投稿者: http476386114
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郵政上場、そのスケールと稼ぐ力
https://vdata.nikkei.com/prj2/jppreport/
















『 2015年10月30日 公開 2015年11月4日 更新
日本郵政グループ3社が11月4日、株式を同時上場した。持株会社の日本郵政の株式を政府が、金融子会社のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の株式を日本郵政が市場に放出する親子同時上場だ。郵政民営化法が2005年に成立してから10年が経過し、ようやく上場という民営化の節目を迎えた。
郵便、銀行、保険の事業規模はいずれも民間のライバルを大きく引き離し、総資産295兆円を誇る日本最大の企業グループだ。郵便物を中心に年間220億の荷物を運び、貯金と保険契約を合わせると200兆円を上回り日本の個人金融資産約1700兆円の1割超を握る。大型上場案件として金融市場も注目する巨大組織の実態をデータでひもとく。
日本郵政グループ日本郵便 ゆうちょ銀行 かんぽ生命
(2015年3月期)
1,真っ赤に染まる日本地図 2,「子」頼みの収益構造 3,市場が期待する大型上場 4,赤字の郵便・物流、海外に活路 5,金融、競合より高い配当利回り 6,隠れた不動産長者 7,民営化の経緯を振り返る 8,ライバル、ヤマト社長の見方
1,真っ赤に染まる日本地図
全国に張り巡らされた郵便局網で郵便・物流、銀行、保険のサービスを提供する日本郵政グループ。9月30日時点の郵便局2万4153局の実際の住所データをもとに、コーポレートカラーの赤い点をプロットしたのが下のイラストだ。郵便局の所在地を印すだけで詳細な日本地図が浮かび上がる。銀行最大手の三菱東京UFJ銀行の支店数とは桁違いなうえ、コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブンをも6000店上回る。圧倒的なネットワークが郵政グループの特徴だ。
セブン-イレブンより多い郵便局
郵便局が全国あまねく立地しているのは法律上の義務があるからだ。郵便、銀行、保険を全国一律に利用できるユニバーサルサービスを確保するため、郵政民営化法は「将来にわたり」ネットワークを維持することを求めている。
ただ、サービス維持のコストは軽くない。総務省の審議会資料によると、郵便業務では約8割の赤字地域のコストを約2割の黒字地域の利益でまかなっている。不採算でも事業継続が義務付けられている一方、上場を機に収益重視の姿勢が今まで以上に求められる。グループ最大の特徴であるネットワークをどう収益に結びつけるのか、難しい課題と向き合うことになる。
トヨタ、日立に次ぐ従業員数
(期末従業員数と平均臨時従業員数の合計)
nikkei-ValueSearch2,「子」頼みの収益構造
日本郵政の収益はゆうちょ・かんぽが支え
日本郵政のオモテの顔は郵便局ネットワークだが、収益の実態は子会社の金融2社に依存している。2015年3月期で売上高に相当する日本郵政の連結経常収益14兆円あまりのうち、大半をゆうちょ銀行とかんぽ生命保険が稼ぎ出す。約4800億円の純利益も同様だ。
経常収益
純利益日本郵便 ゆうちょ銀行 かんぽ生命 日本郵政
2011年3月期2012年3月期2013年3月期2014年3月期2015年3月期 024681012141618兆円
グループ3社の上場後も日本郵政の100%子会社として残り続ける日本郵便は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命から「窓口業務手数料」として毎年1兆円規模の支払いを受けている。ユニバーサルサービスの義務を負う日本郵便は高コスト体質から抜け出せず、金融2社からの手数料収入がなければ立ちゆかない。上場する金融2社にしてみれば、サービス維持のためのコスト負担が自らの成長への制約になりかねない。実質的に子が親を支える構図がいつまで続くのか、上場後の焦点のひとつだ。
上場後の株式売却はどう進む?
11月の上場を機に日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の株式のそれぞれ11%が投資家に売却される。また、日本郵政は金融2社の株式の売却資金を元手に最大7309億円の自社株を政府から取得する。
法律上は、政府が保有する日本郵政株は1/3超まで早期に売却し、日本郵政が保有する金融2社の株式は全株式の早期処分が規定されている。ただ、具体的な売却時期は定まっておらず、日本郵政は金融2社の株式を当面は50%まで段階的に売却する方針を示している。
3,市場が期待する大型上場同時上場の日本郵政グループ3社の売り出し価格は、いずれも仮条件の上限で決まり、投資家の期待の高さを映し出した。3社合計の資金調達額は1兆4362億円に達し、新規株式公開(IPO)では1987年上場のNTT、98年上場のNTTドコモに次ぐ歴代3位の大型上場となる。
歴代の大型上場 調達額ランキング
もっとも、調達資金は郵政グループの成長には向かわない。日本郵政株の売却資金が政府の手に入るだけでなく、日本郵政が金融2社株の売却で得る資金も政府からの自社株取得にあてられる。将来の売り出しも含めて、市場から調達する資金の約4兆円は東日本大震災の復興財源にあてることが決まっている。
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NTT
NTTドコモ
JR東日本
JR東海
JT
06121824上場後経過年数-100-50050100150200250300350400450500株価騰落率 (%)NTTNTTドコモJR東日本JR東海JT
主な大型上場銘柄の株価推移
nikkei-ValueSearch
大型上場銘柄の上場後の株価は?これまでの民営化に伴う大型上場銘柄を振り返ると、NTTは上場直後こそ初値を上回って推移したものの、バブル崩壊後は水面下に沈んだ状態が続く。上場後も中長期的に好調な株価水準を維持しているJTやJR東海は、積極的な海外企業の買収やリニア中央新幹線計画など成長戦略が評価された結果と言える。日本郵政グループも国内中心の既存事業の拡大が見込みにくい中で、投資家を納得させられる成長シナリオを描けるのだろうか。
4,赤字の郵便・物流、海外に活路日本郵便は売上高こそヤマトホールディングスやSGホールディングスを圧倒するが、稼ぐ力は大きく見劣りする。主力である郵便・物流事業は2015年3月期が営業赤字で足を引っ張る。
