強制労働排除の声明「大きな成果」 政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021102500464&g=pol

『磯崎仁彦官房副長官は25日の記者会見で、先進7カ国(G7)貿易相会合が中国を念頭にサプライチェーン(供給網)から強制労働を排除するとの共同声明を採択したことに関し、「G7として強制労働に特化した共同声明を初めて取りまとめたことは非常に大きな成果だ」と歓迎した。 』
強制労働排除の声明「大きな成果」 政府
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021102500464&g=pol

『磯崎仁彦官房副長官は25日の記者会見で、先進7カ国(G7)貿易相会合が中国を念頭にサプライチェーン(供給網)から強制労働を排除するとの共同声明を採択したことに関し、「G7として強制労働に特化した共同声明を初めて取りまとめたことは非常に大きな成果だ」と歓迎した。 』
快著のご紹介。
https://st2019.site/?p=17689
※ 「解」とは、常に、「現実解」のことだ…。
※ 「言説」で、「現実をくるむこと」は、できない…。
『2021-11-10発行と奥付にあるワニブックスの『EV推進の罠』という新刊をある方から頂戴し、さっそく第1章に目を通したが、すばらしい内容だ。
ポイントを摘記すれば以下の如し。
日本のGDPをいちばんたくさん稼ぎ出しているのは製造業である(20%)。
全部の製造業のなかでも、自動車が18.8%と最大である。
ディーゼルエンジンは、二酸化炭素の排出量が、普通のガソリン車の四分の三。
脱炭素のオプションとして、合成燃料「e-fuel」あり。二酸化炭素と水素を結合させて作る。既存の燃料に任意の比率で混ぜても使える。ひょっとすると、これが最も有望。
にもかかわらず単純頭の政治家は「EV」しか言わない。
トヨタの豊田章男会長は、「ヤリス」の製造工場を意図的に宮城県大和[たいわ]町に建設させた。
大和町の人工は28万人。熱海市の人口は37万人。にもかかわらず、大和町の総生産は2815億円で、熱海市の1427億円の2倍。2017年の統計。
つまりそれほどに、製造業が失業をなくしてくれる。
トヨタは、為替その他のコスト的に1000億円の損になるのは承知のうえで、敢えて、日本国内で年間300万台を製造させ続ける方針。なぜかというと、そのレベルを維持していかないと日本国内では生産の技術が継承されなくなってしまうから。
ちなみに日本国内ではすべてのメーカーを合計しても自動車は年に140万台しか売れない。
また2017年の統計。
那覇市は人口32万人だが、総生産は1兆4092億円。これに対して太田市は人口22万人なのに、スバル工場があるおかげで、総生産は1兆4849億円。
すなわち、製造業がうみだす雇用は、観光業・飲食業などとは同日の談ではないのである。
豊田会長は2021年の年始の挨拶で、自動車産業で働く550万人の人々を鼓舞した。550万人は、日本の雇用者数の10%である。
豊田会長の2020-12-17オンライン記者会見での発言趣意。
電動化率は日本はすでに世界第二位だ。
一位はノルウェーだが、車両数の桁が違う。ノルウェーは10万台、日本は150万台である。
したがって総量では日本が一位である。
日本国内の乗用車400万台をもしすべてEV化すると、夏の電力使用のピーク時に停電が発生してしまう。そうさせないようにしたければ、国内の発電能力を10%から15%増やす必要がある。
これは原発ならば10基、火発ならば20基の新設に相当する。それを太陽電池や風力で満たすことは非現実的で、夢物語にすぎない。
総EV化したら、戸建住宅が充電端末を設置するのに、費用が10~20万円必要。
集合住宅だと、50~100万円必要。
急速充電器の場合、1台は600万円もする。
したがって、「充電インフラ」を整えるだけでも、14兆円から37兆円のあらたな負担を国民は強いられてしまう。
電池を国内で製造する場合、完成検査のために充放電をしてみないわけにはいかぬ。ところが、1台のEVの蓄電量は、家1軒の7日分の消費電力に相当するのだ。それを年50万台生産する自動車工場でやりだしたらどうなるか。1日あたり5000軒分の電気を1工場で毎日、充放電し続けることになる。
この電力を供給するために発電所で余計に二酸化炭素がつくられるのは不可避である。
したがって、カーボンニュートラル達成をもし政治家が安易に対外公約にしてしまうと、日本国内では電動自動車すら製造できないということになるしかないのだ。日本の雇用は壊滅するはずだ。
――――第1章だけでもこの面白さ。まさに《EV災害》がやって来ようとしているわけか……。続きを読むのが楽しみです。』
