カテゴリー: 中国の戦略
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中国で急速に広まる経済悲観論~「バラ色時代」の終幕
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00023/111500357/『 By
Eisuke Mori
Read time:12min
2022.11.16中国で「高度成長時代は終わった。もう戻らない」という認識が急速に広まっている。
エコノミストはもちろん、企業経営者や消費者も潮目の変化を感じ取り、投資や消費を抑える方向に向かっている。
このタイミングで、経済政策運営の司令塔が交代する。「改革開放」を継続する意図はあるが、果たして実行できるのか。
第3期習近平(シー・ジンピン)政権は、発進早々から大波を受けることになる。中国経済に詳しい瀬口清之キヤノングローバル戦略研究所研究主幹に聞いた。
(聞き手:森 永輔)
瀬口清之キヤノングローバル戦略研究所研究主幹(以下、瀬口氏):今回は、中国で「高度成長時代は終わった。もう戻らない」という認識が急速に広まっている――というお話をしたいと思います。
エコノミストたちの認識はもちろん、企業経営者や消費者もこの潮目の変化を感じ取っている。それが彼らの行動に表れています。
中国経済について以前から、2025年前後には高度成長時代が終焉(しゅうえん)を迎え、次の安定成長期のフェーズへと移行する過渡期に入るとみられていました。
そのタイミングが予想より3年ほど早まり、今まさに訪れています。6つの下押し要因がこの時期を早める役割を果たしています。
瀬口 清之(せぐち・きよゆき)
キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹 1982年東京大学経済学部を卒業した後、日本銀行に入行。政策委員会室企画役、米国ランド研究所への派遣を経て、2006年北京事務所長に。2008年に国際局企画役に就任。2009年から現職。(写真:加藤 康、以下同)
「2025年前後に高度成長時代が終焉を迎える」とみられていたのはなぜですか。
瀬口氏:以下の4つが要因です。
(1)少子高齢化(生産年齢人口減少)の加速、
(2)都市化のスローダウン、
(3)大型インフラ投資の減少、
(4)国有企業の業績悪化です。
人口の増加、都市化の進展、大型インフラ投資の実施など、これまで中国経済の高度成長を推進してきたエンジンが力を失うのが2025年前後とみられていました。
高度成長の終わりを早めた6つの下押し要因
そのタイミングを早めた6つの下押し要因とは何ですか。
瀬口氏:第1は、ゼロコロナ政策です。
上海をロックダウンした影響は大きく、4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比0.4%増に落ち込みました。
下半期は5%台に持ち直すとみられていましたが、7~9月期も同3.9%増にとどまった。
そして、10~12月期に入った今も、北京、重慶、鄭州などでは市内の多くの地域で移動制限が続いています。
このため、移動や旅行、宿泊に関連する消費が盛り上がりません。
飲食業に対してもネガティブな影響が続いています。
下半期の半年間だけに限定しても5.5%増という成長率の年間目標の達成は困難でしょう。
第2は市況悪化が止まらない不動産市場です。
昨年話題となった中国不動産大手・恒大集団の債務危機は峠を越えました。
しかし、3級・4級都市の大部分の不動産価格は下落が止まりません。
今後5~10年間は回復しないのではないかとみられています。
このような市場の先行き予想では、不動産を購入したいと思う人が増える見通しが立たないため、不動産開発投資の減退が続きます。
第3は大学新卒の失業です。
今年6月の卒業生は1076万人で前年(909万人)から約20%増えました。
しかし、ゼロコロナ政策の影響などもあって大卒の希望するような就職先は急には増えないため、この人たちが職を得ることができず、16~24歳の年齢層の失業率は6月、19.3%に達しました。
この値には驚きますね。
瀬口氏:そうですね。
ただし、長期的に見ると事情は異なります。
第4の下押し要因は人口の減少です。2021年の人口増加が前年比48万人にとどまりました。
これまでは数百万人から1000万人のオーダーで増えてきたのですが、20年以降一気に失速しました。22年は、ついに同約100万人減とマイナスの値になることが予想されています。
ここまでが中国国内の要因。ここからは海外情勢がもたらす影響です。
第5はウクライナ危機に端を発する世界的なインフレの進行。中国にとって重要な輸出相手国である先進国の経済が悪化傾向をたどるため、輸出が停滞を余儀なくされると予想されています。
最後が米中対立の深刻化です。
ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシアと中国を一体とみなし孤立させる国際環境をつくり出しました。
さらに、米国の政治家の一部が台湾をめぐって、「1つの中国」政策を変更するかのような言動を繰り返しています。習近平政権はこれを強く警戒しており、ペロシ米下院議長が訪台した後には台湾周辺で前例のない大規模軍事演習をするに至りました。
6つの下押し要因のうち国内の要因は人災の面が強いとの印象を受けます。
新型コロナウイルス感染症については、もはやゼロコロナ政策を実行する必要がない段階に移行している。
不動産市況の悪化は、3級・4級都市の都市化推進が誤算に終わったことのあおり。
人口減少は、一人っ子政策にその原因をさかのぼることができます。
瀬口氏:そうですね。しかし、人災は中国に限ったことではありません。
いずれの国においても、経済を下押しする原因の大半は政策の失敗です。
鄧小平を起点とする高度成長の終焉
これまでに説明していただいた要因が、市場のセンチメント(市場心理)にどのように影響しているのですか。
瀬口氏:エコノミストの間で「もう高度成長時代には戻らない」という悲観論が急速に高まっています。
1978年に決定された鄧小平の改革開放政策が起点となり、92年に同氏が行った南巡講話を機に本格化した高度成長が、ちょうど30年の時を経て終焉を迎えた、という認識です。
消費者も企業経営者も、この変化を敏感に感じ取っています。将来を不安視して、前者は消費を、後者は投資を絞り始めました。
その動きは、7~9月期の経済指標から見て取ることができます。
実質GDP成長率は前年同期比3.9%増。この数字自体はそれほど悪くはありません。経済専門家による事前の予想は3.3~3.5%でしたから。
しかし、その内容が悪いのです。3.9%増の内訳は外需の寄与度が同1.1%増。内需の寄与度は同2.8%増しかありませんでした。
しかも外需の中身を見ると、輸出数量が伸びたわけではなく、輸入数量が減少したことで貿易黒字が拡大してGDPを押し上げたという内容です。
内需の勢いが鈍ったため、輸入が減少した。よって、中国ではこの状況を「衰退性黒字」と呼んでいます。
その内需に目を向けると、まず消費が勢いを失いました。
主な原因は、ゼロコロナ政策の一環で人々が移動制限を受け続けていること、そして、不動産需要が停滞していることです。
移動制限について、例えば、中国の主要都市である北京、上海、深圳、重慶などでは依然として市内の多くの地域が警戒区域に指定されています。
北京在住のビジネスパーソンが市外に出張していずれかの警戒区域にいったん足を踏み入れると、その地区の警戒が解除されるまで北京に戻ることができません。
戻るためには、天津や青島に移動し1週間~10日程度の時間を過ごす必要があります。
ビジネスパーソンらが上海や深圳など警戒地域に指定されている都市から他の都市に飛行機で移動すると、到着した空港ですべての乗客が隔離され、専用バスに乗せられて指定されたホテルに直行するといった規制が中国全土に適用されているようです。
不動産需要の停滞は、それに付随する家具、家電、内装の消費も停滞させています。
また、先ほど触れた3級・4級都市での住宅・オフィス建設の不振が、鉄鋼やセメント、ガラスといった資材の需要も押しとどめています。
これらの都市は、販売面積で見ると不動産市場の7割ほどを占めるので、資材に与える影響が大きいのです。
投資は、全体で見ると比較的堅調で、中でも製造業設備投資は前年同期比10%程度の伸びを示しました。
しかし、その中心は政策によるテコ入れの対象となっている産業分野の投資です。
電気自動車(EV)や新エネルギー、半導体の分野に補助金が支給され、それが投資増につながりました。
インフラ建設投資も以前のような噴かし方ではないものの、政府による財源確保支援などを背景に同7~8%程度の伸びを保っています。
その他の分野に目を向けると、経営者が将来見通しを悲観しており、投資に対し抑制的な態度を取っています。
以上を踏まえて、2022年の通年を展望すると、実質GDP成長率は3.0~3.3%にとどまると予想しています。
上半期は2.5%でした。下半期が、うまくいって4.0%に達したとしても、年間でならすと3.2~3.3%に着地することになります。
3期目の習近平政権はこの厳しい状況に対してどのような基本姿勢で立ち向かう考えなのか。
それは、約1年後に開催する第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で明らかになります。
なお、当面の方針については年末に開く中央経済工作会議で示すでしょう。
経済の司令塔・劉鶴副首相が残した置き手紙
第1期および第2期習政権の10年間にわたり経済政策運営の総指揮官の役割を担った劉鶴(リュウ・ハ)副首相が9月30日に行った講演の内容がつい先日公表されました。
これが、第3期習近平政権の経済政策が目指す方向を示唆しているかもしれません。
