、続きそうだ。』
中国・紫光が債務不履行 半導体国産化に影響も
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66325840X11C20A1FFJ000/ -
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66356200Y0A111C2I00000/

『【ワシントン=共同】米国防総省ミサイル防衛局は17日、日米が共同開発している迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」が初めて大陸間弾道ミサイル(ICBM)迎撃実験に成功したと発表した。ヒル局長は声明で「SM3ブロック2Aを搭載したイージス艦が迎撃できることを実証した」と強調した。日米が開発したミサイルの能力の高さが証明された形だ。
米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領への政権交代を控える中、ICBM開発を進める北朝鮮をにらんでハワイや米本土の防衛能力を示す狙いがあるとみられる。
米国のICBM迎撃能力を格段に向上させると期待され、米軍は早期の運用開始を目指す方針。北朝鮮のICBMによる脅威を軽減できれば、来年1月に発足見通しのバイデン氏の政権にとって対北朝鮮外交で好材料になるとみられる。
三菱重工業とともに開発した米レイセオン・テクノロジーズの幹部は「長距離を飛来する脅威に対する防衛で、実行可能な選択肢を手にしたことを示している」と、実験成功の意義を強調した。
ハワイ時間の16日午後(日本時間17日午後)、太平洋のマーシャル諸島から発射されたICBMを模した標的を、ハワイ沖のイージス艦から発射したSM3ブロック2Aで迎撃した。同社は大気圏外で迎撃したと説明した。中国やロシアは米国によるミサイル防衛システム開発の動きを自国の核抑止に対する脅威と見なしている。
SM3ブロック2Aは、神奈川県横須賀市に司令部を置いて西太平洋を作戦海域とする米海軍第7艦隊に配備されるとみられる。米本土に到達できるICBMで米国をけん制する北朝鮮に対し、バイデン氏は金正恩朝鮮労働党委員長を「悪党」と呼び、強い姿勢で臨むことを示唆している。』
米軍は初めて軍艦からICBMをダウンさせるテスト
https://www.washingtonpost.com/national-security/us-missile-defense-test/2020/11/17/3778f050-28fe-11eb-b847-66c66ace1afb_story.html









-
[FT]香港で進む「再植民地化」
中国「西側との闘争」意識
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO66304660X11C20A1TCR000/
『1997年7月1日未明、香港の中国への返還式典を終えたチャールズ英皇太子は、早期退役が決まっていた英国王室のヨット「ブリタニア号」で香港を後にしながら、同地の150年を超える植民地統治の後に迎えた英国の帝国としての象徴的な最期を嘆いた。「植民地化について現代においてどのような考えがあろうとも、香港はそれをどう良く行うべきかを示した顕著な模範例だった」と船上で日誌に記した。
香港市民に愛国心を持つように促す動きも強まっている(10月1日、香港で開かれた国慶節の行事で中国国旗を掲揚する香港警察の要員)=ロイター
英国の影響力低下鮮明に
世界帝国としての英国はこの日よりはるか前に終わっていた。だが様々な観点からみて、香港の脱植民地化が本当の意味で実現したのは、中国政府が香港でのあらゆる形の反政府活動を事実上違法とする香港国家安全維持法を一方的に制定した今夏だったといえる。
同法の短期的な目的は89年の天安門事件以降、中国で発生した最大の混乱となった香港の民主化運動の鎮圧で、これはほぼ達成した。それに伴って世界的な金融センターとしての香港が受ける打撃の大きさを測ることは難しいが、甚大なものになるだろう。
このタイミングでの中国政府による香港の脱植民地化、または中国政府による香港の再植民地化という方が的確かもしれない動きは、英国の世界での地位が低下したことを浮き彫りにしている。中国共産党は(同法の制定により)返還後の少なくとも50年間は香港の高度な自治を認めると約束した84年の中英共同宣言を守る気がさらさらないことを明確にした。
