北朝鮮、短距離ミサイル2発を21日発射

北朝鮮、短距離ミサイル2発を21日発射
米「国連決議に反せず」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN23DXQ0T20C21A3000000/

『【ワシントン=永沢毅、ソウル=恩地洋介】北朝鮮が21日朝に短距離ミサイル2発を発射していたことが分かった。韓国軍が24日明らかにした。米政府高官は、あらゆる飛距離の弾道ミサイルの発射を北朝鮮に禁じている国連決議に違反した活動ではないとの見解を示した。

韓国軍によると北朝鮮が発射したのは巡航ミサイルで、発射地点は平安南道の温泉郡付近だった。関係者によると、黄海に向けて撃ったとみられる。北朝鮮軍は冬季訓練中だった。

米政府高官は23日、北朝鮮が先週末に「短距離システム」の実験をしたと説明し、通常の軍事活動の一環との見方を示した。ミサイルかどうかの確認や飛んだ方角、飛距離などの詳細は明らかにしなかった。

バイデン米大統領は記者団から「挑発だと思うか」と問われ、「国防総省によると、いつものことだ。新しい話じゃない」と語った。挑発とは捉えていないとの認識を示した。バイデン政権下で北朝鮮によるミサイル発射が明らかになるのは初めて。

バイデン政権は対北朝鮮政策の検証を進めており、現在は最終段階にある。米国と日本、韓国の3カ国は来週にサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)の主催でワシントンで協議し、政策のすりあわせを進める。

バイデン政権は先週来、北朝鮮が挑発行為を再開する可能性があるとして警戒を強めていた。北朝鮮の朝鮮中央通信は3月上旬に始まった米韓合同軍事演習を非難する崔善姫(チェ・ソンヒ)第1外務次官の談話を18日に発表していた。バイデン政権は2月から北朝鮮に複数のルートを通じて対話を呼びかけているが、北朝鮮は拒否している。

金正恩(キム・ジョンウン)総書記はトランプ前政権下の2017年末以降は大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射と核実験は見合わせていた。ただ、その間も短距離ミサイルの発射実験は繰り返していた。

21日はブリンケン国務長官が日本や韓国と対北朝鮮政策について話し合ったアジア歴訪を終えたタイミングだ。北朝鮮がその機会をとらえた可能性がある。

多様な観点からニュースを考える
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鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
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分析・考察 これまでは短距離ミサイルであっても、韓国は即時に情報開示をしていたのだが、それが数日間報道されていないというのは気になるところ。先日の米韓2+2や米韓合同軍事演習に対する反応のようにも見えるが、バイデン政権を挑発するようなものという性格は薄いと思われる。今後、米朝関係をどういう方向に進めていきたいのか、というメッセージ性は低く、バイデン政権が非核化交渉で動き始めるのを待っているのではないか、という印象を持つ。ただ、一方的に「北朝鮮の非核化」を求めるだけでは反応しないと思われるので、交渉のテーブルに着くインセンティブをどう与えるかがカギになるだろう。

2021年3月24日 9:55いいね
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峯岸博のアバター
峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
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分析・考察 韓国軍の情報によると、発射されたのは巡航ミサイル2発のようです。バイデン米政権の対中国、対北朝鮮の強硬スタンスが見えてきたタイミングでの発射再開は合点がいきます。軍事的にも新型兵器の実験や定期訓練は必要ですので。経済難が深刻なため当面は中国との連携を深めつつ、国連安保理決議に抵触しないと強弁できる短距離ミサイルを小出しにし、最終的なICBM発射の時機を探っていくのでしょう。

「先週末」に撃たれたのに米国が今ごろ明らかにしたのはなぜか、日本と韓国はなぜ黙っていたのか、まさか情報を共有していなかったら問題ですが、そちらの方も気になります。

2021年3月24日 7:40 (2021年3月24日 11:46更新)
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秋田浩之のアバター
秋田浩之
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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別の視点 北朝鮮の動向は一見すると最近、静かにみえますが、事態は極めて深刻になっています。シンクタンクの試算によれば、北朝鮮は少なくとも30発の核弾頭を保有しています。しかも、日本政府は北朝鮮は日本を射程に入れた核ミサイルを配備した可能性が高いとも分析しています。

日本は米国と連携し、これらの核廃棄を北朝鮮に迫っていくのは当然です。ただ、それが実現しないか、実現するにしても長年かかることを想定し、北朝鮮に核を「使わせない」措置にも万全を期していく必要があります。具体的には、日本による反撃力の保有も含め、北朝鮮への抑止力の強化を検討すべきでしょう。
2021年3月24日 9:31 (2021年3月24日 9:42更新)

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米欧、ミャンマー制裁も協調 クーデター巡り

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR22BUG0S1A320C2000000/

『【ブリュッセル=竹内康雄、ワシントン=中村亮】欧州連合(EU)は22日開いた外相理事会で、ミャンマーで2月に起きた国軍によるクーデターに関連して、国軍のミン・アウン・フライン総司令官ら11人への制裁を承認した。バイデン米政権も同日、ミャンマーの2個人・2団体に制裁を発動。対中国制裁と並んでミャンマー問題でも米欧が足並みをそろえた。

EUによる制裁は即日発動し、EUへの渡航が禁止されたほか、EU域内の資産が凍結された。クーデターに加え、その後の市民によるデモへの弾圧を問題視した。ミャンマー政府や軍事政権と関連がある機関への資金援助を停止したほか、軍関係の企業や組織への追加制裁を今後検討する。

会合後に記者会見したEUのボレル外交安全保障上級代表(外相に相当)は「我々のメッセージは(国軍が)暴力をやめ、拘束された者を解放し、対話に関与することだ」と訴えた。

EUでは、ミャンマーに適用する途上国向けの特恵関税制度の停止も検討したが、声明は「一般市民へのマイナスの影響を与えない措置をとる」として見送った。特恵関税を停止すれば、EU向けの主力輸出品である繊維産業に従事する労働者の生活に悪影響を与えかねないと判断した。

米財務省は、22日に制裁を科した個人や団体についていずれもデモ参加者の弾圧に関与したと指摘した。ブリンケン国務長官は同日の声明で、EUによる対ミャンマー制裁に触れて「これらの行動は国際社会による(ミャンマーの)統治体制に対する非難やミャンマー国民に対する責務を示している」と強調。ミャンマー国軍への国際包囲網づくりを進める考えを示した。

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米国務長官「NATOは中国対処に注力を」

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN241EI0U1A320C2000000/

『【ワシントン=中村亮】ブリンケン米国務長官は23日、北大西洋条約機構(NATO)の将来について「中国がルールに基づく秩序にもたらす課題(への対処)に注力する必要があるし、そうすると確信している」と述べた。対中国政策で欧州に協調を促した。「NATOへの米国の関与を再確認する」とも強調した。

訪問先のベルギーの首都ブリュッセルで開いたイベントで語った。NATOのストルテンベルグ事務総長も「攻撃的なロシア」に加え、「台頭する中国にも対処できる」と語った。欧州では中国の人権侵害への懸念が強まっており、対中国で米欧協調の素地が広がっている。

ブリンケン氏は24日、ブリュッセルで米欧同盟について講演する予定だ。講演でも中国の脅威を訴え、欧州に連携を呼びかけるとみられる。

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ウイグル人権「深刻な懸念」 首相、ポーランド首相に

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE239EJ0T20C21A3000000/

『菅義偉首相は23日、ポーランドのモラウィエツキ首相と電話で20分程度協議した。菅首相は中国が海警局を準軍事組織に位置づける海警法施行や東・南シナ海などへの海洋進出、新疆ウイグル自治区の人権状況などに関して深刻な懸念を伝えた。

両首脳は北朝鮮の日本人拉致問題を解決するため協力する方針で一致した。経済や投資分野での連携強化も確認した。

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習近平氏、6月訪米案は幻に 米中対立の戦線拡大

習近平氏、6月訪米案は幻に 米中対立の戦線拡大
編集委員 中沢克二
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH22AZL0S1A320C2000000/

『冒頭から人権・民主主義、安全保障を巡って1時間以上もやりあった米アラスカ州アンカレジでの米中外交トップ協議。対立ばかりに焦点が当たったが、本来、中国側が全力でめざしてきたのは、国家主席の習近平(シー・ジンピン)と新任の米大統領、バイデンによる対面式の初会談である。できるだけ早い時期に会うのが望ましく、条件が折り合えば習が米国に出向く用意もあった。

習には切迫した事情があった。3カ月余り先の7月1日…

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冒頭から人権・民主主義、安全保障を巡って1時間以上もやりあった米アラスカ州アンカレジでの米中外交トップ協議。対立ばかりに焦点が当たったが、本来、中国側が全力でめざしてきたのは、国家主席の習近平(シー・ジンピン)と新任の米大統領、バイデンによる対面式の初会談である。できるだけ早い時期に会うのが望ましく、条件が折り合えば習が米国に出向く用意もあった。

バイデン米大統領(写真左)と中国の習近平国家主席=いずれもロイター

習には切迫した事情があった。3カ月余り先の7月1日、中国共産党は創立100周年という一大イベントを控えている。晴れ舞台に立つ前提として、最も大切な2国間関係である米国の大統領と腹を割って話もできないようでは、中国トップとして面目が立たず、威信にも傷が付きかねない。

要するに中国の内政的にはバイデンと会うなら7月の100周年祝賀行事より前でなくては意味がなかった。とはいえ無理は禁物だ。米国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、感染者も大幅に減るのを待つ必要がある。そう考えると4月、5月は難しく、「6月ごろがもっともよい」(関係筋)というのが中国側の腹の内だった。

「100年記念軍事パレードなし」というサイン

これに絡んで23日午前には北京で「重大発表」があった。世界的に注目されてきた共産党100年祝賀行事での軍事パレードについて、中央軍事委員会政治工作部幹部が記者会見で実施しないと明言したのだ。かなり前に党指導部が内々で合意していた「今夏は軍事パレードをしない」という決断は本来、対米関係の改善に向けた大きなサインにもなるはずだった。

7月の共産党100年祝賀行事では軍事パレードを実施しない (2015年9月3日の軍事パレード)=写真 柏原敬樹

世界でコロナ禍が収まらない中、これみよがしに大規模な軍事パレードに踏み切れば、中国の国際的なイメージ悪化は避けられない。一部で取り沙汰されていた22年北京冬季五輪のボイコット論にも勢いがつきかねない。早期の習訪米を視野に入れていた以上、そうしたリスクはとれなかった。

目的達成のためバイデンの大統領当選以来、中国は全力を挙げてきた。共産党政治局委員の楊潔篪(ヤン・ジエチー)や国務委員兼外相の王毅(ワン・イー)ら外交当局者ばかりではなく、米側とパイプを持つあらゆる人脈が動いた。

習には一定の成功体験がある。思い起こせばトップに就いて初めてとなる2013年6月の訪米では当時、大統領だったオバマに米中両国が協力して世界をリードする「新型大国関係」を大々的に提起した。

最終的に米側は受け入れを拒んだが、動きがとまっていた隙を突く形で中国が南シナ海の環礁埋め立てなど地歩を固めてゆく。17年1月にトランプが米大統領に就いた際は、2カ月半後という早いタイミングで習が訪米できた。

米中外交トップ会談は冒頭から激しい応酬を繰り広げた(18日、米アラスカ州アンカレジ)=ロイター

今回は逆に米側の動きが迅速だった。バイデン政権は日米豪印による初の首脳会議(テレビ方式)を開き、米側が出向く形で日本、韓国と外務・防衛担当閣僚協議も開催した。同盟のスクラムを固めたうえで中国に対処したのだ。オバマ政権の副大統領だったバイデンには、13年の習訪米以来の中国への対処に甘さがあったという反省がある。

同盟のスクラムは欧州にも及んでいる。中国の少数民族ウイグル族への不当な人権侵害問題ではついに欧州連合(EU)も動いた。EUへの渡航禁止、資産凍結など中国政府高官に対する制裁である。人権侵害での対中制裁は1989年の天安門事件以来だ。EUを離脱した英国、さらにカナダもウイグル問題で対中制裁に踏み切った。

北朝鮮やロシアとの連携強調

中国も負けていない。友好国との関係強化で米中心の同盟に対抗する構えだ。22日には、習近平と北朝鮮の総書記、金正恩(キム・ジョンウン)が口頭メッセージを交換し、両国関係の一段の発展を確認した。

平壌で記念撮影する中朝首脳(19年6月)=朝鮮中央通信・AP

ロシア外相のラブロフは22、23日両日、訪中し、広西チワン族自治区の桂林で王毅と会談。自国通貨による国際決済の促進で、米国による制裁リスクに対抗する考えで一致した。ここ数日をみても米主導の西側民主主義陣営と、中国にロシアが加勢する陣営の戦線は拡大している。

