カテゴリー: 中国の戦略
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袁家軍
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%81%E5%AE%B6%E8%BB%8D『袁 家軍(えん かぐん、1962年9月 – )は、中華人民共和国の官僚、政治家、元宇宙工学技術者。吉林省通化市出身。現職は重慶市党委書記。
経歴
1962年9月、吉林省通化市で生まれる。1984年7月北京航空航天大学にて宇宙飛行機の設計で修士の学位取得。
1987年7月からは中華人民共和国航天工業部(中国語版)の助技師、技師、五院副院長、党委副書記などを務める。
2003年10月、中国初の有人宇宙船神舟5号の発射現場総指揮として中国のアナウンサー白岩松の取材を受けた。
2012年3月、党務に転じて寧夏回族自治区に赴任し、寧夏回族自治区寧東能源化工基地党委員会書記、主任に就任した。
翌年1月には寧夏回族自治区人民政府常務副主席を兼任。
2014年8月、浙江省常務副省長、党組副書記に転出[1]。
2016年11月、浙江省党委副書記、中国共産党浙江省委員会政治法委員会書記に就任し、浙江省副省長を退く。
第12期浙江省人民代表大会常務委員会は2017年4月28日の第40回会議で、車俊省長の辞任届を受理し、袁家軍を副省長兼省長代行に任命することを決定した[2]。
同年7月に中国共産党浙江省委員会政治法委員会書記を退任した[3]。2020年9月1日、浙江省党委書記に任命[4]。
中国共産党第二十回全国代表大会で中国共産党中央政治局委員に選ばれる[5]。
出典
^ 周天 (2014年8月11日). ““航天少帅”袁家军转任浙江省委常委、常务副省长” (中国語). 財新網 2020年3月10日閲覧。 ^ “袁家军任浙江省副省长、代省长,此前担任浙江省委副书记” (中国語). 澎湃新聞網. (2017年4月28日) 2020年3月10日閲覧。 ^ “浙江省委常委、省公安厅长徐加爱兼任省委政法委书记” (中国語). 澎湃新聞網. (2017年8月1日) 2020年3月10日閲覧。 ^ “张国清任辽宁省委委员、常委、书记,袁家军任浙江省委书记” (中国語). Sohu. (2020年9月1日) 2020年9月1日閲覧。 ^ “中共二十届一中全会公报-新华网”. www.news.cn. 2022年10月23日閲覧。
党職
先代
趙小平(中国語版) 寧東能源化工基地党工委書記
2012年3月-2014年8月 次代
張超超
先代
王輝忠(中国語版) 中国共産党浙江省委員会専職副書記
2016年11月-2017年4月 次代
唐一軍
中国共産党浙江省委員会政治法委員会書記
2016年11月-2017年7月 次代
徐加愛(中国語版)
先代
車俊 中国共産党浙江省委員会書記
2020年9月 現職
官職
先代
劉慧(中国語版) 寧夏回族自治区人民政府常務副主席
2013年4月-2014年8月 次代
張超超(中国語版)
先代
蔡奇 浙江省人民政府常務副省長
2014年8月-2016年11月 次代
馮飛
先代
車俊 浙江省人民政府省長
2017年4月- 次代
鄭柵潔表話編歴
第20期中国共産党中央政治局
表話編歴
中華人民共和国の旗 中国一級行政区人民政府首長
表話編歴
浙江行政長官(1911年以降)
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カテゴリ:
中国共産党中央政治局委員北京航空航天大学出身の人物中国の航空機技術者通化出身の人物1962年生存命人物 最終更新 2023年10月16日 (月) 11:51 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。 テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスのもとで利用できます。追加の条件が適用される場合があります。詳細については利用規約を参照してください。』
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中国全人代、地方トップが習氏への忠誠を競う 陳氏ら
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM06CJ00W4A300C2000000/『2024年3月7日 13:30
天津市の分科会で発言する陳敏爾氏(6日、北京)=宮崎瑞穂撮影