ファーウェイ「入ってる」EV続々 部品供給、車も販売
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2529Y0V20C21A8000000/




『【広州=比奈田悠佑】中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)が電気自動車(EV)関連の事業を開拓している。米中貿易戦争を受けてスマートフォンなど消費者向けビジネスの世界展開が難しいためだ。電子部品やソフトを「基幹システム」としてEVメーカーに供給し、これを搭載したEVの代理販売で提携ブランドを2社に広げた。新興メーカーがひしめく中国のEV業界を足がかりに、新たな収益の柱を探る。
ファーウェイ・インサイド
ファーウェイは2021年内に、北京汽車集団傘下のEVメーカー、北汽藍谷新能源科技のEVを自社の店舗で発売する。9月下旬に北汽藍谷が発表した。
ファーウェイは車関連のより高度な部品やソフトウエアを「HI(ファーウェイ・インサイド)」と銘打ち、EVメーカーへの売り込みを強めている。今回は北汽藍谷の高級EVブランド「ARCFOX」のうち、HIを組み込んだ車種を販売する。
ファーウェイが自社店舗で扱うEVとしては、中堅メーカー重慶小康工業集団の傘下企業が生産するEV「セレスSF5」を4月に発売して以来、2社目の案件となる見込みだ。ファーウェイはHIの採用や知名度の拡大へ同様の提携企業を広げる構えだ。
ファーウェイの電気製品の店舗でEV「セレスSF5」に見入る来店客ら(北京市)=ロイター
中国メディアによると、ファーウェイ側は店舗で販売したEVの売上高の1割を得られる。そのうち7~8割が販売店の取り分となる。販売店の多くは直営ではなく、別のオーナーがいる「代理店」だ。セレスSF5の四輪駆動モデル(24万6800元=約425万円)で計算すると、1台あたりのファーウェイの取り分は10万円前後になる。
スマホ店員にEV教育
「売れ行きが良く、生産能力が追いついていない。納車には2カ月かかる」――。広州市中心部のファーウェイ販売店を訪ねると、男性従業員がセレスSF5の好調をアピールした。この店では6月下旬に販売を始め、1カ月間で10台を売った。
男性従業員はもともとスマホなどの製品を売っていたが、セレスSF5販売開始の2カ月前からEV関連の教育を受け始めた。メーカーの本拠地である重慶にも研修で足を運んだという。
4月以降、中国各地でEVを取り扱うファーウェイ店が増えている。車ディーラーなどで経験を持つ人材の採用も進めており、求人アプリを見ると、製品説明や試乗に付き添う従業員を円換算で18万円近い月給で募集している。全国の小売りや卸売り関連の平均月収が12万円程度であることから比較的良い待遇だ。
米中貿易戦争がファーウェイの大きな障壁に(同社の任正非・最高経営責任者=CEO)=ロイター
年間売上高が約15兆円に上るファーウェイにとってEV関連の収益はまだ限定的だ。それでもEVに真剣に取り組み始めた背景に、同社がHIに託す新たな戦略がある。
車関連の開発に年10億ドル
同社は21年以降、自動運転関連を含め、車分野の研究開発に毎年10億ドル(約1100億円)を投じる計画だ。スマートカーソリューション・ビジネスユニットの王軍・総裁は「ネットにつながるEVで求められる部品は従来の車部品とは異なる。市場の潜在力は大きい」と話す。車のIT化や自動化ニーズのなかで、自社のノウハウが生きるとみる。
主力としてきたスマホ事業への逆風は強い。ファーウェイは米政府が20年に打ち出した輸出規制の強化により、スマホ生産に不可欠な半導体の調達が厳しく制限された。同年11月には低価格のスマホブランド「HONOR(オナー)」を売却する事態となり、米調査会社IDCによると21年1~3月期の中国のスマホ出荷台数シェアで、トップ5位から脱落した。
既存事業が袋小路に入るなか、ファーウェイはEV販売で完成車メーカーを側面支援しながら、自社の部品やソフトの採用拡大を狙う。EV販売では大手メーカーが大通り沿いなど「ロードサイド」型の店舗でしのぎを削るなか、ファーウェイは市街地のショッピングセンターに多い自社店舗を引き続き活用する。
日系車メーカーの営業担当者は「スマホ店舗でのEV販売は時流に合っている」と話す。集客にコストをかけなくても常に多くの消費者が行き交う立地で、家電販売などとの相乗効果も期待できる。
ただ、ショッピングセンターの店舗では保守・修理への対応が難しく、試乗も少し離れた駐車場などへの移動が必要になる。部品やソフト開発での安全評価も通信機器とは異なる厳格な水準が求められ、事業を本格軌道に乗せるには課題も多い。米国などの通商規制の先行きによっては、ファーウェイの部品やシステムの搭載を避けるEVメーカーが相次ぐ可能性もある。』
