香港は「内政」と反発 中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070101085&g=int
『【北京時事】中国外務省の趙立堅副報道局長は1日の記者会見で、ブリンケン米国務長官らが香港に対する中国の抑圧を批判したことを受け、「一国二制度の実践にとやかく言い、中国の内政である香港の事柄にあれこれ批評することに断固反対であり、強く非難する」と反発した。 』
香港は「内政」と反発 中国
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070101085&g=int
『【北京時事】中国外務省の趙立堅副報道局長は1日の記者会見で、ブリンケン米国務長官らが香港に対する中国の抑圧を批判したことを受け、「一国二制度の実践にとやかく言い、中国の内政である香港の事柄にあれこれ批評することに断固反対であり、強く非難する」と反発した。 』
比マルコス新大統領、南シナ海にらむ基地訪問 軍重視
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB01AHR0R00C22A7000000/
『【マバラカット(フィリピン北部)=共同】フィリピンのマルコス新大統領は1日、北部ルソン島のクラーク空軍基地を訪れ、空軍創設75周年の式典に出席した。1991年に米軍がフィリピンに返還した同基地は、中国が権益を主張する南シナ海ににらみを利かせる戦略的拠点。6月30日の大統領就任翌日の訪問で、軍事力を重視する姿勢を印象付けた。
式典ではマルコス氏が演説、空軍の将来の計画を披露し、兵員や武器の輸送に使う地理情報支援システムの開始を宣言。
マルコス氏は大統領選での当選が確定した直後の5月26日の記者会見で、中国に対し「われわれの海洋権益が踏みにじられるのを許さない」と断言し、中国と海洋権益を巡り交渉する意向を示している。
同基地には2016年、米軍がフィリピン政府との防衛協力強化協定に基づいて軍用機を一時派遣したことがある。
また日本の航空自衛隊は昨年以来、同基地でフィリピン空軍と災害救助や人道支援の共同訓練を2回実施している。』
砂上の一国二制度 習氏、香港繁栄と強弁
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM011FG0R00C22A7000000/
『【香港=木原雄士】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は1日、香港返還25年の記念式典で高度の自治を保障する一国二制度を長期にわたって続けると表明した。中国の統制強化によって金融センターを支えてきた司法制度や自由な情報流通といった香港の特色は薄れ、一国二制度の基盤は崩れつつある。
【関連記事】中国の「未来の改ざん」警戒を 香港を変えた50年前の罠
「香港の特別な地位と強みを維持しなければならない。国際的な金融や貿易センターの地位を堅持する」。習氏は式典の演説でこう強調した。
香港は2019年に民主化を求める学生らと警察が激しく衝突し「返還後最大の危機」と言われた。習指導部は香港国家安全維持法(国安法)制定や、選挙制度の見直しによって民主派を排除した。習氏は1日も「愛国者による香港統治」の重要性を繰り返した。
当局の締め付けで民主派団体は次々と解散に追い込まれ、1日は毎年恒例のデモもなかった。習氏は香港統治に自信を深めつつある。
経済面では香港の域内総生産(GDP)は返還後の25年間で2倍になり、株式市場の時価総額は8倍に膨らんだ。英シンクタンクのZ/Yenグループが算出する国際金融センター指数のランキングで香港はニューヨーク、ロンドンに次ぐ3位。アクサ・インベストメント・マネージャーズの姚遠氏は「香港の最悪期は終わった。中国政府は中国と世界を結ぶ機能を持つ香港への支援を続けるだろう」とみる。
もっとも、香港は厳しい現実に直面する。欧米諸国は返還記念日にあわせて一斉に中国の香港統治を批判した。足元で進むのは専門人材や企業の香港離れだ。
中国式の愛国教育を嫌って子育て世代が英国やカナダに移住。新型コロナウイルスを完全に抑え込む「ゼロコロナ」政策に反発を強める外資系企業は一部の従業員をシンガポールなどにシフトさせている。
経済よりも国家の安全を重視する風潮も強まっている。親中派の梁振英・元行政長官は香港紙のインタビューで「最大手銀行が外国法で監督されているような場所が世界のどこにあるだろうか」と述べた。名指しは避けたものの、香港で大きな存在感を持つ英金融HSBCを念頭に置いた発言だ。倉田徹・立教大教授は「国家安全の領域は金融など無限に広がる可能性がある」と警鐘を鳴らす。
香港は「自由都市」として経済や報道の自由度で高い評価を得てきたが、中国の締め付けで各種のランキングは軒並み低下した。香港終審法院(最高裁)の英国籍裁判官が辞任するなど、司法制度にも懸念が深まっている。中国本土と異なる透明で独立した司法制度はビジネス都市としての最大の強みだった。
みずほ銀行の細川美穂子氏は国際金融センターの条件として自由な資本移動、制限の少ない情報のやりとり、公平な裁判の3つを挙げる。「中国の金融センターとしての香港の地位や位置づけは強固だ」としつつ、情報流通や司法制度が弱まる懸念があると述べた。
【関連記事】
・習氏「愛国者統治」譲らず 香港返還25年、民主派排除
・台湾当局「香港に自由の権利返せ」 返還25年で声明
多様な観点からニュースを考える
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白井さゆりのアバター
