













中国ネットの軍事オタク動画「4線1点」日本攻略に引っかかるな
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20220809-00309454

『アクセス数を増やして金稼ぎをするため、軍事オタクが制作した「4線1点」日本攻略動画が中国のネットで見受けられるが、日本の軍事ジャーナリストなどが引っかかっていることを知った。注意を喚起したい。
◆中国ネットの軍事オタクが出現する背景
中国には約10億人のネット民(ネットユーザー)がいて、2021年6月のデータによれば、30-39歳のネット民の占める割合が20.3%で、全ての年齢層の中で最も多い。逆算すれば1983年から1992年に生まれた人たちで、拙著『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』で考察した、いわゆる「80后(バーリンホウ)」が主たる構成要素を成す。彼ら彼女らは、物心ついた時から日本の動漫(アニメ=動画や漫画)に魅せられて育ったが、同時に1994年に江沢民が始めた「愛国主義教育」に染まってもおり、複雑なダブルスタンダードを持つ。
40-49歳群と20-29歳群は、それぞれ18.7%および17.4%で、「80后」以降は合計37.7%。約4億人だ。その前後の年齢層も含めれば6億人前後はいるだろうから、その中に「日本軍憎し!」というタイプの軍事オタク群が出てきても不思議ではない。
言論の自由のない中国では、政府が愛国主義を植え付けたのだから、愛国主義に基づく言動なら政府は罰することができないはずだと言わんばかりに、「日本を攻略するための動画」を制作する熱狂的軍事オタク群がネット界で大活躍している。
アクセス数が多いと、その分だけお金が入るので、若者は「できるだけ過激で、耳目を惹きつける動画」を制作しようと競っている。
◆軍事オタク「六軍韜略」が制作した「4線1点」日本攻略とは?
その中の一人に「六軍韜略」というハンドルネームを持った軍事オタク(以下、「六軍」と略記)がいて、自己紹介として自ら「認証:有名な軍事領域創作者(=有名な軍事オタク)」と書いている。
六軍は7月17日に、<「4線1点」戦略を強化し、日本の「現実の軍国主義」の傲慢な気勢を効果的に威嚇抑止しよう>という動画を公開した。概ね以下のような内容だ。
皆さん、六軍戦略へようこそ!
今日のテーマは「現在日本で進んでいる軍国主義をやっつけるために、4つの海峡を攻略し1つの頭(東京)を打ち砕く戦略」に関して説明する。
日本ではアメリカの支援と激励により、軍国主義が横行している。日本は平和主義憲法を改正し、「普通の国」になることで、「真の軍国主義」に向けて一歩一歩進んでいる。日本は「台湾有事は日本有事」とみなしており、バイデンの手先となって台湾問題に露骨に干渉することをいとわない。中国が台湾を統一する際には、日本の軍事介入を考慮しなければならない。
この1か月ほど、中国海軍の動きが日本全国を揺るがし、日本の野心を効果的に阻止している。日本の防衛省は6月30日、「6月12日から6月29日まで、中国の055駆逐艦、052駆逐艦、および補給艦からなる編隊が日本本島を迂回した」と発表した。6月26日、中国海軍の電子偵察艦が、伊豆諸島の八丈島と御蔵島の間の海域を初めて航海したが、この場所は日本の首都である東京から400キロも離れておらず、中国の軍艦が東京のど真ん中にこれほど近づいたことはない。
中国海軍の密集行動とは、何を指しているのか?