中国5G基地局失速 住友電工など欧米シフト
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF1378J0T10C21A8000000/



『中国で高速通信規格「5G」の基地局の整備が遅れている。中国国家統計局によると、1~8月の携帯基地局部品の生産は前年同期比で53%減り、データのある月では11カ月連続のマイナスだった。米中対立で米国製の部品調達が難しくなっているためだ。住友電気工業など部品メーカーは欧米での開発人員を増やすなど欧米シフトを進める。
中国は世界市場の6割強を占め、部品の生産量は基地局の整備動向とほぼ比例する。米国の輸出規制の強化で中国メーカーは米国製部品の在庫が無くなり生産が滞っているとみられる。日本の部品メーカーにとって大口顧客の中国の減速は痛手だ。村田製作所の村田恒夫会長は「通信障害を防ぐ部品の需要が落ち込んでいる」と話す。通信部品大手は「2020年夏から複数の中国・華為技術(ファーウェイ)向け案件がなくなった」と明かす。
住友電工は2022年3月期中にオランダなど欧米の開発人員を倍増させる。顧客の要望を迅速に開発に生かす狙い。9月には米国で5G基地局に使う半導体工場が稼働した。現在は基地局部品の海外売上高は中国が9割を占める。5年後をめどに欧米の割合を1割から5割に高める。
日本電気硝子は22年にも欧米専門の営業部隊を立ち上げる。光ファイバー部品の9割が中国の工場向けであり、欧米に注力する。
ファーウェイなどは部品の内製化を進めるが、仏調査会社ヨール・デベロップメントのアントアン・ボナベル氏は中国での部品需要の回復に「数年かかる」とみる。
ただ中国は次世代高速通信規格「6G」に積極投資する方針であり、中国メーカーが部品の内製化を進めた場合、日系メーカーは事業機会を失う可能性がある。東京大学社会科学研究所の丸川知雄教授は「いざとなったら欧米にシフトする姿勢は中国に受け入れられない。調達・製造を中国国内で完結させるなど、米中の供給網の分断を前提とした戦略が必要になる」と話す。』
分散型金融11兆円市場に 当局が警戒、通貨の未来問う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB167T00W1A910C2000000/



『ブロックチェーン(分散型台帳)技術を使って、金融機関などを仲介しない金融サービスが急拡大し始めた。DeFi(分散型金融)と呼ぶ仕組みで、暗号資産(仮想通貨)売買や融資など市場規模は約1000億ドル(約11兆円)と1年で約5倍に急増した。資金洗浄の温床になりかねないと当局は警戒を強める。半面で、DeFiの膨張は中央集権型でコストのかかる既存の金融秩序に変革を迫るものともなる。
DeFiの柱は銀行を介さない融資だ。インターネット上の取引の場では仮想通貨チェーンリンクを年利0.1%で借りられる。日本の住宅ローンの変動金利(0.4%程度)よりも低い。DeFiは無人の取引システムに個人が仮想通貨を預けて、これを借り手が受け取る。
信用力のある金融機関が安全な取引を仲介する従来の金融は利用者が手数料を支払う。DeFiは低コストで利用者同士を直接つなぐ仕組みだ。
仮想通貨の上昇を見込んだ投機的な貸し借りが多い。将来的には相対取引で借り手が事業資金や住宅購入に充てることも想定される。DeFiの資産総額は980億ドルを超える。日米欧の預金取扱金融機関の現預金額(6800兆円弱)の0.1%程度だが、成長スピードは速い。
モノやサービスが行き来するデジタル時代に取り残されてきたのが、国家が権力を独占する通貨だ。20カ国・地域(G20)平均の送金コストは約10%。海外送金には数日かかることもある。DeFiは365日24時間即時に取引が成立する。
2008年に通貨システムへの挑戦として仮想通貨ビットコインが登場したが、各国で登録業者での取引が義務付けられるようになった。DeFiは規制の網から逃れ、あらゆる仮想通貨を使って保険や融資などを手がけられる。米決済大手スクエアのドーシー最高経営責任者(CEO)は「グローバル通貨があればすべての人にサービスを提供できる」と語る。7月にはDeFiの新部門の設立を決めた。
理想と現実の差は大きい。DeFiでは不正取引が横行する。21年8月には取引の場を提供するポリ・ネットワークで700億円弱の仮想通貨が流出した。本人確認がずさんで、麻薬カルテルなど資金洗浄の温床になっている。
国際組織FATF(金融活動作業部会)などは監視強化に動くものの、管理主体があいまいで規制の網がかけられない。DeFi開発の非営利財団「メイカーダオ」は7月に創業者が解散を発表した。開発主体はいないのにプロジェクトは作動し続ける。