宅配便はネット通販の拡大で需要が膨らむが、競争環境が厳しくなっている。日本郵便の「ゆうパック」は積極攻勢でシェアを伸ばし、15年3月期は13.6%と前の期から1.7ポイント上昇した。取扱個数を増やすものの、運賃の下落圧力が強く、人件費をはじめとするコスト増も重しになる。ハガキや手紙といった「一般信書」を扱う郵便はユニバーサルサービスを義務付けられ、日本郵便が手がけるが減収を避けられない。カタログなどを扱う「メール便」は右肩上がりで、日本郵便は61.5%のシェアを握り強みとする。
物流事業の成長戦略では、海外でのM&A(合併・買収)を掲げる。今年5月、豪物流大手のトール・ホールディングスを6000億円強で買収した。国内を基盤とする収益構造からの脱却が、今後の収益性を左右する。
legend
日本郵便、メール便で圧倒5,金融、競合より高い配当利回り
日本郵政グループの収益を支える金融事業。ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の上場時の売り出し価格はともに仮条件の上限で決まり、投資家の需要の強さを見せつけた。投資先としては競合よりも高い配当利回りが魅力の一つだが、収益力などには課題もある。
legend
ゆうちょ銀は割安な高配当銘柄 nikkei-ValueSearch
ゆうちょ銀、収益性に見劣り売り出し価格から算出したゆうちょ銀の時価総額は6.5兆円と、三井住友フィナンシャルグループと同水準だ。株価が割高か割安かをみるPBR(株価純資産倍率)はメガバンクよりも低く、割安感があると言える。年換算した予想配当利回りはメガバンクよりやや高い3.45%。割安感と配当で投資家を引きつける。
課題は収益力だ。ゆうちょ銀の預金残高は177兆円と三菱UFJの153兆円(連結)を上回る規模だが、純利益額は大きく見劣りしている。その理由は資産の中身にある。
企業名 時価総額 純利益 ROE
(%) 予想利回り
(%) PBR
(倍)
ゆうちょ銀行 6.53兆円 3694億円 3.2 3.4 0.47
三菱UFJ 11.04兆円 10338億円 7.3 2.3 0.70
三井住友 6.82兆円 7536億円 9.3 3.1 0.73
みずほ 6.12兆円 6119億円 8.4 3.0 0.74ゆうちょ銀行は売り出し価格、他社は10月28日時点の株価で計算。純利益、ROEは前期末。
ゆうちょ銀の資産の半分は国債(2015年3月期)
nikkei-ValueSearch資産の半分、国債が占める
三菱UFJは資産の約4割を貸出金に振り向けているのに対し、ゆうちょ銀は資産の半分が国債を占め、貸出金はほとんどない。郵政民営化法によって貸し付けを含む新規業務への参入が制限されているためだ。当面は国債中心の運用から外国証券などに資産を分散しながら収益の積み上げを目指していくことになる。
カギを握るのが、ゴールドマン・サックス証券や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などから続々と引き入れている運用担当の幹部たち。その運用資金の大きさゆえに市場で「巨鯨」と呼ばれるゆうちょ銀行の一手に注目が集まっている。
安定配当のかんぽ生命だが・・・かんぽ生命も予想配当利回りが2%台半ばと競合に比べて相対的に高い。中期経営計画でも配当性向30~50%を目標に掲げており、安定的な配当が投資家を集めそうだ。かんぽ生命の売上高にあたる保険料収入は5.9兆円と第一生命の5.4兆円を上回る。財務の健全性を示すソルベンシーマージン比率も1644%と競合より高く、経営は安定している。
それでも過去の契約が徐々に満了を迎え、かんぽ生命の保有契約件数は減少傾向にある。人口減少で国内市場が縮小するなか、競合の第一生命などの民間大手は海外生保の買収に打って出ている。一方、かんぽ生命は郵政民営化法の縛りで子会社保有は規制されており、急激な成長は見込みにくい。
legend
かんぽ生命は規模が大きく、配当が安定しているが・・・ nikkei-ValueSearch企業名 時価総額 保険料収入 ROE
(%) 予想利回り
(%) PBR
(倍)
かんぽ生命 1.32兆円 5.96兆円 4.6 2.5 0.67
第一生命 2.50兆円 5.43兆円 5.2 1.7 0.68
T&D 1.09兆円 1.96兆円 8.0 1.6 0.77かんぽ生命は売り出し価格、他社は10月28日時点の株価で計算。保険料収入、ROEは前期末。
6,隠れた不動産長者
日本郵便、メール便で圧倒 nikkei-ValueSearch
土地所有額は上場企業で6番目上場企業の土地保有額をランキングしたところ、日本郵政は三井不動産に次ぐ第6位にランクインした。日本郵政が保有する土地約1.5兆円のうち、大半の約1.2兆円を日本郵便が持つ。郵便事業は歴史的に鉄道輸送網に支えられていたこともあり、主要ターミナル駅前の一等地に郵便局として利用してきた優良な不動産を抱えているためだ。
2012年に竣工した東京駅前の「JPタワー」を手始めに、日本郵政は不動産の再開発に力を入れている。15年11月には名古屋駅前に複合ビル「JPタワー名古屋」が竣工し、16年春には大型商業施設「KITTE博多」が開業予定だ。日本郵政の中期経営計画では不動産事業の収益を18年3月期に250億円へと倍増(14年3月期比)させ、安定的な収益源にする狙いがある。
7,民営化の経緯を振り返る
西室社長
「民営化の本当の意味での第一歩がようやく始まった」。日本郵政の西室泰三社長は上場計画を発表した2014年末の記者会見でこう語った。小泉純一郎内閣のもとで郵政民営化法が成立してから10年、上場までの道のりがこれほど長引いたのは、不安定な政治情勢に翻弄されてきたためだ。紆余曲折を経た民営化の歩みを振り返る。
2001年 4月 郵政事業の民営化を持論とする小泉純一郎内閣が発足
2003年 4月 日本郵政公社が発足。初代総裁に生田正治・元商船三井会長
2005年 8月 郵政民営化法案が参院で否決、直後に小泉首相が衆院を解散。いわゆる「郵政解散」
9月 衆院選で自民党が圧勝
10月 郵政民営化法が成立
2007年 10月 日本郵政グループが発足。初代社長に西川善文・元三井住友銀行頭取
2009年 8月 衆院選で民主党が圧勝し、第1党に
9月 民主・社民・国民新党の連立内閣として鳩山由紀夫内閣が発足。民営化に反対する亀井静香氏が郵政・金融担当相として入閣
10月 民営化を巡る政府との路線対立で西川氏が辞任。後任社長に斎藤次郎・元大蔵次官
12月 日本郵政グループの株式売却凍結法が成立
2011年 3月 東日本大震災
11月 震災復興財源確保法が成立。日本郵政株式の処分が盛り込まれる
2012年 4月 改正郵政民営化法が成立。株式売却凍結法は廃止に
10月 郵便局会社と郵便事業会社が統合し、日本郵便に
12月 衆院選で自民党が圧勝
政権交代期に斎藤氏が退任し、後任社長として財務省出身の坂篤郎副社長が昇格
第2次安倍晋三内閣が発足
2013年 6月 坂氏が事実上更迭され、後任社長に西室泰三・元東芝会長が就任