白井さゆり
慶應義塾大学総合政策学部 教授
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ひとこと解説
香港は以前のような自由で民主的な国際金融センターの地位は失いつつあるが、もともと中国への入り口としての地位として発展してきたので、その役割は維持されるのではないか。中国が経済大国および大きな金融市場を持つ国として台頭してきており、米中関係がぎくしゃくする今でも世界の企業や金融関係者の中国への関心は非常に高い。幾分デカップリングは進むとおもわれるが、完全なデカップリングが無理なことは欧米はよくわかっている。むしろ中国本土の金融センターも複数そだっているので、そことの競争で香港の存在感が薄れていく可能性があるとみている。
2022年7月2日 7:25 』
習氏「愛国者統治」譲らず 香港返還25年、民主派排除
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM015MX0R00C22A7000000/
『【香港=木原雄士】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は1日、香港返還25年の記念式典で演説し「一国二制度では国家の主権や安全が最も大事な原則だ」と述べた。香港には「愛国者による統治」を求め、民主派排除の路線を続けると強調した。
【関連記事】中国の「未来の改ざん」警戒を 香港を変えた50年前の罠
返還時に「50年不変」を約束された香港の一国二制度は折り返しを迎えた。香港国家安全維持法(国安法)の施行など統制強化によって言論や報道の自由が損なわれ、制度は大きく変質した。
5年ぶりに香港を訪れた習氏は「一国二制度を変える理由はなく、長期にわたり堅持しなければならない」と指摘。同時に「社会主義は中国の基礎となる仕組みで、中国共産党の指導が特徴だ。香港住民も国家の基本的な仕組みを尊重すべきだ」と述べた。
習氏は「政治体制は愛国者が掌握しなければならない」とも語り、民主派を排除する選挙制度を続ける方針を示した。
香港政府トップの行政長官には警察出身の李家超(ジョン・リー)氏が1日に就任した。李氏は民主派への強硬姿勢で知られ、国安法を補完する国家安全条例の制定などをめざしている。
習氏は6月30日に高速鉄道で香港入りし、いったん深圳に戻って宿泊し、1日に再び香港を訪れた。香港滞在中はハイテク企業が集まるサイエンスパークや香港に駐留する人民解放軍の部隊を視察した。習氏が中国本土から出るのは約2年半ぶり。
【関連記事】
・香港、中国返還25年 習近平氏「一国二制度は成功」
・米国務長官、香港の「高度な自治」衰退を批判 返還25年
・ジョンソン英首相、香港「一国二制度」揺らぎに懸念 』
台湾当局「香港に自由の権利返せ」 返還25年で声明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM016Y90R00C22A7000000/
『【台北=龍元秀明】台湾当局は1日、英国から中国への香港返還から25年を迎えたことに合わせ「中国が香港に自由の権利を返還するよう、厳しく要求する」との声明を発表した。香港への統制を進め、台湾にも統一圧力を強める中国の習近平(シー・ジンピン)政権を強くけん制した。
台湾で対中国政策を所管する大陸委員会が同日夕に発表した。声明は2020年の香港国家安全維持法施行が「民主主義者の投獄や市民社会の崩壊、メディアの封殺につながった」と指摘。「香港の民主主義や人権、自由、法治は25年前に比べて大きく後退した」と中国を厳しく批判した。
習政権が掲げる「愛国者による統治」が香港人の自治より優先され、香港に高度な自治を認める一国二制度が「形を変えてしまった」と指摘した。
中国は台湾にも一国二制度を導入することを念頭に、統一圧力を強めている。声明は「台湾は一国二制度を断固拒否すると繰り返し表明してきた」とした上で「台湾の未来は台湾人が決める。台湾は民主主義をしっかり守っていく」と強調した。』
秋の党大会へ「実績」強調 習氏、厳戒下の香港訪問
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM014YR0R00C22A7000000/
※ 『新型コロナウイルスの感染を極度に警戒した訪問だった。習氏は医療従事者らが使う高機能マスク「KN95」を着用し、香港政府関係者との握手は控えた。30日にいったん香港に入ったが、夜は中国本土まで戻って宿泊した。1日に演説を終えると2時間もたたないうちに香港を離れた。』…。
※ 相当に、慌ただしいな…。
『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は1日の演説で、香港社会を安定させたと実績を誇示した。高度の自治を認めた「一国二制度」は「誰もが認める成功を収めた」と主張した。2022年秋に開く5年に1度の共産党大会で3期目入りを確実にする思惑がある。
習氏は最高時速350キロメートルの高速鉄道「復興号」に乗って香港入りした。陸路で訪れたのは、香港が中国本土と分けることのできない領土の一つと強調するためだ。
新型コロナウイルスの感染を極度に警戒した訪問だった。習氏は医療従事者らが使う高機能マスク「KN95」を着用し、香港政府関係者との握手は控えた。30日にいったん香港に入ったが、夜は中国本土まで戻って宿泊した。1日に演説を終えると2時間もたたないうちに香港を離れた。