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欧州に突きつけられたEVの高率関税に反発、 報復を示唆した中国のリスク
https://cigs.canon/article/20240625_8180.html『メディア掲載 国際交流 2024.06.25
欧州に突きつけられたEVの高率関税に反発、 報復を示唆した中国のリスク
グローバル市場に真の自由競争はない、貿易相手国への配慮を学ぶ時
JBpress(2024年6月18日)に掲載
瀬口 清之 研究主幹
1.米国EUがともに中国の過剰生産を問題視
中国企業による過剰生産に対する批判が強まっている。
米国のジャネット・イエレン財務長官が4月に訪中した際に中国に対して過剰生産問題に対する懸念を伝えた。
中国の習近平主席が5月にパリを訪問した際には、エマニュエル・マクロン仏大統領はウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長を同席させて3者会談を実施し、そこでも主要課題としてEV(電気自動車)や太陽光パネルの生産過剰問題が取り上げられた。
その原因は中国政府の補助金によるものだとの批判である。
これに対して習近平主席は、中国は世界の環境改善やインフレ抑制に貢献しており、中国の過剰生産能力問題は存在しないと回答した。
欧州ではこの会談はすれ違いに終わったと受け止められており、その結果として、欧州委員会は6月12日に中国製EVに対する追加関税引き上げ幅を最大38.1%とする方針を発表した。
ドイツのオラフ・ショルツ首相は関税引き上げを回避しようと交渉したが、その努力は報われなかった。
習近平主席にとってもこの結果は予想以上に厳しいものだったと推察される。
今回の訪欧直前の4月中旬に、北京でショルツ首相と主要自動車メーカー代表と会見した際には、ドイツ企業の対中投資積極姿勢を聞かされていたからである。
それを踏まえて欧州に来てみたところ、この厳しい結果が待っていた。
ドイツの主要自動車メーカーは中国市場で高いシェアを保持していることから、中国ビジネスにマイナスの影響が及ぶことを懸念して、今回の制裁措置に対しては反対の意向を表明している。
ドイツにおける自動車産業は国家の基幹産業であり、関連業界のすそ野も広く、ドイツ政府の政策運営に対して強い影響力を持っている。
ただし、すでに欧州委員会から発表された方針を撤回させるためには、各国の元首または政府の長などから構成される理事会において、加盟国の人口を考慮し加重投票を行う多数決(qualified majority)によって否決する必要がある。
このため、ドイツなど一部の国が反対しても、過半数を得るのは難しいと予想されており、年内にはこの制裁措置が発効する可能性が高いと見られている。
2.EU関税引き上げ措置に対する中国の対応
中国はこの措置に対して強く反発し、報復措置を採ることを示唆した。
これについてEUの貿易問題に詳しいブリュッセルの有識者は、次のように説明する。
もし中国が補助金による過剰生産問題が存在しないと主張するのであれば、それを示す客観的データを示すことが合理的な対応である。そのデータが中国の主張を裏付ける正当な根拠であると判断されれば、この制裁措置は適応されない可能性も残っている。
中国のEV分野の業界団体が欧州向けに補助金に関する説明をしたにもかかわらず、その説明が受け入れられなかったことから、中国は欧州側の補助金に関する調査方法に問題があると指摘したと報じられている。
実は欧州の専門家の間にも、中国政府が実施している補助金の性格と、日米欧諸国が半導体関連企業に対して補助金を出して産業振興を図っている産業政策との区別は難しいという見方もある。
もし補助金を受けている半導体関連企業が日米欧諸国で増産し、供給が需要を上回って一部の製品が輸出に回されるケースを想定すれば、今の中国のEV輸出と本質的な違いはあまりない。
ただし、中国政府の出している補助金の金額が米日に比べてはるかに大きい金額であると推測されており、それが問題だとの指摘もある。
こうした中国製EVに対するEUの関税引き上げ措置に対して、事態が変わらなければ「中国は自国の権利と利益を守るため、断固とした措置を取る」と対抗措置を示唆していると報じられている。
この対応は法治の精神に基づいたものではない。
中国は政府文書の中で法治を重視する姿勢を繰り返し強調している。もし中国が法治を尊重するのであれば、中国側の説明について欧州側が受け入れていない点を具体的に指摘し、欧州側の判断が不適切であると考えられる理由を明確に列挙して反論すべきである。
自国の言い分が認められない場合には、すぐに報復措置を講じて力で対抗する姿勢を続ける限り、中国が法治を重視する国であると他国から認知されるのは難しい。
自国の主張が正しいと考えるのであれば、事実に基づいて論理的に反論することが国際的な信頼向上への大前提である。