2014年 12月 日本郵政がゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を含む親子3社同時上場計画を発表
2015年 11月 日本郵政グループ3社が上場8,ライバルはこう見る
ヤマト運輸社長
ヤマトホールディングス・山内雅喜社長「脅威となる存在。公平公正な競争を求める」
――ライバルである日本郵便を傘下に持つ日本郵政が上場する。
「日本郵便が持つ配送網の潜在力が大きく、経営強化に動いており脅威となる存在だ。競争が厳しくなるのは当然の流れで、我々としては挑戦を受けて立つ。株式上場をきっかけにし、健全な競争環境が実現されるのであればプラスになる。株主を含め市場の目から同じようにチェックされる立場となり、社会が利便性に向かう方向でサービス提供していければ望ましい」――上場を控えて、ハガキや手紙を届ける「信書」を扱う郵便のユニバーサルサービスに対して、9月にヤマトとしての主張を公表した。
「全国一律のユニバーサルサービスを維持するため、固定資産税の軽減といった優遇措置は最小限であるべき。上場のタイミングで縮小されるというのであれば理解できる。郵便事業だけに限れば黒字を確保しており、赤字である貨物事業を補っている収益構造がある。ユニバーサルサービスは信書だけが対象であるはず。公平公正な競争条件(イコールフッテイング)が整ってこそ、民間事業者も含めて良い商品が生まれる」――信書問題を巡って、「メール便」を今年3月に廃止した。
「信書が『メール便』に交じってしまい、利用者が罰則を科されるリスクをのぞくことを優先した。個人向けをやめて、事前契約による企業向けに限定したサービスに衣替えした。個人の秘密は守られるべきであるが、デジタルでの情報のやり取りが主流になるなかで拡大解釈されている側面がある。内容ではなく、サイズなど見た目で分かる外形標準の導入を訴えてきた。今回のメール便事業の見直しは、株式上場を見すえて改めて問題を提起する狙いがあった」――物流業界全体では輸送力不足を懸念される。
「少子高齢化に加えて、荷物が小口化して配送頻度が増すなかで、物流業界として能力が追いつけるのかという議論がある。国内の通信業界での民営化の流れを振り返れば、社会インフラや技術が開放されて多様なサービスが生まれてきた。全国に広がる郵便局、幹線輸送網を今から築き上げるのは難しく、地方の人口密度が低いエリアで共有する考え方があってもいい」
「破損なく、時間通りに届けるという従来通りの品質に加えて、さらに高度な輸送が競争力を左右する時代になる。金融、IT(情報技術)を組み合わせた機能を求められる。IoT(インターネット・オブ・シングス)の考え方が広がれば、モノが自動で発注・生産されて、それにあわせて部品や製品が動くようになる。国内にとどまらず、国境をまたいだ輸送網を整える必要がある。そうした面で、我々は一歩先を進んでいる」取材・制作
牛込 俊介、森園泰寛、松本千恵、安田 翔平データ出典
日経バリューサーチ(従業員ランキング、大型上場銘柄の株価推移、競合比較・金融編、土地所有ランキング)
野村証券(資金調達額ランキング)
その他各社資料より作成nikkei-ValueSearch
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郵政社長、郵便局網「整理が必要」 統廃合の検討表明 』 -
日本郵政、郵便局の統廃合検討 増田社長「整理が必要」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA110UZ0R10C23A5000000/
『日本郵政の増田寛也社長は日本経済新聞のインタビューで、約2万4000カ所ある郵便局に関し2040年ごろをめどに「整理が必要になる」と述べた。郵便物や人口が減る中で、全国一律での提供が求められる郵便などの「ユニバーサルサービス」のあり方を模索する。
NIKKEI Financial にインタビューの詳細を掲載
日本郵政増田社長「できることはどんどんやる」
https://financial.nikkei.com/article/DGXZQOUA077DQ0X00C23A4000000?s=1…この記事は有料会員限定です。登録すると続きをお読みいただけます。』
『日本郵政は郵政民営化で07年に発足した。国内の郵便局はその際から250ほどしか減っていない。郵便物などの取扱数はインターネットの広がりなどで、ピーク時の01年度の267億通から22年度は185億通と3割減った。
日本郵便の業績も低迷する。連結営業利益はピークの19年3月期に比べ、22年3月期は19%減り、1482億円になった。
郵政民営化法は日本郵政に対し、郵便や金融について郵便局を窓口とし全国一律・同水準のユニバーサルサービスの提供を義務付けている。
地方を中心に郵便局の減少に慎重な政治圧力もあり、日本郵政は本格的な統廃合の可能性に言及してこなかった。
増田氏は抜本的な統廃合を検討する意向を示した。「銀座など都心では賃料などのコストがかなり高いところがある。地方だけでなく都心も整理しなければならない」と語った。
統廃合の時期は「40年が一つのタイミングになる」と述べ、30年代後半から本格検討が必要との認識を示した。「ユニバーサルサービスの水準は維持した上で、新たな形でサービス改善を実感してもらう」と強調した。
コンビニエンスストアのように郵便局での物販を強化したり、自動運転やドローンなどのデジタル化で物流業務の効率を高めたりすることを想定する。店舗や銀行が少ない地域で郵便局がなくなると反発が出る可能性もある。増田氏は「政府や自治体、地域代表の政治家が議論して考えていく必要がある」と提起した。
見直し表明の背景にあるのは日本郵政グループの収益構造のいびつさだ。日本郵政の22年3月期の連結経常利益9914億円の85%はゆうちょ銀行とかんぽ生命保険によるものだ。
金融2社は日本郵便に対し、預貯金や保険販売などの業務委託費を払うほか、郵便のネットワーク維持を名目とした「交付金」を負担している。22年3月期のこれらの支払いは8000億円を超えた。
日本郵政はかんぽ商品の不適切な販売の問題などを受け、増田氏のもとで再建中だ。これまでのところ大胆なコスト削減や、新たな成長の柱の確立はできていない。
海外では物流・郵政の民営化が着実に進む例もある。独ドイツポストは民営化を経て、2000年に株式を上場した。02年には世界的な物流大手のDHLインターナショナルを完全子会社化するなどM&A(合併・買収)をテコに成長している。
日本郵政も26年3月期までの中期経営計画に戦略的なIT(情報技術)に4300億円程度、不動産に5000億円程度を投資すると盛り込んだ。M&Aなどにも最大1兆円程度を投じる方針だ。増田氏は「成長に向けては自前主義ではない」と明言し、業種を超えた提携や出資に意欲を示す。