岸田文雄が政権を掌握して以来、特に最近では、一連の反中言動が際立っており、たとえばNATO加盟、NATOのアジア版設立、日米韓の同盟関係強化などを通して、日本は中国・ロシア・北朝鮮を威嚇したり、台湾問題に介入しようとしたりしている。
したがって、もし日本が台湾海峡の戦場に軍事的に介入するような真似をした場合には、中国の反撃は首都東京を含む日本全土であることを日本に警告することを意味している。中国海軍の第一段階の行動は、日本の4つの海峡をがんじがらめにして、その後東京という頭を打ち砕くという致命的な軍事演習版だと思え。
具体的な方法は以下の通りだ。
出典:中国の軍事オタク「六軍」が示した地図
一、対馬海峡を押さえる。ここは西海岸にいる日本の軍隊が南下する通路であり、日米海兵隊佐世保基地も近くにある。今年の前半、日本陸軍は、主に対馬海峡に沿って日本海に出て、南西の島々を強化するために全地域の軍事演習を実施した。
二、津軽海峡を絞めつけて北海道を遮断する。昨年10月には、中露海軍十数隻以上の艦隊が津軽を通過したが、日本は不安を感じているだろう。
三、本島の北端、北方領土南部からそう遠くないところにある宗谷海峡を押さえること。中露海軍と空軍が同時に宗谷海峡と津軽海峡に入ると、日本は北方4島どころか、北海道さえも失うだろう。
四、日本本島の南端に位置する大隅海峡を押さえる。ここには、日本で最大かつ最も重要な2つの米軍基地があり、横須賀と佐世保から戦艦が東海に出入りするのに最も便利な航路だ。それはまた、南西日本の諸島を連結する重要な航路でもある。大隅海峡の幅はわずか20?30 kmで、水面と水中の耐航性が高く、中国海軍はこの水路に精通している。戦時中に大隅水路が封鎖された場合、第一列島線に出入りする日米の船に大きな脅威をもたらすだろう。
「頭に一発」とは、日本の首都である東京に向けられた攻撃の矢を指す。中国海軍の最新の815A電子偵察艦は八丈島の海域で偵察し、東京周辺、特に海に面した方向の電磁環境を把握するだろう。
米海軍の横須賀基地は東京湾への玄関口であり、アジア太平洋地域で唯一の米空母の母港でもある。東京を攻撃すれば、横須賀はまちがいなく根こそぎ消滅できる。中国の潜水艦が八丈島沖で活動するか否かはわからない。しかし、インド太平洋における中国の潜水艦活動の範囲は、電子偵察艦に少しも劣らない。
遠くは南太平洋オーストラリアとインド洋に至り、北はベーリング海峡とアリューシャン列島に、そして東は第一列島線までをカバーする。東京湾は中国にこんなに近いのだから、容易に想像がつくだろう。戦争になった時、中国の空母戦闘グループが日本本土を威嚇した場合、八丈島を巡航するのはなかなかに良い選択だ。
以上だ。
◆アメリカも騙される中国ネット軍事オタクによる対日攻略動画
2021年7月17日のコラム<「日本が台湾有事に武力介入すれば、中国は日本を核攻撃すべき」という動画がアメリカで拡散>でも、全く同じ人物の軍事オタク「六軍」が制作した動画を紹介したことがある。
これは筆者が関わっているシンクタンク中国問題グローバル研究所に所属するアメリカ側研究員のグループが「大変だ!」として筆者に知らせてきたことから考察したもので、アメリカ側の中国研究者たちは、「だから日本は核を持つべきだ」と筆者に忠告してきた。
いや、これは中国ネットに大勢いる軍事オタクが創作した動画だと知らせることによって、ようやく沙汰やみとなったが、日本では新たに六軍の創作動画に引っかかった軍事ジャーナリストがいるのを知るに至った。
◆信頼できる軍事ジャーナリストまでが引っかかる中国ネット軍事オタクの創作動画
つい先日、台湾に対する中国大陸の実弾軍事演習に関して、某テレビ局の番組にリモート収録で出演したのだが、その番組で、非常に信頼できる日本の軍事ジャーナリストが真剣な表情で、中国のネットには「4線1点」戦略という日本攻略方針が載っていると解説したのを知って驚いた。
中国のネット事情というか社会事情をご存じないのかもしれないが、このように世間から信頼されている軍事ジャーナリストが解説すると、まるでそれが中国政府の方針であるかのごとき印象を視聴者に与えてしまう危険性があるので、その影響の大きさを危惧して、ここに実態をご紹介した。
