『【モスクワ時事】ロシア大統領府は19日、プーチン大統領が22日に、米国がオンラインで主催する気候変動サミット(首脳会議)に出席すると発表した。
バイデン米大統領はプーチン氏を招待。しかし、米国は15日に対ロシア制裁を発動し、ロシアも16日に報復措置を取っていたことから、米ロ対立の中でプーチン氏が出席するかに関心が集まっていた。
ロシア大統領府はプーチン氏が「地球規模の気候変動の悪影響を克服するため、幅広い国際協力の確立に向けたロシアの取り組みを述べる」と説明した。』
カテゴリー: 世界情勢
-
-
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR16C1M0W1A410C2000000/





『【イスタンブール=木寺もも子】トルコは今夏にもボスポラス海峡を迂回する全長40キロ超の運河の建設を始める。地中海と黒海を結ぶ同海峡は条約で黒海沿岸国以外の軍艦通航を大幅に制限しているが、運河ができれば条約が無効になるなどと懸念する声が上がっている。黒海を巡る米ロの微妙な軍事バランスに影響を与える可能性もある。
「国内外の投資家が参加するだろう」。トルコのエルドアン大統領は16日、6月から「イスタンブール運河」の建設に取りかかると明らかにした。運河はアジアと欧州を分けるボスポラス海峡から欧州側に十数キロ離れた場所に開通させる。
全長45キロほどの運河は総工費750億リラ(約1兆円)とされる。エルドアン氏は支持基盤に大手建設会社を抱え、空港など大型インフラ建設で経済成長を実現してきた。新型コロナウイルス禍で広義の失業率が3割近くに上る中、景気浮揚の起爆剤にする狙いがある。
3月に建設計画を政府承認して以降、運河は国内外で議論を呼んでいる。既存のボスポラス、ダーダネルス両海峡の扱いを定めた1936年のモントルー条約に影響する可能性があるためだ。黒海の非武装化を目指したこの条約は、両海峡へのトルコの主権を幅広に認める。黒海沿岸国以外の軍艦往来をより厳しく制限し、通航の際はトルコへの事前通告などを義務付けている。
米国が今月、ウクライナ支援のため、黒海に軍艦2隻を派遣しようとした際もトルコに通告していた。運河という「バイパス」ができればモントルー条約の前提条件が崩れるとの指摘がある。元外交官、退役軍人らは相次いで運河がトルコの安全保障を脅かすとする公開書簡を発表し、一部は当局に拘束された。
神経をとがらせるのはロシアだ。モントルー条約がなければ米欧の艦船が玄関口の黒海に自由に進入してくる恐れがある。プーチン大統領は9日、エルドアン氏に電話して「モントルー条約の維持は重要だ」と伝えた。一方、元米国務副次官補のマシュー・ブライザ氏は「モントルー条約体制の見直しは北大西洋条約機構(NATO)にとって大きな好機だ」と指摘する。
トルコは運河ができてもモントルー条約に影響はないとの立場を示しているが、トルコによる脱退論はくすぶる。条約は民間船舶が両海峡を自由に航行できることを保証しており、現状では船会社側がほぼ無料のボスポラスを迂回して運河を選ぶメリットが薄いためだ。
エルドアン氏は「将来必要が生じればどんな(国際)合意もためらわず見直す」と含みを持たせる発言をしている。条約の破棄や変更はトルコにとって不利とみられるが、揺さぶりによって米欧とロシアの間で外交的利益を得ようとする思惑が透ける。
運河建設には、環境や経済的な持続性を問題視する声も強い。政府はボスポラスの混雑を緩和し、安全性を高められると説明。年間10億ドル(約1100億円)の通航料収入が得られるとも試算する。ただ、「トルコストリーム」「ノルドストリーム」などのパイプラインが完成したことでタンカーの輸送需要が減っている。
野党によると、過去15年で海峡を通る船舶は4分の3に減った。シンクタンクEDAMのシナン・ユルゲン会長は「運河の収益性は未知数で、着工したとしても完成するとは限らない」と指摘する。』
-

『【モスクワ時事】ロシア国防省は19日、ロシア軍の戦闘機がシリア中部パルミラの北東にある武装勢力の拠点を空爆し、最大200人の戦闘員を殺害したと発表した。ロシアは2015年にシリア内戦に軍事介入し、アサド政権の後ろ盾となっている。
国防省関係者は、5月26日のシリア大統領選を前に「非合法な武装勢力が国内情勢を不安定にするため、主要都市でのテロ攻撃を計画している」と主張。武装勢力の拠点に関する情報を確認後に空爆を行い「二つの隠れ家、最大200人の戦闘員、機銃搭載の小型トラック24台、弾薬約500キロを破壊した」と述べた。武装勢力はテロのための爆発物を製造していたと指摘した。』 -