問題も多い半面、DeFiの台頭は既存の金融秩序に変革を迫ることにもなる。米フェイスブックが19年に提唱したデジタル通貨「リブラ(現ディエム)」は、主要国の反対で計画の修正を迫られた。一方で、あわてた各国中銀がデジタル化にカジを切る契機になった。
国際決済銀行(BIS)は主要7中銀とともに相互に接続可能な中央銀行デジタル通貨(CBDC)のあり方を検討する。中国やタイなど新興国同士をつなぐ決済網の実験も始まった。CBDCが実用化すれば、低コスト・短時間での送金ができる。
金融システムの脆弱性を高める無秩序なDeFiの膨張は、コストの高い中央集権型の金融からの脱却の呼び水となる可能性がある。(フィンテックエディター 関口慶太)
【関連記事】
・暗号資産の急拡大「システミックなリスクも」 IMF局長
・分散型金融、法規制で安定を(The Economist)
・仮想通貨「個人間」に死角 犯罪の温床、防止策急務
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
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白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説
仮想通貨を使った分散型金融は、スマートコントラクトで自動運営される新しい金融サービスで、ブロックチェーンをつかった金融イノベーションは目を見張るものがある。
もともと仮想通貨の開発には世界金融危機による既存の金融システムの限界を認識し、そうした金融システムを弱者・低所得者よりも優先的に救済する国家体制に不信感をもった人々が開発に携わったと言われているが、DeFiはまさに政府や中央銀行に依存しないで、世界のだれでも利用できる。
しかし個人を保護する組織がいないためリスクが大きく、各国・地域の規制当局も頭を抱えているが、それでもこの動きは止められず今後も新しいイノベーションは起きていくだろう。
2021年10月18日 7:38
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野崎浩成
東洋大学 国際学部教授
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分析・考察
いかなる市場も参加者にとって「規制」は嫌なもので、中央集権型統治システムから逃れるDeFi(分散型金融)は、効率性ばかりでなく、規制からの自由を追求する傾向は止められません。
このため、マネーロンダリングや善意のユーザーを害する行為に対する規制そのものが無力化するのは、当然の帰結といえましょう。
一方、規制が機能する範囲内で、ブロックチェーンのDLT(分散型台帳技術)がもたらす効率性向上余地は大きく、昨今報道されているデジタル証券なども社会的コストを削減するなどの貢献が期待されます。
特定の技術に白黒の色を付けるのではなく、社会性に馴染むものから積極的に取り込む発想が大切だと思います。
2021年10月18日 7:39 (2021年10月18日 7:41更新)
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楠木建
一橋大学 教授
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分析・考察
現状では結局のところ暗号資産の値上がりに対する投機的動機(だけ)がDeFi拡張のドライバーになっています。
これまで銀行が果たしてきたような普通の意味での「金融」を担うものには程遠い。
2021年10月18日 7:32
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大槻奈那
マネックス証券 専門役員チーフ・アナリスト
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ひとこと解説
市場規模は拡大したものの、昨年のDefi勃興時に調べたユースケースも投機かP2P貸出程度で、殆ど広がっていません。大企業から信頼を得られず、協業が進まないのが主因と思います。
Defiの本領は、投機ではなく、仲介コストをなくしスマートコントラクトで様々な情報が載せられること。銀行口座を持たない人も使えますし、晴れた日のみ送金するなど様々な条件が組み込めます。
確かに、Defiのハッキングは昨年比2.7倍で、今年の暗号資産ハッキングの7割以上を占める等脆弱です(CipherTrace)が、現時点で「怪しいもの」と切り捨てるのではなく、長い目で見て、技術を生かす方法を模索すべきと思います。
2021年10月18日 8:41 』


『為替レートと物価
