(お知らせ)
ロシア海軍艦艇の動向について
https://www.mod.go.jp/js/Press/press2022/press_pdf/p20220610_03.pdf




『令和4年6月9日(木)、根室半島(北海道)の南東約170kmの海域で活
動するロシア海軍艦艇ウダロイI級駆逐艦1隻、ステレグシチーII級フリゲー
ト1隻及びステレグシチー級フリゲート3隻の計5隻を確認した。
防衛省・自衛隊は、第7護衛隊所属「ゆうだち」(大湊)により、所要の情報
収集・警戒監視を行った。』
(お知らせ)
ロシア海軍艦艇の動向について
https://www.mod.go.jp/js/Press/press2022/press_pdf/p20220610_03.pdf




『令和4年6月9日(木)、根室半島(北海道)の南東約170kmの海域で活
動するロシア海軍艦艇ウダロイI級駆逐艦1隻、ステレグシチーII級フリゲー
ト1隻及びステレグシチー級フリゲート3隻の計5隻を確認した。
防衛省・自衛隊は、第7護衛隊所属「ゆうだち」(大湊)により、所要の情報
収集・警戒監視を行った。』
北海道東方でロシア艦5隻活動 大規模演習、三陸沖でも?―防衛省
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022061000600&g=pol

『防衛省統合幕僚監部は10日、北海道の根室半島南東でロシア海軍の駆逐艦など5隻が活動するのを確認したと発表した。ロシアが太平洋で行う大規模演習に関連した動きとみられ、岸信夫防衛相は「今後三陸沖でも演習を実施する可能性があり、注視する必要がある」と警戒感を示した。
〔写真特集〕ロシア海軍の艦艇
同省によると、5隻はロシア海軍のウダロイ1級駆逐艦やステレグシチー2級フリゲート艦など。9日に根室半島南東約170キロの海域で艦隊運動など演習とみられる活動をしているのを、海上自衛隊の護衛艦「ゆうだち」が確認した。
ロシア国防省は太平洋艦隊の艦艇約40隻などが参加する大規模演習を3日以降太平洋上で行うとしており、関連して千島列島周辺や三陸沖の海域にミサイル射撃などに伴う航行警報が出ている。防衛省はロシアがウクライナ侵攻中でも極東地域で活動能力があることを誇示する狙いとみて、警戒監視を続けている。 』
日本、12回目の非常任理事国に「安保理は試練の時」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN09DW60Z00C22A6000000/


『【ニューヨーク=白岩ひおな】国連総会で9日、安全保障理事会の非常任理事国のうち5カ国が改選され、日本が加盟国最多の12回目の当選を果たした。任期は2023年1月からの2年間で、前回務めた16~17年以来。林芳正外相は10日の談話で「安保理は有効に機能できていない現状にあり、試練の時とも言える」と指摘し、安保理改革に取り組む意欲を示した。
非常任理事国は10カ国の枠が地域別に割り当てられ、毎年の改選では総会(193カ国)の投票国の3分の2以上の賛成が必要だ。日本は前回当選した15年と同数の184票を獲得した。
選挙に合わせてニューヨークの国連本部を訪れた小田原潔外務副大臣は記者団に「大多数の加盟国が日本の選出を支持した」と述べた上で「丁寧な努力を積み重ね、安保理をどのように変えていくかという機運を高めていく」と語った。
アジア太平洋地域枠の日本の他に、アフリカからモザンビーク、南米カリブ諸国からエクアドル、西欧その他からはマルタとスイスがそれぞれ当選した。モザンビークは192票と、自国を除く満票で選ばれた。
マルタのボーチ外相は当選後、記者団に「国連憲章の中核となる価値観や原則が侵害され、弱体化している非常に困難な時期に我々は安保理入りする」と指摘。「課題に立ち向かう上で必要な信頼と政治的意思を構築するため、自らの役割を果たすことを決意している」と意気込みを語った。
安保理に初めて選出されたスイスのカシス外相は「世界の平和と安定、富に貢献したい。我々の人道主義の伝統を元に解決策を打ち出せると思う」と話した。