郵政民営化から10月で16年になる。ユニバーサルサービスの一つの固定電話がかつて事業の主体だったNTTはインターネットのネットワークなどに軸足を移してきた。郵政と同様に金融で稼ぐ収益を実業に回してきた各地の農協も統廃合が進む。競争環境の変化や、人口減少を見据えた改革が日本郵政にも必要になっている。
増田氏は聖域となっていた分野の改革に着手すると踏み込んだ。実現すれば大きな転換となる。中長期の課題となるだけに改革を着実に進めるしかけも重要になる。
【関連記事】ユニバーサルサービスとは 郵政民営化法で義務付け 』
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日銀、国債補完供給の品貸料引き上げ 空売り抑え取引円滑化狙う
https://jp.reuters.com/article/boj-10-year-idJPKBN2UQ0JW※ 今日は、こんな所で…。
※ 直接には、コレが「引き金」だろう…。
※ まあ、「天下の日銀様」に逆らって、無事でいられるヘッジファンドは、いないと思うが…。
※ そもそも、「他国の通貨」に「空売り」仕掛けて、儲けようとか、「フテー話し」だ…。
※ 返り討ちにあって、「いい気味」だ…。
※ 全く、同情する気には、ならんな…。
※ ちょっと説明を、加えておく…。
※ 日本国債の「空売り」を仕掛けようにも、かたっぱしから「日銀様」が「買い上げて」しまわれるんで、「市場に」「タマ」自体が出回らない状況になっている…。
※ そこで、「編み出した」のが、「賃貸料」を支払って、「国債の入札」に参加している「国内の金融機関勢」から、「借りる」という手法だ…。
※ 「借りて」「空売り(先行き、売りポジションを取る)」するというわけだな…。
※ しかーし、「日銀様」が「お怒り」になられて、その「借りる際の賃料」を引き上げることにするという「お達し」を、発令されたのじゃー…。※ それで、空売りのコストが、「利益」に見合わなくなって、投げ売り・撤退するヘッジファンドが続出し、「がん首並べて」討ち取られ―…。
※ 大体、そーゆー話し…。
『2023年2月16日5:30 午後Updated 3ヶ月前
[東京 16日 ロイター] – 日銀は16日、10年物国債のカレント3銘柄のうち、レポ市場で長期にわたり需給が逼迫する懸念がある銘柄を対象に、国債補完供給における最低品貸料を引き上げると発表した。日銀は国債補完供給が本来の制度趣旨から外れて利用が膨らみ、空売り圧力が高まっていることを懸念。国債補完供給の使い勝手を悪くすることで空売り圧力を抑え、円滑な市場取引の確保を目指す。
2月16日、日銀は10年物国債のカレント3銘柄のうち、レポ市場で長期にわたり需給が逼迫する懸念がある銘柄を対象に、国債補完供給について最低品貸料を見直すと発表した。写真は2013年2月、都内で撮影(2023年 ロイター/Shohei Miyano)
最低品貸料を従来の0.25%から原則として1.0%に引き上げる。2月27日以降のオペに適用する。同措置を講じる銘柄については、特に必要と認める場合、銘柄別の売却上限額を「日銀の保有残高の100%」から引き下げる。売却上限額を引き下げた銘柄については、原則として午後の国債補完供給のオファーを行わない。
また、これらの措置を講じる銘柄については、国債市場における利回り水準が0.5%に達しないと見込まれる場合には、連続指し値オペの対象としないことがあり得るとした。
<日銀、国債補完供給の利用で「大規模な空売り」懸念>
国債補完供給は本来、市場の流動性を確保する観点から国債を一時的かつ補完的に供給するものだが、日銀の国債買い入れで流動性が落ちる中、足元では10年物カレント銘柄の一部で利用が膨らんでいた。16日の国債補完供給オペでは、カレント銘柄の367回債で1兆2553億円、368回債で8082億円の利用があった。
大和総研・金融調査部の中村文香研究員は「国債補完供給オペが使いやすいために国債の空売りがしやすくなり、そうすると金利上昇圧力が高まって日銀がまた買い入れなければならないという悪循環に陥っていた」と指摘。今回の最低品貸料の引き上げはこうした悪循環を断つことを狙ったものだと話す。
日銀は「国債補完供給を長期にわたって継続的に利用することを前提とした大規模な空売りが見受けられている」と指摘。「こうした空売りの買い手となった市場参加者が連続指し値オペに応札することで、一部の対象銘柄についてSCレポ市場(特定銘柄取引)における需給が長期にわたり著しく引き締まる懸念が生じる状況となっている」とした。
その上で、今回の一連の措置を通じ「国債補完供給の趣旨に即した利用を促すことで市場取引の円滑を確保し、金融市場調節のいっそうの円滑化を図る」とコメントした。
野村証券のチーフ金利ストラテジスト、中島武信氏は最低品貸料の引き上げについて「日銀から国債補完供給で国債を借りてショートするのを難しくするだろう」と指摘。連続指し値オペはカレント3銘柄を対象としているため、現在、日銀は0.5%以下の銘柄も買わなければならないが「その必要がなくなれば、流動性も向上すると期待される」との見方を示している。
もっとも、引き上げ後の最低品貸料は、制度の「悪用」防止と流動性維持のバランスを保つ観点から微妙な判断になった可能性がある。大和総研の中村氏は原則1.0%の最低品貸料について「様子を見ながら変更する可能性もある」と話す。
(伊賀大記、和田崇彦 編集:石田仁志)』
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日本という特殊な条件を考えずに仕掛けた海外ヘッジファンドの空売り全滅
http://blog.livedoor.jp/goldentail/archives/31486082.html『最後の抵抗を示していた日本国債に空売りを仕掛けていた海外ヘッジファンドが、ほぼ壊滅した模様です。損を確定して、市場から撤退を始めましたね。他人事ながら、以前の日銀砲が発動した時のように、多数の投資家の皆様の命が失われる事が無いように願っています。仕掛けた事の結果は、必ず引き受けさせられますので、投資で敗れた時の末路は悲惨です。
海外のヘッジファンドの日本国債空売りの根拠になっていたのは、次のような理屈です。日本の高い財政赤字と巨額の国債残高、および長期的なデフレ圧力により、日本国債の価格が下落し、金利が上昇するとの見方です。日本政府が国債の利払い負担に耐えられなくなり、インフレが加速し、日本円が大幅に下落すると予測していました。この理屈は、間違っていないし、大抵の国には当てはまります。しかし、その国の財政というのは、一律ではありません。日本には、日本固有の状況がありました。