『【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は19日、ロシアがウクライナの国境地帯や併合した南部クリミア半島に集結させている兵力数について、「15万人以上」だと説明したボレル外交安全保障上級代表(外相)の同日の記者会見での発言を「10万人以上」に訂正した。会見後に公表した発言録で、理由を示さないまま該当部分の数字を置き換えた。
ボレル氏は会見で「ロシア軍によるウクライナ国境での過去最大の派兵だ」と指摘。強い懸念を表明したが、数字の出所に関しては説明を拒んでいた。』 -
「韓国引き込みクアッド拡大を」 兼原・元官房副長官補
日米共同声明を聞く(1)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE193Z80Z10C21A4000000/『日米首脳の声明で台湾に触れたのは1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領以来となった。中国は当時、ソ連と国境で軍事衝突し、台湾に軍事力を割く余裕はなかった。日米は中国と国交正常化を果たし、中国を脅威と思わなくなった。
台湾有事は2030年ごろが一番危ない。国家は国力の衰退がはじまると軍縮交渉に応えるようになる。ソ連がそうだった。成長途上の中国の国力がピークアウトするのは20年も先であり、それまでは…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り966文字
春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!ログインする
https://www.nikkei.com/login 』成長途上の中国の国力がピークアウトするのは20年も先であり、それまでは軍拡がやまない。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は伝統的なリーダーでない。胡錦濤(フー・ジンタオ)氏や温家宝氏のような文人タイプでなく、若い頃に文化大革命を経験した紅衛兵世代にあたる。共産主義が懐かしいのだろう。
中国はいまだに国民国家を完成させていない。共産主義は心の芯となる国民的アイデンティティーを確立できない。チベットやウイグルにこだわるのも、国がバラバラになるのを恐れるからだ。
習氏は香港への強引な介入を辞さなかった。武力による台湾の併合は絵空事でない。安全保障面で米国の支援を受ける台湾に手を出し始めているのだから相当な事態である。
中国は米国と四つに組む自信を付けつつある。米国が台湾周辺で頼れるのは日本しかない。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は米中双方にいい顔をしている。タイやフィリピンは軍事力が小さい。オーストラリアは頼もしいが遠すぎる。
今回の日米首脳会談は強大になりすぎた中国に対抗する最大のパートナーが日本であると証明した。菅義偉首相とバイデン大統領の関係は順調な滑り出しとなったが、10年、20年先を見据えればまだ1合目にすぎない。
外交の基本的な役割は力関係の維持で、味方を増やして敵を減らすのが鉄則だ。日米にオーストラリアとインドを加えた4カ国(クアッド)の枠組みだけでは足りない。
韓国は文氏の世代に北朝鮮への共感があり、世代交代が進まないと難しい。とはいえ民主主義国であり、60万の兵力を持つ軍事大国である。日本として「クアッド・プラスアルファ」に韓国を引き込まねばならない。
現在の米中対立は米ソ冷戦の類比で理解できない。むしろ第1次世界大戦前の英国とドイツの関係に似ている。英国は工業化の遅れたドイツに多大な投資をしていた。相互依存が進み「戦争は起きない」と言われていたが起きてしまった。
半導体の技術規制は始まったものの、中国に進出する日米欧の民間企業が撤退することはない。成長する中国市場はなかなか捨てがたい。それでも戦争はマーケットと異なる論理で始まる。
日本は中国を抑止するため防衛予算の拡大が必要だ。財政は厳しいが本当に国が危なくなったら出さないといけない。科学技術の進歩が国家安全保障に全く生かされていないのが日本の難点だ。改革が欠かせない。
◇
日米首脳の共同声明について専門家に聞く。
-
日本、有事へ米と危機感共有 自立した防衛力急務
新時代の日米㊥
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA16DKD0W1A410C2000000/

『台湾問題などに言及した日米首脳の共同声明を受け、中国外務省の副報道局長は19日の記者会見で「必要な措置をとり国家主権を断固守る」と強調した。示唆した対抗措置がどんなものになるかは見通せない。
