参考:Воздушные силы объяснили, почему “Шахеды” не сбивают вдоль Днепра 参考:Ukraine Defends Against Russia’s Inexpensive Drones With Far Costlier Missiles 参考:Українські сили ППО збили майже 500 іранських безпілотників з вересня 参考:U.S. awards $624 million contract to replenish Stinger missile stock Shahed-131/136の迎撃に活躍するNASAMS、但し攻撃手段と防御手段のコストが見合わない
NASAMSはAIM-120を搭載するランチャー、目標を検出・追尾するためのAN/MPQ-64(もしくはGhostEye)、これを制御するためのFire Distribution Center、弾薬を補充するための補給車両の4つで構成され、第三世代のNASAMS向けに開発されたAIM-120の射程延長版「AMRAAM-ER(AIM-120C-8のシーカーとノルウェー企業のナーモが新規に開発したロケットモーターを組み合わたもの)」はAIM-120C-7と比較して交戦距離と交戦高度が50%以上拡張されている。
日米両国が実現を目指す「自由で開かれたインド太平洋(FOIP: Free and Open Indo-Pacific)」は、成長著しい「アジア」と潜在力溢れる「アフリカ」を繋ぐ「太平洋」と「インド洋」の交わりに生まれるダイナミズムに着目した考え方であり、この地域の発展を通じ新たな地平を切り拓くことが狙いだ。このために ① 法の支配、航行の自由等の基本的価値の普及・定着、② 経済的繁栄の追求、③ 平和と安定の確保を目指す[2]。一方、中国の「一帯一路」もアジアから欧州・アフリカにかけての地域をカバーする広域経済圏構想で、この地域の潜在力と域内に所在する経済を繋ぐことによる効果に着目している[3]。両者が展望する地域には重なりがあり、両者が協力し得る側面を持つ一方、利害が対立する場面もあり得る。また、安全保障上の危険を内包する地域を含んでおり、両者が目指す発展を実現するためには、まず平和と安定が前提となる。日米両国にとって、台頭する中国に向き合っていく上で、この広大な地域の戦略環境を的確に認識することが肝要だ。特に、日本は、自らが「インド太平洋」と「一帯一路」の交わる東北端にあって、両者にとって重要な海域のはじまりとなる東シナ海の戦略的意味を正面から捉え、その安定のためにできることを真剣に考えなければならない。
*この論考は英語でもお読みいただけます。 【Shaping the Pragmatic and Effective Strategy Toward China Project:Working Paper Vol.3】The Geostrategy of BRI vs. FOIP and the Role for Japan
脚注
1 本稿における主張の一部は、下掲、著者による最近の研究成果の一部をアップデートして再掲したものである。米海軍海兵隊の新作戦構想に関しては前者を、我が国防衛態勢の台湾へのインプリケーション及びいわゆる台湾有事の我が国に対する影響については後者を参照されたい。
山口昇「米海兵隊の作戦構想転換と日本の南西地域防衛」(2021/8/2)、笹川平和財団 国際情報ネットワーク分析IINA。; Noboru Yamaguchi, “Japan’s New Security Posture and Its Implications for Taiwan,” Asan Forum (April – June 2021, Vol 9, No. 2) September 24, 2021.
2 外務省「日米首脳ワーキングランチ及び日米首脳会談」2017年11月6日。
3 「一帯一路とは中国と欧州つなぐ広域経済圏構想」日経新聞2021年2月7日。
4 US DoD, Quadrennial Defense Review Report 2001, p. 4.
5 山口昇「提言1-3 日本はインド太平洋地域内の各地域の特性に応じた地域戦略を構築すべきだ」笹川平和財団安全保障研究グループ『積極的平和主義実現のための提言II』(2020年2月)、6-11頁。
6 米国防省が中国の接近阻止・地域拒否構想を説明するために公表したもの“First and Second Island Chains. PRC military theorists conceive of two “chains” as forming a geographic basis for China’s maritime defense perimeter.” をベースに筆者作成。
7 海上保安庁「尖閣諸島周辺海域における中国海警局に所属する船舶等の動向と我が国の対処」。
8 ANN News 「日中首脳会談始まる”l尖閣””香港”で対応要請へ(19/12/23)
9 外務省「習近平・国家主席との日中首脳会談・夕食会」2019年12月23日。
10 防衛省『防衛白書2011年版』、「主要部隊などの所在地(平成22年度末現在)」。
11 「石垣島陸自配備 隊庁舎建設、新年度に着手 宿舎の用地取得も進む」『八重山日報』2021年3月17日。
12 稲葉義泰「なぜ島に駐屯地を作るの? 奄美、宮古、石垣…進む陸自の南西諸島配備 その現状と意義」『乗りものニュース』2019年4月10日。
13 「日米、中露にらみ新戦術:陸自と最大規模の共同訓練」『産経新聞』2021年6月30日。
14 「米海兵隊、日本語で初訓練」『共同通信』2021年7月15日。
15 U.S. Marine Corps Headquarters, “Force Design 2030 Annual Update (April 2021).”
16 Marine Corps Head Quarters, “Marine Littoral Regiment (MLR),” August 2, 2021.
17 Marine Corps Headquarters, “Force Design 2030 (March 2020).”
18 Marine Corps Head Quarters, “Marine Littoral Regiment (MLR),” August 2, 2021.
19 リチャード・J・サミュエルズ著、小谷賢訳『特務:日本のインテリジェンス・コミュニティの歴史』日本経済新聞出版、2020年、402-409頁。』