特に最も怖いのは、日本の国会議員や防衛省関係者が、この軍事ジャーナリストの解説を視聴して「本気にしてしまい」、それに対抗すべく日本の戦略を練ったりすることだ。
やがて、日本のいわゆる「チャイナ・ウォッチャー」が、これを中国軍の隠された戦術として拡散したりする可能性もあり、その前にストップをかけておく必要があるだろう。もっとも、「隠された戦術」ならネット公開したりしないので、冷静に考えれば分かることだとは思うが、念のためにご紹介した次第だ。
遠藤誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。日本文藝家協会会員。著書に『もうひとつのジェノサイド 長春の惨劇「チャーズ」』、『ウクライナ戦争における中国の対ロシア戦略』、『 習近平 父を破滅させた鄧小平への復讐』、『ポストコロナの米中覇権とデジタル人民元』、『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。』
「中国料理店があるから台湾は中国」 報道官ツイートに失笑の嵐
https://news.yahoo.co.jp/articles/e91e0f0db5958750f5d88af4bd82ca3562ee7625

『【AFP=時事】中国外務省の華春瑩(Hua Chunying)報道官が7日夜、台北に中国料理店が多数あることを根拠に台湾の領有権を主張する投稿をツイッター(Twitter)に行い、失笑を買っている。
【写真14枚】台湾に近い中国・平潭島 軍事演習のごう音に驚く観光客
華報道官は「百度(バイドゥ、Baidu)の地図によれば、台北には山東餃子(ギョーザ)の店が38店舗、山西麺の店が67店舗ある。舌はごまかせない。台湾は常に中国の一部だ。長く道に迷っていた子どもも、やがては家に帰る」とツイートした。
だがネット上では、華氏の論理の穴への指摘が相次いだ。あるツイッターユーザーは、「台北にはラーメン店が100店舗以上ある。つまり、台湾は間違いなく日本の一部だということになる」と書き込んだ。
「グーグルマップ(Google Maps)によれば、北京にはマクドナルド(McDonald’s)が17店舗、ケンタッキーフライドチキン(KFC)が18店舗、バーガーキング(Burger King)が19店舗、スターバックス(Starbucks)が19店舗ある。舌はごまかせない。中国は常に米国の一部だ」と元のツイートをもじった投稿もあった。
さらに、華氏の論理なら、中国がアジア太平洋を越えた各地で領有権の主張ができるのではないかと冗談半分に指摘する声も出た。
ある人は、「ロサンゼルス大都市圏(Greater Los Angeles)には餃子店が29店舗、麺類の店が89店舗ある。華氏の論理に基づけば、ロサンゼルスは常に中国の一部だ」と投稿した。【翻訳編集】 AFPBB News 』
ソロモンで自衛官襲われ軽傷 慰霊式典で
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0823O0Y2A800C2000000/
『【シドニー=松本史】太平洋戦争の激戦地、南太平洋のソロモン諸島で8日、慰霊式典に参加していた海上自衛官が住民とみられる男に刃物のようなもので襲われ軽傷を負った。加害者の男は他の自衛官や米軍兵士に取り押さえられ、警察に連行された。
ニュージーランド(NZ)メディアは加害者について「近隣のコミュニティーに住み、精神的に不安定な状態だった」との地域住民の話を伝えた。ソロモンは7日、1942年8月の米軍上陸を受けた戦闘開始から80年を迎えた。同日と8日に慰霊の式典が開催され日米の関係者が出席していた。』
スリランカ、中国「調査船」入港に延期要請 現地報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM072BO0X00C22A8000000/
『【ムンバイ=花田亮輔】スリランカが中国の調査船を巡り、南部ハンバントタ港への入港延期を求めていることがわかった。スリランカやインドのメディアが報じた。調査船「遠望5号」は11日から17日までの停泊を予定している。中国船のスリランカ入りを巡っては、隣国のインド側から懸念の声が上がっていた。