それは、日本の国債の殆どを買い占めていたのは、他ならぬ日銀だったという事です。余りにも利率が低い為に、外国には人気が無く、投資の対象とは見なされていませんでした。なので、通貨発行権を持つ日銀が、買い取っていたわけです。それを、「一般的な」国家財政の理屈で、いつか限界を迎えると踏んで、空売りを仕掛けていたのが、海外のヘッジファンド勢です。通常、国の発行した国債は、アメリカ国債のように、外国の投資家もバリバリ買います。注意しないといけないのは、国債の金利が高い国ほど、財政破綻してディフォルトする可能性が高いという事です。ヨーロッパだと、イタリアとかギリシャとかですね。この前、破綻したクレディスイスなんかは、苦しい経営を支える為に、この辺りの金利の高い国債を、ガンガンと買っていました。
空売りを仕掛けるには、まず、その時のレートで日本国債を借りてくる必要があります。そして、約定日に、その時のレートで買い戻す義務があります。その時に日本国債の価格が下落していれば、利益になり、上昇していれば損になります。ところが、日本の国債価格は、日銀にガッチリと管理され続けた上に、殆どを発行元の日銀が買い占めていたので、約定日になっても買い戻す為の日本国債がどこにも無いという、極めて異例の状態が発生しました。既に、日本の銀行や生保が所有していた日本国債は、殆ど手数利用を払って借りてきていたので、買戻しができない状態です。それゆえ、罰金を支払って、手打ちにするか、日銀に高い金利を払って(直接ではない。間に証券会社が挟まるが、便宜的にこういう表現にしました)買い戻すしかなくなり、殆どの場合市場で損失を出した上に、高い金利を支払って退場という悲惨な結末を迎えています。
債権の場合、株式と違って、大量保有した場合に、それを公示する義務が無いので、具体的に誰が、どれだけ損をしたかは不明ですし、厳密に言うと、実際に大損があったかどうかも、ヘッジファンド側の発表が無い限り不明なのですが、諸所の状況を見ると、まず間違い無いはずです。日銀の国債の保有比率が高い事は、度々批判の的になってきました。市場の健全性から見ると、まったく「ごもっとも」であり、実に不健全な状態であった事は確かです。しかし、事、海外ヘッジファンドの日本国債の空売り攻撃に関しては、鉄壁の防波堤として機能しました。理由は、国債を発行するのも、金利を設定して貸し出すのも、胴元が日銀だからです。つまり、好きにコントロールできます。こんな賭場で、勝てる博徒は存在しません。無理に張り込めば、スッテンテンにされて退場するしか道がありません。
海外ヘッジファンドの読みは、大方の国家に対しては、有効なものですが、日本の特殊事情に関して言えば、間違いだったのです。まぁ、その特殊事情も、決して自慢できるようなものでは無いのですが、他に類例が無い為、とても「一般的」な考えで、市場に介入してしまったのが運の尽きです。今回も、討ち死に状態で、日銀の前に敗退した事になります。
ちなみに、この考え方も、1つの見解に過ぎず、全てのデータが公開されていない以上、予測の域を出ない事は、申し添えておきます。特に債権は、「判った気になる」のが一番危険です。世界の市場において、最大の規模を誇るのは、為替でも株式でもなく、債権市場なのですから、簡単な言葉で全てが説明できるわけでも、理解できるわけでもありません。そのことは、くれぐれも、ご理解下さい。』
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【中国ウオッチ】元閣僚級らがまたも急死 習政権3期目も反腐敗厳しく
https://www.jiji.com/jc/v8?id=2023-04-28-chinawatch『2023年04月28日13時00分
中国で元閣僚級高官と次官級の現職幹部が同じ日に急死した。いずれも「不幸な他界」とされているが、実際には汚職捜査の対象になったことを苦にして自殺したとみられる。習近平国家主席(共産党総書記)が続投を目指していた昨年春から夏にかけて高官の自殺が相次いだが、習政権が3期目に入ってからも「反腐敗闘争」を口実とする党内の粛清は続いているようだ。(時事通信解説委員 西村哲也)
後任の李強首相と明暗
上海市に隣接し、南京市を省都とする江蘇省は、域内総生産(GDP)が広東省に次ぐ全国2位で、これまで多くの中央指導者を輩出してきた。そのトップである省党委員会書記(閣僚級)を2010~16年に務めた羅志軍氏が4月1日、病気のため「不幸にも他界した」という訃報が翌2日に伝えられた。
また、西南地方に位置する重慶市両江新区党工作委の張鴻星書記(次官級)も1日、「不幸にも他界した」ことが2日公表された。
訃報に「死去」でなく、「不幸な他界」を使うのは自殺で、反腐敗を主導する党規律検査委の標的になったことを察知して自ら命を絶ったケースが多い。
羅氏は江蘇省党委書記として李強氏(現首相)の前任者だったが、それ以上出世できずに第一線を退いて最後は自殺。李氏は習主席の側近として政権ナンバー2に昇進と極端に明暗が分かれた。
羅氏は、胡錦濤前国家主席や李克強前首相、李源潮元国家副主席と同じく共産主義青年団(共青団)の元幹部。江蘇省党委書記だった李源潮氏の部下として重用されたが、習政権になると、共青団派は徐々に衰え、羅氏は同省を離れた後、全国人民代表大会(全人代=国会)や人民政治協商会議(政協)の名誉職を歴任した。李源潮氏は失脚説が何度も流れ、17年に早期引退。19年には羅氏の元秘書が服毒自殺していた。
羅氏については、反腐敗闘争で打倒された江沢民元国家主席派の大幹部、周永康氏(元党中央政法委書記)や薄熙来氏(元重慶市党委書記)の権力奪取計画に関わっていたとのうわさもあった。共青団派にせよ、周元書記らのグループにせよ、習氏の政敵であることに変わりはない。
一方、習氏がかつて勤務した浙江省の人脈に連なる李強氏は、江蘇省から上海市党委書記(党政治局員)に転じて、中央指導部入り。同市で習路線のゼロコロナ政策を断行した「功績」により、昨秋の第20回党大会と今春の全人代で党政治局常務委員・首相に大抜てきされた。
執念深く非主流派排除
重慶市の張氏は、昨年まで副省長(副知事に相当)などの要職を歴任した江西省での反腐敗に引っかかったようだ。張氏は江西省時代に撫州市党委書記を務めたが、その前任だった肖毅氏は21年、反腐敗で失脚。一部の中国メディアから、元江西省党委書記、政協副主席で江派の有力幹部だった蘇栄氏(14年失脚)との関係を指摘された。同省では近年、その他にも多くの高官が同様に粛清されている。
蘇氏の問題から芋づる式に肖氏、張氏らを摘発したとすると、9年にわたって江西省の江派人脈を調べていることになる。
改革・開放の最先進地区として知られる深圳市(広東省)でも、4月7日に元局長級幹部が「転落死」した。地元メディアによると、死亡したのは同市政府の副秘書長だった盛斌氏。20日になって、ようやく訃報が伝えられた。盛氏は14年に早期引退していた。
盛氏の上司だった陳応春氏(元深圳市副市長)も16年に転落死している。陳氏は、江元主席の腹心で同市トップ(市党委書記)だった黄麗満氏に近かった。黄氏も一時、失脚説が流れたが、江氏がかばったのか、結局、無傷だった。
