ウクライナの電力・原子力事情
https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2017/07/ukraine.pdf
※ P12~15は、省略。チェルノブイリ原発の現状についての記述なので。












ウクライナの電力・原子力事情
https://www.jaif.or.jp/cms_admin/wp-content/uploads/2017/07/ukraine.pdf
※ P12~15は、省略。チェルノブイリ原発の現状についての記述なので。












米国は本土のチタン鉱山が2020年までにすべて閉山してしまっている
https://st2019.site/?p=20836
『David Brennan 記者による2023-1-28記事「The Battle for Ukraine’s Titanium」。
米国は本土のチタン鉱山が2020年までにすべて閉山してしまっているので、チタニウム合金の原材料を海外に依拠している。
そしてウクライナは、チタンのスポンジ(原鉱石)を産出する7大国のひとつである。
2022年の統計。最大のチタニウムスポンジ採掘国は中共で23万1000トン。これは世界の57%である。
次が日本で17%、その次がロシアで13%と続く。
カザフスタンは1万8000トン。
ウクライナは4000トンだ。
ロシアの「VSMPO-Avisma」は世界最大のチタン輸出企業で、ボーイング社とJVの関係を結んでいた。
ボーイングは対露制裁の一環として新規輸入を止めたのだが、エアバス社はまだVSMPOからの輸入を続けている。
米国やNATOの工業国は、モスクワはいずれ、チタン原材料の輸出を禁止することで西側を揺さぶりにかかると見ている。それに備える必要があるだろう。
ロシアはチタンの産地でありながら、自国内にはスポンジの在庫はない。近年は、スポンジをウクライナから輸入していたという。だからウクライナのスポンジ在庫に無関心のわけがない。それなしでは航空機やミサイルは製造できないのだ。
2022-2-24の開戦から数ヵ月にして露軍は、ウクライナ国内の2箇所のチタン鉱石の集積所を占領した。
だがその前から確保作戦は進んでいた。
富豪の鉱山主、ドミトリー・フィルタシュは今、オーストリアへ逃れ出ているが、2021年に、ザポリッジアにあるチタンとマグネシウムの工場(欧州で唯一のチタンスポンジ精錬工場)の株式の49%を売り払うことを強いられた。この工場は開戦前から露軍のためにチタンを納入していた。
2022-1にはフィルタシュは、クリミアに保有していたチタニウム工場を、ロシアのチタン関連会社に売却している。
戦後のウクライナ再建には1兆ドルかかるだろうと見られている。
この事業は外国にとっては飯のタネにもなり得る。
ゼレンスキーは、国内のチタン鉱やリチウム鉱を餌にしてなんとか西側から復興事業を誘引したいと思っている。』
ロシアのダイヤは血まみれだ…。
https://st2019.site/?p=20799
『Kathleen Van Brempt and Vicky Reynaert 記者による2023-1-17記事「Time to put Antwerp’s Russian diamonds on EU sanctions list」。
アントワープ中央駅の近くを歩いた観光客なら認めるだろう。ここが世界のダイヤモンド資産の中心だと。
世界のダイヤモンド原石の85%、カット加工済みダイヤの50%、工業用ダイヤモンドの40%は、この町を通過する。
こまったことに、それらダイヤモンド商品の三分の一は、ロシアからもたらされる。
ダイヤの鉱石の輸出で得られているロシアの収入は、毎年、40億米ドルくらい。それもいまや、ウクライナ侵略の軍事費に化けているわけだ。
ロシアのダイヤモンド鉱山採掘の最大手は「アルロサ」。そのCEOのセルゲイ・イワノフは、プーチンの盟友の息子である。アルロサは、軍需産業やロスアトムとも太く結びついている。
アントウェルペンがアルロサを閉め出さないでいる姿勢は、ベルギーの評判を著しく悪くする。
1447年に、フェイク宝石を売ろうとした者への厳しいペナルティを導入したのはアントワープであった。