習氏が感染リスクを冒しても香港を訪れたのは、数少ない実績である香港の安定を党大会前にアピールするためだ。コロナ感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策は上海市のロックダウン(都市封鎖)で内外の批判にさらされ、いまも国内で不満がくすぶる。
6月29日付の中国共産党機関紙、人民日報は、香港の民主派らを抑え込んだ香港国家安全維持法の制定を決めた習氏の指導力を礼賛した。返還に道筋をつけた鄧小平に触れたのは1回のみ。1997年に返還式典を開いた江沢民(ジアン・ズォーミン)国家主席(当時)には言及しなかった。』
[FT]国に欺かれ、サイバー攻撃に手を染める中国の大学生
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB010KZ0R00C22A7000000/
※ 『「中国の国家安全省はすべてを非公式な形で進める。違法すれすれの仕事を好むのだ」と同氏は説明する。「後々の人生に悪影響を及ぼしかねない汚れ仕事を学生たちに散々させておいて、そうしたリスクを十分に説明しないという彼らのやり方が本当に通用するのだろうか」』…。
※ まあまあ、「無邪気」なものだ…。
※ そうやって、人の人生を「使い捨てて」行くのだろう…。
※ 当然、相手側も対策するから、知らぬ間に「ブラック・リスト」に載ることになる…。
『中国政府の秘密情報活動に関与している技術系企業が事業の実態を伏せたまま同国の大学生を熱心に勧誘していたことが明らかになった。同社は欧米企業が持つ機密情報の収集や不正入手した資料の翻訳に携わる社員を募集していた。
中国国家安全省はフロント企業を通じ「スパイ要員の供給源」として大学生を利用していた=ロイター
フィナンシャル・タイムズ(FT)は同社の翻訳業務に応募した140人を特定し接触を試みた。そのほとんどは海南省、四川省、陝西省西安市の公立大学で英語を学んだ新卒者で、南シナ海の海南島を拠点とするフロント企業「海南仙盾」の求人広告に応募していた。
応募者には選考試験として、米政府機関から入手した機密文書の翻訳や、情報活動の主要な標的であるジョンズホプキンス大学に在籍する個人の調査などが課された。
サイバー犯罪者集団のフロント企業
米政府が昨年、サイバー攻撃に関与したとして中国人を起訴した際、海南仙盾は中国のサイバー犯罪者集団「APT40」の隠れみのの役割を果たしたとされた。APT40は中国国家安全省の指示を受けて米国、カナダ、欧州、中東地域の政府機関や企業、大学などのコンピューターシステムに侵入したとして欧米の情報機関から非難されている。
米連邦捜査局(FBI)は昨年7月、海南仙盾の活動を阻止する目的で国家安全省の海南省支部に所属する丁曉陽、程慶民、朱允敏の3人を起訴した。国家が主導するサイバースパイ活動のフロント企業として同社を立ち上げた疑いが持たれている。同時に起訴された吳淑栄は海南仙盾の社員を監督するハッカーとされた。
欧米の情報機関も大学でサイバースパイ候補を求人募集している。米中央情報局(CIA)や英政府通信本部(GCHQ)といった情報機関への就職希望者は厳格な審査や訓練を受けた後に採用される。
一方、海南仙盾に目を付けられた大学生は知らぬ間にスパイ活動に従事させられてしまうようだ。大学のサイトに掲載された同社の求人広告には「翻訳者募集」とあるだけで、詳しい業務内容の説明はなかった。
とはいえ、いったん海南仙盾に就職するとその経歴は生涯に影響を及ぼす。外国語を学ぶ学生の多くは欧米に移住し就職することが主な志望動機なのに、国家安全省の協力者だと分かればそれが困難になる可能性が高いからだ。
FTは国家安全省の海南省支部が作成した応募者リストを極秘入手し、掲載されている140人全員に接触して裏付けを得た。そのうち何人かは応募者本人だと認めたものの、海南仙盾との関係を尋ねると電話を切った。採用までの経緯を話してくれたのはほんのわずかだった。
同社の採用方法を見ると、APT40の戦術を理解する手掛かりになる。APT40は欧米の産業戦略情報や機密データの窃取などを目的とする大規模なスパイ集団で、バイオ医学、ロボット工学、 海洋技術などの研究機関を狙ってサイバー攻撃を仕掛けることで知られる。
大規模なハッキング活動には大掛かりな部隊編成が必要となる。例えば、英語を駆使して攻撃対象の特定を支援する人、特定した組織のシステムに侵入するサイバー技術者、盗んだ資料を分析する秘密情報のエキスパートなどだ。
採用試験は機密情報の入手
大学で英語を学び海南仙盾の求人に応募した張さん(仮名)がFTの取材に応じ、選考試験の内容を語った。採用担当者が指示したのは通常の翻訳業務ではなく、ジョンズホプキンス大学応用物理研究所(APL)に関する調査で、理事会役員の履歴書や研究所の設計図、受託調査契約の詳細などの機密情報を探るよう命じられたという。
APLは国防総省から多額の調査費を得ており、中国の情報機関が高い関心を寄せているほか、APLの職員もハッキングの主要な標的になっている。
海南仙盾は応募者に対する指示書で、中国のネット検閲システム「グレートファイヤーウォール」を回避するソフトをダウンロードするよう命じていた。その際に中国で禁止されているフェイスブックなどのサイトを閲覧する必要があるため、自身の位置情報が外部に漏れないようネット上にVPN(仮想専用線)を設けるよう警告を受けている。
張さんは「翻訳会社の選考試験でないのは明らかだった」と振り返った。応募は途中で取りやめた。
中国のサイバースパイ活動の専門家でジョージタウン大学のセキュリティーアナリストだったダコタ・ケアリー氏によると、応募した大学生は有益な情報源になりそうな組織や個人を狙った調査の手伝いを命じられた可能性が高いという。