なお、盛氏が転落死したマンションは、日本企業駐在員など外国人居住者が多い深圳市南山区に位置する。1戸当たりの価格は日本円で3億~6億円である。
これらの事例から、権力独占を追求する習派がいかに執念深く非主流派を排除しているのかが分かる。習氏は総書記・国家主席として異例の3期目入りを果たしたが、4期目もしくは終身制を実現するため、反腐敗闘争による党内の粛清を継続していくとみられる。
(2023年4月28日掲載)』 -
強制労働で「利益得るな」 ウイグル巡り独VWに抗議―株主総会
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023051100217&g=int『【ベルリン時事】10日に開かれたドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の株主総会で、中国・新疆ウイグル自治区での強制労働問題を巡る抗議活動により、議事が一時中断するなどの混乱が起きた。独メディアが伝えた。抗議に加わった在外ウイグル人組織「世界ウイグル会議」は「VWがウイグル人虐殺から利益を得ないよう直ちに行動を求める」と訴えた。
中国警察、新疆で携帯電話監視 コーラン保存も危険視か―人権団体
経済紙ハンデルスブラットによると、会場内や周辺に環境活動家を含む複数の抗議団体が集結。経営側の説明中にケーキを投げ付けたり、「ウイグル人の強制労働をやめろ」と書かれた幕を掲げたりして、会場から排除される人もいた。
VWは、中国企業との合弁会社が操業する新疆ウイグル自治区のウルムチ工場では、2月時点で41人のウイグル人が雇用され、人権侵害などの問題は見られなかったと説明。一方、世界ウイグル会議は、同工場の複数の取引先が中国政府による強制労働に関与したと主張している。 』
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ロシア飛び地の名称変更 否定的感情を喚起―ポーランド
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023051100634&g=int
『【ワルシャワAFP時事】ポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛び地カリーニングラードについて、ポーランド政府は従来のロシア語名で呼ぶのをやめ、母国語に基づき「クルレビエツ」へ変更することを決めた。ブダ開発・技術相が10日の声明で明らかにし、「われわれはポーランドにおけるロシア化を望まない」と強調した。
リトアニア、対ロ警戒消えず NATOの「アキレスけん」―不安広がる国境の町
新名称は公式文書や地図で使用される。これに対し、ロシアのペスコフ大統領報道官は「敵対的な行動だ」と反発した。
カリーニングラードは1946年、ソ連が自国の革命家カリーニンにちなんで名付けた。ブダ氏は、カリーニンはソ連のポーランド侵攻で多数の将兵らが虐殺された40年の「カチンの森事件」に関与した犯罪者だと指摘。ポーランドでは「否定的感情を呼び起こす」と指摘した。 』リトアニア=ポーランド国境
https://wordpress.com/posts/http476386114.com?s=%E5%9B%9E%E5%BB%8A



『※ NATOの防衛線の「アキレス腱」と言われているポイントだ…。
※ 「スヴァウキ・ギャップ」と呼ばれ、関係者間においては「知らぬ者とて無い」有名ポイントらしい…。
※ 地図を見れば分かるが、ロシア・ベラルーシ連合軍で侵攻された場合、「防衛する」のは、「困難しごく」だ…。
※ それで、「戦術核」使う他ない…、などという話しも登場するわけだ…。』
ミェンズィモジェ(※ ラテン語で「海洋間の」という意味のインテルマリウム(羅: Intermarium)という名前でも呼ばれている。 )
https://wordpress.com/posts/http476386114.com?s=%E5%9B%9E%E5%BB%8A


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日本の安保関連三文書後の多国間協力のあり方
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『日本の安保関連三文書後の多国間協力のあり方
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サイバー・軍事・地政学 外交・防衛協力一般社団法人 日本宇宙安全保障研究所 理事
長島 純
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印刷2022年12月16日、日本政府は、新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略及び防衛力整備計画の3つの文書の閣議決定を行った。それは、日本が、ロシアによるウクライナ侵攻に象徴される武力による一方的な現状変更の試み、北朝鮮や中国による核・ミサイル能力の強化など、歴史的な安全保障環境の転換点を迎えて、より具体的で実践的な安全保障体制の強化を決意したことを意味する。そして、同日行われた記者会見において、岸田総理は、新たに強化すべき能力として、宇宙・サイバー・電磁波等の新たな領域(新領域)への対応能力、経空脅威に対する反撃能力、中国の脅威を意識した南西地域の防衛能力に言及した[1]。本稿においては、それらの新たな防衛能力の実現を加速化するための方策として、これまで日米同盟に比して後れを取ってきたと見られる多国間協力をいかに進化させてゆくのか、ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけとして安全保障面での一体性をより高める欧州とのパートナーシップを例として考察する。
新領域への対応:ハイブリッド脅威に対するパートナーシップの構築
2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻において、米国および北大西洋条約機構(NATO)をはじめとした西側諸国は、ウクライナ向け包括的支援パッケージ(the Comprehensive Assistance Package for Ukraine)に象徴されるパートナーシップに基づく直接、間接の軍事的な技術支援を通じて、その攻撃の影響を緩和することに成功した。それは、対ハイブリッド(複合混成型)作戦[2]に資するサイバー防御や商用衛星画像の提供など、新領域に係る多国間協力が、ロシアによるハイブリッド攻撃の影響を弱めることに寄与したことに他ならない。今後、東アジアにおいても、中国による台湾併合の試みなどの事態に連動して、第三国へのハイブリッド攻撃が予想される中で、日本は、それら攻撃による軍事、民生双方への影響を局限すべく、日米同盟に基づく二国間の協力態勢に加えて[3]、パートナーシップに基づく多国間の連携、協力を重視した対応が求められることになろう。