中国側からみた対米関係の現状はトランプ時代より厳しい面がある。経済・貿易面の対中制裁に人権、安全保障面での圧力も加わった。中国は主権が絡む問題で譲歩はありえないとしている。

なによりバイデン政権と外交面の新たな枠組みをつくるメドが立たないのは痛い。中国は対外関係でもまず「新型大国関係」「新型国際関係」「人類運命共同体」といったスローガンを打ち出す。常に自ら設定した土俵に引き入れることで主導権を確保する戦術である。今回はこれが通用しない。逆にバイデン政権は、容赦ない競争を意味する「戦略的競争」というキーワードをいち早く中国にぶつけることで先手を取った。

中国側の戸惑いは、公式報道からも確認できる。アラスカ米中協議が終わった中国時間20日の夜、国営中央テレビが放送した夜のメインニュースでは米中協議を全く扱わなかった。世界中がトップで報じた大ニュースなのに、当事者である中国の報道は奇異だ。

22日、ロシアのラブロフ外相(左)と中国・桂林で会った中国の王毅国務委員兼外相(ロシア外務省提供)=ロイター

同じく20、21日付の共産党機関紙、人民日報も1面では米中協議を無視し、3面で控えめに扱った。この段階では公式論評も出ていない。これは中国の思惑通りに進まなかったことを象徴している。今後の対米関係コントロールは当面、接触、対話の継続に重点が置かれる。

一方、中国のネット上は、アラスカで楊潔篪がいかに勇敢に米側とわたりあったか、というニュースであふれている。ミニブログ上にも「米国には上から中国にものをいう資格はない」という楊の言葉をプリントした真っ赤なTシャツがつくられた、といった記事が並ぶ。

習氏の自信が外交を拘束

これらは中国国民向けの宣伝を含む。とはいえ楊潔篪の異様な舌鋒(ぜっぽう)の鋭さの裏に、米国超えを視野に入れる習近平の自信が存在することを忘れてはならない。

楊はアラスカ会談での15分以上の冒頭発言で「2035」という数字を2回も口にしている。これは、先の全国人民代表大会(全人代)で中国が決めた2035年までに中等レベルの先進国をめざす長期展望を指している。今後14年で総合的な国力で米国に追い付くという宣言は、長期政権をにらむ習の内政上の戦略と絡む。米側からみれば、まさに中国による挑発だ。

習は最近、様々な場で中国の優位性をアピールしている。非公開の演説で口にしたという「東昇西降」(東が昇り、西が降りる)というフレーズは、共産党内ですぐに広がり、一種の流行語になった。中国システムの台頭、西側民主主義の凋落(ちょうらく)を意味するかなり挑発的な言葉だ。トップの基本姿勢は、外交当局者が発する言葉も拘束する。

今後の米中対話はどうなるのか。まずはバイデンが主催する4月下旬の気候変動問題に関する首脳会議が一つの注目点だ。中国側の発表によると、気候変動問題を巡って米中は作業部会の設置で合意したという。これに合わせたテレビ方式の首脳対話は本来、習の早期訪米の前座になる可能性もあった。

だがEUやロシアまで巻き込んで米中両陣営が張り合う今の雰囲気では、短期間に妥協点を見いだすのは難しい。中国側によるかなりの譲歩がない限り6月訪米案は幻に終わる。ポストコロナ時代を見据えた世界の秩序づくりはますます混沌としてきた。(敬称略)

中沢克二(なかざわ・かつじ)
1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。

クリックすると習近平指導部データへ https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/chinese-communist-party-leaders/

滝田洋一のアバター
滝田洋一
日本経済新聞社 編集委員
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分析・考察 中国が6月の米中首脳会談を模索していたとの指摘は、膝を打ちます。そうでなければ、中国側外交トップ2人組がわざわざ極寒のアラスカ・アンカレジまで出向かなかったはずです。アラスカと聞いてつい、昭和16年の日米開戦前の幻の日米首脳会談の候補地がアラスカだったなあと思ったりしたのですが…。

さてバイデン政権発足後、初の米中首脳の電話協議が2時間に及んだことからして、バイデン氏個人が中国側に好感を持っているのは疑いないでしょう。そのバイデン氏に待ったをかけているのが、中国の対外膨張や人権問題などで中国の実態を直視した米議会や国務省、国防総省。米国側が原則を明示し続けることはとても大切なことです。

2021年3月24日 12:13いいね
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中国の台湾侵攻「大多数が考えるより間近だ」 次期米太平洋軍司令官

https://www.sankei.com/world/news/210324/wor2103240011-n1.html

『【ワシントン=黒瀬悦成】バイデン米大統領から次期インド太平洋軍司令官に指名されたジョン・アキリーノ太平洋艦隊司令官(海軍大将)は23日、上院軍事委員会の指名承認公聴会で証言した。アキリーノ氏は、中国による台湾侵攻が「大多数の人たちが考えるよりも非常に間近に迫っている」と警告し、対応策をとるべきだと訴えた。

 アキリーノ氏は「台湾に対する(中国からの)軍事的脅威は増している」と指摘。「中国共産党が米軍を地域から排除することを目的とした能力を向上させている」とも強調した。

 その上で、中国軍の軍事的進出を押さえ込む「太平洋抑止構想」の実現に向けてインド太平洋軍が議会に要求した、2022会計年度(21年10月~22年9月)から6年間で270億ドル(約2兆9000億円)に及ぶ予算を承認するよう要請した。

 アキリーノ氏は日米同盟について「インド太平洋の安全と安定に向けた礎石であり、両国の軍事的関係はかつてなく強力だ」と強調した。

 同時に、日本は中国からの攻撃に対抗できるよう、米軍との相互運用が可能な形で防空やミサイル防衛、制空、海上警備と情報収集・警戒監視・偵察(ISR)の能力を強化させていくべきだと指摘した。

 また、日本が中国の弾道ミサイルや巡航ミサイルによる攻撃に自国で対応できる能力を確保することは、「日米および同盟諸国にとって死活的に重要だ」とも強調した。

 中国が開発を進める極超音速兵器に対する防衛能力の強化で協力していく考えも明らかにした。

 歴史問題などをめぐって冷却化した日韓関係については、「他国が米国と日韓を離反させるのに利用される恐れがある」と述べて懸念を表明した。

 アキリーノ氏は1984年に海軍士官学校を卒業した後、空母艦載機の搭乗員、第5艦隊司令官などを経て2018年から現職。』

米印国防相会談 後方支援など協力で一致

https://www.sankei.com/world/news/210320/wor2103200022-n1.html

『【シンガポール=森浩】アジア歴訪中のオースティン米国防長官は20日、訪問先のインドでシン国防相と会談した。インドメディアによると、両氏は情報共有や後方支援などの面で両軍の連携を強化することで一致。インド太平洋地域で影響力を拡大させる中国を念頭に、協力関係を深化させる姿勢を示した。

 バイデン政権高官のインド訪問は初めて。会談後、オースティン氏は「急速に世界の力学が変化する中、インドはパートナーとしての重要性が増している」と強調。シン氏も米印関係の重要性に触れた上で、米国からのインドの防衛分野への投資拡大にも期待を寄せた。

 米印両国は、日本とオーストラリアを含む4カ国の枠組みで12日、初の首脳会合を行った。国防相会談では4カ国の連携強化についても話し合われ、オースティン氏は、中国を念頭に「インド太平洋地域は、自由で開かれた地域秩序への挑戦に直面しており、志を同じくする国々の協力は不可欠だ」と述べた。

 米印は2018年から外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を実施するなど、防衛面での関係を深めている。一方で、インドは米国が制裁の対象としているロシア製地対空ミサイル「S400」の導入を予定しており、両国の懸案となっている。』

英陸軍3500人削減へ ハイテク兵器の投資に集中

https://www.sankei.com/world/news/210323/wor2103230019-n1.html

『【ロンドン=板東和正】英政府は22日、2025年までに英陸軍の人員規模を現在の約7万6千人から約3500人削減する目標を公表した。陸軍の人員コストを削減し、サイバー攻撃などへのハイテク兵器の投資に集中する考えとみられる。陸軍の部隊規模としては18世紀以来、最小になるという。

 英政府が22日に発表した軍隊や兵器開発などの戦略を記した「防衛レビュー」で明らかにした。

 英政府は昨年11月、軍事分野に今後4年間で165億ポンド(約2兆4千億円)を追加支出すると発表した。ただ、現状で軍事費用が不足しており、過剰な人員や装備を抱えた部隊をスリム化し、コストを削減する必要に迫られていた。

 レビューなどによると、陸軍では、現在の歩兵戦闘車を廃棄し、20年代半ばまでに長い距離をより素早く移動できる新型を採用。海軍で使用されている13隻の掃海艇は海中の機雷を自動的に探索して破壊する高性能ロボットに置き換えられる。空軍では、既存の戦闘機「タイフーン」に最新鋭の兵器やレーダーを搭載する方針だ。

 英政府がハイテク兵器の採用を急ぐのは、中国やロシアが進める装備の近代化に対応するため。

 レビューでは、中国について「あらゆる種類の戦闘機や世界で最も近代的な地対空ミサイルを開発している」とし、中国(の軍事力は)「ますます大きな課題となる」と警戒感を示した。ロシアについては、高度な防空システムを備えているほか、最新の大型核魚雷の開発などを進めているとした。』

イギリス軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E8%BB%8D#%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E8%BB%8D%E3%81%8C%E9%A7%90%E7%95%99%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E5%9B%BD

米中会談は決裂しアメリカは北京五輪ボイコットに向かう : 世界のニュース トトメス5世

http://www.thutmosev.com/archives/85404477.html

『ベルリンの壁のように「ウイグルの壁」も壊れるのだろうか(1989年ドイツ)

191107162239-berlin-wall-fall-1-exlarge-169
画像引用:https://edition.cnn.com/videos/world/2019/11/07/berlin-30th-anniversary-since-wall-came-down-lc-lon-orig.cnn See the Berlin Wall fall 30 years ago – CNN Video

米中閣僚会談は決裂

2021年3月18日から19日にアラスカで米中閣僚級会談が行われたが、事実上決裂したと報道されています。

トランプ時代の対立点は貿易だけで、スパイ問題も貿易制裁を科すためのアラ探しだった感があった。

トランプ大統領は人権問題には無関心で、G20会合で習近平に「ウイグル問題を見逃しても良い」と提案したと報道された。

トランプは反論しなかったのでこれは事実だったと思われ、実際トランプは香港とウイグル問題で中国を追及しなかった。

バイデン政権は様変わりし貿易問題では中国に取引を呼びかけ、人権問題では厳しく追及している。

バイデンはトランプ時代の対中貿易制裁を解除していないが、新たな制裁を科してもいない。

アラスカの米中会談では互いを非難し、アメリカは新疆ウイグル自治区、チベット、香港における中国の人権侵害を指摘した。

サイバー攻撃、台湾問題でも中国を批判したが、イラン、北朝鮮、アフガニスタン、気候変動などでは協力できると表明した。

米国側は記者団を会場に招き入れたため公開会議になったが、特に中国側は強い口調でアメリカを非難した。

「台湾、香港、新疆は不可分な中国領土だ」とし「アメリカにも多くの人権問題がある」と指摘した。

アラスカ会談に先立ちアメリカは日米豪印の4か国(クアッド)を招集し連携を確認していた。

中国はこの動きに「中国包囲網だ」と強く反発し、韓国には絶対に参加してはならないと警告し、韓国は中国に従った。

ウイグル問題はソ連のアフガンになるか

ここに来て欧米はウイグルの人権問題を強く打ち出してきたが、去年までまったく無関心でした。

欧米諸国は天安門事件を見逃しチベット問題を見逃し、モンゴルや過去のウイグル問題も見逃してきたが今回だけ追及するのでしょうか?