「VPNの構築や応募者単独での調査、高度な外国語の知識が求められた事実から、学生はハッキングの対象を特定する任務を与えられる予定だったのだろう」とケアリー氏は推測する。
今年初め米議会の諮問機関、米中経済安全保障調査委員会で中国のサイバー攻撃能力について証言したケアリー氏は、海南仙盾がジョンズホプキンス大学を調査するよう指示したのは、翻訳者が専門知識を獲得する上で率先して能力を発揮できるかどうかを試したのだろうと指摘する。
スパイ要員の供給源
大学生は知らぬ間にスパイ活動に従事させられ、その経歴は生涯に影響を及ぼすことになる(海南大学の学生)=AP
今回明らかになった事実から、国家安全省が「スパイ要員の供給源」として大学生を利用していた実態が判明したと海南省のセキュリティ担当者は話した。
ブリンケン米国務長官は国の支援によるスパイ活動や金目当てのサイバー犯罪など「悪事を請け負うハッカー集団の生態系」を中国国家安全部が築いていると非難した。さらに、政府や企業は知的財産の窃取、身代金の要求、安全対策費用などの形でハッカー集団から「数十億ドル」に上る損害を受けていると指摘した。
海南仙盾は求人応募者に対し、米インフラ調査開発局が保有する交通インフラの劣化予防に関する技術説明書の翻訳を命じていた。これは難解な科学的概念や専門用語を翻訳する能力を測るために出題されたようだ。
名門大学で英語を学ぶシンディさん(仮名)は「とても奇妙な選考方法だった」と振り返る。「オンラインで応募したところ、採用担当者が非常に専門的な文書を翻訳するよう送りつけてきた」という。彼女も応募を途中で取りやめた。
元FBIの職員で最近までサイバーセキュリティー企業クラウドストライクの社員だったアダム・コージー氏によれば、欧米の情報機関が学生の協力を求める場合、人物調査をせずに情報収集に当たらせることはまず有り得ないという。
「中国の国家安全省はすべてを非公式な形で進める。違法すれすれの仕事を好むのだ」と同氏は説明する。「後々の人生に悪影響を及ぼしかねない汚れ仕事を学生たちに散々させておいて、そうしたリスクを十分に説明しないという彼らのやり方が本当に通用するのだろうか」
FTは国家安全省にコメントを求めたが、返答がなかった。
海南大学と密接な関係
海南仙盾は大学の求人サイトで人材を募集している。海南大学と密接な関係があるようで、同大学の学生用コンピューター室がある図書館の一階に法人登記している。
同大学の外国語学部のサイトに掲載された求人広告では、英語専攻の女学生や共産党員を募集していたが、FTがこの件で取材を始めた後に削除された。
海南仙盾への志願者のなかには優秀な語学力で大学から表彰されたり、共産党員として栄誉を受けたりした学生もいた。
FBIの告発文書によれば、国家安全省は「海南省をはじめ中国各地の大学の職員や教授と連携して」情報活動に携わる人材を集めていた。海南省のある大学の職員は「給与支払い、福利厚生、郵送先住所の提供」などを通じて海南仙盾を支援し、フロント企業としての経営に関与していた。
国家安全省が「コンピューターネットワークに侵入し、情報を窃取する」ため、ハッキングや語学に堪能な学生を選別・採用する手助けしていたとして、FBIは海南大学を非難したが、同大学がその目的のために学生を徴集していたかどうかは言及していない。
FTの取材で明らかになった事実について、ジョンズホプキンス大学APLの最高情報責任者を務めるマイケル・ミスミ氏は「多くの専門的な組織と同様、我々も度重なるサイバー攻撃に対応しなければならず、組織とシステムを継続的に防衛するために適切な措置を取る」と述べた。
海南大学にもコメントを求めたが、返答がなかった。
By Eleanor Olcott and Helen Warrell
(2022年6月30日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2022. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation. 』
BRICS、同床異夢でも前進 スリーラム・チャウリア氏
印O.P.ジンダル・グローバル大教授
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD271YP0X20C22A6000000/
『ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカによるBRICSの第14回首脳会議が、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席の主宰で6月23日に開かれた。BRICSはロシアのウクライナ侵攻を巡る意見の相違などにもかかわらず、前進を続けている。この枠組みが存続している背景として、参加国それぞれの国益に合致している点は見逃せない。
中国の立場からすると、BRICSは欧米抜きの国際秩序が可能であると示す有益な手段だ。中国は近年、習氏肝煎りの広域経済圏構想「一帯一路」を、欧米の国際システムを覆すための戦略として優先している。ただ中国は一帯一路が覇権主義的であるという批判に敏感でもある。
中国が一帯一路よりも先に始まったBRICSに関与しているのはこのためだ。貧しい国々に冷たい米国と比べ、自らを温和なチームプレーヤーと描く一助になると中国は考えている。今回はアジアやアフリカ数カ国の首脳を招いた拡大会合も開いた。中国は発展途上国における指導的存在であることを証明し、西側の国際秩序に挑戦できる「BRICSプラス」を結成しようとしている。
