※ 5月22日(月)~5月27日(土)まで、諸般の事情によりお休みする。
※ 5月29日(月)から活動再開の予定ですが、流動的です。
※ 5月22日(月)~5月27日(土)まで、諸般の事情によりお休みする。
※ 5月29日(月)から活動再開の予定ですが、流動的です。
※ 諸般の事情により、5月19日(金)、5月20日(土)はお休みする。
※ 5月22日(月)以降の活動については、未定です。
※ 諸般の事情により、今日(5月18日)はお休みする。
※ ちょっと、身辺に風雲急を告げる状況なんで、当分の間は、不規則になるかと思う…。
第4節 メガFTAの進展(TPP11、日EU・EPA、RCEP等)
https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2019/2019honbun/i3140000.html





『1.経済連携協定(EPA/FTA)の意義
経済連携の推進は、締結国間の貿易投資を含む幅広い経済関係を強化する意義を有するところ、より具体的には、輸出企業にとっては、関税削減等を通じた輸出競争力の維持又は強化の面で意義があり、他方で、外国に投資財産を有する企業やサービスを提供する企業にとっては、海外で事業を展開しやすい環境が整備されるという点で意義がある。輸出の面では、関税削減によって我が国からの輸出品の競争力を高められる。例えばメキシコでは乗用車に20%、マレーシアではエアコンに30%、インドネシアではブルドーザーに10%の関税が課されているが、EPAを利用した場合、これらの関税がゼロになる。海外で事業を行う企業に対しては、投資財産の保護、海外事業で得た利益を我が国へ送金することの自由の確保、現地労働者の雇用等を企業へ要求することの制限・禁止、民間企業同士で交わされる技術移転契約の金額及び有効期間への政府の介入の禁止等の約束を政府同士で行うことにより、海外投資の法的安定性を高めている。また、外国でのサービス業の展開に関しては、外資の出資制限や拠点設置要求等の禁止、パブリックコメント等による手続の透明性確保等、日本企業が海外で安心して事業を行なうためのルールを定めている。
この他にも、我が国のEPAでは、締約国のビジネス環境を改善するための枠組みとして、「ビジネス環境の整備に関する委員会」の設置に係る規定を設けていることが多い。「ビジネス環境の整備に関する委員会」では、政府代表者に加え、民間企業代表者も参加して、外国に進出している日本企業が抱えるビジネス上の様々な問題点について、相手国政府関係者と直接議論することができる。これまでの「ビジネス環境の整備に関する委員会」の成果として、メキシコとは模倣品取り締りのためのホットライン設置に合意し、マレーシアとは治安向上のためパトロールの強化や監視カメラの増設等を実現してきている。
2.経済連携協定(EPA/FTA)を巡る動向
世界を見渡すと、これまでに多くの国がEPA/FTAを締結してきている。WTOへの通報件数を見ると、1948年から1994年の間にGATTに通報されたRTA(FTAや関税同盟等)は124件であったが、1995年のWTO創設以降、400を超えるRTAが通報されており、2019年3月31日時点でGATT/WTOに通報された発効済RTAは472件に上る5。
特に、アジア太平洋地域においては、2010年3月にTPP協定交渉が開始(我が国は2013年7月に交渉に参加、その後、米国を除く11か国での交渉を経て、翌2018年3月にはTPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)が署名に至り、2018年12月に発効)、2013年3月には日中韓FTA、5月にはRCEPについてそれぞれ交渉が開始されたほか、それらを道筋として、APEC参加国・地域との間で、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP:エフタープ)の実現が目指されている。
また、2013年4月には日本とEUの間で日EU・EPA交渉が開始される(交渉を経て、2019年2月に発効)など、各地域をつなぐ様々な経済連携協定の取組も同時並行で進行している。
このような多層的な経済連携協定を通じて、我が国は自由貿易の旗手として自由で公正な市場を、アジア太平洋地域を始め、世界に広げていくことを目指していく必要がある。
5 WTOウェブサイトから取得。
なお、ここでいうRTAの数は、WTOへの通報要綱に基づき、物品とサービス両方を含むRTAを二つのRTAとしてカウントしたものだが、当該RTAを一つのRTAと数えた場合、2019年3月31日時点での発効済RTAは294件となる。
3.我が国の経済連携協定を巡る取組
我が国は、2019年3月現在、21か国・地域との間で18の経済連携協定を署名・発効済みである。また、現在RCEP、日中韓FTA等の経済連携交渉を推進中である(第Ⅲ-1-4-1図、第Ⅲ-1-4-2図)。
第Ⅲ-1-4-1図 日本のEPA交渉の歴史
第Ⅲ-1-4-2図 日本の経済連携協定の推進状況(2019年3月現在)
自由貿易の拡大、経済連携協定の推進は、我が国の通商政策の柱であり、世界に「経済連携の網」を張り巡らせることで、アジア太平洋地域の成長や大市場を取り込んでいくことが、我が国の成長にとって不可欠といえる。
「未来投資戦略2018」(2018年6月15日閣議決定)においても、「RCEP、日中韓FTAを含む経済連携交渉を、戦略的かつスピード感を持って推進する。我が国は、自由貿易の旗手として、こうした新しい広域的経済秩序を構築する上で中核的な役割を果たし、包括的で、バランスのとれた、高いレベルの世界のルールづくりの牽引者となることを目指す。」こととしている(第Ⅲ-1-4-3図)。
第Ⅲ-1-4-3図 各国のFTAカバー率比較
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4.我が国が推進中の経済連携
(1)TPP協定(環太平洋パートナーシップ協定)(2016年2月4日署名)
我が国は、環太平洋パートナーシップ協定(以下、TPP協定)に関し、2013年3月に参加を表明、同年7月から豪州、ブルネイ、カナダ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、シンガポール、ペルー、米国、ベトナムの11か国との交渉に参加した。その後の交渉を経て、2015年10月に米国アトランタで大筋合意に至り、2016年2月4日に署名がなされた。日本国内においては、2016年12月9日に、TPP協定が国会で承認されるとともに、関連法案が可決・成立した。その後、2017年1月20日、TPP協定原署名国12か国の中で最も早く国内手続完了の通報を協定の寄託国であるニュージーランドに対して行った。
一方、米国は、2017年1月30日に、TPP協定の締約国になる意図がないことを通知する書簡を協定の寄託国であるニュージーランド及びTPP協定署名国各国に対して発出した。
(2)TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)(2018年12月30日発効)
2017年1月に米国がTPP協定からの離脱を参加各国に通告した後、同年3月15日にチリにおいてTPP協定閣僚会合が開催された。閣僚会合の結果、米国を除くTPP協定署名11か国が今後も結束して対応することを確認する共同声明が発出された。
共同声明を踏まえ、2017年5月21日にベトナムでTPP閣僚会合が開催された。本会合では、原署名国の参加を促進する方策も含めた、TPP協定の早期発効のための選択肢の検討を11月のAPEC首脳会合までに完了させること等に合意。その後7月に日本、8月に豪州、9月・10月に日本で首席交渉官会合が開催された。
同11月9日にベトナムにおいて開催されたTPP閣僚会合では、新協定の条文、凍結リスト等を含む合意パッケージに全閣僚が合意(大筋合意)。翌10日の閣僚会合で、閣僚合意内容を確認、①11か国による環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(以下TPP11協定)について合意に達したこと、②TPP11協定が、TPP協定の高い水準、全体的なバランスを維持していること等が盛り込まれた閣僚声明を作成した。