【北京=多部田俊輔】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で5日から各省などが主催する分科会が開かれ、地方トップの指導者から習近平(シー・ジンピン)国家主席に対し、忠誠を誓う発言が目立っている。分科会の様子が新型コロナウイルス禍を経て5年ぶりに海外メディアなどに公開された。
共産党指導部は現在、次期体制が発足する2027年に向け、指導部入りを期待する幹部候補を全国の地方トップに配置し、研さ
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『共産党指導部は現在、次期体制が発足する2027年に向け、指導部入りを期待する幹部候補を全国の地方トップに配置し、研さんを積ませている。
「習近平総書記自らが天津に視察や指導に来臨した際、中国式現代化に奮闘することを要求した」。天津市トップの同市共産党委員会書記の陳敏爾氏は6日、天津市の分科会でこう強調した。10分余りの発言で20回近くも習氏の名前や肩書を連呼した。
各省などで個別に開かれる分科会は通常、全人代の開幕初日に首相が読み上げる「政府活動報告」をベースとし、議論を深めることが多い。ただ、今回の天津の分科会では記者との質疑応答の冒頭であえて、陳氏は習氏が天津を視察した時の話を持ち出し、習氏への忠誠を示す場面をつくり、アピールしたものとみられる。
重慶市の分科会で発言する袁家軍氏(5日、北京)=宮崎瑞穂撮影
習氏が22年の党大会で抜てきした人材も忠誠を示した。
袁家軍氏は重慶市トップとして、習氏のことばをあえて引用しながら、宇宙開発の仕事のやり方を重慶の統治に活用していると話した。袁氏は、指導部が強力に推し進める軍民融合政策を背景に宇宙開発の軍系企業出身として抜てきされた人物だ。
習氏が地方指導者として研さんを積んだ浙江省、福建省、上海市出身の地方トップの発言も目立った。中国メディアによると、浙江省出身で、習氏が(知識青年を農村で働かせる)「下放」で過ごした村がある陝西省で現在トップを務める趙一徳氏は、習氏の陝西省視察時の指導をもとに統治を進める考えを強調した。
福建省で経験を積んだ河北省トップの倪岳峰氏も、習氏自らが旗を振る新都市構想「雄安新区」について、習氏の視察時の指導をもとに建設を強力に推し進める考えを強調した。福建省トップの周祖翼氏も習氏の同省視察に触れ、「総書記の指示のもとで一貫して取り組みを進めている」とアピールした。
全人代の期間中に開かれた天津市の分科会(6日、北京)=宮崎瑞穂撮影
新型コロナの影響で20〜23年は、感染対策の強化などから、全人代の開幕後から始まる分科会は海外メディアが取材できなかった。北京に集結する地方トップの発言を直接聞き取る貴重な場で今回、5年ぶりに海外メディアの取材を受け入れた。ただ、中国の共産党系メディアが質疑応答の中心となる構図は変わらなかった。 』
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中国、金保有量積み増し 1年4カ月で16%増
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM079MI0X00C24A3000000/『北京市にある中国人民銀行本店=AP
【北京=川手伊織】中国人民銀行(中央銀行)が7日発表した2024年2月末の外貨準備の内訳によると、金の保有量は約2257トンだった。22年11月以来1年4カ月連続の増加で、この間に16%増やした。米国でインフ
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4隻目の空母建造明言、中国海軍高官「技術に障害なし」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA078TK0X00C24A3000000/『【北京=時事】中国軍が4隻目となる空母を建造していることを明らかにした。開会中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で軍の代表を務める袁華智・海軍政治委員が7日までに、香港メディアの取材に対し、建造中だと認めた。中国軍高官が4隻目の建造を明言したのは初めて。
袁氏は、中国の空母技術には「何のボトルネック(障害)もない」と強調。動力に原子力が採用されるかどうかは「間もなく発表があるだろう」と述べるにとどめた。空母建造は「国家主権と領土の一体性を守る」のが目的で、「米国と競ったり戦ったりするためではない」とも主張した。
海軍力の増強を急ぐ習近平政権は空母の建造を重視し、実戦配備済みの「遼寧」「山東」に続き、3隻目の「福建」が試験航海の準備を行っている。3隻の動力はいずれも通常型だが、4隻目が原子力空母であれば、航続距離が大幅に伸び長期の作戦が可能になる。一方で、中国は原子炉技術を確立できていないとも指摘される。
