漢方薬の国内需要動向と中国の状況
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/yakuyou/attach/pdf/190130sinnpojiumu-13.pdf
※ 中国との「経済関係」は、こういうところにもある…。
※ 「デカップリング」と言っても、なかなか難しいのは、そういうところの話しだ…。
※ 「現地法人」も、あるしな…。















漢方薬の国内需要動向と中国の状況
https://www.maff.go.jp/j/seisan/tokusan/yakuyou/attach/pdf/190130sinnpojiumu-13.pdf
※ 中国との「経済関係」は、こういうところにもある…。
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クラシエ製薬、中国で漢方薬の新工場 生産能力1.4倍
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC11E840R11C21A1000000/


『クラシエホールディングス(HD)傘下のクラシエ製薬は、中国・山東省で漢方薬の素材となるエキスを生産する新工場を建設する。国内外の既存工場と合わせて生産能力は1.4倍の年間1300トンに高まる。高齢化などで国内の需要が拡大する見込みで、日本でも原料の保管機能などを拡張し供給体制を整える。総投資額は100億円。
漢方薬は原料の生薬を煮出してエキスを抽出し、乾燥して粉末にしてから、錠剤や顆粒(かりゅう)などの製品に仕上げる。クラシエ製薬は漢方の大衆薬で国内最大手だ。現在は中国・山東省青島市と大阪府高槻市の工場でエキス抽出を、富山県高岡市の工場で製剤を手がけている。
同社は約40億円を投資し、中国で2つ目となるエキス抽出用の新工場を山東省威海市に建設する。生産能力は年間400トンで、国内外の既存工場と合わせると1300トンに高まる。23年後半の稼働を目指す。
国内では高槻市のエキス抽出用工場に約30億円をかけて原料の保管機能を拡張し、容量を従来の1.5倍にあたる年間400トンにした。また、高岡市の製剤工場では25年までに約30億円を投じ、各工場から集まるエキスを製品に仕上げるラインの速度を上げる設備などを導入し、生産能力を高める。
クラシエHDの製薬事業は20年12月期の売上高が300億円規模だった。高齢化で国内市場の需要は今後も拡大すると見られている。供給体制の拡大に加え、医師やドラッグストアに製品情報を提供したり、消費者向けに専用アプリを用意したりして販売を促進する。』
日米同盟の質転換を象徴 駐留経費「強靱化予算」に
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA208N20Q1A221C2000000/




『日米両政府が21日、2022~26年度の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)に実質合意した。駐留費用の「肩代わり」一辺倒をやめ、共同訓練など日本の抑止力強化につながる分野を重視した。日本は自前の防衛力強化をめざしており、駐留経費の新合意は日米同盟の質の変化を象徴する。
【関連記事】
・米軍駐留経費を増額、年2110億円で合意 5年で1兆円超
・米軍駐留費、抑止力底上げ 日本が100億~200億円増案
・敵基地攻撃の装備を検討 脅威高まり「専守防衛」拡大
岸信夫防衛相は21日の記者会見で「厳しい安全保障環境に日米が肩を並べて立ち向かっていく決意を示すことができた」と語った。これまでの「思いやり予算」という通称を「同盟強靱(きょうじん)化予算」に改めるとも主張した。
今回の駐留経費の負担増を自前の防衛力強化に向けた「投資」とできるかどうか、引き続き支出の検証は必要となる。
思いやり予算は人件費や光熱水費など米軍の駐留経費の一部を肩代わりし、日本側が金銭面から米軍の活動を補完するものだった。これを共同で実質的な抑止力の強化につなげていくというのが新たな合意の狙いだ。
例えば新たに設けた「訓練資機材調達費」は自衛隊と米軍が一体で活動するのに必要な経費に充てる。日米双方の能力を高めるための投資を駐留経費負担から拠出するのは初めてとなる。
仮想空間で日米が共同訓練するための「シミュレーター」を導入する。人工知能(AI)がつくる仮想敵との戦闘訓練が可能で、基盤となる米軍のシステムに自衛隊の機器もつなぐ。大量の戦闘機を飛ばす大規模訓練を再現し共同作戦能力を高める。
米軍は日本にステルス戦闘機「F35」などの最新鋭装備を配備、展開する。米軍と協力する機会が増えれば自衛隊の能力を高める契機にもなる。
日本側は米側との協議で負担の増額要求を受け入れる代わりに負担内容の質を変えるよう求め、米側も光熱水費などの減額を認めた。
光熱水費は在日米軍基地に暮らす兵士や家族の光熱水費も含み、安全保障上の運用との関わりは薄い。
レーダーを起動する際の電気代など運用に直接関わる部分に絞る。現行の年間234億円から段階的に減らし25~26年度は年133億円とする。
今回の駐留経費を巡る合意は4月に当時の菅義偉首相とバイデン米大統領が共同声明で言及した「新たな時代における日米同盟」の考え方に沿ったものだ。
特に22年は日米同盟の転換点となる。