2018年1月には東京で首席交渉官会合が開催され、11か国間でTPP11の協定文が最終的に確定した。TPP11協定は前文の他、7条の条文から成る。第1条においてTPP協定の組込みを、第2条において停止する項目(凍結項目)を規定。TPP協定の高い水準を維持しつつもTPP11協定に参加している国が全て合意できる内容にするという、バランスの取れた協定内容となっている。
3月8日午後3時(現地時間)、チリにおいてTPP11協定の署名を実現。この後、6月28日にメキシコが寄託者であるニュージーランドに対して通報を行った。続く7月6日に日本、7月19日にシンガポール、10月25日にニュージーランド、10月26日にカナダ、10月31日にオーストラリアがそれぞれニュージーランドへの通報を完了させたことで、協定に定める発効に必要な6か国の国内手続が完了した。なお、ベトナムも11月15日付で国内手続を完了させている。
2018年12月30日、TPP11協定はメキシコ・日本・シンガポール・ニュージーランド・カナダ・オーストラリアの6か国間で発効し、2019年1月14日以降はベトナムを加えた7か国間で効力を生じている。TPP11協定の発効によって、モノの関税だけでなく、サービス、投資の自由化を進め、さらには知的財産、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世紀型のルールを、アジア太平洋に構築し、自由で公正な巨大市場を作り出すことが期待される。
2019年1月19日には東京で第1回TPP委員会が開催され、今後の新規参加に関する手続について議論、方針が決定された。同日採択された閣僚声明では、新たな国・地域の加入を通じ協定を拡大していくとの署名国の強い決意が盛り込まれている。
(3)日EU・EPA(2019年2月1日発効)
アジア太平洋地域以外の主要国・地域との取組として、EUとのEPA交渉が挙げられる。我が国とEUは、世界人口の約1割、貿易額の約3割(EU域内を除くと約2割)、GDPの約3割を占める重要な経済的パートナーであり、日EU・EPAは、日EU間の貿易投資を拡大し、我が国の経済成長をもたらすとともに、世界の貿易・投資のルール作りの先導役を果たすものといえる。
EUは、近隣諸国や旧植民地国を中心としてFTAを締結してきたが、2000年代に入り、韓国等の潜在的市場規模や貿易障壁のある国とのFTAを重視するようになった。さらに、2016年10月には先進国であるカナダとの包括的経済・貿易協定(CETA:the Comprehensive Economic and Trade Agreement)に署名した。また、南米南部共同市場(メルコスール)との自由貿易協定(EU-Mercosur Free Trade Agreement)を交渉中である。
日EU・EPAについては、2009年5月の日EU定期首脳協議において、日EU経済の統合の強化に協力する意図が表明され、翌2010年4月の日EU定期首脳協議では、「合同ハイレベル・グループ」を設置し、日EU経済関係の包括的な強化・統合に向けた「共同検討作業」を開始することに合意した。合同ハイレベル・グループにおける幅広い分野での作業の結果を踏まえ、2011年5月の日EU定期首脳協議において、交渉のためのプロセスの開始についての合意がなされ、日本政府と欧州委員会との間で、交渉の大枠(交渉の「範囲(scope)」及び「野心のレベル(level of ambition)」)を定める「スコーピング作業」を実施することとなった。
翌2012年にかけて実施したスコーピング作業の終了を受け、同年11月のEU外務理事会において、欧州委員会が加盟国より交渉権限(マンデート)を取得した。2013年3月に行われた日EU首脳電話会談において、日EU・EPA及び戦略パートナーシップ協定(SPA)の交渉開始に合意した。交渉において、日本側はEU側の鉱工業品等の高関税の撤廃(例:乗用車10%、電子機器最大14%)や日本企業が欧州で直面する規制上の問題の改善等を要望。他方、EU側は、農産品等の市場アクセスの改善、非関税措置(自動車、化学品、電子機器、食品安全、加工食品、医療機器、医薬品等の分野)への対応、地理的表示(GI)の保護、政府調達、持続可能な開発等を要望した。
2017年4月までに計18回の交渉会合が開催された後、同年7月に大枠合意、同年12月には、安倍内閣総理大臣とユンカー欧州委員会委員長が電話会談を実施し、交渉妥結に達したことを確認した。その後、2018年7月17日に署名、同年12月21日に日EU双方は本協定発効のための国内手続きを完了した旨を相互に通告し、2019年2月1日に発効した。なお、投資保護規律及び投資紛争解決手続きについては別途協議を継続している。
(4)東アジア地域包括的経済連携(RCEP(アールセップ):Regional Comprehensive Economic Partnership)(交渉中)
RCEPは、世界全体の人口の約半分、GDPの約3割を占める広域経済圏を創設するものであり、最終的にはFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)の実現に寄与する重要な地域的取組の一つである。
東アジア地域では、既に高度なサプライチェーンが構築されている(第Ⅲ-1-4-4図)が、この地域内における更なる貿易・投資の自由化は、地域経済統合の拡大・深化に重要な役割を果たす。
第Ⅲ-1-4-4図 東アジア地域におけるサプライチェーンの実態
この地域全体を覆う広域EPAが実現すれば、企業は最適な生産配分・立地戦略を実現した効率的な生産ネットワークを構築することが可能となり、東アジア地域における産業の国際競争力の強化につながることが期待される。また、ルールの統一化や手続の簡素化によってEPAを活用する企業の負担軽減が図られる(第Ⅲ-1-4-5図)。
第Ⅲ-1-4-5図 RCEP参加の意義
2012年11月のASEAN関連首脳会議において、「RCEP交渉の基本方針及び目的」が16か国(ASEAN10か国及び日本、中国、韓国、インド、豪州、ニュージーランド)の首脳によって承認され、RCEPの交渉立ち上げが宣言された。
基本方針には、「現代的な、包括的な、質の高い、かつ、互恵的な経済連携協定」を達成すること、物品・サービス・投資以外に、知的財産・競争・経済技術協力・紛争解決を交渉分野とすること、が盛り込まれている。第1回RCEP交渉会合は、2013年5月にブルネイで開催され、高級実務者による全体会合に加えて物品貿易、サービス貿易及び投資に関する各作業部会が開催された。
第1回交渉会合が開催されて以降、2019年3月までに15回の閣僚会合、25回の交渉会合が開催されている。2018年11月には、第2回RCEP首脳会議が開催された。会議後、共同首脳声明が発出され、2018年におけるRCEP交渉の実質的な進展を歓迎するとともに、現代的で、包括的な、質の高い、かつ互恵的なRCEPを2019年に妥結する決意が表明された。また、同共同首脳声明では、交渉の進捗として、これまでに経済技術協力章、中小企業章、税関手続・貿易円滑化章、政府調達章、制度的規定章、衛生植物検疫措置章及び任意規格・強制規格・適合性評価手続章が妥結したことが報告されている。
現在、貿易交渉委員会(Trade Negotiating Committee)に加え、物品貿易、原産地規則、貿易救済、サービス貿易、金融サービス、電気通信サービス、人の移動、投資、競争、知的財産、電子商取引などの幅広い分野について交渉が行われている。
(5)日中韓FTA(交渉中)
日中韓3か国は、世界における主要な経済プレイヤーであり、3か国のGDP及び貿易額は、世界全体の約2割を占める。日中韓FTAは、3か国間の貿易・投資を促進するのみならず、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現にも寄与する可能性のある重要な地域的取組の一つである。
2013年3月に交渉を開始して以降、2019年3月までに計14回の交渉会合を実施し、物品貿易、原産地規則、税関手続、貿易救済、物品ルール、サービス貿易、投資、競争、知的財産、衛生植物検疫(SPS)、貿易の技術的障害(TBT)、法的事項、電子商取引、環境、協力、政府調達、金融サービス、電気通信サービス、自然人の移動等の広範な分野について議論を行っている。
また、2015年10月の日中韓経済貿易大臣会合及び同年11月の日中韓サミットでは包括的かつ高いレベルの協定の実現を目指し交渉を加速化していくことが確認された。加えて、2016年10月の日中韓経済貿易大臣会合では、日中韓FTA独自の価値を追求して一層努力していくことを確認した。