そしてアフリカの「血まみれダイヤ」を欧州へは入れないと決めた「キンバリー・プロセス」もベルギーが主導し、声価を高めたものである。その評判がブチ壊しになるだろう。ロシアのダイヤは血まみれだからだ。
※南アフリカが露軍ならびに中共軍と海上で合同演習するという。これも鉱山絡みの腐れ縁なのか。』
インドネシア、銅も輸出禁止へ 今年半ばめど、大統領表明
https://news.yahoo.co.jp/articles/35533d0db538e19e7a792d36fd6d9aeb0c578261
『【ジャカルタ時事】インドネシアのジョコ大統領は10日、ジャカルタで行われた式典で、今年半ばにも銅の輸出を禁止する予定だと述べた。
同国は鉱物を国内で加工し、付加価値を高めた上で輸出する政策を推進しており、昨年12月にはアルミニウムの原料となるボーキサイトの輸出を今年6月から禁止すると発表した。
世界銀行などによると、インドネシアは2021年に未加工の銅を約224万トン輸出。最大の相手国は28%を占める日本で、中国、韓国、インドが続いた。
ジョコ大統領は、所属する最大与党・闘争民主党の設立50周年記念式典で行ったスピーチの中で銅の輸出禁止方針を表明。「インドネシアの天然資源は、国民によって享受されるべきだ」と強調した。 』
世界の鉱物・金属資源 輸入額 国別ランキング・推移
https://www.globalnote.jp/post-3294.html

※ ここでは、10位までを貼っておく…。
『データ更新日
2022年10月21日
(年度追加日
データの年度追加は2022年7月26日に実施)
最新値
2021年
時系列推移
1995-2021年まで掲載
ご利用区分
会員
統計の解説
世界の鉱物・金属資源 輸入額 国別比較統計・ランキングです。
各国の鉱物・金属資源の輸入額と国別順位を掲載しています。
単位は百万米ドル。
鉱物・金属資源の分類は標準国際貿易分類(SITC)Rev.3 のコード27、28。
各種鉱物・金属資源の鉱石、精鉱、金属屑・スクラップ及び肥料用ミネラル、石・砂利などを含む。
宝石類、金(ゴールド)は含まれない。
石油・石炭などの鉱物性燃料は含まれない。』
インドネシア、ボーキサイトの禁輸措置を発表 23年6月から
https://www.epochtimes.jp/2022/12/129074.html
『[ジャカルタ 21日 ロイター] – インドネシアのジョコ大統領は21日、アルミニウムの主な原材料であるボーキサイトの輸出を2023年6月から禁止すると発表した。
国内の製錬業界への投資を促すことが目的だと説明した。
大統領は同日の経済フォーラムで、コモディティー(商品)の追加禁輸措置を発表すると述べていた。
ニッケル鉱石の最大生産国であるインドネシアは20年1月、未加工の鉱石の禁輸措置を発表した。これを受けて中国を中心に外資によるインドネシア国内の精錬所建設が進んだ。
大統領はニッケル鉱石の禁輸措置について、ニッケルベースの輸出バリューチェーン(価値連鎖)を高め、輸出全体を押し上げて経常収支改善に寄与したと述べ、その効果を強調していた。』
日本は、鉱物資源大国になるのか…(再掲)
https://http476386114.com/2019/12/26/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%af%e3%80%81%e9%89%b1%e7%89%a9%e8%b3%87%e6%ba%90%e5%a4%a7%e5%9b%bd%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%82%8b%e3%81%ae%e3%81%8b/
※ 今日は、こんなところで…。
※ (12月 26, 2019)の投稿だ…。
※ あの時は、『しかし、いずれも「水深3000メートル、6000メートル」の場所にあるんで、現状「絵に描いた餅」的なものだ…。』と書いた…。
※ しかし、人間の進歩・挑戦は、決して歩みを止めるということは、無い…。
※ 「絵に描いた餅」を、「実際に喰える餅」にすべく、日々「精進」し続けるのだ…。
※ 「昨日の我に、今日は勝つべし!」…。
※ 『それから、「科学技術の進歩」によって、それまでは「開発不可能」と思われていた「資源」も、開発可能なものとなることがある…。したがって、「自国の領土に関する主張」は、やはり、しっかりとして行かなくてはならない…、という話しになる…。』