日本政府は国家安保戦略や防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の3文書の同年末までの改定をめざしている。米国は中国に対抗するため同盟国に応分の負担を求めており、日本も3文書の改定を通じ自国の防衛力強化に道筋をつける。
防衛費の増額もその一環だ。日本は21年度補正予算と22年度予算案で合計6兆円超を計上する。これからは「1年6兆円台」が目安となり5年前と比べて1割以上増やす。中期防でこうした方針を盛り込む。
駐留経費の一部を日本が負担する仕組みは1978年に始まった。円高の進行で基地内の従業員の労務費が高騰し、米軍が日本に肩代わりを求めた。当時の金丸信防衛庁長官は国会審議で「思いやりがあってもいい」と発言し日本の費用拠出に理解を求めた。
当時は米ソ冷戦期で、日本にとって在日米軍はソ連を抑止するのに不可欠だった。日本が米軍の駐留を費用面で支える仕組みはこの時から定着した。
思いやり予算は90年代まで増え続け、99年度は歳出ベースで2756億円を計上した。米軍が使うボウリング場やゴルフ場の整備などにも使われ批判の的になった。2000年代からは無駄を削減し人件費や光熱水費などに限定していった。
米軍は日本の防衛費の伸びに連動させて日本側の駐留経費の負担増も求めていた。在韓米軍の駐留経費を一部負担する韓国にも同様の理由で増額を迫っている。
韓国の場合は19年に支出した1兆389億ウォン(980億円)のうち基地で働く韓国人の人件費が5割、施設整備費が3割を占める。
駐留経費を肩代わりする構図は同じだが日本の負担割合は高い。米国防総省が04年に発表した米軍経費負担率は日本が74%で、韓国の40%やドイツの32%より突出した。防衛省の試算によると15年度も86%にのぼった。
米国には急速に軍事力を強める中国への危機意識がある。国防費を最近6年で26%増やしたが、それでも中国の5割増にはとどかない。
米議会が15日可決した22年会計年度(21年10月~22年9月)の国防予算の総額は7780億ドル(88兆4千億円)で前会計年度から上乗せできたのは5%程度だった。中国に対抗するため同盟国に負担の分担を求めざるをえない状況となっている。
(安全保障エディター 甲原潤之介)』
台湾担当の企画官、外務省が新設へ 22年度から
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA1723Y0X11C21A2000000/

『外務省は2022年度に台湾を巡る課題を扱う企画官ポストを新設する。自民党の17日の外交部会で方針を説明した。台湾情勢の緊張を踏まえて体制を強化する。佐藤正久外交部会長が記者団に明らかにした。
新ポストは中国・モンゴル第一課に置き、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海情勢も担当する。
佐藤氏は記者団に「安全保障や外交、経済安保で台湾に関する仕事が増えている。大きな一歩だ」と語った。
外務省はすでに海外の人権問題に対処する企画官を22年度に設けると発表している。中国政府による新疆ウイグル自治区での人権侵害などが念頭にある。』
米国に頼れない世界に備えよ(The Economist)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB120KP0S1A211C2000000/

『80年前、旧日本軍は米ハワイの真珠湾を攻撃した。これは重大な過ちだった。世界で最も強大な国を参戦させ、結果的に大日本帝国は壊滅状態に陥ることになった。日本の軍将は「我々は眠れる巨人を起こし、すさまじい決意を抱かせてしまった」と述懐したとも言われる。
米シカゴの街角。かつて米国政府の徴兵のシンボルだったアンクル・サムは新型コロナ禍でステイホームを訴えかけるために使われている=ロイター
今では、日本は平和主義で豊かで革新的だ。日本を敗戦から再建したのは日本人だが、それを容易にしたのは日本を打ち破った超大国だった。米国は資本主義の自由民主主義国家としての日本の誕生を支えただけでなく、日本が自由に貿易し、成長できる世界秩序も構築した。この秩序は完璧とはいえず、あらゆる国で適用されているわけでもない。それでも、過去のどの秩序よりも優れていた。
米国はそれまでの超大国とは違い、軍事的優位を利用して、規模で劣る同盟国を犠牲にして商業的な利益を得ることはしなかった。大抵の場合、自ら共通のルールに従った。このルールに基づく体制のおかげで、多くの国が戦争を回避し、豊かになることができた。
中ロ、イランが米国を試す
だが残念なことに、米国はそのようなリベラルな秩序を保証する役割に疲れてしまったようにみえる。再び眠りについたわけではないが、決意は弱まり、敵にその意思を試されている。
ロシアのプーチン大統領はウクライナ国境付近に大量の部隊を集結させ、侵攻をちらつかせている。中国は台湾の防空識別圏に頻繁に戦闘機を飛ばしたり、(砂漠に)建造した米軍空母の模型を標的としてミサイル攻撃の演習をしたり、極超音速兵器を実験したりしている。イランは核協議で自国の主張を一切譲らず、話し合いは決裂が避けられないとの見方が広がっている。
つまり、中ロという2つの独裁体制の大国が民主主義体制下の土地を占拠する恐れがあり、イランは核拡散防止条約(NPT)を破って核兵器を開発すると脅しをかけている。こうした大胆不敵な行為を阻止するために米国はどこまで関与するつもりなのか。
