初の国産(※ 韓国産)戦闘機「KF-21」試験飛行成功… 世界8番目の開発局快挙/連合ニュース (Yonhapnews)
https://www.youtube.com/watch?v=pBa_Ch-c8rQ&t=9s
(※ 翻訳は、Google翻訳)




初の国産(※ 韓国産)戦闘機「KF-21」試験飛行成功… 世界8番目の開発局快挙/連合ニュース (Yonhapnews)
https://www.youtube.com/watch?v=pBa_Ch-c8rQ&t=9s
(※ 翻訳は、Google翻訳)




「韓国独自の戦闘機」KF-21が初の試験飛行、30分の空の旅を楽しんだ模様: 楽韓Web
https://rakukan.net/article/489932397.html
『韓国製戦闘機「KF-21」が初めて飛び立った…「順調に飛行」(中央日報)
韓国国産超音速戦闘機のKF-21が19日に初めての飛行試験に向け滑走路を蹴り青空に飛び立った。
KF-21は離陸後30~40分間飛行し基本的な機体性能などを確認する。
この日の初めての飛行では超音速までスピードを出さず軽飛行機のスピードである時速400キロメートル(200ノット)程度で飛行するという。
正常に飛行を終えれば30~40分後に滑走路に着陸する予定だ。操縦士はこれを通じて航空機の安全性などを点検することになる。
(引用ここまで)
「韓国独自技術で設計製造された」ポラメ・KF-21の試作機が試験飛行を行いました。
まずはその映像でも見てもらいましょうかね。
ランディングギアを出したまま飛行しているのは万が一の事故に備えてすぐに着陸できるように。
「ランディングギアが出ない」という不具合がないようにする、試験飛行でのお約束です。
試験飛行ですから、どんな不具合が出るかも分からないので対応できる部分は最初から対応しておこうしているのですね。
ランディングギアは空気抵抗の大きなパーツなので、今日は時速400kmていどの低速飛行。
かつ30分ていどの慣らし運転。
ぱっと見は普通に飛行しているように見えます。
あと胴体のへこんでいる部分にミサイル搭載している感じがするな。おそらくは同重量のダミーと思われます。
この半埋没式のウェポンベイもどき、なんか空力的かRCS的に効果あるのかなぁ……。
あと聯合ニュースの映像も真ん中あたりににCGぶっこんでんの意味が分からないですけどね。
まあ、予想通りに飛びはしました。
これから6機試作機を製造し、うち5機で8000時間だったかの試験飛行を行って制式化するのだそうです(1機はインドネシアに譲渡予定)。
要素的にこれといって冒険している部分もないように見えるので、それなりに飛ぶことは飛ぶでしょう。
武装を搭載して戦力化できるかどうか、という部分にハードルはあると思いますが。
さて、その一方で「韓国独自技術で製造されたそこそこ売れている超音速訓練機」ことT-50(T/A-50、F/A-50)ですが、またインドネシアで事故を起こしてパイロットが亡くなっています。
「インドネシアで韓国製空軍訓練機が墜落、1人死亡」(中央日報)
変な話ですが、T-50系統が事故を起こすと、確実にパイロットが亡くなるというジンクスがありまして。
これまで墜落事故を起こすとすべてパイロットが亡くなっているのですね。今回で4件目。
脱出装置にはマーティンベイカー社の射出座席が使われていて、かつ使用された形跡もあるのにダメだったなんてこともあるので。
訓練機だから、という部分はあるかもしれませんが。
もちろん、墜落事故を起こせばパイロットが亡くなる可能性は低いわけがないのですが。
なんとなく不思議な感じがしますね。
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』
北の国から猫と二人で想う事 livedoor版:旧統一教会と政治家との関係とロシアでの過去の暗躍
https://nappi11.livedoor.blog/archives/5356535.html
※ ネットでは、この団体がC※※と、深いつながりがある…、という情報も飛び交っている…。
※ 何が何だか…、という感じだ…。
※ いずれ、ここ日本国においては、東西のその筋の団体・勢力が入り乱れており、激しい「勢力争い」「影響力合戦」を繰り広げていることだけは、確かのようだ…。
『022年7月12日 全国霊感商法対策弁護士連絡会 記録映像
山上徹也容疑者によって 安倍晋三元首相が銃撃を受けて死亡した事件を受けての記者会見で弁護士 らが、「安倍元首相がFireShot Webpage Screenshot #1743 – ‘旧統一教統一教会やUBFに メッセージを発信することを繰り返していた」 「抗議文を送ったが受け取り拒否され 回答はなかった」 「統一教会は自民党の候補者を応援してきた」 「国会議員に秘書を送り情報もとっていた」と発言。
Q.関係があるのは自民党? には「自民党だけでなく野党も」 、
Q.安倍晋三氏や岸信介と教会関係者の写真を見たことはあるか? に対し「岸信介さんと教祖の写真は見たことがある」、、、との記者団と質疑応答も行われた。
ДворкинАлександрЛеонидович
ロシアメディアは、世界平和統一家庭連合(Family Federation for World Peace and Unification、略称: 家庭連合、FFWPU・旧統一教会:EX-Unification Church)は、どのようなアプローチでロシア社会に浸透し、なぜ衰退していったのか。正教会・聖チハノフスキー人文大学の宗教学教授で、ロシア宗教・宗派研究センター協会会長で反カルト活動Anti-cult activismをするアレクサンドル・ドヴォルキンAlexander Dvorkin氏にインタビューし報じた。同氏は、ロシアにおける分派・カルト宗教研究の第一人者であり、現在も、家族のSOSに応じ、カルトに入信した人を救出する活動を行なっている。以下、参照記事より抜粋
統一教会は1980年代からこっそり活動を始めていたが、ソ連でペレストロイカ(政治体制改革)が始まると、堂々と布教活動をするようになった。1990年には統一教会創始者の文鮮明(ムン・ソンミョンムン;Sun Myung Moon)が、FireShot Webpage Screenshot #1744 – ‘The Moscow Rallyソ連の国家元首であったミハイル・ゴルバチョフMikhail Gorbachev氏と面会。クレムリンの敷地内にあるウスペンスキー大聖堂Uspenskin Katedraaliで、統一教会Unification Churchの儀式を行なった。ウスペンスキー大聖堂 はロシア正教会の重要な教会であるから、現在では到底考えられないことである。さらに文鮮明は「統一教会はやがてロシアで国教として受け入れられるだろう」とまで発言したという。
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ドヴォルキン氏は「ソ連の国家元首が、現役の一国のトップとして一番最初に文鮮明に会ってしまった。周囲の人々のプロ意識がなかったとしか思えない」と話す。
統一教会はまず、莫大な資金を注ぎ込んでロシア教育省と太いパイプを築いた。学校の教師らをロシア南部・ビーチリゾートのサナトリウムへ旅行に連れていき、そこでセミナーをやったりビデオを見せるなどして、啓蒙活動を展開した。統一教会はロシア語で「私の世界と私」という教科書を作った。この教科書はロシア全土のおよそ一万の学校で採用された。統一教会は一応キリスト教系の新宗教であるはずだが、ドヴォルキン氏は全く関係ないと否定する。ロシアでは、親の意に反して、子どもが入信してしまうケースが目立ったという。
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統一教会は、米国と日本のメディアに大きな影響を及ぼしたが、ロシアではその試みはうまくいかなかった。ドヴォルキン氏は「特に統一教会が盛んに活動した90年代は、私有財産という概念が誕生したばかりで、社会の何もかもが瞬く間に変化し、盗みや殺人も日常茶飯事だった」と振り返る。注いだ活動資金の額に比べると結果が見合わなかったため、文鮮明は徐々にロシアへの関心を失っていった。