(6)日ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定(サービス貿易章・投資章について、2019年2~4月持ち回り署名)
ASEAN全加盟国とのEPAである日・ASEAN包括的経済連携(AJCEP)協定は、2004年11月の首脳間での合意に基づき2005年4月より交渉を開始し、2008年4月14日に各国持ち回りでの署名を完了し、2008年12月から加盟国との間で順次発効している。2010年10月より交渉が行われていたAJCEP協定のサービス貿易章・投資章については3年にわたる交渉を経てルール部分について実質合意に至り、2013年12月の日・ASEAN特別首脳会議において同成果は各国首脳に歓迎された。その後、残された技術的論点の調整等を実施した結果、2017年11月の日ASEAN非公式経済大臣会合において、AJCEPのサービス貿易・投資に係る改正議定書についても、閣僚レベルの交渉終結に合意。2019年2~4月に持ち回りでの署名を実施。今後は、改正議定書の早期発効に向けた国内手続を進めることとなった。
(7)日GCC・FTA(交渉延期)
バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦からなるGCC(湾岸協力理事会)諸国とのFTAについては、2006年9月に交渉が開始され、2009年3月までに2回の正式会合と4回の中間会合が実施された。しかし同年7月に、GCC側の要請により交渉が延期されている。
(8)日カナダEPA(交渉中断中)
日カナダEPA交渉については、2011年3月から2012年1月までに4回の共同研究が開催され、共同研究報告書が作成された。共同研究の報告書を受け、2012年3月の日カナダ首脳会談において、両国の実質的な経済的利益をもたらし得る二国間EPAの交渉を開始することで一致した。2012年11月の交渉開始から2014年11月まで計7回の交渉会合が開催された。
(9)日コロンビアEPA(交渉中)
コロンビアは、2016年11月にコロンビア政府とコロンビア革命軍(FARC)の間での和平合意が議会で承認され、直近の成長率見通しも良好(2017年1.8%から2018年2.7%)が見込まれる人口4,900万人の市場であり、EPAを通じた貿易・投資環境の改善により輸出入及び日本企業によるコロンビアへの投資の拡大が期待される。コロンビア政府は経済の自由開放政策を掲げるなか、中南米諸国・米国・カナダ・EU、及び韓国とのFTAが発効済みである。
2011年9月の日コロンビア首脳会談において、日コロンビアEPAの共同研究の立ち上げが合意されたことを受けて共同研究が開始され、2012年7月にあり得べきEPAは両国に多大な利益をもたらすことに資するとの報告書が取りまとめられた。同報告書を踏まえ2012年9月に行われた日コロンビア首脳会談にて、両国はEPA交渉を開始することで合意し、2012年12月に第1回交渉が開催された。
その後、2018年3月末までに、13回の交渉会合が開催された。また、2016年9月に続き同年11月にも行われた日コロンビア首脳会談においては、両首脳は、交渉が最終段階にあり、交渉の早期妥結を目指すことを確認した。また、2018年8月16日の河野外相によるドゥケ・コロンビア大統領表敬の際にも、TPPと並んでとりあげられた。
(10)日トルコEPA(交渉中)
トルコは、人口8,200万人を超え(2018年末時点)、国民の平均年齢が30歳前半と若い魅力的な国内市場を持つ。加えて、欧州及び周辺国市場への生産拠点として注目されている。貿易・投資環境の改善による輸出入拡大が期待され、我が国企業の関心は高い。日トルコ間の投資・ビジネス環境の改善や、第三国に劣後しない貿易の自由化や規律の策定を目指している。
トルコと我が国は2012年7月に第1回日トルコ貿易・投資閣僚会合を開催し、日トルコEPAの共同研究を立ち上げることにつき合意した。これを受けて、同年11月に第1回、2013年2月に第2回の共同研究が開催され、同年7月に日本・トルコの両政府にEPA交渉開始を提言する共同研究報告書が発表された。
共同研究報告書を受けて、2014年1月に行われた日トルコ首脳会談にて、両国はEPA交渉を開始することで一致し、同年12月に第1回交渉会合が開催され、最近では2019年4月に第14回交渉会合が開催された。日トルコEPAによって、欧州企業や韓国企業といった競合相手との競争条件の平等化を早急に図ることを通じ、トルコへの日本企業の輸出を後押しするとともに、トルコの投資環境関連制度の改善により、トルコへの日本企業の投資促進を図る。
(11)日韓EPA(交渉中断中)
韓国とのEPA交渉は2003年12月の交渉開始後、2004年11月の第6回交渉会合を最後に中断。
(12)EPAの利用や見直し
以上、現在交渉中、交渉開始に合意したEPA/FTAを紹介したが、グローバルに展開するビジネスの要請に応えるには、このような新たな協定締結に向けた取組に加えて、EPA/FTAの利用の促進、既存EPAの見直し等も重要である。
2018年末から2019年にかけ、TPP11協定や日EU・EPAも発効に至り、以前にも増して、発効済みEPAを利用・運用する段階にあるといえる。引き続き、
①政府のみならずJETRO6、日本商工会議所7、業界団体等による積極的なEPAの普及啓発・利活用の促進・着実な執行、
②「ビジネス環境の整備に関する委員会」等の場を通じた両国政府・民間企業代表者を交えた協議8
③EPAの利活用実態やニーズ、国際的な通商ルール形成の動向を踏まえた協定見直し9等、EPAを活用し、見直すことを通じて質を高めていく取組が重要であるといえる。
6 EPA利用(日本企業の方) https://www.jetro.go.jp/theme/wto-fta/epa/外部リンク
EPA活用のための相談窓口(在海外企業の方) https://www.jetro.go.jp/theme/wto-fta/tpp/contact.html外部リンク
7 第一種特定原産地証明書の指定発給機関 http://www.jcci.or.jp/international/certificates-of-origin/外部リンク
8 ビジネス環境の整備に関する委員会 http://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/epa/about/business.html外部リンク
9 日・タイEPA(2007年発効)、日・インドネシアEPA(2008年発効)、日・フィリピンEPA(2008年発効)については、見直しの議論中。』
ブルネイがTPPを批准 11カ国目
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM15BH50V10C23A5000000/
『【シンガポール=佐藤史佳】ブルネイ政府は環太平洋経済連携協定(TPP)を批准したと発表した。批准は11カ国目となり、2018年にチリで署名された「TPP11」に参加した11カ国すべてが批准したことになる。
TPPは日本やシンガポールなどアジア太平洋地域の11カ国が参加する経済連携協定。ブルネイ政府の声明によると、13日にTPPの事務局機能を担うニュージーランドに批准を通知した。声明は「通知から60日後に発効する」としており、7月中旬に発効する見通しだ。ブルネイ政府はTPP批准により「外国からの直接投資先としてのブルネイの魅力が増す」と期待する。
TPPの原型は、ブルネイ、ニュージーランド、シンガポール、チリの4カ国で06年に発効した「P4協定」だ。米国や日本が交渉に加わり、16年に12カ国でTPPに署名したが、その後に米国が離脱。18年に残り11カ国が署名した。』
TPP11について
https://www.jetro.go.jp/theme/wto-fta/tpp/
※ 今日は、こんな所で…。
※ 『2023年3月時点で、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア、チリ(発効順)で発効済み。ブルネイでは未発効のため利用不可。』ということだったが、ブルネイでも発効したので、これで11か国全てで「発効」したわけだ…。
※ あとは、英国の加盟問題と、中国・台湾の加盟問題か…。