※ まあ、そういうことでもあるな…。













急げ、南鳥島沖のレアアース開発――中国鉱山の30倍の高濃度、埋蔵量は日本の年間需要の300年分以上(後編)
https://www.ibm.com/blogs/think/jp-ja/mugendai-287-interview-rare-earth2/

『レアアース(希土類)はハイブリッド車、電気自動車、スマートフォン、LED照明、センサーなど日本が誇るハイテク製品に不可欠な鉱物資源である。2010年9月に尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起きた際、世界の生産量の90%以上を握る中国が対日輸出を制限して、急激に価格が高騰した記憶はいまだに生々しい。
そのレアアースが2013年3月、日本の排他的経済水域(EEZ)である小笠原諸島・南鳥島沖の深海底の泥中に、高濃度かつ大量に存在すると発表された。突き止めたのは、東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授と(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)の共同研究チームだ。濃度は中国鉱山の30倍、埋蔵量は少なくとも国内需要の300年分以上あり、陸上鉱床と違ってトリウムなど有害物質も含まず、揚泥は現在の技術を応用すれば十分に可能だという。
2020年の東京オリンピックが決定したいま、環境に優しい「国産レアアース」で動くハイテク製品が活躍する日本の姿がますます期待されるが、その後の実証実験計画やプロジェクトはどこまで進展しているのだろうか。加藤教授に聞いた。
前編はこちら
目次
深さ6000m近い海底の泥をどう引き揚げるか
資源国になれば、価格をコントロールできる
5年以内に日本をレアアースの産出国に
加藤 泰浩
(かとう・やすひろ)
1961年生まれ。1985年 東京大学理学部地学科 卒業、1990年 同大学大学院理学系研究科 博士課程修了。
日本学術振興会特別研究員、山口大学理学部助手、米国ハーバード大学客員研究員、英国ケンブリッジ大学客員研究員、東京大学大学院助教授、准教授を経て、現在に至る。海洋研究開発機構(JAMSTEC)招聘上席研究員。
深さ6000m近い海底の泥をどう引き揚げるか
――南鳥島沖で発見されたレアアースがいかに有望であるか、よく分かりました。採取にあたっては、深海底の泥をいかに効率的に引き揚げるかがポイントになると思います。製錬や輸送を含め、どのようなシステムを検討されていますか。
加藤 その点は浮体式原油生産貯蔵設備を運行する専門会社の三井海洋開発株式会社が担当してくれます。深海の石油の開発技術を応用し、船から圧縮空気をライザー管に送り込んで泥に混ぜ、密度を軽くして吸い上げる「エアリフト」という方法を考えています。既存技術を応用すれば実用化は可能だと言っています。
深さ6000m近い海底から回収する場合、空気は船上で600倍に急膨張して危険なので、加圧式エアリフトという同社の持つ新技術を使って20倍の膨張に抑えます。6000mの長さがあるパイプについても波の周期と共鳴振動しないよう、パイプの直径を段階的に変えることによって防ぐ方法を考えています。
揚泥のポイントは、いかに海水の量を少なくし泥の量を多くするか。同社のシミュレーションでは、1隻の専用船で泥を1日あたり1万~1万5000トン引き揚げることが可能です。仮に年間300日ほど操業すれば引き揚げる泥は300万トン以上になります。
図:「レアアース泥の開発システム」
レアアース泥の開発システム
いま考えられているのは、引き揚げた泥は、船上で薄い酸を使ってレアアースを含む溶液とその他の泥に分離し、溶液は日本に持ち帰って製錬します。残った泥はコンクリートや焼結レンガなどの建設資材に加工し、国土交通省が計画する南鳥島などの遠隔離島の港や滑走路などの港湾整備工事に利用できます。
スコップ一杯の泥も無駄にせず、すべてを有効に活用できます。あとは実証試験をすればよいところまで来ています。
資源国になれば、価格をコントロールできる