バイデン米大統領の発言は、強硬姿勢を感じさせることもある。7日のプーチン氏とのオンライン形式での首脳協議では、ロシアがウクライナに新たに攻撃を仕掛ければ重大な結果を招くことになると警告している。米国の対イラン制裁は維持し、10月には米国は台湾を防衛する「責任」があるとも発言した。
もっとも、バイデン氏の側近は米国の政策に変更はないと強調している。米国はこれまで、中国が台湾に侵攻した場合、中国軍を撃退するために米軍を派遣するかどうかについて明言することを避けてきた。中国の侵攻を挑発するような台湾の行為を誘発するのを防ぐのが狙いだった。
中国はバイデン氏の発言が失言だったのか、それとも、強硬な立場をしたたかに示唆しただけだったのかを測りかねている。米下院は12月7日、国防予算の大幅な増額を認めた。バイデン氏は9~10日に、「民主主義サミット」を開催し、ルールを尊重する民主主義陣営の国々に結束を呼びかけた。
ハードパワー行使に及び腰
だが、米国は世界の多くの地域でハードパワーを行使することに二の足を踏んでいる。ワシントンではタカ派もハト派も実質的に「自制」を訴えている。ハト派は国際秩序を維持するために力を行使しようとすれば、米国は必然的に海外で無用な負け戦に巻き込まれると主張する。一方のタカ派は中国に対抗するという唯一重要な課題に専念すべきだと訴える。
いずれにせよ世界各地で、米軍は撤収を余儀なくされている。その結果、世界は不安定化し、紛争のリスクが高まっている。バイデン氏がアフガニスタン撤収で大失態を演じたことで、米国は友好国を守り、敵国を抑止する意欲がないのではないかという疑念が高まっている。多くの国が米国の計画立案能力に疑いを抱きはじめている。
バイデン氏が米国による「核の傘」について明言しないため、同盟国の間では米国の核兵器による保護に対する信頼がぐらついている。バイデン氏はトランプ前大統領のように同盟国を侮辱することはないものの、相談して意見を求めないことも多く、長い間米国の力の源泉となってきた信頼の絆にほころびが出ている。
そのような大統領を選んだ米国の風潮も軽視できない。米国はもはや1990年代のような自信に満ちあふれた覇権国ではない。米国に比肩する国はまだないとはいえ、同国の相対的な力は確実に低下している。イラクとアフガニスタンでの苦い経験を経て、米有権者は海外の紛争に米軍を派遣することに慎重になっている。
米国の党派対立は、かつては瀬戸際で踏みとどまっていたが、今では多くの面で米国の政策をまひさせている。議会に承認されず依然空席のままになっている大使級ポストの数は90を超える。米国はアジアでの軍事連携を補完できるはずの経済連携協定への参加も拒んでいる。昨年の大統領選の混乱やマスク着用などを巡る論争など、政治騒動が続くなかで、米国は分断を深め、国際社会で継続的な決意を示すことができなくなっている。
世界に積極的に関与するかつての米国の復活を期待することは難しい。それどころか、2024年にはトランプ氏が再選される可能性がある。世界でリベラルな秩序を維持するには、主要国は、米国の存在感が低下する状況に備えつつも、米国にできる限り関与を促しながら、自らの役割を果たさなくてはならない。
防衛力強化へ各国が努力を
既に動きはみられる。日本とオーストラリアは台湾防衛を支援する姿勢を示している。英国は米国と協力して、オーストラリア向けに原子力潜水艦の推進技術の供与に乗り出している。今月発足したドイツの新政権はロシアに対する強硬姿勢を強めることを示唆している。
各国は米国の存在が小さくなった世界にこれまで以上に適応していく必要がある。民主主義国、特に欧州は国防関連費を増額すべきだ。台湾やウクライナのように侵攻されるリスクがある国・地域は、大国との戦いに備えて防衛力を強化するなど、自国が簡単にのみ込まれないようにすべきだ。各国が備えを強化すればするほど、敵国に攻撃される可能性は低くなる。
ルールに基づく秩序を支持する国々は情報共有を積極的に進める必要がある。日本と韓国の間のような、不幸な過去を巡る不毛な争いは水に流すべきだ。各国は公式にも非公式にも同盟を深化させ、拡大すべきだ。インドは利己主義を捨てて、非同盟主義を転換し、オーストラリア、日本、米国との4カ国の枠組み「クアッド」にしっかりと踏み込むべきだ。
北大西洋条約機構(NATO)はウクライナの加盟を承認できない。ロシアは既にウクライナの領土を占領しているが、NATOの条約では加盟国が攻撃を受けた場合には全加盟国に対する攻撃とみなすと明記されているためだ。それでも、NATO加盟各国は、武器と資金の供与や軍事訓練といった協力を通じてウクライナの自主防衛力強化に手を貸すことは可能だ。
リベラルな秩序が崩壊すれば、米国の同盟国は多大な苦難に見舞われるだろう。そうなれば、米国民自身もどれほどその秩序から恩恵を受けていたかに気付き、衝撃を受けるかもしれない。だが、全てが失われるわけではない。民主主義国が一丸となって取り組めば、少なくともルールに基づく制度の一部は保たれ、不幸な弱肉強食の時代に逆戻りすることは防げる。これは、世界で最も重要で難しい課題の一つと言える。
(c) 2021 The Economist Newspaper Limited. December 11, 2021 All rights reserved.