沖縄県・尖閣諸島の周辺海域では日本領海の外側の接続水域を19日も中国海警局の船4隻が航行した。機関砲のようなものを搭載した船もあるという。尖閣周辺で中国公船を確認するのは連続65日を超える。
台湾海峡の南西空…
この記事は会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。
残り1180文字
春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!ログインする
https://www.nikkei.com/login 』台湾海峡の南西空域でも、中国の戦闘機や爆撃機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入するのが常態となっている。12日には最多の25機が飛来した。
南シナ海では4月上旬、米中の空母が同時期に展開する事態が起こった。米海軍の空母「セオドア・ルーズベルト」が南から、中国海軍の空母「遼寧」が北からそれぞれ海域に入った。
米国はこうした東アジアの軍事バランスの変化を踏まえ、世界に散らばる米軍の配置を最適化するための検証を始める。バイデン米大統領が日米首脳会談に先立ち、アフガニスタンの駐留米軍の9月までの撤収を表明したのもその一環だ。
中国をにらみ、インド太平洋地域に兵力や予算をシフトしていく。沖縄からフィリピンを結ぶ第1列島線に沿って中距離ミサイル網を築く案も浮上する。
「インド太平洋地域の軍事バランスは米国と同盟国に一層不利になる」。米インド太平洋軍のデービッドソン司令官は制海権を保つには戦力の向上が必須だと訴える。米軍は戦闘機や艦艇、ミサイルの数で米中の差がさらに開くと予測。同盟国に応分の役割を求める機会も増えるとみられる。
米ソ冷戦の最前線が欧州なら、日本を含む東アジアは米中対立のフロントライン。日本の防衛力は同盟国の対中抑止力を左右する。
日本の安全保障体制は自立した防衛力と日米同盟の2本柱だ。日米安保条約第5条は米国による日本防衛の義務を定めるものの、敵からの攻撃の第1波に米軍が間に合う可能性は極めて低い。その間は自衛隊だけで守るのが大前提となるが、持ちこたえられるのか。
尖閣諸島に中国軍が上陸して侵攻しようとした場合、それを阻止する陸上自衛隊の水陸機動団の拠点は長崎県内にある。尖閣諸島までおよそ1000キロで、新型輸送機オスプレイでも2時間かかる。中国の侵攻の意図が分かって部隊を派遣しても手遅れとなる。
現状では日本が相手国のミサイル発射の兆候をつかんでも、それを阻止するために敵のミサイル発射拠点を攻撃できない。政府が「敵基地攻撃能力」の保有を否定しており、ここも米軍に頼らざるを得ない。
仮に中国が台湾を武力で統一しようとすれば、台湾に攻め込む中国軍を止めるのも米軍だ。集団的自衛権を行使して米軍への攻撃に自衛隊が反撃できるようにするには「存立危機事態」に認定する必要がある。台湾有事がそれに当たるかはときの政権の判断となる。
「台湾海峡、また尖閣周辺でも厳しい状況が続いている」。菅義偉首相は日米首脳会談後、記者団に台湾問題と、台湾から170キロと近い尖閣諸島を巡る危機感を並列で語った。
会談から8時間後の17日昼。岸信夫防衛相は日本最西端の沖縄県与那国島を視察した。あいにくの曇天だったが、晴れていれば110キロ先の台湾が見える。台湾有事は対岸の火事で済まない。首脳会談で共有した危機感を防衛力の向上につなげることが急務となる。
(安全保障エディター 甲原潤之介)
【関連記事】
米の対中圧力、重層的に 孤立主義から同盟を前面
日米共同声明、台湾明記ぶれず 「平和」強調で対中配慮多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。峯岸博のアバター
峯岸博
日本経済新聞社 編集委員・論説委員
コメントメニュー分析・考察 尖閣と台湾の有事を想定した備えを急ぐべきなのは記事の通りです。日本は世界5位と同9位といわれる防衛力と防衛費を持つ一方、憲法や財政などの制約があります。有事やグレーゾーン事態にできることとできないことを早急に整理し、米軍と連携した効率的な防衛態勢づくりが必要です。
台湾海峡が有事になればサプライチェーンなど日本経済への影響は米国とは比べものになりません。米国一本足打法ではなく、アジアに関心を強める欧州やASEANにも協調国の裾野を広げるのは中国へのけん制になります。対中外交をはじめ有事を起こさせないための交渉力が「防衛力」強化なのは言うまでもありません。
2021年4月20日 8:12いいね
