Rylee Boyd 記者による2020-12-28記事
※ 内容が内容なんで、転載は差し控える…。
※ しかし、「こういう記事が、出回っている。」ということは、承知しておくべきだろう…。一読を、お勧めする…。
Rylee Boyd 記者による2020-12-28記事
※ 内容が内容なんで、転載は差し控える…。
※ しかし、「こういう記事が、出回っている。」ということは、承知しておくべきだろう…。一読を、お勧めする…。
米サイバー防衛効かぬ抑止 攻撃疑いのロシア駆け引きも
編集委員 古川英治
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM22CKI0S0A221C2000000
『米国の政府機関や企業を狙った大規模なサイバー攻撃が今月、明るみに出た。多くの機密情報を扱う国土安全保障省や財務省、エネルギー省のネットワークまで侵された。米当局はロシアが関与したハッキングとみており、サイバー防衛戦略にも大きな影響を与えかねない。
Nikkei Views
編集委員が日々のニュースを取り上げ、独自の切り口で分析します。
来年1月の政権交代の過渡期にある米政府はパニックに陥ったようだ。国家安全保障担当のオブライ…
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Nikkei Views
・国家安全保障担当のオブライエン大統領補佐官は欧州歴訪を短縮して帰国し、危機対応に追われた。ホワイトハウスは省庁をまたいだ緊急会議を複数回開いており、米連邦捜査局(FBI)は16日、「事態は進行中」とする声明を発表した。
・米政府機関や企業が多く使っているネットワーク管理ソフト大手の米ソーラーウインズ社の更新プログラムに埋め込んだウイルスを通じてシステムに侵入する高度な仕掛けだった。同社は3月と6月にこのソフトを更新した顧客は1万8000以下と報告した。米マイクロソフトの調査によれば、攻撃対象は米国が約8割を占め、カナダや欧州にも広がっている。
米ソーラーウインズの本社(テキサス州オースティン)=ロイター
・米サイバー当局が攻撃を見過ごし、政府機関が広く侵入を許した衝撃は大きい。工作は半年以上も続いており、米大統領選への介入阻止を重視していた米当局のすきを突いた活動だった可能性が指摘されている。
・米国防総省は2018年、平時から敵のサイバー空間に侵入し、先制攻撃も辞さない「Defend Forward(前方防衛)」という方針を打ち出した。ロシアの電力システムなどに入っているとの当局者のリークに基づく報道もあった。これは反撃の脅威を示して、相手に攻撃を思いとどまらせる「抑止戦略」の一環だった。
・今回の大規模なサイバー攻撃は、米国の抑止戦略が効かなかったことを如実に示した。米当局はロシアのSVR(対外情報局)が企てたとみており、ポンペオ国務長官は18日、「この活動を行ったのはロシア人だと明確に言えると思う」と発言した。
・ロシア政府は関与を否定しているが、米国の「前方防衛」に対する意趣返しとの見方がある。国土安全保障担当の大統領補佐官だったボサート氏は米紙への寄稿で、ロシアは侵入したネットワークで機密情報を収集するだけでなく、データを改ざんしたり、破壊したりして、社会を混乱に陥れることができると危機感を示した。
・オバマ米前政権は16年の大統領選中に民主党全国委員会(DNC)のシステムをハッキングして機密を暴露したロシアへのサイバー反撃を検討したが、断念したとされる。サイバー空間で報復合戦がエスカレートし、結果的に自国の代償が大きくなることを懸念したからだ。
・「オバマ政権がそうしなかったように、米国は今回も直接的な報復をすることはできない」とロシア政府に近い筋はいう。そもそも米国自体も各国システムに入り込み、情報を収集しており、「互いにスパイ活動は止められない」と主張する。
ロシアによるサイバー攻撃との見方が強まっている(12月17日、オンライン記者会見に臨むプーチン大統領)=ロイター