日本をグローバル・パートナー(Global Partner)と位置づける北大西洋条約機構(NATO)は、2014年以降、サイバー空間や宇宙空間を軍事的な作戦領域と定義し、そこでの重大な攻撃が北大西洋条約の集団安全保障条項(第5条)を発動する要件になり得ると合意している。また、非軍事的な領域も含めた欧州の安全保障への取組を強化する欧州連合(EU)においても、サイバー攻撃や偽情報などを欧州の安定に対する実存的な脅威として捉える中で、ハイブリッド脅威に関わる独立した中核的研究機関(Center of Excellence : COE)を設立するなど、欧州として一体となった防衛態勢の整備を進めている[4]。日本も、2022年2月に策定された防衛力整備計画において、新領域における対処能力を強化することを明らかにしており、更に、横断的な対処態勢を構築しつつある欧州諸国との実践的なパートナーシップを強化する基盤は整っている。
反撃能力の基盤:経空脅威の抑止と対処に求められる先進技術協力
敵の射程圏外からミサイルを発射する「スタンド・オフ防衛能力」は反撃能力の一つであり、その能力は統合防空ミサイル防衛(Integrated Air and Missile Defense : IAMD)の重要な構成要素に他ならない。現在、IAMDが対処すべき経空脅威においては、①ミサイルの長射程化、②複数個別誘導再突入体(MIRV)・機動再突入体(MaRV)化された弾頭、③迎撃することが難しい変則的な飛翔軌道、これらに加えて運用面での④発射形態(固定式発射台、輸送起立発射機(TEL)、潜水艦)の多様化による奇襲攻撃、⑤同時発射能力による飽和攻撃の多用など、急速な進化を遂げ、多様性を増しつつある。
これらの脅威の変化を受けて、日本でも、発射される前段階としての、いわゆる「発射の左側(Left of Launch)」[5]における脅威の破壊、または無力化の重要性が強く意識されるようになった。その実現に向けて、攻撃目標の設定(ターゲティング)に係る包括的なインテリジェンス能力の向上や、組織的な反撃のための指揮統制(C2)システムの整備が喫緊の課題となっている。更に、その整備は一朝一夕には実現できないものの、地上における弾道ミサイル等の状況を可視化するための画像認識、リモートセンシング技術、更には、その脅威分析を速やかに実施するための人工知能(AI)、量子計算、自律機能などの新興・破壊的技術(Emerging and Disruptive Technologies : EDTs)のIAMDシステムへの実装化を、可及的速やかに推し進める必要がある。
また、地上発射型のイージス・アショア−を中核としたBMD体制を有するNATOも、このような経空脅威の急速な進化に対して、弾道ミサイル等が発射された後の「発射の右側(Right of Launch)」における迎撃対処の難しさに直面しつつあり、新たなIAMDの構築に向かうことになろう。近年の技術革新の急速な進展による軍事技術と民生技術のボーダレス化の中で、軍事技術にも応用し得る先進的なデュアルユース技術を基盤とするEDTsは、進化を続ける経空脅威を抑止、対処するための重要な鍵を握ることになる。それは、日本が、EDTs に係る協力、連携体制の構築を通じて、脅威を共有する欧州諸国とのパートナーシップをより一層前進させる必然的な理由となろう。
南西防衛能力の強化:パートナー国との軍事サプライチェーンの強化
今回のロシアによるウクライナ侵攻の教訓として、武力衝突が長期化する中において、継戦能力の確保が大きな課題となっている。事実、欧米では、ウクライナへの戦車や大砲のような正面装備品の供与に係る政治判断以上に、戦場における弾薬やミサイルの大規模な消耗によって引き起こされる兵站備蓄の減少は、支援国における深刻な国防上の問題を引き起こした。これは、第二次大戦以降、国家間の戦争を経験することのなかった西側の防衛産業が物理的な製造能力の限界を露呈しただけでなく、ミサイルなどの弾薬等にも半導体などの技術集約型の部品が組み込まれる流れの中で、近代的な装備品の生産、補給における脆弱性が浮き彫りになったことを意味する。そして、NATOは、この状況に対して、加盟国が弾薬やミサイルの共通化や標準化を促進することに加えて、加盟国間のサプライチェーンを調整することで、それらの余剰備蓄や増産分を同盟内で融通し合うシステムの構築の検討を始めている[6]。これは、有事の際に、西側諸国内における弾薬、整備、補給、物品等のサプライチェーンを安全に確保し、有志国間での相互補完性を確保するための欧州の知恵とも言える。
日本も、南西地域や島嶼部において、武力による現状変更を図る事態が生起し、それが長期化することとなった場合に、後方補給や作戦支援の点で万全の態勢が構築されているとは言えない状況にある。その場合、NATOが検討する後方支援上の新たな取り組みを参考にして、豪州、ニュージーランド(NZ)、韓国などのパートナー諸国と共に、弾薬や装備品の共通化を推進し、有事を想定したサプライチェーンの強靭化を図るような柔軟な発想が求められることになろう。また、今後の欧州との安全保障協力の機会が増加することを念頭に、事前に、半導体や弾薬など軍事面での相互運用性を向上すべく、欧州諸国とのサプライチェーンを整備しておくことが望まれるところでもある。
但し、日本におけるサプライチェーン再構築に係る戦略的な取り組みは、日本の防衛のために必要不可欠で緊急性を要する重要課題であることから、民間防衛産業の責任によって行われることは避けるべきであり、政府が、政治、外交、経済的側面から、パートナー諸国の防衛産業コミュニティとの協力基盤を主導的に整備することで実現されるべきであろう。
おわりに
2023年1月のストルテンベルグ(Jens Stoltenberg)事務総長の訪日時には、新領域における協力の進化と共に、新たな協力文書である国別適合パートナーシップ計画(ITPP)の策定に向けた進展が確認されるなど、日本とNATOの戦略的かつ実践的な関係強化が確認された[7]。既に、2022年に改訂された「戦略概念(Strategic Concept)」[8]において、NATOは、①抑止力と防衛力の更なる強化、②明確な脅威としてのロシアに加え、野心的な中国への警戒、③新領域等におけるパートナー国や機関との関係強化を同盟の重点項目として挙げており、それらは、今回、安保関連三文書に示された日本の安全保障政策の方向性と軌を一にしていると考える。その背景には、2022年6月、岸田総理がNATO首脳会合に参加し、豪州、NZ、韓国と共にアジア太平洋パートナー(AP4)として、日本が欧州における安全保障上のプレゼンスを高めた成果があり、欧州側の期待の大きさも伺うことができる[9]。日本としては、グローバルな安全保障態勢の構築を念頭に、安保関連三文書に示された数々の課題を克服すべく、日米同盟に加えて、欧州諸国とのパートナシップを新たな軸とする安全保障態勢を戦略的に推進してゆくことが求められている。