おそらくウイグル問題は「ちょうど良い材料」に過ぎず、真意はこの辺で中国の拡大を止めたいのだと思われます。

チベット問題が深刻だったころ中国のGDPは日本より下で英仏独よりも下でした。

中国は勢いはあるけどまだ取るに足らない国で、中国の成長で自分も金儲けしようと考えていた。

だが2008年に中国のGDPは日本を抜き、このまま成長曲線を維持すると2040年までにはアメリカを抜く可能性がでてきた。

実際は中国の成長カーブは緩やかになっていて、債務の拡大カーブだけが急成長している。

だが中国は「中国に債務は存在しない」と隠しているので、表向き健全で将来性があるように見えている。

欧米としてはこの辺で中国を抑え込まないと、中国が主人で自分が下僕の関係に逆転してしまいます。

威信をなくした国家は自滅する法則

欧米(米英仏)が過去に倒した強力な対戦者は日独そしてソ連で、ソ連とは結局戦争をせずに倒しました。

その手法は無駄な事にお金を使わせるというもので、特にソ連は軍事費や戦費の過剰な支出に苦しんだ。

1979年にソ連は民主政権が樹立したアフガンに侵攻し、10年間戦った末に敗戦し撤退、2年後にソ連は崩壊しています。

ソ連軍というのは守りにはやたら強いが外国に出兵して勝ったことが無いという典型的な大陸型の軍隊でした。

ソ連は戦争は1か月で終わると軽く考えたが、のちのアメリカとアルカイダ・イスラム国の対戦を見れば大変な間違いだったのが分かる。

1980年にモスクワ五輪が開催されたがアフガン侵攻を侵略とみなしてアメリカの同盟国すべてがボイコットしました。

これでソ連の威信は崩壊し、威信が崩れたところに1986年にはチェルノブイリ原発事故が発生した。

追い打ちをかけるように1989年に天安門事件、当時中国はソ連の付録みたいに考えられていたのでむしろソ連のダメージが大きかった。

1989年末にはベルリンの壁が崩壊し東ドイツが消滅、年末にはルーマニアで共産政権が倒れ民主化などがあった。

一連の崩壊はモスクワ五輪ボイコットから始まっていて、欧米諸国は2022年の北京五輪ボイコットを狙っている。

米国や欧州の同盟国すべてが北京五輪をボイコットしたら、中国の国家としての威信は丸つぶれになります。

威信をなくした国家は支柱が無い巨大ビルみたいなもので、時間の経過とともに崩れ出し最後に崩壊します。 』

中国の広州の共産党委員会を狙った自爆テロが発生

http://blog.livedoor.jp/goldentail/

『中国・広州の整個村という所で、元軍人による自爆テロが発生しました。村という名前が付いているので、僻地に見えるかも知れませんが、中国の村という地名は、その地域の発展と無関係に残っている場合が多いので、都会のど真ん中でも地名が村の所があります。まぁ、それだけ、短期間に急速に発展した証拠でもあります。実際、ここも田舎では、ありません。

事件は、地元の共産党支部で、共産党幹部が委員会を開いていたところへ、元軍人の中国人が、爆弾を身に付けて侵入し、自爆したという事です。その場で、5人の委員が爆死し、5人が病院へ搬送されました。かなり、強力な爆弾だったようで、メチャメチャに破壊された建物内の様子が、画像としてネットに出回っています。

この件のポイントは、事件が起きた事よりも、それが検閲の網を破って外部に漏れた点にあります。中国の治安というのは、通常の警察とは別に、装甲車両や重機関銃などの装備を持った、武警という組織があります。また、それとは別に、地方自治体の依頼で、非合法な地上げや、露天の取締りを暴力で行うチンピラ集団の城官という暴力組織もいます。

つまり、内側にいる人民に対して圧力をかける組織が、何重にも組まれています。それだけ、国内に暴動や騒乱の種を抱えているんですね。なので、はっきり言って、テロが起きる事自体は、不思議でも珍しくもありません。もし、頻度が少ないなら、普通の警察で十分に取り締まれるはずです。そうではないから、武警という組織が必要なのです。

対面を大事にする中国は、共産党組織へ攻撃があったなんて事実は、絶対に外部に漏洩させないのですが、今回は現場の写真まで流出しています。検索をかければ、出てきますが、血みどろの死体まで写っている生々しいものです。テロが起きた事よりも、情報が外部に漏洩した事が事件なのです。

習近平氏は、国内の締め付けも強化していて、組織図上、行政に属していた、武警・海警といった、重武装の治安組織を、軍の管轄へ移管しました。これには、2つの狙いがあって、首相として、内政を担当している李克強氏から、実権を奪って弱体化させる事。もう一つは、軍の管轄にする事で、対外的にも武力行使を可能にする事と言われています。

実際、軍への移管が済むと、間髪を入れずに海警に対する武力の使用を許可する法律を制定しました。平たくいえば、中国が自国の海域だと主張している場所を警戒している普通の巡視船に、武器の使用を認めるという事です。これは、国際法違反の疑いがあります。

これは、手持ちのリソースを総動員して、領海主張を押し通そうとしているとも見れます。中国の軍事費は、もう間もなくアメリカを抜いて、世界1位になろうとしています。これは、今まで治安維持組織として、軍にカウントされていなかった武警や海警が軍に組み入れられた結果です。つまり、それだけ、膨大な維持費が、国内の治安組織に投入されていたという事です。

実際、武警のデモンストレーションである、パレードなどを見ると、ミサイルや戦車が無いだけで、どう見ても軍隊です。その装備や人員の人件費を考えると、軍事費と別腹で、どれだけの経費がかかっていたかが、容易に想像できます。

恐らく、共産党に対する不満を原因とする、こうしたテロは、今までも起きています。それが、外部へ出てこなかっただけですね。全人代という政治イベントが中央で開催された直後に、今まで秘匿されていたような事件が公に出てくるという事は、それだけ反習近平勢力の反抗も根強いという事です。』

ミャンマー貫く〝援習ルート〟 クーデター後の対中関係の行方

ミャンマー貫く〝援習ルート〟 クーデター後の対中関係の行方
「一帯一路」大解剖 知れば知るほど日本はチャンス
石田正美 (日本大学生物資源科学部国際地域開発学科教授)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22484

『アウン・サン・スー・チー国家顧問など国民民主連盟(NLD)幹部を拘束した2月1日の政変から2カ月近くが過ぎた。収まることのない連日のデモに国軍や警察が発砲し、3月21日時点で250人以上の死者が出た。米バイデン政権は制裁の度合いを強め、欧州連合(EU)も国軍のミン・アウン・フライン総司令官ら11人への渡航禁止と資産凍結といった制裁を承認した。国連安全保障理事会は「平和的なデモ隊に対する暴力を強く非難する」とした議長声明を全会一致で採択し、軍への自制を求めた。

 しかしながら、ミャンマーの孤立は中国への接近をより一層強めかねない。というのも、ミャンマーは中国にとっての地政学的な要衝であり、約3年余りにわたり、習近平政権は中国ミャンマー経済回廊(CMEC)実現のため、スー・チー政権に、再三のラブコールを送ってきたのである。

インド洋から中国までを貫く
「援〝習〟ルート」
 CMECは、中国南部・雲南省の昆明とミャンマー最大の経済都市ヤンゴン、そして西部のラカイン州チャオピューを高速鉄道と高速道路で結ぶ構想である。これは17年12月に、スー・チー国家顧問の北京訪問の折、習近平国家主席との間で合意された。

(出所)筆者資料を基にウェッジ作成 写真を拡大

 まず、昆明からミャンマー第2の都市マンダレーを経てヤンゴンを結ぶルートは、中国ミャンマー貿易の最重要ルートである。ミャンマーにとって中国は輸出入とも最大の貿易相手国であるが、同ルートを用いた輸出と輸入はミャンマー全体の約2~3割と約1割をそれぞれ占める。10年まで続いたスー・チー氏軟禁などを理由とした経済制裁下で、欧米諸国との貿易が閉ざされる中、この国境貿易ルートが、タイとの国境貿易とともに、ミャンマー経済の屋台骨を支えてきたといっても過言ではない。歴史を紐解けば、元々このルートは、当時ミャンマーを植民地支配していた英国が、日中戦争下で重慶に拠点を置く蒋介石率いる中国国民党政府を支援するために建設された〝援蒋ルート〟であった。

 そして特に重要なのが、もう一方の沿海都市チャオピューから延びるルートだ。チャオピューには、インド洋と中国とを結ぶ天然ガスと原油パイプラインの起点がある。前者はチャオピュー沖のシュエ・ガス田産出の天然ガスを、マンダレー、昆明を経て広西チワン族自治区の貴港まで運ぶ(ミャンマー国内793㌔メートル、中国国内1727㌔メートル)。「一帯一路」構想提唱以前の10年に建設が始まり、14年から輸送開始、18年の実績ベースでミャンマーからの輸入は、中国の天然ガス総輸入の3%を占める。

 後者は中東産原油を、チャオピューで荷揚げした後に同じくマンダレー、昆明を経て重慶まで運ぶ(同771㌔メートル、同1632㌔メートル)。こちらも10年に建設が始まり15年に完成した。だが、脱中国依存の姿勢を示したテイン・セイン政権下で棚上げとなった。輸送が開始されたのは、スー・チー政権発足後の17年で、輸送能力は日量44万バレルで、フル稼働を前提とすると18年の中国の原油総輸入の日量924万バレルの4・8%を占める。ちなみに、同年の中東産原油は中国の原油輸入の約4割を占める。

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〝マラッカ・ジレンマ〟を回避し
港湾でインドを包囲
 では、ヤンゴンと比べれば無名に等しい沿岸都市チャオピューを、なぜ中国はパイプラインの起点として選んだのであろうか。

 理由はインド洋と太平洋を結ぶマラッカ海峡にあると考えられる。同海峡は1日平均で200隻以上の船舶が通過する要衝である。このマラッカ海峡が、仮に米軍に海上封鎖された場合、中東産原油の輸入がストップするという〝マラッカ・ジレンマ〟を中国は警戒する。

 このマラッカ・ジレンマ解消の一助となり、沖合で天然ガスが産出されることでチャオピューが選ばれたのであろう。中国は、このほかにパキスタンのグワダル港から新疆ウイグル自治区までを結ぶ中国パキスタン経済回廊(CPEC)を開発しているほか、既にロシアや中央アジアからの天然ガスをパイプラインで輸入している。

 ただ、チャオピューからのパイプラインは敷設済みであるのに、なぜCMECとしてインフラを新たに建設する必要があるのか、疑問は残る。この点は筆者の推測の域を出ないが、鉄道や道路を通じて追加的な原油と天然ガスの輸送が可能であること、さらには鉄道建設後に仮に運行にも関わることができれば、パイプラインのリスク管理や拡張がしやすくなることなどが考えられる。

 加えて、パキスタンのグワダル港、スリランカのハンバントタ港、チャオピュー港を、インド洋における中国船舶の補給基地などとして活用することもできる。インドを囲む〝真珠の首飾り〟であるチャオピュー港などの港湾が、軍事転用される可能性もあり、CMECは対インド有事の際の重要な補給路となり得る。ただ、一方のインドも、チャオピューの沖合800㌔メートルほどに位置し、マラッカ海峡にも睨みを利かせるアンダマン・ニコバル諸島で軍事拠点化を進めており、今後は中印双方の陣取り合戦の様相を呈する可能性も否めない。

 習近平氏は、20年1月に2日間にわたりミャンマーを訪問、スー・チー氏との間でCMECを含む33の覚書を締結している。この動静からも、昆明からチャオピューを結ぶルートは、現代版〝援習ルート〟と位置付けられよう。

CMECの裏に
改革開放にさかのぼる文脈

 CMECのミャンマー側は、パイプラインを除けば構想の域を出るわけではない。一方中国側は、険しい山々を切り開き、具体的にインフラが整いつつある。

 まず昆明からミャンマーとの国境がある瑞麗まで、1996年から20年弱の歳月をかけ、2015年末に全長702㌔メートルの高速道路を完成させた。昆明と瑞麗の間は1000㍍以上の高低差に加え、メコン川など大河もあり、難工事を経た上での完成である。また、18年に昆明・大理間292㌔メートルを5年の歳月をかけて建設した高速鉄道のその先の瑞麗までの区間も、数々の難工事に直面しながらも、その建設を進めている。

 重要なのは、チャオピューからのパイプラインと同様に、この高速道路もCMECに合わせて建設が始まった訳ではないことだ。元々は中国全土を南北方向に5本、東西方向に7本の高速道路網を張り巡らす「五縦七横」構想の一つである、上海と瑞麗を結ぶ上瑞高速道路の一部である。この五縦七横は1992年の国務院の決定に基づくもので、2007年までの15年間にその大部分を占める3万5000㌔メートルが開通している。特に、アジア通貨危機による影響緩和の景気刺激策として、1998年に高速道路建設は加速された。

 その後の2007年までの期間は、経済発展が遅れた西部12省・市・自治区の経済発展を促す「西部大開発」が進められた時期と一致する。当然ながら、雲南省はその対象地域であり、とりわけ国境地域の経済発展が隣国との貿易関係を通じて強化されていた。筆者も06年に雲南省を含むメコン川流域諸国の国境経済圏の研究に取り組み始め、昆明・瑞麗間を往復したが、ミャンマーに続く一般国道の整備状況が、未舗装道路など悪路の多かったラオスやベトナムへの道路と比べても、特に良好であったことが印象に残る。

 一帯一路の中のCMECは、1990年代からのインフラ建設やミャンマーとの関係構築といった蓄積の上にあり、今や中国のエネルギー安全保障にとって欠かせないルートとなっている。2006年当時から「南進する」中国と言われてはいたものの、国境経済圏開発の延長線上に、マラッカ海峡を通らずに済むインド洋への海洋進出があるとは思いもよらなかった。