・サイバー戦は開かれた民主国家よりも強権国家に有利といわれる。サイバー空間での活動についても説明責任を問われる民主国家に対し、ロシアや中国の秘密工作に国内で縛りはない。国境もルールもなく、世界のどこでも経由し、攻撃への関与を否認できる。
・英王立国際問題研究所が14日、英国が新設するサイバー部隊について開いたオンライン会議でも、活動の合法性について議論になった。情報機関と英軍の幹部は、攻撃能力を示して相手を抑止するとして新部隊の意義を訴えながら、「国際法は順守する」という説明を繰り返した。サイバー攻撃の主体を特定する証拠なしでは、自衛権を根拠にした「攻撃」の正当性もはっきりしない。
・日本にとって対岸の火事ではない。英政府が10月、東京五輪の運営組織にロシアがサイバー攻撃をしていたと公表したとき、日本の政策当局者には寝耳に水だった。ある防衛関係者は「日本はおそらく多くのハッキングに気づいていない」と話す。
・ロシア政府に近い筋は「今回の事件でロシアのサイバー大国ぶりが示され、バイデン次期政権との取引材料を手にした」と話す。破壊的なサイバー戦争への危機感が高まれば、対ロ強硬派とされるバイデン氏を交渉のテーブルに誘い込めるとの読みがある。中国を含めて、サイバー空間が外交の駆け引きの舞台になりつつある。
編集委員が独自の切り口で分析「Nikkei Views」一覧へ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM079YJ0X01C20A2000000
『【ジャカルタ=地曳航也、ハノイ=大西智也】2021年1月20日の米国の政権交代を前に、安全保障や経済などの協力でトランプ政権と合意に持ち込む東南アジア各国の動きが相次ぐ。実利を重視するトランプ大統領の在任中に、駆け込みで成果を得たい東南アジア側の思惑がのぞく。人権や民主主義などの理念を優先しそうなバイデン次期米大統領のアジア政策への不安も背景にある。
8日、フィリピンのロレンザーナ国防相は、マニラ…
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・8日、フィリピンのロレンザーナ国防相は、マニラを訪れたミラー米国防長官代行との会談で、米国から2900万ドル(約30億円)相当の武器の供与を受けることで合意した。ライフルや即席爆発装置(IED)対応装備などで、フィリピンのドゥテルテ大統領の治安対策を強化する狙いだとみられる。
・フィリピンは11月にも、オブライエン米大統領補佐官(安全保障担当)が同国を訪れた際に1800万ドル相当の武器システムを譲り受けることを申し合わせた。
・ドゥテルテ氏と、バイデン氏が副大統領として支えたオバマ前米大統領の関係は冷え込んでいた。看板政策である強硬な薬物取り締まり策に対し、オバマ氏が人権問題を念頭に懸念を示したためだ。トランプ氏とは良好な関係を保つ。
・インドネシアのルフット海事・投資担当調整相は11月中旬、同国が新たに設ける政府系ファンドに米国の政府機関である国際開発金融公社(DFC)が20億ドルを出資する契約にワシントンで署名した。ルフット氏はジョコ大統領の腹心だ。
・このファンドは新型コロナウイルスで打撃を受けたインドネシア経済の回復の起爆剤として、ジョコ氏が各国に資金拠出を求めている。インドネシア側は総額150億ドル規模を目指し、米国は早々に拠出を表明した。
・署名の2日前、ルフット氏はホワイトハウスでトランプ氏と面会した。すでに米大統領選でバイデン氏が当選を確実にしていたが、一部の州では票の再集計が続いていた。ルフット氏は「公式な選挙結果がどうであれ、友情は維持される」と述べ、敗北を認めないトランプ氏への配慮を見せた。
・東南アでは損得勘定で取引ができる現在のトランプ政権下だと、安保や経済の協力が進みやすいとの見方が根強くある。
・米国は今秋にインドネシアに適用してきた関税優遇制度を延長した。南シナ海を巡り中国との対立が激化しており、沿岸国のインドネシアの協力を得る狙いもあったとみられる。ミラー国防長官代行は12月7日、ジャカルタを訪れ、インドネシア側と合同軍事演習を増やすことで一致した。