――中国がレアアースの対日輸出を制限して以降、日本はレアアース使用量の削減、リサイクル資源の活用、他の資源国からの輸入などの手を打ってきました。その戦略の中で、南鳥島沖のレアアースにはどのような役割を期待すべきでしょうか。
加藤 極端な話、私は、南鳥島沖では国内の必要量の10%程度を生産すればよいと思っています。一番重要なジスプロシウムなら必要量の20%ほどを生産する。その国産レアアースは政府が確保・管理して市場に出すようにするのです。
中国は南鳥島レアアースに対抗するため、レアアースの価格を下げてくるはずです。その場合、10%の国産レアアースは高い価格になりますが、残り90%は中国産を安く買うことができます。
逆に中国が値段を高くしたり輸出規制をしたりしてきたら、日本企業は国産レアアースを政府から安く買えばよい。資源産出国となった日本が、レアアースを少しだけ自給することで価格をコントロールする調整弁を握ることができるのです。
もし生産しすぎて余ったなら、外国に輸出することもできます。
5年以内に日本をレアアースの産出国に
――2013年4月に政府が決めた「海洋基本計画」では、「今後3年ほどかけてレアアースの資源量調査を行い、将来の開発・生産を念頭に広範な技術分野の調査・研究を実施する」と書きこまれました。国を挙げての体制作りをどう進めればよいのでしょうか。
加藤 海洋基本計画には海底熱水鉱床やコバルトリッチクラストの探査も同時に盛り込まれました。
しかし、我々の探査は今後1、2年もあれば十分です。深海底からの採掘技術も、三井海洋開発が自信を持って「やれる」と言っていますから、同時並行で実証試験をすれば、3年以内にパイロット的にレアアースを引き揚げることができます。探査に3年もかけるという政府方針は正直なところもどかしい。
過去の経緯にこだわらず、資源量の把握がしやすく扱いやすいものからどんどん優先して手を付けるべきだと思います。スピードです。
オールジャパンでイノベーションに取り組み、日本が世界に先駆けて海洋レアアースの実用化技術を確立することが大事です。日本企業がレアアース泥鉱床の開発で世界のトップランナーになれば、海底鉱物資源開発の技術を世界に売り込むことができます。
さらに重要なのは、レアアースを使ったハイテク素材の開発です。レアアースは、まだまだ未知のハイテク機能を生み出す余地がたくさんあるのです。レアアースを使って、10倍、100倍の高付加価値のハイテク製品を作って、『ものづくり国家・日本』をもう一度復活させたい。
日本経済再生のため、そして世界のために1日も早く本格的に取り掛かれることを願っています。
text:木代泰之
※日本IBM社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも同社の見解を表明しているわけではありません。』
急げ、南鳥島沖のレアアース開発――中国鉱山の30倍の高濃度、埋蔵量は日本の年間需要の300年分以上(前編)
https://www.ibm.com/blogs/think/jp-ja/mugendai-272-interview-rare-earth1/


『(2013年11月5日)
レアアース(希土類)はハイブリッド車、電気自動車、スマートフォン、LED照明、センサーなど日本が誇るハイテク製品に不可欠な鉱物資源である。2010年9月に尖閣諸島沖で中国漁船衝突事件が起きた際、世界の生産量の90%以上を握る中国が対日輸出を制限して、急激に価格が高騰した記憶はいまだに生々しい。
そのレアアースが2013年3月、日本の排他的経済水域(EEZ)である小笠原諸島・南鳥島沖の深海底の泥中に、高濃度かつ大量に存在すると発表された。突き止めたのは、東京大学大学院工学系研究科 エネルギー・資源フロンティアセンターの加藤泰浩教授と(独)海洋研究開発機構(JAMSTEC)の共同研究チームだ。濃度は中国鉱山の30倍、埋蔵量は少なくとも国内需要の300年分以上あり、陸上鉱床と違ってトリウムなど有害物質も含まず、揚泥は現在の技術を応用すれば十分に可能だという。
2020年の東京オリンピックが決定したいま、環境に優しい「国産レアアース」で動くハイテク製品が活躍する日本の姿がますます期待されるが、その後の実証実験計画やプロジェクトはどこまで進展しているのだろうか。加藤教授に聞いた。
目次
高濃度、埋蔵量は300年~数万年分!?