今回当選した日本などの5カ国は、22年末までの任期で非常任理事国を務めているインド、ケニア、メキシコ、アイルランド、ノルウェーと入れ替わる。アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、アラブ首長国連邦(UAE)は22年1月~23年末までの任期を務めている。
安保理はウクライナ侵攻や対北朝鮮の追加制裁などをめぐり、ロシアや中国の拒否権に阻まれ、法的拘束力のある決議などの措置を打ち出せていない。日本は今後、非常任理事国として決議案や議長声明づくりなどの交渉を主導し、こうした現状を打開できるかが期待される。
5月下旬には北朝鮮への原油供給削減などを盛り込んだ制裁決議案が、ロシアと中国の拒否権発動で初の廃案となった。5日には北朝鮮が8発の短距離弾道ミサイルを日本海に連射した。米韓当局は、北朝鮮が近く7回目の核実験に踏み切る兆候があるとして警戒を強めている。
【関連記事】
・日本、非常任理事国に選出 5年ぶり最多12回目
・林外相「国際秩序の維持目指す」 非常任理事国に選出 』
神戸物産 エジプト事業
https://www.kobebussan.co.jp/business/new.php






『広大な砂漠から
「実りのある農地へ」
神戸物産グループはアフリカ大陸への農業投資を行い、砂漠の農地化に取り組んでいます。
2013年にはエジプト南部ケナ県でセンターピボット農場を竣工。2014年には、かつて砂漠であった広大な土地から小麦の収穫に成功しました。より安定した収穫を得るための、土壌改良や新たな作物の栽培にも取り組む予定です。
エジプト事業
ナイル川の流れるエジプト南部ケナ県エルマラシダ区の砂漠地帯に、約2,900haの広大な土地を取得。何もなかった砂漠の地に、道路、電気網、灌漑パイプなどをマス目状に配置し全14基のセンターピポット(灌漑設備)を設置。
地下に浸水しているナイル川の豊かな恵みを有効活用し、テスト栽培などを経て、2013年より稼働しています。
※2019年12月現在
エジプトである理由
現在は砂漠化していますが、ここは7,000年前に農耕が始まった土地であり、加えて砂漠の厳しい環境は、雑草が生えにくく、除草剤などの使用を抑えることができます。
また数千年にわたり農業をしていなかった砂漠は残留農薬などがない自然のままの状態です。
さらにエジプト南部のケナ県は、ナイル川の流れが湾曲している所(へそ)に位置しているため、伏流水を十分に蓄えた土地であると想定し、ここでの栽培を始めました。
ナイル川の恵み
ナイル川の水は表面を流れるだけでなく、地下に浸透して大きな水瓶のように溜っています。へそのように窪んだ流形は豊富な伏流水の証であり、水質の良いナイル川の水を豊富に確保できる土地です。この水は単なる地下水ではなくナイル川からの資源と考え、当社の技術とノウハウを駆使して有効に活用していきます。
センターピボットとは
乾燥地帯で作物を栽培できるよう地下水を利用して行う灌漑農法。円形の農地にスプリンクラーを回転させ水をまきます。
・全14基
・直径800m
・1台あたり約50ha
(東京ドーム約10個分相当)
砂漠から農地へ
センターピボットは、乾燥地域でも大規模に作物を栽培出来る様に、地下水をくみ上げ、自走式の散水管に圧送し水をまきます。移動速度の速い周辺部の散水量を多くして、散水の不均一を防ぎます。エジプトの農場では合計14基のセンターピポットが稼働しています。
小麦の収穫と今後の展望
2014年春には、広大な砂漠であった土地に黄金に実る小麦を収穫することに成功しました。
農場では小麦のほかにも、トマトやアルファルファ、カモミール、レモングラス、バジルなどの作物のテスト栽培もスタートしています。
また、エジプト事業を通じ、収穫した小麦の一部をエジプトの支援が必要な地域への寄付、エジプト農業学校への技術提供など、国際社会貢献活動も行っています。
観光事業
地熱を利用した観光果樹園など、自然や文化を生かした観光事業により地域活性化に貢献しています。』