・トランプ氏は「アジア軽視」といわれてきたものの、一定の実利はもたらした。米国から東南アジア諸国連合(ASEAN)への直接投資は19年が約245億ドルで、オバマ前米政権末期の16年の約1.6倍に達した。インドネシアやベトナム、カンボジアの対米輸出は17年のトランプ政権発足後、増える傾向だ。
・ベトナムでは10月に、南部のビントゥアン省で液化天然ガス(LNG)基地の建設に米電力会社のAESが参画することが決まった。署名式にはオンライン形式でポンペオ米国務長官も参加した。ロイター通信によると、ポンペオ氏は「毎年数十億ドル相当の米国産LNGの輸入の道が開かれる」と強調した。
・ベトナムは10月に、今後3年間で5億ドルの米国産豚肉を輸入することでも米側と合意した。12月16日に米財務省から制裁措置の対象になる「為替操作国」の認定を受けたものの、関連制裁を回避するため、対ベトナムの貿易赤字に懸念を示すトランプ氏が大統領の間に、赤字削減を急ごうとした意図が透けて見える。
・オバマ前米政権は外交・安全保障政策の軸足をアジアに移す「リバランス」を打ち出した。だが、政策が行動を伴わず、任期中に中国の南シナ海の軍事拠点化を招いたとの批判もある。
・アジア外交に詳しいインドネシアの国立パジャジャラン大のトゥク・レザシャ講師は「バイデン次期米政権が同様な政策を掲げるならば、東南アジア各国は成果を不安視するだろう」と指摘する。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM24DZ70U0A221C2000000
『【ハノイ=大西智也】ベトナム統計総局は27日、2020年の国内総生産(GDP)の増加率が実質で2.91%だったと発表した。パソコンや電子部品関連など最大の輸出国である米国向け輸出が24.5%増えた。新型コロナウイルスの感染拡大で周辺主要国がマイナス成長に陥る可能性が高い中、輸出主導でプラス成長を維持した。
10~12月の成長率は前年同期比4.48%だった。ベトナムは新型コロナの封じ込めを当初から厳格に実施したため、外出制限措置の期間を4月の約3週間にとどめた。工場の稼働にも影響が少なく、周辺国からの代替生産需要も取り込んだ。米中貿易戦争による米国からの制裁関税を避けるため、グローバル企業による中国からの生産シフトも続く。20年の総輸出額は前年比6.5%増の2815億ドル(約29兆円)だった。
ベトナムの総輸出の約25%を占める韓国のサムスン電子は19年、中国でのスマホ生産を停止し、人件費が安いベトナムに生産を移管した。同社はベトナムの2カ所の工場で世界の同社スマホ生産の半分を担っている。首都のハノイ市内に数百億円規模を投じて大規模な研究所の建設も進めており、ベトナムへの集中投資を進めている。
積極的な景気刺激策もGDPの押し上げ効果があった。21年1月には次期指導部を選出する5年に1度の共産党大会が始まる予定だ。その前に景気を下支えする狙いで20年の公共投資は前年比34%増え、200億ドルに達した。
今後の懸念材料は米国との関係だ。対米輸出が急速に膨らんだ結果、ベトナムは16日に米財務省から為替操作国に認定された。対ベトナムのモノの米貿易赤字は1~10月の合計で約570億ドルとなり、国別で中国、メキシコに次いで3位になっている。米国はベトナム政府に多額の貿易黒字の是正を求めており、制裁関税を課した場合、輸出が減速する可能性もある。
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https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM2521L0V21C20A2000000
『西アフリカのナイジェリア北西部で先週末、男子寄宿学校から拉致されていた300人以上の生徒が数日ぶりに家族と再会した。今回の事件で、2014年にボルノ州チボクで起きた女子生徒276人の拉致事件の記憶がよみがえる。当時と同じく、今回もイスラム過激派ボコ・ハラムが犯行声明を出している。