一丸となり2ヵ月で書き上げた論文
レアアースは17元素の総称で、特に重要なのは5元素
加藤 泰浩
(かとう・やすひろ)
1961年生まれ。1985年 東京大学理学部地学科 卒業、1990年 同大学大学院理学系研究科 博士課程修了。
日本学術振興会特別研究員、山口大学理学部助手、米国ハーバード大学客員研究員、英国ケンブリッジ大学客員研究員、東京大学大学院助教授、准教授を経て、現在に至る。海洋研究開発機構(JAMSTEC)招聘上席研究員。
高濃度、埋蔵量は300年~数万年分!?
――南鳥島沖での高濃度レアアースの発見は、鉱物資源が乏しい日本にとって大変な朗報でした。これまでの調査航海で同海域のレアアースの濃度や分布、埋蔵量などはどこまで判明したのでしょうか。最新の研究成果をお聞かせいただけますか。
加藤 私たち東大と海洋研究開発機構は、2013年1月に共同で南鳥島の250km南で調査し、水深5600~5800mの5ヵ所で海底の泥を採集して化学分析を行いました。
その結果、あるポイントでは海底2~4m付近に最大6600ppm(0.66%)を超える超高濃度のレアアース泥を発見したのです。別のポイントでも海底9m付近に5000ppmを含むことが判明しました。
この海域で、最も重要なジスプロシウムの埋蔵量を計算すると、1000㎢の広さの海底に国内需要の悠に300年分が眠っていると推定されます。南鳥島沖のEEZは半径370kmあるので、全体ではその10倍とか100倍、数万年分はあるかもしれません。最初は1000ppmの濃度のレアアースがあれば十分だと思っていましたが、今は1000ppmでは物足りないぐらいです(笑)。
図:「我が国のEEZ内にも存在するレアアース泥」
我が国のEEZ内にも存在するレアアース泥
――南鳥島沖のレアアースには、他にはない素晴らしい特長があるそうですね。
加藤 そうです。まず、日本の排他的経済水域(EEZ)にある国産資源であることです。いかなる他国にも、領有権を主張される心配はありません。
2つ目は、特に貴重な重レアアースを中心に大変な高濃度であることです。現在、中国が採掘しているレアアース濃度は300ppm程度ですが、南鳥島沖の濃度は6600ppmのところもあり、中国産の20倍という圧倒的な高濃度です。特にハイブリッド車などに使われるジスプロシウムに限れば、中国の10ppmに対し、南鳥島沖の最高濃度は320ppmで32倍もあります。
3つ目は、海底面にごく近いところにあり、船の上からサブボトム・プロファイラーという音波探査により、レアアース泥の分布状況が簡単に把握できること。
私たちは太平洋全域の深海の泥を詳細に分析して、タヒチ沖とハワイ沖の4600~5400mの海底に600~2230ppmの総レアアース濃度を持つ泥があることを発見し、2011年7月に英国の科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に発表しました。すると、タヒチ沖にEEZを持つフランスを始めとする世界各国から問い合わせが殺到し、大変な反響でした。
タヒチ沖では水深4600mの海底面にそのまま露出しているので、南鳥島沖より採取は容易ですが、濃度は南鳥島沖の3分の1程度です。それでもフランスは大喜びです。フランスは海洋開発大国であり、レアアースの製錬や加工で高度な技術を持っていますので、確実に開発に乗り出すでしょう。
4つ目は、海洋のレアアースには、開発の障害になる放射性物質のトリウムがほとんど含まれていないこと。実は、これが非常に重要な点です。陸上で採掘されるレアアースは陸上のマグマ活動によって生成され、必ずトリウムを伴ってしまう宿命を背負っています。
これに対し海底のレアアースは成り立ちが違います。地球表面のプレートの境界である海嶺の熱水活動によって、放出された鉄質懸濁物質とゼオライト、アパタイトが、海水中に溶けているレアアースを吸着して海底に堆積したものです。トリウムはそもそも海水中にほとんど溶けていないので、レアアース泥を構成する鉄質懸濁物質などがトリウムを吸着し濃集することはありません。単純な理由です。