(2023/3/8)
脚注
1 首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」2022年12月16日。
2 対象国の情勢を不安定化し、その社会システムを脆弱化させた上で、軍事作戦を、短期間かつ低コストで終わらせることを目的とする、サイバー攻撃、欺瞞、妨害行為、偽情報の流布等の非軍事的攻撃と物理的な軍事攻撃を組み合わせた戦い方を指す。
3 同盟国である米国は、国防戦略の中核をなす統合抑止において、シームレスに(境目なく)統合された戦闘領域での戦いを重視するとしており、2011年以降、新領域における日本との協調的な協力の必要性を確認している。外務省「日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)」2011年6月21日。
4 Hybrid CoE , “ Hybrid CoE – The European Centre of Excellence for Countering Hybrid Threats, ” March 21,2022.
5 ミサイル攻撃の流れを発射から弾着までを時系列に並べた場合、発射される前の段階は、時系列上、発射時期の左に位置づけられることから、「発射の左側」と呼ばれる。
6 NATO, “NATO Secretary General in Ramstein: we must urgently step up support for Ukraine,” January 2023.
7 NATO, “Joint Statement: Issued on the occasion of the meeting between H.E. Mr Jens Stoltenberg, NATO Secretary General and H.E. Mr Kishida Fumio, Prime Minister of Japan,” January 31, 2023.
8 NATO, ” STRATEGIC CONCEPT – NATO,” June 29, 2022.
9 外務省「NATOアジア太平洋パートナー(AP4)首脳会合」2022年6月29日。 』 -
NATO事務総長「東京拠点新設」表明 日韓豪と連携
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR10EG60Q3A510C2000000/『【ブリュッセル=辻隆史】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日の米CNNのインタビューで、東京に連絡事務所を新設するために日本政府と協議していると明らかにした。中国への対応を念頭に、インド太平洋地域への関与を強める考えを示した。
日本とNATOは2024年中の事務所設置に向けて調整している。ストルテンベルグ氏は「日本はNATOにとって非常に緊密で重要なパートナーだ」と述べ…
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『ストルテンベルグ氏は「日本はNATOにとって非常に緊密で重要なパートナーだ」と述べた。
日本に加え、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの連携を広げる重要性を改めて強調した。東京の事務所をその足がかりとする。
NATOは中国を「体制上の挑戦」と位置づける。NATO幹部は中国が近年、インターネット上のサイバー攻撃や偽情報の拡散に深く関わっていると危機感を強めている。地理的な制約のないサイバー攻撃などは、欧州を中心に部隊を展開する軍事同盟にも重大なリスクとなるとみる。
ストルテンベルグ氏は「安全保障はもはや地域的ではなくグローバルな問題だ」と訴えた。NATOは日本などの非加盟国と新たな協力計画をつくる作業を進めている。サイバーや偽情報、宇宙といった安全保障の新領域で具体的な協調策を練る。
同氏はウクライナ侵攻を続けるロシアと中国の協力関係にも警戒感をあらわにした。「ウクライナで何が起こるかは、中国が例えば台湾に関してめぐらせている算段に実際に重要だ」とも指摘した。ロシアが勝利した場合は、中国が台湾に対してより強硬な対応にでかねないと分析した。
【関連記事】
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・日本とNATO、対中国で定例協議 東京に連絡事務所多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。益尾知佐子のアバター
益尾知佐子
九州大学大学院比較社会文化研究院 教授
コメントメニュー分析・考察 ロシア=ウクライナ戦争を経ての変化です。中ロ両国は戦争開始前から反米で合致してはいたのですが、今年3月の共同声明でさらに踏み込み、他国の主権や安全保障を守らないのはNATOだ、と「ルールに基づく秩序」を掲げる勢力への対抗姿勢を明確にしました(ウクライナに侵攻しているのはロシアなのに)。
今、世界は明らかに流動期に入り、どの国も新秩序の中で不利にならないよう競争しているわけですが、だんだんと新秩序の構造が定まってきたようです。シンプルに言えば、それは2つの中心(自由主義先進国と中ロ)を持つ楕円型になるのでしょう。アジアとヨーロッパの安全保障は、この構造の中で一体性を強めています。
2023年5月11日 9:02 (2023年5月11日 9:03更新)
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渡部恒雄
笹川平和財団 上席研究員
コメントメニューひとこと解説 NATOと日本を筆頭とするアジア太平洋のパートナー国との安全保障協力は、これまでも着実に進展してきました。サイバー空間や偽情報、そして宇宙などの新領域での安全保障の脅威が深刻化してきたこと、さらには先進技術とサプライチェーン協力など、地理的には遠い両者が協力すべき分野が拡大してきたことが背景にあります。それに加えて、ロシアと中国という地政学的なライバルの連携の動きが、NATOが東京に拠点を構え、インド太平洋のパートナーとの連携の緊密化を図る後押ししたと思われます。航空自衛官としてベルギー防衛駐在官(兼NATO連絡官)を歴任した長島純さんの以下の論考が参考になると思います。
https://www.spf.org/iina/articles/nagashima_15.html
2023年5月11日 8:06 』