ナイジェリア政府は身代金を支払っていないと主張している。だが、疑いたくなるのも当然だ。経済が後退しているナイジェリアで…
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・カージャックや拉致、強盗が数少ない成長産業に数えられている。助け出された男子生徒が自宅に向かっていた頃、同国の沖合ではウクライナ人の船員6人がナイジェリアの海賊に拉致された。
・破綻国家とは、政府が機能不全に陥った国を指す。この定義に従えば、アフリカ最大の人口を抱えるナイジェリアは破綻の瀬戸際にある。
12月18日、拉致された生徒たちが解放された知らせを受けてスピーチをするナイジェリアのブハリ大統領=ロイター
・ナイジェリアのブハリ大統領は15年、ボコ・ハラムが「実態的に壊滅した」と明言した。だが、それは幻想だった。ボコ・ハラムという脅威は常に厳然と存在している。今回の男子生徒の拉致事件がボコ・ハラムの犯行であれば、ナイジェリア北東部の拠点から勢力を拡大していることがわかる。現状では「通常の」盗賊による犯行の可能性も残るが、仮にそうだとしても犯罪や暴力事件がはびこる実情は変わらない。遊牧民と定住農民の激しい武力衝突はナイジェリアほぼ全土に広がっている。石油資源が豊富な南部デルタ地帯は貧しく、石油パイプラインを襲撃して横流しする事件が相次ぐことで知られている。
ナイジェリアでは政治エリートによる石油収入の横領やパイプラインからの石油略奪が後を絶たない=ロイター
・国庫からかすめ取られた石油収入が無為無策で慢心した政治エリートに横流しされてきたナイジェリアでは、公人の職権乱用や不正利得が国の実情を映すシンボルと言わざるを得ない。脆弱なのは治安だけではない。世界銀行が定めた国際貧困ライン(1日当たり1.9ドル)未満で暮らす貧困者の数はインドを上回り、世界最多の水準だ。新型コロナウイルスの感染が拡大する以前は、世界で学校に通えない児童の5人に1人はナイジェリア人で、その多くが女子だった。
・すでに2億人を超えた人口は毎年3.2%ものペースで増えている。経済は15年から停滞し、実質的な生活水準は低下している。コロナ禍で原油安が加速した結果、20年は経済が4%縮小すると予測されている。いずれにせよ世界が脱炭素化を進めるなか、ナイジェリアの政治エリートが奪い合う石油収入も先細りが避けられない。ナイジェリアに今必要なのは、外国からの借款の力を借りつつ、国家財政を建て直すことだ。
特殊警察の暴力に抗議するナイジェリアの人々。運動は#EndSARSのハッシュタグで世界に広がった=ロイター
・ブハリ政権は残る3年の任期のうちに財政規律に一定のめどをつける必要がある。治安改善の取り組みを強化すると同時に、司法、治安当局、23年の大統領選挙を管理する選挙委員会などの主要機関への信頼回復を図らなければならない。
・世代交代の重要性も強調したい。今年、幅広い層が連帯して警察暴力に抗議の声を上げる「#EndSARS(対強盗特殊部隊を解体せよ)」運動が起きた。それを見れば、将来への希望の光が見いだせる。ナイジェリアには少なくとも、比較的安定した民主主義が根付いている。独創的で起業家精神にあふれ、政治腐敗に染まっていない若者がナイジェリアの民主主義制度を生かし、国家のあり方を刷新すべきだ。
・理想的には財政が破綻した地方政府の統廃合を進めて無駄を排した新しい国家体制を構築し、そのうえで治安、保健、教育、電力・道路整備という基本的課題に取り組まねばならない。そうした公共財が整えば、ナイジェリアの若者たちは十分に国家を再建できる。人口は現在のペースでいくと、50年までに4億人に倍増する。無策を続ければその時を待たずして、世界が無視できない問題になるだろう。
(2020年12月22日付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/)
(c) The Financial Times Limited 2020. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.