台湾海峡や東・南シナ海で緊張が高まる中、習政権は前年比7.2%増とする今年の国防予算を全人代で提示。厳しい経済状況でも軍拡を進める姿勢を鮮明にしている。』
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[FT]中国の過剰貯蓄、解消必須 中央政府まず支出拡大を
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB062MO0W4A300C2000000/『中国は世界の貯蓄大国だ。かつては投資の機会が潤沢で、急成長している国では、巨額の貯蓄は大きな資産だった。だがその巨額貯蓄は頭痛の種にもなりかねない。
イラスト James Ferguson/Financial Times
不動産ブームが終わった今の中国では、この巨額の貯蓄にどう対処するかが重大な課題となっている。中国政府は大胆な解決策を講じなければならない。
国際通貨基金(IMF)によると、2023年の中国の貯蓄は世界の総貯蓄額の28%を占めた。米国と欧州連合(EU
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中国・王毅外相会見、対米強硬発言も日中関係には触れず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM074WY0X00C24A3000000/『2024年3月7日 19:44
7日午前、記者会見する中国の王毅外相(北京)=宮崎瑞穂撮影
【北京=藤村広平】中国で開催中の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)にあわせて開いた王毅(ワン・イー)共産党政治局員兼外相による7日の記者会見は、米国に対しての強硬発言が目立つ一方、関係が悪化している日本への言及はなく、1時間半にわたった会見は終了した。
注目された外相による記者会見は、開始1時間前には用意された約350席が全て埋まった。計21の報道機関が質問し、内訳は中国メディアが10、外国
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中国 1月と2月の輸出額 去年同時期比で7%余増 輸入額も増加
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240307/k10014382101000.html『2024年3月7日 15時00分
中国のことし1月と先月を合わせた2か月分の輸出額は、アメリカや東南アジア向けが増えたことなどから、去年の同じ時期と比べて7%余り増加しました。輸入額も増加していて、景気の先行きに不透明感が広がる中、貿易の増加が持続するのか注目されます。
中国の税関当局が7日発表したことし1月と先月を合わせた貿易統計によりますと、輸出額はドル換算で去年の同じ時期と比べて7.1%増加しました。
主要な貿易相手であるアメリカや東南アジア向け、それにロシア向けなどが増えたためで、品目別では、家電製品や、EV=電気自動車をはじめとする自動車などが増えました。
また、輸入額は、鉄鉱石や原油などが増えたことから、去年の同じ時期と比べて3.5%の増加となりました。
去年の1月と2月は、新型コロナの影響が残っていたため、輸出入ともマイナスとなっていて、その反動が出たことも増加の要因となりました。
中国では、不動産市場の低迷の長期化や厳しい雇用情勢などを背景に、景気の先行きに不透明感が広がっていて、景気回復に向け、貿易の増加が持続するのか注目されます。』
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中国経済は「日本化」回避できるか:不動産不況には政府の直接介入が必要
https://www.nippon.com/ja/in-depth/a09602/『 中国はこの数年、経済の減速が目立っている。コロナ禍に伴う消費不振に加えて、不動産不況が背景にある。中国は「失われた30年」を経験した日本化を避けられるのか。大阪経済大学の福本智之教授は、軟着陸に必要な条件として、不動産市場への政府の直接介入や一段の民営化促進などを挙げている。
コロナ禍で減速
2023年の中国の経済成長率は5.2%と、政府目標(5%程度)をクリアした。しかし、都市封鎖などにより3%に失速した2022年と合わせた平均値は4.1%と、コロナ前の19年の6%成長から3~4年で約2ポイント低下した。コロナ禍が中国経済に与えた影響は甚大だった。