Sreeram Chaulia 米シラキュース大博士。専門は外交政策や比較政治で著書多数。インド内外のメディアで発信を続ける
インドも途上国の発言力を高めることを目指しているが、中国の拡張主義には幻滅している。2006年にBRICSが考案された当初の中国は新興国の一角だったが、現在は米国と並び立つ大国になった。その外交政策はアジアの近隣諸国に対して強引で好戦的でもある。20年に起きた小競り合いを経て、中国軍とインド軍はヒマラヤ国境でのにらみ合いを続けている。いまやインドは中国を主要な敵国であると確信している。
そのような状況下でもインドがBRICSにとどまる理由は、多国間プロセスにより中国の拡張主義をけん制するためである。過去15年のBRICSの制度設計は、中国が他の加盟4カ国を無視できないようにするものだった。例えばBRICSが運営する新開発銀行(NDB)は全世界で250億ドル(約3.4兆円)以上の融資を行っているが、中国を補佐するのが役割ではない。インドはBRICSカードにより、中国とバランスをとるための行動ができると考えている。
ロシアはBRICSを、ウクライナ侵攻による孤立を拒むための場とみなしている。侵攻の結果、中ロの同盟の緊密化が言いはやされているが、ロシアは中国に比べて劣勢であると痛感している。ロシアのプーチン大統領は中国だけに頼らず、パートナーシップを多様化するためにもBRICSに価値を見いだしている。
ブラジルと南アフリカがBRICS内で協力するのは、自らの地位を確認できるからだ。両国はBRICSの一員であることにより、それぞれの大陸で正統性を認められている。ブラジルは中南米の指導者であり、南アフリカはアフリカの主要国であるという考え方がBRICSへの参加によって強化されている。
BRICSの首脳はSDGs(持続可能な開発目標)や誰もが金融サービスを受けられる「金融包摂」、デジタル公共財について語ることが多い。これら官僚的な語句の根底にあるのは、BRICS諸国の立場が異なっても、各加盟国の特定の利益には合致しているという計算だ。BRICSはこの論理が成り立つ限り、華々しくはないにしても実用的な枠組みであり続けるだろう。
関連英文はNikkei Asiaサイト(https://s.nikkei.com/3HUrFgo)に
中ロけん制の機能も
「BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)」の名付け親であるエコノミストのジム・オニール氏は、「中国は欧米のようになりたいのだと思っていた」と自らの誤算をふり返った。現実には世界2位の経済大国に上りつめた中国は、やはり民主主義と異なる価値観を持つロシアとともに、地政学リスクを増幅し世界を揺さぶり続ける。
4カ国に南アフリカが加わり「BRICS」として首脳が集うようになった意義は小さくない。民主主義の考え方を共有しうる国々が、有力新興国グループのなかで存在感を高めたからだ。6月の主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)にはインドと南アも招待された。使いようによってBRICSは、先進国が中ロをけん制する有力な枠組みになりうるだろう。
(編集委員 小平龍四郎)』
中国人民元でロシアの石炭を支払う独占的なインドのトップセメントメーカー
SudarshanVaradhan著
、アフターブ・アーメドとヌプールアナンド
https://www.reuters.com/business/exclusive-indias-top-cement-maker-paying-russian-coal-chinese-yuan-2022-06-29/
※ 遠藤誉氏の記事から、飛んだ。
※ 『「ドバイで人民元で支払うか、ドルまたは(アラブ首長国連邦)ディラムで受け取り、ルーブルに変換することができます」と彼は言い、人民元をルーブルに変換する方が簡単で、他の通貨よりも好まれたと付け加えました。』、ということだ…。
『(※ 翻訳は、Google翻訳)
読んだ4分
アーメダバード郊外の商業施設の建設現場で、労働者がUltraTechコンクリート混合トラックの前を歩く
2013年4月22日、インド西部の都市アーメダバード郊外にある商業施設の建設現場で、UltraTechコンクリート混合トラックの前を労働者が歩きます。REUTERS/ Amit Dave
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概要
企業
SUEKから輸入しているUltraTech、172.7百万元相当
SUEKのドバイユニットは、ロシアのワニノ港からの貿易を促進しました
トレーダーらによると、他の企業はロシアの石炭に人民元で支払う予定だという
ニューデリー、6月29日(ロイター)-インド最大のセメント生産者であるUltraTech Cement (ULTC.NS)は、ロシアの石炭を輸入し、中国元を使用して支払いを行っています。トレーダーは、より一般的になる可能性があると述べています。
UltraTechは、ロシア極東のワニノ港からばら積み貨物船MV Mangasに積み込まれた、ロシアの生産者SUEKから157,000トンの石炭を持ち込んでいると文書は示しています。貨物の価値が172,652,900元(2,581万ドル)である6月5日付けの請求書を引用しています。
広告・スクロールして続行
この問題に精通している2つの貿易筋は、貨物の販売はSUEKのドバイに本拠を置くユニットによって手配されたと述べ、他の企業も人民元の支払いを使用してロシアの石炭を注文したと付け加えた。