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・アジア「自由・民主」の守護者に 外交・安保政策の針路
・真珠湾攻撃80年 中国が促す日米同盟の深化
・真珠湾攻撃から80年 日米識者に聞く教訓
・中国「抑止」へ軸足移す米政権 ライオネル・バーバー氏
・米、核戦力も対中優位性低下 日本への「核の傘」に影 』
中ロ、「米民主陣営」に反発 選別基準に疑問の声も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN103TP0Q1A211C2000000/
※ 『米国の都合で世界を色分けすることになれば、既存の同盟の枠組みや友好関係にも影を落としかねない。』…。
※ 「パクス・アメリカーナ」を支え得ると米国が考える「国家群」ということだろう…。
※ そして、それは、「米国の国益」の観点から判定される…。


『9日に開幕した米政府主催の「民主主義サミット」をめぐり、中国やロシアなどが批判を強めている。バイデン米大統領は価値観を共有する日本や欧州の主要国などと権威主義に対峙する狙いで参加国・地域を選んだが、「除外組」には中ロだけでなく米国と良好な関係を維持する国も含む。世界を色分けする米国の手法への反発も強い。
中国外務省の汪文斌副報道局長は10日の記者会見で「米国式の基準で世界を民主と非民主に二分しようとし、分裂と対立を扇動する米国の行動は世界に大きな動揺と災いをもたらすだけだ」と批判した。ロシアも「冷戦時代の思考の産物で、イデオロギー対立と世界の分裂をあおり新たな分断を生み出す」と強く非難した。
バイデン政権の選別の基準を疑問視する声は米国内からも上がる。米ワシントン・ポスト紙は今回招待されたパキスタンやフィリピンの人権問題に触れ「資格があるとは思えない国も含まれる」と報じた。ホワイトハウスのサキ大統領報道官は招待の基準を問われても「参加や招待はその国の民主主義への取り組みを承認する印でなく、不承認の印でもない」と明確に答えなかった。
英エコノミスト誌がまとめた「民主主義指数(2020年)」では招待国の平均値は7.0と非招待国の3.6を大きく上回る。だが、6を超えたハンガリーは欧州連合(EU)加盟国の中で唯一サミットに招かれず、ハンガリーのシーヤールトー外相は「無礼だ」と怒りをあらわにした。
東南アジア諸国連合(ASEAN)では、加盟10カ国のなかで招待したのはインドネシア、フィリピン、マレーシアのみだった。シンガポール外務省は「招待状を受け取っていない」と回答。ベトナムは共産党一党支配体制を維持し、党や政府に批判的な言論は厳しく規制される。外資系メディアなどへのアクセスを拒むなど言論を統制する。
タイは14年に軍事クーデターを主導したプラユット氏を首相とする親軍政権が続き、政権退陣や王室改革を求める反体制デモを厳しく取り締まる。ドーン副首相兼外相は「招待されれば参加の是非を判断しなければならなかった」と述べ、米中対立の踏み絵を避けられたとの見方を示す。
米国にとって中東の同盟国であるサウジアラビアやエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)も招待しなかった。蜜月だった前政権と対照的に、バイデン政権はサウジの人権状況に厳しい目を向ける。北大西洋条約機構(NATO)に加盟するトルコも招かなかった。米国の都合で世界を色分けすることになれば、既存の同盟の枠組みや友好関係にも影を落としかねない。』
北京五輪へ閣僚派遣見送り 政府調整、五輪関係者は訪問
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA110RY0R11C21A2000000/
※ まあ、「穏当なところ」に落ち着きそうだ…。

『政府は2022年2月からの北京冬季五輪・パラリンピックに閣僚の派遣を見送る調整に入った。「外交ボイコット」を表明した米国に足並みをそろえる。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長ら五輪関係者の出席を検討する。
岸田文雄首相が年内にも日本政府としての方針を説明する。首相はこれまで人権重視の考えを示してきた。同盟国の米国などと歩調を合わせる意味でも閣僚派遣は難しいと判断した。
日本政府として外交ボイコットなどの表現を使って説明するかどうかは、引き続き詰める。スポーツ庁の室伏広治長官を出席させる案がある。政府関係者を派遣すれば外交ボイコットではないと受け取られる可能性がある。
北京を訪問する五輪関係者の候補としては橋本氏のほか、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長らの名前があがっている。
外交ボイコットは12月6日にバイデン米政権が中国の新疆ウイグル自治区における人権侵害などを理由に表明した。オーストラリア、英国、カナダが続いた。中国は外交ボイコットを打ち出した米英豪に対抗措置をとると訴えている。
フランスのマクロン大統領は9日「この話題を政治問題にすべきではない」と消極的な姿勢を示した。
14年のロシア・ソチ、16年のブラジル・リオデジャネイロ、18年の韓国・平昌(ピョンチャン)には当時の安倍晋三首相が出席した。12年のロンドン五輪には文部科学相が参加した。