「オウム真理教がロシアで有名になったことは、統一教会の活動にも影響を与えた。オウムの危険性がクローズアップされたことで、統一教会もそれと同列で、危ない存在ではないかと、社会全体が危機感を抱き始めた。それ以外にも他のカルト宗教がどんどん出てきて、競争も激しくなり、統一教会の衰退は、2012年の文鮮明の死去とそれに伴う家族間の継承権争いによって決定的となりました。90年代というロシアが最も混乱した時期と、統一教会の全盛期が重なったことは、不幸中の幸いだった」と述べた。参考英文記事 英文記事 、、、、
世界で、犯罪行為をするような反社会的な集団や組織に分類されるカルトが、日本では宗教法人として今も存在している事が異常である。2012年9月3日に創始者の文鮮明が死亡した際には、北朝鮮の金正恩第1書記は遺族に弔電を送り、「文鮮明先生は逝去したが、民族の和解と団結、国の統一と世界平和のために傾けた先生の努力と功績は末永く伝えられるだろう」との哀悼の意を表している。参考:統一教会の文鮮明総裁に北朝鮮が祖国統一賞を授与
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参議院比例代表に自民党から立候補し当選した井上義行氏(59)が7月15日、総務省で行われた当選証書授与式に出席し、自身の報道について説明した。
一部報道で井上氏は旧統一教会の全面支援を受けて今選挙で当選したと報じられた。
報道によると選挙期間中の今月6日にさいたま市文化センターで開催された旧統一教会の集会「神日本第1地区 責任者出発式」で旧統一教会の幹部から「井上先生はもうすでに信徒となりました」と紹介され「必ず勝たなければいけない。勝ちこそ善であり、負けは悪でございます」とゲキを飛ばされたという。
参照記事 過去ブログ:2022年7月元首相暗殺犯の自宅から自作銃押収と不自然な供述と統一教会』
中国、AWACS形の空自機模型を破壊 ミサイル訓練か
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC144B50U2A710C2000000/



『中国が新疆ウイグル自治区の砂漠地帯に設置していた航空自衛隊の早期警戒管制機(AWACS)に似た構造物を破壊したことが分かった。日本経済新聞が衛星写真を複数の専門家と分析して確認した。日本を仮想標的とするミサイル攻撃の訓練に使った可能性がある。
米衛星運用会社プラネット・ラブズが撮影した衛星写真を調べた。5月中旬の同地点の写真には自衛隊のAWACS「E767」を模した形の物体や滑走路、駐機場のような建築物が写っていた。7月13日の写真では構造物が破壊され、破片や黒い焼け跡のようなものがみえる。
過去の衛星写真をみると2日時点では物体が残っていた。天候の影響で撮影できない日があり詳細な時期は分からないものの、7月上旬に壊されたもようだ。中国で見つかった日本の自衛隊機形の物体が破壊されたと分かったのは初めて。
この一帯は人民解放軍の管理区域とされ、米軍艦と同形状の物体も複数みつかっている。空母に似た構造物にミサイルらしき着弾痕があると専門家が指摘したことがある。
衛星写真の軍事的な解析に詳しい米ミドルベリー国際大学院モントレー校のジェフリー・ルイス教授はAWACS形物体の破壊状況について「何らかの弾道ミサイルの訓練をしたと結論づけられる」との見解を示した。
米シンクタンク、新アメリカ安全保障センターのトーマス・シュガート非常勤上級フェローもミサイル演習に使われた可能性があると指摘した。中国が周囲に戦闘機を模した複数の構造物を配置した中で「特定の機体を識別して攻撃するテストに成功したのなら、中国軍のミサイル攻撃の精度が向上する」と分析した。
元自衛艦隊司令官の香田洋二氏は「手段がミサイルかレーザー誘導兵器かの判断は難しいが、空からピンポイントで破壊している」と話した。
破壊方法については別の見解もある。自衛隊の岩田清文元陸上幕僚長は着弾痕が確認できず、周囲の戦闘機形の物体がそのまま残っている点に着目。「ミサイル攻撃というよりもAWACS形構造物だけ燃やしたのではないか」とみる。
いずれにしても中国が自衛隊機を標的に見立てた訓練をし、目的を達成して壊した公算が大きい。衛星写真からは構造物の周りにあった滑走路や駐機場のような構造物も撤去し始めたことがわかる。
撤去前は写真下部に滑走路状の構造物が延び、模型が破壊された上部とつながっていた=Planet Labs PBC
防衛省によるとAWACS「E767」を運用しているのは世界で自衛隊だけで、浜松基地に配備する4機しかない。背面のレーダーで遠方の航空機やミサイルを早期発見し、味方の戦闘機を指揮する役割を担う。台湾有事などの際に航空優勢を確保するうえで要となる機体だ。
過去の衛星写真を分析するとAWACS形の構造物は2021年春に設置された。日米両政府が台湾海峡について明記した共同文書をまとめた直後だった。中国はそれから1年あまりの期間、軍事訓練に使用した可能性がある。
模型が破壊されたとみられる7月上旬は、中国とロシアが日本周辺で軍事活動を展開した時期と重なる。4日に中国とロシアの艦艇1隻ずつが相次いで沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に入った。ウクライナ情勢や台湾を巡り日本への示威行動を強めているもようだ。
【関連記事】
・中国、空自機形のミサイル標的設置か 衛星写真で初確認
・中国、砂漠に日米の「標的群」 ミサイル訓練に活用か
・空自機形の「標的」設置、中国の狙いは 専門家に聞く
・中国の空自機標的問題 自民部会「世界に提起を」
・早期警戒管制機 「空飛ぶ司令塔」レーダーで全方位監視
この記事の英文をNikkei Asiaで読む
Nikkei Asia https://asia.nikkei.com/Politics/International-relations/Indo-Pacific/Satellite-photos-show-China-destroyed-object-similar-to-Japan-plane?n_cid=DSBNNAR
大中国の時代
多様な観点からニュースを考える
※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。
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桃井裕理
日本経済新聞社 中国総局長
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ひとこと解説
中国の弾道ミサイルが画像誘導でないとすれば、着弾訓練のためにここまで精巧な模型をつくる必要は小さく、一連の動きにはデモストレーション的な意味が強いと考えられます。ただ、注目すべきは、模型として選ばれたのが日本の早期警戒管制機(AWACS)である点です。仮に中国が台湾を侵攻し、台湾を迅速に制圧する戦略をとろうと考えた場合、中国本土の動きまで把握できるAWACSは真っ先に封じ込めておきたい兵力の1つとなる可能性が十分にあります。日本がいつでも中国の攻撃対象となり得るという前提での防衛戦略が必要だと考えます。
2022年7月15日 21:42
益尾知佐子のアバター
益尾知佐子
九州大学大学院比較社会文化研究院 准教授
コメントメニュー
ひとこと解説
台湾の頼清徳副総統の来日の報復かどうかわかりませんが、明らかに政治的メッセージが込められています。中国はロシアのウクライナ侵攻以降、自国が何もしていないのに世界で反中包囲網が強化されていると深く懸念し、憤っています。最近は「日本が裏で糸を引いてアメリカの同盟網を動かしている」という説も出てきています(過大評価ですが)。
米中は最近、あちこちの場でかなり交渉しています。しかし日本は最近、中国を追い詰めることに夢中になりすぎて、ほとんど交渉がないどころか総合的な中国分析すら諦めています。政策的にバランスを欠いています。このままだと中国が日本に圧力を集中させてくるのは避けられないでしょう。
2022年7月15日 21:08 (2022年7月15日 22:18更新)』
NATOはどこへ行く~世界最大の軍事同盟とロシアの脅威~
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220713/k10013714961000.html








※ 今日は、こんなところで…。