「建設的な日中関係へ努力」 両国高官が電話協議
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA075H20X00C22A6000000/
『秋葉剛男国家安全保障局長と中国の外交担当トップの楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員は7日、2時間15分ほど電話で協議した。日中関係に関し「建設的かつ安定的な関係」を目標に双方が努力する必要性を確認した。日中の意思疎通の方法を確保する重要性でも一致した。
両氏が電話で協議するのは初めて。秋葉氏はロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核・ミサイル問題を取り上げ「中国が国際平和と安全の維持に責任ある役割を果たすことが重要だ」と伝えた。
中国外務省によると、楊氏は「中日関係は新旧の問題が交錯しており、困難を乗り越えるための挑戦を軽んじるわけにいかない」と述べた。「双方が正しい方向を把握して努力し、地域の平和と繁栄をともに守らないといけない」と指摘した。』
日本はなぜ急いでアジアを裏切ろうとしているのか―中国メディア
https://www.recordchina.co.jp/b895415-s25-c100-d0192.html
『 中国の複数のニュースサイトにこのほど、日本について「なぜ急いでアジアを裏切ろうとしているのか」とする記事が掲載された。
筆者は、中国国営新華社通信系の雑誌「環球」元副編集長の劉洪(リウ・ホン)氏が運営する微信(ウィーチャット)アカウント「牛弾琴」。
記事はまず、「最近の日本の動きはますます度を越し、米大統領を招待した後、西側にさらに愛嬌を振りまいている」と主張。「岸田文雄首相は日本の首相として初めて(6月下旬にスペインで開かれる)北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席しようとている」「海上自衛隊のヘリ空母『いずも』を派遣して米豪などと環太平洋合同演習(リムパック)2022を実施しようとしている」ことなどを挙げた。
また、米英豪3カ国の安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」、日米豪印4カ国の安全保障対話「QUAD(クアッド)」、米英などアングロサクソン系の英語圏5カ国によるUKUSA協定に基づく機密情報共有の枠組み「FVEY(ファイブアイズ)」、主要7カ国(G7)、米主導の「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」における日本を含む各国の相関図を示し、「米国の同盟国・友好国システムにおいて、非英語圏の国における日本の地位はかつてないほど目立つようになっている」とし、日本は「脱亜」から「叛亜(アジアを裏切る)」に向かっていると主張した。
記事は、岸田首相は「裏切り」のため伏線を張っていると主張。「新任の役人は3本のたいまつを燃やすほどのエネルギーがある」という中国のことわざを引用し、その1つは「改憲」であるとした。
2つ目は「米国の価値観に従い、使用するためのより多くのルールとツール」として人権問題担当の首相補佐官や経済安全保障担当大臣を設置したことを挙げた。
さらに、アジアを「裏切る」という明確な意図は某国に見せるためのものであり、3つ目として、毎月少なくとも1回の米国との軍事演習を挙げた。
記事は、アジアの国々は、日本が発しているアジアを「裏切る」シグナルを警戒しなければならないと主張。歴史の記憶は永久に消すことができないものであり、日本の一挙一動は、アジアの国々を一層団結させ、それにうまく対応するのを助けるだけで、大国の地位を求めることは「黄粱(こうりょう)の夢」にすぎず、宿命を変えようとする日本の政治家もまた歴史の中で「跳梁(ちょうりょう)するピエロ」でしかないとした。(翻訳・編集/柳川)』
ロシア、北方領土周辺漁業の「安全操業協定」を中断