中国は今夏の東京五輪に閣僚級の苟仲文・国家体育総局局長を派遣した。同氏は中国の五輪委員会幹部も兼ねていた。
外務省はJOCトップの山下氏が北京五輪に参加すれば、ほぼ同等の対応とみる。複数の五輪関係者の訪問によって、中国に一定の配慮を示すことができるといった意見がある。
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・外交ボイコット早期表明を 自民・高市氏、北京五輪巡り
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ラッド元豪首相の警告「習近平は毛沢東になりたがっており、しかもアメリカを甘く見ている」──米外交誌
Xi Wants To Emulate Mao, Thinks U.S. Will Back Down on Taiwan: Kevin Rudd
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/02/post-95654_1.php
※ 今日は、こんなところで…。
※ 非常に重要な視点を、出している…。
※ 『「中国は習近平の下でより独裁的になった。厳しい国家安全保障法が施行され、野党政治家が逮捕され、メディアの自由が制限された香港を見て、台湾を『一国二制度』の形で中国に再統一するという楽観論も消え失せた」と、ラッドは指摘する。』
※ まず、「香港事態」を見て、「台湾の平和的な統一」の楽観論は、消滅してしまった…、と分析する。
※ 次に、『だが、中国政府に最大の誤算があるとすれば、台湾有事の際のアメリカの出方だろう。中国はそれを予測できずにいる。
勝てないと思ったらアメリカ政府は戦わないだろうと予測することは、中国政府の「体にしみこんだ独自の戦略的リアリズムの投影」だとラッドは述べ、軍事作戦が失敗するとアメリカの威信と地位が失われる可能性があると、中国政府幹部は信じている、という点を指摘した。』
※ 『「中国が計算に入れていないのは、その逆の可能性だ。第2次大戦以来アメリカが支持してきた民主主義国のために戦わなければ、アメリカも自滅しかねない。特にアジアにおけるアメリカの同盟国が、長い間信頼してきたアメリカの安全保障があてにならないと認識すれば、今度はそれぞれが中国と独自に取り決めをしようとするかもしれない」』…。
※ まさに、ここだ…。
※ 「陣営国」は、雪崩を打って、中国との妥協に走るだろう…。
※ 「台湾有事」を救済しないことは、「パクス・アメリカーナ」の瓦解に直結する…。
※ 別に、「台湾事態」に限った話しじゃ無い…。
※ 「ウクライナ事態」でも、構図は同じだ…。
※ 他国からの「武力の行使」を、阻止できないならば、「陣営」とか「同盟」とかの意味は、相当に低下する…。各国において、「親玉」中心に結束するというベクトルは無くなり、それぞれが「てんで勝手に」自衛策に走るだろう…。
※ 人は、「完全に”他人の頭”になること」は、できない…。
※ 生まれてこの方、「”自分の頭”以外になったこと」は無いからだ…。
※ 「読み間違えて、悲惨な事態に」ならないことを、祈るよ…。
※ まあ、そういう「事態」になったとしても、素早く立ち上がって、冷静に情勢を読んで、「次の一手」を考えて、実行していけばいいだけの話しだ…。
※ 重要なのは、あくまで、「冷静で精度の高い情勢分析」と、それに基づく「次の一手」を淡々粛々と実行して行く「胆力」だ…。
※ それを、磨くために、今日も励もう…。「昨日の我に、今日は勝つべし。」…。

『<米中両国が危機管理に失敗すれば、台湾をめぐる軍事衝突が10年以内に起こる可能性があると、ラッドは言う>
中国の習近平国家主席は、台湾との再統一を果たすことで故毛沢東国家主席並みの地位を中国共産党内で獲得することをめざしており、そのために今後10年で米軍を上回るほどの軍事力を手に入れようとするだろう、とオーストラリアのケビン・ラッド元首相は述べた
現在、ニューヨークでアジア・ソサエティー政策研究所長を務めるラッドは、外交問題専門誌フォーリン・アフェアーズの3月・4月合併号に自説を発表。これからの10年を「危険な10年」と呼んだ。
台湾はアジア太平洋地域における紛争の火種のひとつであり、2020年代にアメリカと中国が台湾をめぐって衝突する可能性は高い。ラッドによれば、中国政府指導部がアメリカを「衰退の一途をたどる」超大国と見なす一方で、中国の最高指導者である習は自信を深めている。
米国防総省はその報告書で、今後数十年にわたる中国政府の軍事的野心を明らかにした、とラッドは指摘。そこには、2027年までに人民解放軍(PLA)を米軍に匹敵する「世界クラス」の近代的な戦闘部隊に増強するという中国政府の計画があることも明記されている。
台湾政府独自のセキュリティ分析によると、PLAは、海上軍事戦略「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」を目的とした兵器の大量使用によって台湾海峡紛争から米軍を締め出そうとしている。東シナ海と南シナ海における中国政府の領有権の主張と軍事行動は、その戦略の一環だ。