『東西冷戦時代に共産主義陣営に対抗するために、西側の欧米諸国が集団的自衛権と核抑止力を掲げて結集したNATO=北大西洋条約機構。冷戦終結後も30か国が加盟する世界最大の軍事同盟として存続しながら、統率が乱れた内情をフランスのマクロン大統領から「脳死状態」とやゆされたこともある。しかし、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻以来、にわかにその存在は脚光を浴びてきた。長年中立的な立場をとってきた北欧のフィンランドとスウェーデンも加盟を申請。さらにNATOはロシアに加え中国への警戒も強め、日本や韓国などとも関係を強化して、いまや地域を越えた「民主主義諸国の砦」の色彩も帯び始めている。一方でその拡大と強大化は、ロシアや中国の猛烈な反発を招いている。NATOは果たして「世界大戦を防ぐ防波堤」となるのか、それとも「世界の対立と分断の象徴」となるのか。「開戦」以来、NATOをさまざまな視点から取材してきた記者たちが、考えた。(NATO取材班)
目次
▼軍事侵攻と向き合うNATO
▼加盟に揺れる北欧2か国
▼台風の目、トルコ
▼日本に急接近するNATO
軍事侵攻と向き合うNATO
「ヨーロッパの安全保障にとって重大な瞬間だ」
ロシアがウクライナへの軍事侵攻を始めた2月24日。
記者団の前に現れたNATOのストルテンベルグ事務総長はこわばった表情でこう語った。
NATO ストルテンベルグ事務総長
ストルテンベルグ事務総長
「NATOは歴史上もっとも強力な同盟だ。われわれはすべての加盟国を、いかなる攻撃からも守る。NATO加盟国の領土をすみずみまで守る」
事務総長はその後も、記者会見のたびにこのことばを繰り返した。
事務総長の念頭にあるのはもちろん、加盟国が攻撃を受けた際に各国が集団的自衛権を行使すると定めた、北大西洋条約第5条だ。そしてメッセージを送る相手は、目の前にいる記者たちではなく、ロシアのプーチン大統領であることは疑う余地がなかった。
ウクライナに侵攻するロシアが、NATO加盟国のバルト3国やポーランドなどに指一本触れることも許さない、そのときはあらゆる手段で反撃するという、世界最大の軍事同盟の本質があらわにされた。
その一方で、NATOが発信し続けてきたもう1つのメッセージがある。
それは「攻撃の矛先が非加盟国のウクライナにとどまるかぎり、ロシアと直接衝突するつもりはない」というものだ。
ときあたかも、ロシアがウクライナ各地への攻撃を広げていた3月4日。NATO本部での記者会見で、1人のウクライナ人記者がすがるように質問したが、ストルテンベルク事務総長はすかさず突き放した。
記者
「なぜNATOはロシア軍機による攻撃を防ぐため、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定しないのか」
ストルテンベルグ事務総長
「飛行禁止区域を設定すれば、侵入してきたロシア軍機を撃墜することになり、ロシアとの直接の衝突につながりかねない。NATOにはこの戦争がウクライナの外に拡大するのを防ぐ責任がある」
「歴史上最強」の軍事力をもちながら、それはあくまで加盟国だけを守るもので、ロシアの矛先がウクライナにとどまるかぎりNATOは参戦しないという、冷徹な現実を示すものだった。
5月、ロシアの軍事侵攻による緊張の傍らで、NATOには思わぬ「追い風」が吹く。
長年、ソビエト、ロシアとの関係への配慮から軍事的な中立政策を保ってきた北欧のフィンランドとスウェーデンが、そろって加盟を申請したのだ。
北欧2か国の加盟申請書
NATO拡大に終始反発してきたロシアにとっては大いなる「誤算」、逆にNATOにとっては想定外の「効用」だった。
両国の大使が加盟申請の書類を携えブリュッセルの本部を訪れると、折しも新型コロナの感染から職務に復帰したばかりのストルテンベルグ事務総長は、満面の笑みを浮かべ「きょうは素晴らしい日だ」と歓迎した。
フィンランドとスウェーデンが加盟を果たせば、NATOはバルト海沿岸をぐるりと固め、同盟は一段と強化される。
加えてロシアがNATO拡大に反対するなかでの加盟申請は、NATOとしてロシアの圧力に屈しない姿勢をアピールするものだった。
NATO首脳会議(スペイン マドリード)
6月、スペインで開かれた首脳会議で、NATOはさらに勢いづく。
冷戦終結後、NATOはヨーロッパ全域の協調を通じて平和を追求することを、標ぼうしてきた。
現に1997年には、ロシアと文書を交わし、互いを敵とみなさず強く安定したパートナーシップを発展させると確認した。
ところが今回の首脳会議で採択された新しい戦略概念では、従来の方針を大転換させ、ロシアを「最も重大で直接の脅威」と位置づけた。
さらに新しい戦略概念では、中国についても「NATOの安全保障や利益、価値観に挑戦する存在」として警戒対象とし、日本や韓国などアジア太平洋諸国との連携を強めていく姿勢を鮮明にした。
NATOはもはや地域を越えて「権威主義的な国々」と対じする「民主主義諸国の砦」へと、変貌しようとしている。
加盟に揺れる北欧2か国
フィンランド ニーニスト大統領
ニーニスト大統領
「この事態を引き起こしたのはあなた自身だ。鏡を見ろと言いたい」
NATOへの加盟申請へと踏み切ったフィンランドのニーニスト大統領は、プーチン大統領をこう痛烈に批判した。
1300キロの国境をロシアと接するフィンランドは、第2次世界大戦で当時のソビエトによる侵攻を受け、多くの犠牲を出しながらもかろうじて独立を保った歴史がある。そうした教訓から冷戦中も軍事力は維持しながら、ソ連やロシアを刺激しないよう軍事的中立を宣言してきた。
そのフィンランドが一転して、NATO加盟へと大きくかじを切ったのだ。国防省の高官も「NATOに加盟すれば、有事の際にも各国が駆けつけてくれる」と期待をにじませた。
国民の間でも急速に加盟支持の声は高まり、近年の世論調査で20%前後だった加盟支持は、5月一気に70%を超えた。
スウェーデン軍の演習
一方、隣国のスウェーデンもフィンランドとともにNATOへの加盟申請をしたが、両国の間には微妙な温度差もあった。
19世紀のナポレオン戦争以降、「軍事的中立」を外交の基本方針として貫いてきたスウェーデン。冷戦後には国防費を大幅に削減し、核軍縮や世界各地の紛争の調停、人道外交をリードしてきた。
「軍事的な非同盟は、スウェーデンのアイデンティティーだ」
スウェーデンの専門家から聞いたことばだ。
NATOへの加盟によって軍事的中立を放棄することは、安全保障政策の大転換にとどまらず、長年にわたって培ってきた国のアイデンティティーを揺さぶられるに等しい。
実はアンデション首相自身も3月の時点では、「NATO加盟は地域の安定を崩す」と加盟に反対の立場を示していた。
ところがウクライナ情勢が悪化し、これまで安全保障面で協力してきたフィンランドが加盟へと踏み出すと、歩調を合わせる以外選択肢はなくなった。
スウェーデン アンデション首相
NATO加盟国になれば、これまで以上にバルト海などでの合同演習が頻繁に行われ、軍事同盟の一員としての役割と責任は増していく。
アンデション首相は今後も核軍縮などに向けて行動していく決意を示したものの、軍事的中立を放棄したあと果たしてどこまで「国是」を守っていくことができるのか。スウェーデンはその「アイデンティティー」を問い直されることになりそうだ。
国民の間ではなお加盟に慎重な声が根強く、政府が加盟申請を決めたときストックホルムで取材したある大学生の女性は、こう憤りをあらわにしていた。
「こんな大切な問題を、なぜ政治家だけで決めるのか。EU加盟の時には国民投票があった。国民を巻き込んで議論するべきだったのに」
台風の目、トルコ
勢いに任せ北欧2か国の加盟へと動きだしたNATOに、公然と待ったをかけたのが、加盟国の中でもひときわ異彩を放つトルコだった。
トルコ エルドアン大統領
エルドアン大統領
「北欧の国々はテロ組織のゲストハウスのようなものだ」
エルドアン大統領は記者団にこうすごんだ。
長年トルコが摘発を続けてきたクルド人の武装組織のメンバーたちを、両国が人道上の理由から国内にかくまっている以上、両国のNATO加盟には同意できないというのだ。NATOの「北欧拡大」は、思わぬ不協和音によって暗礁に乗り上げた。
1952年のNATOの第1次東方拡大で加盟を果たしたトルコ。
加盟国の中でも屈指の軍事大国として、70年にわたり対ソ連、対ロシアの「防波堤」の役割を担ってきた。
その一方で、欧米主導のNATOにあって、さまざまな場面でほかの加盟国とギクシャクした関係に陥ってきた。
