米、中国製品の制裁関税引き上げへ EUも調査で圧力
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN110IH0R10C24A5000000/
『2024年5月11日 19:02
【ワシントン=八十島綾平、ブリュッセル=辻隆史】米国や欧州連合(EU)は中国製品の急増に警戒を強めている。バイデン米政権は近く中国製の電気自動車(EV)などに課す制裁関税を引き上げる見通しだ。中国が報復関税で対抗する可能性もあり、貿易摩擦が激しくなる。
経済協力開発機構(OECD)によると、世界の鉄鋼の過剰生産能力は、中国などの安価な鋼材が世界中に広がり大きな問題になった約10年前の水準に近づい…
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『経済協力開発機構(OECD)によると、世界の鉄鋼の過剰生産能力は、中国などの安価な鋼材が世界中に広がり大きな問題になった約10年前の水準に近づいている。当時、米ペンシルベニア州やオハイオ州では多数の鉄鋼労働者が失職した。
バイデン米大統領は4月にペンシルベニア州を訪問した際「そんなことは二度と起こさせない」と訴え、中国製品への制裁関税を3倍に引き上げると表明した。11月の大統領選を控え、中国に批判の矛先が向かいやすい。
イエレン米財務長官も4月に訪中し、過剰生産問題を取り上げた。協議の枠組み設置で中国側から合意を取り付けたものの、中国とは立場の違いが大きく進展は見込みづらい。
ロイター通信によると、5月8〜9日にワシントンで開いた米中の気候変動対策の協力に関する会合でも、米側は中国産の安価な太陽光パネルが他国にあふれ出ているとクギを刺したという。
米通商代表部(USTR)はEVなど戦略分野の制裁関税強化を検討している。通商法301条に基づく制裁関税はトランプ前政権が導入した。バイデン氏は保護主義的な政策をさらに強化する。
EUの執行機関である欧州委員会は昨年以降、中国の再生エネルギー分野の製品に対する調査を立て続けに発表した。EVや太陽光発電機器、風力発電タービンなどが対象で、関税引き上げなどの対抗策を視野に入れる。
フォンデアライエン欧州委員長は6日のパリでの中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談でこの問題を提起した。会談後の記者会見では、中国が対処しない場合は必要な対応をとると明言した。
米欧が関税引き上げなど強硬策に傾けば、中国との報復合戦に発展する可能性もある。中国は4月に成立した関税法の草案に貿易相手国が協定に反して中国の輸出品に関税や制限を設けた場合、輸入品に報復関税を課す内容を盛り込んだ。
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