『日本を含む11カ国が加盟する「環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、通称TPP11)」が2018年12月30日に発効いたしました(注)。TPP11では、日本を除く10カ国で99%の関税撤廃が約束されており、物品貿易でのメリットが期待されています。加えて、投資を促進する規定が盛り込まれている他、電子商取引などの分野におけるルール形成も行っています。本ページでは、TPP11の基本情報に加え、物品貿易のメリットを想定した特恵関税活用に関する情報を中心に提供いたします。
なお、TPP11は、米国を含めた12カ国で2016年2月に署名された「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」を基礎としています。
(注)
2023年3月時点で、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシア、チリ(発効順)で発効済み。ブルネイでは未発効のため利用不可。』
CPTPPの加盟申請中・交渉中の国・地域
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%92%B0%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97%E5%8D%94%E5%AE%9A
『CPTPPの加盟申請中・交渉中の国・地域
イギリスの旗 英国
2018年7月6日、イギリスのテリーザ・メイ首相は特別会議を開き、イギリス政府として初めて公式にTPPへの参加意思を表明した[308]。報道では、TPPとあるが、後述のとおりCPTPP参加の意向である。また2018年7月18日、イギリスのリアム・フォックス英国際貿易相は、中小企業団体の会合の講演でCPTPP参加について一般から意見を求める方針だと明らかにした[309]。この意見公募は、イギリス政府の公式HPで、7月20日に開始され10月26日に終了した[310]。2020年6月17日、イギリスは、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟を目指す方針を改めて表明した[311][312]。
2020年9月9日、イギリスのトラス国際貿易相はCPTPP参加11カ国の首席交渉官と会談を行った[313]。正式な交渉入り表明前に意見交換を行った[314]もので、正式加盟前に、加盟希望国が、現加盟国全部との協議を行うのははじめてである[313]。会談方式は明示されていないが、テレビ会議とみられる[314]。
2020年10月23日、日本とイギリスは、日英包括的経済連携協定に署名した。この時に両国は「英国のCPTPP加入についての関心に関する日本国政府と英国政府との間の書簡」[315]の交換を行い、この中で日本は「日本国政府は、CPTPPの加入手続(委員会決定2の附属書)に従い、英国のCPTPPへの早期加入を支援する堅い決意を表明する。」との意向を示した[315]。
2021年1月20日、イギリスのエリザベス・トラス国際貿易大臣は、日英包括的経済連携協定に関する両国の会議[316]における講演のなかで、間もなく正式な加盟申請を提出すると述べた[317][318][319]。
2021年1月30日、イギリスの国際貿易省は、2月1日にイギリスがCPTPPへの加盟を正式に申請すると公式発表した[320]。
2021年2月1日、イギリスのエリザベス・トラス国際貿易大臣は、CPTPPの寄託国であるニュージーランドのダミエン・オコナー貿易・輸出振興担当大臣に対してCPTPPに対する正式な加盟申請を提出した[321]。同日、エリザベス・トラスイゴシス国際貿易大臣及びダミエン・オコナーニュージーランド貿易・輸出振興担当大臣は、2021年CPTPP委員会の議長国である日本の西村康稔経済再生大臣ととウェブ会談を行い、エリザベス・トラスイゴシス国際貿易大臣から加入要請を通報した旨、報告をした[322]。
2021年6月2日、第4回CPTPP委員会が、開催され[156]、イギリスの加入手続を開始及び加入作業部会の設置についての委員会決定を採択した[157][158]。これによりイギリスのCPTPP加入交渉の正式開始が決定した。
2022年2月18日、日本政府は、CPTPP高級実務者によるオンライン形式の協議が行われ、イギリスとのがデータ流通や知的財産などのルール分野の協議をほぼ終え、2021年9月28日に開始されたイギリスのCPTPP加入作業部会第1回会合を終了する旨、締約国間で合意がされた。今後、イギリスより市場アクセスのオファー等が加入作業部会に提出されると発表した[174][323]。今後は、関税交渉に入る[323]。英国のトレベリアン国際貿易相(当時)は「力強いTPPに加わるための画期的な節目だ。交渉のフィニッシュラインも見えてきた」とコメントした[323]。
2022年9月27日、日本の時事通信は、日本やオーストラリアなどがイギリスに対し、市場開放に関する提案内容を再考するよう求めていると報道した[324]。農業分野を中心に市場開放に慎重で、全体で90%程度にとどめているため[324]。イギリスは近く関税分野の条件を再提示する見込みであるが、審査に一定の時間が要するため、英国が目指す年内の加入合意は難しそうであるとも伝えており、日本政府関係者は「現状のままでは英国の加入は難しい」と指摘。別の交渉関係者は、昨年加入申請した中国などとの協議も念頭に、「イギリスにもルールを緩めず厳しく対応する」と強調しているとしている[324]。
2023年3月31日、CPTPP参加国各国及び英国の閣僚及び代表は、オンライン形式の会合を行い、「CPTPPへの英国加入プロセスに関する閣僚共同声明[325][326]」を発出した。この閣僚共同声明は、「CPTPP加入交渉の実質的な妥結を歓迎した[325]」と明記している。
中華人民共和国の旗 中国
TPPが交渉されている時点で、TPPに関心を示し情報収集などを行っていたが、その後、TPP妥結までの間に参加に向けた行動はとられなかった[注釈 24]。
2020年5月28日、中国の李克強国務院総理(首相)は、記者会見でCPTPPへの参加について「積極的でオープンな態度だ」と答えた[330][331]。日本経済新聞の記事によれば、「中国首相が公の場でTPP11への参加に言及したのは初めてとみられる」[331]。
2020年11月20日、中国の習近平国家主席(総書記)は、オンライン形式で開催されたAPECの首脳会議において、「環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を中国は前向きに検討する」と述べ、環太平洋経済連携協定(TPP)に加盟する意向を明確に表明した[332][333][334][335][336][337][338][339][340]。
2021年9月16日、中国商務省はCPTPPへの正式加入について、王文濤商務相がニュージーランドのオコナー貿易相に申請書を提出したと発表した。CPTPPへの加入は現行加盟国全ての同意が必要であるが、加盟国との南シナ海問題における摩擦、同じく加盟申請をしているイギリスとの対立もあり、加盟が困難になるのではとの見方がある[341] [342] [343][344]。
同月23日、台湾のTPPへの加盟申請について、中国は断固として反対すると反対の意思表示を示した。台湾は中国が定めた一つの中国に基づき、台湾は中国の一部であるという主張から「国家」として認めておらず、TPP加盟国にもそれを促している[345] [346] [347]。
中華民国の旗 台湾[348]
TPPが交渉されている2010年にTPP交渉参加の意向を表明したことがある[349]がこの時点では交渉に参加しなかった。
2018年3月5日、台湾の陳建仁副総統は、CPTPP参加に必要な各種準備を進め、主要貿易パートナーに参加支持を働きかける旨、意向を示した[350]。
2018年12月7日、日本の外務大臣河野太郎は、記者会見において台湾による日本産食品輸入規制について、規制緩和が住民投票で否決されてことに関して「また、TPPが年内に発効いたしますが、台湾からTPPへの参加への意思の表明をいただいていた中で、こういう事態になって、参加が出来ないということになるのは非常に残念に思っております。」と発言した[351]。
2020年11月16日、ロイター通信は、台湾の通商交渉官であるトウ振中・行政院政務委員(無任所大臣に相当)が、「環太平洋パートナーシップ協定参加に向け「比較的」順調な進展があったが、加入のルールが一段と明確になるのを待っていると明らかにした」と報じた[352]。