詳細は「購買力平価」を参照
二国間の物価を比較することによって、適正な為替レートとおおよその為替レートのトレンドがつかめる[8]。国際的な一物一価の法則の適用により、為替レートを説明するモデルを「購買力平価説」と呼ぶ[9]。
現在の為替レートで各国の賃金水準などを比較した場合に、大きな差が出る場合がある。例えば日本は一人当たりGDPが37,000ドル程度であるが、ベトナムはおよそ500ドルである。これを単純比較すると日本の賃金水準が70倍程度高いことになるが、ベトナムは日本よりも物価が安いため、所得が低いからといって購買できる量に 70倍もの差がつくわけではない。こうした実情を踏まえ、物価を考慮した購買力平価で調整した後の一人当たりGDPは日本が30,000ドル、ベトナムが3,000ドル程度となり、その差は10倍程度になる。為替レートがこのような物価差を反映しないのは、経済構造と貿易に関係している。
A国とB国があったとする。A国は工業化が進展しており輸出工業の生産性が高い。仮にA国の輸出工業がB国の輸出工業の10倍の生産性を持っていたとする。どちらも国際市場に製品を輸出している場合、一物一価の法則により両国の輸出品価格は同一となる。これにより、A国の輸出工業労働者はB国の輸出工業労働者の10倍の所得を得ることになる。一方でA国の国内サービス業がB国の国内サービス業の2倍の生産性を持っていたとする。A国で輸出工業労働者と国内サービス業労働者の賃金に一物一価の法則が働いた場合、A国のサービス業はB国のサービス業の5倍の料金を取らなくては経営が成り立たなくなる。このため、両国では輸出工業品の価格が同一である一方、サービス料はA国のほうが高い状態が生まれ、A国の物価はB国よりも高くなる。
以上のように、輸出競争力に差があり、非貿易財が存在する場合に、実際の為替レートと購買力平価には差が生まれる。
サービスの価値が違うとの見方もある。例えば、懐中電灯はどこの国で買っても価値が等しいが、東京で散髪することと、ホーチミン市で散髪することは、投入財の価格が違うため価値が異なるという見方である。このとき、価値差が物価に織り込まれている場合は、購買力平価での比較が無意味となる。
また、国際市場における購買力比較では実際の為替レートが有効になるため、購買力平価は当てはまらない。 』
日本製鉄、トヨタと中国・宝山を提訴 鋼板特許侵害で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC1466O0U1A011C2000000/
※ 「品質で日本勢にせまる…」って、しょせんは「特許侵害」か…。
※ トヨタも、脇が甘かったな…。
※ 自分で地道に「研究・開発」する…、ということをやらんから、困るよ…。
『日本製鉄は14日、電動車のモーターに使う電磁鋼板に関する自社の特許権を侵害したとして、トヨタ自動車と鉄鋼世界最大手の中国宝武鋼鉄集団の子会社、宝山鋼鉄を東京地裁に提訴したと発表した。両社にはそれぞれ200億円の損害賠償を求めるとともに、トヨタには国内で対象となる電動車の製造販売の差し止め仮処分を申し立てた。
鋼材の成分など日鉄の特許に抵触する製品を宝山がトヨタに供給し、同社が国内で販売する電動車に搭載していたため、提訴に至ったという。』
量的緩和縮小、11月中旬にも着手へ FOMC9月議事要旨
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN13DNG0T11C21A0000000/

『【ワシントン=大越匡洋】米連邦準備理事会(FRB)は13日、9月21~22日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公開した。11月初めの次回会合で量的緩和縮小(テーパリング)の開始を決める場合、「11月中旬または12月中旬」から資産購入額を減らし始め、2022年半ばごろにテーパリングを終える道筋を示した。
次回FOMCは11月2~3日に開く。パウエル議長は9月の記者会見で11月にもテーパリング開始を決める意向を示した。議事録によると「参加者は景気回復がおおむね順調なら、22年半ばごろに終了する緩やかなテーパリング手続きが適切だろうと総じて評価した」。11月の次回会合で量的緩和政策の修正を正式に決める公算が大きい。
FRBは現在、米国債800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)400億ドルの計1200億ドルを毎月購入している。議事要旨によると事務局が毎月、米国債を100億ドル、MBSを50億ドルの計150億ドルずつ購入額を減らす案を例示。参加者は総じて「わかりやすい道筋」と評価した。順調にいけば8カ月でテーパリングを終える計算だ。