 しかし、尖閣諸島や南沙諸島などを自国の領土と定めた中国の「領海法」の制定、五縦七横の政策実施、さらには当時の最高指導者鄧小平氏が中国南部を巡り改革加速を呼び掛けた「南巡講話」を行った年は、いずれも1992年である。このことを考えると、CMECが鄧小平の時代から周到に準備されたレールの延長線上にあるのではと勘繰りたくもなる。

 こうした中国の思惑に対して、ミャンマーは従順にもみえるが、実はそうでもない。そこには、中国とインドという大国の狭間で、時として双方を天秤にかけながら、したたかに対応してきた歴史がある。

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対中依存を避けたいミャンマー
国軍を取り込もうとする中国
 90年代からの欧米諸国の経済制裁下で孤立していたミャンマーの軍事政権に援助の手を差し伸べてきたのが中国である。しかしながら、11年に軍事政権の流れを組む連邦団結発展党(USDP)の代表として政権を担ったテイン・セイン大統領は、ミャンマー北部カチン州で中国が進めていたミッソン・ダムの建設を、地元住民の反対の声に配慮して凍結している。

 このダムが建設されれば、中国の三峡ダムに匹敵する発電が行われ、その9割が中国に輸出されることになっていた。これがミャンマーのためになったかというと首をかしげたくもなるが、テイン・セイン政権にとりミッソン・ダムの建設凍結が欧米諸国から歓迎され、経済制裁解除の1つのきっかけになったとも考えられる。

 スー・チー氏率いるNLD政権も、中国への債務依存が強まり、インフラの管理権が中国に渡る「債務の罠」への懸念が根強い。一例として、中国の国営企業である中国中信集団(CITIC)を中心とするコンソーシアムが予定していたチャオピュー経済特区では、大型船が着岸し積荷の積み降ろしが可能な深海港のバースの数を10から2まで削減し、総工費を73億㌦から13億㌦まで交渉により縮小させている。

 実際、国内総生産(GDP)に占める対中債務の割合は、減少傾向を示している(2月7日付日本経済新聞)。また、中国とインドが新型コロナウイルス感染症のワクチン外交を展開する中、同政権はインドからも中国からも供給を受ける約束を取り付けており、ロヒンギャ問題で国際的に孤立する中でも極端な対中依存は避けていた。

 こうした中、習近平政権は、CMECを実現すべく、クーデターにより孤立したミャンマーをどうやって手繰り寄せようとするのであろうか。政権の先行きが不透明な中で、中国側から軍事政権に一方的に肩入れすることはないだろう。それでも、ミャンマーの国軍が何を望んでいるのかは慎重に検討していることであろう。懸念されるのは、連日のデモに対し国軍がさらなる強硬策に出てもデモが鎮まらない事態が起きたときのことである。国軍が中国側に、香港やウイグルの反政府デモの鎮圧方法、さらには監視カメラによる行動統制の導入を求めたとすれば、恐ろしい話となる。

クーデターでスー・チー氏が拘束されたことにより、中国ミャンマー関係は一層先行き不透明になった (POOL/REUTERS/AFLO)
 日本政府としては、欧米諸国と同様に国軍の姿勢を非難しつつも、NLDと国軍双方の対話の窓口を閉ざさないことが求められる。

 他方、ミャンマー向け援助については、現時点で新規援助は行わない方向性が示されている。しかし、状況の進展如何によって、援助のさらなる自粛措置が採られる可能性も否定できない。日本政府が官民で取り組んできたティラワ経済特区もさることながら、改修中のヤンゴン・マンダレー間鉄道が仮に停止となった場合、中国が高速鉄道建設を掲げて割り込んでくる可能性も否定できない。

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■「一帯一路」大解剖 知れば知るほど日本はチャンス
PART 1 いずれ色褪せる一帯一路 中国共産党〝宣伝戦略〟の本質
PART 2 中国特有の「課題」を抱える 対外援助の実態
PART 3 不採算確実な中国ラオス鉄道 それでも敷設を進める事情
PART 4  「援〝習〟ルート」貫くも対中避けるミャンマーのしたたかさ
PART 5 経済か安全保障か 狭間で揺れるスリランカの活路
PART 6 「中欧班列」による繁栄の陰で中国進出への恐れが増すカザフ
COLUMN コロナ特需 とともに終わる? 中欧班列が夢から覚める日
PART 7 一帯一路の旗艦〝中パ経済回廊〟
PART 8 重み増すアフリカの対中債務
PART 9 変わるEUの中国観
PART10 中国への対抗心にとらわれず「日本型援助」の強みを見出せ 』

ウェッジ (出版社)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%83%E3%82%B8_(%E5%87%BA%E7%89%88%E7%A4%BE)

『株式会社ウェッジ(英: Wedge Inc.)は、JR東海グループの出版社。
目次
1 出版物
1.1 雑誌
1.2 書籍
2 その他の事業
3 脚注
4 外部リンク

出版物
雑誌

Wedge - 1989年4月創刊
ひととき - 2001年8月創刊[2]

書籍

ウェッジ選書 - 1999年4月創刊
ウェッジ文庫 - 2007年10月創刊、2010年2月休刊。現在では忘れられた名エッセイ等を発掘・再刊した。』

国務長官慰安婦発言に見るバイデン政権の日米韓連携

国務長官慰安婦発言に見るバイデン政権の日米韓連携
澤田克己 (毎日新聞記者、元ソウル支局長)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/22537

 ※ ウイグル問題で、「性暴力」をも言い立てて、圧迫しよう…、と考えているわけだ…。

 ※ そういう文脈から、「免責される」ということは、まず無い…、と考えておいた方がいい…。

『米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官が日本と韓国を訪問し、それぞれとの外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)に臨んだ。中国の人権問題や北朝鮮の核開発問題への対応で日韓の温度差が目立つ結果となったが、米国は一貫して日米韓連携の重要性を強調した。ブリンケン氏が韓国メディアとのインタビューで慰安婦問題について語った言葉からは、日韓対立の中で微妙なバランスを取ろうとする姿勢がうかがえた。

「甚だしい人権侵害」と断じつつ…
 ブリンケン氏は日韓でそれぞれテレビ局2社ずつのインタビューに応じた。日本はテレビ朝日と日本テレビ、韓国は公営放送KBSと民放SBSである。

 韓国の2局は慰安婦問題に関する質問をぶつけた。ブリンケン氏は、日韓慰安婦合意のあった2015年にオバマ政権の国務副長官だった。日韓対立に業を煮やしたオバマ政権が合意を後押ししたのは周知の事実なので、現状をどう見ているか聞くのは自然なことだろう。

 ブリンケン氏はKBSのインタビューで、慰安婦問題について「第2次大戦中の日本軍によるものを含め、女性に対する性的搾取は甚だしい人権侵害だ」と語った。

 韓国側の立場に配慮し、日本には厳しい態度だ。他のイシューで韓国が押し込まれたという印象があるからでもあろう。文在寅政権に好意的な韓国メディアでは、この発言が一定の注目を集めた。

 ただ、私が確認した当日夜のKBSニュースではここまでしか放送されなかったのだが、ブリンケン氏の話には続きがある。国務省が公表した発言録によると、ブリンケン氏は「私たちは、過去に関する難しい諸問題があることを知っている。私たちは、それに取り組むよう(日本と韓国の)友人たちを後押しし、(日韓の取り組みを)期待している。この問題については、過去に重要な進展が確かにあった。私は、これからもそうなることを願っている」と続けた。「重要な進展」は、オバマ政権が高く評価した慰安婦合意のことだろう。

 ブリンケン氏はさらに自らの経験として、日米韓が協力すれば北朝鮮問題だけでなく、パンデミックや気候変動を含む多くの問題で有益な変化をもたらすことができると指摘した。

 SBSとのインタビューでは、日韓が「和解の精神」を持って解決に当たる必要性を指摘した。日本テレビでは、米国が日韓関係の仲裁に乗り出すかと聞かれた。これには直接答えずに、歴史問題があったとしても緊密な協力をすることが日韓両国の国益につながると強調した。テレビ朝日は日韓関係について聞かなかった。

 発言を通して整理すると、▽慰安婦制度は甚だしい人権侵害だ、▽日韓が「和解の精神」を持って歴史問題に取り組むことを期待している、▽「重要な進展」を再現させてほしい、▽日米韓が協力すれば多くのメリットを得られるーーということになる。政治的な解決策だったはずの慰安婦合意の現状への失望感を示唆し、日韓に新たな取り組みを期待するというところだろう。慰安婦問題が深刻な人権侵害だったという認識を表明することで、一定のバランスを取った形だ。

 韓国では最近、慰安婦が業者と高額の契約を結んでいたと主張する米ハーバード大教授の論文に批判が集まっている。KBSはこの論文についての見解も聞いたが、「その論文は知らない」と軽くあしらわれた。日韓歴訪前に韓国メディアが大々的に批判報道を展開していた問題であり、事前準備で騒ぎの概要くらいは聞いていてもおかしくないので、日韓どちらかに肩入れする姿勢になるのを嫌った可能性がありそうだ。

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日本側が注意すべき点は、バイデン政権が同盟と人権の両方を重視しているということだ。政治的解決策として慰安婦合意を評価する一方で、慰安婦問題そのものに対する米国の認識は極めて厳しい。ブリンケン氏が語った「甚だしい人権侵害」という認識は、オバマ大統領(当時)が2014年に訪韓した際の記者会見での発言を踏襲したものだ。オバマ氏はこの時、「戦争中のことであったとしても極めて衝撃的で、甚だしい人権侵害だ」と指摘し、「過去を正直かつ公正に認識しなければならない。安倍晋三首相や日本国民もそのことを分かっているはずだ」と述べている。オバマ政権下では2012年に、国務長官だったヒラリー・クリントン氏が慰安婦問題についての省内ブリーフィングで高官に「性奴隷」という言葉を使うよう求めたと報じられもした。

 私が当時取材した米外交問題評議会(CFR)のジェイムス・リンゼイ上級副会長は、米国で慰安婦問題への批判が強い背景にあるのは「女性への性暴力が大きな政治的関心を呼ぶようになった世界的な流れだ」と話した。冷戦終結後に発生した1990年代の旧ユーゴスラビア内戦で「民族浄化」として集団レイプが起きたことなどで、紛争下の性的被害に対する国際世論の関心が高まった。それが慰安婦問題への欧米の認識に大きな影響を与えている。制度そのものが許されないという認識だから、「強制連行はなかった」などという主張は反発を呼ぶだけだ。日本側の立場を説明するにしても、相手に耳を傾けさせる説得力のある論理でなければならないのは当然だろう。

クアッドと同様に重要な日米韓

 日韓歴訪で強調された日米韓連携についても考えておきたい。最近は対北朝鮮政策に限定して語られているが、もともとは冷戦体制下での東アジアの安全保障を考えた枠組みだ。1965年の日韓国交正常化が実現したのも、こうした側面が大きい。

 米国は当時、ベトナム戦争への泥沼の介入を始めていた。ブッシュ(子)政権で国家安全保障会議(NSC)アジア部長を務めたビクター・チャ氏は日米韓関係を「疑似同盟」と評した著作で、日韓国交正常化の背景を次のように説明する。「最も重要なのは、米国がベトナムへの介入の度を深めていたために、東アジアに反共の前線を築くためには両同盟国の間を早急に和解させることが最優先とされたことである。つまり、両国間に歴史的反目があろうと、両国あるいはリーダーシップが否定的、肯定的な姿勢をとろうと、この時期に条約は妥結していたのである」(ヴィクター・D・チャ『米日韓 反目を超えた提携』)。

 日本にとっては、北朝鮮とその背後のソ連に対する緩衝地帯として韓国の存在はありがたかった。1969年の日米首脳会談で発表された共同声明には、「(佐藤栄作首相は)韓国の安全は日本自身の安全にとって緊要であると述べた」と盛り込まれた。「韓国条項」と呼ばれた一文で、70年代には日米首脳会談での発表文にたびたび盛り込まれたものだ。

 1961年のクーデターで朴正煕が政権を握ったばかりの韓国にとっては、経済的なメリットが大きかった。チャ氏は、外相(外務部長官)として交渉を妥結させた李東元からの聞き取りに基づいて「朴正煕は、李東元を外務部長官に指名するにあたって、日本との国交正常化を最優先課題とし、この政策の目的は日本から過去への陳謝を引き出すことではなく、国家経済を成長させることだと指示していた」と記している(前掲書)。国交正常化によって日本から5億ドルの資金供与を得た朴正煕は、民主化より経済発展を優先させる開発独裁によって「漢江の奇跡」と呼ばれる高度経済成長を実現させた。