3.過剰生産問題に対する欧米の対応
中国はつい数年前まで、長期にわたって過剰生産能力問題に苦しんだ経験がある。
リーマンショックがもたらした世界的な経済危機に対処するため2008年11月にいわゆる「4兆元の景気刺激策」を実施した。
その政策のおかげで中国は1年後には2ケタ成長を回復したのみならず、世界経済が大恐慌に陥るのも防いだ。
しかし、その副作用で大幅な過剰生産能力と巨額の不良債権の2つの難題を招き、2018年頃に概ね解決するまで、長期にわたって中国経済政策上の最大の課題となった。
このような長く苦しい経験が数年前まで続いていたことを考慮すれば、やっと解決した難題を再び繰り返すような政策を採用するとは考えにくい。
このため、中国政府主導で過剰生産能力を創り出したわけではないと考えるのが合理的である。
しかし、市場を見れば、中国企業が過剰生産を実施し、それが安値品の輸出急増という形で鉄鋼、石油化学、自動車、太陽光パネルの価格下落をもたらしたのは主要な先進国が指摘している。
この間、輸出価格は大幅に下落していることから、国内の過剰在庫を吐き出すために、安値販売によって輸出を増やした可能性が高いと考えられる。
ただし、この輸出急増は2023年第4四半期の成長率押し上げのための短期的な増産要請によるものであり、米国や欧州が批判する、補助金政策による過剰生産能力の拡大が主因ではない。
過剰生産が指摘されているのは主にEVと太陽光パネルであるが、特にEVの問題が大きい。これは欧州における基幹産業への影響が大きいためである。
先進国の主要産業ではない玩具、家具、靴、衣服等の労働集約産品については、中国企業が過剰生産しても批判はされない。
また、中国企業がEU域内でEV工場を建設し、生産を拡大した結果として供給過剰になって域外への輸出が増えたとしてもEUから過剰生産と批判されることはないと考えられる。
すなわち、過剰生産問題は、主要国の基幹産業の業績や雇用に影響する場合に問題視される。
その場合、工場の立地にも配慮が必要である。すでにハンガリーとスペインには中国企業のEV工場の建設が発表されたが、これらの国では自動車産業が基幹産業ではなかったため受け入れられた。
しかし、ドイツ、フランスでは自動車産業が基幹産業の一つであり、自動車企業の影響力も大きいため、中国企業が進出しようとすれば摩擦が生じる。
欧州への進出にはこうした点への配慮が求められる。
一方、米国の事情は大きく異なる。
米国は自国の基幹産業や雇用に影響がなくても、中国企業の工場建設のみならず、米国企業との技術提携まで厳しく問題視される。
米国では議会関係者を中心に中国の発展を阻止したいと考える政治家、政府関係者、学者等が多く、基本的にデカップリングを推進しようとしているためである。
EUはデカップリングに反対し、デリスキングの立場である。
このため、中国に過度の依存をしない限り、域内の雇用創出に貢献する中国企業の工場建設は基本的に問題視されない。
今回の中国製EVに対する38.1%追加関税の背景には、関税率が40~50%に達すれば中国企業はEU域内に工場を建設して現地生産しないと採算が取れなくなるという分析があるとの指摘がある。
従来の関税率10%に38.1%を載せれば、関税率は48.1%になり、現地生産化に舵を切る判断が働くようになるという計算だ。
そうした欧州の姿勢を見越してか、中国企業はここ数年、車載用電池やEVの現地生産化を進めてきている。
これは、かつて日本が貿易摩擦を経験した後、米国欧州等で現地生産化を進めた事情に近い。
この対応策は米国には使えないが、欧州に対しては有効である。
4.過剰生産問題の本質は企業の過当競争
もう一つ、あまり広く知られていない問題がある。
中国企業は国内市場における同業者間の競争において市場シェア拡大を最優先し、過当競争による収益率の低下を気にしない傾向がある。
これは建設機械業界で典型的に見られた現象であるが、太陽光パネル、ガソリン車、eコマース、各種家電製品など幅広い分野でその現象は存在する。
今回のEVもそれとほぼ同じである。これは政府の政策によるものではなく、中国企業が国内市場における自由競争の中で自ら選んでいる手法である。
結果として業界全体で過剰在庫を抱え、安売り競争が激化し、収益が悪化して多くの企業が倒産に追い込まれる。
それでも過当競争を続けるケースが多いのが中国企業の特性である。
かつては中国企業の技術水準が低かったため、そうした過当競争による安売り競争に陥っても、付加価値の高い製品が中心の先進国の国内市場にはあまり影響しなかった。
しかし、最近の中国企業の技術水準の向上を背景に、建設機械、太陽光パネル、ガソリン車など、徐々に先進国企業と競合する付加価値の高い製品分野にも影響が出ている。
今回のEVもその事例である。
確かに中国政府にしてみれば政策的に過剰生産を促進したわけではないため、他国の産業政策と何も差はないと主張していると考えられる。