地元メディアによると、スリランカ外務省は5日に「本件についてさらなる協議が実施されるまで」入港しないよう中国に求めたという。それまでスリランカ政府は入港について補給目的と説明し、停泊を認める方針を示していた。
スリランカは中国に対する債務の返済に行き詰まり、2017年にハンバントタ港の99年間の運営権を引き渡している。中国から借金をした結果、権益を奪われる「債務のワナ」の典型例と指摘されてきた。
遠望5号は衛星などの観測任務を担ってきたというが、隣国インドのメディアは同船が中国人民解放軍の管理下にある「スパイ船」だと報じている。インド外務省の報道官は7月28日、遠望5号のスリランカ入りの情報について「インドの安全保障や経済的利益に関する全ての動きを政府は注視している」と述べていた。
スリランカでは大統領や首相を歴任したマヒンダ・ラジャパクサ氏のもとで、中国資本による開発が進んだ。最近までマヒンダ氏の弟であるゴタバヤ氏が大統領を務めていたが、22年に入って物価上昇などの経済危機に端を発した政権への抗議活動が激化。ゴタバヤ氏は7月に国外に脱出して大統領を辞任した。
その後、首相や大統領代行を務めてきたウィクラマシンハ氏が大統領に就いた。ラジャパクサ兄弟が「親中派」と指摘されてきたのに対し、ウィクラマシンハ氏は欧米やインド寄りとみられている。
スリランカは中東・アフリカと東アジアを結ぶシーレーン(海上交通路)上の要衝にあたる。』
中国、台湾周辺で軍事演習継続と発表
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM083ZT0Y2A800C2000000/

『【北京=羽田野主】中国人民解放軍で台湾方面を担当する東部戦区は8日、台湾島周辺の空・海域で、合同演習をしたと発表した。海上の艦隊や対潜水艦を念頭に攻撃の訓練をしたとしている。
中国は4~7日まで台湾周辺で大規模軍事演習をすると発表、実施していた。演習の終了を明言せずあいまいにし、常態化をちらつかせることで台湾に揺さぶりをかけようとしている。
【関連記事】
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中国がいま盛んに発しているのが軍事演習の「常態化」というキーワードだ。中国軍直属の国防大学の孟祥青教授は中国国営中央テレビ(CCTV)で軍事演習を「常態化するかどうかは台湾独立勢力と米国によって決める」と説明し、米国と台湾の出方をみて継続するかどうかを判断すると明かした。
台湾の国防部(国防省)の7日の発表によると、同日午後5時(日本時間午後6時)までに台湾海峡周辺で中国軍の航空機66機、艦船14隻が確認された。航空機のうち12機は台湾海峡の事実上の停戦ライン「中間線」を台湾側に越えた。
国防部によると、3~7日に中間線を越えた中国軍機の数はのべ100機にのぼった。中国軍による中間線越えは2019年に8年ぶりに確認され、20年には2日連続の実施があった。5日連続の実施は極めて珍しい。常態化を狙っている可能性がある。
台湾陸軍は中国軍が演習を実施したエリアに近い南部沿岸で9日と11日に「重砲射撃訓練」を実施する。偶発的な衝突リスクが高まる可能性がある。
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説
中国が台湾への威嚇を強めるなか、米上院に「台湾政策法2022」が提出されました。外交委員会のメネンデズ委員長(民主)と予算委員会のグラハム委員長(共和)が共同提出したもので、超党派の法案です( https://foreign.senate.gov/imo/media/doc/SBS%20Taiwan%20Policy%20Act%20FINAL%20(1).pdf )。
注目される中身は、「台湾に対する4年間で45億㌦の軍事支援」、「台湾を『主要な非NATO同盟者(Major Non-NATO Ally)』に認定」、「中国の台湾侵攻抑止のため強力な制裁体制の確立」など。
Allyは一応「同盟者」と訳しましたが、法案提出者には「同盟国」という感じでしょう。中国の軍事演習が米議会の対中警戒感を一段と強めるなか、この法案が上院を通過する可能性は念頭に置くべきでしょう。