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA07D450X00C22A6000000/
『ロシア外務省のザハロワ情報局長は7日、日ロが1998年に締結した北方領土周辺水域で日本漁船が拿捕などをされない「安全操業協定」の履行を中断すると発表した。日本側が必要な覚書の署名を遅らせ「協定に基づく支払いを〝凍結〟している」と主張、日本側が全ての資金支払い義務を果たすまでは協定を中断せざるを得ないと説明している。
発表はウクライナ問題に触れていないが、ウクライナ侵攻を受けた日本の制裁にロシアが反発していることが背景にあるとみられる。日ロ関係の一段の冷却化は必至だ。
安全操業協定は日ロ間に四つある漁業協定の一つ。日ロ両政府は98年、北方領土の主権問題を棚上げする形で安全操業協定を締結した。北方四島周辺のロシアが主張する領海で、日本側がロシア関係機関に協力金を払ってホッケ漁やタコ漁などを行う仕組み。操業条件は毎年の交渉で決まり、了解覚書を結んでいる。日ロ双方の「立場と見解」を害さないことを原則としている。
北方領土に近い北海道の漁業者にとって、資源量が豊富な北方四島周辺の漁業は重要な操業機会。四島を日本固有の領土とする日本政府はこの操業が「国益に資する」と位置づけ、毎年、漁業者に補助金を出し出漁を支援してきた。領土問題解決の足掛かりの一つにしたい狙いがあった。
ロシア外務省は今年3月、ウクライナ侵攻を理由にした欧米の制裁に日本が加わったことに反発し、北方領土問題を含む日本との平和条約締結交渉の中断を発表。北方領土についてのビザなし交流と元島民の自由訪問停止、共同経済活動からの撤退を表明した。
先月4日には岸田文雄首相と林芳正外相、岸信夫防衛相ら閣僚7人を含む計63人のロシア入国禁止を発表。両国関係は戦後の国交回復以来、最悪の状態に陥っている。(共同)
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柯 隆
東京財団政策研究所 主席研究員
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ひとこと解説
まあ、折り込み済みのことじゃない?制裁を受けるロシアにして当然の仕返し。これより先は我慢比べのゲーム。日本人は北方四島の海域で採れるカニや鮭を食べられなくて、それに耐えられるかである。ロシア人は日本の車(新車+中古車)と家電などの工業製品を手に入れられなくて、どうなるか。この程度のことでどちらかが折れるとは思わないが、八方塞がりのロシア人は生活レベルはかなり低下してしまう。まあ、長期戦になるだろう
2022年6月8日 7:33』
中国と「衝突」か「対話」か、岸田流「リアリズム外交」が行き着く先
日米首脳会談が転換点だったのか?
※ 『だが、現時点で岸田政権に対中交渉の具体的戦略があるわけではない。四島一括返還の原点に戻ることになったロシアとの領土交渉に戦略があるはずもないし、北朝鮮の非核化実現への戦略も当然のことながら描けていない。』…。
※ こういう思考は、根本において違っていると思う…。
※ 「国家戦略」とは、畢竟(ひっきょう)、「状況対応」で行くしかない…。
※ ただ、単なる「場当たり」「その場しのぎ」になってもマズい…。
※ 大枠は、「国家の生き残り」策の企画・立案だ…。
※ 「国家」とは、そこで生きている「国民」の生き残りだろう…。
※ 「最大多数(国民)の最大幸福」を目的に、そのために「必要」なことを考えて行く…。
※ そういうことだろう…。
※ そこに向かって、「情勢分析」し、「どういう立ち位置」を取ったら、国益が最大となるのか…。
※ 例え、「核で攻撃されても」「ミサイル攻撃受けても」、再び「立ち上がって、反撃する」…。そういう体制を構築するには、どういう「策」を企画・立案するのが最もいいのか…。
※ そこに向かって、どういう方面に、どういう「働きかけ」をしていくのが、最も効果的なのか…。
※ そういう「しごく当たり前なこと」を、日常的に淡々と実行して行く…。
※ そういうこと以外に、何があると言うんだ?