しかし、実際に他国の基幹産業や雇用に大きな影響を及ぼすようになれば、国際的に問題視されるのは不可避である。
特に中国は経済大国であり、その生産力は世界経済の中でも突出しているため、西側先進国への影響力は他国と比較にならないほど大きい。だから問題視されるのである。
中国政府は今後、この問題の本質をよく理解し、貿易相手国との協調にも配慮しながら、中国企業が国内外において、秩序ある生産、投資、輸出、現地生産等を進めていくよう調整していく必要がある。
これは中国が先進国の仲間入りをしつつある証でもある。
日本も1980年代以降、貿易、投資面において米国、欧州の非常に厳しい圧力に直面し、こうした配慮の必要性を思い知らされた経験がある。
実はグローバル市場に真の自由競争はない。これが今の中国に必要な学習である。
それは技術力が先進国とほぼ同水準に達した経済大国に求められる貿易相手国への配慮である。
今回のEV補助金問題が、多くの面で中国にとって重要な学習機会になることを期待したい。 』
『プロフィール
職歴
1982年4月 日本銀行入行
2002年10月 政策委員会室企画役
2004年9月 米国ランド研究所に派遣(International Visiting Fellow)
2006年3月 北京事務所長
2008年12月 国際局企画役
2009年4月 – キヤノングローバル戦略研究所 研究主幹
2010年11月 – アジアブリッジ㈱ 代表取締役
2019年10月 – 一般財団法人日本アジア共同体文化協力機構 理事論文
財務省財務総合政策研究所編フィナンシャルレビュー「中国-習近平体制第II期の内外政策」「経済政策の視点から見た中国の対外関係」(2019年) 日本経済研究センター編「中国 新常態(ニューノーマル)に挑む長期安定の道標」第2章「中国経済の現状と将来リスク」-2020年までは安定成長を維持(2016年) 真家陽一編著「中国経済の実像とゆくえ」第1章(2)「中国経済は内陸部主導の内需拡大を持続」(2012年) 中国社会科学院日本研究所 王洛林/張季風編 「日本経済と中日経済貿易関係」(8)「円高の経験から見た人民元為替レート改革」(2011年) 「環渤海地域経済開発構想の展望と課題」(2008年) “Dissolution of Mutual Distrust” (2005年 ランド研究所内部ペーパー)-Relations among China, Japan, and the United States, since the 1990s
その他
2010年11月 アジアブリッジ(株)設立
2006年4月 – 2011年3月 杉並師範館(注) 理事・塾長補佐
2018年6月 – 2019年7月 国連UNOPS中国スマート・ヘルスケア・プロジェクト・シニアアドバイザー
2018年8月 – 大学院大学至善館 評議員
2019年10月 – 日本アジア共同体文化協力機構理事(注)杉並区の新しい学校作りに寄与し日本の教育再興の礎となることを目的とする杉並区独自の教員養成塾。
キヤノングローバル戦略研究所(CIGS) 』
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香港、たそがれの英国式司法 外国籍裁判官「抗議の辞任」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM144ZG0U4A610C2000000/『2024年6月26日 2:00
香港の「一国二制度」の象徴だった英国式司法制度の基盤が揺らいでいる。英国籍の裁判官が民主派への有罪判決を受けて「抗議の辞任」に踏み切り、外国籍裁判官の減少に歯止めがかからない。金融都市にとって司法システムの信認低下は政治的な締め付け以上の大きな意味を持つ。
「香港は全体主義になりつつある。法の支配は大きく損なわれた」
6月上旬、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に掲載された1本の寄稿が香港で波…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『1997年に英国から中国に返還された香港に外国籍の裁判官が存在するのは、中国本土と異なる「独立した司法制度」が保障されてきたためだ。香港基本法は返還後も英国や旧英国植民地が採用するコモンロー(判例法)の法体系を維持し、外国から裁判官を招くことができると規定する。
香港ではいまも裁判官や法廷弁護士は中世欧州風のカツラを着けて裁判に臨む「英国流」を堅持。外国籍判事が多くの審理に関わってきた。
サンプション氏は2018年まで英国の最高裁判事を務め、19年に香港終審法院の非常任裁判官に転じた。20年の香港国家安全維持法(国安法)施行で欧米から逆風が強まった際も「政治的なボイコットには参加しない」と留任していた。
辞任のきっかけは、立法会(議会)選挙に向けた民主派内の予備選挙にかかわった47人が「国家政権転覆共謀罪」に問われた国安法裁判だった。