コロナ禍は、都市封鎖によって多くの零細企業や個人事業主を休・廃業に追い込んだ。この種の傷跡は、どこの国でも大なり小なりあったが、中国の場合は先進国と異なり、個人や個人事業主への現金給付が行われず、社会的弱者が影響を受けやすかった。家計調査によると、個人の名目可処分所得の伸びはコロナ前の2019年の8.9%から23年には6.3%まで低下した。
コロナ禍は米中対立、中国と西側諸国との摩擦も深刻化させた。政府、企業、個人などさまざまな層で対面交流が途絶したことによって、相互不信感が強まった。経済安全保障の観点から、リスク低減(デリスキング)の動きが広まり、西側諸国の対中投資姿勢が慎重化した。
不動産不況のダブルパンチ
一方、コロナ禍は、未曽有の不動産不況の間接的な要因にもなった。コロナ不況への景気テコ入れを狙った金融緩和によって、不動産ブームが発生。ところが、中国政府は「不動産は住むためのもので投機するためのものではない」として、不動産デベロッパーの資金調達と銀行の不動産セクター向け貸し出しを抑制する規制を同時に実施した。不動産市場は急速に冷え込み、大手デベロッパーは資金繰りに行き詰まり、住宅価格は下落し続けている。
3年近くたった今でも、不動産不況から回復する兆しがみえない。中国経済の減速は不動産不況の影響がとりわけ大きいと筆者は考えている。2023年の住宅販売面積は9.5億平方メートルと、21年の15.7億平方メートルから4割も減少した。不動産開発投資も同じ期間に25%減少。全国70都市平均の新築住宅価格はピークから4%下落したが、サンプルの取り方もあり、実態としては1~2割は下落したとみられる。
不動産価格の下落は消費の弱さにもつながっている。家計の保有資産の約7割が住宅資産である。その価値が下落していることが消費を慎重にさせているのだ。ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授ほかによれば、中国では、不動産セクターが直接、間接に国内総生産(GDP)に占める割合は21年時点で25%に上る。その不動産セクター縮小の影響はかなり大きい。
しかも、人口構造からみても、住宅需要が今後緩やかに減少していく可能性が高い。中国における1軒目購入の平均年齢は27歳であり、25~34歳が主力の購入層だ。この層の人口が17年の2.3億人から30年代前半には1.6億人に減少する。筆者はその影響で住宅購入の実需は減少していくと予測している。
「伸びしろ」残る中国経済
では、中国が経済の苦境から脱することは不可能なのか。日本では、1990年代の不動産バブル崩壊に伴い、潜在成長率が4~5%から1%程度まで低下して、そのまま元には戻らなくなった。中国は、日本と同じような道を歩むのだろうか。
中国経済は人口減少などの構造要因から今後も減速するのは避けられないものの、筆者は、政府が適切な政策対応を打ち出せば、日本の1990年代以降のような低成長にいきなり陥るのは回避できると考えている。
中国の都市人口比率は2023年末時点で66%だが、これは日本の1963年と同じ水準だ。また、2022年の1人当たり名目GDP(米ドル換算)は米国の6分の1で、これは日本でいえば1960年と同水準。つまり「伸びしろ」がかなりある。総人口の減少が始まったことや少子高齢化といった変化を踏まえても、中国経済の発展段階は日本の1990年代よりは「若い」と考えられるのだ。
デフレの恐れ
いったい中国経済はどのような政策対応によって軟着陸が可能なのだろうか。筆者は3つの策を同時に実施する必要があると考えている。それは、(1)マクロ経済政策の十分な拡張(2)不動産不況に対する抜本的対応(3)民営企業の活動範囲を拡げる経済改革-である。
まず、財政・金融政策というマクロ経済政策を考えてみたい。中国では、デフレが懸念されている。1月の消費者物価指数は前年比0.8%低下、生産者物価指数も同2.5%下落した。物価の下落傾向には、食品・エネルギー価格の下落といった供給要因も関係しているが、最も重要なのは最終需要の弱さである。個人消費や企業の投資マインドが弱く、最終需要の弱さにつながっている。こうした状況では、政府が財政・金融政策を拡張させて、最終需要を喚起する必要がある。
中国政府も、昨年12月の中央経済工作会議で需要不足を認め、「反循環的な」調節を強化するとした。今後、財政・金融政策は拡張していくであろう。ただし、これまでの経済政策は、景気浮揚には不十分な可能性がある。今後、一段の思い切ったマクロ経済政策が必要となろう。
未完工物件の買い取りを