 ただ冷戦終結とともに、韓国の対外認識は大きく変容した。振れ幅は、日米と比較にならないほど大きい。それは、この半世紀に経験した変化の大きさを考えれば当然だ。日米両国は半世紀前にも先進国だったが、当時の韓国は世界最貧国の状態から抜け出したばかりだった。これほど大きな社会的変化を遂げた国で、人々の意識が変わらない方がおかしい。

 対北朝鮮では、21世紀の韓国は圧倒的な優越感を背景に北朝鮮を見るようになった。冷戦下では南北が国力を競っていたのだが、今ではそんなことを覚えている人は少ない。自分たちの方が上だという感覚が強いから、北朝鮮の脅威と言われてもピンとこない人が増えているように見える。一方で、いったん豊かになってしまったが故に、経済的負担の大きさを考えて統一には尻込みする人が多くなった。世論調査で早期統一を望むという回答は1割程度にすぎなくなった。

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冷戦中は「敵側」として没交渉だった中国と再び向き合うようになったのも、韓国にとって大きな変化だった。特に2000年代以降、韓国経済は中国への依存度を高め、貿易額に占める中国のシェアは日米両国の合計を上回るようになった。ただし、韓国の対中配慮は経済的要因だけに起因するものではないだろう。地理的な近さだけでなく、歴史的な背景も、韓国が中国からの圧迫感を強く意識する要因になっている。中国との間に海をはさむ日本とは違うのである。

新冷戦下でも大きいメリット

 そうした状況変化にもかかわらず、日米韓という枠組みは依然として有用だ。冷戦終結後に核・ミサイル開発を加速させた北朝鮮は現実的な脅威であり、日本にとって日米韓という枠組みのメリットは大きい。米国にとっても、世界有数のデジタル関連技術を持つようになった韓国の動向は中国と向き合う上で無視できない。そもそも同盟の力を結集して中国に対抗するというのが、バイデン政権の基本路線である。

 韓国にとっても、本来はメリットの大きな枠組みだ。中国からの圧力を考えると日米豪印(通称クアッド)のような新たな枠組みに参加するのは難しいが、既存の枠組みの活性化なら問題は少ないはずだ。ブリンケン氏は韓国で、日米豪印という4カ国(通称クアッド)と日米韓という両方の枠組みの重要性を強調した。それは、中国や北朝鮮に対する韓国の立ち位置を理解した上で、対中政策に必要な包括的連携の強化を図ろうとするものだろう。日韓の間でバランスを取りつつ慰安婦問題の解決を促そうとするのも、同盟ネットワークを強化するためと言えそうだ。』

ノルドストリーム2、欧州の利益に反する=米国務長官

https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70409.html

『[ブリュッセル 23日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は23日、ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン計画「ノルドストリーム2」について、欧州連合(EU)の利益に反し、ウクライナなどを弱体化させるとの見解を示した。

ブリンケン氏は国務長官として初めて北大西洋条約機構(NATO)本部を訪れ、ストルテンベルグ事務総長と会談した。

「バイデン大統領は非常に明確だ。パイプラインは欧州にとっても米国にとってもまずい計画で、最終的にEUの安全保障目標に反すると考えている」と語った。

「ウクライナやポーランド、その他多くの友好国や同盟国の利益を損なう恐れがある」と述べ、米政府はノルドストリーム2の参加企業に制裁を科すよう国内法で義務付けられていると指摘した。

ドイツのマース外相ともこの問題について協議する考えを示した。』

対中制裁で足並そろえる欧米諸国 日本の議連、本国会で関連法成立目指す

https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70402.html

『米国、英国、欧州連合(EU)、カナダは22日、ウイグル人に対する重大な人権侵害に関与した中国政府関係者に対する制裁措置を共同で発表した。オーストラリアとニュージーランド(NZ)の外相もまた23日、この制裁措置を歓迎すると表明した。主要国が足並みをそろえるなか、制裁法の作成段階にある日本の対処も注目される。

欧米は足並みそろえ制裁発動 日本の議連、本国会で制裁法成立目指す

中国共産党による新疆ウイグル自治区の少数民族に対する恣意的な拘束、強制労働、強制不妊手術などの大規模な弾圧について、米国務省や複数国の政府、議会がジェノサイド(大量虐殺)と認定している。この責任を中国政府に問うため、欧米主要国は協調的な取り組みを行った。

いっぽう、日本は制裁について言及を避けた。主要7カ国(G7)で対中制裁に参加していないのは日本だけとなった。加藤勝信官房長官は23日の閣議後の記者会見で、中国の新疆ウイグル自治区の人権状況に関し「深刻な懸念」を表明するも、日本国内法には「人権問題のみで制裁を実施する規定はない」と述べた。

茂木敏充外相は23日、参院外交防衛委員会で、日本独自の制裁について「人権侵害を認定して制裁を科すような制度を導入すべきかについては、これまでの人権外交との関係や国際社会の動向など、さまざまな観点からの分析、検討が必要だ」と述べ、態度をあいまいにした。

米国務省のポーター副報道官は22日の記者会見で、日本が欧米の制裁に同調するかどうかは日本が判断することだと述べた。

道半ば 日本の人権制裁法

ウイグル人弾圧問題をめぐっては、日本でも中国への制裁措置に関する議論が国家安全保障局(NSS)や経済産業省、国会議員の間で始まっている。超党派国会議員は、人権侵害者に対する制裁法を制定させる議員連盟の結成を表明しており、3月24日に発起人会を開く。同議連は、今国会中の人権侵害制裁法の議員立法を目指す方針という。佐藤正久議員の公表によれば、25日、自民党外交部会の人権外交PTは、日本ウイグル協会からヒアリングする。さらに、中国側からもヒアリングして提言をまとめるという。

日本における外国組織や個人に対する経済制裁措置は、従来から国連安全保障理事会決議に基づき、テロ組織やイラン、北朝鮮に対して実施されている。他国内の人権侵害を理由にした制裁はアパルトヘイト(人種隔離政策)以来、しばらく行われていない。

日本では「外国為替及び外国貿易法(外為法)」で、貿易規制や取引規制を行うことはできる。「国際約束を履行する必要がある」「国際平和のための努力に日本も寄与する必要があるとき」を要件として、経済制裁措置が発動できる。

中国の人権問題に詳しい、自由インド太平洋連盟副会長兼日本代表・石井英俊氏は大紀元の取材に対して、「日本は現在、人権外交を掲げており、対応が求められる。国会で与野党を問わず議論されているが、単なる議論で終わらないことを願う。早く行動しなければならない」と述べた。

シンガポール国立大学で政治学を専門に扱う莊嘉穎博士は、米インド太平洋軍運営のメディアの取材に対して、日本は制裁対象を絞り、米国の法律と同様の法案が作られる可能性が高いと語った。「(日本にとって)国連決議がない限り制裁は難しい状況だが、そもそも国連安保理常任理事国の中国が、(中国制裁)決議を認めるはずがない」

「中国によるウイグル人の組織的な弾圧に対する国際社会からの注目が十分に高まっている。民主主義を謳い、国際社会の指導者的役割を果たしていると自負する国家が、こうした状況を無視できなくなっている」と説明する。

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が2020年3月に発表した報告書で、強制労働を含むウイグル人労働者の関与が指摘された主要国際ブランドは83社ある。そのなかで、14社の日本企業が名指しされた。一部の日本企業は指摘を受けて独自調査を行い、強制労働への関与があった場合は排除すると発表している。

IPAC日本共同代表議員「日本は毅然と行動しなければ」

中国外務省は22日、欧米の制裁措置に対する報復として「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」に加盟する欧州議員や中国人権問題を指摘する学者ら10人の個人と4団体への制裁を発表した。中国への渡航禁止、中国とのビジネス禁止が含まれる。

山尾志桜里議員は中国の報復制裁の発表を受けて、「日本が制裁法成立に向けて弱腰になれば、中国は反撃が奏功したとみるし、連携する国々は失望する。だからこそ日本は毅然と行動しなければならない」とSNSに書いた。別のツイートでは、「人権と国益に与野党の別はない。超党派で真剣に議論して結果を出したい」と意気込みを書いた。

昨年10月、米国、日本、多数の欧州連合(EU)加盟国など39カ国は、少数民族ウイグル人、チベット人の人権を尊重するよう中国に求めた。さらに、香港の状況への懸念も表明した。

22日に発表された3種の制裁措置は、新疆生産建設兵団と新疆公安局の個人を対象としている。両組織は多数の大手中国テクノロジー企業と契約し、集団収容所や監視システムを構築してきた。米トランプ政権は昨夏、両組織を制裁した。

1989年の天安門事件以来、EUが中国の人権侵害を理由に制裁を科すのは今回が初めて。英国もグローバル人権制裁法の発動は今回が初となる。

人権問題については、先週、アラスカで行われた初の米中ハイレベル戦略対話で、米国のアントニー・ブリンケン国務長官とジェイク・サリバン国家安全保障顧問が、中国の楊潔篪国務委員、王毅外交部長に対して突きつけている。楊氏はこの問題を含む米側の指摘に憤り、16分以上の通訳のない主張を行った。

(佐渡道世)』

習近平の共産原理主義回帰への誤算、錯覚と王滬寧

http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/5149567.html

『2018年5月、中国当局は盛大にカール・マルクス生誕200周年のイベントを行い、最高指導部が「共産党宣言」を再学習したという。中国の多くの実業家がこれに驚きを隠せなかったという。「共産党宣言」は私有制度、資産階級(資産家)の消滅を目標に掲げているからだ。

2018年9月、トランプ大統領は2000億ドル相当の中国製品への関税を10%に引き上げ、米中貿易戦がぼっ発した。同月25~28日、習近平国家主席は中国東北部の3つの省を視察し、毛沢東時代によく用いられた「自力更生」のスローガンを口にした。2019年5月10日、トランプ政権が対中制裁関税を引き上げた後、習近平政権の毛沢東路線を踏襲する姿勢がより鮮明になった。

Screenshot(3)中国共産党中央政治局が2019年5月13日の会議で、6月以降全党員に「初心を忘れず、使命を銘記」という思想教育を徹底的に行うことを決定した。会議はまた、全党員に対して「党の執政の階級基礎と群衆基礎を絶えず固めよう」と求めた。「階級」と「群衆」は、共産主義理論のキーワードだ。中国国民に、文化大革命を彷彿させた。約10年間に及ぶ文化大革命では、毛沢東らが呼び掛けた「階級闘争」で、数多くの知識人が粛清された。

新新聞1606期00習近平氏が毛沢東思想を持ちだしたのは、王滬寧(ワン フーニン)氏:写真左の右 と大きく関係するとみられる。党の指導理論の構想に長けている学者出身の王滬寧氏は、江沢民元国家主席の右腕である曽慶紅の推薦によって、江沢民に党中央政策研究室政治組の責任者に抜てきされ、党のプロパガンダを担当した。江沢民時代に「三つの代表」、胡錦涛時代に「科学発展観」などの思想理論の起草を主導した。王氏が10年間以上、「江沢民と胡錦濤」、「江沢民と習近平」の権力闘争を生き抜き、「政界の不倒翁」との異名を持つ。参照記事

民族主義者を側近にした不幸:習氏は2017年、有力側近に民族主義者である王滬寧(ワン フーニン)氏を序列5位の中央政治局常務委員に選んだ。この人事が、習氏の外交政策を大きく変えさせ、米国と対決する路線に誘い込んでしまった。王氏は、米国留学経験を持つが、「真面目」に米国で学んだのでなく、米国の欠点ばかりをあげつらう異端児であった。これが、米国軽視を習氏に吹き込んだ背景である。

201710191119_1習近平氏は、2035年までに米国経済へ追いつき、抜き去るという目標を立てた。この裏には、前記の王滬寧氏が采配を振るったことは容易に想像できる。この夢の計画は、国家主席任期制限撤廃とともに、2017年10月の第19回中国共産党大会で了承された。習氏は党大会冒頭の演説で「新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しよう」と述べた。

しかし、選んだ側近が、米国を軽視する民族主義者であるという悪条件が重なり、今回の米中貿易戦争では、無残な敗北を喫したのである。この計画は、もともと人口問題(労働力供給)と環境破壊という、100%予測できる問題を無視した不完全な計画で、大きな誤解を生むものである。中国は深刻な人口動態や環境破壊の実態を無視して、「バラ色」のデタラメ計画をつくっていた。

p1問題は、中国がGDP世界1位の夢に憧れた理由は何かだ。
それは、中国共産党の統治能力の高さを内外に示して、国内政治の安定化を実現する。同時に、米国から覇権を奪って「中華の夢」を実現する。名実ともに、世界の盟主交代によって、世界を共産主義化するというのであろう。このシナリオ・ライターが、王滬寧氏であることは間違いない。日本で言えば、軍部の若手将校を操った大川周明という役どころであろう。あるいは、帝政ロシアの怪僧ラスプーチンになぞらえる人物と思われる。