議会で過半数を取って予算案を否決し、行政長官を辞職に追い込もうとしたことが「国家転覆の企て」に当たると検察側は主張した。
欧米諸国や人権団体は選挙で多数派をめざす行為は罪に当たらないと反発したが、担当した裁判官は検察の主張をほぼ認めた。国安法の担当判事は行政長官が指名する特異な仕組みだ。
中国本土では司法機関も中国共産党の支配下にある。政治の影響を受けず透明性が高い香港の司法システムは、国際的に開かれたビジネス都市の売りだった。
あいまいな規定が多く、コモンローと相いれない国安法の導入によって裁判所を取り巻く環境は一変した。習近平(シー・ジンピン)国家主席は22年、コモンローを維持すると明言したが、外国籍裁判官の香港離れが信認低下を示唆する。』
『金融ビジネスにも影響が及ぶ恐れがある。香港には中国ビジネスを手掛ける金融機関が多く、反中的な活動家の取り締まりなど政治統制の影響は限定的とみられていた。だが、債務不履行などのトラブルを解決する司法制度が機能不全に陥れば、話は別だ。
米非政府組織(NGO)が算出した23年版「法の支配指数」で香港は世界23位と19年に比べ7つ順位を落とした。中国本土(97位)との差は大きいものの、専門人材が香港を離れつつある。香港弁護士会によると、23年末の域外法律事務所は74社と4年連続で減少した。
「香港は終わった」と主張し、香港政府と論争になった著名エコノミストのスティーブン・ローチ氏は政治や社会など広範囲で中国の影響力が強まり「香港のダイナミズムやエネルギー、独自性が薄れた」と指摘する。
スイスの有力ビジネススクールIMDがまとめた24年の世界競争力ランキングで香港は5位とアジアではシンガポールに次ぐ順位だった。
低税率や効率的な政府など世界有数のビジネス環境はなお維持されているとの評価もあるが、司法制度の変質が金融都市の先行きに影を落とす。
倉田徹・立教大教授は「香港は自由や国際性を生かし、変化することで復活してきた。今回は自由や世界とのつながりが政治要因で阻害され、レジリエンス(回復力)の源となる力が弱まりつつある」と懸念を示した。
(香港=伊原健作)』
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『【瀋陽=出水翔太朗】中国中央テレビは25日、月の裏側で土壌採取に成功した中国の無人探査機「 嫦娥(じょうが) 6号」が同日、中国の内モンゴル自治区に帰還したと報じた。月の裏側から試料を持ち帰るのは世界初で、「宇宙強国」を目標に掲げる 習近平(シージンピン) 政権にとって新たな成果となった。』
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中国在留邦人に注意喚起 蘇州母子襲撃で警備強化―日本大使館
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024062500112&g=int『2024年06月25日12時33分配信
【蘇州(中国江蘇省)時事】中国江蘇省蘇州市で日本人の母子が中国人とみられる男に刃物で襲われ負傷した事件を受け、北京の日本大使館は24日深夜、在留邦人に対し、外出時は身の安全に注意を払うよう呼び掛ける情報を発信した。最近、中国各地の公園や学校、地下鉄など人の集まる場所で刺傷事件が起きているとして、「周囲の状況にくれぐれも留意」するよう促した。
日本人母子、刃物で襲われ負傷 ほか女性1人重体、男拘束―中国蘇州
林芳正官房長官は25日の記者会見で「このような事案が発生したことは遺憾だ。現地当局に対し、再発防止および詳細情報の共有を含めた申し入れを行った」と述べた。
事件は24日午後に発生。下校送迎中の蘇州日本人学校のスクールバスを待っていた日本人母子がけがをした。病院で治療を受け、命に別条はないという。案内係の中国人女性も切り付けられ、重体となっている。男は当局に身柄を確保され、取り調べを受けている。
同校は25日を休校としたほか、中国内のその他の日本人学校も警備を強化した。事件の背景は明らかでなく、在上海日本総領事館が現地に館員を派遣し、事実関係の確認を進めている。中国当局は事件について公式に発表しておらず、主要メディアも報じていない。
事件現場近くのマンションに住む日本人駐在員は25日、取材に対し、「日本人が多く住む地域で治安は比較的良いと思っていた。子供を持つ身としては心配だ。会社からは身の安全を確保するよう言われている」と不安そうに語った。事件の発生を受けて、この日は会社を休んだという。 』
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フィリピン、アユンギン礁で補給活動を継続 国防相表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2480K0U4A620C2000000/『2024年6月24日 19:31