さらに、不動産不況に対する抜本的対応策が必要だ。政府は住宅ローン金利を引き下げ、最低頭金比率規制の緩和、不動産投機の防止を目的とした「2軒目以降の住宅購入制限」を撤廃するなど、需要喚起策を段階的に強化してきたが、ほとんど効き目がない。
不動産不況が深刻化した真の原因は、人々が不動産デベロッパーの経営に不安を持っていることにある。中国では、住宅販売の大半が予約形式を取り、購入から引き渡しまで2年以上かかる。国際通貨基金(IMF)は、昨年10月の国際金融安定報告で、中国のデベロッパーは資産比で3割近くが実質債務超過だと推計している。経営に懸念がある状況では、怖くて住宅を買えない。事実、現在でもデベロッパーが資金繰りに窮して住宅が期日通りに引き渡せていないケースがかなりある。
不動産市場安定化のために重要なのは、未完工の物件を完成させ、買い主に引き渡すことだろう。現時点でも、ある程度の対策は打たれているが、経営難に陥っているデベロッパーに自力で完工する体力がないため、例えば、政府が「住宅買い取り機構」のような組織を設立して、未完工物件を買い取り、責任をもって完工するなど、思い切った手を打つことが必要だろう。
不動産業界の合併再編による健全化も必要だ。国有セクターを活用して間接的にでも、公的資金を一時的に注入する必要があるだろう。しかし、不動産バブルを起こした民間デベロッパーを救済することへの抵抗感やモラルハザードへの懸念から政府はこれらの措置には及び腰だ。
三中総会はいまだ開かれず
最後に、民営企業の活動範囲を拡げる経済改革の実施である。民営企業の2023年の固定資産投資額は前年比0.4%減少した。政府の規制強化によって、民間企業の投資意欲が低下していることが、民間投資の弱さの一因である。
もちろん、全ての業種で投資意欲が減退しているわけではない。不動産やプラットフォーマー、教育など規制が強化された産業が多い第3次産業の投資が前年比6%減少した一方で、製造業の投資は同9%増と比較的堅調だった。EVの増加が目覚ましい自動車産業に加えて、半導体など先端技術の「自立自強」が志向されている電気機械産業は2桁の投資の伸びが続いている。それでも、民間企業のマインドが総じて慎重なのは否めない。
投資マインドを上向かせるためには、市場メカニズムの活用と民間企業の行動範囲を拡大する方向での経済改革の推進が必要だろう。国有企業が独占してきた産業などへの民間企業の参入を認めていくことが重要である。
過去の例では、重要な経済改革の方針は、共産党大会後の翌年秋に党中央委員会第三回総会(三中総会)が開催され、決められることが多かった。20回党大会が2022年10月に開かれたため、1年後の23年秋に開催されることが期待されていた。しかし、現時点でも三中総会は開かれていない。
現時点では、筆者が必要と考える諸政策は未実施または不十分なものにとどまっている。今後、中国共産党・政府が、どのタイミングで、より思い切った政策にシフトするのかが、中国経済が軟着陸できるかどうかの成否を握っている。
バナー写真:工事が止まったマンション=中国・貴州省遵義市で(時事)
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習近平 バブル崩壊 中国経済 コロナ禍 不動産不況
福本 智之FUKUMOTO Tomoyuki経歴・執筆一覧を見る
大阪経済大学経済学部教授、東京財団政策研究所研究員。1989年京都大学法学部卒業、同年日本銀行入行。北京事務所長、国際局審議役(アジア担当総括)を経て国際局長を歴任。2021年に日銀を退職し、同年4月より現職。主な著書に『中国減速の深層 「共同富裕」時代のリスクとチャンス』(日本経済新聞出版)』
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インド、中国は互いに激しいサイバー攻撃を仕掛けている可能性…その先に起きる深刻な事態とは
https://www.dailyshincho.jp/article/2024/03060550/?all=1『インド拠点のハッカー集団「ビッター」
中国政府は2月26日、「同国産業部門におけるデータセキュリティーを強化し、2026年まで主要なリスクを効果的に抑制する」とのハッキング対策を発表した。
中国は米国などから「サイバー攻撃により自国の知的財産を奪っている」としばしば非難されているが、中国自身も外国からのハッキングに悩まされているようだ。
【写真で見る】中国の内憂外患…「賃金未払い」抗議デモやストも多発
ハッキング大国とも呼ばれる中国のサイバーセキュリティーの脅威になっているのは、はたしてどこの国だろうか。