英フィナンシャル・タイムズ(FT)と日経新聞の記者が、アジアのテクノロジー業界の「いま」を読み解くニュースレター「#techAsia」の日本語版をお届けします。配信は原則、毎週金曜。登録はこちら。
https://regist.nikkei.com/ds/setup/briefing.do?me=B009&n_cid=BREFT053
【関連記事】
ナイジェリア経済 40年前に逆戻りの危機(FT) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM141MQ014122020000000
ナイジェリア特殊警察の暴力に抗議活動広がる(FT) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6526704021102020000000
西アフリカで海賊増加 狙いは貨物から船員の拉致に(FT) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6684633001122020000000
新興国や途上国の財政 コロナ禍でますます窮地に(FT) https://www.nikkei.com/article/DGXMZO6176199021072020000000
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS08AQT0Y0A201C2000000
『先進国が輸出した中古車が、新興国で環境問題を引き起こしている。国連環境計画(UNEP)によると、日本は欧州連合(EU)に次ぐ中古車輸出大国だ。新車に比べて割安な中古車は庶民の足となる一方、温暖化ガス排出を増やす要因ともなりかねない。先進国から流れ出た中古車が新興国で生むひずみに、UNEPは警鐘を鳴らしている。
「対象146カ国中、3分の2では中古車の輸入について『弱い』、もしくは『非常に弱い』規制…
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先進国が輸出した中古車が、新興国で環境問題を引き起こしている。国連環境計画(UNEP)によると、日本は欧州連合(EU)に次ぐ中古車輸出大国だ。新車に比べて割安な中古車は庶民の足となる一方、温暖化ガス排出を増やす要因ともなりかねない。先進国から流れ出た中古車が新興国で生むひずみに、UNEPは警鐘を鳴らしている。
・UNEPは10月、中古車の国際的な流れについて分析した調査でこう危機感を示した。
・同調査によると、中古車の三大輸出拠点はEU(54%)、日本(27%)、米国(18%)だ。これらの地域から流れた中古車はアフリカ(40%)や東欧(24%)、アジア太平洋(15%)などの新興国へと向かう。
・自動車は気候変動の原因となる温暖化ガスの主要排出源の1つだ。温暖化ガスをめぐっては削減を急ぐ先進国と経済成長を優先したい新興国との対立が問題になってきた。
・米シンクタンク、世界資源研究所(WRI)が運営する「クライメート・ウオッチ」によると、経済協力開発機構(OECD)に加盟する先進国の温暖化ガス排出量は2000年代半ばの約15ギガ(ギガは10億)トンをピークに徐々に減少し、最新の16年には13.96ギガトンまで減った。欧州委員会は1月、50年に温暖化ガスの排出を実質ゼロとするための120兆円の投資計画を発表。日本も30年代半ばに国内でガソリンエンジンのみで動く車の新車販売をなくす目標を掲げる見通しだ。
・一方、経済発展や人口増が続く新興国では排出が膨らむ。G77(発展途上国77カ国)では、16年の排出量が90年の約2倍の30ギガトンに増加した。
・UNEPは先進国から流れ込む中古車の多くが「基本的な環境対策の要件に欠け、大気汚染や温暖化ガスの増加の原因となっている」と指摘する。たとえば主要な輸出国の1つであるオランダからアフリカに輸出された中古車では、8割以上が排ガス規制「ユーロ4」を下回る基準にしか対応していなかったとの調査もある。
・中古車輸出大国である日本の主な輸出先はアジアやアフリカだ。日本中古車輸出業協同組合(東京・品川)によると、19年に日本から海外に輸出した約130万台の中古車のうち、39%がアジア、25%がアフリカ向けだった。
・足元では「ガリバー」を展開する中古車販売最大手IDOMなどがアフリカ市場開拓を急ぐ。1月に始動した気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」では、先進国だけでなく、新興国にも温暖化ガスの排出削減を求める。中古車は新車に比べて割安で庶民の足となりやすい一方、環境負荷が大きいことも多く、適切な対策を講じなければ国際社会の批判を招きかねない。
・規制を強める新興国も増えてきた。ケニアでは輸入する中古車に「年齢制限」を設けている。最大8年落ちまでとし、環境対策が不十分な古い車の流入を防ぐ狙いだ。UNEPによれば、15年落ちまでとしているウガンダなどに比べ、ケニアの二酸化炭素排出量は25%以上低いという。