※ こういう「明確な戦略や目的」を希求する論者は、「何か、それを押せばパッと事態が好転するスイッチ」みたいなものがあると、無意識のうちに思っているように見える…。
※ 現実世界に、そういう便利なものは、無い…。
※ あるのは、淡々と死ぬまで続く「平凡な日常」だけだ…。
※ 今日は、こんなところで…。
『数年後、日本は中国とどう向き合っているのだろうか。緊張が極度に高まり、一触即発の状況になっているのか。
あるいは劇的に対話が進み、関係改善に向かっている可能性もゼロではない。
どちらになるにしても先の日米首脳会談は、後にその転換点になったと評価されるのではないか。それほど重い意味を持つ会談だったと言っていい。(共同通信=内田恭司)
▽バイデン大統領と「力には力」確認
「日本防衛へのコミットメント(関与)は揺らがない」。5月23日、東京・元赤坂の迎賓館。日米首脳会談でバイデン大統領は、日本をいかなる攻撃からも守る決意を強調した。岸田文雄首相は「防衛力を抜本的に強化し、防衛費の相当な増額を確保する」と表明した。
会談の最大のポイントは、軍事的脅威を増す中国を念頭に「力には力」で対抗する方針を明確にしたことだ。米国は、核を含めた拡大抑止を揺るぎなく提供し、日本は防衛予算を大幅に増やして「対処力」を強化することで、中国に対峙しようというわけだ。
沖縄・沖大東島沖の太平洋に展開中の中国海軍の空母「遼寧」と飛行する艦載戦闘機=5月15日(防衛省統合幕僚監部提供)
日本側が、拡大抑止の提供に不安を抱かないよう、閣僚級協議などで意思疎通を緊密にするとの合意も新しい要素だった。バイデン氏は共同記者会見で、中国が台湾を武力侵攻したら武力で対抗すると「失言」したが、これも重要なポイントだろう。
日本の立場からすれば、台湾で米中が軍事衝突すれば当然「日本有事」になる。その覚悟を首相に迫ったと言えるからだ。そろいの白黒ストライプのネクタイを締めたバイデン氏の左隣で、大統領を見つめていた首相の表情はややこわばって見えた。
日米に豪州、インドを加えた4カ国によるクアッド首脳会議を開催し、中国の目の前で結束をアピールしたことも「大きな成果」(外務省幹部)に位置付けられた。
「クアッド」首脳会合であいさつするバイデン米大統領(手前)=5月24日午前、首相官邸
東京で発足した「インド太平洋経済枠組み」(IPEF)には新たにフィジーも加わり、14カ国で先端物資や稀少資源などの供給網を築き「脱中国」を図っていく。
首相が掲げるのは「新時代のリアリズム外交」だ。ハト派とされる首相だが、その路線は、実は極めてタカ派的だ。強固な日米同盟の下で、拡大抑止の強化と抜本的な「軍拡」に着手し、米国と共に広大な勢力圏の中核国として「中国との衝突」に備えるのだ。
ウクライナに侵攻し、核使用を示唆するロシアとの戦いに勝ち抜く意味合いもある。ロシアも中国と同じく、バイデン氏が言う「専制主義国家」だ。首相は来年、G7サミットの議長として、自由主義陣営の結束と核抑止力強化を被爆地・広島で宣言することになる。
▽実態不明の「拡大抑止協議」が舞台
もちろん日本としても、中国やロシアと戦争をすることが目的ではない。対話と交渉で事態を打開することが最大の目的だ。日本が訴えてきたのは、国際的なルールに基づき、インド・太平洋と東・南シナ海を「自由で開かれた海」にすることだ。「力による現状変更」は許されず、対話で「平和と繁栄」を得ようと強く求めてきた。
しかし、中国は力による現状変更を進め、核ミサイルを含めた軍事力を増強し、威嚇の度合いを強めてきた。沖縄県・尖閣諸島周辺に連日、複数の公船を航行させ、武力による台湾の統一も懸念される状況にまでなった。
2021年12月に沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に侵入した中国海警局の艦船(第11管区海上保安本部提供)