2022年8月8日 14:47 』
与那国町漁協、漁自粛の要請解除 中国演習に不安の声も
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOJC080S10Y2A800C2000000/
『沖縄県の与那国町漁業協同組合は8日午前11時、所属船舶に対する操業自粛の呼びかけを解除した。中国が発射した弾道ミサイルが日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したことを受け、5~8日に自粛を求めていた。台湾周辺での中国軍の大規模演習が7日に設定されていた終了予定日を迎えたため解除を決めた。外国船の監視も9日に再開する。
嵩西茂則組合長は「演習が終わったからといって安全に保障があるわけではないが、通常に戻ったということだ」と説明した。今後も中国軍が演習する可能性に触れ「演習区域を与那国島からより近い海域に設定する恐れもある。余計な心配を新たにしなければならなくなった」と懸念を示す。
漁港前の商店には普段通り買い物客がみられた(8日、沖縄県与那国町)
与那国島の南、約60キロメートル付近で漁をすることが多いという漁師の玉城正太郎さん(57)は「ミサイル落下地点に近くて心配していたが、(演習の終了予定日が過ぎて)一安心だ」と語る。山口県から帰省した大学生の金城勇気さん(22)は「今回の演習自体に大きな懸念はなかったが、ニュースで地元の話が出ると少し心配になる」と話した。
食品や生活用品の販売店の店頭に立つ大朝央子さん(33)は「週2回、石垣島から生鮮品などを運ぶ船の入港日が演習期間と重なった。お盆前で仕入れを増やす時期でもあったので気がかりだったが、何事もなくてよかった」とほっとした様子。一方で「演習はまたやるかもしれないので不安に思う」とも語った。』
邦人退避、輸送力が課題に 「台湾有事」想定の机上演習
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA070H10X00C22A8000000/

『日本戦略研究フォーラムは6、7両日、台湾有事を想定した机上演習を開いた。防衛相経験者や国会議員、自衛隊の元幹部などが参加した。中国が軍事行動に踏み切った場合に邦人退避や国民保護の備えは十分か。輸送力の不足などの課題が見えてきた。
2027年、中国の世論工作で台湾内で独立派と統一派が衝突し、台湾総統が襲撃された。続いて沖縄県・尖閣諸島に漁民が上陸し、中国軍の特殊兵のもようだとの情報が入る。
中国は台湾周辺にも弾道ミサイルを撃ち込む。日本政府は邦人に中国や台湾から自主的な退避を呼びかけたものの情勢の悪化で民間の船舶や航空機は使えない。台湾に1500人、中国には11万人の日本人がいる。
演習はこんなシナリオを想定した。
国家安全保障会議(NSC)の9大臣会合を模し、刻々と変わる情勢にどう臨むかについて討論した。
参加者がまず直面した課題は、有事との判断が邦人保護にも影響する点だ。日本が武力攻撃事態だと認定すれば、日本と中国の対立関係が決定的になる。
演習で首相役を担った人は「邦人の安全な輸送が最優先だ」と話し、台湾に自衛隊機を飛ばすために中国側への働きかけを促した。
防衛相役は「事態認定が遅れれば状況が困難になる」と強調。尖閣に上陸した漁民の武装が確認できた時点で武力攻撃事態にあたると決めた。
輸送力の不足も浮かんだ。今回台湾と尖閣周辺の双方で本格的な交戦状態に発展したと仮定した。
石垣島など先島諸島に残る住民の避難が急務になる局面では自衛隊に頼らざるを得ない。ただ防衛相役は尖閣や先島諸島の防衛を最も優先する方針を示し、前線部隊への物資輸送の帰りに住民避難を支援する道を探る。
3つ目の課題としてはより早い段階で避難を始める仕組みづくりが欠かせない点だ。有事に至る手前での民間航空機などを活用した自発的な避難では間に合わなかった。
小野寺五典元防衛相は演習で首相役を担った。記者団に「国民の避難が少し後手に回った。法改正か新たな制度か、なるべく早く退避できるよう検討する必要がある」と語った。