シリア内戦(2017年2月 北部アレッポの旧市街)
10年以上にわたる隣国シリアの内戦をめぐっては、トルコは欧米とともに反政府勢力を支援したものの、欧米側がクルド人武装組織を支援したのに対し、トルコはこれを敵視し越境攻撃を行い、欧米との足並みを大きく乱した。
アメリカとは近年、武器の購入をめぐって折り合えず、ロシア製の防空ミサイルシステムの導入に踏み切ったことで、確執を深めた。
ヨーロッパとの間では、長年EU=ヨーロッパ連合への加盟を目指しながら、人権問題などを理由に交渉が進まず、国内では「イスラム教徒のわれわれは欧州の一員には迎えられない」という自嘲的な声も絶えない。
先頃ウクライナがあっさりとEUの加盟候補国として認められたのを、トルコは心中穏やかならぬ思いで見ていた。
NATOの中にあっても同調圧力をはねのけてきたエルドアン大統領。北欧2か国の加盟への「抵抗」は、ロシアを前に結束を示したいNATOの指導部を、大いに慌てさせた。
しかし、6月の首脳会議を前に、フィンランドとスウェーデンの首脳と顔をつきあわせ、テロ組織への具体的な対応を示した合意文書がまとまったことで、最終的には態度を軟化させた。
積もる思いはあっても、NATOの加盟国であることは、いまなおトルコにとって最大の「外交上のアイデンティティー」だ。
NATOの一翼を担いながら、ことあるごとに欧米主導に異を唱え存在感を示すトルコの動向は、この先もNATOの歩みに少なからぬ影響を及ぼすことになるだろう。
日本に急接近するNATO
ロシアとの対決姿勢に加え、中国への警戒感も打ち出したNATOは、もはや欧州から遠く離れた日本にも、無視できない存在になっている。
NATO首脳会談に出席した岸田首相
6月にスペインで開かれた首脳会議には、初めて日本の岸田総理大臣も参加。NATO側と具体的な協力内容を盛り込んだ新文書を取りまとめることを確認し、サイバーや海洋安全保障などの分野で協力を進展させる方針で一致した。
NATOと日本の軍事部門どうしの交流は、この数か月、加速してきた。
ことし5月、ベルギーで開かれたNATO軍事委員会主催の参謀総長会議には、自衛隊トップの山崎幸二統合幕僚長の姿があった。
加盟国でない日本の自衛隊トップが出席したのは初めてで、防衛省によるとNATO側からの要請で実現したという。
会議には、日本のほかにオーストラリア、ニュージーランド、韓国といった、NATOがアジア太平洋地域のパートナー=「AP4」と位置づける国々の軍のトップも招かれていた。
防衛省関係者の1人は、NATO側のねらいは中国に明確なメッセージを送ることだったと見ている。
防衛省関係者
「新型コロナの影響もあって実現しなかったが、実は参謀総長会議への統合幕僚長の参加は、数年前から打診されていた。NATOは、ウクライナ侵攻以前から、今後の安全保障の焦点は、中国が海洋進出の動きを強めるインド太平洋地域だという危機感を持っていた。自衛隊トップが参加すれば、中国に対するメッセージになると考えたのだろう」
ウクライナに侵攻したロシアと対じするNATOとしては、インド太平洋地域での中国の力による現状変更にも、警戒を強めている。
一方、日本としても、中国に加え、ロシア、北朝鮮と同時に向き合うには、NATOの協力は欠かせないという立場だ。双方の接近はある種の必然だったとも言える。
バウアー軍事委員長と山崎統合幕僚長
6月にはNATOのバウアー軍事委員長が日本を訪問。
山崎統合幕僚長は記者会見で「今やヨーロッパとインド太平洋の安全保障は不可分だ。日本とNATOの連携のさらなる強化は、世界の平和と安定に不可欠だ」と語気を強めた。
直接的な軍事支援を行うことができない日本としては、まずは共同訓練や高官どうしの交流を通じて結び付きを強め、それを対外的に発信していこうとしている。それが「力による現状変更」の試みへの抑止力になるという考えだ。
バウアー委員長の公式訪問のあと、海上自衛隊はNATO軍のほか、フランスやイギリス、スペインの海軍との共同訓練を、矢継ぎ早に実施・発表した。
7月上旬には、今度は吉田陸上幕僚長がイギリスとドイツを訪問、陸軍種のトップと会談して共同訓練の実施などを呼びかけ、さらに井筒航空幕僚長も7月中にNATO本部などを訪れるという。
防衛省関係者
「5月の参謀総長会議でも、NATOの要人から、中国による台湾侵攻の可能性に強い関心が示された。『ウクライナの次は台湾だ』と思われているのだろう。ロシアの行動を見た中国に『力による現状変更が可能だ』と誤解させるようなことは、あってはならない。日米同盟はもちろん、多国間の連携を深め、どうやって中国を思いとどまらせるかに腐心しなければならない。その意味で、NATOとの連携強化は極めて重要な意味を持つ」
かつてNATOがロシアとの融和を目指した時期に、5年にわたり事務総長を務めたラスムセン氏。
NATO ラスムセン前事務総長
私たちの取材に対し、「プーチン大統領の領土的野心を過小評価していた」と悔恨した。そして「権威主義的な指導者を前に、われわれは強く結束し妥協しない姿勢を示すことで、過ちを繰り返してはならない」と語った。
ロシアによる軍事侵攻はNATOの拡大と強大化をもたらし、それがロシアと中国のさらなる反発を招けば、分断と対立はますます深まっていく。
その連鎖が世界に何をもたらすのか、いまは誰にもわからない。』
日英、戦闘機開発計画の統合検討 年内の合意目指す=関係者
https://www.epochtimes.jp/2022/07/110632.html

『[東京/ロンドン 14日 ロイター] – 次期戦闘機開発をそれぞれ進める英国と日本が、双方の計画を統合し、新たに共同事業を立ち上げる方向で調整していることが分かった。年内の合意を目指す。事情を知る日英の関係者3人が明らかにした。
英国は「ユーロファイター」の後継機となる「テンペスト」の国際共同開発事業を主導する一方、航空自衛隊「F2」後継機の開発を計画する日本とも協力を進めてきた。両国とも、2つの事業を統合する方が技術とコスト両面で相乗効果が見込めるとの判断に傾いている。
日本が米国以外の国と本格的に武器を共同開発するのは初めて。中国が軍事と経済両面で急速に力を増し、ロシアの軍事的な脅威が再び高まる中、共に米国の同盟国である日英は安全保障関係を強めてきた。戦闘機という主要装備の開発を統合することで、協力関係を一段と深める。
「日本と英国の対等な協力関係になるだろう」と、関係者の1人は言う。開発費用はまだ決まっていないが、この関係者によると数百億ドル規模になりそうだという。
日英は2017年ごろから、戦闘機開発で協力する可能性を模索。今年1月には、IHIとロールス・ロイスが次期戦闘機用エンジンの共同研究に乗り出した。エンジン以外も含め、1つの事業に統合する協議を集中的に行っていると同関係者は話す。
別の関係者は「仕様を少し変えつつも基本的には同じ戦闘機を調達することをメインシナリオとして検討している」と話す。
英国防省は、ロイターの取材にコメントを控えた。日本の防衛装備庁は「5月の日英首脳会談で一致したように、本年末までに協力の全体像を決めたい」と回答。「米国の同盟国である英国と、さまざまな協力の可能性を追求していく」とした。
前出と別の関係者によると、英政府は早ければ18日に始まるファンボロー国際航空ショーでテンペスト計画の最新状況について発表する可能性がある。
テンペスト事業を請け負う英防衛大手BAEシステムズはコメントを控えた。日本の次期戦闘機計画を主導する三菱重工業は、政府の事業のためコメントする立場にないとした。』
日本とNATO: 米国の同盟国を結ぶ新たな可能性
https://www.nippon.com/ja/in-depth/d00820/
『 ロシアによるウクライナ侵攻という事態を受け、日本とNATO(北大西洋条約機構)の関係進展が注目されている。NATOはこのほど採択した新たな「戦略概念」で、初めて中国に言及し懸念を表明。欧州とアジアにおける米国の同盟国は、今後さらに歩調を合わせる可能性が出てきた。
2022年6月末にスペインの首都マドリードで開催されたNATO(北大西洋条約機構)の首脳会合に、岸田文雄首相が出席した。日本の首相として初めてのNATO首脳会合出席であり、今回は日本の他、オーストラリア、ニュージーランド、韓国の首脳も出席した。NATOにとっては、ロシア・ウクライナ戦争が続く中でも、中長期的な課題としてのインド太平洋、なかでも中国への関心を示すことになり、日本にとっては、欧州とインド太平洋の安全保障の不可分性を発信するよい機会になった。