支払いを決済するための人民元の使用の増加は、ウクライナの侵略をめぐってロシアに課せられた西側の制裁の影響からモスクワを隔離し、通貨をさらに国際化し、世界貿易における米ドルの支配を断ち切るという北京の推進を強化するのに役立つ可能性があります。
広告・スクロールして続行
情報源はメディアと話すことを許可されていないため、特定されることを拒否した。UltraTechとSUEKは、コメントを求める要求に応答しませんでした。
シンガポールを拠点とする通貨トレーダーは、「この動きは重要だ。私のキャリアの過去25年間、インドの企業が国際貿易に人民元で支払うのを聞いたことがない。これは基本的に米ドル(米ドル)を回避している」と述べた。
この売却は、西側の制裁にもかかわらず、インドが石油や石炭などの商品についてロシアとの貿易関係をどのように維持してきたかを浮き彫りにしている。インドはロシアと長年の政治的および安全保障上の関係を持っており、ロシアが「特別軍事作戦」であると言うウクライナでの攻撃を非難することを差し控えてきました。
広告・スクロールして続行
どの銀行がUltraTechの信用状を開設し、SUEKとの取引がどのように実行されたかはすぐにはわかりませんでした。SUEKはコメントを求める要求に応じませんでした。
Refinitiv Eikonの船舶追跡データによると、マンガは現在、インドのカンドラ港の近くに停泊しています。
インド-中国-ロシア貿易
インドはロシアとの貿易のためにルピーの支払いメカニズムを設定することを検討しましたが、それは実現していません。中国企業は何年もの間、ロシアとの貿易決済に人民元を使用してきました。
人民元を使ったインドの貿易決済の場合、貸し手は、人民元と引き換えに、中国や香港の支店、または提携している中国の銀行にドルを送金しなければならない可能性があると、2人の上級インド銀行家は述べた。
インドの財務省の元経済事務局長であるスバッシュ・チャンドラ・ガーグ氏は、「ルピー・人民元のルートが有利であることが判明した場合、企業は切り替えるためのあらゆる理由とインセンティブを持っている。これはもっと起こる可能性が高い」と述べた。
ニューデリーは中国の投資と輸入に対する監視を強化し、セキュリティ上の懸念から一部のモバイルアプリを禁止したものの、企業が大部分をドルで支払うインドの中国との二国間貿易は、2020年の2つの間の致命的な軍事衝突の後でも繁栄しました。
この問題に精通しているインド政府当局者は、政府は人民元での支払いを認識していると述べた。
「中国以外の国からの輸入品の支払いを決済するために人民元を使用することはこれまでまれであり、ロシアに対する制裁のために増加する可能性がある」と当局者は述べた。
ロイター通信によると、トレーダーが大幅な値下げを提案したため、ロシアからのインドのエネルギー輸入はここ数週間で急増した。ニューデリーは、突然の停止は価格を高騰させ、消費者を傷つけるだろうと言って、ロシア製品の購入を擁護している。
ロシア、シンガポール、インド、ドバイに拠点を置く複数の石炭トレーダーは、シンガポールがロシアに対する制裁を発動する西側諸国を挑発することに警戒を強めているため、ドバイのロシアの石炭トレーダーのビジネスユニットは、ここ数週間、インドとの取引を促進するための活発なハブになっています。 。
ドバイを拠点とするロシアの石炭トレーダーは、最大の課題はロシアにルーブルを送ることだと述べた。
「ドバイで人民元で支払うか、ドルまたは(アラブ首長国連邦)ディラムで受け取り、ルーブルに変換することができます」と彼は言い、人民元をルーブルに変換する方が簡単で、他の通貨よりも好まれたと付け加えました。
($ 1 = 6.6899元)
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SudarshanVaradhanによる報告; ChristianSchmollingerによる編集
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エクソンモービルは金曜日に、賃金をめぐる労働者のストライキが、南フランスのフォス製油所工場の操業を徐々に停止することを余儀なくされていると述べた。
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©2022ロイター。全著作権所有 』
習近平香港演説の「ゆとり」の裏に「人民元で決済する露印」や「中国に回帰する欧州経済」
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220702-00303726
『習近平が香港を訪問し中国返還25周年記念講演をした。話し方がゆったりしていて奇妙に「ゆとり」があった。背後で露印などが人民元で交易する現象が起きているからなのか、それとも民主を抹殺し終えた自信なのか。
◆「5年ごとに行われている本土国家主席による演説」と「一国二制度の定義」
7月1日、香港の中国返還25周年記念で講演をした。
香港の返還「5周年記念」から始まって、基本的に「10周年記念」、「15周年記念」と、5年区切りで中国(本土)の国家主席が香港を訪問し、演説をしている。習近平自身も2017年の「20周年記念」に香港を訪問して演説をしているので、その5年後の「25周年記念」である今年2022年に香港を訪問したのは、非常に正常なことで、異例でも何でもない。
これを「(三期目の)続投にはずみをつける狙いがある」などと解説する日本の大手メディアがあるが、中国の基本を知らな過ぎて、日本国民をミスリードする。