2020年12月14日、ロイター通信は、「台湾外交部(外務省)は、13日夜の声明で、CPTPPの申請前の既存メンバーと非公式協議を現在進めており、メンバー国の反応はかなりポジティブとの見方であり、全てのメンバー国との非公式協議が完了した段階で、参加申請を正式に提出すると述べた。」と報じた[353]。
2021年9月17日、台湾の王美華経済相は 、中国のCPTPP加盟正式申請を受けて、「台湾の加盟申請が影響を受けないことを期待して、加盟国のさらなる発展と反応に引き続き注意を払う」と述べた[354]。また「台湾は、在庫や規制の改正、市場開放など、CPTPPへの加盟に向けて多くの準備を行っていると述べ、加盟国との非公式協議を行っており、合意に達した時点で申請書を提出する予定」とも述べた[354]。
同月22日、同国がCPTPPへの加入申請を正式に提出した。先日の中国の加入申請に対抗したものである可能性が指摘されている[355] [356] [357]。この加入申請について、台湾の通信社の台北中央社の報道によると、9月23日に行政院(内閣)の鄧振中政務委員(無任所大臣に相当)兼行政院経済貿易交渉弁公室(OTN)の交渉代表は、記者会見で、加盟申請には「台湾、澎湖、金門、馬祖独立関税地域」の名義を用いたと説明し、台湾は同名義でWTOに加盟しており、物議を最小限に抑える狙いから同名義を選んだ」と述べた。またこのタイミングで加盟を申請した理由については、「台湾と密接な交流がある日本がTPPの今年の議長国を務めていることなどを挙げ、中国(の加盟申請)とは直接的な関連はない」と述べた[358]。
エクアドルの旗 エクアドル
2021年12月17日、エクアドルがCPTPPへの加盟を申請した。エクアドル外務省の公式ツイッターが17日付けで明らかしたもので、日本の日本経済新聞が12月29日に報道したところによれば、NZ外務貿易省は日本経済新聞に対し、「エクアドルから17日に正式な申請を受け取り、他の加盟国と共有した」と認めた[359]。
コスタリカの旗 コスタリカ
2021年6月13日、日本の日本経済新聞は、コスタリカのロドリゴ・チャベス大統領は、ロサンゼルスで日本経済新聞の取材に応じ、「環太平洋経済連携協定(TPP)への加盟をめざす」と明らかにした、報道した[360]。なお、この報道では、TPPとあるが、「2021年12月には南米エクアドルもTPPへの加盟を申請したと表明した。」と記事にあり、エクアドルが申請したのは、TPPではなく、CPTPPであるので、コスタリカについても、現在、未発効のTPPではなくCPTPPのことであると思われる。
2022年8月10日、コスタリカがCPTPPへの加盟の申請文書をニュージーランド政府に提出し、11日に受理された[361][362]。
ウルグアイの旗 ウルグアイ
2021年10月29日、日本の日本経済新聞は、ウルグアイのラカジェポー大統領は、都内で日本経済新聞の取材に応じ、「11月にも環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟申請を行う」と語った、と報道した[363]。なお、この報道では、TPPとあるが、「TPPへの加盟を巡っては英国に加え、中国や台湾が加盟を相次いで申請する」と記事にあり、英国、中国、台湾が申請したのは、TPPではなく、CPTPPであるので、ウルグアイについても、現在、未発効のTPPではなくCPTPPのことであると思われる。
2022年12月1日、ウルグアイがCPTPPへの加盟の申請文書をニュージーランド政府に提出し、受理された[364][365]。一方、ウルグアイと関税同盟である南部南部共同市場(メルコスル)を構成するブラジル、アルゼンチン、パラグアイの3カ国は、単独での他国との経済連携協定の締結は、メルコスルの規定に違反するとして反発した[365]。
TPPに関心を示した国・地域
大韓民国の旗 韓国
TPP参加に前向きな姿勢を見せていた[366]が、その後TPPへの参加が自国に不利に働くとみてアメリカとの二国間交渉に切り替え、米韓FTAで合意、妥結に至っている[367]。
2011年11月16日には、外交通商部が記者会見で、TPPは国益にならない、として正式に不参加の旨を明らかにした[368]。
2013年11月29日、ヒョン・オソク経済副首相兼企画財政相が「(韓国政府が)まず、TPP交渉に参加することへの関心を示し、交渉参加各国との2カ国間協議を行う必要がある」と述べ、日本などTPP交渉参加国と個別協議を行う方針を表明[369]。これに対して2014年3月13日、米政府高官は、米韓自由貿易協定の問題が解決されるまで、韓国がTPP交渉に参加することは歓迎されないとの見方を示した[370]。
CPTPP加入に関する、韓国政府の態度表明は、2018年4月5日に「新通商戦略」において、TPP11の加入について上半期中に結論を出すと発表されていたが[371]、実際には行われず、米国のTPP11再加入及び台湾・英国のTPP11加入の行方、米中貿易紛争、米国のイラン・トルコ経済制裁など、対外情勢に不確定な要素があるため、TPP11加入についての結論を上半期ではなく、2018年内に結論を出す予定となったとの報道もあったが[371]、2019年にいたっても決定がされず、加入促進論の半面で慎重論も根強く容易に意思決定できないジレンマに陥った状態となっている[372]。
2020年12月8日、韓国の文在寅大統領は、CPTPPについて「参加も検討していく」と述べ、前向きな姿勢を示したと発言した[373][374][375]と複数のメディアが伝えた。毎日新聞は、この報道のなかで、日本政府関係者の指摘として「中国や英国、タイ、台湾などTPP加入に関心を示す国・地域が増えたことが刺激になったのだろう[375]とも伝えた。
2021年9月30日、韓国産業通商資源部のヨ・ハング通商交渉本部長は、「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)関連専門家懇談会」で、「政府は協定への加盟を積極的に検討し、対内外の準備作業を滞りなく進めている」と述べたが、具体的な加盟申請の時期についは「国益の最大化という観点から協定加盟の可否と時期を決める」とし明言を避けた[376]
2021年12月13日午前、韓国の洪楠基経済副総理兼企画財政部長官は、政府ソウル庁舎で開かれた第226回対外経済長官会議においてCPTPP加盟に向けた準備を始めると明らかにした。今後国会での報告などを経て加盟申請する方針と報道されている[377][378][379]。
2021年12月15日、韓国の洪楠基経済副総理兼企画財政部長官は、外国メディア向けの記者会見でCPTPP加盟申請について、現政権の任期内(2022年5月)での加盟申請を目標として国内手続きを進める、と表明した[380][381]。日本経済新聞は、記事のなかで、「22年3月に大統領選挙が予定されており、TPP参加の是非を巡っても議論が交わされる見通し。現政権の思惑どおりに国内での合意形成が進むかは不透明な面も残る。[381]」と論評した。
2021年12月27日、韓国の洪楠基経済副総理兼企画財政部長官は、対外経済安保戦略会議の席上で、2022年4月にCPTPP加盟申請書の提出を目標に手続きを進めていく、と表明した[382][383]。その後、2022年5月の文在寅大統領の任期中の加盟申請は行われず、次の尹錫悦大統領は、加盟申請に向けた動きをしていない。
タイ王国の旗 タイ
2012年11月18日、首相のインラックは米大統領バラク・オバマとの会談後の会見でTPPへの参加を表明していた[384]。2014年5月のクーデターによりプラユット・チャンオチャが首相に就任した後、2018年3月29日にソムキット副首相(経済担当)は米国を除く11カ国による新協定「TPP11」の署名を受けて、参加表明した[385]。
2018年5月1日、タイのソムキット・チャトゥシピタク(英語版)副首相は、日本の茂木経済再生担当相との会談において、タイ政府がCPTPP早期加盟に向け準備をしていることを伝え、今後タイが他のCPTPP加盟国と協議するに当たって、日本からのサポートに期待を表明した[386]。