日本とNATOの関係はいかに発展してきたのか。そして今後、どのような可能性が考えられるのか。
欧州外で最も古いパートナーとしての日本
日本とNATOの対話の始まりは、1980年代の中距離ミサイル(INF)問題にさかのぼる。83年の米ウイリアムズバーグでのG7サミットで、サミット参加国の安全保障は不可分であると主張したのは当時の中曽根康弘首相だった。対象は異なっても、岸田首相の言葉と重なる。
その後、日NATO間の対話は90年代に制度化される。しかし、実際のところ当時の欧州は、旧ユーゴスラビアでの紛争や中東欧諸国のNATOやEU(欧州連合)への加盟問題など、欧州内の問題に傾注しており、アジアの安全保障が欧州に影響を及ぼすという発想に乏しかった。日本も同様であり、国際安全保障上の役割は限定されていた。
そうした状況を変えたのが2001年9月11日の米国に対する同時テロ事件だった。これを受けて日本は、海上自衛隊がインド洋で米軍などへの補給活動を実施するなど、アフガニスタン問題に関与することになった。他方でNATOは03年8月からアフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)を指揮し、同国に深くコミットすることになる。インド洋、そしてアフガニスタンで日本とNATOが出会う格好になった。日本はアフガニスタンへの自衛隊派遣は結局見送ったが、復興支援などの文民面でNATOとの協力が行われた。
2000年代後半から2010年代初めにかけて、NATOの首脳会合や外相会合の際には「アフガニスタンに関する会合」が頻繁に開催され、日本を含めたパートナー諸国の参加が招請された。アフガニスタンはこうした前例にもなったのである。12年のシカゴNATO首脳会合のアフガン会合には、玄葉光一郎外相が出席している。
その後、日本とNATOとの間では、13年4月のラスムセン(Anders Fogh Rasmussen)事務総長来日時に「日NATO共同政治宣言」が発出されたほか、実務協力に関する文書として、「国別パートナーシップ協力計画」が14年に最初に作成され、18年と20年に改訂された。同計画は、日本とNATOが「自由、民主主義、人権及び法の支配という共通の価値並びに戦略的利益を共有する、信頼できる必然のパートナーである」とした上で、ハイレベルの対話や防衛交流の強化をうたい、実務協力の具体的な分野として、サイバー防衛、海洋安全保障、人道支援・災害救援、軍備管理・不拡散、防衛科学技術などを列挙している。
ロシア・ウクライナ戦争と中国の挑戦
実務協力については、NATOの演習・セミナーへの参加や、海軍種間の共同訓練などの実績が積み重ねられてきたが、岸田首相の今回のNATO首脳会合出席は、NATO自体や日NATO関係への関心が日本で高まる契機になった。その背景に存在するのは、当然のことながらロシア・ウクライナ戦争である。
岸田政権は、ロシアへの対応において「G7と足並みをそろえる」ことを前面に打ち出してきたが、G7のメンバーのうち、EUを除けば日本以外は全てNATO加盟国である。3月にブリュッセルで開催されたG7首脳会合が、NATO首脳会合と合わせて開催され、NATO本部で開かれたこともうなづける。米欧にとっては、NATOの主要国プラス日本がG7であるし、日本にとっても、G7諸国との協力の自然な延長線上にあるのがNATOとの協力だという位置付けになる。
ロシア・ウクライナ戦争への日本の対応として、岸田政権が強調するのは、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」との意識に基づく、欧州とアジアの安全保障環境の不可分性である。そのため、力による現状変更は世界のどこであれ許されてはならず、侵略のような行為が成功するという誤ったメッセージを発することになってはいけないと強調してきた。この観点で、NATOと利益を共有するのである。
そうした中で、マドリード首脳会合でNATOが採択した新たな戦略概念は、歴史上初めて中国に言及することになった。中国は、「われわれの利益、安全保障、価値に挑戦している」として、ハイブリッド、サイバーに加え、技術面と中ロ関係に懸念を表明した。他方で建設的関与の可能性も残しつつ、それでも、価値や国際秩序のために立ち向かうとも述べた。直近の脅威はロシアだが、その先の課題として中国が存在しているという構図だ。NATOにおけるこうした中国への認識は、今後の日 NATO協力の重要な基盤にもなる。
NATO「諸国」との連携の強化
NATOとの関係強化に対しては、「アジアでの有事の際にNATOは助けてくれるのか」という疑問が呈されることも少なくない。
まず、NATOという枠を超えて今回の戦争への対応の裏に込められた日本のメッセージは、仮にアジアで中国の関与する大規模な有事が発生した際には、(米国に加えて)欧州が今回日本が示しているのと少なくとも同じ程度の連帯、結束を示すことを期待する、というものである。
その上でしかし、日本の自衛隊がNATOの防衛に駆けつけないのであれば、NATO側だけが行動することを期待するのは一方的で自分勝手な姿勢だろう。NATOの基本条約である北大西洋条約(第6条)は、「北回帰線以北の北大西洋地域の加盟国領土」を集団防衛(第5条)の地理的範囲として規定している。これには西海岸までの米本土は含まれるが、ハワイやグアムは入らないと解釈されている。したがって、台湾有事などの際にNATOが集団防衛の発動として直接に軍事的関与を行う可能性は極めて低い。
ただし、これはあくまでも法的な議論である。台湾をめぐるハイブリッド戦争のような段階を超えて、米中の正規軍が正面で戦うような事態が発生した場合には、日本も攻撃にさらされている可能性が高く、英国を筆頭に、米国との関係が深い同盟国も直接的な関与をすることが十分に考えられる。その際に、北大西洋条約における集団防衛の地理的適用範囲は問題にならない。なぜなら、集団的自衛権の行使は、同盟とは関係なく国連憲章で認められた国家固有の権利だからある。攻撃を受けた国からの要請があれば、NATO加盟国か否かに関わらず、集団的自衛権の発動が可能である。
このことが示すのは、日本にとってのNATOとの関係は、NATOという多国間組織との関係であると同時に、 NATO加盟国との関係だということである。NATOという「場」を通じて、個別のNATO加盟国との関係を深めるのである。
欧州とインド太平洋における米国の同盟国を結ぶ
ただし、多国間の「場」としてのNATOが持つ意味を過小評価してはならない。というのも、NATOが70年以上にわたって積み重ねてきたのは、多国間での作戦・計画の手法であり、それらの実践だからである。
日本の防衛は、主として日米同盟という二国間の文脈で捉えられてきた。この基本的構図は今後も変わらないものの、日本のみが単独で攻撃されて日米同盟において日本防衛を規定した日米安全保障条約第5条が発動されるケースを除けば、正規軍同士の戦闘を伴うハイエンドな武力衝突において、実際問題としてより蓋然(がいぜん)性が高いのは、米国に加えて台湾、さらにはオーストラリアや英国が直接関与するような事態であろう。
そうした事態においては、日本を含めた各国間の連携が鍵となる。そこで求められるのは多国間の作戦・計画であり、米国にとってもそのひな形はNATOだ。今後は、日米同盟や米豪同盟といったインド太平洋の米国の同盟網に、英国やフランスといった欧州のNATO加盟国を含めた、米国のその他の同盟国をいかに「プラグイン」できるかが問われることになる。その基礎となるのは、日英協力をはじめとする個別の二国間関係だが、その輪を広げていくうえでもNATOとの関係は有効なのである。
別のいい方をすれば、それは、NATOと日米同盟を結ぶということである。2022年2月に発表されたバイデン政権のインド太平洋戦略も、インド太平洋と欧州大西洋の間に「橋を架ける」と述べている。