・インド洋の島国モーリシャスは3年落ちまでと、より厳しい規制を設けている。さらに二酸化炭素排出量に応じた課税の枠組みを設けるなどして、気候対策に積極的に取り組む姿勢を打ち出す。
・UNEPは「2050年までに乗用車の数は少なくとも現在の2倍になる」と予想する。大半は新興国の需要拡大によるものだ。車が急増する未来が近づく中、気候変動を抑えるためには世界で調和のとれた対策をとる必要がある。輸出側である先進国にも責任を分かち合う姿勢が求められそうだ。
(バンコク=岸本まりみ)
英・トルコがFTA締結 月内にも批准手続き
英報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM280JE0Y0A221C2000000
『英国とトルコが月内にも自由貿易協定(FTA)に署名し、両国の議会で批准手続きをとることがわかった。英国が欧州連合(EU)と新たなFTAなど将来関係を巡る交渉で合意してから初めてのFTAとなる。
英紙フィナンシャル・タイムズが伝えた。両国はビデオ会議を通じて29日にも署名する見通し。31日までに双方の議会で批准手続きをとり、協定を発効させる。英国のトラス国際貿易相は27日、自身のツイッターに「我々は…
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・186億ポンド(約2兆6120億円)の貿易を担うトルコと継続的な貿易協定に署名するだろう」と投稿した。新たな協定について「製造業、自動車産業、鉄鋼業における英全土の何千もの雇用を支える」とも述べた。トルコのペキジャン貿易相も27日、両国の協定案について「署名の準備ができている」とした。
・英国はトルコにとって、ドイツに次いで2番目に大きな輸出相手国だ。ただ、トルコはEUと関税同盟を結んでいるため、英国とEUが通商協定で合意するまで、英国と個別にFTAを締結することができなかった。トルコは英国に白物家電、自動車、繊維製品を主に輸出している。英・EUの交渉が決裂すれば、輸出する際に高い関税や煩雑な手続きが生じる恐れがあった。
・英国とEUは24日、新たなFTAなど将来関係を巡る交渉で合意に至り、交渉決裂を回避した。英EU離脱の移行期間である年内中に双方の議会で承認や暫定適用の手続きが済めば、関税ゼロの貿易が維持され、年明けからの経済活動の混乱は回避される。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR272JS0X21C20A2000000
『【フランクフルト=深尾幸生】欧州連合(EU)と英国が合意した自由貿易協定(FTA)で、域外から輸入する原材料の比率が大きい製品は無関税の対象から外れる「原産地規則」に関して、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)は6年間、要件を緩和されることが26日公表の協定文でわかった。英国に工場を構える日産自動車やトヨタ自動車にとっては生産の自由度が高まる。
今回のFTAの原産地規則では、英EU間の貿易でも、完成車に使うEUまたは英国製の部品以外の比率が45%を超えた場合は無関税にせず、乗用車で最大10%の関税がかかる。EVやHV、プラグインハイブリッド車(PHV)はこの制限を2026年末まで緩める。これらの車は電池やモーターなどの基幹部品を日本や中国・韓国などから輸入していることが多いためだ。
23年末までは60%まで域外部品を使用しても無関税となり、24年~26年末は55%までを無関税とする。27年以降は45%になるが、FTA発効から4年以降に締約国の要請があれば見直すこともできるとしている。
EVなど向けの電池セルやモジュールについても23年末までは最大70%、24年~26年末までは50%までは無関税とする。欧州で23年前後に電池生産が一斉に立ち上がるのを見越した措置といえそうだ。
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中国「利益侵害」で軍動員も 国防法改正、米制裁意識か
中国・台湾
2020年12月26日 21:54
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM263M20W0A221C2000000
『【北京=羽田野主】中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は26日、改正国防法に署名した。中国の国益が脅かされたと判断した場合などに軍民を総動員して対抗できる態勢をとる狙いがある。米国の経済制裁なども意識し、強軍路線を進める方針とみられる。
中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)常務委員会が26日に同法を可決した。11年ぶりの改正で、2021年1月1日に施行する。21年1月に発足するバイデン次期米政権を意識した可能性がある。