2019年3月2日、タイが3月中に環太平洋連携協定(TPP)への参加を申請する方針であると日本の共同通信が報道[387]した。報道によるち「タイ商業省のオラモン・サップタウィタム貿易交渉局長が2日までに共同通信に明らかにしたとなっている。日本の日本経済新聞も3月2日夕方の電子版[388]で同様の報道をしている。なお報道において「環太平洋連携協定(TPP)への参加」とあるが、日本経済新聞が「米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)」とあるようにCPTPPへの参加のことである。
2020年1月7日、日本の茂木外務大臣が、タイのプラユット首相兼国防大臣を表敬し、その際、TPP11について、プラユット首相から、「タイ国内での手続きを進めているところであり,タイ政府が参加を決定した際には日本に最初に伝達する」旨発言があった[389]。
2020年2月17日、タイのソムキット副首相と日本の西村経済再生担当大臣が会談を行った。その後の記者会見で西村大臣は「副首相からは、タイ国内において、TPP 加入に向けて4月頃にも正式な決定ができるよう前向きな調整を進めているというお話がありました。」と発言した[390]。
2020年4月28日、タイのバンコックポスト(電子版)は、アヌテイン副首相兼保健相が食料安全保障や医薬品へのアクセスが阻害されるとして,CPTPPへの新規加盟申請に反対し、閣議は分裂状態となっていると報じた[391][392]。この反対の後、閣議での結論は確認できないが、4月中の加盟申請は行われておらず、その後も5月13日の日本とタイの会談において検討中と、タイ側が発言していることから結論は出ていないと思われる。
2020年5月13日、タイのドーン・ポラマットウィナイ外務大臣と日本の茂木外務大臣が電話会談を行った。このなかで、TPP11協定について、ドーン大臣から「現在、タイ政府内で検討中であり、引き続き日本政府と連携していきたい。」との発言があった[393]。
2020年5月26日、ロイターの報道によれば、タイの内閣は、CPTPPへの加盟をめぐり、下院に検討委員会を設置することで合意した。政府スポークスマンは「委員会の結論は、内閣がCPTPPへの加盟を決定するのに役立つだろう。政府としては30日以内に全て完了させたいと考えている」と話した[394]。
2020年6月11日、日本経済新聞電子版は「タイの連立政権で国軍が後ろ盾の保守派が台頭し、環太平洋経済連携協定(TPP)参加が後退する可能性が出てきた」と報道した[395]。最大与党「国民国家の力党」内のポスト配分への不満で、党首選を実施されることになったが、その結果、CPTPP加盟を推進しているソムキット副首相派の閣僚は全員、更迭される可能性があるとするものでその場合は参加機運はしぼみかねないとするものである。
2020年6月12日のタイのバンコックポスト(電子版)は、「タイの下院が、49人の委員からなるCPTPPに加入した場合の費用対効果を検討する特別委員会の設置を決定した、検討期間は30日で、下部に種苗、公衆衛生と医薬品、貿易と投資の3分野を検討するサブグループを設置する。」と報じた[396]。5月末に報道されたものであるが、設置が6月12日となったことから検討終了が7月半ばとなり、内閣による加盟申請の是非の決定はその後になる。
2020年7月2日、タイのバンコックポスト(電子版)は、オーラモン・サプタウィツム貿易交渉局長の発言として「CPTPPへの加入について今年中に正式に申請することは難しいと」と報じた[152]。
2020年9月29日、日本経済新聞電子版は、タイのスパタナポン副首相兼エネルギー相へのインタビューとして、『TPPについて「ビジネスを広げたいのならば(参加手続きを)進めるべきだ」と言明した。だが、国会審議で利害関係者の意見を聞く必要があるとも述べた。』と報道した[397]。更に『スパタナポン氏は「(改造後の内閣の)経済チームのトップはプラユット首相だ」と指摘。自身は経済政策を統括していたソムキット前副首相の直接の後任でないとの立場を明らかにした。』とも報道した[397]。
2020年11月12日、タイの下院はCPTPPに加入した場合の費用対効果を検討する特別委員会がまとめた報告書を承認した。政府に提出し、新規加盟を目指す場合にはさらなる検討を求めることになる[398]。
2020年11月24日付タイのクルンテープ・トゥラキット紙が伝えるところによると、タイは23日の閣議においてCPTPPへの加盟交渉の実施判断に向けた関係機関の調整を30日以内に実施するようドーン副首相兼外相に指示すると決定した[399]。その後、2023年2月現在で、加盟申請に向けた動きはない。
インドネシアの旗 インドネシア
2011年の段階では、「自由化品目の割合が非常に高く、対象になった品目の関税撤廃を一気に進める」としてTPPに不参加の意向を明らかにしている[400]。
2015年10月、ジョコ・ウィドド大統領が、米国訪問時に参加の意向を表明した[401]。
2016年6月12日、日本経済新聞電子版は、『ユスフ・カラ副大統領は、日本訪問時における講演で、CPTPPについて「インドネシアは参加する意思がある」と明言した。』と報道した[402]。
フィリピンの旗 フィリピン
TPP交渉参加の意向を表明したことがある[403]。
2021年4月1日、日本経済新聞は、「フィリピンが将来の環太平洋経済連携協定への参加を視野に、調査を始めた。」と報じた。
コロンビア
TPP交渉参加の意向を表明したことがある[214]。
2018年6月15日、コロンビアのマリア・ロレーナ・グティエレス(スペイン語版)商業・産業・観光相がCPTPPに公式に加盟申請したことを明らかにした[404]。なお、コロンビアはCPTPPの寄託国のニュージーランドに公式に通知しているとしているが、CPTPPの発効の前のために、TPPの現参加国の見解では公式なものではないとしている[405]。
スイスの旗 スイス
2021年2月3日、スイスの連邦参事会(内閣)は、エリザベト・シュナイダー国民議会議員から、2020年12月2日に提出されたCPTPPへの加入の検討を求める質問趣意書に対する回答[406]において、CPTPPへの加入により、既存のFTA締結国におけるEUなどとの相対的な競争環境の劣化を克服するとともに、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、ベトナム、ブルネイなど、スイス(EFTAを含む)がFTAを締結していない国との自由貿易が実現、締約国間の輸出に関する規則を統一できるという利点もある一方で、特許申請後の猶予期間の扱い、地理的表示(GI)に関する制限や輸入国側による原産地証明の事後確認といった、スイス側が受け入れ難い規則が存在するとして、加入に否定的な見解を明らかにした[407]。
ウクライナ
2023年4月21日、ウクライナのタラス・カチカ通商代表はCPTPP[注釈 25]への加盟申請を行い、年内にも交渉が開始されることに期待すると表明した。環太平洋地域に領土を持たないウクライナの加盟が実現すれば、TPPの範囲は環太平洋の枠組みを大きく超えることになる[408]。』
フィリピンの軍事訓練義務化法案 大学生が反発
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB1126I0R10C23A5000000/
※ どこの国も、「少子化」だから、「軍隊」の頭数を揃えるのに、「四苦八苦」だ…。
『フィリピンで大学生の軍事訓練義務の復活が注目されている。マルコス大統領は中国との衝突の可能性に備えるため訓練を義務化する立法を目指すが、学生や大学関係者らは反発している。
フィリピンと中国の間で南シナ海を巡る緊張が高まるなか、政権は若者の軍事訓練が国の安全を守るために不可欠だとする。2022年7月、マルコス大統領は「国防の準備」のために予備役将校訓練課程(ROTC)を復活させると説明した。
RO…
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『ROTC法案は現在上院で審議中で、ロナルド・デラロサ上院議員とシャーウィン・ガチャリアン上院議員が主な支持者だ。同法案は高等教育を受ける学生に2年間の訓練を義務付ける。主に士官候補生が軍事的なサバイバルやリーダーシップのスキルを学ぶことを目的とする。訓練は週に1、2回で、ライフルの使い方や近接戦闘などを経験する。
デラロサ氏は声明で「我々の国は準備がなければ簡単に乗っ取られてしまう。戦争になるのを待つのではなく行動を起こそう」と呼びかけた。ROTCは3年間で10億9000万ドル(約1500億円)の予算を計画している。ガチャリアン上院議員が4月に委託した調査では約78%の回答者がROTCの復活に賛成した。