その観点では、マドリッドNATO首脳会合の機会に、いずれも米国の同盟国であるオーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国という、アジア太平洋のNATOの4つのパートナー国(Asia-Pacific 4: AP4)による首脳会合が開催されたことは意味がある。日米豪や日米豪印(Quad)などの枠組みはあっても、インド太平洋の米同盟国間のみの枠組みは、二国間関係を除いては希少だからである。また、オーストラリアへの原子力潜水艦提供を中心とする米英豪の枠組みであるAUKUSは、英国とオーストラリアという、米国にとっての欧州とインド太平洋の主要同盟国を結ぶ枠組みである。日本とNATOの関係は、そうした文脈に位置づけた際に、その可能性がさらに広がることになる。
実質的な対話と協力を進める観点では、サイバーや海洋安全保障といった国別パートナーシップ協力計画で言及されている分野に加えて、抑止態勢強化の課題として、中国やロシアのA2AD(接近阻止・領域拒否)や中距離ミサイルへの対処といったハイエンドな軍事の分野における議論も欠かせない。同時に、共同訓練の内容を、従来の親善訓練的なものから、より実践的なものに格上げしていくことも課題になる。具体的な協力を推進しつつ、戦略的な構想を持つことが求められる。
バナー写真:北大西洋条約機構(NATO)首脳会議を前に並んで立つ(左から)オーストラリアのアルバニージー首相、岸田文雄首相、ストルテンベルグNATO事務総長、ニュージーランドのアーダーン首相、韓国の尹錫悦大統領=2022年6月29日、スペイン・マドリード(AFP=時事)
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鶴岡 路人TSURUOKA Michito経歴・執筆一覧を見る
慶應義塾大学総合政策学部准教授。専門は国際安全保障、欧州政治など。1975年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒。同大学院法学研究科修士課程などを経て、英ロンドン大学キングス・カレッジで博士号(PhD)取得。在ベルギー日本大使館専門調査員、防衛省防衛研究所主任研究官などを歴任し2017年4月から現職。11年から東京財団政策研究所主任研究員を兼務。近著に『EU離脱』(ちくま新書、2020年)がある。』
高まる憲法改正論議 懸念すべき外国の影響力工作
川口貴久 (東京海上ディーアールビジネスリスク本部主席研究員)
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/27285



『2022年7月10日の参議院選挙は将来、戦後政治史に記録されるかもしれない。それは、憲法改正プロセスの里程標として、である。
参院選で改憲勢力の議席が増え、岸田首相は憲法改正への議論を加速させるとみられている(代表撮影/ロイター/アフロ)
今回の参議院選挙を経て、改憲に前向きな4政党(自民党、公明党、維新の会、国民民主党。以降、「改憲勢力」とする)の議席数は、非改選分も含めて177議席となった。これは参議院の総議席数248の3分の2(166議席)を上回り、改選前の166議席(総議席数は245)と比較すれば決して小さくない変化だ。
もちろん改憲勢力4党の憲法改正に対する方針・争点は一枚岩ではないどころか、隔たりは大きく、政党内の合意形成も容易ではない。しかし単純計算とはいえ、憲法改正を志向する政治勢力が衆議院で約4分の3、参議院で3分の2以上を維持した意味は大きい。
衆議院の解散や大きな政界再編がなければ、国会の勢力図は25年夏まで維持される。こうした状況を踏まえ、岸田文雄首相は参院選開票後の選挙特番で「できるだけ早く発議をし、国民投票に結びつけていく」と語った。
また21年6月、通常国会で成立した改正国民投票法では、国民投票の公正や公平の確保のための追加検討事項が明記された(附則第四条)。具体的には国民投票に関わるインターネット利活用、広告、資金に関する制度的措置を改正法施行3年(24年9月)目途に検討・整備することを求めている。 こうした観点でも「(約)3年間」という時間軸が意味を持つ。
今後、憲法改正そのものと改正手続きの両面で、議論が加速化するのは間違いないだろう。
原則、自由の「国民投票活動」
憲法改正に係る国民投票とはどのようなプロセスか。義務教育課程で学ぶ憲法改正の発議と承認プロセスは次の通りだ。
「憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする。」(日本国憲法第96条)
国民投票法等はこのプロセスをさらに具体化する。現行の想定では、国民投票は、国会の発議から60日以後から180日以内に実施され、満18歳以上の日本国民が投票権を有するとされる。
発議の内容は関連するテーマごとに区分して国会で審査され、国民は国民投票においてもそれぞれ別個に票を投じる。つまり憲法改正案をワンパッケージで審議・投票するのではなく、関連テーマごと(例えば、9条関連、新しい権利の明文化、緊急事態条項など)に判断するということだ。』
『国民投票の周知を担うのは、衆参両院10人ずつで構成される「国民投票広報協議会」である。協議会は憲法改正案の要旨、新旧対照表、改正に対する賛否意見等を記載した「国民投票広報」を全世帯に配布し、同様の内容をテレビ・ラジオ放送・新聞広告で発信する。
そして国民一人ひとりは「国民投票運動」、つまり「憲法改正案に対し賛成又は反対の投票をし又はしないよう勧誘する行為」を行うことができる。この運動は、国民が自由に運動を行い、自由闊達に議論するために、「原則的に自由であり、規制はあくまでも投票が公正に行われるための必要最小限」との理念に基づく。
つまり、この運動は公職選挙法の規制下になく、われわれがイメージする通常の国政・地方選挙とは異なるということだ。公職選挙法に規制されない活動・運動という点だけでいえば、19年2月に実施された「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」と同様だ。
個別訪問や公職選挙法にいう「気勢を張る行為」(団体行進、楽器の使用等)が認められる。もちろん、多数に対する組織的な利益・利害関係を悪用した誘導は罰則対象であるものの、基本的には自由なのだ。
自由故に高まるリスク、問題は外国勢力の介入
憲法改正に関わる議論や国民投票運動は、根拠と論理に基づくことが望ましいだろう。と同時に、根拠や論理に基づかない、感情や信念に基づく主張も当然に許容されるべきだ。極論すれば、有権者の発言や表現は、不正確な情報や偽情報の類であっても、直ちに規制されるべきものではない。
こうしたものも含めて、発言や議論を保証することが求められている。これこそが、自由で開かれた民主主義社会の前提だ。少なくとも国民が発信する内容を以って規制するという考え方は、国民投票活動以前にあってはならない。
しかし同時に、自由で開かれた社会は、それ故に悪意をもった攻撃や情報に脆弱だ。特にソーシャルメディアやデジタルプラットフォームでは、偽情報やディスインフォメーションが流通・拡散しやすい環境にある。そして米国、欧州各国、台湾、豪州の国政選挙・国民投票では、外国勢力による介入や影響力行使が顕在化し、民主主義の根幹を揺るがす問題となった。
国民が無自覚(もしくは意図的)に生み出すかもしれない情報混乱と外国勢力による干渉は本質的に異なるものであり、両者は区別する必要がある。その上で、少なくとも後者は徹底した対策を講じる必要がある。
こうした考え方は、筆者が関わった笹川平和財団の提言書『外国からのディスインフォメーションに備えを!』(22年)や『ハックされる民主主義』(土屋大洋との共編著、千倉書房、22年)でも議論され、結果的に多くの専門家やメディア関係者の合意を得られたと考える。
では、日本の選挙や投票に対して、外国勢力が介入するリスクはどの程度あるのか。
そもそも、「日本の選挙は既に外国政府に干渉されているのではないか」との疑問も浮かぶだろう。 慎重に答えるならば、アクセス可能な公開情報に基づけば、外国政府が日本の選挙に対して、デジタル空間を通じて組織的に干渉した事実は確認できていない。もちろん単に公開されていないだけという可能性もあるし、そもそも日本政府や当局にそのような介入を検知する能力がない可能性もある。
しかし、これまで介入を確認していないということは、将来にわたって介入がないということにはらない。』
『仮に憲法改正に係る国民投票が行われるとすれば、中国をはじめ、ロシアや北朝鮮といった近隣国の関心は高いだろう。もし国民投票の結果が日本の防衛力整備に影響を与えるとしたら、近隣国に関心がないということはあり得ない。