香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(2月16日付 )は、中国へのサイバー攻撃の中心は覇権競争を繰り広げている米国ではなく、多くは南アジアであると報じた。
同紙は、インド拠点のハッカー集団「ビッター」による中国へのサイバー攻撃が2022年は7回、昨年は8回実施されたと伝えた。ビッターはインド政府の支援を受けて2013年末から活動を開始したとされ、その主な目的はパキスタンや中国の政府、軍事組織などが有する機密情報だと言いわれている。
ムンバイ大停電はサイバー攻撃が原因か
インド発のサイバー攻撃が相次いでいるにもかかわらず、中国政府はこれまでのところ、公式の反応を示していない。
その理由は明らかではないが、筆者は「中国もインドに対してサイバー攻撃を頻繁に仕掛けてきたからではないか」と考えている。
2020年9月、インドの2000万都市ムンバイで大規模停電が発生した。鉄道は停止し、株式市場は閉鎖、新型コロナウイルスのパンデミック下で病院も大混乱に陥った。この停電の原因で最も有力な説は中国によるサイバー攻撃だ(2021年3月6日付東洋経済オンライン)。
この大規模停電が起きる4ヵ月前、インドと中国の軍隊が人里離れたガルワン渓谷の国境紛争地域で突如衝突し、石やこん棒を使った戦闘で互いに死者が出る事態となった。国境紛争地域の領有権を声高に主張するとどうなるか、それをインドに思い知らせるために中国がタイミングを見計らって「恫喝のメッセージ(中国がその気になれば、インド全体を大停電に陥れることができる)」を送りつけたというわけだ。』
『20万人がにらみあう国境紛争地域
だが、インドはひるむことがなかったようだ。逆に「捲土重来」とばかりに、中国に対してサイバー攻撃をさかんに仕掛けているように思えてならない。
中国からのサイバー攻撃のきっかけとなった領土問題は解決の目途が立っていない。国境紛争地域では、実効支配線が中国支配地域とインド支配地域を分けており、今も20万人の中印両軍がにらみあいを続けている。
中国がその後もインド支配地域を侵犯しており、インド政府はそのたびに抗議しているが、中国政府の対応はけんもほろろだ。今年1月末にも小競り合いがあったとの情報がある(2月3日付ニューズウィーク日本版)。
インドはこれまで守勢に回っていたが、米国の軍事支援をバックに近年、中国に対して強硬な姿勢をとるようになっている。
本格的な軍事衝突が勃発する可能性も
気になるのは両軍の戦闘能力が拡大していることだ。
双方の陣営で兵士と後方支援物資等を輸送できる幹線道路が完成(2023年12月22日付ニューズウィーク日本版)しており、今後、本格的な軍事衝突が勃発する可能性は排除できなくなっている。
両国のつばぜり合いは海洋地域にも及んでいる。
中国の調査船がインド洋での水中測量を活発化させていることから、インドは「中国が潜水艦を使った水中戦を計画している」と警戒を強めている(1月16日付BUSINESS INSIDER)。
中国の調査船の活動を阻止するため、スリランカに対して、外国の調査船の入港を一時停止するよう圧力をかけている。
中国と同等の戦力を維持したいインド
中国はインド洋における外交攻勢も積極的に進めている。
インド洋の島国・モルディブに昨年11月、中国寄りの新政権が誕生した。そのため、同国に駐留するインド軍は撤退を余儀なくされている。
一方、インドは3隻目の空母を国内で建造する方針を固め、中国と同等の戦力を維持しようと躍起になっている(1月9日付日本経済新聞)。
インド海軍は、紅海で米国が主導する商船護衛の多国籍部隊に加わっていないが、昨年末からアラビア海やアデン湾に戦艦10隻以上を派遣している。過去最大規模の展開が功を奏してか、今年1月に米企業所有の商船を救助するなどの成果を挙げている。
自国の経済活動に欠かせない海上交通路(シーレーン)を守ることが主目的だが、インド周辺でも海洋進出を進めている中国を牽制する狙いがあることは間違いないだろう。
インドの地政学リスクを高める可能性も
中国経済の低迷ぶりを尻目にインド経済は絶好調だ。昨年第4四半期の経済成長率は前年比8.4%増と第3四半期の7.6%から加速した。
国力が急速に増大するインドが、積年の恨みを晴らすために中国に対して報復の姿勢をとりはじめているとしても不思議ではないが、「過ぎたるは及ばざるがごとし」。
中国への過度の反発は、順風満帆に見えるインド自身の地政学リスクを高めてしまう深刻な副作用を引き起こしてしまうのではないだろうか。
藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。デイリー新潮編集部 』