0鈴木一人のアバター
鈴木一人
東京大学 公共政策大学院 教授
コメントメニュー分析・考察 台湾有事が他人ごとではないのは、台湾も尖閣諸島も中国が自らの主権を主張しているという点で共通しているから。中国がアメリカの抑止力を認めず、自らの軍事的優位を過信して武力を用いて台湾侵略を行うということは、すなわち尖閣諸島が日米安保条約第五条が適用されたとしても、中国がアメリカの抑止力を認めない以上、台湾と同じことが起きうるということ。そのためにも、台湾有事は起こしてはならないし、もっといえば中国がアメリカの抑止力を認めないという状況を作ってはならない。
2021年4月20日 7:50いいね
-
https://news.yahoo.co.jp/articles/f09f98776082d87cc9e72e80c0fd3c8d6b1e75f0?page=1



『日米首脳は、ホワイトハウスの一室で、ハンバーガーを前に、マスクを着用したまま見つめ合っていた。
バイデン大統領が、初めての対面形式の会談相手として、菅首相を招いて行った日米首脳会談。共同声明では約半世紀ぶりに「台湾」を明記し、中国を強くけん制した。
「雰囲気はすごく良かった」と出席者が口を揃え、首相自身も「私と似ている」と“ベテラン政治家”同士の相性に手応えを語る一方、ある政府関係者からは「米中の事実上の軍拡競争に日本は巻き込まれている」との声も上がる。
いったい何が起きているのか。舞台裏を探った。(ワシントン支局長・矢岡亮一郎)
■食べない“ハンバーガー会談”
「いろいろ人生経験とかの話をして、ハンバーグ(注:ハンバーガー)も全く手をつけないで終わってしまった。それくらい熱中した」
会談終了後、菅首相は少し頬を緩めながら、バイデン大統領との「テタテ」と呼ばれる1対1の会談を振り返った。時間にしてわずか20分間。「たたき上げの政治家という共通点がある」と親近感を寄せるバイデン大統領とは、部屋に飾られた家族の写真を見ながら、孫などの話題で打ち解けたという。
「私と似ているような感じを受けたが、本人もそう思っているようで…」
とバイデン氏との信頼関係の構築に手応えを語った。しかし、この「食事に手をつけないランチ会」に至るまでには、紆余曲折があった。
■ホワイトハウス「幻の夕食会」
日本代表団ホテルに「坂井副長官のお土産」段ボール…「1ドルチョコ」も
「こんなにバタバタの首脳会談は初めてだ」
首相の訪米を翌々日に控えて、ある日本政府関係者はうめいた。ホワイトハウス側との調整が滞り、スケジュールは直前まで定まらなかった。今回、日本政府がこだわったのが、バイデン大統領、ハリス副大統領との食事会。特にバイデン大統領との「夕食会」開催に向けては最後まで粘り強く交渉を続けたというが、結局実現することはなかった。
バイデン大統領自身、コロナ禍での対面の会談にはかなり慎重だとされる。会談中は「常時マスク着用」、しかも高性能のN95マスクの着用が義務づけられた。
この徹底ぶりはハンバーガーを前にしてなお、マスクを外さない一枚の写真によく表れている。
次ページは:■台湾明記も…バイデン政権内に「落胆」』
『■台湾明記も…バイデン政権内に「落胆」
首脳会談では「N95マスクを常時着用」
首脳会談は、1対1のテタテ、少人数会合、拡大会合と3段階で計2時間半に及んだ。
今回の会談の最大の焦点は、共同声明に「台湾」の問題を明記するかどうかだった。そもそも日米首脳の共同文書に「台湾」が明記されれば、1969年の佐藤栄作首相とニクソン大統領以来、半世紀ぶりとなる。「台湾」の文言を盛り込みたいアメリカ側と、慎重な日本側との間で、事前調整はかなり難航したという。この対立構図を英紙フィナンシャル・タイムズが報じ、日本側が米側のリークを疑う場面もあった。
結局、共同声明には「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」と明記された。日本政府の要請で後半に加えられたという「両岸問題の平和的解決を促す」という文言は、台湾問題に触れる場合の日本政府の定型見解で、外務省幹部は「この表現を後ろに付けることで、これまでの日本政府の姿勢と変わっていないというメッセージになる」と解説した。
一方で、あるアメリカ政府関係者は、「日本には共同声明でもっと強い表現に賛同して欲しかった」「落胆している」と不満を口にしている。
■日本「台湾明記」もなお米政府内に不満
「台湾の明記」を「内政干渉だ」とする中国は、共同声明に対し「強烈な不満と断固反対を表明する」と猛反発した。一方、アメリカ政府内には「台湾」を明記してなお、日本への不満が燻る。「日本は台湾有事への危機感が低い」との見方や、別のアメリカ政府関係者からは「日本は経済分野で中国と良い関係を保っていて、少しずるい」との声まで聞かれる。