そして重要なことは、中国やロシアはデジタル空間を通じて民主主義国家の選挙に干渉し、選挙に限定しなければ中国は日本に対してもオンラインで影響力を行使してきた、という点だ。
中国によるデジタル空間での影響力行使
中国による影響力行使はオンラインに限定されず、伝統的なメディア、人的関係、各種団体といった多様なチャネルが指摘される。デジタル空間に焦点を当てれば、中国による日本語での影響力行使は少なくとも3つの経路が確認できる。
第一に、もっとも分かりやすい経路は、政府関係者や政府系メディアによる公然たる影響力行使である。 これは中国の伝統的な対外宣伝活動がオンラインに延長されたものであり、無数のケースが確認できる。
例えば、中国共産党の機関紙「人民日報」の日本語ウェブ版「人民網日本」は、21年末から年明けにかけての在沖縄米軍基地での新型コロナウイルス感染症のクラスター感染について、「#在日米軍 が日本側の感染防止・抑制措置を完全に無視して出入りしたため、その努力は台無しになった」とツイッターに投稿した。
中国共産党の機関紙「人民日報」の日本語ウェブ版「人民網日本」によるツイート 写真を拡大
ここでは、この「主張」の妥当性は論じないが、明らかに問題なのはテキストに添えられた写真だ。投稿された写真はクラスター感染が発生したキャンプ・ハンセン、キャンプ・フォスター(瑞慶覧)、嘉手納基地ではなく、辺野古基地だった。 在日米軍のクラスター感染という負のイメージと辺野古基地問題を意図的に結び付けた可能性が高い。
ただし、こうした公然たる影響力行使は「発信元」に注目することで一定程度、対処できる。
第二の経路は、一般ユーザーを装ったボット(不正なプログラムによる自動発言)や大量に動員されたユーザーによる非公然の影響力行使だ。最近の典型例は、ツイッター上での「ウイグル族弾圧はデマだ」というキャンペーンだ。
ツイッター社は21年12月、中国政府に紐づく情報作戦に関与したとして、中国共産党のウイグル関連「ナラティブ」を増幅したアカウントや新疆ウイグル地区地方政府を支援する「昶宇文化(Changyu Culture)」社に紐づくアカウント、合計2160アカウントを削除したと発表した。読売新聞の調査によれば、日本語による発信もあった。
ツイッター社の元データを確認したところ、削除されたアカウントの大部分は19年以降に開設されたもので、全体の半分以上は20年3月(さらにいえば中国標準時間の3月10日、11日に集中的)に開設されていた。 何らかの組織的関与があったことは疑いようがない。
これ以外にも、ボットや人海戦術を活用したとみられるさまざまな影響力キャンペーンが明らかになっているが、その全てが白日の下に晒されているわけではないだろう。
』
『第三の経路は、前者二つよりも秘匿性が高く、より多くのリソースが投入されたであろう高度な影響力行使である。
朝日新聞のサイバーセキュリティ専門記者・須藤龍也によれば、21年の秋、台湾の大手セキュリティ会社「TeamT5」の信用を貶めるような偽情報、日台関係を悪化させるような偽情報が日本語で発信されたことが確認された。
この影響力工作は活動や発信源を偽装する痕跡があり、(最先端というわけではないにせよ)従来のオンライン上の日本語での影響力行使とは次元が異なるものだ。影響力行使のプロセスや投入されたであろうリソース、推察される目標をふまえると、中国政府機関もしくはその「委託先」の関与が疑われる。
こうした点からも、日本は中国のオンライン影響力工作とは決して無縁ではない。
今後3年間で議論すべきこと
仮に国民投票が行われるとしても、外国勢力による影響力行使や介入が、国民投票の結果を覆すかどうかは分からないし、恐らく結果を変えることは難しいだろう。米欧や台湾への選挙介入がそうであるように、外国の影響力工作が有権者の投票行動にどれほど影響を与えたかの立証は難しい。
しかし、国民投票運動や投票のプロセスに介入や不正の「疑惑」があるだけで、その投票自体の正統性が疑われることは、16年および20年米大統領選挙をみれば明らかだ。
憲法改正に関する議論は国論を二分するだろう。これ自体は不自然なことではないし、自由闊達に議論を交わすべきだ。けれども、後に外国からの干渉が明らかになった場合、国民投票や民主主義に対する信頼は回復不可能なレベルにまで失墜するだろう。それは単に個別の国民投票の信頼が失われるだけではなく、戦後、日本が歩んできた民主主義への信頼を揺るがしかねない。
インターネット利活用や広告に関するルール整備は必要だが、自由闊達な意見を前提とする国民投票活動が本当に懸念すべきは、開かれた言論空間を切り裂く権威主義国家の影響力行使だ。
幸か不幸か日本には、選挙介入対策のベストプラクティスを学ぶ先が多くある。なぜなら、米国、台湾、豪州、欧州各国では既に外国による影響力行使や介入が顕在化し、法整備も含めて対応を講じてきたからだ。
最も必要なことは、外国からの介入や影響力行使を可能な限りリアルタイムに近い形で検知・分析できる能力、すなわち国民による発信・議論と外国による介入を峻別する能力である。そのためには、外国資本も含めたデジタルプラットフォームに対して従来以上の協力を「要請」することも含まれる。さらにいえば、オフラインでの影響力行使の検知・対応も必要である。
憲法改正が発議されるにせよ、されないにせよ、今後、議論は加速するだろう。その際、外国勢力の介入対策もワンセットで議論されなければならない。
『Wedge』2021年12月号で「日常から国家まで 今日はあなたが狙われる」を特集しております。
いまやすべての人間と国家が、サイバー攻撃の対象となっている。国境のないネット空間で、日々ハッカーたちが蠢き、さまざまな手で忍び寄る。その背後には誰がいるのか。彼らの狙いは何か。その影響はどこまで拡がるのか─。われわれが日々使うデバイスから、企業の情報・技術管理、そして国家の安全保障へ。すべてが繋がる便利な時代に、国を揺るがす脅威もまた、すべてに繋がっている。
特集はWedge Online Premiumにてご購入することができます。』

【新刊紹介】中国の台湾侵攻が現実のものとなったとき、日本はどうなるか:岩田清文・武居智久・尾上定正・兼原信克著『自衛隊最高幹部が語る台湾有事』
Books 安保・防衛 政治・外交 2022.07.09
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/bg900430/

滝野 雄作 【Profile】
いたずらに台湾有事を騒ぎ立てることには組みしたくない。しかし、理想的平和主義を唱えるだけでは、いざ危機が目の前に迫ったときに、何の役にも立たないだろう。台湾有事のリアルは是非、知っておくべきなのだ。軍事の専門家による本書は、そのことを理解するためにかっこうの手引となるであろう。
本書の第一部は、想定される台湾有事の4つのパターンのシミュレーションである。これは昨年8月、政府の国家安全保障に近年までかかわってきた高級官僚、防衛問題に造詣の深い現職国会議員、自衛隊から退官まもない陸海空将官、さらに有事の際に関係してくる外務省、経産省の元幹部ら20数名によって行われた研究会での討議がもとになっている。
そこでは、
第3次台湾危機(1995~96年)では、中国が台湾総統選挙に台湾沖ミサイル発射演習をもって軍事的に介入する形で起こったが、次回の台湾総統選挙(2024年)でも、中国は軍事的に介入する可能性がある。
という前提に立っている。
シナリオ①は、直接的な武力行使は行わないが、グレーゾーンの戦いを中国が仕掛けてくるというもの。台湾が独立を画策しているとのフェイクニュースを流して台湾国内を混乱させ、武力介入の口実を探る。サイバー攻撃でインフラや基幹産業の稼働を止め、さらに台湾海峡とバシー海峡に海上臨時警戒区を設置、継続的に大規模な軍事演習を繰り返すことで諸外国の自由な航行を妨害する。
シナリオ②は、中国が台湾で新型ウイルスが発見されたとのフェイクニュースを流し、検疫と隔離政策をとるという名目で台湾全島を孤立させる。その際、サイバー攻撃、海底ケーブルの切断によって外部との通信手段をはく奪。中国海軍による海上封鎖の長期化で、台湾国内は混乱、対中融和政権の誕生を画策するというもの。
シナリオ③は、直接的な武力行使である。総統選挙で独立志向の強い候補が圧勝、危機感から中国は軍事進攻を開始する。どういう攻撃を中国は仕掛けてくるか。詳しくは本書を読んでほしいが、中国陸軍は台湾上陸を果たし、中台の衝突は全土を巻き込んで、さらには海上の戦域は日本の領土におよぶ。結果的に日本は防衛力が手薄な尖閣諸島と与那国島を占領されてしまう。