人民解放軍が守る対象として国家主権や領土などと並び「発展利益」を明記した。「発展利益が脅威にさらされた場合に全国または一部の動員を進める」と盛り込んだ。
発展利益の具体的な定義は書かれていない。習氏は10月の演説で、朝鮮戦争で中国が北朝鮮を支援して米国と戦った歴史を振り返り「われわれは決して国家主権、安全保障、発展利益が損なわれるのを座視することはない」と述べた。
経済制裁も発展利益の侵害ととられかねないとの懸念が出ている。東大の松田康博教授は「発展利益の定義があいまいで、拡大解釈につながる危険性がある。軍が暴走するきっかけにもなりかねない」と指摘する。
トランプ米政権は中国に制裁関税を課し、中国最大の通信会社、華為技術(ファーウェイ)の排除などを進めてきた。中国専門家はバイデン次期米政権による強硬策をけん制したとみる。
国防法は中国の安全保障の基本法。共産党が軍を指導すると明記する。
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WEB特集 “香港が香港でなくなる” 「国家安全法制」の衝撃 | NHKニュース
2020年6月5日 20時36分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200605/k10012458111000.html?utm_int=detail_contents_news-link_001
【解説】香港の国家安全維持法 知っておくべき五つのポイント
2020年7月1日 15:51 発信地:北京/中国 [ 中国 中国・台湾 ]
https://www.afpbb.com/articles/-/3291264
『【7月1日AFP】中国が先月30日に施行した国家安全維持法は、香港に対する先例のない司法権を中国政府に与えるものとなっており、事案への管轄権の行使や陪審抜きの非公開裁判、治安機関の設置などを盛り込んでいる。
国家安全維持法は香港のミニ憲法で保障されている法制度の独立をめぐり重大な疑問をもたらすものであり、人口750万人の香港の市民生活に広範囲にわたる影響を及ぼすことになる。
同法について、知っておくべき5点をまとめた。
■最高刑は終身刑
同法では犯罪として、国家の分裂、政権の転覆、テロ活動、国家の安全を危険にさらすための外国勢力との結託の4種類を規定している。4種類すべてにおいて、最高で終身刑が科される。
外国勢力との結託に関わる犯罪行為には、香港あるいは中国政府に対する香港市民の憎悪の扇動、選挙の操作または妨害、香港または中国に対する制裁措置などがある。
また、公共交通機関および特定の公共施設の破壊はテロに分類される。
国家の分裂を目的とした活動の企てや、そういった活動への参加は、暴力の使用、不使用にかかわらず犯罪行為となる。
有罪判決を受けた者は、香港のいかなる選挙への立候補も禁じられる。
■「非常に重大」な犯罪に対する中国の管轄権
同法の可決に先立ち、香港の独立した司法制度が崩壊するのではないかとの恐れが広がった。
同法によれば、外国が介入する複雑な事件、「非常に重大」な事件、国の安全が「重大かつ現実的な脅威」に直面する事件に対して、中国は逮捕から裁判に至るまで全面的な訴追手続きを引き受けることができる。
同法は「治安機関および香港の両者は、中国本土に事件の引き継ぎを要請できる」としている。
中国の不透明な司法制度では、刑事事件の有罪率は通常は99%を超えている。
■陪審なしの非公開裁判
同法は、国家安全に関わる特定の事件は香港で陪審なしの非公開裁判ができるとしており、それは国家機密が含まれている場合だ。裁定と最終判決は公表される。
香港の林鄭月娥(キャリー・ラム、Carrie Lam)行政長官は国家安全に関わる事件で裁判官を自ら指名できるが、その任期は1年に限られる。
また「裁判官が、被告が国家安全を危険にさらす行為を継続しないと認められる十分な理由を持たない限り」、被告には保釈が認められない。
■新たな治安機関
同法はまた、中国が香港内に新たな治安機関「国家安全維持公署」を設置する権利を付与しており、その職員は任務の遂行に当たって香港の法律に縛られない。
同法は「香港政府は、国家安全維持公署およびその職員が、本法律に規定する職務を果たす際には、両者に対して管轄権を有しない」と記している。
■外国のNGOおよび報道機関に対する監視
同法によると、政府機関は香港における「外国および外部NGO、報道機関の(中略)管理を強化するために必要な措置」を取るとしている。
香港のミニ憲法は、言論の自由および報道の自由を保障している。これと違って中国では、メディアとあらゆる形の公の発言が政府によって厳しく監視されている。
さらに同法は香港の非永住者にも、同法下の罪を香港の地以外で犯した者にも適用される。
国家安全維持法に違反した企業は罰金を科され、営業活動が停止される可能性がある。(c)AFP』