演習は中国が小型の核を使用した場合の対応などのテーマも扱った。米国が核を含む戦力で日本を防衛する「拡大抑止」の信頼性を高める方策を考えた。
中国は4日、ペロシ米下院議長の台湾訪問を機に実際に台湾周辺へ弾道ミサイルを発射した。うち5発が日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。台湾当局機関へのサイバー攻撃も相次いでいる。
今回の演習は中台間の衝突が日本の防衛に波及するだけでなく、台湾有事と尖閣など日本の領土への攻撃がほぼ同時に発生したとシミュレーションした。より複雑な事態も念頭に備えを急ぐ必要性を共有した。
政治・外交 最新情報はこちら https://www.nikkei.com/politics/?n_cid=MCH999 』
中国、台湾の「進攻演習」実施発表 終了は明らかにせず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0647E0W2A800C2000000/

『【北京=羽田野主】中国の人民解放軍が4日から始めた台湾周辺での大規模演習が7日正午(日本時間同日午後1時)、終了予定時刻を迎えた。中国軍東部戦区は7日、台湾周辺の海空域で「島しょ進攻作戦」の演習を実施したと発表。演習が予定通りに終了したかは明らかにしなかった。演習はペロシ米下院議長の台湾訪問に反発して始めたが、内容は練り込まれており、以前から周到に準備していた可能性が高い。
【関連記事】「中台」緊張最前線の与那国島 有事にどう備える?
台湾周辺の軍事演習に絡み、中国軍が「進攻」という言葉を使うのは異例。中国軍は多数の戦闘機を出動させ、地上への打撃と長距離の空中での攻撃の能力について重点的に演習したことも明らかにした。終了を発表しなかったのは、演習の常態化に含みをもたせることで台湾側に揺さぶりをかける狙いがあったとみられる。
台湾の国防部(国防省)の7日の発表によると、同日午後5時(日本時間午後6時)までに台湾海峡周辺で中国軍の航空機66機、艦船14隻が確認された。航空機のうち12機は台湾海峡の事実上の停戦ライン「中間線」を台湾側に越えた。
中国南部の福建省に近い金門島周辺では7日夜、所属不明のドローン(無人機)1機の飛来を確認した。国防部は演習が終了したかについて「(中国側の)発表があるまで確認できない」としている。
中国が台湾周辺で大規模に演習をするのは1996年の台湾海峡危機以来。当時と決定的に違うのは、台湾の東方と南東に演習エリアを設定し、6カ所から包囲する形を築いたことだ。台湾海峡もエリアに指定しており、台湾の封鎖を想定したのは間違いない。
台湾の国防部によると、演習期間中に中国が発射した弾道ミサイルは11発。防衛省は9発の行方を公表している。そのうち5発が台湾東方に着弾しており、重視した演習エリアであることがわかる。米第7艦隊など米軍の救援を阻むことを想定した訓練とみられる。
台湾南西のバシー海峡に近い演習エリアにも2発落とした。バシー海峡は中国軍が台湾東方に回り込んだり、西太平洋に進出したりするうえでの要路にある。
国防大学の孟祥青教授も中国国営中央テレビ(CCTV)で「南の演習エリアはバシー海峡に近い」と指摘し、有事に「封鎖」も視野に入ると指摘した。南シナ海から米空母が北上してくるのを防ぐ目的もありそうだ。
演習には最新型のステルス戦闘機「J20」や「J16」、「スホイ30」などが投入された。あまり目立たないが安全保障関係者が注目するのは中国が開発した新型の給油機「運油20」の存在だ。
戦闘機や爆撃機の作戦範囲を約3割アップさせる能力を持つとみられており、中国軍は台湾のはるか東方に展開し、米軍を待ち構えることも可能になる。中国は台湾海峡にも演習エリアを設け、有事の封鎖の可能性を印象づけた。
96年の台湾海峡危機で台湾東方などに演習エリアがなかったのは、中国側にカバーするだけの能力が不足し、台湾海峡側に注力をせざるを得なかった事情もある。中国は当時と比べ国防費を約20倍に増やし、軍事技術も飛躍的に向上させた。
中国大陸からの正面侵攻作戦も強化した。中国軍は7日まで5日連続で台湾海峡の中間線を越えた。