もし「5年ごとの記念行事」に対して「~の狙いが」があるとすれば、過去の「5周年記念演説」や「10周年記念演説」・・・は、何を「狙って」香港を訪問し演説をしたと説明するのだろうか。整合性がなくなる。そういう「こじつけ」解説はしない方がいい。
日本の大手メディアは、「一国二制度」に関しても「形骸化している」と解説していたが、「一国二制度」の「二制度」とは、「社会主義制度と資本主義制度」の二つの制度のことを指しているので、形骸化していない。なぜなら「香港(やマカオ)は、まちがいなく資本主義制度」を貫いているからだ。中国本土は「社会主義制度」だが、こちらは「特色ある社会主義制度」で、強いて言うなら「国家資本主義」とも言えなくはないので、逆に中国本土での制度が「いびつな社会主義制度」になっているくらいで、「香港の資本主義制度」はまったく変化していない。
そのため習近平は演説で「一国二制度」を高く評価し、わざわざ「香港やマカオの資本主義制度は守られており、中国本土の特色ある社会主義制度も守られている」と言ってのけた。こういう「相手に付け入るスキを与えるような解説」を日本のメディアはしてはいけない。
イギリスのジョンソン首相が言った「中国は義務を守っていない」という趣旨の言葉に対して、わざわざ「中国は(一国二制度の)義務を守っていない」と「一国二制度」を(ジョンソンは言ってないのに)番組側の都合で字幕に加筆するほど、日本は「深く」間違っているのだ。
義務を守ってないのは「基本法」であり、香港の自治を謳っているのは「一国二制度」ではなく、「基本法」の方である。
だから習近平は「香港は普通法(コモンロー)と基本法と国安法を守り…」、という具合に、「基本法を守ってないのに」、多くの西側諸国がその事に気が付かないことを良いことに「基本法を守っている」と、堂々と断言することを許してしまっている(このことに関して正確に表現しているのはイギリスだけだ)。
この基礎が分かってないので、習近平が「事実違反」のことを言っても誰も気が付かず、肝心のところをスルーしてしまうのだ。「攻めどころ」を間違えているため、中国本土の論理が「勝っていってしまう」ことに留意すべきだろう。
特に習近平は「一国二制度」のうち、「一国」が大事で、「二制度の前に一国という文字があることを重要視しなければならない」という趣旨のことを言っている。つまり香港のフルネームは
中華人民共和国香港特別行政区
であり、「中華人民共和国」という「国家」の名前があることを忘れてはならない。そんなことにイギリス側は香港返還交渉のときに賛同してしまっているのだ。この事実は重い。
◆演説の奇妙な「ゆとり」の陰で進む「人民元による露印の決済」
今般の習近平の演説には奇妙に「ゆとり」があった。
口調が穏やかで、ゆっくり一言一言を丁寧に発音しながら話した。
特に今般、香港特別行政区の行政長官に就任した李家超は、香港語を日常会話として使ってきたからだろうか、中国語の普通語(標準語)の発音が少しおかしい。たとえば「市」に相当する [shi] という発音を標準語の発音で発音できず、日本語で「シー」に近い音で発音していた。宣誓の言葉で発音が気になっていたことも手伝い、きれいな標準語で、まるで小学生でもしっかり聞き取れるような発音でゆっくり演説した習近平の違いが、奇妙に印象的だった。ちなみに、その話しっぷりはこちらで確認することができる。
その「ゆとり」がどこから来ているのか、さまざま考察してみたが、一つには「インドとロシアが石炭などを取引するときに、実は人民元を使っていた」という事実が明らかになっていたことが6月29日のロイター報道(ニューデリー、ロイター電)でわかったことが挙げられる。
これまで、ウクライナ戦争によってロシアがアメリカを中心とした西側諸国から金融制裁を受けると、インドはルピーを使い、ロシアはルーブルを使うという具合に、互いに自国通貨で取引しようとしていると言われてきた。中国とロシアは人民元で決済している。これらのことは拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』でも詳述した。
ところが今般のロイター報道によれば、「アメリカの激しい対露金融制裁により、インドもまたロシアとの貿易決済で人民元を使用した証拠が見つかった」とのこと。
これは大変なことだ。
中国以外の国同士の交易において人民元決済が始まるということは、非西側諸国(BRICS陣営)の国同士における決済で人民元を使う傾向が強まる可能性があり、結果、人民元の国際化が進んでいくことになる。
すでにエマニュエル・トッドやミアシャイマーを挙げるまでもなく、世界の多くの知者が指摘しているように、バイデン大統領は、プーチン政権を倒すためにロシアに罠を仕掛けてきた。エネルギー資源をロシアに頼るヨーロッパのエネルギー源依頼先をアメリカに切り替えさせ、アメリカの軍事産業が繁栄を極めるために、プーチンにウクライナ侵略をするという愚かな道を選ばせたのだ。
本来なら、アメリカの敵はロシアではなく、中国であるはずだ。
しかし戦争ビジネスに狂奔するバイデン大統領にとって、NATOを強化するには「ロシアという強烈な共通の敵」がいなくてはならない。
ウクライナはまた、ロシアからヨーロッパに向かう天然ガスなどのパイプラインの拠点だ。ここをアメリカのコントロール下に置けば、ヨーロッパはロシアから天然ガスなどを輸入することができなくなり、アメリカを頼るしかなくなる。そのためにロシアによるウクライナ侵略はバイデン大統領に計り知れないメリットをもたらす。
しかし、バイデンが副大統領だった2009年から練り上げてきた戦略だった今般のこの選択は、果たして本当にアメリカに利するのだろうか?