回復ペースが鈍る景気について、会合参加者は「年前半に比べて急速ではないものの拡大を続けている」との認識を確認した。参加者は経済情勢が想定と大きく異なる場合はテーパリングの縮小ペースを調整できると指摘。これに対し、何人かの参加者は例示されたペースよりも速くテーパリングを終えることを求めた。
テーパリング開始を決める条件である最大雇用と物価安定に向けた「さらなる著しい進展」に関し、ほとんどの参加者が「基準が満たされたか、近く満たされる可能性が高い」と表明。多くの参加者が「労働市場は改善を続けている」と指摘した。
雇用が伸び悩む主因は求人減など需要側の要因ではなく、新型コロナウイルスの感染リスクの敬遠など労働供給の制約にあるとの見方から、量的緩和を続けても対応できず、むしろ「資産購入を続けるコストがメリットを上回り始めている」との指摘が出た。
インフレについては自動車関連の生産や物流の目詰まりや人手不足など「供給制約が従来の想定よりも大きく、長引く可能性が高い」と警戒を強めた。物価上昇率の見通しを前回6月時点の予測から上方修正した。
そのうえで、高水準のインフレはコロナ禍からの回復局面での需要増と供給制約という一時的な要因を反映して「今後数カ月続く」ものの、その後は緩やかになるとの見方を共有した。会合では家計や企業の長期的なインフレ期待への影響を懸念する声が出た一方、需給の不均衡が解消されれば価格上昇圧力は弱まるとの指摘もあった。
9月の会合は参加者の見通しの中央値として22年中にも利上げする可能性を示した。議事要旨によると、参加者はテーパリング開始と利上げ判断の基準は異なるとして「資産購入の抑制に向けた政策転換は金利政策に関する直接のシグナルにはならない」と再確認し、急速な金融引き締めに対する市場の警戒感に目配りした。
【関連記事】米消費者物価5.4%上昇 9月、品不足で高止まり
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
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中空麻奈
BNPパリバ証券 グローバルマーケット統括本部 副会長
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今後の展望
先週の雇用統計は明らかな弱含みだったのに、メディアなどで専門家が「11月のテーパリングが可能なギリギリの線」と解説していた。
これは、11月のテーパリングは既に織り込み済みであることの証拠と見ていいのではないか。
次に織り込みに行くのは、金融引き締めの“やり方”だと考える。できれば緩やかな金利上昇としたいはずだが、それができるか。足元の世界同時エネルギー危機は、そうできない可能性をちらつかせているように思われ、要警戒レベルのリスクに見える。
2021年10月14日 9:04
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梶原誠
日本経済新聞社 本社コメンテーター
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ひとこと解説
22年半ばにテーパリングが終わり、同年中にも利上げというシナリオが浮かびます。
秋には米国でバイデン政権の行方を占う中間選挙が、中国では習近平国家主席が続投を目指す共産党大会があります。
つまり来年秋以降の世界は読めなくなるということ。成長力が弱い企業はそれまでに逆境に耐えるだけの力をつけておかなければなりません。
2021年10月14日 8:12 』
法人最低税率、なぜ15%で合意? 企業の税逃れに歯止め
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA08CZ20Y1A001C2000000/



『経済協力開発機構(OECD)加盟国を含む136カ国・地域が8日、国際的な法人課税の新たなルールで合意した。法人税の最低税率を15%にするなど、国際社会が100年ぶりとも言われる歴史的な改革に踏み出したのはなぜか。3つのポイントから読み解く。
・税率の引き下げ競争はなぜ起きたのか
・国際的な課税ルールの改革機運が高まったきっかけは
・グローバル企業への課税はどう変わるのか
(1)法人税率の引き下げ競争はなぜ起きたのか
企業が事業などを通じてもうけたお金にかかるのが法人税だ。多くの国にとって法人税は、個人が稼いだ給与などに課す所得税、モノやサービスの取引にかける消費税(付加価値税)と並んで税収の大きな柱になっている。
税の徴収は国家の主権にかかわる問題だ。自国の領土内で活動する企業にどんな税金をどのくらい課すかはその国だけが決められる。企業が国境を越えて活動する機会が少なく、特定の国の領土内にとどまっていた時代は、法人税がどんなに高くてもその国の企業は甘んじて受け入れるしかなかった。