台湾海峡から米軍を排除
習をはじめ中国政府当局者は、台湾の本土への「統一」を中国の中核的な目標の一つであると唱えてきた。だが、中国指導部は「台湾問題」に対する平和的解決が過去70年のどの時点よりも可能性が低いことを知っていると、1980年代に外交官として北京に駐在したラッドは述べる。
「中国は習近平の下でより独裁的になった。厳しい国家安全保障法が施行され、野党政治家が逮捕され、メディアの自由が制限された香港を見て、台湾を『一国二制度』の形で中国に再統一するという楽観論も消え失せた」と、ラッドは指摘する。
中国は、少なくともアジア地域においては、米軍に代わる存在となり、台湾海峡において圧倒的な軍事力を誇示することで、米軍に手を引かせることに成功するかもしれない。
「アメリカの支援がなければ、台湾は降伏するか、自力で戦って負けるだろうと習は考えている」とラッドは書き、台湾を制圧するという「最も重要な目標」を達成すれば、「習は毛沢東と同じレベルにのぼりつめるだろう」と付け加えた。』
『習近平はあくまでも強気だが、中国政府中枢の意思決定者は重大な課題に直面しているとラッドは見る。ドナルド・トランプ前大統領の下でアメリカから武器を購入することによって台湾自身の防衛能力が底上げされている。民主的な台湾を軍事力で占領することから生じる中国支配の正統性に対する「取り返しのつかない損害」も問題だ。
だが、中国政府に最大の誤算があるとすれば、台湾有事の際のアメリカの出方だろう。中国はそれを予測できずにいる。
勝てないと思ったらアメリカ政府は戦わないだろうと予測することは、中国政府の「体にしみこんだ独自の戦略的リアリズムの投影」だとラッドは述べ、軍事作戦が失敗するとアメリカの威信と地位が失われる可能性があると、中国政府幹部は信じている、という点を指摘した。
「中国が計算に入れていないのは、その逆の可能性だ。第2次大戦以来アメリカが支持してきた民主主義国のために戦わなければ、アメリカも自滅しかねない。特にアジアにおけるアメリカの同盟国が、長い間信頼してきたアメリカの安全保障があてにならないと認識すれば、今度はそれぞれが中国と独自に取り決めをしようとするかもしれない」
立ちはだかるバイデン政権
ラッドの議論に関連するが、アメリカがアジアの安全保障に介入することに対するアメリカの有権者の認識は、戦略国際研究センター(CSIS)による2020年夏の世論調査で明らかになっている。同調査では、台湾、日本、韓国を含むインド太平洋の同盟国に対するアメリカによる安全保障をどの程度支持するかを問いかけた。
その結果、台湾の安全保障を支持する割合は10段階評価で6.69、日本と韓国はそれぞれ6.88、6.92となった。
国家主席の任期の制限を撤廃した習近平は2035年まで政権を維持するつもりだ、とラッドは予測した。任期の終わりには82歳になり、毛沢東の没年齢と同じになる。
習の野望を妨げる最大の問題は、アメリカと短期的にはジョー・バイデン政権だろう。国務省と国防総省だけでなく、情報機関にも経験豊富な中国専門家がいる、とラッドは言う。国際機関、貿易、テクノロジーに対する中国の脅威に対抗するために、世界の主要な民主主義国家を団結させるというバイデンの主張の説得力も、中国政府にとっては脅威となる。
中国指導部がトランプの再選を望んでいたのはまさにこのためだと、ラッドは言う。トランプなら、とくに外交におけるその失敗を習は利用することができたはずだった。』
『アメリカと中国両政府の最近の発言からすると、中国が戦術としてアメリカとの緊張関係を緩和しようとしても、バイデン政権が世界の2大経済大国間の戦略的競争を減速させる可能性は低いことが明らかだ、とラッドは見る。
「アメリカが衰退に向かい、復活の目はないという中国政府の評価が間違っていることをバイデンは証明するつもりだ」
ラッドは結論として、アメリカと中国が「管理された戦略競争」の枠組みを策定することを求めた。それは現在の情勢では難しいが不可能ではない、と彼は言う。
このような合意は「世界秩序に対するきわめて現実主義的な方法」といえるが、米中両政府の最高レベルでの同意を必要とするだろう、とラッドは述べた。
そのためには、双方が譲れない線を主張しつつも、ある程度の譲歩は認めるとこになる。たとえばアメリカ政府は中国政府の「一つの中国」の立場を厳密に順守し、台北への外交的訪問を止めるべきだと示唆した。
その見返りとして、中国政府は台湾海峡における軍事活動を減らし、南シナ海の島々の軍事拠点化を中止すべきだ。そうすればアメリカの「航行の自由作戦」も縮小する可能性がある、と述べた。
紛争回避の賭け
多くの人はこのような取り決めの実現可能性を疑うかもしれないが、それは紛争や戦争を防ぐために必要なことだと、ラッドは言う。
「このような枠組みを構築するのは難しいが、それはまだ可能であり、これに代わる案は最悪の結果を招く可能性がある」と、彼は書いた。「まったくルールがないよりは、両国が管理された競争という共同の枠組みの中で活動する方がよい」
2030年までに台湾海峡での軍事衝突が起きなければ,それは成功を期待できる兆候になるだろう、とラッドは予想する。その反対であれば、「失敗したアプローチの最も明らかな例」となる。