そうなったらどうなるか。
それがシナリオ④で、米軍は自衛隊とともに本格的な参戦を決意する。しかし、中国本土へのミサイル攻撃が開始される前に、中国は国連安保理に停戦決議を提案。現状で停戦がなると、尖閣・与那国の占領は固定化されてしまう。その前に、奪還作戦を遂行できるのか。アメリカは台湾本土の防衛に全力を注ぐので、日本は自力で事態を打開しなければならない。
台湾・中国本土の在留邦人救出は困難
第二部では、こうしたシミュレーションをふまえて、著者である元職の陸幕長、海幕長、航空自衛隊補給本部長と内閣官房国家安全保障局次長らが討論した座談会が収録されている。自衛隊の装備や法制度など、そこで浮き彫りにされる日本の国防の問題点は何か。
総じていえば、悪夢が現実のものとなったとき、日本の備えはあまりにも脆弱だということだ。ミサイルの射程や数といった日中の戦力差(中国の短・中距離弾道ミサイル約1600発が南西諸島全域を射程に収めている)という以前にそもそも問題がある。少しだけ紹介しておく。
頼りにすべき米国との間で、台湾有事に対処する共同作戦計画は手つかずのまま、具体的に検討されていない。中国の海上・航空戦力に対するに、日台間に軍事に関する通信連絡の仕組みがない。いまや近代戦ではサイバー攻撃が常識になっているが、日本にはサイバー攻撃者を特定する能力も反撃能力もない。
邦人保護も心もとないものだ。戦端が開かれたら台湾の在留邦人2万5000人、敵性国家の国民となる中国本土の在留邦人11万人をどうやって避難させるのか。自衛隊の限られた輸送能力だけでは絶対に救出できない。この対策が、一番、肝要であるように思う。
『自衛隊最高幹部か゛語る台湾有事』
新潮社
発行日:2022年5月20日
新書版:295ページ
価格:990円(税込み)
ISBN:978-4-10-610951-5
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中国 本・書籍 台湾 尖閣諸島 新刊紹介 台湾有事
滝野 雄作Takino Yuusaku経歴・執筆一覧を見る
書評家。大阪府出身。慶應義塾大学法学部卒業後、大手出版社に籍を置き、雑誌編集に30年携わる。雑誌連載小説で、松本清張、渡辺淳一、伊集院静、藤田宜永、佐々木譲、楡周平、林真理子などを担当。編集記事で、主に政治外交事件関連の特集記事を長く執筆していた。取材活動を通じて各方面に人脈があり、情報収集のよりよい方策を模索するうち、情報スパイ小説、ノンフィクションに関心が深くなった。
安倍外交の真価 日本はアメリカの「代理戦争」戦略に巻き込まれるな
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/07141100/?all=1
『銃撃事件で死去した安倍元総理の通夜が営まれた7月11日、外国要人による来日と弔問の動きが相次いだ。ブリンケン米国務長官は同日午前、岸田総理を表敬訪問し、安倍氏への弔意を伝達した。台湾の頼副総統も同日、安倍氏の自宅を訪問した。
【写真11枚】プーチンの長女・マリアの“訪日旅行写真” 東京ディズニーランド満喫後の姿を捉えた!
安倍氏の国際社会における存在感の大きさが改めて実感された形だ。
安倍氏は総理在任中、日米同盟の強化に努めるとともに、ロシアと中国が連携して日本に対抗する構図になることを阻止してきた。このため、ロシアのプーチン大統領と27回の首脳会談を行い、中国の習近平国家主席との関係構築も進めてきた。
タカ派と言われた安倍政権だったが、外交の基本は対話重視だった。「ロシアのウクライナ侵攻のような安全保障上の危機がアジア地域で起きなかったのは安倍氏の功績だ」との評価が出ているほどだ(7月9日付ニューズウイーク)。
残念ながら日本を巡る安全保障環境は急速に悪化している。
北大西洋条約機構(NATO)は6月29日、今後10年の指針となる新たな「戦略概念」を採択、中国について「我々の利益、安全保障、価値観への挑戦」を突きつけていると初めて明記した。今回の戦略概念の見直しにより、旧ソ連に対する同盟とした出発したNATOは「中ロ専制主義」に対する同盟へと変わったことになる。
岸田総理は6月29日、NATO首脳会議に日本の総理として初めて出席した。岸田総理は、中国を念頭に「ウクライナは明日の東アジアかもしれない。力による一方的な現状変更の試みはけっして成功しないということを示さなければならない」と訴え、NATOとの協力を強化する考えを表明した。
ウクライナ危機を契機に、日本はロシアはもちろんのこと、中国に対しても強硬路線に転じたかのような印象が強いが、はたして大丈夫だろうか。
米国の「失敗」
ロシアによるウクライナ侵攻の長期化が進む中、米国の保守系シンクタンクであるランド研究所が2019年に発表した報告書に注目が集まっている。
報告書のタイトルは「ロシア拡張~有利な条件での競争」、米国がロシア、中国などの「敵対的勢力」に対して採用する戦略的対応が主な内容だ。その内容をかいつまんで説明すれば「米国側が挑発して、敵対的勢力に過剰な反応を引き出し、これに対抗する形で米国が行動に出ることでその影響力を喪失させる」というものだ。
2019年以降、米国政府は英国とともにウクライナに対して軍事支援を強化してきた。両国の後ろ盾を得たことでウクライナ政府はロシアに対して強気に転じ、停戦合意を破棄し、ドンバス地域で軍事攻勢を強めた。これに対しウクライナ国境沿いに兵力を増強させて圧力を高めていたロシア政府は、2月24日に軍事侵攻に踏み切った。米国側の挑発(ウクライナの軍事支援等)→ロシア側の過剰反応(ウクライナ侵攻)という一連の流れは、報告書が想定したとおりの展開だ。
ランド研究所の報告書に従い、米国政府は対抗手段として、ロシアに対して過去最高レベルの経済制裁を科し、ウクライナに対して破格の軍事支援を行っている。だが、対抗手段の有効性に大きな誤算があったことは否めない。
ロシアの戦費調達に欠かせない外貨収入を断つため、強力な制裁を講じているが、世界的な資源不足が災いして、ロシア経済に深刻な打撃を与えるに至っていない。ウクライナに対する軍事支援も当初期待されたほどの成果は出ておらず、物量で勝るロシア軍の優位が明らかになりつつある。米国政府は「ロシアの影響力を喪失させる」ことに失敗したと言わざるを得ないだろう。
前述の報告書の中で中国に関する記述は少ないものの、「ロシアは米国と正面から対決する余裕はないが、中国は力をつけている」として、中国を「真の敵」だと位置づけていることが気になるところだ。』
『台湾有事の際も「代理戦争」
米国は中国にもロシアと同様の対応に出ている節がある。
米国政府は近年、台湾に対して史上最大規模の武器売却を実施し、軍事顧問団を派遣して台湾軍を訓練している。米軍艦艇による台湾海峡の航行なども日常化させている。
中国軍も台湾海峡周辺で軍事演習を活発化させており、事態はエスカレートするばかりだが、深刻な分裂が進む米国で対中強硬路線は超党派で一致できる数少ないテーマだ。米国政府が中国への挑発を止めることはないだろう。
バイデン政権はウクライナに米軍を投入しない代わりに強力な武器支援を行っている。いわゆる「代理戦争」というやり方でロシア軍と対峙しているが、台湾有事の際も「代理戦争」になる可能性が高い。だが、その遂行が危ぶまれる事態となっている。
ウクライナに未曾有の規模で武器供与を行っている米国で深刻な武器不足が生じているからだ。武器の生産能力には限りがあり、在庫補充には数年を要するという。
香港紙「アジア・タイムズ」は6月26日「中国が台湾に武力侵攻しても、米国は多くの武器をウクライナに供与してしまったために、台湾への武器支援を行うことはできないだろう」と報じている。
米国の「代理戦争」戦略の失敗のせいで多くのウクライナ人が犠牲となっていることは否定できない事実だ。米国の挑発が台湾有事を招き、これに有効に対処できなければ、「アジアは次のウクライナ」になってしまうことは火を見るより明らかだ。
国難に直面している今こそ、日本は真の国益を追求しなければならない。対話重視に徹した安倍外交の真価をもう一度見つめ直すべきではないだろうか。
藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。
デイリー新潮編集部 』