状況を大きく変えたのが、1970年代以降に加速した経済のグローバル化だ。国境を越えて世界中の国に活動の拠点を置く企業が増えた。こうした多国籍企業は事業環境がより有利な国に工場を建てたり、店舗を置いたりする。どの国で活動するかを決める際に、重要な判断材料の一つとなるのが税制だ。法人税など税負担の軽い国が企業をひき付ける。
特に80年代に入ると、サッチャー英政権やレーガン米政権が経済を活性化する切り札として法人税率の引き下げに動き始めた。背景にあったのが、新自由主義と呼ばれる経済思想だ。国家は企業の活動にできるだけ介入すべきでないという主張で、税金も安ければ安いほどいいと考える。
英米による法人税率の引き下げをきっかけに、世界的な減税競争が始まった。税金が高いままでは企業がどんどん税率の低い国に逃げてしまうからだ。日本もこうした競争と無縁ではいられず、80年代に40%を超えていた法人税率(国税)は2018年度に23.2%まで下がった。
(2)国際的な課税ルールの改革機運が高まったきっかけは
IT大手の課税逃れへの批判が国際ルール見直し機運が高まる一因となった
グローバル化に続き、2000年代に入って押し寄せたのがデジタル化の波だ。IT(情報技術)を駆使して世界中で稼ぐ米GAFA(親会社のアルファベットを含むグーグル、アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アップル)のようなデジタル企業が経済の中心に躍り出た。
デジタル企業は事業所など物理的な拠点を置かない国でもインターネットを通じてビジネスを展開できる。いまの法人課税には1920年代にできた「恒久的な施設なくして課税なし」という国際的な原則がある。これに基づけば、デジタル企業はある国で消費者にモノやサービスを売ってどんなに巨額の利益をあげても、その国に工場や店舗といった物理的な拠点がなければ法人税を払わなくて済む。法人税率が低い国に拠点を置き、サービスの利用者がいる別の国で税金を払わずに稼ぐやり方が広がった。
法人税率の引き下げ競争とデジタル化の流れが加速する中で、課税をうまく逃れた多国籍企業やデジタル企業は富を蓄積した。こうした企業の税逃れを問題視する機運が高まった契機は、2008年秋に起きたリーマン・ショックだ。危機を克服するために各国は大規模な景気対策を打ち出し、財政状況が悪化した。にもかかわらず、富をため込んだ多国籍企業が払うべき税金を払っていないという批判がわき起こった。
OECDは2012年に「BEPS(税源浸食と利益移転)」と呼ばれるプロジェクトを立ち上げた。各国政府が連携して多国籍企業による税逃れを防ぎ、公平な競争条件を整える手立てを話し合うためだ。
(3)グローバル企業への課税はどう変わるのか
法人税の最低税率とデジタル課税の国際ルールづくりを柱とするBEPSの議論はなかなか進まなかった。参加国が多く、利害の調整が難しかったからだ。しかし、2020年に始まった新型コロナウイルスの危機が転機となる。各国が巨額の財政出動を繰り返し、税財源の確保が必要になったためだ。法人税率の低さを競う余裕はなくなった。
21年1月に発足したバイデン米政権は5月に法人税の最低税率を「少なくとも15%」とする案を提示し、主要7カ国(G7)が同調した。OECD加盟国を含む130以上の国・地域も賛同し、8日の最終合意にこぎ着けた。
今回の合意では、法人税の最低税率を「15%」とする各国共通のルールを設けるとともに、GAFAのような巨大IT企業を念頭にデジタル課税の仕組みも決めた。全世界の売上高が200億ユーロ(約2.6兆円)を超し、利益率が10%超の企業が対象だ。
この条件に合う約100社のグローバル企業が稼いだ利益のうち、総収入の10%を超える利益を「超過利益」とし、その25%にサービスの利用者がいる国・地域が課税できるようにする。対象企業が工場や店舗などの物理的な拠点を置かない国や地域も課税できるようになるわけだ。実際の課税権は、売上高に応じて各国・地域に配分する。
1920年代にできた「恒久施設なくして課税なし」の原則をおよそ100年ぶりに転換する歴史的な改革だ。新ルールは2023年からの実施をめざす。
(経済部長 高橋哲史)』
<Q&A>法人課税強化、国際合意のポイントは? デジタル課税、最低税率15%以上
2021年7月3日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/114283



『OECDが多国籍企業の課税逃れを防ぐため、法人税の新たな国際ルールをつくることに大枠で合意しました。このルールの狙いと中身についてまとめました。(原田晋也)