強制訓練に対する抵抗の背景には過去の事件がある。01年、ROTCの士官候補生だった聖トマス大の学生が、暴力と腐敗を暴露した数日後に殺害された。19年には別の学生が将校からいじめに遭い、殴られて死亡したとされる。
フィリピン大学の社会学教授であるサラ・レイムンド氏は、ROTCは中国への対抗ではなく「正当な反対意見」を封じるための軍拡の取り組みだという。青年活動家グループ「アナクバヤン」のジーン・ミランダ会長は「教室を増やして教育を向上させるのではなく、若者を弾圧する教育に力を注いでいる」と批判した。
聖トマス大学で学生会会長を務めるネイサン・アグスティン氏はROTCには暴力や虐待の危険性があると主張する。「学生が危険な目に遭うかもしれないと思うと、怖くて仕方がない」
(寄稿 マニラ=マイケル・ベルトラン)』
出光主導のベトナム製油所、停止の危機 債務交渉が難航
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM040HM0U3A500C2000000/

『【ハノイ=新田祐司】ベトナム最大の製油所で出光興産が主導する「ニソン製油所」が稼働停止の危機に直面している。ベトナム政府が運営会社の債務返済の延長案を認めず、11月にも銀行団への債務支払いが滞る懸念がある。資金が尽きて稼働が止まれば、国内はガソリン不足に陥る可能性が高い。出光などはベトナム政府との交渉や代替策の検討を急いでいる。
「日越両政府の一層の支援をお願いしたい」。ニソン製油所の運営会社ニ…
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『ニソン製油所の運営会社ニソン・リファイナリー・ペトロケミカル(NSRP)の長谷川聡社長は7日、現地を訪れた自民党の議員団に訴えた。
NSRPには出光とクウェート国際石油、ベトナム国営のペトロベトナム、三井化学が出資する。総投資額は90億ドル(約1兆2000億円)に達する、日本とベトナムの経済協力を象徴する大型プロジェクトだ。
2018年に北部タインホア省で稼働し、原油処理能力は1日20万バレル。国内で消費するガソリンなど石油製品の3〜4割を供給する。足元では設計能力を10%上回るフル稼働で操業しており、停止すれば深刻なガソリン不足に陥るのが必至だ。
NSRPが返済延長を模索するのは、日本政府系の国際協力銀行(JBIC)が筆頭の銀行団から借り入れたプロジェクトファイナンスだ。日本の3メガバンクも融資した。新型コロナウイルス禍で売上高が減るなか、運転資金を返済に回したため資金繰りが厳しくなった。
足元では需要は回復しているが、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油高で、原油の購入費が膨らむ。金利負担の上昇も見込まれ、資金繰りが一段と悪化している。
8月からの定期修理で収益途絶
NSRPは毎年5月と11月の2回に分けて債務を返済する。すでに5月分の3億7500万ドルは返済資金を確保したもようだ。ただ、8月には約2カ月間の定期修理に入る。修理期間は収益が途絶えるため、11月に迎える2億7700万ドルの返済は難しい状況だ。
資金繰りの悪化を見越し、NSRPと銀行団は債務再編案の調整を進めてきた。銀行団は約20億ドル分の返済期限を3年以上延長する案を示しているが、NSRP側のペトロベトナムが同意していない。監督官庁である商工省の同意が必要と主張するためだ。
債務再編には4株主の合意が必須だ。出光などはベトナム政府に書簡を送り同意を求めたが、政府は返済の延長案に後ろ向きで議論は進んでいない。日越関係や経済の混乱を考慮し、日本側が製油所を止められないと見透かしているようだ。
「混乱を政敵の失点につなげたい共産党内の思惑や、役人の責任逃れも背景にあるのでは」(関係者)との見方もある。
ベトナムにはニソンのほか、中部クアンガイ省にズンクアット製油所があり、2カ所で石油製品の国内需要の約7割を賄う。政府は外国企業が出資するニソンの「冷遇」とは対照的に、国営のペトロベトナムグループが運営するズンクアットで能力増強を進める。
チャン・ホン・ハー副首相が5日、ズンクアットの拡張計画を承認した。地元メディアによると12億5000万ドル余りを投じ、28年をめどに処理能力を16%増やす。ペトロベトナムには南部バリアブンタウ省でも製油所の新設計画がある。
ニソンを巡っては、以前から外資とベトナム政府側の足並みの乱れが続いてきた。22年も資金不足で高値の原油を調達できず、稼働停止の危機を迎えた。同年2月には50%減産に追い込まれ、ガソリン不足が発生した。
この時も、ペトロベトナムが運営資金の追加投入に難色を示したが、最終的には4株主の応分負担に同意して難を逃れた。経済への悪影響を懸念したとみられる。今回も、昨年と同様の経緯をたどる可能性はある。
首相が出資比率見直しに言及か
ベトナム政府の狙いが、ニソンの運営形態の変更にあるとの見方もある。業を煮やした出光やクウェートの出資分をペトロベトナムが引き受ければ、製油所をベトナム主体に衣替えできる。
23年1月にファム・ミン・チン首相はハノイを訪問した鈴木俊一財務相と面会し、出資比率の見直しに言及したという。
出光が社運を賭けて挑んだプロジェクトは、ベトナム政府の後ろ盾と経済成長によるガソリン需要の伸長で盤石なはずだった。実際には共産党との関係構築や意思決定の不透明さに振り回され、900億円超の損失計上を余儀なくされた。
日越合作の看板事業でのつまずきは、日本企業にベトナムのカントリーリスクを再認識させる機会になりそうだ。』
カンボジア、フン・セン首相長男出馬へ 世襲に現実味
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0311I0T00C23A4000000/
※ いよいよ、フン・マネト氏が登場か…。
※ 親父のフン・セン氏は、「世襲のどこが悪い?日本でも、安倍家は、三代世襲と言うじゃないか。」と言ってた人物だからな…。
※ 日本の場合は、「ジバン・カンバン・カバン」とは言え、キチンと「(一応)公正な選挙の洗礼」受けた上での話しだからな…。
※ 各国から「選挙監視団」送り込まれた環境での「選挙」とは、「基盤」が違っている…。

『【ハノイ=新田祐司】カンボジアで7月23日に実施される国民議会議員選挙(下院選)に、フン・セン首相の長男のフン・マネット陸軍司令官が出馬する。与党「カンボジア人民党」が大勝する可能性が高く、38年間にわたって政権を握るフン・セン氏から長男へ国のトップの世襲が現実味を帯びてきた。
カンボジア国会は上院と国民議会(下院)の二院制で、下院選は5年に1回。定数は125人で、下院議員から首相を選出する。2…
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『2018年の前回選挙では、フン・セン氏率いる人民党が全125議席を独占し、独裁政権を強化していた。
7月の選挙に、フン・マネット氏は首都プノンペンの選挙区から出馬する。下院選は拘束名簿式の比例代表制で、名簿1位のフン・マネット氏の当選は確実な情勢だ。父のフン・セン氏は首都近郊のカンダル州から出馬する。
人民党が下院選に大勝すれば、早ければ9月ごろの国会でフン・マネット氏を次期首相に選出する可能性がある。ただ、フン・マネット氏は政治経験に乏しいため、24年以降に首相に就くとの見方もある。フン・セン氏も党や議会の要職に就いて政権への影響力を維持する可能性がある。
選管当局は15日、候補者名簿が登録要件を満たしていなかったとの理由で有力野党「キャンドルライト党」の立候補者登録を拒否した。憲法審議会に諮る構えの同党に、フン・セン氏は逮捕もちらつかせる。
17年には裁判所が当時の最大野党「カンボジア救国党」に解散を命じ、翌年の下院選で人民党が大勝する布石になっていた。弾圧にためらいはない。
フン・セン氏は2010年代から、中国の援助でインフラ整備を加速させてきた。タイ湾入り口の要衝にある南部リアムの海軍基地は、中国政府の支援で大型艦船の入港も可能にする拡張工事が進んでいる。軍事利用されれば、中国人民解放軍にとってアフリカ東部ジブチに次ぐ2カ所目の国外基地となる可能性をはらむ。
カンボジアは16年に中国人民解放軍との合同軍事演習を始めた一方、米軍との軍事演習は16年が最後。米国主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」にも参加していない。対米では強気が目立ったフン・セン氏だが、米国の陸軍士官学校を卒業したフン・マネット氏は親米派との声もある。中国寄りの外交姿勢まで父の路線を踏襲するかについては見方が分かれている。』