中間線は米国と台湾が防衛条約を締結した1950年代に米軍が台湾防衛のために引いたラインに由来する。中国側は公式に認めていないものの、中台間の「暗黙の了解」として運用されてきた。今回の演習をきっかけに「無効化」を試みているとの指摘がでている。
台湾侵攻に際して中国軍が上陸しやすいポイントは台湾西部など一部に限られる。中間線突破の訓練には戦闘機だけでなく艦船も参加しており、上陸作戦と連動している可能性が高い。中国の初の空母「遼寧」と初の国産空母「山東」を動かし、台湾海峡側と東側の両サイドから挟み撃ちする姿勢もちらつかせた。
演習中の4日間は船舶や飛行機の進入を禁止し、台湾は封鎖状態に陥った。なぜ4日間だったのか。中国軍の内情に詳しい関係者は「米軍が国内手続きを終えて台湾に到着するまで7日間程度と見積もっている」と話したことがある。米軍の介入までに一気に制圧する短期決戦を見込んで演習計画を立てた可能性がある。
【関連記事】
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・ミサイル落下「近くて遠い」 台湾望む国境の島ルポ
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ニューズレター
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
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分析・考察
今回の綿密に準備された台湾周辺での軍事演習を観察すると、中国共産党と人民解放軍は、単なるペロシ米下院議長の訪台への反発や、中国の国威発揚と習近平主席の面子を守るといった政治的な動機だけではなく、台湾を併合するための具体的な軍事計画として綿密に計画されていることがわかります。おそらく現時点では中国側に軍事侵攻で台湾を確実に併合するだけの実力はないはずで(5年後はわかりませんが)今後も着実に能力向上にまい進していくでしょう。日米と国際社会が、この情勢をみて、それを抑止するための努力を行わないのであれば、その不作為の責任は歴史的に問われることになるでしょう。
2022年8月8日 9:04
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滝田洋一
日本経済新聞社 特任編集委員
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ひとこと解説
折しも元防衛相や自衛隊の元幹部らが参加する台湾有事を想定した机上演習が6~7日と、都内で実施されています。日本戦略研究フォーラムの主催で、昨年に次いで2回目。昨年の分は『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』(新潮新書)として書籍化されています。今回のシミュレーションの大きなチェックポイントは3つ。①平時でも有事でもない「グレーゾーン事態」から沖縄県・尖閣諸島での不測の事態発生②邦人退避や台湾からの避難民対応③中国の核による脅迫への対処――。シナリオに基づいて、日本の防衛体制が抱える課題を探っていると日経は伝えています。台湾をめぐる事態が切迫するなか、問題点を具体的に洗う作業は重要性を増しています。
2022年8月7日 9:44 (2022年8月7日 13:53更新)』
台湾有事の侵攻シナリオとは 防衛研の門間氏に聞く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM072I20X00C22A8000000/


『中国の台湾周辺での軍事演習からみえる台湾侵攻のシナリオとは。日本の安全保障にどのような影響が及ぶのか。中国情勢に詳しい防衛省防衛研究所の門間理良・地域研究部長に話を聞いた。
日本の南西諸島を戦域として視野に
中国人民解放軍の台湾周辺の軍事演習を振り返りわかったことは、台湾有事の際は日本の南西諸島を戦域にすることを既に決断しているとみられることだ。日本の排他的経済水域(EEZ)に軍事演習エリアを設定し、弾道ミサイルを撃ち込んだのは、日本の反応を探るためだ。
【関連記事】「中台」緊張最前線の与那国島 有事にどう備える?