習氏は2017年、有力側近に民族主義者である王滬寧(ワン フーニン)氏を序列5位の中央政治局常務委員に選んだ。この人事が、習氏の外交政策を大きく変えさせ、米国と対決する路線に誘い込んでしまった。習近平氏の誤算は、大変な人物を抱え込んでしまった。参照記事 参照記事

中国の経常収支黒字は、2015年には3041億ドルを稼ぎ出して世界1位になった。それが、2018年には490億ドルに縮小して、世界11位と大幅な後退である。経常収支黒字は、多くは外資系企業の輸出が稼ぎ出したものだ。それを、中国企業の奮闘と錯覚して、前記の「中華復興」という夢を語らせたのであろう。「他人の褌で相撲を取っている」ことに気付かず、有頂天になったのだ。参照記事 肝心の外資が中国離れの中、習近平体制は人口問題(労働力供給)と環境破壊を力づくで抑えようとする一方で、習近平は自身の格付けに日本への国賓招致を狙っている。 』

ウィグル人問題でEU米英カナダ協調で中国へ制裁と民族浄化の裏

http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/5248226.html

『米政府は2021年3月22日、イスラム系少数民族のウイグル人に対する扱いを巡り、カナダや欧州の同盟国と協調して中国政府当局者らに制裁Sanctionsを科した。中国に対抗し他国との連携を強化したいバイデン政権の方針の一環。

左の図は、オーストラリア戦略政策研究所が分析した衛星写真を基に特定した、中国・新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の収容施設と思われる建物Suspected detension sinnkyoufacilitiesがあるとみられる場所を示した地図(2021年3月22日作成)。(c)JOHN SAEKI, LAURENCE CHU / AFP

 bkn-20210322195814737-0322_00992_001_01p制裁は中国北西部・新疆地区に住むウイグル人の強制収容に関わった中国政府の現職および元当局者と政府組織を対象とするもので、EUと英国、カナダは、ウイグル人の人権を侵害したとして、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)の旧・現当局者である朱海侖(Zhu Hailun)氏、王君正(Wang Jungzheng)氏、王明山(Wang Mingshan)氏、陳明國(Chen Mingguo)氏の4人と、国営企業*「新疆生産建設兵団(Xinjiang Production and Construction Corps)」に対する制裁を発表。米国は王君正、陳明國の2氏に制裁を科し、米国、カナダ、英国、欧州連合(EU)が足並みをそろえて発表した。

147862*新疆生産建設兵団(XPCC)は1954年に正規の軍隊から移行したもので、農七師は元の解放軍第9軍団の第25師団だった。人民解放軍が新疆生産建設兵団となった訳で、我が国で言えば「屯田兵」的存在。兵団は平時には生産70%・軍事30%、有事には軍事80%・生産20%となる。 参照記事 。

cGcq5yM0UjNmhTNiVGZ「兵団」と呼ばれることが多いXPCCは、「自力更生」を掲げる毛沢東の命令でこの遠い国境の地域を守り、発展させるために設立された経済、社会、準軍事的組織。1949年に中国共産党が新疆を支配した後、国の命令により移住させられた漢族がメインで、当初17万5,000人の退役軍人で構成された団員は、現在、b076a4f8250万人に増加し、工業や農業の分野や、公共や民間の団体で働いている。そのうちの約86%は漢族の中国人であり、新しい団員の多くは新疆以外の地域から来ている。以来、新疆地区全住民に漢族が占める割合は4%から40%以上に増え、イスラム教徒のウイグル族の人口に迫りつつある。参照記事

、、、自治区の少数民族保護とは名ばかりで、開発に名を借りた強引な民族浄化政策である。同じ手法はチベットでも行われ、先住者の土地を強制収用して資源開発したり、転売で金儲けに走る中国人(漢人)役人がばっこする流れとなる。職業訓練も、農地を手放させる方策と見れば分かりやすい。 

EUと英国が人権に関する制裁を中国に科すのは1989年の天安門事件以来。

24a54cc2米国はここ1年間、今回と同様の制裁を科してきたが、同盟国よりも一歩踏み込み、中国の行動が民族大量虐殺に相当すると述べている。中国は即座に報復として、欧州の個人・団体に対する制裁を発表し、欧州議会(European Parliament)の議員5人を含む10人とEUの2組織、シンクタンク2団体に対し、中国への入国を禁じた。参照記事 参照記事 参照記事 中国記事 過去ブログ:2021年3月毎日新聞中国総局長が、独自に新疆地区の刑務所の一つを確認  2月ウィグル人証言で中国叩きの英国 EUも追従 報復に出る中国 2020年11月反中国、反共主義を鮮明にしたホワイトハウス 米国 9月中国の内モンゴルに見る中共政府の恐怖政治 8月巨大な「収容所」になるのかチベット 2017年1月ダボス会議参加の国家主席にチベット人のデモ スイス 1月習近平の共産原理主義回帰への誤算、錯覚と王滬寧 2016年5月中国による民族浄化が進むチベット 2014年2月今本当にナチスに近いのはどこだ? 2012年10月宗教、語学学習さえも弾圧する中国 チベット 10月この国歌にして、この国民 中国 2011年10月チベット僧侶焼身自殺 チベット(19) 2010年11月チベットで世界一高い河川にダム 中国 2008年3月中国はいかにチベット、ウィグルを侵略したか

 チベット(5) 3月チベット史(4)開放?これが。

4d8cf1c5中国共産党は2020年10月26~29日、最重要会議である第19期中央委員会第5回総会(5中総会)で、第14次5カ年計画(2021~25年)と35年までの長期目標の基本方針として、これまでの国際大循環(一帯一路、世界の工場政策)から国内大循環(内需拡大)への変更を表明した。これは、諸外国の中国叩きを意識し、習氏が好きな毛沢東時代の左派スローガンである「自力更生」的な考えをかなり取り入れているように見えると評論されている。この事は、中国内の民族統一(民族浄化)がいっそう加速する可能性があると筆者は見ている。今、世界中が中国叩きに出た状況と無関係ではないだろう。最近の中国の教科書では文化大革命が毛沢東の“錯誤”であったという表現を、毛沢東の“苦労と探索”という表現に書き改められているという。 

参照記事 参照記事 過去ブログ:2020年1月習近平の共産原理主義回帰への誤算、錯覚と王滬寧 』

日独情報保護協定に署名

北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:日独情報保護協定に署名
http://blog.livedoor.jp/nappi11/archives/5248259.html

『2021年3月22日、茂木敏充外務大臣とイナ・レーペル駐日ドイツ大使Ina Lepel, ambassador to Japan, Germanyとの間で日独情報保護協定Japan, Germany Intel-sharing pact が署名された。同協定は、日独政府間で交換される国家安全保障に関わる秘密情報を、双方の政府が自国法に基づいて保護する措置などについて定めたもの。

d574dd5b双方は署名後、懇談を行い、茂木外務大臣はドイツがインド太平洋にフリゲート艦を派遣することに歓迎の意を表した。

ドイツ大使館は公式ツイッターで「日独情報保護協定の署名を歓迎します。インド太平洋地域において価値を共有する重要なパートナーである日本との協力を一層深めていくためのさらなる重要な一歩です」と投稿した。日独情報保護協定は2019年2月、メルケル首相訪日時に、安倍前首相とともに交渉を始めたことがきっかけで、情報保護協定とは、2国の政府が防衛関連の情報や対テロ情報、技術分野の保護を要する情報をやり取りする際に締結されるもの。

ドイツ大使館は「ドイツと日本は技術立国であり、両国の情報保護協定締結により、国家安全保障に係る機微な分野やサイバー(セキュリティ)・宇宙・電磁波等保護すべき高度技術を含む将来の協力分野において協力を進める新たな可能性が開かれ」るとしている。日本はこれまでに、米国や北大西洋条約機構(NATO)、英国、オーストラリア、インドなど9つの国や組織と同様の協定を締結している。

参照記事 英文記事 過去ブログ:2021年3月中露を警戒するNATO、日米同盟、クアッド 2月日米英豪の半導体同盟と中国の台湾進攻の現実味と日本の防衛』

LINE「利用者へ配慮なかった」 会話データ、国内移管へ

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ239TW0T20C21A3000000/

 ※ ネットでは、ずっと言われ続けてきた話しだろ?

 ※ なんで、今さら大騒ぎしているんだ?

 ※ LINE使うヤツは、個人情報抜かれてもヘーキな、「情弱」と言われ続けてきただろ?

 ※ 使っているヤツは、それを承知で使っていたんじゃ、ないのか?

 LINE (企業)
https://ja.wikipedia.org/wiki/LINE_(%E4%BC%81%E6%A5%AD)

『概要

法人としては韓国最大のインターネットサービス会社であるネイバー(NAVER、1999年設立)が2000年にオンラインゲームサイト「ハンゲーム」の日本運営法人「ハンゲームジャパン」として設立したのが最初である[5]。2011年6月にハンゲームジャパン改め NHN Japan が始めた「LINE」の爆発的普及により業績を伸ばし、2013年には法人名自体を「LINE株式会社」に改め、2018年時点で子会社であるLINEはNAVERグループ全体の総資産の40.1%、売り上げ高の37.4%を占めた[6]。

2019年にソフトバンクグループでYahoo! JAPANを運営するヤフー(2020年に持株会社化しZホールディングスに商号変更)との経営統合を発表し、複数回の株式移転を経て2021年3月1日にZホールディングスと経営統合[7]。旧LINE株式会社はZホールディングスとの合弁会社とした上で「Aホールディングス株式会社」に法人名を改めた。現在のLINE株式会社は2019年の経営統合発表後に設立された分割準備会社を元としており、2021年に事業譲受後にZホールディングスの完全子会社となっている。』