トリウムは環境への放射能汚染や作業員の被ばくの原因になるので、豪州や米国は陸上のレアアースの採掘を控えています。中国は野ざらしのまま採掘を続けてきましたが、尖閣での漁船衝突事件以降、環境問題を理由に日本への輸出禁止をとりました。
5つ目は、泥からレアアースの抽出をする方法。海底の柔らかい泥の中に含まれているので、希硫酸や希塩酸で簡単に抽出でき、製錬も容易です。泥にはバナジウムやコバルト、ニッケル、モリブデンなどのレアメタルも含まれており、それらも回収すれば資源価値はさらに高まります。
一丸となり2ヵ月で書き上げた論文
――ところで、『ネイチャー・ジオサイエンス』誌に発表された論文はわずか2ヵ月で書きあげられたそうですね。なぜ、そこまで急がれたのですか。
加藤 私は当初2年くらいかけて、充分な分析データを積み上げてから発表しようと考えていました。
ところが、2010年に尖閣諸島で漁船衝突事件があった後、中国が日本にレアアースの輸出を禁止したため、日本の産業界は大変なダメージを受けました。
私たちはその前にタヒチ沖とハワイ沖でレアアースを見つけており、日本のEEZ内にも埋蔵していることが分かっていましたので、とにかく一刻も早くそれを詳細に探査し、国産の資源を開発すべきだと思ったのです。
そのためには、ネイチャー・ジオサイエンスに発表し、まずはタヒチ沖とハワイ沖のレアアースの存在を世界に知らせて、独占状態の中国に警告を発する必要がありました。
と同時に、日本のEEZ内のレアアース探査に向け、世論を突き動かし日本政府を動かさなければ前に進むこともできません。私のところの学生たちや研究員もみんな同じ思いで、一丸となって2ヵ月で論文を書き上げ、2011年7月の発表に漕ぎつけたのです。
レアアースは17元素の総称で、特に重要なのは5元素
――ところで、レアアースは17元素の総称ですね。その中のどういった元素が特に産業に必要とされているのでしょうか。
加藤 レアアースは周期表にあるランタノイド15元素にイットリウム、スカンジウム2元素を加えた17元素の総称です。「産業のビタミン」と言われるように、ハイブリッド車、電気自動車、スマートフォン、LED照明、センサーなど日本が誇るハイテク製品の性能向上には欠かせません。また、軍事産業のような国家の安全保障に関わる分野でも、必須の材料です。
特に重要なのは重レアアースであるジスプロシウム、テルビウム、ユウロピウム、イットリウム、軽レアアースのネオジムを加えた5元素です。南鳥島沖のレアアース泥はこれらを高濃度に含有しているのです。
ハイブリッドカーのモーターの強力磁石(ネオジム磁石)にはネオジムが30%使われますが、高温安定性を高めるためにジスプロシウムも3~8%ほど添加しています。これを加えないと、温度が高くなったときに磁力が一気に失われてしまいます。
図:「レアアースとは?」
レアアースとは?
――最近、「ジスプロシウムを使わなくても代替磁石はできる」という声を聞きますが……。
加藤 政府予算で研究も行われていますが、元素の電子配置が磁石の性能を発揮するのであって、基本的に他の元素では代替できません。
このため日本の自動車業界では、当面ジスプロシウムの使用量を減らす技術を開発して対応しているところもあります。また、レアアースを使わないモーター用磁石の研究開発を進めているところもあります。しかし、実現にはそうとう時間がかかると見られており、そのためにも南鳥島のレアアース開発が急がれます。
ハイブリッドカーの他に、ネオジム磁石が重要になるのは風力発電機です。ハイブリッドカーがこの磁石を1台あたり1kg使うのに対し、風力発電機は1機あたり1~2トンも使います。
従って将来、再生可能なクリーン・エネルギーの利用を促進しようとすれば、レアアースも大量に必要になり、それをどう確保するかが大きな問題になるのです。
――南鳥島沖のレアアースは太平洋東部の海嶺付近で堆積を始めたものが、太平洋プレートに乗り1億年以上かけて日本付近まで移動してきたと聞きました。
加藤 そうです。南鳥島はもともとタヒチ近くで生まれた火山島で、プレートに乗って1億2000万年かけてわざわざ日本のEEZである今の場所まで移動して来てくれたのです(笑)。