◆ウクライナ戦争により中国に回帰する欧州
中国人民政府のウェブサイトによれば<2022年1—5月の中国の実行ベース外資導入額が前年同期比で17.3%増加している>とのこと。
韓国からの投資が52.8%増で、アメリカからの投資は27.1%増、そしてドイツからの投資が21.4%増えている。肝心のアメリカさえ、ウクライナ戦争後、実は対中投資が増えているのは皮肉なことだが。
また香港ロイター電によれば、<中国株へマネー回帰、世界的な逆風からの「避難先」>に、中国がなっているとのこと。
一方、ウォールストリート・ジャーナルはまた、<ロシアの天然ガス供給の減少は、世界最大の化学基地を脅かしている>という見出しで、世界最大のドイツの化学製品製造企業BASFが、対露制裁により生産基地を中国に移すしかないところに追い込まれていることを論じている。
さらに7月1日の中国の報道によれば、中国は合計300機ほどのエアバス購入の契約を結んだとのことである。
エアバスはフランスを中心としてドイツなどEU加盟国により製造されている航空機だ。それらを約300機(合計372.57億ドルで約五兆円相当)も一気に買い上げるのだから、欧州にとって中国はやはり「良いお客様」であることに変わりはない。
拙著『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』の帯に「笑う習近平」と書いたが、ウクライナ戦争で最後に笑うのは習近平かもしれないのである。
その自信が、演説にあの奇妙な「ゆとり」を与えたのだろうか?
◆民主を抹殺した後に残ったものは?
いや、もしかしたらあの「ゆとり」は、中国語にあまり慣れてない香港の若者への配慮だったのかもしれない。
ゆっくりゆっくり、小学生にも聞き取れるような中国語で、香港の若者に言って聞かせたという可能性もある。習近平は演説の中でしきりに「香港の若者こそが大事だ」ということを繰り返していた。若者が本土で働いてもらうための仕組みも作ってあると説明していた。香港の若者による抗議デモの再燃が怖いのだろう。
これまでなら、5年ごとに本土の国家主席が香港を訪れて演説するたびに若者たちによる抗議デモが繰り広げられていた。
それが今年は、デモ隊の姿など一人たりともいない。
民主が抹殺された後の、抗議をする若者の姿がない、きれいに整理された道路は、ふと反射的に、「チャーズの跡」を思い起こさせた。
6月30日のコラム<「チャーズ」の跡はどうなっているか? 抹殺された長春のジェノサイド>をご覧いただきたい。
そこには『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』のp.151に書いた「死体の山」の現在の姿の写真がある。以下に示す写真だ。
杜斌著『長春餓死戦 中国国共内戦の最も惨烈な包囲戦』より引用
「死体の山」があった場所で死者を弔う紙の紙幣を焼いた情景を、筆者を取材した杜斌氏が2015年に撮影したものだ。
地面に敷き詰められた餓死体の姿も、積み上げられた死体の山も、今はもうなく、そのような事実があったことさえ、完全に抹殺されている。
このきれいに舗装された写真を見た時に覚えた絶望と恐怖。
しばらく震えが止まらなかった。
中国共産党は、こうして「民の叫び」、「虐殺された民の命」を抹消して、明日へと進んでいく。
屍(しかばね)の上に築かれた繁栄。
それは戦争ビジネスの上に築かれているアメリカの繁栄とあまり変わらない。
デモ隊のいない香港の街は、きれいに舗装された「チャーズの跡」と同じだ。
この不条理をどこにぶつければいいのか。静かできれいに整頓された香港の街に、背筋が寒くなるのを覚えた。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』(7月3日出版、実業之日本社)、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』