【マニラ=藤田祐樹】フィリピンのテオドロ国防相は24日、中国と領有権を争う南シナ海のアユンギン礁(英語名セカンド・トーマス礁)への補給活動を今後も続けると発表した。補給活動の日程は「公表しない」と明言し、事前に公表すれば活動を認める方針だった中国側の要求を拒否した。
テオドロ氏は大統領府で記者会見し、アユンギン礁の比軍拠点に関して「定期的な要員の交代と補給任務を継続する」と表明した。「南シナ海で…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
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サマーダボス会議 in 大連 報告会
https://www.academyhills.com/note/opinion/09110401davos.html『更新日 : 2009年11月04日 (水) (※15年も前の情報だ…。)
第1章 世界経済の潮流は、ダボス会議で決まる
中国が戦略的に仕掛けた「サマーダボス会議」をご存知ですか?
世界の経済潮流が決まる場であるにも関わらず、日本ではその重要性が理解されておらず、ビジネスチャンスも存在感も失っています。
会議で一体何が行われているのか—— 会議に出席した石倉洋子氏らが徹底解説! 日本の発信力を高める方法を探ります。講師:石倉洋子 一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授
講師:竹中平蔵 アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学教授 グローバルセキュリティ研究所所長
特別ゲスト:土屋聡 世界経済フォーラム 日本統括
竹中平蔵氏竹中平蔵: 世界が直面している貧困問題、環境問題、テロリズムの問題、金融危機など、私たちが解決しなければならない非常に重要な問題を「グローバル・アジェンダ」といいます。それらに対処するために開かれているのが、ワールド・エコノミック・フォーラム(世界経済フォーラム)が主催する「ダボス会議」です。
ものを作り出す経済力や破壊する軍事力をハード・パワーと呼ぶのに対し、ものを引きつける力をソフト・パワーと呼びますが、ダボス会議はソフト・パワーの象徴のような場だと私は思います。これは非営利財団が行っている会議ですが、世界の中で極めて大きな存在感があり、まさにWinner-Take-All、一人勝ちになっています。
毎年7月に世界の首脳が集まるサミットですが、今ではこれは、1月のダボス会議から始まるといわれています。サミットで議長を務める総理大臣や大統領が、冬のダボス会議でアジェンダをぶち上げることでプロセスが始まるとされ、今やダボス会議は世界の経済論議の中に完全に組み込まれた存在になっています。
重要なのはここからです。これに対して中国が同じような会議を作ろうと、10年ほど前から中国版ダボス会議として、海南島で「ボアオ会議」というのを始めました。初開催の2002年に、当時の首相、小泉さんと私も一緒に出席したことがあります。しかし、ボアオ会議はいくら頑張ってもダボス会議のようにはなりません。それはWinner-Take-Allだからです。
その後、中国は方針転換し、ダボス会議を中国の中に取り込む戦略を立てました。その結果できたのが「サマーダボス」です。2007年に大連で開催され、2008年は天津で、そして今年2009年は再び大連で行われました。私は日本や韓国でも開催すればいいと思うのですが、毎年中国でやることが既成事実化してきました。
大連で行われた今年のサマーダボスは、すごいものでした。街を挙げてこの会議を支持していて、参加者のために交通規制をしたり、入国時には空港に特別レーンを設けて迎え入れたり、民主主義国では考えられないような待遇で後押しをしていました。
日本ではこのたび、ワールド・エコノミック・フォーラムの東京オフィス開設誘致に成功し、六本木ヒルズにオフィスができました。ニューヨーク、北京に続く3番めのオフィスになります。
ダボス会議やサマーダボスで日本がいかに存在感を出していけるか、解決しなければならないグローバル・アジェンダに対していかに貢献できるか。今日はそのことを踏まえて、先日のサマーダボスのご報告をさせていただきたいと思います。
最初に、なぜダボス会議が重要で、どこに注目しなければいけないのかをお話しておきます。世界の経済論議の潮流は、ダボス会議のような場で決まっているのです。ここにいろいろな影響力のある人が出てきて議論することが、世界の経済論議の潮流になるのです。ですので、ダボス会議で何が議論されているかを見ることは、一種の定点観測になります。
また、日本の政治家や企業家、専門家がそこに出ていって話すことは、日本全体のIR(Investor Relations)になります。ダボス会議はIRの場なんです。ですので、そこで何を発信できるかも大変重要になります。