<参考記事>米爆撃機2機が中国の防空識別圏に異例の進入
<参考記事>中国の傲慢が生んだ「嫌中」オーストラリア 』
【中国ウォッチ】安倍氏の台湾有事発言に異例の強硬対応─中国高官「火遊びで焼け死ぬ」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021120800645&g=int
※ そんなに「大ごと」になっているとは、知らんかった…。
※ それが、国内向けの「から騒ぎ」なのか、真に安部さんの「政権への影響力」を慮っての「釘刺し」なのか、その両方なのか…。
※ いずれ、時の政権が、日本国の「存立危機事態」だと認定すれば、「自衛力」は発動される…。そのために作った「法律」だからな…。
※ まあ、武力攻撃事態 武力攻撃予測事態 存立危機事態 緊急対処事態
と、いろいろあるようだ…。
※ 別に、安倍さんが判断するわけのものでも無い…。「時の政権」の判断するところのものだ…。
平成十五年法律第七十九号
武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=415AC0000000079

『安倍晋三元首相が講演で「台湾有事は日本有事だ。日米同盟有事でもある」と述べたことに対して、中国側は強く反発し、外務省が北京駐在の日本大使を呼びつけ、主要公式メディアが安倍氏を名指しで非難するなど強硬な対応を示した。日本の政府高官ではない政治家の言動について、中国側がこれほど大げさな抗議をするのは異例だ。(時事通信解説委員・西村哲也)
台湾有事なら「恐ろしい結果」 現状変更企てと中国非難―米長官
◇夜に日本大使呼び出す
中国外務省の発表によると、華春瑩外務次官補は安倍氏が講演した12月1日の夜に垂秀夫大使を呼んで「厳正な申し入れ」を行い、安倍氏の発言について「中国の内政に対して粗暴に干渉し、中国の主権に公然と挑戦し、はばかることなく『台独』(台湾独立)勢力を後押しした」と批判した上で、日中間の四つの政治文書の原則に反すると主張した。
実際には、安倍氏は台湾独立を支持する発言をしておらず、1972年の日中共同声明などで示された2国間関係の原則から外れたことを言ったわけではない。
華次官補はさらに、日中戦争の歴史を取り上げて、日本側に「歴史を深く反省し、歴史の教訓をくみ取る」よう促し、中国の主権を侵害したり、台独勢力に誤ったシグナルを送ったりしないよう要求。日本が誤った道を進んでいけば、「必ず火遊びで焼け死ぬだろう」と警告した。
「火遊びで焼け死ぬ」は、習近平国家主席(共産党総書記)が11月16日のバイデン米大統領とのオンライン会談でも使った言い回しで、「台湾問題に介入する者は、自分が火だるまになって滅びる」という意味だ。
中国外務省報道官も12月1日の定例記者会見で安倍氏の発言にコメントし、「大胆にも軍国主義の古い道を再び歩み、中国人民のレッドライン(譲れない一線)を越えようとする者は、誰であっても必ず頭を割られて血を流すことになろう」と語った。
また、国務院(内閣)台湾事務弁公室の報道官は同2日、安倍氏を批判するとともに、民進党政権が「外部勢力」と結託して、台湾独立を図るのは非常に危険だと警告した。
安倍氏は今も有力政治家だが、政府を代表する立場にはないので、中国側が日本政府に文句を言うのはお門違いだ。北京の日本大使館によれば、垂大使は華次官補に「政府を離れた方の発言の一つ一つについて、政府として説明する立場にない」「中国側の一方的な主張は受け入れられない」と強く反論。同時に「台湾をめぐる状況について、日本国内にこうした考え方があることは中国として理解する必要がある」と伝えた。
◇日本の軍事介入警戒論も
国営通信社の新華社や党機関紙・人民日報系の環球時報なども次々と批判の論評を発表。新華社は、日本には「戦後の束縛を打破し、軍事的拡張の古い道を再び歩む」ことを考えている政治家がいると決めつけた。
また、環球時報は岸田内閣について「(安倍氏の発言内容を事前に)知っていながら黙認したに違いない」「安倍氏の影響から脱していない」といった中国の日本研究者たちのコメントを紹介した。
新華社のベテラン記者が開設したといわれる微信(中国版LINE)アカウント「牛弾琴」も、安倍氏の発言は中国への挑発であると同時に、岸田文雄首相との主導権争いだと指摘した。中国の日本ウオッチャーに、安倍氏が岸田内閣の対中政策を左右するほど大きな影響力を持っているとの見方が多いことが分かる。
今春以降、日米首脳会談などの共同文書に相次いで「台湾海峡の平和と安定の重要性」が明記されたことから、中国では台湾問題について日本の介入に対する警戒が強まった。
11月18日には、公式シンクタンクである社会科学院日本研究所の研究員が台湾海峡情勢に日本が軍事介入する可能性について分析し、警戒を訴える異例の論文を発表。その中で、中国側が台湾問題に関連して特に注意すべき人物として、安倍氏と弟の岸信夫防衛相を挙げていた。
しかも、習主席はバイデン大統領とのオンライン会談で、中国の「核心的利益」とされる台湾問題に関して「断固たる措置」を取る可能性に言及するなど厳しい姿勢を示し、政権首脳としての外交力をアピール。異例の総書記・国家主席3選を果たすため、自画自賛の新歴史決議(同16日全文公表)と合わせて、自分の政治的威信を高める宣伝工作を展開していた。