首相に近く、安保政策に詳しいベテラン議員は「中国が態度を変えない以上、拡大抑止の傘にしっかりと入り、自らの力も高めることで分からせるしかない」と指摘する。抑止力と対処力強化の先に対話の道は開かれるという考え方だ。
首相は1~2月、官邸に外務、防衛事務次官経験者らを集め、今後の政策について意見を聴いた。関係者によると、防衛力強化は軍拡競争を招くが、臨界点に達すれば対話の局面に入っていくとの意見が複数の出席者から出た。「核共有」の議論に踏み込み、あえて核への脅威を高めることが非核化への近道になるとの考え方も示されたという。
首相のリアリズム外交は、この時の議論も土台になっていると見ていい。政府は今後、米国側と拡大抑止を巡り、外務・防衛閣僚による「2プラス2」や実務者レベルで議論を進める方針だ。信頼性の醸成や即応性の確保について話し合うとみられる。
あまり知られていないが、両政府は2010年から局次長級の「拡大抑止協議」を開催している。実態は不明だが、議論の主要な舞台はここだろう。米国の核運用の判断に日本が関与することが議題になるなら、それこそ核共有の議論に踏み込むことになる。
▽ウクライナ軍の反撃能力を高度化
対処力を巡っては、国内総生産(GDP)の1%が目安となっている防衛費について、自民党が4月、5年以内に2%以上に増額すべきだとの提言を岸田首相に行った。2022年度で5・4兆円の当初予算について、安倍晋三元首相は来年度で「6兆~7兆円」という数字を上げた。まずはこの金額の確保が焦点になる。
「国家安全保障戦略」など防衛3文書は、日米首脳会談の方向性で改定が進むのは確実で、「敵基地」攻撃に主眼を置く「反撃能力」保持の検討に入るとの見方が強い。
自民党関係者によると、ウクライナでの戦争は日本の反撃能力の整備に「多くの知見」を与えているという。「この戦争は、宇宙とサイバーを含めた『5次元戦争』だ。新領域での精緻な情報解析で、驚くほどピンポイントで敵の位置を把握している。日本が反撃能力を持つなら、これをもっと高度化させたものになる」という。
航空自衛隊府中基地で「宇宙作戦隊」が公開した訓練=2021年11月30日、東京都府中市
仮に防衛費が11兆円に倍増すれば、経費別のうち「人件・糧食費」は2兆円強と大きく変わらないため、装備品購入や研究開発に巨額の予算が一気に投入されることになる。
自民党の佐藤正久国防部会長は「中国は日本を射程に入れる弾道ミサイルを1900発保有している」として、日米で早急に中距離ミサイル網を構築すべきだとの考えを示している。反撃能力システムと共に、防衛力強化の主要要素になる可能性がある。
▽戦後日本の平和主義が問われる
だが、日本が抑止力と対処力を強化したとして、本当に中国を対話のテーブルに着かせることができるのか。そもそも一連の強化路線には懸案が山積している。
防衛費を増額するとして、財源をどうするのか。「つなぎ国債」を発行するなら、将来の償還財源が必要になる。装備品の調達コストも問題だ。米国に有利な条件で購入する「有償軍事援助(FMS)」の増加には批判が強く、圧縮は不可欠だ。
米国の同盟国と有志国が中心となる陣営づくりと、経済安全保障を目的とした「脱中国」のための供給網構築にも課題が多い。
まずは日韓だが、関係改善は進むのか。首相が出席を検討する6月末の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の場で日韓両首脳が初対面し、韓国外相の訪日も実現すれば、秋以降に首脳会談を重ね、早期の決着に導くシナリオが浮かぶ。
しかし、元徴用工問題の解決策としてささやかれる民間基金創設などの案には、双方で反対論が強い。圧倒的な少数与党の尹錫悦政権は基盤がぜい弱なのも気がかりだ。
クアッドに目を転じれば、インドは「脱中国」で連携しても「ロシアとの戦い」には連ならない。オーストラリアは最近まで親中だった労働党の政権になった。IPEFにはカンボジア、ラオスなどが参加せず、東南アジア諸国連合(ASEAN)が分断された。