関連書籍
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石倉洋子
東洋経済新報社
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次章を読むサマーダボス会議 in 大連 報告会 インデックス
第1章 世界経済の潮流は、ダボス会議で決まる 2009年11月04日 (水) 第2章 ダボス会議とサマーダボスの基礎知識 2009年11月04日 (水) 第3章 サマーダボスの重要性に、日本は気づいていない 2009年11月04日 (水) 第4章 中国の圧倒的な存在感 2009年11月04日 (水) 第5章 日本の経済人が不在ということに、危機感をおぼえる 2009年11月04日 (水) 第6章 環境やアニメに対する日本の認識と、世界の認識は違う 2009年11月04日 (水) 第7章 アイデアをビジネスにする“マルチ・ステークホルダー” 2009年11月04日 (水) 第8章 新世界の課題を解決する人材になれ! 2009年11月04日 (水)
該当講座
サマーダボス会議 in 大連 報告会
サマーダボス会議 in 大連 報告会
石倉洋子 (一橋大学名誉教授)
竹中平蔵 (アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学名誉教授)石倉 洋子(一橋大学大学院国際企業戦略研究科 教授)
竹中 平蔵(アカデミーヒルズ理事長/慶應義塾大学教授)
ダボス会議を主催する世界経済フォーラムが東京に事務所を開設することを機に、ダボス会議の前線で議論されていることは何なのか、日本はどのように世界の課題に貢献できるのかについて考えるセミナーです。今回は、9月10日~12日に中国・大連で開催されるニュー・チャンピオン年次総会(サマー・ダボス会議)で何が議論されたか、石倉氏と竹中氏が解説します。アカデミーヒルズセミナー 政治・経済・国際
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夏季ダボス会議、「親中国」色が濃厚に 25日開幕
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM230OQ0T20C24A6000000/『2024年6月24日 17:40
【大連=藤村広平】世界経済フォーラム主催の夏季ダボス会議が25日、中国の遼寧省大連で開幕する。会期は27日までで世界の政財界から約1600人が参加する。欧米政府首脳らの出席は限られ、中国の過剰生産問題などで踏み込んだ議論ができるかは未知数だ。減速する国内経済を巡り李強(リー・チャン)首相の発言にも関心が集まる。
夏季ダボス会議はスイスのダボスで毎年1月に開かれる国際会議の中国版だ。第15回となる…
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習近平氏、ポーランド大統領と会談 ウクライナ情勢議論
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB24BTL0U4A620C2000000/『2024年6月24日 22:29
【北京=共同】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は24日、北京でポーランドのドゥダ大統領と会談し、ウクライナ侵攻について「政治解決のため、中国は自らの方式で建設的な役割を発揮し続ける」と強調し、米欧と一線を画した独自路線で外交攻勢を強める姿勢を示した。国営中央テレビが報じた。
中国は、ポーランドが北大西洋条約機構(NATO)加盟国として米国と安全保障面で協力を深めることを警戒している。ドゥダ氏は隣国ウクライナの情勢を巡り、ロシアのプーチン大統領と親密な習氏に影響力行使を働きかけたとみられる。
習氏は、ウクライナでの衝突激化を避け和平交渉の条件づくりに努めることが「欧州を含む国際社会の利益に合致している」と主張した。一方で、中国とロシアは「正常な貿易」を続けているとして、密接な中ロ関係に対する米欧の批判に反発した。
ポーランドは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の参加国でもあり、今年は両国の国交樹立75周年に当たる。ドゥダ氏は会談で「一帯一路はポーランドにとって巨大な発展の機会だ」と評価し、経済や貿易、農業などの分野で協力を強化したいと表明した。
ドゥダ氏は24日、北京で李強(リー・チャン)首相とも会談し、両国の経済関係強化などについて協議した。訪中は26日までの日程で、遼寧省大連で25〜27日に開かれる国際会議「夏季ダボス会議」にも出席する予定。
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