アメリカが中国と貿易戦争をやって、経済面でも身を切る覚悟で向き合う中で、日本が尖閣など安全保障面で守ってもらおうというのは「不平等」との不満もあるようだ。
■菅首相「一番乗り」のワケ
菅首相訪米も「対中国のメッセージ」に
今回の菅首相の「一番乗り」は、日本重視と言えるのだろうか。ある日米外交筋はこう話す。
「バイデン大統領が菅首相を最初の会談相手に選んだのは、『日本』だからではない。対中国の最大の同盟国だからだ」菅首相の訪米は、あくまでアメリカの対中国戦略の一環、一つのパーツとの位置づけだ。現にバイデン大統領は、同じタイミングで気候変動問題担当のケリー特使を中国に、台湾にも非公式の代表団を派遣して、台湾トップ蔡英文総統と会談させた。日米首脳会談に同席したブリンケン国務長官とオースティン国防長官は直前まで、欧州を歴訪していた。
バイデン政権は「同盟」を重視しながら、複合的かつ戦略的な外交を展開している。その中の一番重要なパーツとして、日本のトップを米国に招き、首脳会談を通じて「強固な同盟」、台湾などをめぐる厳しい姿勢を中国に見せつけた。
ある日本政府関係者は「ホワイトハウスは今回、バイデン大統領と菅首相が2人で並んでの会見にこだわった。発信したかったのだろう」と打ち明ける。
■日米今後は?「総論はいいが、各論に入ると…」
「ジョー」「ヨシ」が描く対中国戦略は
ある日本政府関係者は「日米は総論はいいが、各論に入ると立場の違いが露呈してくる」と交渉の難しさを語っている。今回の台湾をめぐる文言の調整は「各論の立場の違い」の一つのケースになった。
別の日本政府関係者は「日本はすでに米中の事実上の軍拡競争に巻き込まれている」と語った。今後も中国をめぐる情勢が厳しさを増す中で、アメリカに立場の違いでどう理解を得ていくのか。日本外交の力が試される。』
-
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM165Y90W1A410C2000000/

『【ソウル=恩地洋介】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、次期首相に金富謙(キム・ブギョム)元行政安全相を指名した。金氏は革新系与党「共に民主党」の非主流派で、国会議員を4期務めたベテラン。国会の同意を得て就任する。首相を退いた丁世均(チョン・セギュン)氏は次期大統領選への出馬を探っている。
金氏は文政権で最初の行政安全相に起用された。与党内で次期大統領候補の1人と目されていたが、20年4月の総選挙で落選。同年8月の党代表選に非議員のまま立候補し、李洛淵(イ・ナギョン)前代表に敗れた。
大統領府は首相のほか、韓国土地住宅公社の職員らが関わった不動産投機疑惑を巡り辞意を示していた卞彰欽(ピョン・チャンフム)国土交通相ら5閣僚を交代させる人事も発表した。』
-
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM094UN0Z00C21A4000000/



『東南アジアのミャンマーで国軍によるクーデター発生からもうすぐ3カ月となります。国軍は反発する国民に容赦なく銃口を向ける一方、自制を求める周辺各国の思惑が入り乱れ、混乱に拍車がかかっています。日本企業の主戦場であるアジアの政治情勢への理解はビジネスに欠かせません。ゆっくりながらも着実に民主化の道を歩んでいたと思われていたミャンマーで何が起きているのか。やさしく解説します。
Q:ミャンマーってどんな国?
インドシナ半島西部に位置します。面積は日本の約1.8倍にあたる68万平方キロメートルほどで、推計約5600万人の人口を抱えています。「建国の父」として今も国民の尊敬を集める故アウン・サン将軍(1947年に暗殺)の指導のもと、48年に英国の植民地から独立しました。当初は民主制を採用しましたが、62年に国軍がクーデターで政権を掌握し、89年には国名をビルマからミャンマーに変更しました。
ミン・アウン・フライン総司令官率いるミャンマー国軍はクーデターに抗議する民衆に銃口を向ける(3月27日、ネピドー)=ロイター
軍事政権下で経済成長が遅れ、民主化後は「アジア最後のフロンティア」として外国の投資を集めています。繊維産業などが育っていますが、日用品やガソリンなど多くの物資を輸入に依存しています。仏教徒が9割近くを占める一方、多民族国家でイスラム教徒の少数民族ロヒンギャへの迫害が国際問題になっています。
Q:なぜまたクーデターが起こったの?