ウクライナ停戦、新興国が仲介役に インドネシア大教授
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM141I00U3A510C2000000/
『9日から広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)は2023年の東南アジア諸国連合(ASEAN)議長国のインドネシアが参加する。国際法が専門で日本外交に詳しいヒクマハント・ユワナ国立インドネシア大教授に新興・途上国の役割などを聞いた。
国立インドネシア大のヒクマハント・ユワナ教授
――世界経済におけるG7の影響力は低下しています。
「G7の衰えに議論の余地はない。これまでのように自分たちが主導してG7以外の国々の行く末を決めたいのか、G7以外の国々と協力していきたいのかが、いま問われている」
「協力とは新興国や途上国の声を聞くことを意味する。その場としてG7サミットは重要な役割を果たしうる」
――G7はウクライナ問題でグローバルサウス(南半球を中心とした新興・途上国)から協力を引きだそうとしています。
「インドネシアを含めて大半の新興国や途上国はロシア側にもウクライナ側にも立たず、ただ『戦争をやめてほしい』との立場をとっていることを理解する必要がある。食料やエネルギーなど幅広い分野で影響を受けているからだ」
「停戦という観点では、新興国が仲介役を果たしやすい。ロシアもウクライナも『降伏した』と認めたくない。第三国が調整すれば、双方に配慮できる。問題はG7がそうした権限を新興国に与えられるかどうかだ」
――G7がグローバルサウスへの関与を強めるには何が重要ですか。
「各国は経済などの分野で戦略に基づいて取り組んでおり、G7は理解し協力する必要がある」
「例えばインドネシアのジョコ大統領は10〜11日に開いたASEAN首脳会議の内容をサミットで報告するだろう。会議では多くの成果文書を発表し協力が必要な課題を明示した」
「G7がグローバルサウスの取り組みを受け入れることは地球規模の課題を解決するためにも重要だ。G7が主導すれば中国やロシアは賛同しにくい」
――グローバルサウスがG7に期待することはありますか。
「G7は伝統的に軍事分野で強い。中国と経済的な結びつきは深い一方、中国の軍事拡張をこころよく思っていない新興・途上国は少なくない。グローバルサウスはG7に中国との軍事バランスを保つ役目を果たしてほしいはずだ」
「もう1つは技術移転だ。グローバルサウスは人口が増加し、優秀な人材にあふれるが、重要な技術はまだG7にある。中国やロシアも競争力をつけているものの、G7ほどの信頼性はない。信頼できる技術を持つG7はなお有利だ」
――開催地の広島は原爆が投下された都市です。
「各国首脳に核戦争はあってはならないと改めて思い起こさせるだろう。現在の核兵器は広島で使用された原爆よりはるかに進歩していることを考えただけでもそうだ」
(聞き手はジャカルタ=地曳航也)』
トルコ決選投票、エルドアン氏有利か 極右票の行方カギ
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR1650D0W3A510C2000000/

『【イスタンブール=木寺もも子】14日投開票のトルコ大統領選で、現職エルドアン大統領の票は過半数に及ばなかったものの、優勢を維持した。野党は大都市部で票を伸ばしたが、期待ほどの「反エルドアン票」は集められなかった。28日の決選投票はエルドアン氏有利との見方があり、野党は逆転に向けて新たな戦略を打ち出せるかが問われる。5%を獲得した極右候補の票の行方がカギを握る。
「14日に達成した成功をさらに大き…
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『「14日に達成した成功をさらに大きな勝利にする時だ」。16日、ツイッターに投稿したエルドアン氏は28日の決選投票に自信を示した。結果が確定する前の15日未明も、首都アンカラの与党本部前に集まった群衆に合わせて歌い出すほど上機嫌だった。
【関連記事】トルコ大統領選、決選投票へ エルドアン氏過半数届かず
14日の投票前に行われた世論調査はエルドアン氏の劣勢を示すものが大半で、一部では決選投票を待たずに野党候補クルチダルオール氏が勝利するとの観測もあった。だが、フタを開ければ得票率はエルドアン氏の49.5%に対し、クルチダルオール氏は44.9%で及ばなかった。
政治リスク調査会社ユーラシア・グループのエムレ・ペケル欧州部長は「世論調査には都市部の声が過大に反映され、民族主義者や宗教右派の声が拾いきれなかった可能性がある」と指摘する。同社は決選投票でエルドアン氏が当選する確率が8割とみる。
実際、前回の2018年選挙でエルドアン氏が50%以上を獲得した最大都市イスタンブールやアンカラでは今回、クルチダルオール氏が首位を取った。一方、保守的な中部の多くの県ではエルドアン氏が得票率を落としつつも首位を維持した。2月に起きた地震の被災地でも同様の傾向がみられた。
政教分離の世俗主義を掲げるクルチダルオール氏の野党に対し、エルドアン氏はイスラム教の価値観を重視する。かつて公共の場で禁止されていたスカーフの着用を認めたのもエルドアン氏で、保守的なイスラム教徒の支持は根強い。
「娘はかつらで大学に通い、私は卒業式にも行けなかった。経済がどうだろうとエルドアン氏に付いていく」。髪をさらさないため、スカーフをかぶってエルドアン氏の選挙集会に参加した50代の女性は取材にこう語った。
一方、予想を上回る5%超の票を集めたのが3位のオアン氏だった。民族主義、反難民の極右だが、世俗主義を支持する点でエルドアン氏と相いれない。エルドアン氏、クルチダルオール氏のいずれも支持したくない人の受け皿になったもようだ。
クルチダルオール氏の逆転勝利には、オアン氏に投票した層の取り込みが欠かせない。オアン氏は決選投票での態度をこれから決めるとしているが、クルチダルオール氏については、少数民族のクルド系政党との協力関係を問題視する。オアン氏はロイター通信の取材にクルド系政党への譲歩を一切しないことが支持の条件になるとの考えを示した。
全国で約1割の支持率を持つクルド系政党は今回、6党による野党連合には加わらないものの、クルチダルオール氏の支持を表明した。ただ、民族主義者を中心にクルド系政党に対する拒否感は強く、野党連合にとって協力はもろ刃の剣でもあった。
エルドアン氏はこのクルド系政党と非合法組織のクルド労働者党(PKK)を同一視する。選挙戦ではエルドアン氏陣営がPKKのテロリストがクルチダルオール氏を支持するとされる真偽不明の映像を使ってまで民族主義的な感情に訴えた。
左派から右派までが並ぶ野党6党は「反エルドアン」で結集し、クルチダルオール氏を統一候補にしたが、それでも及ばなかった。同氏は16日、エルドアン氏が過半数に達しなかったことを念頭に「変革を望む人のほうがそうでない人より多いことが明らかになった。しかし我々はもっと頑張らなければいけないことも明らかになった」とツイートした。
シンクタンクSETAのクルチ・カナト氏は15日、「野党は決選投票に向けて新たな戦略が必要になる」と指摘した。
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上野泰也
みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
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ひとこと解説 現職エルドアン候補が決選投票で勝利する可能性が高いと金融市場はみている。記事にもある通り、野党のクルチダルオール候補が逆転勝利するには、初回の投票で第3位になったオアン候補の票が決選投票で大挙して流れてくることが必要。だが、そのハードルはかなり高い。オアン氏が16日に朝日新聞の取材に応じた内容が報じられている。それによると、「我々は『キングメーカー』だ」と述べたオアン氏は、数日以内に支持候補を決めると表明。「野党側と協力関係にある少数民族のクルド系政党の扱いなどが、判断の条件になると明らかにした」という。仮にクルチダルオール候補がオアン氏の要求に応じてクルド系政党と手を切ると、支持票が減る。
2023年5月17日 8:06 』