中国側としては、習主席は台湾問題に対する外国の介入を許さない強力なトップリーダーだと宣伝している中で、安倍氏の台湾有事発言が飛び出したことから、あえて大騒ぎして日本側にくぎを刺そうとしたとみられる。 』
日米中関係の中長期的展望
https://www2.jiia.or.jp/pdf/resarch/H23_Japan_US_China/AllReports.pdf
※ 良い資料に当たった…。
※ しかし、長すぎる(260ページもある)…。とても、「通読」はしてられない…。
※ 目次を貼っておくんで、「役に立ちそうなところ」を摘まんで、部分部分を読んだ方がいい…。
中国安全保障レポート
2019
― アジアの秩序をめぐる戦略とその波紋 ―
※ こっちも、参考になったんで、リンクを貼っておく…。
http://www.nids.mod.go.jp/publication/chinareport/pdf/china_report_JP_web_2019_A01.pdf







『第四章 日米同盟に対する中国の認識と対応―冷戦後の展開
高木誠一郎
はじめに
日米中 3 国の関係は密接に絡み合っているが、3 組の 2 国間関係はそれぞれに特徴的であり、どの 1 国から見ても他の 2 国との関係は決して対称的なものではない。言うまでもなく日米は同盟関係にあり、時として様々な摩擦を引き起こしながらも、米国にとって対日同盟関係は東アジア戦略の「要石」であり、日本にとって唯一の同盟関係である対米同盟は安全保障政策の根幹をなしている。
また、日米関係は安全保障面に限定されるものでなく、経済的相互依存と文化的相互浸透によって深く結びついている。これに対して米中両国は冷戦後急速に経済的相互依存度を高めながらも、安全保障面では「敵でもなく味方でもない」という協力と摩擦が混在し、変転の激しい関係を展開してきた。
日中関係はやはり経済的相互依存が深化する中で、歴史認識問題、領有権問題、食品安全問題等をめぐる摩擦とその収拾努力を繰り返してきた。
2005 年の安倍晋三首相の訪中以降徐々に確立した「戦略的互恵関係」も、「戦略的利益の共通性に基づく互恵関係」というその基本定義が明示するように、戦略的利益の不一致を克服できるものでないことは、その後の展開に照らして明らかである。
したがって、3組の2国間関係を関連づけ、日米中関係の展開を論ずるに当たっての核心的問題の一つは、同盟を中核とする日米関係に対する中国の認識と対応ということになるのである。
本稿はそのような観点から、冷戦後の日米同盟関係に対する中国の認識の展開を検討し、オバマ政権による「米国」の「アジア回帰」以降の日米同盟に対する中国の対応を評価する基盤を提供しようとするものである。』
『1分析の枠組み
中国の国益の観点から一般的にどのような日米関係が望ましいかについて、1995 年秋、
1996 年春と秋、1996~1997 年の冬に中国で聞き取り調査を行ったバニング・ギャレットとボニー・グレーザーが以下のような的確かつ要領のよい概括を行っている 1。
それによると、全てを斟酌すれば、日米同盟は、以下の点で中国にとって有利に作用す
ることから、中国の国益にかなうものと判断される。すなわち、
1)日本の地域覇権に対する野望を抑制し、
2)日本の軍事力構築を制約し、日本の軍事力投射能力を限定する、
3)中国の経済的、政治的、軍事的パワーの増大を懸念する他のアジア諸国を安心させる、
4)アジア太平洋地域全体の安定に寄与する。』
『したがって、日米関係における摩擦が過度に深刻化することは、米国の対日影響力の低下をもたらし、同盟関係の破綻を招きかねず、そうなれば日本の軍事力強化の引き金を引くことになり、核武装さえももたらしかねない、という理由で中国にとっては望ましいことではない。
しかしながら、両国の関係が緊密すぎると中国にとって別の危険が生じる。
すなわち、日米中三角関係における中国の立場が弱まり、米国および日本に対する中国の影響力が低下する。
また、日米が共同して、軍事力の透明性と軍備管理、人権、貿易、南シナ海における中国の行動等について中国に圧力をかけてくる可能性もある。
最悪のシナリオは、軍事協力を含む日米合同の中国封じ込めである。
特に中国が懸念するのは、日米同盟の枠内で在日米軍と自衛隊が協力して、台湾独立阻止のための中国の武力行使に対応することである。
以上を要するに、もっとも中国の国益にかなう日米関係のあり方は「緊密すぎず、疎遠すぎず(neither too close nor too distant)」ということになる。
この概括は、冷戦後の日米関係に関する中国の判断と反応を測定する物差しとして使用
可能であり、以下の分析の枠組みとして利用することにする。
また、日米同盟に対する中国の認識は、当然のことながら、国際状況全般に対する認識
の重要な一環をなしている。したがって、以下の検討においては、日米同盟に関する認識と全般的状況認識との関連にも着目していく。』
米中関係の新展開 ―北東アジアへの影響―
松田 康博 東京大学東洋文化研究所教授
※ これも、参考になった。リンクを貼っておく。
https://ippjapan.org/archives/1396