サイコロ大の泥1c㎥には、約100㎥の海水中に含まれるレアアースが濃集しています。濃縮率は1億倍という凄さ! まさに夢のような鉱物資源だと言えます。
海底での探査は、例えば、100㎢(10km×10km)の四隅をボーリングするだけで、そのエリアのレアアース埋蔵量を簡単に把握することができます。我々の今年1月の実地調査は正味3日間でしたが、それでも大きな探査の成果を上げました。
今後もっと広範囲に調査すれば、どのポイントにどれだけ埋蔵しているか、掘削ポイントがより正確に特定できると思いますので、それを急ぐ必要があります。
text:木代泰之
後編はこちら
※日本IBM社外からの寄稿や発言内容は、必ずしも同社の見解を表明しているわけではありません。』
レアアースの脱中国依存へ、南鳥島沖の水深6000m海底から採掘…技術開発に着手
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20221030-OYT1T50259/


『政府は、小笠原諸島・南鳥島沖の水深6000メートルの海底で確認されているレアアース泥の採掘に乗り出す。来年度に採掘法の確立に向けた技術開発に着手し、5年以内の試掘を目指す。電子機器の生産に不可欠なレアアース(希土類)の国内調達を実現し、中国からの輸入への依存脱却を図る。2022年度第2次補正予算案にも、関連経費を盛り込む方向だ。
複数の政府関係者が明らかにした。レアアース泥は、レアアースを豊富に含む泥で、12年に同島沖の排他的経済水域(EEZ)の海底でも確認された。同島沖の埋蔵量は国内消費量の数百年分相当と推計される。
採掘には内閣府の事業で今年8~9月、茨城県沖で試験が成功した世界初の技術を用いる。試験では海洋研究開発機構の地球深部探査船「ちきゅう」が深さ2470メートルの海底まで「揚泥管」を伸ばし、ポンプで1日約70トンの泥を吸い上げることができた。来年度以降、深海に対応するためにポンプの強化や揚泥管の延長などを進め、1日350トンの採掘を目指す。
中国では鉱山などで採掘できるのに対し、深海の底からの採掘はコストをどこまで下げられるかが課題となる。政府は今後5年間で効率的な採掘・生産の手法を実現させ、28年度以降は民間企業が参入できる環境を整えたい考えだ。』
『レアアースは、スカンジウムやイットリウムなど17種類の元素の総称。供給量が減ればスマートフォンやパソコン、次世代自動車などの生産に支障が生じ、国民生活にも影響が出る。
現在はほぼ全量を輸入に頼っており、6割は中国から輸入している。中国はレアアースの輸出管理を強めており、供給途絶のリスクが懸念されている。このため、政府は経済安全保障推進法に基づき、国が供給確保に関与する「特定重要物資」にレアアースも指定する方針だ。』
ウクライナ、チタン供給危機に商機
中ロに依存する西側諸国の代替供給国を目指すも障害に直面
https://jp.wsj.com/articles/ukraine-looks-for-opportunity-amid-titanium-supply-chain-crisis-11667283355
『米政府は長年、チタンの世界市場が米国の主要な敵対国であるロシアと中国に依存し過ぎていることを懸念してきた。この極めて重要な金属の主要生産国であるウクライナが今、その依存度を下げる役割を果たすことを目指している。
しかし、この問題に詳しい複数の関係者によると、新たな供給国として取って代わるウクライナの取り組みは、国内の政争や継続する戦争に妨げられている。
米国の産業界と国家安全保障関係者は、金属チタンの基礎となるスポンジチタンが国内生産できていない問題にどう対処するかを議論している。鉄よりも強くて軽く、航空宇宙産業に不可欠なチタンは、ますます地政学的な道具とみなされつつある。
ワシントンの当局者は、中国が原料市場とスポンジチタンの生産を支配し、ロシアが航空宇宙産業級の金属チタンの供給を掌握することを懸念している。中ロが連携して米航空宇宙産業を無力化しかねない。米製造企業が近いうちにチタンスポンジの生産を再開する見込みは低く、米国は代わりの供給先を確保しようとしている。』
(※ 無料は、ここまで。)