Q なぜ、新ルールが必要なのですか。
A 現行ルールでは、工場や支店など拠点がなければ、その国は企業に課税しないのが原則です。しかし、拠点を世界各国に置かなくても、インターネットを使って事業を展開する「GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)」などの巨大IT企業が登場。これらの企業に対し、課税ができない国が増えました。サービスを展開しているのに拠点がないとの理由で課税を逃れる企業が増え、経済の変化に税制が追いついていませんでした。
「タックスヘイブン(租税回避地)」と呼ばれる法人税率が低い国に拠点を置く多国籍企業が増えたことも理由です。企業誘致のために各国で税率引き下げ競争が起き、財政悪化や格差拡大を招いたとの批判が根強くありました。
Q 合意の内容は。
A 巨大IT企業を想定した「デジタル課税」と、「最低法人税率」の二つがあります。デジタル課税では、多国籍企業の拠点がない国でも、サービスが行われていたら、消費国(市場国)として課税できるようになります。具体的には、巨大IT企業の利益率のうち10%を超える部分に、20~30%の税率が適用され、市場国に税収が分配されます。
Q 最低法人税率の方はどんな仕組みですか。
A 最低法人税率を「15%以上」とすることで合意しました。仮に、多国籍企業が税率がより低い10%の国に子会社を置いても、親会社が所在する国からも、15%から10%を差し引いた5%分を追加的に課税できるようになります。タックスヘイブンを使った課税逃れが難しくなるかもしれません。
Q 各国はなぜ合意に向かうことができたのでしょうか。
A 米国は従来、多国籍企業に対する課税強化には否定的でした。しかし、バイデン政権が誕生し、税の公平性に重きを置くようになり、最低税率導入を推進するようになったためです。また、新型コロナウイルス対策で大型の景気対策を打った各国の財政状況が厳しくなっているという事情があります。
【関連記事】デジタル税、日本も数社対象か OECD大枠合意 』
中国は静観、米の貿易協議再開方針 TPPで揺さぶり
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN0527V0V01C21A0000000/

『【北京=川手伊織、ワシントン=鳳山太成】バイデン米政権が中国と貿易交渉を再開する方針を表明したことを巡り、中国は静観している。半導体の対中輸出規制の行方など米国の出方を見極めるためだ。米国不在の環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟を正式申請するなど、米国への揺さぶりも見せる。
米通商代表部(USTR)のタイ代表は4日の演説で、数日以内に中国の劉鶴(リュウ・ハァ)副首相と電話で協議する方針を明らかにした。
タイ氏は「中国は国家主導の経済制度を強化している。有意義な改革をやるつもりがないのは一段と明らかだ」と批判した。一方で「直接対話以外に(懸念に)対処できる方法があるとは思えない」と語り、まずは対話で臨む姿勢を示した。
中国は国営新華社が5日午前にタイ氏の演説を伝えたのみで、政府は今のところ反応していない。1日から国慶節(建国記念日)を祝う大型連休に入っていることに加え、米国側の意向を見極めたいとの考えも透ける。
バイデン政権も青写真を描いているわけではない。米政府高官は「中国があっさりと変化するとは考えていない」と述べ、最初から期待値を下げている。「中国がどう反応するかを見て、我々の対応も修正する」と手探りだ。
米中貿易協議の第1段階合意は中国がモノやサービスの輸入を2000億ドル(約22兆円)増やす条項のほかに、知的財産の保護や金融市場の開放、技術移転の強制防止など7分野で構成する。
USTRの分析によると、第1段階合意は「特定の分野は約束が守られ、企業の利益も出ているが、不足している分野もある」(タイ氏)。具体的な分析結果は公表しないが、交渉の場で米中の意見の隔たりが浮き彫りになれば妥結は難しくなる。
中国は対米協議とは別に、TPP加盟に積極姿勢を示す。9月16日に正式に加盟を申請した。国有企業優遇の是正をはじめ、中国がTPPの要求水準を満たすのは容易ではない。それでも申請を急いだのはTPPに背を向ける米国を揺さぶるという意味合いが大きい。
「TPPには安全保障を理由にした例外規定がある」。中国の専門家には、例外規定を多用すれば改革をしなくても加盟できるとの論調も多い。中国商務省の束珏婷報道官も30日の記者会見で例外規定の積極活用について見解を問われると「さらなる情報があれば速やかに公表する」と言及を避け、否定しなかった。ハイレベルの貿易投資協定を骨抜きにしようという思惑も見え隠れする。』