『沿革
2000年(平成12年)
10月 – ハンゲームジャパン株式会社として設立。
12月 – ハンゲーム日本版の正式サービスを開始。
2003年(平成15年)
8月 – NHN Japan 株式会社に商号変更。
2004年(平成16年)
7月 – NAVERブログのサービスを開始(現在は終了)。
2005年(平成17年)
6月 – CURURUのサービスを開始(現在は終了)。
2006年(平成18年)
5月 – アソブログのサービスを開始(後にサービス終了)。
12月 – マルチタームを完全子会社化。
2007年(平成19年)
1月 – ISMS認証(ISO/JISQ27001規格準拠)を取得[8]。
6月 – 日本オンラインゲーム協会に入会。
10月9日 – 代表取締役社長が千良鉉から森川亮へ異動[9]。
11月 – 検索関連事業を行う子会社ネイバージャパン株式会社を設立。
2008年(平成20年)
2月 – 韓国メディアウェブ社との共同出資で株式会社メディエーターを設立。
3月 – ケータイハンゲームのサービスを終了。同月にハンゲ.jpのサービスを開始(現在は終了)。
2009年(平成21年)
12月 – モバイルコンテンツ審査・運用監視機構のコミュニティサイト運用管理体制認定制度の審査に合格[10]。
2010年(平成22年)
1月 – ハイチ地震で被害を受けたハイチ共和国に義援金100万円を贈呈[11]。
5月 – ポータルサイト運営の株式会社ライブドアを完全子会社化[12]。
2011年(平成23年)
1月 – オリックス・バファローズのユニフォームスポンサーとなり、ヘルメット・パンツ左にハンゲームのロゴマークを掲出。
2012年(平成24年)
1月 – NHN Japan株式会社、ネイバージャパン株式会社、株式会社ライブドアが経営統合。株式会社ライブドアのメディア事業[13]とネイバージャパン株式会社を吸収合併[14]、データセンター事業および通信関連事業の残った株式会社ライブドアは株式会社データホテル(現・NHNテコラス株式会社)に商号変更(吸収せず子会社のまま存続)。
7月3日 – KDDI株式会社との業務提携に合意[15]。
10月1日 – 本社を渋谷ヒカリエに移転[16]。
11月8日 – グリー株式会社、株式会社サイバーエージェント、株式会社ディー・エヌ・エー、株式会社ドワンゴ、株式会社ミクシィなどと共に一般社団法人ソーシャルゲーム協会を設立[17]。
2013年(平成25年)
2月26日 – ノキア・コーポレーションと戦略的業務提携を締結[18]。
3月28日 – ヤフー株式会社(現・Zホールディングス株式会社)との業務提携に基本合意[19]。
4月1日
LINE株式会社に商号を変更[20]。
ゲームに関する事業を新設分割によりNHN Japan株式会社(現・NHN JAPAN株式会社)に承継[20]。
子会社のジェイ・リスティング株式会社がLINE Business Partners株式会社に商号を変更[20]。
11月7日 – ブイグテレコムとパートナー契約を締結[21]。
11月14日 – クレオンモバイルと戦略的提携を締結[22]。
12月2日
結婚支援サイト「youbride」等の事業を、新設分割により株式会社Diverseに承継[23]。
株式会社Diverseの全株式を株式会社ミクシィに売却[23]。
2014年(平成26年)
2月5日 – テレフォニカS.A.とパートナーシップを締結[24]。
4月1日
出澤剛が代表取締役COOに就任[25]。
静岡大学と小中学生向け情報モラル教材開発の共同研究を開始[26]。
6月10日 – セールスフォース・ドットコム・インクとパートナーシップを締結[27]。
8月7日 – 株式会社gumiとの資本業務提携に基本合意[28]。
9月9日 – 投資ファンドとしてLINE Game Global Gateway投資事業有限責任組合を設立[29]。
9月30日 – 株式会社データホテル(現・NHNテコラス株式会社)の全株式をNHN PlayArt株式会社(現・NHN JAPAN株式会社)に譲渡[30]。
10月8日 – 株式会社講談社、株式会社小学館、株式会社メディアドゥとの合弁会社としてLINE Book Distribution株式会社を設立[31]。
10月31日 – グリー株式会社との共同出資会社としてEpic Voyage株式会社を設立[32]。
12月11日 – エイベックス・デジタル株式会社、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントとの共同出資会社としてLINE MUSIC株式会社を設立[33]。
2015年(平成27年)
2月2日 – 株式会社インテリジェンスホールディングスとの共同出資会社として株式会社AUBEを設立[34]。
2月4日 – 投資ファンドとしてLINE Life Global Gateway投資事業有限責任組合を設立[35]。
2月13日 – 国際連合児童基金(UNICEF)とグローバルパートナーシップ契約を締結[36]。
2月23日 – 株式会社イーコンテクスト、ベリトランス株式会社との業務提携に基本合意[37]。
3月3日 – サイバーソース・コーポレーション(英語版)と戦略的提携に基本合意[38]。
4月1日 – 代表取締役社長CEOの森川亮が退任し、出澤剛が代表取締役社長CEOに就任[39]。
6月30日 – LINE MUSIC株式会社の株式の一部を、株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメントと共同でユニバーサル ミュージック合同会社に譲渡[40]。
8月中旬 – LongTu Koreaとの共同出資会社としてLantu Games Limitedを設立[41]。
10月2日 – インテル株式会社との提携に合意[42]。
11月11日 – 株式会社スタートトゥデイ(現、株式会社ZOZO)との業務提携を締結[43]。
2016年(平成28年)
1月 – 株式会社フリークアウト(現・株式会社フリークアウト・ホールディングス)の連結子会社のM.T.Burn株式会社と資本業務提携し連結子会社化[44]。
2月26日 – 子会社としてLINEモバイル株式会社を設立。
4月1日 – LINE公式キャラクターのライセンス管理業務を委託先の株式会社小学館集英社プロダクションから自社に移管[45]。
7月14日 – ニューヨーク証券取引所(ティッカーシンボル:LN)に上場[46]。
7月15日 – 東京証券取引所市場第一部(証券コード:3938)に上場[46]。
8月3日 – 渋谷区とシブヤ・ソーシャル・アクション・パートナー協定を締結[47]。
10月12日 – ワークスモバイルジャパン株式会社と事業提携契約を締結[48]。
10月下旬 – Snow Corporationへの出資に参加し、同社を持分法適用会社化[49][50]。
2017年(平成29年)
4月1日 – 本社を東京都新宿区新宿4丁目のJR新宿ミライナタワーに移転[51]。
4月19日 – 富士ゼロックス株式会社と協業提携契約を締結[52]。
5月1日 – 連結子会社のLINE Plus株式会社が、カメラアプリケーション事業を吸収分割によりSnow Corporationに承継[53]。
6月14日 – 連結子会社としてLINE GAMES株式会社を設立[54]。
6月15日
トヨタ自動車株式会社と協業で基本合意[55]。
伊藤忠商事株式会社、株式会社ファミリーマートとの業務提携に基本合意[56]。
9月1日 – LINE Friends Store事業を、簡易新設分割によりLINE Friends Japan株式会社に承継[57]。
11月8日 – NAVERまとめ事業を、簡易新設分割によりネクストライブラリ株式会社に承継[58]。
12月11日 – 連結子会社のLINE Pay株式会社がLINE Business Partners株式会社を吸収合併[59]。
12月中旬 – ファイブ株式会社の全株式を取得し完全子会社化[60]。
2018年(平成30年)
1月5日 – 資本業務提携により、モバイク・ジャパン株式会社の株式を一部取得[61]。
1月10日 – 完全子会社としてLINE Financial株式会社を設立[62]。
1月15日 – 大阪府大阪市北区梅田2丁目の桜橋御幸ビルに大阪オフィスを開設[63]。
4月1日 – パーソルキャリア株式会社との合弁会社の株式会社AUBEの出資比率を変更し、連結子会社とする[64]。
4月2日 – LINEモバイル株式会社が、ソフトバンク株式会社への第三者割当増資を行い連結子会社から持分法適用会社へ異動[65]。
4月16日 – エン・ジャパン株式会社との合弁会社としてLENSA株式会社を設立[66]。
6月1日
LINE Financial株式会社の完全子会社としてLINE証券設立準備会社を設立。
完全子会社としてLINE Growth Technology株式会社を設立[67]。
7月2日 – LINEマンガ事業及びLINEコミックス事業を、簡易新設分割によりLINE Digital Frontier株式会社に承継[68]。
8月1日 – 資本業務提携により、株式会社ベンチャーリパブリックの株式を一部取得[69]。
12月5日 – スターバックスコーヒージャパン株式会社と包括的業務提携を締結[70]。
12月10日 – 京都市と包括連携協定を締結[71]。
12月12日 – 東京都渋谷区にある区立コンサートホール「渋谷公会堂」の命名権を取得[72]。
12月18日 – 株式会社CyberACE、GMOアドパートナーズ株式会社、ソウルドアウト株式会社との戦略的パートナーシップ契約を締結[73]。
2019年(平成31年・令和元年)
1月4日 – エムスリー株式会社との共同出資会社としてLINEヘルスケア株式会社を設立[74]。
1月10日 – LINE Pay株式会社と株式会社デイリー・インフォメーション北海道との合弁会社としてLINE Pay北海道株式会社を設立[75]。
1月16日 – LINE証券設立準備会社が、LINE Financial株式会社及び野村ホールディングス株式会社への第三者割当増資を行い両社の共同出資会社とする[76]。
4月1日 – 慎重扈が代表取締役CWO (Chief WOW Officer)に就任[77]。
4月15日 – Global Network Initiative(英語版)にオブザーバーとして加盟[78]。
5月27日 – LINE Financial株式会社と株式会社みずほ銀行との共同出資会社としてLINE Bank設立準備株式会社を設立[79]。
6月24日
連結子会社のLINE証券設立準備会社が、関東財務局による第一種金融商品取引業の登録を完了[80]。
LINE証券設立準備会社がLINE証券株式会社に商号を変更[80]。
6月27日
スカパーJSAT株式会社、伊藤忠商事株式会社との協業に基本合意[81]。
弁護士ドットコム株式会社と業務提携を締結[82]。
7月16日 – 障害者雇用に関する事業を、簡易新設分割によりLINEビジネスサポート株式会社に承継[83]。
7月30日 – 台湾におけるインターネット専業銀行業の認可を金融監督管理委員会より取得[84]。
9月6日 – 連結子会社のLVC株式会社が、資金決済に関する法律に基づく仮想通貨交換業者として関東財務局への登録を完了[85]。
11月18日 – Zホールディングス株式会社と経営統合で基本合意[86]。
11月25日 – LINEバイト株式会社を吸収合併[87]。
12月13日 – 完全子会社としてLINE分割準備株式会社を設立[88]。
12月20日 – 一般財団法人LINEみらい財団を設立[89]。
12月23日 – Zホールディングス株式会社との経営統合に関して、ソフトバンク株式会社、ネイバー株式会社を含む4社間で経営統合の最終合意を締結[88]。
2020年(令和2年)
1月9日 – UUUM株式会社と業務提携を締結[90]。
9月24日 – 株式公開買付けにより、ソフトバンク株式会社及びNAVER J.Hub株式会社が議決権所有割合ベースで各6.41%の株式を取得[91]。
12月28日 – ニューヨーク証券取引所上場廃止[92]。
12月29日 – 東京証券取引所市場第一部上場廃止[92]。
2021年(令和3年)
1月4日 – 株式併合により、株主がNAVER Corporationのみとなる[91]。
2月26日 – 株式公開買付けなどにより汐留Zホールディングス合同会社が保有するZホールディングス株式会社の株式を取得するとともに、汐留Zホールディングス合同会社を吸収合併。ソフトバンクとネイバーの折半出資となる[93]。
2月28日 – LINE分割準備株式会社に事業を承継させ、Aホールディングス株式会社に商号変更[94]。
3月1日 – LINE株式会社(2代、旧LINE分割準備株式会社)が、株式交換によりZホールディングス株式会社の完全子会社化。』

『LINEは23日、海外への業務委託やデータ管理をめぐり個人情報の保護を強めるための対策を発表した。個人データについて中国からのアクセスを遮断するほか韓国で保管するデータも国内に移す。サービスのグローバル展開を進めるなかで、プライバシー保護がこれまで以上に重要になっており欧米などが先行する個人データの徹底管理に歩調を合わせる。

記者会見で頭を下げるLINEの出沢剛社長(23日、東京都港区)
今回、LINEが見直しを表明した事業のひとつが中国への業務委託だ。

大手のIT(情報技術)企業は業務を海外に委託することは珍しくなく、楽天もシンガポールに委託先がある。ただ、中国の場合は国家情報法により民間企業を通じて利用者のデータが当局に渡るリスクがある。業務委託そのものは個人情報保護法に抵触しないが、記者会見したLINEの出沢剛社長は「信頼回復が第一なので、明確な対応をする必要がある」と発言。「法的にどうこうではなく、ユーザーへの配慮がなかった」と述べた。

韓国でのデータ管理も取りやめる。LINEは対話アプリ上で投稿した画像・動画やキャッシュレス決済「LINEペイ」の決済情報などのデータを韓国のサーバーで保管してきた。これらについても2021年9月までに順次国内のサーバーに移転する。利用者には海外へのデータ移転については説明していたが「具体的にどの国でデータ保管をしているのかは説明してこなかった」として国内管理に切り替える。

中韓での業務をめぐり不正アクセスや個人情報の漏洩は「現時点で確認していない」(LINE)。それでもビジネスのあり方を見直すのは同社を含めたデータ企業に対する当局の厳しい目線がある。

22年施行の改正個人情報保護法では、移転先の国名を特定した上で本人同意をとることなどが盛り込まれる予定だ。欧州連合(EU)は利用者による完全な理解を前提とするなど同意取得に高いハードルを課す。改正個人情報保護法は厳格なプライバシー保護ルールを定めた欧州の一般データ保護規則(GDPR)を参考にしている。

出沢社長は「説明がミスリーディングだった」と認めたうえで、急成長が続くなかで「データについては利用者に明確なコミュニケーションをしてこなかった」と述べた。LINEは海外展開を重要戦略に掲げており今後はデータ管理を国際水準並みに厳しくする。

LINEは11年6月にサービスを始め、無料で使える対話アプリとして広く普及した。利用者は約8600万人。SNS(交流サイト)に加え決済や広告など多様なサービスを提供しており、国や自治体の情報発信や行政手続きの申請でも利用されている。

対話アプリでは圧倒的な国内シェアを持つなど「社会インフラになりつつある」(東京大学の宍戸常寿教授)。同社は3月にZホールディングス(HD)と統合し、プラットフォーマー戦略をさらに強めている。ネットサービスのなかでの存在感が高まるなかで利用者への説明責任の重みも増している。

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石川温
スマホジャーナリスト
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ひとこと解説 なぜ、画像や動画データを韓国に置いていたのか。記者会見で質問したところ、LINEの舛田淳CSMOは「日本だけではなく、アジア圏、中東、ロシアに向けて、データの遅延が少なくなる場所を探した。セキュリティが担保され、人材がいる。コスト面も条件だった」という。LINEが韓国NAVER社の子会社だったことから韓国のデータセンターが選ばれた。立地、技術、コスト面で韓国が選ばれたということは、LINE以外で個人情報を扱う企業も韓国のデータセンターを使っている可能性が高い。アメリカのSNSがアメリカにデータを置いているとは限らない。今回はLINEが問題視されたが、他のSNSも情報開示が求められそうだ。

2021年3月24日 8:22いいね
45

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今村卓
丸紅 執行役員 経済研究所長
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別の視点 LINEの米国でのユーザーが多ければ、問題はもっと早く発覚して深刻になっていたと思います。米国政府は中国政府が米国人の個人データにアクセスするリスクを非常に警戒しています。LINEを通じて多くの米国人のデータを中国政府が入手する恐れがあると米国政府が認識したなら、安全保障上の大問題として経路の遮断に動いていたでしょう。