民主化の流れが強まり国軍が影響力の低下に危機感を持ったからとみられています。軍事政権は民主化を求める国内外の声に押され、2010年に20年ぶりの総選挙を実施しました。当初、民主化運動の指導者、アウン・サン・スー・チー氏が率いる国民民主連盟(NLD)は国軍が主導した選挙をボイコットしましたが、15年総選挙に参加して圧勝、政権を獲得しました。20年11月の総選挙で、NLDはさらに議席を伸ばし、国軍系政党の不人気を浮き彫りにしました。焦った国軍は「選挙の不正」を理由にクーデターに打って出ました。
Q:アウン・サン・スー・チーさんはどんな人?
アウン・サン将軍の娘で、当初は英国で研究生活を送り、英国人男性と結婚して家庭を築くなど政治の表舞台からは離れて暮らしていました。軍事政権下、1988年に学生を中心に民主化運動に火がつくと、帰国していたスー・チー氏が先頭に立ち、NLDを結成しました。90年の総選挙でNLDは圧勝しましたが、軍は政権移譲を拒否し、民主化運動を弾圧し続けました。
スー・チー氏は89年から計3度、15年間自宅軟禁されました。その間、91年にノーベル平和賞を受賞しました。2015年の総選挙後、NLDは政権を握り、軟禁を解かれていたスー・チー氏は外相兼国家顧問として事実上、国のトップに就きました。軍事政権が08年に制定した憲法の規定で、英国籍の息子がいるスー・チー氏は大統領になれません。
抗議デモに参加する民衆と治安当局の衝突で煙が上がるミャンマー北部のタゼ。国軍のデモ弾圧でこれまでに全土で700人以上が死亡した(4月7日、タゼ)=ロイター
Q:日本を含む国際社会とのかかわりは?
映画「ビルマの竪琴」が描いたように、旧日本軍は第2次世界大戦中、当時のビルマを占領していた時期があります。戦後、日本は政府開発援助(ODA)を通じて積極的に国家建設を支援し関係を強めました。スー・チー氏も1980年代に京都大で研究経験があります。
97年、ミャンマーは東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟を果たしました。近年では中国が広域経済圏構想「一帯一路」の一環のインフラ支援などを通じて急速に影響力を強めています。中国とインド洋をつなぐ安全保障上の要衝だからです。Q:弾圧は止められないの?これからの展望は?
国軍はクーデターに抗議する国民に武力による弾圧を続けています。死者は700人以上に達したとされ、事態は悪化の一途をたどっています。ASEANは盟主を自任するインドネシアが主導して対話による解決をめざしていますが、ASEAN内でも軍事政権の流れを組むタイや共産党独裁のベトナムなどは、内政不干渉の原則を持ち出して、静観を続け、一枚岩ではありません。国連は安全保障理事国内で米英仏と中ロの対立を抱え十分機能していないうえ、東南アジアへの影響力を確保しようとする大国の利害が絡み、ミャンマーの民主主義の回復への道筋は描けていません。=おわり
(ジャカルタ=地曳航也)』
-
日米首脳会談で菅首相が踏んだ踏み絵の意味
米議会は超党派で「戦略競争法案」提出、後戻りできない日本
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64976?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top高濱 賛のプロフィール
Tato Takahama 米国在住のジャーナリスト1941年生まれ、65年米カリフォルニア大学バークレー校卒業(国際関係論、ジャーナリズム専攻)。67年読売新聞入社。ワシントン特派員、総理官邸キャップ、政治部デスクを経て、同社シンクタンク・調査研究本部主任研究員。1995年からカリフォルニア大学ジャーナリズム大学院客員教授、1997年同上級研究員。1998年パシフィック・リサーチ・インスティテュート上級研究員、1999年同所長。

『出されたのはハンバーグ・ランチのみ
菅義偉総理大臣とジョー・バイデン米大統領による初めての日米首脳会談が行われた。
異例だらけの日米首脳会談で両首脳は何を話し、どんな約束をしたのか。菅氏は記者会見では「やり取りの詳細については外交上、明かさない」と突っぱねた。表に出ては国民向けにも中国向けにも支障が出るような発言や密約があるのだろうか。機密文書は30年経たねば解禁されない。ということは30年間国民は知らされないことになる。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックス禍で公式の昼食会も晩餐会もなし。ジル・バイデン夫人も顔を見せなかった。