盟主の米国も、今秋の中間選挙と2年半後の大統領選では民主党の不利が指摘され、対中政策の継続性や「民主主義陣営」の結束維持への懸念が拭えない。
さらに根本的な指摘をすれば、反撃能力の保持や台湾有事への関与を巡っては違憲性が問われるし、広島サミットでは、唯一の被爆国としての非核化政策との整合性も問われる。戦後日本の平和主義の在り方全てが、この局面で問われることになる。
原爆死没者名簿の「風通し」をする市職員=5月18日午前、広島市の平和記念公園
そして、これらの懸案を超えて中国と向き合った時、果たして日本はどのように交渉を進めていくのだろうか。安倍政権で関係改善が進んだ19年、来日した習近平国家主席は、08年の東シナ海ガス田共同開発に関する合意は有効だと確認した。
関係改善への対話は、この合意が土台になるのは間違いない。ガス田交渉に関わった外務省関係者は「合意の要諦は、東シナ海を日中で分け合うということだ。互いの線引きの中で、尖閣と台湾の問題をどう落とし込むかが焦点になるだろう」と話す。
だが、現時点で岸田政権に対中交渉の具体的戦略があるわけではない。四島一括返還の原点に戻ることになったロシアとの領土交渉に戦略があるはずもないし、北朝鮮の非核化実現への戦略も当然のことながら描けていない。
平和実現のための明確な外交戦略と理念を持たないまま、岸田政権がひたすら「軍拡」に突き進んでいくなら、エスカレートの向こう側には戦争しか待っていない。』
北朝鮮核実験「数日中も」 米報道官が懸念表明
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB073E40X00C22A6000000/
『【ワシントン=共同】米国務省のプライス報道官は6日の記者会見で「北朝鮮が今後数日のうちに7回目の核実験を試みるかもしれないと懸念している」と述べた。北朝鮮は北東部・豊渓里の核実験場で準備を進めているとされ、米政権は警戒を強めている。
プライス氏は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を非難した上で、北朝鮮との対話を追求する立場を改めて強調。米国が国連安全保障理事会に提出した北朝鮮制裁強化の決議案が、中国とロシアの拒否権行使で否決されたことについては「深く失望している」と述べた。』
北朝鮮、核実験準備の可能性 IAEA「坑道修復か」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB06C1W0W2A600C2000000/
『【ウィーン=細川倫太郎】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は6日、北朝鮮北東部の豊渓里(プンゲリ)にある核実験場で、坑道の1つを修復した兆候があると明らかにした。北朝鮮が7回目の核実験に向けた準備を進めている可能性があるとして、強い懸念を表明した。
グロッシ氏は6日始まったIAEA理事会の冒頭の声明で説明した。北朝鮮が核実験に踏み切れば「国連安全保障理事会の決議違反で、深刻な懸念になる」と強調した。
グロッシ氏によると、北朝鮮は北西部の寧辺(ニョンビョン)でも核活動を続け、施設も着々と拡大している。ウラン濃縮用とみられる遠心分離機がある施設には屋根を設け、外装が完成したと説明した。軽水炉付近では2021年4月から建設中だった建物が完成し、隣接する2棟の建物の建設も始まった。
10日まで続く理事会では、北朝鮮の核活動への懸念の声が相次ぐ可能性が高い。IAEAは09年に北朝鮮が査察官を追放して以来、現場検証ができず、衛生写真などを使って核活動を分析している。グロッシ氏は政治的合意が得られれば、いつでも査察官を戻す準備はできていると述べている。
北朝鮮は5日、計8発の短距離弾道ミサイルを発射するなど、国際社会への威嚇を強めている。』