LINEは個人情報保護を厳格化する対策を発表しましたが、「ユーザーへの配慮」に、グローバルに事業を展開する企業として、米中対立の先鋭化や安全保障の観点からの事業の検証も含まれていることを強く期待します。

2021年3月24日 11:36いいね
11

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竹内薫
サイエンスライター
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貴重な体験談 個人的な感想です。数年前、LINEの経営母体である某企業と支払いトラブルが生じ、弁護士に解決してもらうまで半年を要した苦い経験があります。企業間の吸収合併のせいで、顧客情報・請求業務が、システム的にうまく引き継げなかったのが原因だと私は考えていますが、いまだに原因は判明していません。企業が急成長するにつれ、現場が混乱し、以前は守られていた内規が崩れ、情報の扱いがずさんになる恐れは大きいと思います。今回は表沙汰となりましたが、氷山の一角ではないかと感じています。第三者委員会による徹底した調査を望みます。

2021年3月24日 10:17いいね
30

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杉本貴司
日本経済新聞社 編集委員
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別の視点 LINEは東日本大震災を機に誕生した。検索のネイバージャパンが進めていた新規事業のひとつでしかなかったチャットツール。震災を目の当たりにして「大切な人とつながれる」ことの大切さを重く受け止め、社会を支えるこの機能に集中した結果の大ヒットでした。

それから10年。LINEはこの国の社会インフラになりました。
今回の問題をLINEは説明不足としていた。確かに法的に問題はない。ただ、いまやLINEは社会インフラです。法律の枠内に留まらない責任を背負うはず。その点、出沢社長も反省の弁を繰り返していました。今回の問題を重く受け止め、真に信頼される存在になってもらいたい。10年前、そう志したように。

2021年3月24日 4:37いいね
28 』

米欧と中国、制裁の応酬 ウイグル問題が通商波及も

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODB235TN0T20C21A3000000/

『中国の少数民族ウイグル族の人権問題を巡る米欧と中国の対立が通商にも波及する可能性が出てきた。約30年ぶりの対中制裁に踏み切った欧州連合(EU)では、中国と大筋合意した投資協定の批准に不透明感が強まる。米欧では民間企業にウイグル関連取引の停止や削減を求める動きが広がる。グローバルに展開する日本企業も対応を迫られ始めた。

米欧は22日、ウイグル族の人権侵害を巡って中国政府当局者らへの制裁を相次いで発表…

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米欧は22日、ウイグル族の人権侵害を巡って中国政府当局者らへの制裁を相次いで発表した。EUと英国、カナダは新疆ウイグル自治区の公安トップら4人と同自治区の治安対策などを担う1団体に対して資産凍結や渡航禁止などの制裁を決定。米国も同自治区の公安トップら2人の資産凍結などの制裁を決めた。

中国は対抗措置としてEUへの制裁を決定。欧州議員ら10人の個人とEU関連の4団体に中国への渡航を禁じた。「中国の制裁は受け入れられず、重大な結果をもたらすだろう」。欧州議会のサッソリ議長は22日、猛反発し、制裁対象となった議員らと一緒に写った写真をツイッターに投稿した。

欧州議会ではEUと中国の包括投資協定の審議が進む。20年末に大筋合意した同協定の批准には欧州議会の「同意」が必要だ。議会第2会派の欧州社会・進歩連盟(S&D、中道左派)は22日、「投資協定の議論を始めるには欧州議員への制裁解除が条件だ」との声明をさっそく発表した。ウイグル問題を巡る対立激化で批准に暗雲が漂う。

米欧は自国産業の供給網(サプライチェーン)に新疆ウイグル自治区での強制労働による製品が流通しないよう監視も強めている。人権を巡る中国との対立激化は民間企業の供給網にも影響をもたらす。

同自治区は衣料品や電子製品の産地で、米議会はナイキやアディダスなどが強制労働で生産された製品を調達した疑いがあると指摘したこともある。米国ではすでにトランプ前政権下の2020年12月に「新疆生産建設兵団」が生産した綿製品の輸入を禁じる命令を出した。

英国とカナダも1月、自国企業がウイグル自治区での人権侵害に加担しないようにする新ルールを発表した。ラーブ英外相は「故意または不注意で、ウイグル人への人権侵害から利益を得られないようにする必要がある」と企業に警鐘を鳴らす。

英国は中堅以上の企業に対し人権侵害に加担しないためにとった対策を示すよう義務付け、怠った場合には罰金を科す方針だ。強制労働に関わった疑いのある企業は公共調達から外す。ドイツも中国を名指ししていないものの、調達先で強制労働などの人権侵害がないか企業に管理強化を求める法案を3日に閣議決定した。

20年3月にはオーストラリアのシンクタンク、豪戦略政策研究所(ASPI)が、ウイグル族の強制労働への関与が疑われる工場と取引のある企業約80社のリストを公表。国際人権団体などがリスト掲載企業に取引停止を求めるキャンペーンを始めた。

仏ラコステやスウェーデン・へネス・アンド・マウリッツ(H&M)などが相次ぎ現地企業との取引停止を発表。米ナイキなども取引先で人権侵害が起きていないかの調査に乗り出した。

人権問題に関する法制整備が遅れてきた日本でも企業が対策を強化している。ASPIのリストに掲載された三菱電機は取引先の人権調査を強化。現時点で人権侵害は確認されていないが、問題があれば取引停止する方針だ。ファーストリテイリングも疑いのある企業との取引がないことを確認したとの声明を発表した。

(ブリュッセル=竹内康雄、ロンドン=中島裕介、雇用エディター 松井基一)

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ウイグル問題とは

 中国政府が新疆ウイグル自治区で行っているイスラム教徒の少数民族ウイグル族への弾圧を巡る問題を指す。現在の新疆ウイグル自治区にあたる地域には、かねてイスラム教徒のトルコ系ウイグル族が多数居住していた。1949年に中国人民解放軍が進駐し、55年に新疆ウイグル自治区が成立した。漢族の移住が進むにつれてウイグル族との間で対立が広がり、独立運動が活発になった。
 2009年には漢族ら1700人以上が負傷する大規模な暴動が発生し、中国当局は相次ぐ暴力事件を受けてウイグル族に対する抑圧を強化してきた。一方、19年には国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が入手したウイグル族の抑圧を巡る中国当局の内部文書に関する報道を受け、中国に対する欧米からの批判が強まった。

 米国務省は昨年公表した「世界の信教の自由」に関する報告書(2019年版)で「中国政府がウイグル族ら100万人以上を新疆ウイグル自治区の施設に収容し、政治的な洗脳、拷問に加え、精神的かつ肉体的な虐待を強いている」などと指摘。トランプ前政権末期の1月には、ポンペオ国務長官が中国政府による弾圧を国際法上の犯罪となる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定した。2月にはオランダ、カナダの議会もウイグル族の扱いをジェノサイドと認定する動議をそれぞれ可決し、米国に追随した。

この記事の英文をNikkei Asiaで読む https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/China-EU-investment-deal-caught-in-Xinjiang-sanctions-crossfire?n_cid=DSBNNAR

潜在負担率66%「軽すぎる重税国家」

潜在負担率66%「軽すぎる重税国家」
編集委員 大林 尚
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK227OM0S1A320C2000000/

 ※ 国民負担率=(税負担+社会保障負担)/国民所得(GDP)

   潜在的国民負担率=国民負担率+財政赤字の比率

『新聞の1面トップ級ニュースだと思うが、これまでのところほとんど報じられていない。税金と社会保険料に関する国民負担の数字である。

財務省によると、分母に国民所得、分子に税負担と社会保障負担の合計値をおいて算出した国民負担率は、2021年度に44.3%になる見通しだ。国民負担率に将来世代の税負担になる財政赤字の比率を加えた潜在的国民負担率は、56.5%と見通している。けっこう高いと感じるが、この数字だ…

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けっこう高いと感じるが、この数字だけなら中程度のニュースだ。

目を注ぐべきは、同時に明らかになった20年度の実績見込みである。国民負担率は46.1%だが、潜在的負担率は66.5%と、法外に高い値が記されている。高負担国家の代名詞であるスウェーデンでさえ潜在的負担率は58%台止まりだ(18年実績)。むろんコロナ対策で、今は同国の負担率も上がっているかもしれない。だが18年の財政赤字比率がゼロという巧みな財政運営を考えると、コロナ対策費を借金でまかなったとしても国の財政の余裕は日本よりはるかに大きい。

ちなみに、日本の財務省が昨年2月に公表した資料をみると、20年度の潜在的負担率の見通しは49.9%だった。この1年間に16.6ポイントも跳ね上がったのは、ひとえにコロナ対策のせいだ。赤字国債の発行という将来世代へのつけ回しで財源を工面した。その事実を物語る数字である。

振り返ると、1970年度以降で潜在的負担率がもっとも高かったのは2011、12年度の50.3%だった。この両年度を除くと、50%を超過した(する)のは20、21年度のみだ。

ちょうど2年前、19年3月の小欄の見出しは「江戸の五公五民と平成の国民負担」だった。江戸時代、百姓が苦労して収穫した米の半分を領主が年貢として召し上げ、残り半分は領民の取り分とする「五公五民」に象徴される重税感を引き合いに、令和時代の国民負担を論じたコラムだ。潜在的負担率をリアルの国民負担率に近づけるのが課題になると書いたが、あまい夢想にすぎなかった。

根源的な問題は、潜在的負担率が66.5%に膨れあがる過程で、コロナ対策を名目にすれば将来世代につけをどんどん回してもいいんだという空気が醸成されたことではないか。もちろん100年に1度のパンデミックである。蒸発した需要をカバーする責務は、一義的に国・自治体など公的セクターにある。だが「対策費は大きいほど善だ」という意見に疑問を呈する声はかき消され、異論を封じてしまった政策決定プロセスは、改めて検証が必要になるだろう。

昨年5月、当時の安倍首相はコロナ対策を空前絶後の規模、世界最大の対策と胸を張った

20年5月25日、最初の緊急事態宣言を全面解除した安倍晋三首相(当時)が首相官邸で記者会見に臨んだ。力説したのは、政府が用意しようとしているコロナ対策のスピードと巨額さだった。会見録から抜粋する。

「多くの事業者がこの瞬間にも経営上ぎりぎりの困難に直面しているなかで、さらなる時間を要することは死活問題だ。希望は見えてきた。事業と雇用はなんとしても守りぬく。その決意のもとに2次補正予算を決定する。1次補正と合わせて事業規模は200兆円を超す。GDP(国内総生産)の4割にのぼる空前絶後の規模、世界最大の対策で100年に一度の危機から日本経済を守りぬく」

首相をはじめ官邸中枢メンバーの念頭にあったのは、08年の米大手証券リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した経済金融危機の再来はなんとしても防ぎたいという思いであろう。

その問題意識は正しいが「空前絶後」「世界最大」のアピールが目的化していたとすれば、安倍政権自身が掲げていた「根拠に基づく政策立案」(EBPM)は、顧みられなかったことになる。令和の日本を、江戸期の五公五民をしのぐ重税国家に陥らせた経過が軽すぎないだろうか。

今はなき首相の諮問機関、経済審議会の構造改革推進部会が財政と社会保障の構造改革を求める報告書をまとめたのは1996年だ。その主眼は、制度改革を断行しなければ潜在的負担率が当時の40%程度から2025年度に70%を上回る水準になるという警告だった。経済審はこれを「破局のシナリオ」と形容した。報告書はまた、財政赤字を考慮しないリアルの国民負担率よりも、潜在的負担率を政策目標にする必要性を説いていた。

小林陽太郎氏が部会長を務めた経済審の構造改革推進部会は潜在負担率の重要性を指摘した

さらに遡れば、第2次臨時行政改革推進審議会(行革審)が国民負担率を2020年ごろに50%未満に抑えるべきだという政策目標を盛り込んだ答申を海部俊樹元首相に提出したのは、1990年であった。30年先を見据え、座視していれば将来世代が被るであろう不利益をやわらげようと、時々の政権が英知を結集させて結論を導く過程には、重厚な議論の積み重ねがあった。

経済審の部会長は、のちに経済同友会代表幹事に就く小林陽太郎氏が、第2次行革審会長は日経連会長だった大槻文平氏がつとめた。将来世代への責任を果たしたいという経済人の自負が見てとれる。

潜在的負担率を1年で66.5%に上昇させた過程には、その重みが感じられない。経済人の発信力は残念ながら衰えている。この過程の検証が十分でないままに、21年度の政府予算案は週内にも国会で成立する運びだ。重税国家への足音がひたひたと忍び寄ってくる。