両首脳は2人だけでハンバーグ・ランチを食べた。
異例と言えば、菅氏は大統領に会う前にカマラ・ハリス副大統領をホワイトハウスに隣接するアイゼンハワー行政府ビルの副大統領室に表敬訪問したことだ。
何やら外国訪問など外交面でのハリス氏の今後の積極的な活動を暗示している。
首脳だけのテタテ(1対1)会談、外務閣僚らを入れた少人数会議、拡大会合を合わせると2時間50分。
会談後に発表された共同声明(U.S-Japan Joint Leaders’ Statement:”U.S.-Japan Global Partnership for a New Era”)は英文で2500字の長文。実務事項びっしりの外交文書だ。
共同声明は共同宣言に次ぐ国家間の最重要文書だ。
これだけ詳細な実務事項を盛り込むには、事前に閣僚、事務レベルでの綿密なすり合わせがあったといっていい。
内容は台湾海峡に始まり新疆ウイグル自治区…』
『内容は台湾海峡に始まり新疆ウイグル自治区、香港、尖閣諸島、半導体サプライチェーン、気候変動、東京五輪、普天間米空軍基地の辺野古移転まで、今後5年、10年の日米間の約束事を網羅している。
首脳会談直前まで日本メディアの外交通と称する連中はこう見ていた。
「ウイグルや台湾、ミャンマーといった厄介な問題に深入りするのを避けて、半導体サプライチェーンや気候変動問題などで日米同盟が強固なことを世界(中国)にアピールすることでお茶を濁せるだろう」
ところがどっこい。舞台裏では、米側は日本側に「中国の脅威」に対する危機感を大いに煽った。危機感は生半可なものではなかった。
中国の脅威、特に台湾海峡周辺で中国が繰り広げている軍事威嚇行動に米国は神経をとがらせてきた。一触即発の危険性すらあるとみている。
今回の共同声明では「台湾」は対中戦略の主軸となる最重要なパーツ(部品)だった。
バイデン政権の外交当局者とは密接な関係にある主要シンクタンクの研究員、T氏は筆者にこう指摘している。
「バイデン氏が『台湾明記』に自信を深めたのは3月中旬だった。対中スタンスでは慎重な日本も乗って来ると確信したのは、3月16日の2プラス2(日米安全保障協議委員会)での日本の外務・防衛閣僚の対応だった」
「『台湾海峡の平和と安定の重要性についての認識を共有する』ことに合意したからだ。閣僚レベルでの合意事項が首脳同士で覆されることはあるまい、というわけだ」
「共同声明に『(台湾海峡)両岸問題の平和的解決を促す』という文言を入れるよう要求したのは日本側だが、これに米国が異議を申し立てる正当な理由はなかった」
「挑発しているのは中国なのだから、中国が矛を収めればこれに越したことはない」
人権、対中制裁は煙幕…』
『人権、対中制裁は煙幕
もう一つは、菅氏を迎え入れたバイデン氏のきめ細かい受け入れ態勢だった。バイデン政権の最優先議題になっている人権問題をめぐっては米メディアは菅政権の対応に厳しい目を向けてきた。
バイデン政権は、新疆ウイグル自治区での中国のウイグル族抑圧を「ジェノサイド」だとまで言い切り、制裁措置に踏み切っていた。欧州共同体(EU)はじめG7加盟国は日本以外全員が制裁に同調した。
こうした中で、バイデン政権は政府高官による記者向けの事前説明などで日本には対中経済依存度などデリケートな理由があることを指摘するなど異例の根回し工作までしていた。
首脳会談後の記者会見も極端に記者の人数を制限するなど、通常の米国式記者会見とは趣を異にしていた。米記者団からは人権に対する質問は一切なかった。
なぜ、そこまでバイデン氏は気を使ったのか。
それよりも何よりもバイデン氏が菅氏をホワイトハウスに招き入れる最初の外国首脳に選んだ理由は何だったのか。
ブルッキングス研究所東アジア政策研究センター所長のミレヤ・ソリス博士はこう指摘している。
「バイデン政権としては、日本が地域的、世界的なチャレンジに立ち向かう不可欠な同盟国としての地位を確固たるものにし、インド太平洋戦略が日本にとって最優先議題であることを再確認させようとした」
「日米は同盟関係を深化させており、責任分担する準備も整ってきた。中国のチャレンジを戦略的に抑え込むことでも両国は収斂している」