香港の旧宗主国に対する今回の中国の侮蔑的な姿勢を巡る最も重要な点は、勢力を伸ばしつつある共産党が自国を世界においてどのような大国にしたいと考えているか読み取れることにある。
時代錯誤で尊大との批判を受けがちなチャールズ皇太子ではあるが、英国が香港の繁栄に果たした役割に関する指摘は正しい。第28代にして最後の英国の香港総督だったクリス・パッテン氏の言葉を借りれば、英国は、大半が中国大陸からの移民だった香港の人々が成功するために必要な足場となる清廉な政府と法の支配、言論の自由をもたらした。
強まる中国政府の締め付け
だが中国政府は、まさにこれこそがこの1年半にわたる混乱の原因と考えた。以前は自由な報道が許された報道機関は、広範であいまいな条項が並ぶ香港国家安全維持法のもとで、定義があやふやな「外国勢力との結託」などの犯罪の「扇動」にあたっているとの疑いをかけられている。中国共産党幹部は香港国家安全維持法について、香港の頭上につり下げられた「鋭い剣」と説明している。それは現地の教育制度に「母国への愛」を若年層の心に植え付けるように求めている。
比較的独立性が高かった裁判所への政治による締め付けも強まっている。中国政府とその工作員は敵対的とみなした勢力を追い詰める姿勢で、「信頼できない」とされた裁判官が閑職に追いやられている。
香港政府は9月に予定されていた立法会(議会)選挙を延期し、今月11日には民主派の4議員の議員資格を剥奪した。林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は9月に、香港は司法、行政、立法が相互に抑制し合う「三権分立」が存在していないと発言し、混乱を招いた。
立法会は中国政府の言いなりになっている。ある立法会議員は「今でも踊りに行けるし、競馬にも行ける。自分でイノベーション(技術革新)も起こせるし(商売の)取引もできる。とにかく(処罰対象となる政治的な動きに)関わらないことだ」と語った。
アリババ集団傘下の金融会社、アント・グループは3日、香港と上海で計画していた新規株式公開(IPO)を延期すると発表した。実施されれば世界最大規模のIPOになるはずだった。これによって一部の金融関係者の間で出ていた「香港は何も変わっていない」という楽観論が吹き飛んだ。
西側との思想的闘争の渦中に
香港にもたらされた一連の劇的な変化は、中国の最高指導者である習近平(シー・ジンピン)国家主席が「極めて悪意に満ちた西側の」自由主義と民主主義に対して自国が壮絶な思想的闘争を繰り広げていると本当に信じていることを示している。旧宗主国の英国では香港を大きな繁栄に導いた要因と考えられていることでも、習氏の中国共産党にとってはそれを潰すことが理にかなっているのだ。
だが、英国の影響が残る香港の現実は変わっていない。中国への返還から20年以上たった現在でも、香港政府は英国で研修を受けた官僚たちによって運営されている。
資本の流れの大半は外国の金融機関が支配している。香港中心部で有数の地主となっているのは(香港の植民地支配をもたらした19世紀前半のアヘン戦争の引き金になった)アヘンの取引にも手を染めていたことがある(英国系財閥の)ジャーディン・マセソンだ。
こうした現実に加え、地元や海外のメディアは決まって批判的な論調を展開してきた。昨年には市民が街頭で公然と反抗姿勢を示した。中国政府がなぜ香港の再植民地化を進める時機が到来したと判断したのか理解するのは難くない。
毛沢東氏の時代の中国共産党はかつて「革命輸出路線」を打ち出していた。現在の共産党は、独自の民族主義的で権威主義的な統治が脅かされない世界にしようとしているだけなのだろう。
10月初旬、ロンドンの中国大使館前で十数人のデモ参加者が中国国旗を燃やす事件があった。中国共産党の幹部は事件について、香港国家安全維持法違反の疑いがある「国家分裂と反逆の忌まわしい行為だ」と非難した。
同法は地球上のどこでなされた「犯罪」についても適用されると明記している。在英中国大使館は英国当局に対し、犯人が早期に司法手続きにかけられる」よう求めた。(香港の中国への主権返還が終わって)チャールズ皇太子がブリタニア号で香港の港を去ってから25年もたたないうちに、中国は英国の本土に(統治権の一部である)自国の裁判権を及ぼそうとしている。
By Jamil Anderlini
(2020年11月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)』