防衛研究所の門間理良・地域研究部長
日本政府が強く反発しなければ、台湾有事において日本は弱腰であり、南西諸島の防衛に熱心でないと判断して台湾北部・東部の空・海域を自由に使い台湾を攻めるだろう。沖縄県・与那国島などを占領する可能性もある。
1996年の台湾海峡危機よりも大いに強化された中国軍はこれまでにない規模で台湾に対する演習を実施した。96年は米国が空母機動部隊を出したことで、事態はほぼ収束したが、今回は米軍もやや遠慮気味だった。それだけ中国軍が強くなっているとみているためだろう。
まだ中国は米国と本気で事を構えたくない
一方で、ペロシ米下院議長が台湾を去った後に演習を開始した点も注目すべきだ。まだ米国と本気で事を構えたくないとの意思表示だ。大規模なサイバー攻撃がミサイル演習に先立ってあり、それがいまも継続している。中国軍が目指す統合作戦に向けての動きと言える。ミサイル発射の状況や空軍戦力の出し方から判断して、中国軍はまだ本気ではないこともわかる。
ロケット軍やサイバー攻撃を担う戦略支援部隊と海軍、空軍の連携状況は情報が少なくはっきりしないが、統合作戦演習を念頭に置いていると推定される。今後は、この種の演習を増やしていき、練度を上げつつ台湾への軍事的圧力を高めることを狙うだろう。台湾軍の対応は課題を残した。少なくともサイバー攻撃には明らかに弱かったことを世間的にも露呈してしまった。
台北急襲を念頭に演習
演習の北部エリアは台北を急襲することを念頭においている。この海域に上陸用部隊を集めることが念頭にあると思われる。南部エリアからも上陸し、南部の台湾軍を引き付けて、北部に救援に向かわせない想定だ。
北部・南部いずれも上陸好適地の沖合が演習エリアに設定された。96年の危機時よりも本島に接近したエリアが設定されているのも上陸作戦を意識したと考えられる。
東部エリアは、米軍の空母機動部隊をけん制しつつ、自らが展開することを考えたものだ。ミサイルを撃ち込む数が現時点で他のエリアより多い事実が裏付けている。
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台湾海峡側のエリアは統合作戦演習を実施するためと分析する。エリア設定全体で見れば、米軍や自衛隊の介入阻止も含めて、これだけの空・海域を抑える必要があると中国軍は判断しているようだ。
発射した弾道ミサイルは台湾本島攻撃用の「DF-15」が中心のようだ。対艦弾道ミサイルなどは使用していないもようで、能力を全部見せることはしていない。発射数、時間などから判断すると、台湾本島攻撃に考えられている飽和攻撃にはほど遠い。
中国が開発した新型の空中給油機「運油20」が出てきたのには大いに注目すべきだ。台湾本島付近の空域での戦闘機の活動時間を長くして、帰投する際に安全空域に戻った戦闘機に燃料を補給することを念頭においている。
台湾の離島上空を無人機が飛んだ。中国からすると大陸に至近なので運用しやすい。台湾軍の状況を探るために情報収集型のドローンを多数送り込むことは十分考えられる。
(聞き手は北京=羽田野主)
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青山瑠妙
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
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ひとこと解説
軍事演習中、日本のEEZに中国の弾道ミサイル5発が着弾した。これをめぐっては、概ね三つの解釈が取りざたされている。一つ目は誤った着弾という解釈で、中国の軍事力を疑うものである。二つ目はバシー海峡を狙った軍事演習と合わせて、台湾有事における日米の介入を阻止するためと見るものである。三つ目は日本の沖縄をも視野に入れた動きと見るものである。いずれにしても門間氏が指摘するように、日本として強く反発する必要がある。しかし、台湾海峡をめぐる緊張関係が高まるなかで、中国の真の狙いはどこにあるのか。日本には高度のインテリジェンス能力が求められており、また中国との意思疎通の窓口を円滑にする必要もあるだろう。
2022年8月8日 10:41 』