先の2プラス2で日本が中国の独断的行動が国際秩序を不安定化させているという米国に同調、特に台湾海峡の安定の重要性を強調したことは多くの人々を驚かした」
外交専門家の間には、これまで国際政治を動…』
『外交専門家の間には、これまで国際政治を動かしてきた米国と中国を指す「G2」(Group of Two)という表現はいよいよ米国と日本に当てはまると主張する者も現れている。
佐藤(栄作)・(リチャード・)ニクソン時代から日米首脳外交をフォローしてきた在米日系ジャーナリストG氏はこう見ている。
「日本人が日本重視を買いかぶりと失笑するかどうか。かつて日本は自分のことをを米国の『サイレント・パートナー』(日本語英語で何も言わずに黙ってついていくパートナーという意味)などと自虐的に言っていた時期がある」
「だが今や日本は米国の『ポジティブ・パートナー』(積極的に参画するパートナー)になった。今回の首脳会談はそれを再確認するターニング・ポイントになった」
「『台湾明記』はただ中国を激怒させただけでなく、米国、そして世界に日本の存在の大きさを見せつけたと言っていいかもしれない」
バイデン政権が欲しかったのは、新疆ウイグル自治区でのウイグル族や香港の人権問題でも、そのための対中制裁措置でもなかった。
どうしても日本に台湾問題について米国の危機感を共有してもらいたかったのだ。その「証文」が欲しかった。
日本はその「証文」に判を押した。
香港は台湾併合シナリオのタイムライン… 』
『香港は台湾併合シナリオのタイムライン
米国がいかに台湾海峡情勢に危機感を抱いているか。その好例が米議会の超党派の対中スタンスだ。上院外交委員会は中国に対応するための包括法案を4月24日に採択し、直ちに本会議に上程、可決・成立させる。
「米議会の認識」(Sense of Congress)を示すという位置づけで、法的拘束力はないが、バイデン政権の対中政策に少なからぬ影響を及ぼすことは間違いない。
法案名は「2021年戦略的競争法案」(Strategic Competetion Act of 2021)。
ボブ・メネンデス外交委員長(民主、ニュージャージー州選出)とジェームズ・リッシュ筆頭委員(共和、アイダホ州選出)が共同提案した民主、共和両党が超党派で提出する初の本格的な対中政策法案だ。
同法案は台湾については、こう指摘している。
「中国の香港での人権弾圧は、台湾併合に向けたシナリオのタイムラインを実践している。台湾防衛は今やより緊急を有する優先事項だ」
「台湾防衛は、①台湾の人々を守り②中国軍を対米防衛線である第1列島線内に抑止し③日本の領土保全を防衛④中国軍の広範囲にわたる軍事的野望を阻止し⑤台湾の自由市場体制と民主的価値観を守る擁護者としての米国に対するクレディビリティ(信頼性)を堅持する――といった目的にとって死活的に重要である」
本法案には何と「台湾」が47回も出てくる。
民間の軍事技術開発を促進、日米基金構想… 』
『民間の軍事技術開発を促進、日米基金構想
2プラス2を受けて首脳会談で合意した「台湾海峡の平和と安定の重要性」について認識を共有したバイデン大統領と菅首相。台湾情勢が緊迫し、在日米軍が出動すれば、日本は何をするのか。日本も安全保障関連法に基づき、米軍の後方支援を行うことになる。
日本が米軍に補給できる「重要影響事態」の要件は、日本の平和と安全に重要な影響を及ぼす状況だ。
前述の「2021年戦略的競争法案」には、日本に何を期待するかについての記述がある。バイデン政権が今後、具体的にどのような対日要求をしてくるか、を示唆している。
一、インド太平洋戦略での米国のパートナーシップを強化するステップとして、日本が以下の分野での自主開発を促進させることをサポートする。
①長距離精密火力(LRPF)
②弾薬
③対空、対ミサイル防衛能力
④全領域での米軍とのインターオペラビリティ
⑤インテリジェンス・偵察・索敵能力
二、日米安全保障目的のために資する民間セクターによる新技術開発を促進させる「日米技術刷新基金」の創設。
菅バイデン首脳会談で署名された共同声明の文言の行間には、「40年来の米国の曖昧な対中戦略に終止符を打ち、中国に力で対抗すべきだ」(リチャード・ハース外交問題評議会会長)とする米国の意気込みがにじみ出ているとみるべきだろう。
(https://www.foreignaffairs.com/articles/united-states/american-support-taiwan-must-be-unambiguous)』